(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る排気浄化用フィルタ30のメンテナンス報知方法について図面を参照しつつ説明する。なお、図面に関しては、構成が分かり易いように模式的に図示されており、各部材の厚みや幅、長さ等の比率は必ずしも実際の製品の比率と一致しているとは限らない。
【0013】
図1は、本実施形態に係る排気浄化用フィルタ30を有する内燃機関システム1の構成を示す模式図である。この内燃機関システム1は車両に搭載されている。内燃機関システム1は、内燃機関10と、内燃機関10の各気筒11から排出された排気(G)が通過す
る排気通路20と、排気通路20に配置された排気浄化用フィルタ30(以下、フィルタ30と略称する)と、を備えている。内燃機関10の種類は特に限定されるものではないが、本実施形態では一例としてディーゼル機関を用いている。なお、図示はされていないが、フィルタ30よりも上流側の排気通路20には、例えば、酸化触媒等の排気浄化用の触媒も配置されている。
【0014】
また内燃機関システム1は、内燃機関システム1を制御する制御装置40も備えている。この制御装置40は、各種の制御処理を実行する制御部としての機能を有するCPU41と、CPU41の動作に必要な各種情報を記憶する記憶部42と、を有するマイクロコンピュータを備える電子制御装置によって構成されている。内燃機関10の燃料噴射時期や燃料噴射量等は、制御装置40のCPU41によって制御されている。記憶部42の具体的な構成は、特に限定されるものではないが、本実施形態においては、ROM及びRAMによって構成されている。
【0015】
また内燃機関システム1は、フィルタ30のフィルタ圧力損失を検出する圧力損失検出部の一例として、差圧センサ50を備えている。具体的には本実施形態に係る差圧センサ50は、フィルタ30よりも上流側の排気通路20の排気圧(フィルタ30の入口圧)とフィルタ30よりも下流側の排気通路20の排気圧(フィルタ30の出口圧)との差圧を検出して、検出結果を制御装置40に伝える。
【0016】
また内燃機関システム1は、内燃機関システム1のユーザに所定の情報を報知する報知部60を備えている。報知部60としては、ディスプレイや、スピーカ、ランプ等、種々の報知機器を用いることができる。本実施形態では、報知部60の一例としてディスプレイを用いる。報知部60は、制御装置40に制御されることで作動して、所定の情報を報知する。
【0017】
続いてフィルタ30の構成について説明する。
図2(a)はフィルタ30の外観の模式図である。フィルタ30は、ハウジングとしての外筒31と、この外筒31の内部を区画する多孔質の隔壁32と、を有している。外筒31の具体的な形状は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、一例として円筒形状である。
【0018】
隔壁32は、外筒31の長手方向(すなわち外筒31の軸方向)に延在した多孔質の板状部材によって構成されている。この隔壁32が格子状に組まれることで、外筒31の内部は複数個の領域に区画されている。この隔壁32によって区画された各々の領域に、内部流路が形成されている。なお、隔壁32が多孔質であるため、隔壁32は複数個の細孔を有しており、そのため、排気は隔壁32の細孔を通過して隣接する内部流路に流入することができる。
【0019】
図2(b)は、フィルタ30の内部構造を説明するための模式的断面図である。具体的には
図2(b)は、
図2(a)の複数個の内部流路のうち互いに隣接する3個の内部流路を模式的に断面図示している。
図2(b)に例示するように、本実施形態に係るフィルタ30の内部構造は、多孔質の隔壁32によって区画された内部流路が複数個並列に配置された構造となっている。このような構造であれば、フィルタ30の内部構造の具体的な構成は特に限定されるものではないが、本実施形態では、入口側が閉塞部材35aによって閉塞された入口閉塞内部流路33と、出口側が閉塞部材35bによって閉塞された出口閉塞内部流路34とが並列に複数個配置された構造になっている。互いに隣接する入口閉塞内部流路33と出口閉塞内部流路34との間には、多孔質の隔壁32が存在している。
【0020】
