特許第6776715号(P6776715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6776715
(24)【登録日】2020年10月12日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】内燃機関の吸気装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/10 20060101AFI20201019BHJP
   F02M 35/104 20060101ALI20201019BHJP
   F02D 9/02 20060101ALN20201019BHJP
【FI】
   F02D9/10 H
   F02D9/10 A
   F02M35/104 R
   !F02D9/02 351M
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-156522(P2016-156522)
(22)【出願日】2016年8月9日
(65)【公開番号】特開2018-25129(P2018-25129A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2019年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】関口 啓介
(72)【発明者】
【氏名】石原 啓光
(72)【発明者】
【氏名】山口 智広
【審査官】 戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−163366(JP,A)
【文献】 実開平06−022682(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/10
F02M 35/104
F02D 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動軸及び吸気通路の通路断面積を変更可能な弁部を有する弁体と、
前記回動軸を回動自在に支持する支持部を有して前記弁体を収容する保持部材と、を備え、
前記保持部材は、前記吸気通路の内壁面に設けられ、
前記弁体は、前記回動軸と前記弁部との間に形成される側壁部を有し、
前記側壁部は、前記回動軸の軸芯方向において前記吸気通路に対し、前記回動軸と前記支持部との間の隙間を前記回動軸の全周にわたって遮蔽するものであって
前記吸気通路における前記弁体よりも上流側の内側面と、前記弁体の前記側壁部の内側面とは、前記吸気通路の延びる方向において略面一となるように配置されている、内燃機関の吸気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記保持部材は、前記通路断面積を最小とする抑制状態から前記通路断面積を最大とする開放状態の範囲での前記弁部の回動を許容するように前記側壁部を収容する収容凹部を有し、
前記側壁部は、前記回動軸の軸芯を中心とする周方向において、前記弁部が設けられる範囲を除いた範囲で、前記回動軸の軸芯を中心に前記回動軸よりも大径及び前記弁部までの最大距離よりも小径となる円弧状周縁部を有する、内燃機関の吸気装置。
【請求項3】
請求項2に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記側壁部は、前記抑制状態に向かう回動方向に先行する側の前記円弧状周縁部の接線と前記弁部の端部とを繋ぐ直線状周縁部を有する、内燃機関の吸気装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記側壁部は、その収容される前記収容凹部に対向する第1対向面を有し、
前記収容凹部は、その収容する前記側壁部に対向する第2対向面を有し、
前記第1対向面から前記第2対向面に向かって突出する弁側突状部及び前記第2対向面から前記第1対向面に向かって突出する保持部材側突状部の少なくとも一方である突状部を有する、内燃機関の吸気装置。
【請求項5】
