特許第6777071号(P6777071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6777071送信装置、送信方法、受信装置および受信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6777071
(24)【登録日】2020年10月12日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】送信装置、送信方法、受信装置および受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20201019BHJP
【FI】
   H04N21/436
【請求項の数】14
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-510975(P2017-510975)
(86)(22)【出願日】2016年4月4日
(86)【国際出願番号】JP2016060988
(87)【国際公開番号】WO2016163329
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2019年3月15日
(31)【優先権主張番号】特願2015-78974(P2015-78974)
(32)【優先日】2015年4月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】特許業務法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽 一彰
(72)【発明者】
【氏名】市村 元
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 敏
【審査官】 富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−135454(JP,A)
【文献】 特開2008−154045(JP,A)
【文献】 特開2001−245268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
優先度情報を持つ複数の符号化データを含む符号化ストリームを取得するストリーム取得部と、
上記複数の符号化データのうち所定の優先度までの符号化データに復号化処理を施して復号化済データを含む復号化済ストリームを生成すると共に、上記複数の符号化データのうち上記所定の優先度を越える符号化データを含む符号化ストリームを生成するデコード部と、
受信側に、デジタルインタフェースを介して、上記デコード部で生成された復号化済ストリームおよび符号化ストリームを分割復号化ストリームとして同時に送信するストリーム送信部を備える
送信装置。
【請求項2】
上記受信側が上記分割復号化ストリームに対応しているか判断する判断部をさらに備え、
上記送信部は、上記判断部で対応していると判断されるとき、上記受信側に上記分割復号化ストリームを送信する
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
上記判断部は、上記受信側から取得された上記分割復号化ストリームに対応していることを示す情報により、上記受信側が上記分割復号化ストリームに対応していると判断する
請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
上記受信側に、上記デジタルインタフェースを介して、上記分割復号化ストリームの送信であることを示す情報を送信する情報送信部をさらに備える
請求項1から3のいずれかに記載の送信装置。
【請求項5】
上記符号化ストリームは、優先度情報を持つ複数のオブジェクト音源の符号化データを含むオブジェクトベースオーディオの符号化オーディオストリームであり、
上記デコード部は、上記複数のオブジェクト音源の符号化データのうち所定の優先度までのオブジェクト音源の符号化データに復号化処理を施して所定チャネル数の音声データを含む復号化済オーディオストリームを生成すると共に、上記複数のオブジェクト音源の符号化データのうち上記所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データを含む符号化オーディオストリームを生成する
請求項1から4のいずれかに記載の送信装置。
【請求項6】
上記受信側から、上記デジタルインタフェースを介して、スピーカ構成情報を取得する情報取得部をさらに備え、
上記デコード部は、スピーカ構成情報で示されるチャネル数の音声データを含む復号化済オーディオストリームを生成する
請求項5に記載の送信装置。
【請求項7】
上記デジタルインタフェースはHDMIである
請求項1から6のいずれかに記載の送信装置。
【請求項8】
優先度情報を持つ複数の符号化データを含む符号化ストリームを取得するストリーム取得ステップと、
上記複数の符号化データのうち所定の優先度までの符号化データに復号化処理を施して復号化済データを含む復号化済ストリームを生成すると共に、上記複数の符号化データのうち上記所定の優先度を越える符号化データを含む符号化ストリームを生成するデコードステップと、
ストリーム送信部により、デジタルインタフェースを介して、上記デコードステップで生成された復号化済ストリームおよび符号化ストリームを分割復号化ストリームとして同時に送信するストリーム送信ステップを有する
送信方法。
【請求項9】
送信側から、デジタルインタフェースを介して、復号化済データを含む復号化済ストリームと優先度情報を持つ所定数の符号化データを含む符号化ストリームからなる分割復号化ストリームを受信するストリーム受信部と、
