(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記第1残数が下限値未満になったことに応じて、前記閾値時間が経過する前に前記第1判断処理を実行し、前記下限値は、前記第1閾値未満の値である請求項5に記載の管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
【0010】
図1は、本実施形態に係る管理システム100の概略図である。管理システム100は、例えば
図1に示されるように、管理サーバ10と、入場管理装置40と、プリンタ50と、共通パンフレットトレイ55と、ブース管理装置60A、60B(これらを総称して、「ブース管理装置60」と表記することがある。)と、個別パンフレットトレイ65A、65Bと、退場管理装置70と、共通アンケートトレイ75と、個別アンケートトレイ76とを備える。
【0011】
管理システム100は、例えば、企業説明会やゲームショーやモータショー等のイベント会場において、来場者の入退場を管理するためのシステムである。イベント会場は、資格を有する利用者のみが入場を許可された特定空間の一例であって、入場口及び退場口を有する。また、イベント会場の内部には、ブースA、Bが設けられている。ブースA、Bは、例えば、企業や団体等に割り当てられた空間であって、製品が展示されたり、体験可能な機器が設置されたりする小空間の一例である。但し、特定空間の具体例はイベント会場に限定されず、例えば、企業や団体等の建物、学校等であってもよい。「管理システム100が適用されたイベント会場への来場者」は、管理システム100の利用者の一例である。
【0012】
管理サーバ10は、例えば
図1に示されるように、イベントの運営者のみが入室可能な部屋に設置される。または、管理サーバ10は、イベント会場と異なる位置に設置されて、インターネットを通じて他の装置40〜70と接続されていてもよい。イベントの運営者は、管理システム100の管理者の一例である。管理サーバ10は、
図2に示されるように、ディスプレイ23と、入力I/F24と、通信I/F25と、CPU31と、メモリ32と、通信バス33とを主に備える。
【0013】
管理サーバ10は、例えば、入場管理装置40、プリンタ50、ブース管理装置60、及び退場管理装置70と専用回線101によって接続されており、各装置40〜70の動作を制御する。但し、各装置40〜70は、専用回線101で接続されることに限定されず、例えば、インターネット、有線LAN、無線LAN、或いはこれらの組み合わせた通信ネットワークを通じて接続されてもよい。この場合の入場管理装置40、プリンタ50、ブース管理装置60、及び退場管理装置70は、各々がCPU、メモリ、及び通信I/F等を備える。
【0014】
ディスプレイ23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、各種情報を表示する表示画面を備える。後述するディスプレイ41についても同様である。
【0015】
入力I/F24は、ユーザによる入力操作を受け付けるユーザインタフェースである。入力I/F24は、例えば、各種ボタン、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、タッチセンサ等の一部又は全部を含んでもよい。入力I/F24は、ユーザ操作に対応付けられた操作信号をCPU31へ出力する。アイコンをタップする操作、ラジオボタンをチェックする操作、文字列或いは数字列を入力する操作は、ユーザ操作の一例である。後述する入力I/F42、62、72についても同様である。
【0016】
管理サーバ10と各装置40〜70とが専用回線101で接続される場合の通信I/F25は、専用回線101が接続される接続インタフェースである。一方、管理サーバ10と各装置40〜70とが通信ネットワークで接続される場合の通信I/F25は、通信ネットワークを通じて各装置40〜70と通信可能なインタフェースである。すなわち、この場合の管理サーバ10は、通信I/F25を通じて各装置40〜70に各種情報を送信し、通信I/F25を通じて各装置40〜70から各種情報を受信する。通信I/F25の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、Wi−Fi(登録商標)を採用することができる。
【0017】
CPU31は、管理サーバ10の全体動作を制御するものである。CPU31は、例えば、入力I/F24、42、62、72から取得した各種情報、通信I/F25を通じて外部装置から受信した各種情報、後述するカメラ43から取得した写真データ、後述するQRスキャナ61、71から取得した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムをメモリ32から取得して実行する。CPU31及びメモリ32は、コントローラの一例を構成する。