請求項4に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記突状部は、前記弁側突状部であって、前記回動軸の周りに形成された突状中央部と、該突状中央部から前記弁部の両端部へ延びる突状リブとを有する、内燃機関の吸気装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記保持部材は、前記通路断面積を最小とする抑制状態から前記通路断面積を最大とする開放状態の範囲での前記弁部の回動を許容するように前記側壁部を収容する収容凹部を有し、
前記側壁部は、前記開放状態に向かう回動方向に先行する側の縁部の形状が、前記開放状態のときに該縁部に対向する前記収容凹部の形状と略同一である、内燃機関の吸気装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記保持部材は、前記通路断面積を最小とする抑制状態から前記通路断面積を最大とする開放状態の範囲での前記弁部の回動を許容するように前記側壁部を収容する収容凹部を有し、
前記側壁部は、前記抑制状態に向かう回動方向に先行する側の縁部の形状が、前記抑制状態のときに該縁部に対向する前記収容凹部の形状と略同一である、内燃機関の吸気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の吸気装置に関し、特に、内燃機関の燃焼室に供給する気体の流れを制御する弁体を備えた内燃機関の吸気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関の吸気装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この内燃機関の吸気装置は、気体が流れる吸気通路と、該吸気通路上に設けられて吸気通路の通路断面積を変更可能な弁体と、支持部(軸受)において弁体の回動軸を回動自在に支持する制御弁ハウジングとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−1196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような内燃機関の吸気装置では、回動軸と支持部との間の隙間が吸気通路に対し一部が露出する状態で設けられる。このため、吸気通路に気体が流れる際に、隙間に気体が流れ込む可能性がある。この場合、圧力の損失が発生することで、吸気効率が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、吸気効率の低下を抑制できる内燃機関の吸気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する内燃機関の吸気装置は、回動軸及び吸気通路の通路断面積を変更可能な弁部を有する弁体と、前記回動軸を回動自在に支持する支持部を有して前記弁体を収容する保持部材とを備え、前記保持部材は、前記吸気通路の内壁面に設けられ、前記弁体は、前記回動軸と前記弁部との間に形成される側壁部を有し、前記側壁部は、前記回動軸の軸芯方向において前記吸気通路に対し、前記回動軸と前記支持部との間の隙間を前記回動軸の全周にわたって遮蔽するものであって前記吸気通路における前記弁体よりも上流側の内側面と、前記弁体の前記側壁部の内側面とは、前記吸気通路の延びる方向において略面一となるように配置されている
【0007】
この構成によれば、前記側壁部により前記吸気通路に対し、前記回動軸と前記支持部との間の隙間が前記回動軸の全周にわたって遮蔽されるため、前記吸気通路内を流れる気体が前記隙間に流れ込みにくくすることができる。従って、吸気効率の低下を抑制することができる。
【0008】
上記内燃機関の吸気装置について、前記保持部材は、前記通路断面積を最小とする抑制状態から前記通路断面積を最大とする開放状態の範囲での前記弁部の回動を許容するように前記側壁部を収容する収容凹部を有し、前記側壁部は、前記回動軸の軸芯を中心とする周方向において、前記弁部が設けられる範囲を除いた範囲で、前記回動軸の軸芯を中心に前記回動軸よりも大径及び前記弁部までの最大距離よりも小径となる円弧状周縁部を有することが好ましい。
【0009】
この構成によれば、前記収容凹部は、前記抑制状態から前記開放状態の範囲での前記弁部の回動を許容する状態で前記側壁部を収容する。従って、前記弁部の前記開放状態では、前記抑制状態までの前記弁部の回動を許容していた範囲分の前記収容凹部が前記吸気通路に対し露出することになる。そして、前記収容凹部の露出部位の段差において、前記吸気通路を流れる気体に圧力損失が発生することになる。しかしながら、前記弁部の前記開放状態では、前記円弧状周縁部の分だけ、前記収容凹部の露出部位の範囲が縮小されることで圧力損失を低減できる。