上記符号化ストリームに復号化処理を施して復号化済データを得るデコード部と、
上記デコード部で得られた復号化済データと上記復号化済ストリームに含まれている復号化済データとを合成して出力データを得る合成部を備える
受信装置。
【請求項10】
上記送信側に、上記デジタルインタフェースを介して、上記分割復号化ストリームに対応していることを示す情報を送信する情報送信部をさらに備える
請求項9に記載の受信装置。
【請求項11】
上記送信側から、上記デジタルインタフェースを介して、上記分割復号化ストリームの送信であることを示す情報を受信する情報受信部をさらに備える
請求項9または10に記載の受信装置。
【請求項12】
上記符号化ストリームは、優先度情報を持つ複数のオブジェクト音源の符号化データを含むオブジェクトベースオーディオの符号化オーディオストリームである
請求項9から11のいずれかに記載の受信装置。
【請求項13】
上記デジタルインタフェースはHDMIである
請求項9から12のいずれかに記載の受信装置。
【請求項14】
受信部により、送信側から、デジタルインタフェースを介して、復号化済データを含む復号化済ストリームと優先度情報を持つ所定数の符号化データを含む符号化ストリームからなる分割復号化ストリームを受信するストリーム受信ステップと、
上記符号化ストリームに復号化処理を施して復号化済データを得るデコードステップと、
上記デコードステップで得られた復号化済データと上記復号化済ストリームに含まれている復号化済データとを合成して出力データを得る合成ステップを有する
受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送信装置、送信方法、受信装置および受信方法に関し、詳しくは、優先度情報を持つ複数の符号化データを取り扱う送信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オーディオ/ビジュアルコンテンツのストリームを、デジタルインタフェースを介して送信側から受信側に送信する際には、受信側が復号化能力を持つ場合は符号化ストリームを、受信側が復号化能力を持たない場合は送信側で復号化して得られた復号化済ストリームを送信していた。
【0003】
また、送信側と受信側の両方が復号化能力を持つ場合は、送信側がどちらで復号化を行うかを判断する、あるいは視聴者が自身の操作で復号化を行う側を指定するという形で行われている。送信側は受信側の復号化能力の品質を知るすべがなく、また視聴者も両機器のうちどちらの復号化能力が優れているかを判断することは非常に困難であった。
【0004】
例えば、特許文献1には、オブジェクトベースオーディオのミキシング技術が記載されている。オブジェクトベースオーディオは、個々のオブジェクト音源をミキシングせずに供給し、再生機器側でレンダリングすることで立体音響を実現するものである。
【0005】
オブジェクトベースオーディオの符号化ストリームには、複数のオブジェクト音源の符号化データが含まれる。各オブジェクト音源の符号化データは、音データの他に、座標軸上の位置情報などのメタデータから構成されている。各オブジェクト音源の符号化データに、復号化の際の優先度を示す優先度情報を持たせることも考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2014−523190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本技術は、受信側において良好なコンテンツ再生を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の概念は、
優先度情報を持つ複数の符号化データを含む符号化ストリームを取得するストリーム取得部と、
上記複数の符号化データのうち所定の優先度までの符号化データに復号化処理を施して復号化済データを含む復号化済ストリームを生成すると共に、上記複数の符号化データのうち上記所定の優先度を越える符号化データを含む符号化ストリームを生成するデコード部と、
受信側に、デジタルインタフェースを介して、上記デコード部で生成された復号化済ストリームおよび符号化ストリームを分割復号化ストリームとして同時に送信するストリーム送信部を備える
送信装置にある。
【0009】
本技術において、ストリーム取得部により、優先度情報を持つ複数の符号化データを含む符号化ストリームが取得される。デコード部により、複数の符号化データのうち所定の優先度までの符号化データに復号化処理を施して復号化済データを含む復号化済ストリームが生成されると共に、この複数の符号化データのうち所定の優先度を越える符号化データを含む符号化ストリームが生成される。
【0010】
ストリーム送信部により、受信側に、デジタルインタフェースを介して、デコード部で生成された復号化済ストリームおよび符号化ストリームが分割復号化ストリームとして同時に送信される。例えば、デジタルインタフェースはHDMIである、ようにされてもよい。
【0011】
例えば、受信側が分割復号化ストリームに対応しているか判断する判断部をさらに備え、送信部は、判断部で対応していると判断されるとき、受信側に分割復号化ストリームを送信する、ようにされてもよい。この場合、受信側が分割復号化ストリームに対応している場合のみ当該分割復号化ストリームの送信が行われることが保証される。この場合、例えば、判断部は、受信側から取得された分割復号化ストリームに対応していることを示す情報により受信側が分割復号化ストリームに対応していると判断する、ようにされてもよい。
【0012】