内燃機関10から排出された排気(G)は、出口閉塞内部流路34の入口から流入して、隔壁32の細孔を通過して入口閉塞内部流路33に流入し、この入口閉塞内部流路33の出口から流出する。この排気が隔壁32を通過する際に、排気中のPMは隔壁32によって捕集される。このようにして、フィルタ30は排気を浄化している。
【0021】
続いて、フィルタ30におけるアッシュの形成態様について説明する。
図3(a)はフィルタ30にウォールアッシュ70が形成された状態を示す模式的断面図であり、
図3(b)はフィルタ30にプラグアッシュ71が形成された状態を示す模式的断面図である。なお、
図3(b)に例示するフィルタ30には、プラグアッシュ71の他にウォールアッシュ70も形成されている。
【0022】
図3(a)を参照して、ウォールアッシュ70は、フィルタ30の内部流路の隔壁32に沿って形成されるアッシュである。
図3(b)を参照して、プラグアッシュ71は、フィルタ30の内部流路の下流側端部に形成されるアッシュである。具体的には、本実施形態のように、フィルタ30の内部流路が入口閉塞内部流路33と出口閉塞内部流路34とを備えている場合、プラグアッシュ71は、出口閉塞内部流路34の出口側の端部(閉塞部材35bの部分)を閉塞するように形成される。
【0023】
これらのアッシュ(ウォールアッシュ70及びプラグアッシュ71)は不燃成分によって構成されているので、排気温度を強制的に上昇させることでフィルタ30のPMを強制的に燃焼除去させるフィルタ強制再生処理を実行しても、アッシュを燃焼除去することは困難である。そして、プラグアッシュ71はフィルタ30の内部流路の下流側端部を閉塞するように堆積するので、プラグアッシュ71が多量に形成された場合、排気がフィルタ30を通過し難くなり、フィルタ30のフィルタ圧力損失が高くなり過ぎてしまう。このような状態で、例えばフィルタ強制再生処理が実行された場合、フィルタ30が高温になり過ぎて、フィルタ30の寿命が低下する可能性がある。また、プラグアッシュ71によってフィルタ圧力損失が高くなり過ぎた場合、内燃機関10の運転時の負荷が増大するので、内燃機関10の燃費が悪化してしまう。
【0024】
そこで、本実施形態では、フィルタ30のメンテナンスを適切な時期に報知するために、以下に説明するフィルタ30のメンテナンス報知方法を実施する。
【0025】
図4は本実施形態に係るフィルタ30のメンテナンス報知方法の流れを説明するためのフロー図である。本実施形態にフィルタ30のメンテナンス報知方法は、ステップS10に係る隔壁透過係数算出ステップと、ステップS20に係る隔壁透過係数閾値決定ステップと、ステップS30に係るフィルタ圧力損失閾値算出ステップと、ステップS40に係る報知ステップと、をこの順序で含んでいる。
【0026】
ステップS10に係る隔壁透過係数算出ステップにおいては、まず、プラグアッシュ71が形成された状態のフィルタ30であるプラグアッシュ形成フィルタと、プラグアッシュ71は形成されずに、ウォールアッシュ70が形成された状態のフィルタ30であるウォールアッシュ形成フィルタと、を少なくとも準備する。なお、プラグアッシュ形成フィルタとしては、少なくともプラグアッシュ71が形成されたものであればよく、例えばプラグアッシュ71の他にウォールアッシュ70が形成されたフィルタ30を用いてもよく、ウォールアッシュ70は形成されずにプラグアッシュ71のみが形成されたフィルタ30を用いてもよい。また、本実施形態では、この準備段階において、プラグアッシュ71もウォールアッシュ70も形成されていないフィルタ30である新品フィルタもさらに準備している。そして、新品フィルタ、ウォールアッシュ形成フィルタ、及びプラグアッシュ形成フィルタについて、フィルタ30の隔壁32を排気が通過する際の排気の流動し易さを示す指標である隔壁透過係数をそれぞれ算出する。
【0027】
具体的には、この隔壁透過係数として、本実施形態では下記式(1)のkを用いる。こ
のkの値が大きいほど、排気がフィルタ30の隔壁32を流動し易くなり、その結果、フィルタ圧力損失(△P)は小さくなる。なお、式(1)において、フィルタ30の長手方向の長さ(L)は
図2(a)に図示されており、内部流路の流路幅(a)及び隔壁32の壁厚(W
s)は
図2(b)に図示されている。また、有効フィルタ体積とは、フィルタ30における排気が通過可能な部分の体積をいう。