【0010】
内燃機関の吸気装置について、前記側壁部は、前記抑制状態に向かう回動方向に先行する側の前記円弧状周縁部の接線と前記弁部の端部とを繋ぐ直線状周縁部を有することが好ましい。
【0011】
前記側壁部は、前記抑制状態までの回動を許容して前記収容凹部に収容される。換言すると、前記側壁部は、前記収容凹部と当接することで前記抑制状態を超える回動が規制される。この場合、前記側壁部は、その抑制状態に向かう側が前記収容凹部の対向側と略同一形状にしてそれらと面状に当接させ、前記収容凹部の前記吸気通路に対する露出を抑制することが好ましい。この構成によれば、前記側壁部には、その前記抑制状態に向かう側に前記直線状周縁部が形成される。従って、例えば前記収容凹部の対向側に略同一形状の直線状部を形成すれば、前記側壁部の前記直線状周縁部は、前記収容凹部の直線状部と略平面状に当接することになる。従って、前記側壁部及び前記収容凹部の当接範囲を最短化することができ、ひいては、それらの間に生じる隙間を最小化できる。
【0012】
内燃機関の吸気装置について、前記側壁部は、その収容される前記収容凹部に対向する第1対向面を有し、前記収容凹部は、その収容する前記側壁部に対向する第2対向面を有し、前記第1対向面から前記第2対向面に向かって突出する弁側突状部及び前記第2対向面から前記第1対向面に向かって突出する保持部材側突状部の少なくとも一方である突状部を有することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、前記突状部(弁側突状部又は保持部材側突状部)の分だけ前記第1対向面及び前記第2対向面との間の隙間が縮小されることで、極めて簡易な構造で気体が流れ込みにくくすることができる。
【0014】
内燃機関の吸気装置について、前記突状部は、前記弁側突状部であって、前記回動軸の周りに形成された突状中央部と、該突状中央部から前記弁部の両端部へ延びる突状リブとを有する
この構成によれば、前記弁部が抑制状態にある際に、前記側壁部及び前記保持部材(収容凹部)との間に気体が流れ込みにくくすることができ、前記通路断面積の精度を向上することができる。
内燃機関の吸気装置について、前記保持部材は、前記通路断面積を最小とする抑制状態から前記通路断面積を最大とする開放状態の範囲での前記弁部の回動を許容するように前記側壁部を収容する収容凹部を有し、前記側壁部は、前記開放状態に向かう回動方向に先行する側の縁部の形状が、前記開放状態のときに該縁部に対向する前記収容凹部の形状と略同一である。
内燃機関の吸気装置について、前記保持部材は、前記通路断面積を最小とする抑制状態から前記通路断面積を最大とする開放状態の範囲での前記弁部の回動を許容するように前記側壁部を収容する収容凹部を有し、前記側壁部は、前記抑制状態に向かう回動方向に先行する側の縁部の形状が、前記抑制状態のときに該縁部に対向する前記収容凹部の形状と略同一である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、吸気効率の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】は内燃機関の吸気装置の一実施形態についてその構造を示す斜視図。
図2】(a)は同実施形態の内燃機関の吸気装置についてその弁体を示す側面図であり、(b)は(a)の2B−2B線に沿った断面図であり、(c)は平面図。
図3】(a)、(b)は内燃機関の吸気装置の一実施形態についてその構造を示す断面図、及び3B−3B線に沿った断面図。
図4】(a)、(b)は内燃機関の吸気装置の一実施形態についてその構造を示す断面図、及び4B−4B線に沿った断面図。
図5】(a)、(b)は同実施形態及び従来形態の内燃機関の吸気装置について、開放状態における図3(a)に相当する断面図。
図6】(a)、(b)は図5の6A−6A線、6B−6B線に沿った断面図。
図7】(a)、(b)は同実施形態及び従来形態の内燃機関の吸気装置について、抑制状態における図4(a)に相当する断面図。