【0018】
メモリ32は、OS34と、サーバプログラム35とを記憶している。サーバプログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。また、メモリ32は、サーバプログラム35の実行に必要なデータ或いは情報等を記憶する。メモリ32は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、HDD、管理サーバ10に着脱されるUSBメモリ等の可搬記憶媒体、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。
【0019】
メモリ32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0020】
メモリ32は、
図3(A)に示される来場者リストを記憶することができる。来場者リストは、1以上の来場者レコードを含む。来場者レコードは、イベント会場への来場者に対応する。管理サーバ10は、入場管理装置40を通じて来場者が入力した各種情報を含む来場者レコードを、来場者リストに登録する。来場者レコードは、例えば、来場者IDと、氏名情報と、性別情報と、国情報と、履歴情報とを含む。
【0021】
来場者IDは、来場者を一意に識別する識別情報である。来場者IDは、管理サーバ10によって発行される。氏名情報は、来場者の氏名を示す。性別情報は、来場者の性別を示す。国情報は、来場者の出身国を示す。性別情報及び国情報は、来場者の属性を示す属性情報の一例である。但し、属性情報の具体例はこれらに限定されず、来場者の年齢を示す年齢情報、イベント会場へのアクセス手段(例えば、電車、バス、自家用車等)を示すアクセス情報等であってもよい。
【0022】
履歴情報は、来場者がブースA、Bを利用したか否かを示す情報である。履歴情報には、ブースA、ブースBそれぞれについて、当該ブースを既に利用したことに対応する第1値“ON”、或いは当該ブースを未だ利用していないことに対応する第2値“OFF”が設定される。履歴情報の初期値は、第2値“OFF”である。
【0023】
また、メモリ32は、
図3(B)に示されるように、残数情報を記憶することができる。残数情報は、共通パンフレット残数を示す第1残数情報と、共通アンケート残数を示す第2残数情報と、個別パンフレットA残数を示す第3残数情報と、個別パンフレットB残数を示す第3残数情報と、個別アンケートA残数を示す第4残数情報と、個別アンケートB残数を示す第4残数情報とを含む。第3残数情報及び第4残数情報は、イベント会場に設けられた複数のブースA、Bそれぞれに対応付けて複数記憶されている。
【0024】
共通パンフレット残数は、共通パンフレットトレイ55に載置されている共通パンフレットの枚数の推定値である第1残数の一例である。共通パンフレットは、イベント会場への来場者に対して、イベント会場に入場する前に共通して配布される第1共通シートの一例である。共通パンフレットの内容は特に限定されないが、例えば、イベントの開始時刻及び終了時刻、イベント会場内の見取り図、各ブースA、Bの紹介等である。共通パンフレット残数の初期値は、イベントの開始前に共通パンフレットトレイ55に載置された共通パンフレットの枚数に一致する。共通パンフレット残数の初期値は、例えば、イベントの運営者によって、管理サーバ10の入力I/F24を通じて入力される。
【0025】
なお、共通パンフレットトレイ55から共通パンフレットを来場者が自由に取得できる場合、複数枚の共通パンフレットを取る来場者もいれば、共通パンフレットを取らない来場者もいる。すなわち、共通パンフレットトレイ55に実際に載置されている共通パンフレットの枚数と、共通パンフレット残数とは、厳密に一致しない可能性がある。そこで、本実施形態における共通パンフレット残数は、「推定値」となっている。
【0026】
なお、入場口を通った来場者に対して運営者が共通パンフレットを1枚ずつ手渡ししたり、来場者カードと共通パンフレットとを纏めて出力する等、全ての来場者に共通パンフレットを1枚ずつ取得させる工夫をすることも可能である。このような工夫をすれば、共通パンフレットトレイ55に実際に載置されている共通パンフレットの枚数と、共通パンフレット残数とが一致することになる。しかしながら、このような工夫をした場合でも、本出願では、共通パンフレット残数は「推定値」として扱う。他の残数情報についても同様である。
【0027】
共通アンケート残数は、共通アンケートトレイ75に載置されている共通アンケートの枚数の推定値である第2残数の一例である。共通アンケートは、イベント会場への来場者に対して、イベント会場から退場する際に共通して配布される第2共通シートの一例である。共通アンケートの内容は特に限定されないが、例えば、イベント全体の感想を来場者に記入してもらう記入欄を含む。共通アンケート残数の初期値は、イベントの開始前に共通アンケートトレイ75に載置された共通アンケートの枚数に一致する。共通アンケート残数の初期値は、例えば、イベントの運営者によって、管理サーバ10の入力I/F24を通じて入力される。