【0029】
ここで、隔壁透過係数(k)の具体的な算出手法としては、例えば、新品フィルタ、ウォールアッシュ形成フィルタ、及びプラグアッシュ形成フィルタについて、それぞれフィルタ圧力損失(△P)を測定し、この測定されたフィルタ圧力損失に基づいて上記式(1)を用いて隔壁透過係数を直接的に算出する手法を用いることができる。しかしながら、この算出手法は必ずしも容易とはいえないので、本実施形態では、上記式(1)を用いて直接的に隔壁透過係数を算出するのではなく、以下の手法を用いて隔壁透過係数を算出している。
【0030】
図5(a)は本実施形態における隔壁透過係数の算出手法を説明するための図である。
図5(a)のX軸(横軸)は体積流量を示し、Y軸(縦軸)は圧力損失を体積流量で除した値を示している。ここで、上記式(1)は下記式(2)のように、圧力損失(△P)と体積流量(Q)とを用いた関係式に書き換えることができる。
【0032】
そして、上記式(2)は下記式(3)のように書き換えることができる。
【0034】
この式(3)をグラフ化したものが、
図5(a)のライン100である。そして、このライン100をX軸がゼロの部分にまで延長したとき(すなわち外挿したとき)のY軸との切片の値(C)は下記式(4)で表すことができる。
【0036】
本実施形態では、この式(4)に基づいて隔壁透過係数(k)を算出する。具体的には、新品フィルタ、ウォールアッシュ形成フィルタ、及びプラグアッシュ形成フィルタについて、それぞれ、フィルタ圧力損失及び体積流量を測定して
図5(a)のライン100を描く(例えば最小二乗法等を用いてライン100を描く)。そして、このライン100をX軸がゼロの部分にまで延長することで(この延長部分は図において二点鎖線で示されている)、ライン100の切片の値(C)を求め、この切片の値と式(4)とを用いて隔壁透過係数を算出する。このように隔壁透過係数を算出することで、新品フィルタ、ウォールアッシュ形成フィルタ、及びプラグアッシュ形成フィルタについて、それぞれの隔壁透過係数を容易に算出することができる。以上のようにして、本実施形態に係る
図4のステップS10は実施される。
【0037】
図4を参照して、ステップS10の次に、ステップS20が実施される。ステップS20においては、ステップS10で算出された隔壁透過係数に基づいて、ウォールアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数以下、且つプラグアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数以上の範囲内から選択された隔壁透過係数である隔壁透過係数閾値(k
t)を決定する。このステップS20の詳細は以下のとおりである。
【0038】
図5(b)は、隔壁透過係数閾値の決定手法を説明するための図である。
図5(b)のX軸はアッシュ層の厚さを示し、Y軸は隔壁透過係数(k)を示している。
図5には、新品フィルタ、ウォールアッシュ形成フィルタ、及びプラグアッシュ形成フィルタについて、それぞれステップS10で算出された隔壁透過係数の値がプロットされている。
【0039】
本実施形態では、このように隔壁透過係数の値がプロットされた
図5(b)のような図を作成し、この図に基づいて、ウォールアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数以下、且つプラグアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数以上の範囲内から任意の値を選択し、この選択された値を隔壁透過係数閾値(k
t)として用いる。
【0040】
具体的には、本実施形態においては、
図5(b)のウォールアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数以下、且つプラグアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数よりも大きい範囲内から選択された隔壁透過係数を隔壁透過係数閾値(k
t)として用いている。より具体的には、