図8】(a)、(b)は図7の8A−8A線、8B−8B線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、内燃機関の吸気装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、車両用の直列4気筒型のエンジンに設けられる吸気装置1は、空気を取り込んでこれとインジェクタから供給される燃料とを混合するとともに、該混合した空気(以下、「混合気」という)をエンジンの吸気行程における吸気バルブの開放にあわせて燃焼室に供給する。エンジンは、燃焼室内の混合気を圧縮してこれに点火し、混合気を燃焼させる。エンジンは、この燃焼による膨張力をピストンからクランクシャフトに伝える。これにより、エンジンの駆動力がクランクシャフトから取り出される。
【0018】
吸気装置1は、サージタンク2を備えるとともに、該サージタンク2の出口側から枝分かれするように複数(4本)の吸気通路31を形成する樹脂製のインテークマニホールド3を備える。なお、以下では、複数の吸気通路31の並設方向をX方向という。そして、X方向における一側及び他側(図1における右側及び左側)をそれぞれX1側及びX2側という。
【0019】
複数の吸気通路31の出口は、それらの全体を連通して略筒状の内壁面32を形成するとともに、該内壁面32の開口の周縁にその全周に亘って延びる開口端部33を形成する。この開口端部33は、シリンダヘッド(図示略)に連結するためのものである。なお、開口端部33には、ガスケット9を嵌め込む溝部(図示略)が形成されている。
【0020】
また、吸気装置1は、インテークマニホールド3の出口近傍において、吸気制御弁4を備える。
この吸気制御弁4は、複数の吸気通路31に合わせて内壁面32に嵌め込まれる複数(4つ)の保持部材5を備える。この保持部材5は、X方向に対向する一対の保持側壁部51及び両保持側壁部51の先端同士をX方向に接続する一対の壁部52を有して略四角筒形状を呈しており、所定の開口面積(流路断面積)を有する開口5bを形成する。なお、保持部材5の一方の端部には、略四角環状の外向きのフランジ5aが形成されている。また、両保持側壁部51の各々には、吸気通路31に向かって開口するとともにX方向に連通する略U字状の支持溝51aが形成されている。
【0021】
図3に示すように、両保持側壁部51のX方向に対向する内側面51bは、開口5b(吸気通路31)の開口方向で、吸気通路31のX方向に対向する内側面31aに略面一で繋がるように配置されている。そして、保持部材5は、両保持側壁部51の内側面51bから互いに相反するX方向に窪む一対の略扇形溝状の収容凹部53を有する。この収容凹部53は、大径円弧状部53a及び小径円弧状部53bと、それらの端部同士を繋ぐ一対の直線状部53cとで区画されている。X方向視における形状において、大径円弧状部53aは、X方向に沿って延びる軸線(以下、「軸芯O1」という)を中心に円弧状に延びており、小径円弧状部53bは、大径円弧状部53aの径よりも小さい径、且つ、大径円弧状部53aの長さより短い長さで軸芯O1を中心に円弧状に延びている。両直線状部53cの各々は、大径円弧状部53aの端部及び小径円弧状部53bの端部間で略直線状に延びている。
【0022】
また、図1に示すように、吸気制御弁4は、吸気制御弁本体6を備える。この吸気制御弁本体6は、X方向に並設される複数(4つ)の弁体60を有する。
各弁体60は、保持部材5の保持側壁部51に対向する平板状の一対の側壁部61及びそれら両側壁部61の先端同士をX方向に接続する蒲鉾状の弁部62を一体的に有する。両側壁部61は、弁部62と直交する状態でこれに接続される。なお、この弁部62は、その一部を切り欠くことで制御通路部62aを形成する。
【0023】
各弁体60の両側壁部61には、互いに相反するX方向に略ボス状の軸部61aが突設されている。そして、各軸部61aは、X方向に開口する略鍵穴状の軸受部材54に挿通されている。この軸受部材54は、保持部材5の支持溝51aに嵌め込まれる。つまり、保持部材5は、軸受部材54において軸部61aを軸支する。これにより、各弁体60は、保持部材5(軸受部材54)を介して前述の軸芯O1周りに回動可能となっている。
【0024】