【0028】
個別パンフレットA残数は、個別パンフレットトレイ65Aに載置されている個別パンフレットAの枚数の推定値である第3残数の一例である。個別パンフレットAは、ブースAを訪れた来場者に対して、ブースAを利用(例えば、展示物の閲覧、体験)する前に共通して配布される第3共通シートの一例である。個別パンフレットAの内容は特に限定されないが、例えば、ブースAが割り当てられた企業や団体の紹介、ブースAに展示された製品の紹介等である。個別パンフレットA残数の初期値は、イベントの開始前に個別パンフレットトレイ65Aに載置された個別パンフレットAの枚数に一致する。個別パンフレットA残数の初期値は、例えば、ブースAが割り当てられた企業や団体の担当者によって、ブース管理装置60Aの入力I/F62を通じて入力される。
【0029】
個別アンケートA残数は、個別アンケートトレイ76に載置されている個別アンケートAの枚数の推定値である第4残数の一例である。個別アンケートAは、ブースAを訪れた来場者に対して、ブースAを利用した後に共通して配布される第4共通シートの一例である。個別アンケートAの内容は特に限定されないが、例えば、ブースAに展示された製品或いはブースAで体験した機器の感想を来場者に記入してもらう記入欄を含む。個別アンケートA残数の初期値は、イベントの開始前に個別アンケートトレイ76に載置された個別アンケートAの枚数に一致する。個別アンケートA残数の初期値は、例えば、ブースAが割り当てられた企業や団体の担当者によって、ブース管理装置60Aの入力I/F62を通じて入力される。
【0030】
個別パンフレットB残数は、個別パンフレットトレイ65Bに載置されている個別パンフレットBの枚数の推定値である第3残数の一例である。個別アンケートB残数は、個別アンケートトレイ76に載置されている個別アンケートBの枚数の推定値である第4残数の一例である。個別パンフレットB残数及び個別アンケートB残数は、ブースBに対応付けられている点を除いて、個別パンフレットA残数及び個別アンケートA残数と共通するので、詳細な説明は省略する。
【0031】
また、メモリ32は、
図3(C)に示されるように、イベントの開始時刻から終了時刻までの各時刻tに対応する重み係数Wを記憶することができる。重み係数Wは、イベント会場に入場する入場者数の時刻毎の傾向を示す値である。重み係数Wは、例えば、過去のイベントの入場者数の推移を分析したイベントの運営者によって、−1.0〜1.0の範囲で予め設定された値である。
図3(C)に示される重み係数は、イベントの開始直後は入場者数が多く、昼食の時間帯である12時〜13時に入場者数が一時的に減少し、入場者数が再び増えた後は終了時刻に向かって徐々に入場者数が減少することを示す。
【0032】
また図示は省略するが、メモリ32は、イベント会場から退場する退場者数の時刻毎の傾向を示す重み係数、ブースAの利用者数の時刻毎の傾向を示す重み係数、ブースBの利用者数の時刻毎の傾向を示す重み係数を記憶していてもよい。なお、退場者数の傾向を示す重み係数は、例えば、
図3(C)に示される重み係数と概ね反対の傾向を示す。また、ブースA、Bの利用者の傾向を示す重み係数は、例えば、各ブースA、Bの運営者によって任意に設定される。
【0033】
さらに、メモリ32は、
図4に示されるように、集計情報を記憶することができる。集計情報は、予め定められた集計時間帯(例えば、1時間)毎の入場者数、退場者数、ブースAの利用者数、ブースBの利用者数を示す。例えば、
図4(A)は昨年開催した同じイベントで集計した集計情報を示し、
図4(B)は本日開催しているイベントで集計した15時までの集計情報を示す。なお、
図4(A)に示される集計情報は、本日より過去の日であれば、昨日の集計情報等であってもよい。以下、現在時刻を含む集計時間帯を「対象時間帯」と表記し、対象時間帯の直前の集計時間帯を「直前時間帯」と表記する。
【0034】
入場管理装置40は、例えば
図1に示されるように、イベント会場の外で且つ入場口の近傍に設置されている。入場管理装置40は、イベント会場への来場者から情報の入力を受け付ける受付装置の一例である。また、入場管理装置40は、来場者が入力した情報に基づいて発行される来場者カードを出力する装置である。入場管理装置40は、例えば
図2に示されるように、ディスプレイ41と、入力I/F42と、カメラ43と、プリンタ44とを備える。
【0035】
カメラ43は、入力I/F42を操作する来場者の顔を撮影できる位置に設置されている。プリンタ44は、管理サーバ10の指示に従って来場者カードをプリントする。来場者カードは、QRコード(登録商標)がプリントされた利用者シートの一例である。QRコードは、来場者に固有に割り当てられた来場者IDを示す利用者情報の一例である。また、来場者カードは、イベント会場に入場する資格を有することを示すIDカードとしても利用され得る。