図5(b)のウォールアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数とプラグアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数との中間値を隔壁透過係数閾値(k
t)として選択している。以上のように、
図4のステップS20は実行されている。
【0041】
図4を参照して、ステップS20の後にステップS30が実行される。このステップS30においては、ステップS20で決定された隔壁透過係数閾値(k
t)を用いてフィル
タ30のフィルタ圧力損失(△P)を前述した式(1)を用いて算出し、この算出されたフィルタ圧力損失をフィルタ圧力損失閾値として用いる。なお、このように算出されたフィルタ圧力損失閾値は、隔壁透過係数閾値(k
t)を有するフィルタ30のフィルタ圧力損失に相当する。
【0042】
また、本実施形態においては、後述するステップS40が制御装置40の制御処理によって実行されるので、このステップS30において算出されたフィルタ圧力損失閾値は、制御装置40の記憶部42(例えばROM等)に記憶させておく。以上のようにして
図4のステップS30は実行されている。
【0043】
ここで、以上の手法で算出されたフィルタ圧力損失閾値は、フィルタ30にウォールアッシュ70は形成されているがプラグアッシュ71は未だ形成されていない状態、あるいは、フィルタ30にプラグアッシュ71が形成され始めた状態を精度良く検知することができるフィルタ圧力損失の閾値となっている。
【0044】
具体的には、本実施形態のように、ステップS20において、
図5(b)のウォールアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数以下、且つプラグアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数よりも大きい範囲内から選択された隔壁透過係数を隔壁透過係数閾値(k
t)として決定した場合、ステップS30で算出されるフィルタ圧力損失閾値は、フィルタ30にウォールアッシュ70は形成されているがプラグアッシュ71は未だ形成されていない状態(すなわち、プラグアッシュ71が形成される前段階の状態)を精度良く検知することができるフィルタ圧力損失の閾値となる。
【0045】
あるいは、ステップS20において、
図5(b)のプラグアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数を隔壁透過係数閾値(k
t)として決定した場合、ステップS30で算出されるフィルタ圧力損失閾値は、フィルタ30にプラグアッシュ71が形成され始めた状態を精度良く検知することができるフィルタ損失の閾値となる。
【0046】
図4のステップS30の後にステップS40が実行される。このステップS40においては、内燃機関10の運転中において排気通路20に配置されたフィルタ30のフィルタ圧力損失が、ステップS30で算出されたフィルタ圧力損失閾値以上になった場合に、報知部60がフィルタ30のメンテナンスに関する情報を報知する。
【0047】
前述したように、本実施形態に係るステップS40は、制御装置40の制御処理によって実行される。具体的には制御装置40は、内燃機関10の運転中において排気通路20に配置されたフィルタ30のフィルタ圧力損失が記憶部42に予め記憶されているフィルタ圧力損失閾値以上になったか否かを判定し、フィルタ30のフィルタ圧力損失がこのフィルタ圧力損失閾値以上になったと判定した場合に、報知部60を制御して、報知部60にフィルタ30のメンテナンスに関する情報を報知させる。この制御装置40の制御処理の詳細について、フローチャート(
図6)を用いて説明すると、次のようになる。
【0048】
図6は制御装置40によって実行されるフィルタ30のメンテナンス報知処理の一例を示すフローチャートである。制御装置40は
図6のフローチャートを内燃機関10の始動後に所定周期で繰り返し実行する。なお、
図6の各ステップは、制御装置40の具体的にはCPU41が実行する。まず、ステップS41において制御装置40は、内燃機関10の運転中(すなわち稼動中)において、差圧センサ50の検出結果を取得することで、フィルタ30のフィルタ圧力損失を取得する。
【0049】
次いで制御装置40は、ステップS41で取得されたフィルタ圧力損失(すなわちフィルタ圧力損失の測定値)が、予め記憶部42に記憶されているフィルタ圧力損失閾値以上