例えば、受信側に、デジタルインタフェースを介して、分割復号化ストリームの送信であることを示す情報を送信する情報送信部をさらに備える、ようにされてもよい。この場合、受信側では、この情報に基づいて、分割復号化ストリームの送信であることを容易に認識でき、適切な処理を行うことが可能となる。
【0013】
例えば、符号化ストリームは、優先度情報を持つ複数のオブジェクト音源の符号化データを含むオブジェクトベースオーディオの符号化オーディオストリームであり、デコード部は、複数のオブジェクト音源の符号化データのうち所定の優先度までのオブジェクト音源の符号化データに復号化処理を施して所定チャネル数の音声データを含む復号化済オーディオストリームを生成すると共に、複数のオブジェクト音源の符号化データのうち所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データを含む符号化オーディオストリームを生成する、ようにされてもよい。
【0014】
この場合、例えば、受信側から、デジタルインタフェースを介して、スピーカ構成情報を取得する情報取得部をさらに備え、デコード部は、スピーカ構成情報で示されるチャネル数の音声データを含む復号化済オーディオストリームを生成する、ようにされてもよい。この場合、受信側においてスピーカ構成に合わせたチャネル数の音声データを得るためのアップ/ダウンミックスの処理が不要となり、受信側の処理負荷を軽減し得る。
【0015】
このように本技術においては、受信側に復号化済ストリームおよび符号化ストリームを分割復号化ストリームとして同時に送信するものである。そのため、受信側において良好なコンテンツ再生が可能となる。すなわち、復号化回路を持たない受信側では復号化済ストリームを用いて簡易再生が可能となり、一方、高品質な復号化回路を持つ受信側では符号化ストリームをさらに復号化することで高品質再生が可能となる。
【0016】
また、本技術の他の概念は、
送信側から、デジタルインタフェースを介して、復号化済データを含む復号化済ストリームと優先度情報を持つ所定数の符号化データを含む符号化ストリームからなる分割復号化ストリームを受信するストリーム受信部と、
上記符号化ストリームに復号化処理を施して復号化済データを得るデコード部と、
上記デコード部で得られた復号化済データと上記復号化済ストリームに含まれている復号化済データとを合成して出力データを得る合成部を備える
受信装置にある。
【0017】
本技術において、ストリーム受信部により、送信側から、デジタルインタフェースを介して、復号化済データを含む復号化済ストリームと優先度情報を持つ所定数の符号化データを含む符号化ストリームからなる分割復号化ストリームが受信される。例えば、符号化ストリームは、優先度情報を持つ複数のオブジェクト音源の符号化データを含むオブジェクトベースオーディオの符号化オーディオストリームである、ようにされてもよい。また、例えば、デジタルインタフェースはHDMIである、ようにされてもよい。
【0018】
デコード部により、符号化ストリームに復号化処理を施して復号化済データが得られる。そして、合成部により、デコード部で得られた復号化済データと受信された復号化済ストリームに含まれている復号化済データとが合成されて出力データが得られる。
【0019】
このように本技術においては、受信された復号化済ストリームに含まれている復号化済データに、受信した符号化ストリームに復号化処理を施して得られた復号化済データを合成して出力データを得るものであるため、高品質再生が可能となる。
【0020】
なお、本技術において、例えば、送信側に、デジタルインタフェースを介して、分割復号化ストリームに対応していることを示す情報を送信する情報送信部をさらに備える、ようにされてもよい。この場合、送信側に分割復号化ストリームに対応していることを通知でき、送信側から分割復号化ストリームを積極的に受信することが可能となる。
【0021】
また、本技術において、例えば、送信側から、デジタルインタフェースを介して、分割復号化ストリームの送信であることを示す情報を受信する情報受信部をさらに備える、ようにされてもよい。この場合、分割復号化ストリームの送信であることを容易に認識でき、適切な処理を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本技術によれば、受信側において良好なコンテンツ再生が可能となる。なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施の形態としてのAVシステムの構成例を示すブロック図である。
図2】AVシステムを構成するBDプレーヤの構成例を示すブロック図である。
図3】受信側の復号化能力情報の一例の構造を示す図である。
図4】BDプレーヤ内のオーディオデコーダの構成例を示すブロック図である。
図5】BDプレーヤにおけるオーディオストリームの送信に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6】AVシステムを構成するオーディオアンプの構成例を示すブロック図である。
図7】オーディオアンプ内のオーディオデコーダの構成例を示すブロック図である。
図8】オーディオアンプにおける音声出力に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】AVシステムを構成するテレビ受信機の構成例を示すブロック図である。
図10】BDプレーヤのHDMI送信部とオーディオアンプのHDMI受信部の構成例を示すブロック図である。