【0036】
プリンタ50は、例えば
図1に示されるように、イベント会場の中で且つ入場口の近傍に設置されている。また、共通パンフレットトレイ55は、プリンタ50の近傍に設置されている。そして、プリンタ50は、共通パンフレットトレイ55に載置すべき共通パンフレットを、管理サーバ10の指示に従ってプリントする。
【0037】
ブース管理装置60Aは、例えば
図1に示されるように、ブースAの近傍に設置されている。また、個別パンフレットトレイ65Aは、ブース管理装置60Aの近傍に設置されている。ブース管理装置60Bは、ブースBの近傍に設置されている。また、個別パンフレットトレイ65Bは、ブース管理装置60Bの近傍に設置されている。ブース管理装置60A、60Bは、ブースA、Bを利用する来場者を管理すると共に、個別パンフレットA、Bを出力する装置である。
【0038】
ブース管理装置60は、例えば
図2に示されるように、QRスキャナ61と、入力I/F62と、プリンタ63とを備える。QRスキャナ61は、来場者カードにプリントされたQRコードを読み取る第2読取装置の一例である。プリンタ63は、個別パンフレットトレイ65A、65Bに載置すべき個別パンフレットA、Bを、管理サーバ10の指示に従ってプリントする。ブース管理装置60A、60Bの構成は、同様であってもよい。
【0039】
退場管理装置70は、例えば
図1に示されるように、イベント会場の中で且つ退場口の近傍に設置されている。また、共通アンケートトレイ75及び個別アンケートトレイ76は、退場管理装置70の近傍に設置されている。退場管理装置70は、イベント会場からの来場者の退場を管理すると共に、共通アンケート及び個別アンケートA、Bを出力する装置である。
【0040】
退場管理装置70は、例えば
図2に示されるように、QRスキャナ71と、入力I/F72と、プリンタ73とを備える。QRスキャナ71は、来場者カードにプリントされたQRコードを読み取る第1読取装置の一例である。プリンタ73は、共通アンケートトレイ75に載置すべき共通アンケートと、個別アンケートトレイ76に載置すべき個別アンケートA、Bを、管理サーバ10の指示に従ってプリントする。
【0041】
[管理システム100の動作]
図5〜
図7を参照して、本実施形態に係る管理システム100の動作を説明する。
【0042】
本明細書のフローチャートは、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU31の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「制御」等の処理は、CPU31の処理を表している。CPU31による処理は、OS34を介したハードウェア制御も含む。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
【0043】
まず、管理サーバ10のサーバプログラム35は、
図8に示される登録画面を入場管理装置40のディスプレイ41に表示させる。登録画面は、「必要事項を入力した上で、カメラに顔を向けて[OK]を押して下さい。」とのメッセージと、氏名情報の入力を受け付けるためのテキストボックス111と、性別情報の入力を受け付けるためのラジオボタン112、113と、国情報の入力を受け付けるためのラジオボタン114、115、116と、来場者カードのプレビュー画像117と、[OK]アイコン118とを含む。
【0044】
イベント会場への来場者は、イベント会場に入力する前に、登録画面を通じて各種情報を入力する。サーバプログラム35は、例えば、テキストボックス111に対する“商標花子”を入力するユーザ操作と、チェックボックス113、115をチェックするユーザ操作と、[OK]アイコン118の位置のタップするユーザ操作とを、入力I/F42を通じて受け付ける(S11:Yes)。また、サーバプログラム35は、[OK]アイコン118がタップされたタイミングでカメラ43が撮影した来場者の顔写真を示す写真データを取得する。この処理は、受付処理の一例である。[OK]アイコン118のタップは、来場者カードの出力を要求する要求操作の一例である。
【0045】
次に、サーバプログラム35は、来場者リスト内で一意な来場者ID“ユーザB”と、入力I/F42を通じて受け付けた氏名情報“商標花子”、性別情報“女”、国情報“中国”と、履歴情報“サーバA=OFF、サーバB=OFF”とを含む来場者レコードを、来場者リストに登録する。また、サーバプログラム35は、
図4(B)に示される集計情報において、対象時間帯の入場者数に1を加算する(S13)。さらに、サーバプログラム35は、共通パンフレット残数から1を減算する(S14)。S13の処理は集計処理の一例であり、S15の処理は第1減算処理の一例である。