図2(a)〜(c)に示すように、弁部62は、その外側面62bが軸芯O1を中心に略円弧状に延びるとともに、内側面62cが外側面62bの両端同士を結ぶように直線状に延びている。一方、側壁部61は、略舌片状に成形されており、その周縁63において、軸芯O1を中心に弁部62の反対側に(軸芯O1を中心とする周方向において、弁部62が設けられる範囲を除いた範囲で)円弧状周縁部63aを形成する。この円弧状周縁部63aは、軸部61aよりも大きい径(大径)、且つ、弁部62までの最大距離よりも小さい径(小径)となる。また、側壁部61は、その周縁63において、弁部62の両端部62d及び円弧状周縁部63aの接線を繋ぐ直線状周縁部63bを形成する。なお、弁部62の径及び円弧状周縁部63aの径は、それぞれ大径円弧状部53aの径及び小径円弧状部53bの径と略同一である。また、直線状周縁部63bの長さは、直線状部53cと略同一である。
【0025】
側壁部61の軸部61aが設けられる側である第1対向面としての側面61cには、弁側突状部としての突状部64が突設される。この突状部64は、軸部61aの周りに略円形に形成された突状中央部64aと、軸部61aの中心から弁部62の両端部62dへと繋ぐように突状中央部64aから延びる一対の突状リブ64bとを有する。なお、弁部62には、その外側面62b側に網目リブ62eが形成される。
【0026】
図1に示すように、吸気制御弁本体6は、各隣り合う弁体60同士をX方向に接続する複数(3つ)の金属製の接続軸90を有する。すなわち、接続軸90は、その両端において隣り合う弁体60の軸部61aに固着されている。従って、全ての弁体60は、一体でX方向に沿って延びる軸芯O1の周りに回動する。
【0027】
図3に示すように、X方向における両側壁部61の間の離間距離は、当該方向における開口5bの幅と略同一に設定されている。つまり、両側壁部61のX方向に対向する内側面61bは、保持部材5(吸気通路31)の開口方向で、両保持側壁部51の内側面51b(及び吸気通路31の両内側面31a)に略面一で繋がるように配置されている。また、突状部64は、X方向において、第2対向面としての収容凹部53の底面53dに近接して対向する。
【0028】
ここで、図3(a)、(b)に示すように、弁部62が開口5bを開放するようにその壁部52に沿って倒れる回動姿勢にあるときに、弁体60は、開口5bの開口面積を最大にする開放状態にある。詳述すると、この開放状態のときに、軸芯O1を中心に時計回りに回動するときの先行する側(図3(a)における左側)の直線状周縁部63bは、収容凹部53の直線状部53cに近接する。一方、図4(a)、(b)に示すように、弁部62が開口5bの一部を閉塞するようにその壁部52から立ち上がる回動姿勢にあるときに、弁体60は、開口5bの開口面積を最小にする抑制状態にある。詳述すると、この抑制状態のときに、軸芯O1を中心に反時計回りに回動するときの先行する側(図4(a)における右側)の直線状周縁部63bは、収容凹部53の直線状部53cに近接する。また、抑制状態のときに、突状リブ64bは、保持部材5(吸気通路31)の開口方向で、吸気通路31側とその出口側とを区画するように配置される。すなわち、保持部材5は、その収容凹部53において開放状態(図3(a)、(b))から抑制状態(図4(a)、(b))の範囲での弁体60(側壁部61及び弁部62の側壁)の回動を許容するように弁体60を収容する。
【0029】
図1に示すように、インテークマニホールド3のX1側の出口近傍には、第1取り付け部34が形成されており、該第1取り付け部34には、電動アクチュエータ7が取着されている。
【0030】
電動アクチュエータ7は、モータ71と、駆動ギア72と、金属製の回動軸73とを備える。駆動ギア72は、モータ71に駆動連結されており、軸芯O1を中心に回動する。回動軸73は、軸芯O1と同芯の略円柱形状を呈しており、X1側の端部において駆動ギア72と一体回動するように連結されている。そして、回動軸73のX2側の端部は、第1取り付け部34を貫通して隣接する弁体60と、すなわち吸気制御弁本体6と一体回動するように接続されている。つまり、回動軸73及び吸気制御弁本体6は、軸芯O1を中心に駆動ギア72が回動することで一体で回動するようになっている。
【0031】