図11】TMDSチャネルにおいて横×縦が1920ピクセル×1080ラインの画像データが伝送される場合の各種の伝送データの区間を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0025】
<1.実施の形態>
[AVシステムの構成例]
図1は、実施の形態としてのAV(Audio Visual)システム10の構成例を示している。このAVシステム10は、ソース機器としてのBD(Blu-Ray Disc)プレーヤ100と、リピータ機器としてのオーディオアンプ200と、シンク機器としてのテレビ受信機300を有している。オーディオアンプ200には、マルチチャネル用のスピーカシステム400が接続されている。
【0026】
また、BDプレーヤ100およびオーディオアンプ200はHDMIケーブル510を介して接続されている。BDプレーヤ100には、HDMI送信部(HDNI TX)102が接続されたHDMI端子101が設けられている。オーディオアンプ200には、HDMI受信部(HDMI RX)202aが接続されたHDMI端子201aが設けられている。HDMIケーブル510の一端はBDプレーヤ100のHDMI端子101に接続され、その他端はオーディオアンプ200のHDMI端子201aに接続されている。
【0027】
オーディオアンプ200およびテレビ受信機300はHDMIケーブル520を介して接続されている。オーディオアンプ200には、HDMI送信部(HDMI TX)202bが接続されたHDMI端子201bが設けられている。テレビ受信機100には、HDMI受信部(HDMI RX)302が接続されたHDMI端子301が設けられている。HDMIケーブル520の一端はオーディオアンプ200のHDMI端子201bに接続され、その他端はテレビ受信機300のHDMI端子301に接続されている。なお、「HDMI」は登録商標である。
【0028】
[BDプレーヤの構成例]
図2は、BDプレーヤ100の構成例を示している。このBDプレーヤ100は、HDMI端子101と、HDMI送信部102を有している。また、このBDプレーヤ100は、内部バス103と、CPU(Central Processing Unit)104と、フラッシュROM(Read Only Memory)105と、SDRAM(Synchronous Random Access Memory)106と、表示制御部107と、リモコン受信部108と、リモコン送信機109を有している。
【0029】
また、BDプレーヤ100は、記憶(記録)媒体制御インタフェース111と、BD(Blu-Ray Disc)ドライブ112と、HDD(Hard disk drive)113と、SSD(Solid State Drive)114と、イーサネットインタフェース(Ethernet I/F)115と、ネットワーク端子116を有している。なお、「イーサネット」および「Ethernet」は登録商標である。
【0030】
また、BDプレーヤ100は、デマルチプレクサ121と、ビデオデコーダ122と、グラフィック生成回路123と、映像出力端子124と、パネル駆動回路125と、表示パネル126と、オーディオデコーダ127と、音声出力端子129を有している。また、BDプレーヤ100は、電源部131を有している。電源部131は、BDプレーヤ100の各部に電源を供給する。なお、電源部131は、AC電源であっても、電池(蓄電池、乾電池)であってもよい。
【0031】
CPU104、フラッシュROM105、SDRAM106、表示制御部107、記憶媒体制御インタフェース111、イーサネットインタフェース115およびデマルチプレクサ121は、内部バス103に接続されている。CPU104は、BDプレーヤ100の各部の動作を制御する。
【0032】
フラッシュROM105は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。SDRAM106は、CPU104のワークエリアを構成する。CPU104は、フラッシュROM105から読み出したソフトウェアやデータをSDRAM106上に展開してソフトウェアを起動させ、BDプレーヤ100の各部を制御する。
【0033】
リモコン受信部108は、リモコン送信機109から送信されたリモーコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU104に供給する。CPU104は、リモコンコードに従ってBDプレーヤ100の各部を制御する。なお、この実施の形態では、ユーザ指示入力部としてリモートコントロール部を示しているが、ユーザ指示入力部は、その他の構成、例えば、スイッチ、ホイール、近接/タッチにより指示入力を行うタッチパネル部、マウス、キーボード、カメラで指示入力を検出するジェスチャ入力部、音声により指示入力を行う音声入力部などであってもよい。
【0034】
BDドライブ112は、ディスク状記録メディアとしてのBDディスクに対して、コンテンツデータを記録し、あるいは、このBDディスクからコンテンツデータを再生する。HDD113は、コンテンツデータを記録し、あるいは、そのコンテンツデータを再生する。SSD114は、メモリカード等の半導体メモリに対して、コンテンツデータを記録し、あるいは、この半導体メモリからコンテンツデータを再生する。
【0035】
BDドライブ112、HDD113、SSD114は、記憶媒体制御インタフェース111を介して内部バス103に接続されている。例えば、BDドライブ112やHDD113のためのインタフェースとしてはSATAインタフェースが使用される。また、例えば、SSD114のためのインタフェースとしてSATAインタフェースあるいはPCIeインタフェースが使用される。
【0036】