【0046】
次に、サーバプログラム35は、カメラ43が撮影した顔写真と、入力I/F42を通じて受け付けた氏名情報“商標花子”と、来場者ID“ユーザB”の文字列を含むQRコードとを含む来場者カードを、プリンタ44に出力させる(S15)。すなわち、プリンタ44は、例えば
図8のプレビュー画像117で示されるように、管理サーバ10から指示された顔写真、氏名情報、及びQRコードをカードにプリントする。S15の処理は、第1出力処理の一例である。
【0047】
来場者は、例えば、入場管理装置40から出力された来場者カードを入場口で提示することによって、イベント会場へ入場することができる。次に、来場者は、共通パンフレットトレイ55から共通パンフレットを1枚取得する。これにより、共通パンフレットトレイ55に載置された共通パンフレットの枚数と、S14で減算された共通パンフレット残数とが一致する。次に、来場者は、例えばブースAを利用する前に、来場者カードにプリントされたQRコードを、ブース管理装置60AのQRスキャナ61に読み取らせる。
【0048】
サーバプログラム35は、ブース管理装置60AのQRスキャナ61を通じてQRコードを読み取ったことに応じて(S12:ブース)、対象時間帯のブースA利用者数に1を加算する(S16)。また、サーバプログラム35は、個別パンフレットA残数から1を減算する(S17)。さらに、サーバプログラム35は、S12で読み取ったQRコードに含まれるユーザID“ユーザB”を含む来場者レコードのうち、ブースAに対応する履歴情報に第1値“ON”を設定する(S18)。S12の処理は第2読取処理の一例であり、S17の処理は第3減算処理の一例であり、S18の処理は記憶処理の一例である。
【0049】
来場者は、ブース管理装置60AのQRスキャナ61にQRコードを読み取らせた後に、個別パンフレットトレイ65Aから個別パンフレットAを1枚取得する。これにより、個別パンフレットトレイ65Aに載置された個別パンフレットAの枚数と、S17で減算された個別パンフレットA残数とが一致する。また、ブース管理装置60BのQRスキャナ61がQRコードを読み取った場合、ブースBに対するS16〜S18の処理が実行される。次に、来場者は、イベント会場から退場する前に、来場者カードにプリントされたQRコードを、退場管理装置70のQRスキャナ71に読み取らせる。
【0050】
サーバプログラム35は、退場管理装置70のQRスキャナ71を通じてQRコードを読み取ったことに応じて(S12:退場)、対象時間帯の退場者数に1を加算する(S19)。また、サーバプログラム35は、共通アンケート残数から1を減算する(S20)。S12の処理は第1読取処理の一例であり、S19の処理は集計処理の一例であり、S20の処理は第2減算処理の一例である。
【0051】
さらに、サーバプログラム35は、S12で読み取ったQRコードに含まれるユーザID“ユーザB”に対応する履歴情報の設置値を判断する(S21)。そして、サーバプログラム35は、ブースAに対応する履歴情報に第1値“ON”が設定されていると判断したことに応じて(S21:Yes)、個別アンケートA残数から1を減算する(S22)。また、サーバプログラム35は、ブースBに対応する履歴情報に第1値“ON”が設定されていると判断したことに応じて(S21:Yes)、個別アンケートB残数から1を減算する(S22)。一方、サーバプログラム35は、全ての履歴情報に第2値が設定されていると判断したことに応じて(S21:No)、S22の処理をスキップする。S22の処理は、第4減算処理の一例である。
【0052】
来場者は、退場管理装置70のQRスキャナ71にQRコードを読み取らせた後に、共通アンケートトレイ75から共通アンケートを1枚取得し、個別アンケートトレイ76から利用したブースに対応する個別アンケートを1枚取得する。これにより、共通アンケートトレイ75に載置された共通アンケートの枚数と、S20で減算された共通アンケート残数とが一致する。また、個別アンケートトレイ76に載置された個別アンケートの枚数と、S22で減算された個別アンケート残数とが一致する。そして、来場者は、感想を記入した共通アンケート及び個別アンケートを不図示の収集箱に投函して、退場口から退場する。
【0053】
サーバプログラム35は、イベント会場への全ての来場者に対して、
図5の処理を実行する。これにより、イベント会場を訪れた来場者の入退場を管理することができる。なお、共通パンフレットトレイ55に事前に用意されていた共通パンフレットの枚数が少ない場合、イベントの途中で共通パンフレットトレイ55が空になってしまう可能性がある。そこで、サーバプログラム35は、イベントの開始時刻から終了時刻までの間に、
図6に示される共通パンフレット管理処理をさらに実行する。
【0054】