ここで、駆動ギア72及びインテークマニホールド3の間には、それらの位相が所定の初期位相(例えば弁体60の開放状態に相当する位相)に到達することで駆動ギア72の回動を規制するメカロック部(図示略)が介設されている。なお、回動軸73は、第1取り付け部34との間に介装される円環状のシール部材79に挿通されている。このシール部材79は、第1取り付け部34と回動軸73との間から、吸気通路31内の気体が外部に漏洩することを抑制するためのものである。
【0032】
一方、インテークマニホールド3のX2側の出口近傍には、第2取り付け部35が形成されており、該第2取り付け部35には、センサユニット8が取着されている。
センサユニット8は、金属製の回動軸81を備える。回動軸81は、回動軸73と同様に軸芯O1と同芯の略円柱形状を呈しており、そのX1側の端部は、第2取り付け部35を貫通して隣接する弁体60と、すなわち吸気制御弁本体6と一体回動するように接続されている。つまり、回動軸81は、軸芯O1を中心に吸気制御弁本体6が回動することで一体で回動するようになっている。センサユニット8は、回動軸81の回動位置、すなわち吸気制御弁本体6の開度情報を検出するように構成されている。なお、回動軸73と同様に、回動軸81は、第2取り付け部35との間に介装される円環状のシール部材89に挿通されている。
【0033】
これらにより、吸気装置1には、軸芯O1を中心に両回動軸73、81及び吸気制御弁本体6が一体的に回動するように設けられる。なお、電動アクチュエータ7は、電子制御装置(図示略)により駆動制御されている。電子制御装置は、エンジンの回転速度と負荷の状況に基き作動マップから取り出した情報に基づいて、吸気制御弁本体6の姿勢を制御すべく電動アクチュエータ7を駆動制御する。この際、電子制御装置は、センサユニット8により検出される吸気制御弁本体6の開度情報に基づいて、電動アクチュエータ7の駆動をフィードバック制御する。
【0034】
ここで、本実施形態では、弁体60の側壁部61の周縁63において、軸部61aよりも大きい径となる円弧状周縁部63aを形成することで、収容凹部53の露出部位の範囲が縮小されている。図5図8の(a)、(b)に本実施形態の弁体60及びこれに準じた別の従来形態の弁体160をそれぞれ示して以下に説明する。なお、図面において収容凹部53の露出部位には、便宜的にパターンを付している。
【0035】
図5(b)に示すように、弁体60に準じた当該従来形態の弁体160は、弁部62と同様の弁部162及び側壁部61に準じた側壁部161を有する。この側壁部161は、略扇形状に成形されており、その周縁163において、軸芯O1を中心に弁部162の反対側に(軸芯O1を中心とする周方向において、弁部162が設けられる範囲を除いた範囲で)円弧状周縁部163aを形成する。この円弧状周縁部163aは、軸部161aと略同径となる。また、側壁部161は、その周縁163において、弁部162の両端部162d及び円弧状周縁部163aの接線を繋ぐ直線状周縁部163bを形成する。
【0036】
図5(a)、(b)に比較して示すように、開放状態において、本実施形態の側壁部61では、当該従来形態の側壁部161に比べて収容凹部53の吸気通路31に対する露出部位の範囲が縮小されていることが確認される。
【0037】
また、図6(a)に示すように、本実施形態の側壁部61は、軸芯O1の方向において吸気通路31に対し、軸部61a及び軸受部材54の間の隙間を全周にわたって遮蔽していることが確認される。一方、図6(b)に示すように、当該従来形態の側壁部161は、軸芯O1の方向において吸気通路31に対し、軸部161a及び軸受部材54の間の隙間の一部を露出させていることが確認される。
【0038】
さらに、図7(a)、(b)に比較して示すように、抑制状態においても開放状態の場合と同様に、本実施形態の側壁部61では、当該従来形態の側壁部161に比べて収容凹部53の吸気通路31に対する露出部位の範囲が縮小されていることが確認される。
【0039】
また、図8(a)、(b)に比較して示すように、抑制状態においても開放状態の場合と同様に、側壁部61が前述の隙間を全周にわたって遮蔽しているのに対し、当該従来形態の側壁部161が前述の隙間の一部を露出させていることが確認される。