ネットワーク端子116は、ネットワークに接続する端子であり、イーサネットインタフェース115に接続される。イーサネットインタフェース115は、ネットワーク端子116を介して、ネットワーク接続をする。
【0037】
デマルチプレクサ121は、BDドライブ112、HDD113あるいはSSD114で再生されたコンテンツデータである多重化ストリームから符号化ビデオストリームおよび符号化オーディオストリームを抽出する。ビデオデコーダ122は、符号化ビデオストリームに対して復号化処理を行って、非圧縮の画像データを得る。
【0038】
グラフィック生成回路123は、ビデオデコーダ122で得られた画像データに対して、必要に応じてグラフィックスデータの重畳処理等を行う。映像出力端子124は、グラフィック生成回路123から出力される画像データを出力する。
【0039】
パネル駆動回路125は、グラフィック生成回路123から出力される画像データに基づいて、表示パネル126を駆動する。表示制御部107は、グラフィクス生成回路123やパネル駆動回路125を制御して、表示パネル126における表示を制御する。表示パネル126は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機ELパネル(Organic Electro-Luminescence Panel)等で構成されている。
【0040】
なお、この実施の形態では、CPU104の他に、表示制御部107を有する例を示しているが、表示パネル126における表示をCPU104が直接制御するようにしてもよい。また、CPU104と表示制御部107は、1つのチップになっていても、複数コアであってもよい。
【0041】
オーディオデコーダ127は、デマルチプレクサ121で抽出された符号化オーディオストリームに対して復号化処理を行って、非圧縮の音声データを得る。この実施の形態において、符号化オーディオストリームは、優先度情報を持つ複数のオブジェクト音源の符号化データを含むオブジェクトベースオーディオの符号化オーディオストリームである。各オブジェクト音源の符号化データは、音データの他に、座標軸上の位置情報などのメタデータから構成されている。
【0042】
オーディオデコーダ127は、符号化オーディオストリームに対して復号化処理を施し、所定チャネル数の非圧縮の音声データを得ると共に、この所定チャネル数の非圧縮の音声データを含む復号化済オーディオストリームを生成して出力する。この場合、オーディオデコーダ127は、自身が復号化可能な所定の優先度までのオブジェクト音源の符号化データに復号化処理を施し、所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データに関しては、その符号化データを含む符号化オーディオストリームを生成して出力する。
【0043】
オーディオデコーダ127は、復号化済オーディオストリームおよび符号化オーディオストリームを分割復号化オーディオストリームとして出力する。なお、所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データが存在しない場合、オーディオデコーダ127からの符号化オーディオストリームの出力はない。
【0044】
この実施の形態において、オーディオデコーダ127は、CPU104の制御のもと、復号化処理を行うとき、受信側のスピーカ構成情報で示されるチャネル数の非圧縮の音声データを得る。CPU104は、スピーカ構成情報を、HDMIのデジタルインタフェースで受信側から受信する。例えば、受信側においてスピーカ構成情報はEDID(Extended Display Identification Data)の一つとして記録されている。CPU104は、DDC(Display Data Channel)チャネルでEDIDを読み出すことで、受信側のスピーカ構成情報報を取得する。また、例えば、CPU104は、受信側とCECラインを通じて通信を行って、受信側のスピーカ構成情報を取得する。
【0045】
また、この実施の形態において、CPU104は、HDMIのデジタルインタフェースで受信側から、受信側の復号化能力情報、すなわち、受信側、この実施の形態ではオーディオアンプ200が何番目の優先度まで復号化可能かを示す情報を取得する。オーディオデコーダ127は、CPU104の制御のもと、受信側の復号化能力が自身の復号化能力を超えていない場合、自身が復号化可能な所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データを含む符号化オーディオストリームの出力を行わないようにしてもよい。
【0046】
図3は、受信側の復号化能力情報の一例の構造を示している。この復号化能力情報は、図3(a)に示すように、全体として8ビット情報であるが、図3(b)に示すように、第3ビットから第0ビットまでの下位4ビットが実質的な情報を構成している。例えば、“0000”は、オブジェクトベースオーディオの符号化オーディオストリームに対する復号化に非対応であることを示す。
【0047】
また、例えば、“0001”は、優先度1のみ復号化可能であること、つまり優先度1を持つオブジェクト音源の符号化データの復号化のみが可能であることを示す。また、例えば、“0010”は、優先度2まで復号化可能であること、つまり優先度1,2を持つオブジェクト音源の符号化データの復号化が可能であることを示す。以下、同様である。
【0048】
例えば、受信側において復号化能力情報はEDIDの一つとして記録されている。CPU104は、DDCチャネルでEDIDを読み出すことで、受信側の復号化能力情報報を取得する。また、例えば、CPU104は、受信側とCECラインを通じて通信を行って、受信側の復号化能力情報報を取得する。