まず、サーバプログラム35は、タイマをスタートする(S31)。S31でスタートされるタイマは、例えば、毎時30分にタイムアウトするものであってもよい。次に、サーバプログラム35は、S31でスタートしたタイマがタイムアウトするまで(S32:No)、或いはS14で減算される共通パンフレット残数が予め定められた下限値未満になるまで(S33:No)、S34以降の処理の実行を待機する。
【0055】
換言すれば、サーバプログラム35は、閾値時間の一例である60分が経過する度に(S32:Yes)、S34以降の処理を実行する。また、サーバプログラム35は、共通パンフレット残数が下限値未満になったことに応じて(S33:Yes)、閾値時間が経過する前にS34以降の処理を実行する。下限値は、例えば、後述する第1閾値算出処理で算出され得る第1閾値より小さい値であって、イベントの運営者によって予め設定された値である。
【0056】
次に、サーバプログラム35は、タイマがタイムアウトしたことに応じて(S32:Yes)、或いは共通パンフレット残数が下限値未満になったことに応じて(S33:Yes)、
図7に示される第1閾値算出処理を実行する(S34)。S34の処理は、算出処理の一例である。以下、15時30分にタイマがタイムアウトした時点において、共通パンフレット残数=60の場合の第1閾値算出処理の詳細を説明する。
【0057】
まず、サーバプログラム35は、
図4(B)に示される集計情報から直前時間帯の入場者数X=120を読み出す(S41)。次に、サーバプログラム35は、
図4(A)に示される集計情報から、直前時間帯に対する対象時間帯の入場者数の増減率S=(80−100)/100=−0.2を算出する(S42)。次に、サーバプログラム35は、15時30分に対応する重み係数W=−0.1をメモリ32から読み出す(S43)。
【0058】
次に、サーバプログラム35は、イベントの終了時刻(例えば、17時0分)までの残り時間Tが閾値時間以上か否かを判断する(S44)。そして、サーバプログラム35は、残り時間Tが閾値時間以上だと判断したことに応じて(S44:Yes)、第1閾値=120×(1−0.2−0.1)=84を算出する(S45)。一方、サーバプログラム35は、例えば16時30分に実行する第1閾値算出処理において、イベントの終了時刻までの残り時間Tが閾値時間未満だと判断して(S44:No)、S45の式で算出される第1閾値に(残り時間T/60)を乗じる(S46)。
【0059】
すなわち、第1閾値は、直前時間帯の入場者数Xが多いほど大きくなり、増減率Sが大きいほど大きくなり、重み係数Wが大きいほど大きくなる。また、増減率Sは、昨年の集計情報のうち、対象時間帯の入場者数が多いほど大きくなり、直前時間帯の入場者数が多いほど小さくなる。さらに、第1閾値は、イベント終了までの残り時間Tが長いほど大きくなり、イベント終了までの残り時間Tが短いほど小さくなる。
【0060】
次に
図6に戻って、サーバプログラム35は、共通パンフレット残数がS34で算出した第1閾値未満か否かを判断する(S35)。次に、サーバプログラム35は、共通パンフレット残数が第1閾未満だと判断したことに応じて(S35:Yes)、(第1閾値−共通パンフレット残数)=(84−60)=24枚の共通パンフレットを、プリンタ50にプリントさせる(S36)。さらに、サーバプログラム35は、S36でプリントした共通パンフレットの枚数を共通パンフレット残数に加算する(S37)。S35の処理は第1判断処理の一例であり、S36の処理は第2出力処理の一例であり、S37の処理は第1加算処理の一例である。
【0061】
一方、サーバプログラム35は、共通パンフレット残数が第1閾値以上だと判断したことに応じて(S35:No)、S36&S37の処理をスキップする。そして、サーバプログラム35は、イベントの終了時刻が到来するまで(S38:No)、S31〜S37の処理を繰り返し実行する。なお、
図6及び
図7の処理は、共通パンフレットのみならず、個別パンフレットA、B、共通アンケート、及び個別アンケートA、Bに対しても適用可能である。
【0062】
一例として、15時30分にタイマがタイムアウトした時点において、共通アンケート残数=150の場合、サーバプログラム35は、X=150、S=(200−160)/160=0.25、W=0.2を用いて、第2閾値=150×(1+0.25+0.2)=217.5を算出する(S34)。また、サーバプログラム35は、S34で算出した第2閾値と、現在時刻における(総入場者数−総退場者数)とのうちの少ない方を、新たな第2閾値としてもよい。
【0063】
次に、サーバプログラム35は、共通アンケート残数が第2閾値未満だと判断したことに応じて(S35:Yes)、(第2閾値−共通アンケート残数)=(218−150)=68枚の共通アンケートを、プリンタ73にプリントさせる(S36)。さらに、サーバプログラム35は、S36でプリントした共通アンケートの枚数を共通アンケート残数に加算する(S37)。この場合において、S35の処理は第2判断処理の一例であり、S36の処理は第3出力処理の一例であり、S37の処理は第2加算処理の一例である。