になったか否かを判定する(ステップS42)。なお、このフィルタ圧力損失閾値は、前述した
図4のステップS30で算出されたものである。ステップS42でNOと判定された場合、制御装置40はフローチャートをスタートから実行する(リターン)。
【0050】
ステップS42においてYESと判定された場合、制御装置40はフィルタ30のメンテナンスを報知部60に報知させる(ステップS43)。具体的には、本実施形態では、このステップS43において、報知部60の一例としてのディスプレイに、フィルタ30に堆積したアッシュを洗浄除去するメンテナンスを行うべきである旨のメンテナンス情報を報知させる。ステップS43の後に制御装置40はフローチャートをスタートから実行する(リターン)。
【0051】
以上説明した本実施形態の作用効果をまとめると次のようになる。本実施形態によれば、ウォールアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数以下、且つプラグアッシュ形成フィルタの隔壁透過係数以上の範囲内から選択された隔壁透過係数閾値(k
t)を有するフィルタ30のフィルタ圧力損失をフィルタ圧力損失閾値として用いているので(
図4のステップS30)、このフィルタ圧力損失閾値は、フィルタ30にウォールアッシュ70は形成されているがプラグアッシュ71は未だ形成されていない状態、あるいは、フィルタ30にプラグアッシュ71が形成され始めた状態を精度良く検知することができるフィルタ圧力損失の閾値となっている。
【0052】
そして、本実施形態によれば、内燃機関10の運転中において排気通路20に配置されたフィルタ30のフィルタ圧力損失がこのフィルタ圧力損失閾値以上になった場合に、フィルタ30のメンテナンスを報知するので(
図6のステップS43)、内燃機関10の運転中において、適切な時期にフィルタ30のメンテナンスを報知することができる。具体的には、内燃機関10の運転中において、フィルタ30にウォールアッシュ70は形成されているがプラグアッシュ71は未だ形成されていない時期、あるいは、フィルタ30にプラグアッシュ71が形成され始めた時期に、ユーザに対してフィルタ30のメンテナンスを報知することができる。この報知を受けたユーザは、フィルタ30のメンテナンスを適切な時期に実行することができるので、フィルタ30にプラグアッシュが形成されることに起因するフィルタ30の寿命低下を抑制したり、内燃機関10の燃費悪化を抑制したりすることができる。
【0053】
なお、フィルタ30のメンテナンスの具体的な内容は特に限定されるものではないが、例えば、洗浄液を用いてフィルタ30に堆積したアッシュを洗浄除去する等のメンテナンスが挙げられる。例えばユーザは、
図6のステップS43において報知部60からの報知を受けた場合に、車両を車両販売店等に持っていき、上述した内容のメンテナンスを依頼すればよい。
【0054】
(上記実施形態の変形例)
なお、上述した本実施形態においては、
図4のステップS10〜ステップS40のうち、ステップS40のみが内燃機関システム1の制御装置40の制御処理によって実行されているが、本実施形態の構成はこれに限定されるものではない。他の例を挙げると、例えば、
図4のステップS30及びステップS40の両方とも制御装置40が実行する構成とすることもできる。
【0055】
すなわち、この場合、ステップS20で決定された隔壁透過係数閾値(k
t)を予め制御装置40の記憶部42に記憶しておく。そして、ステップS30において、制御装置40は、記憶部42の隔壁透過係数閾値を用いて式(1)に基づいてフィルタ圧力損失閾値を算出し、これを記憶部42に一時的に記憶しておく。次いでステップS40において、制御装置40は、この記憶部42のフィルタ圧力損失を用いて、
図6で説明した手法によって、フィルタ30のメンテナンスを報知する。
【0056】
このような手法であっても、前述したのと同様に、フィルタ30のメンテナンスを適切な時期に報知することができ、これによりユーザが適切な時期にフィルタ30のメンテナンスを行うことができるという効果を奏することができる。
【0057】
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。