【0049】
また、この実施の形態において、CPU104は、HDMIのデジタルインタフェースで受信側から、受信側が分割復号化オーディオストリームに対応しているか否かを示す情報(分割復号化ストリーム対応情報)を取得する。オーディオデコーダ127は、CPU104の制御のもと、受信側が分割復号化オーディオストリームに対応していない場合、自身が復号化可能な所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データを含む符号化オーディオストリームの出力を行わないようにしてもよい。
【0050】
例えば、受信側において分割復号化ストリーム対応情報はEDIDの一つとして記録されている。CPU104は、DDCチャネルでEDIDを読み出すことで、受信側の分割復号化ストリーム対応情報を取得する。また、例えば、CPU104は、受信側とCECラインを通じて通信を行って、受信側の分割復号化ストリーム対応情報を取得する。
【0051】
図4は、オーディオデコーダ127の構成例を示している。オーディオデコーダ127は、優先度分析部127aおよび復号化部127bを有している。優先度分析部127aは、入力される符号化オーディオストリームに含まれる複数のオブジェクト音源の符号化データの優先度を解析する。
【0052】
そして、優先度分析部127aは、復号化可能な所定の優先度までのオブジェクト音源の符号化データを復号化部127bに供給する。復号化部127bは、この所定の優先度までのオブジェクト音源の符号化データに復号化処理を施し、所定チャネル数の非圧縮の音声データを得ると共に、この所定チャネル数の非圧縮の音声データを含む復号化済オーディオストリームを生成して出力する。また、優先度分析部127aは、所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データに関しては、その符号化データを含む符号化オーディオストリームを生成して出力する。
【0053】
図2に戻って、音声出力端子129は、オーディオデコーダ127で得られた所定チャネル数の非圧縮の音声データを出力する。なお、音声出力端子129に出力する非圧縮の音声データのチャネル数は、復号化済オーディオストリームに含める非圧縮の音声データのチャネル数と異なっていてもよい。例えば、復号化済オーディオストリームに含める非圧縮の音声データのチャネル数が5.1チャネル用の「6」であるのに対して、音声出力端子129に出力する非圧縮の音声データのチャネル数がステレオ用の「2」などである。
【0054】
HDMI送信部102は、HDMIに準拠した通信により、ビデオデコーダ122で得られた非圧縮の画像データと、オーディオデコーダ127から出力された分割復号化オーディオストリーム(復号化済オーディオストリームと符号化オーディオストリーム)または復号化済オーディオストリームを、HDMI端子101から送出する。HDMI送信部102は、HDMIのTMDSチャネルで送信するため、画像データおよびオーディオストリームをパッキングして、HDMI端子101に出力する。このHDMI送信部102の詳細は後述する。
【0055】
HDMI送信部102は、送信するオーディオストリームの種類を示す情報を、TMDS伝送データ(後述する図11参照)のブランキング期間に挿入されるインフォフレームパケット、例えばオーディオインフォフレームパケットに含める。この情報により、受信側では、受信したオーディオストリームの種類、つまり分割復号化オーディオストリームであるか復号化済オーディオストリームであるかを容易に把握でき、適切な処理を行うことが可能となる。
【0056】
図5のフローチャートは、BDプレーヤ100におけるオーディオストリームの送信に係る処理手順の一例を示している。BDプレーヤ100は、ステップST1において、処理を開始する。そして、BDプレーヤ100は、ステップST2において、受信側の分割復号化ストリーム対応情報、復号化能力情報、スピーカ構成情報を取得する。
【0057】
次に、BDプレーヤ100は、ステップST3において、デマルチプレクサ121で抽出された符号化オーディオストリームに含まれる複数のオブジェクト音源の符号化データのうち、自身が復号化可能な所定の優先度までのオブジェクト音源の符号化データに復号化処理を施し、受信側のスピーカ構成情報で示されるチャネル数の非圧縮の音声データを得る。
【0058】
次に、BDプレーヤ100は、ステップST4において、送信オーディオストリームを生成する。すなわち、復号化されて得られた所定チャネル数の非圧縮の音声データを含む復号化済オーディオストリームを生成する。また、所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データが存在し、かつ受信側が分割復号化オーディオストリームに対応し、かつ受信側がこの所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データの復号化能力があるとき、この所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データを含む符号化オーディオストリームをさらに生成する。
【0059】
次に、BDプレーヤ100は、ステップST5において、送信オーディオストリームをHDMIのデジタルインタフェースで、受信側に送信する。この場合、送信オーディオストリームは、分割復号化オーディオストリーム(復号化済オーディオストリームと符号化オーディオストリーム)または復号化済オーディオストリームである。そして、BDプレーヤ100は、このステップST5の処理の後、ステップST6において、処理を終了する。