【0040】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、側壁部61により吸気通路31に対し、軸部61aと軸受部材54の内周面との間の隙間が軸部61aの全周にわたって遮蔽されるため、吸気通路31内を流れる気体や異物が前記隙間に流れ込みにくくすることができる。従って、異物による弁体60の軸受部材54に対する摺動抵抗や吸気効率の低下を抑制することができる。
【0041】
(2)本実施形態では、収容凹部53は、抑制状態(図4(a))から開放状態(図3(a))の範囲での弁部62の回動を許容する状態で側壁部61を収容する。従って、弁部62の開放状態では、抑制状態までの弁部62の回動を許容していた範囲分の収容凹部53が吸気通路31に対し露出することになる。そして、吸気通路31の内側面31a及び側壁部61の内側面61bに対する収容凹部53の露出部位の段差において、吸気通路31を流れる気体に圧力損失が発生することになる。しかしながら、弁部62(すなわち弁体60)の開放状態では、円弧状周縁部63aの分(従来形態の側壁部161の円弧状周縁部163aの径よりも大きい分)だけ、収容凹部53の露出部位の範囲が縮小されることで圧力損失を低減できる。
【0042】
(3)本実施形態では、側壁部61には、その抑制状態に向かう側に直線状周縁部63bが形成される。従って、例えば収容凹部53の対向側に略同一形状の直線状部53cを形成すれば、側壁部61の直線状周縁部63bは、収容凹部53の直線状部53cと略平面状に当接することになる。従って、側壁部61及び収容凹部53の当接範囲を最短化することができ、ひいては、それらの間に生じる隙間を最小化できる。
【0043】
(4)本実施形態では、突状部64(弁側突状部又は保持部材側突状部)の分だけ側壁部61の側面61c(第1対向面)及び収容凹部53の底面53d(第2対向面)との間の隙間が縮小されることで、極めて簡易な構造で気体が流れ込みにくくすることができる。
【0044】
(5)本実施形態では、弁部62(すなわち弁体60)が抑制状態にある際に、側壁部61の側面61c(第1対向面)及び収容凹部53の底面53d(第2対向面)との間に気体が流れ込みにくくすることができる。換言すると、弁部62(すなわち弁体60)が抑制状態にある際に、X方向における吸気通路31の内側面31aと略面一の側壁部61の内側面61b側を気体が流れるようにすることができ、吸気通路断面積の精度を向上することができる。
【0045】
(6)本実施形態では、弁部62の底面側に網目リブ62eが形成されるため、例えば吸気通路31を流れる気体の圧力に対する強度を向上することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0046】
・前記実施形態において、直線状周縁部63bに代えて、円弧状周縁部63a及び弁部62の端部62dを繋ぐ曲線としてもよい。また、円弧状周縁部63aの径及び弁部62の径を略同一にすることで、直線状周縁部63bを省略してもよい。
【0047】
・前記実施形態において、第1対向面としての側面61cの弁側突状部としての突状部64に代えて、若しくは加えて、第2対向面としての内側面51bに保持部材側突状部としての突状部64を形成してもよい。
【0048】
・前記実施形態において、突状部64は、側壁部61の周縁63に沿って形成してもよい。
・前記実施形態において、突状リブ64bは、弁部62の両端部62d同士を繋ぐように一つの直線状に設けてもよい。
【0049】
・前記実施形態において、突状中央部64aは、略楕円形や、略多角形でもよい。
・前記実施形態において、軸受部材54は、接続軸90を軸支する構成としてもよい。この場合、側壁部61は、接続軸90と軸受部材54の内周面との間の隙間が接続軸90の全周に亘って吸気通路31に対し遮蔽することが好ましい。
【0050】
・前記実施形態において、突状リブ64bは、弁体60の開放状態に合わせて配置してもよい。
【符号の説明】
【0051】
5…保持部材、31…吸気通路、32…内壁面、51b…内側面(第2対向面)、53…収容凹部、54…軸受部材(支持部)、60…弁体、61…側壁部、61c…側面(第1対向面)、62…弁部、63a…円弧状周縁部、62d…端部、63b…直線状周縁部、64…突状部、90…接続軸(回動軸)、O1…軸芯。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8