【0064】
他の例として、15時30分にタイマがタイムアウトした時点において、個別パンフレットA残数=35の場合、サーバプログラム35は、X=75、S=(50−100)/100=−0.5、W=−0.1を用いて、第3閾値=75×(1−0.5−0.1)=30を算出する(S34)。次に、サーバプログラム35は、個別パンフレットA残数が第3閾値以上だと判断したことに応じて(S35:No)、S36&S37の処理をスキップする。この場合において、S35の処理は第3判断処理の一例であり、S36の処理は第4出力処理の一例であり、S37の処理は第3加算処理の一例である。個別パンフレットBをプリントする処理についても同様である。
【0065】
さらに他の例として、15時30分にタイマがタイムアウトした時点において、個別アンケートA残数=40の場合、サーバプログラム35は、X=75、S=(50−100)/100=−0.5、W=0.1を用いて、第4閾値=75×(1−0.5+0.1)=45を算出する(S34)。また、サーバプログラム35は、S34で算出した第4閾値と、現在時刻における(総入場者数−総退場者数)とのうちの少ない方を、新たな第4閾値としてもよい。
【0066】
次に、サーバプログラム35は、個別アンケートA残数が第4閾値未満だと判断したことに応じて(S35:Yes)、(第4閾値−個別アンケートA残数)=(45−40)=5枚の個別アンケートAを、プリンタ63にプリントさせる(S36)。さらに、サーバプログラム35は、S36でプリントした個別アンケートAの枚数を個別アンケートA残数に加算する(S37)。この場合において、S35の処理は第4判断処理の一例であり、S36の処理は第5出力処理の一例であり、S37の処理は第4加算処理の一例である。個別アンケートBをプリントする処理についても同様である。
【0067】
また図示は省略するが、サーバプログラム35は、共通パンフレットの出力を指示するユーザ操作を入力I/F24を通じて受け付けたことに応じて、所定の枚数の共通パンフレットをプリンタ50に出力させてもよい。そして、サーバプログラム35は、プリンタ50に出力させた共通パンフレットの枚数を、共通パンフレット残数に加算する。なお、プリンタ50に出力させる共通パンフレットの枚数は、予め定められていてもよいし、入力I/F24を通じてユーザが指定してもよい。
【0068】
また、サーバプログラム35は、個別パンフレットA、B或いは個別アンケートA、Bの出力を指示するユーザ操作を入力I/F62を通じて受け付けたことに応じて、所定の枚数の個別パンフレットA、B或いは個別アンケートA、Bをプリンタ63に出力させてもよい。さらに、サーバプログラム35は、共通アンケートの出力を指示するユーザ操作を入力I/F72を通じて受け付けたことに応じて、所定の枚数の共通アンケートをプリンタ73に出力させてもよい。そして、サーバプログラム35は、プリンタ63、73に出力させた個別パンフレットA、B、個別アンケートA、B、共通アンケートの枚数を、対応する残数情報に加算する。
【0069】
[本実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、来場者の数に基づいて共通パンフレットの残数を管理し、残数が第1閾値未満になったタイミングで共通パンフレットを追加で出力する。これにより、イベントの途中で共通パンフレットがなくなったり、イベント終了時に共通パンフレットが大量に余ったりすることが抑制される。すなわち、来場者の数に応じて共通パンフレットの枚数を適切に管理することができる。
【0070】
また、上記の実施形態によれば、共通パンフレットの補充の要否を60分毎に判断するので、イベントの途中で共通パンフレットが無くなるのを抑制できる。また、共通パンフレット残数が下限値未満になった場合に、60分を経過する前でもS34以降の処理が実行される。これにより、イベント会場への来場者数が短時間に集中した場合でも、共通パンフレットが無くなるのを抑制できる。
【0071】
また、上記の実施形態によれば、来場者シートに来場者の顔写真をプリントするので、[OK]アイコン118をタップした来場者本人が来場者シートを所持していることを、容易に確認することができる。これにより、S15で出力した来場者カードを、イベント会場への入場資格を有することを示すIDカードとして用いることができる。これにより、イベント会場に対する来場者の入退場を適切に管理することができる。
【0072】
なお、管理サーバ10は、異なる表現の態様で共通の内容を示す複数種類の共通パンフレットを、属性情報で示される属性毎に管理してもよい。異なる表現の態様で共通の内容を示す複数種類の共通パンフレットとは、例えば、性別情報に対応する性別毎に異なる情報が強調されたものでもよいし、国情報に対応する言語で記述されたものでもよいし、大人用及び子供用にルビの有無が異なるものでもよい。