【0060】
図2に示すBDプレーヤ100の動作を簡単に説明する。記録時には、図示されていないデジタルチューナを介して、あるいはネットワーク端子116からイーサネットインタフェース115を介して、記録すべきコンテンツデータが取得される。このコンテンツデータは、記憶媒体制御インタフェース111に入力され、BDドライブ112によりBDディスクに、HDD113に、あるいはSSD114により半導体メモリに、記録される。
【0061】
再生時には、BDドライブ112、HDD113、あるいはSSD114で再生されたコンテンツデータである多重化ストリームは、記憶媒体制御インタフェース111を介してデマルチプレクサ121に供給される。デマルチプレクサ121では、多重化ストリームから符号化ビデオストリームおよび符号化オーディオストリームが抽出される。
【0062】
デマルチプレクサ121で抽出された符号化ビデオストリームは、ビデオデコーダ122に供給される。ビデオデコーダ122では、符号化ビデオストリームに対して復号化処理が施されて、非圧縮の画像データが得られる。この画像データは、グラフィック生成回路123で必要に応じてグラフィックスデータの重畳処理等が行われた後に、映像出力端子124に出力される。また、ユーザ操作に応じて、グラフィック生成回路123からパネル駆動回路125に画像データが供給され、表示パネル126に再生画像が表示される。
【0063】
また、デマルチプレクサ121で抽出された符号化オーディオストリームは、オーディオデコーダ127に供給される。この符号化オーディオストリームは、優先度情報を持つ複数のオブジェクト音源の符号化データを含むオブジェクトベースオーディオの符号化オーディオストリームである。
【0064】
オーディオデコーダ127では、デマルチプレクサ121で抽出された符号化オーディオストリームに含まれる複数のオブジェクト音源の符号化データのうち、自身が復号化可能な所定の優先度までのオブジェクト音源の符号化データに復号化処理が施されて、受信側のスピーカ構成情報で示されるチャネル数の非圧縮の音声データが得られる。
【0065】
そして、オーディオデコーダ127では、復号化されて得られた所定チャネル数の非圧縮の音声データを含む復号化済オーディオストリームが生成される。また、オーディオデコーダ127では、所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データが存在し、かつ受信側が分割復号化オーディオストリームに対応し、かつ受信側がこの所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データの復号化能力があるとき、この所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データを含む符号化オーディオストリームがさらに生成される。オーディオデコーダ127で生成された所定チャネル数の非圧縮の音声データは、音声出力端子129に出力される。
【0066】
また、オーディオデコーダ127で生成されたオーディオストリーム、すなわち分割復号化オーディオストリーム(復号化済オーディオストリームと符号化オーディオストリーム)または復号化済オーディオストリームは、送信オーディオストリームとしてHDMI送信部102に供給される。このHDMI送信部102には、ビデオデコーダ122で得られた非圧縮の画像データもHDMI送信部102に供給される。HDMI送信部102では、これらの画像データおよび送信オーディオストリームがパッキングされ、HDMI端子101に出力される。
【0067】
[オーディオアンプの構成例]
図6は、オーディオアンプ200の構成例を示している。オーディオアンプ200は、HDMI端子201a,201bと、HDMI受信部202aと、HDMI送信部202bを有している。また、オーディオアンプ200は、オーディオデコーダ221と、音声処理回路223と、音声増幅回路224と、音声出力端子225を有している。
【0068】
また、オーディオアンプ200は、内部バス203と、CPU204と、フラッシュROM205と、SDRAM206と、表示制御部207と、パネル駆動回路208と、表示パネル209と、リモコン受信部210と、リモコン送信機211と、電源部212を有している。CPU204、フラッシュROM205、SDRAM206および表示制御部207は、内部バス203に接続されている。
【0069】
CPU204は、オーディオアンプ200の各部の動作を制御する。フラッシュROM205は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。SDRAM206は、CPU204のワークエリアを構成する。CPU204は、フラッシュROM205から読み出したソフトウェアやデータをSDRAM206上に展開してソフトウェアを起動させ、オーディオアンプ200の各部を制御する。
【0070】
リモコン受信部210は、リモコン送信機211から送信されたリモーコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU204に供給する。CPU204は、このリモコンコードに基づいて、オーディオアンプ200の各部を制御する。なお、この実施の形態では、ユーザ指示入力部としてリモートコントロール部を示しているが、ユーザ指示入力部は、その他の構成、例えば、スイッチ、ホイール、近接/タッチにより指示入力を行うタッチパネル部、マウス、キーボード、カメラで指示入力を検出するジェスチャ入力部、音声により指示入力を行う音声入力部などであってもよい。