【0073】
この場合において、メモリ32には、複数種類の共通パンフレットそれぞれに対応する共通パンフレット残数が記憶される。そして、サーバプログラム35は、入場管理装置40を通じて入力された属性情報毎に、S13、S14、
図6、及び
図7の処理を実行する。これにより、属性毎に表現の態様が異なる共通パンフレットの枚数を、適切に管理することができる。
【0074】
なお、上記の実施形態では、
図5〜
図7の全ての処理をサーバプログラム35が実行する例を説明したが、
図5〜
図7の処理の一部は、入場管理装置40、ブース管理装置60、退場管理装置70に搭載された不図示のプログラムによって実行されてもよい。また、上記の実施形態では、複数のプリンタ44、50、63、73で対応するシートがプリントされる例を説明したが、1台のプリンタで複数種類のシートがプリントされてもよい。
【0075】
また、上記の実施形態では、[OK]アイコン118がタップされたタイミングで共通パンフレット残数から1を減算する例を説明したが、共通パンフレット残数の減算タイミングは前述の例に限定されない。サーバプログラム35は、例えば、閾値時間毎に実行される共通パンフレット管理処理において、前回の共通パンフレット管理処理から現在時刻までに出力した来場者シートの出力数を、共通パンフレット残数から減算してもよい。
【0076】
また、上記の実施形態では、来場者1人分の情報の入力を受け付ける登録画面の例を説明したが、複数人の情報の入力を纏めて受け付けてもよい。そして、サーバプログラム35は、[OK]アイコン118がタップされたことに応じて、複数人分の来場者カードをプリンタ50に出力させてもよい。また、サーバプログラム35は、来場者カードの出力数を、S13で退場時間帯の入場数に加算し、S14で共通パンフレット残数から減算してもよい。
【0077】
また、上記の実施形態では、第1閾値と共通パンフレット残数との差に対応する枚数の共通パンフレットをS36でプリントする例を説明したが、共通パンフレットのプリント数は前述の例に限定されない。サーバプログラム35は、例えばS36において、(第1閾値−共通パンフレット残数+α)枚の共通パンフレットを、プリンタ50にプリントさせてもよい。αは、例えば、管理システム100の運営者が設定した正の整数である。さらに、第1閾値の算出方法は前述の例に限定されず、過去日の来場者、本日の来場者、イベントの残り時間等に応じて増減されればよい。
【0078】
また、利用者情報の具体例は、QRコードに限定されず、Data Matorix等の所謂二次元バーコードであってもよい。または、来場者カードは、来場者IDを記憶可能なNFCチップを含んでもよい。この場合のサーバプログラム35は、S15において、カードに事前に取り付けられたNFCチップに来場者IDを書き込むと共に、氏名情報及び顔写真を当該カードに対してプリントさせることによって、来場者IDを出力してもよい。また、この場合のブース管理装置60及び退場管理装置70は、NFCチップから来場者IDを読み出すNFC通信I/Fを、QRスキャナ61、71に代えて備えてもよい。
【0079】
さらに、管理サーバ10は、共通パンフレットのみならず、共通アンケート、個別パンフレットA、B、及び個別アンケートA、Bの枚数を適切に管理することができる。なお、共通アンケート、個別パンフレットA、B、及び個別アンケートA、Bの枚数の管理方法は、対応する残数情報を減算するタイミングが共通パンフレットと異なり、その他の点は共通パンフレットと同様であってもよい。また、残数情報の管理方法は、前述の例に限定されない。例えば、共通アンケート残数の減算をS14で実行し、個別アンケートA、B残数の減算をS17で実行してもよい。
【0080】
また、上記の実施形態の管理サーバ10において、メモリ32に記憶された各種プログラムがCPU31によって実行されることによって、本発明のコントローラが実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、コントローラの構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路等のハードウェアで実現してもよい。
【0081】
さらに、本発明は、管理サーバ10として実現できるだけでなく、管理サーバ10に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワークを通じて管理サーバ10に接続可能なサーバに搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバの記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワークを通じて配信されてもよい。