【0071】
表示制御部207は、例えば、ユーザインタフェース表示あるいはオーディオアンプ200のステータス表示等を行うために、パネル駆動回路208を制御し、表示パネル209における表示を制御する。表示パネル209は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELパネル(Organic Electro-Luminescence Panel)等で構成されている。
【0072】
なお、この実施の形態では、CPU204の他に表示制御部207を有する例を示しているが、表示パネル209における表示をCPU204が直接制御するようにしてもよい。また、CPU204と表示制御部207は、1つのチップになっていても、複数コアであってもよい。電源部212は、オーディオアンプ200の各部に電源を供給する。この電源部212は、AC電源であっても、電池(蓄電池、乾電池)であってもよい。
【0073】
HDMI受信部202aは、HDMIに準拠した通信により、HDMIケーブルを介してHDMI端子201aに供給される非圧縮の画像データおよびオーディオストリームを受信する。オーディオストリームは、分割復号化オーディオストリーム(復号化済オーディオストリームと符号化オーディオストリーム)または復号化済オーディオストリームである。
【0074】
ここで、復号化済オーディオストリームには、送信側で復号化可能な所定の優先度までのオブジェクト音源の符号化データに対して復号化が施されて得られた所定チャネル数の非圧縮の音声データが含まれている。また、符号化オーディオストリームには、その所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データが含まれている。
【0075】
HDMI受信部202aは、TMDS伝送データのブランキング期間に挿入されている各種インフォフレームパケットを抽出し、CPU204に送る。このインフォフレームパケットには、受信オーディオストリームが分割復号化オーディオストリームであるか復号化済オーディオストリームであるかを示す情報も含まれている。CPU204は、この情報により、受信オーディオストリームが分割復号化オーディオストリームであるか復号化済オーディオストリームであるかを認識する。
【0076】
なお、HDMI受信部202aは、自身の性能(Configuration・Capability)に関する性能情報であるEDIDを記憶しているEDID ROM(Read Only Memory)を有している。このEDIDには、例えば、分割復号化ストリーム対応情報、復号化能力情報、スピーカ構成情報も含まれている。送信側がこのEDIDを読み出すことで、オーディオアンプ200における分割復号化ストリーム対応情報、復号化能力情報、スピーカ構成情報が送信側に送られる。
【0077】
オーディオデコーダ221は、CPU204の制御のもと、HDMI受信部202aで受信されたオーディオストリームが分割復号化オーディオストリーム(復号化済オーディオストリームと符号化オーディオストリーム)であるときは、符号化オーディオストリームに含まれる優先度を持つオブジェクト音源の符号化データのうち、自身の復号化能力の範囲内の優先度を持つオブジェクト音源の符号化データに対して、自身の復号化能力の範囲内の復号化処理を施して、所定チャネル数の非圧縮の音声データを得る。
【0078】
そして、オーディオデコーダ221は、このように復号化処理で得られた所定チャネル数の非圧縮の音声データと、復号化済オーディオストリームに含まれている所定チャネル数の非圧縮の音声データとをミキシング(合成)し、ミキシングされた所定チャネル数の非圧縮の音声データを含む復号化済オーディオストリームを生成して出力する。
【0079】
また、オーディオデコーダ221は、CPU204の制御のもと、HDMI受信部202aで受信されたオーディオストリームが復号化済オーディオストリームであるときは、この復号化済オーディオストリームをそのまま出力する。
【0080】
図7は、オーディオデコーダ221の構成例を示している。オーディオデコーダ221は、復号化部221aおよびミキシング部221bを有している。復号化部221aは、符号化オーディオストリームに含まれる優先度を持つオブジェクト音源の符号化データに対して復号化処理を施して、所定チャネル数の非圧縮の音声データを得る。
【0081】
ミキシング部221bは、復号化部221aで得られた所定チャネル数の非圧縮の音声でデータと、復号化済オーディオストリームに含まれている所定チャネル数の非圧縮の音声データとをミキシング(合成)して、ミキシングされた所定チャネル数の非圧縮の音声データを含む復号化済オーディオストリームを生成して出力する。なお、ミキシング部221bは、オーディオデコーダ221の入力が復号化済オーディオストリームだけである場合には、この復号化済オーディオストリームをそのまま出力する。
【0082】
図6に戻って、音声処理回路223は、オーディオデコーダ221から出力された復号化済オーディオストリームから所定チャネル数の非圧縮の音声データを取り出し、D/A変換等の必要な処理を施す。音声増幅回路224は、音声処理回路223で得られた所定チャネル数のオーディオ信号を増幅して音声出力端子225に出力する。なお、音声出力端子225にはスピーカシステム400が接続される。
【0083】
HDMI送信部202bは、HDMIに準拠した通信により、HDMI受信部202aで受信された非圧縮の画像データと、オーディオデコーダ221から出力された復号化済オーディオストリームを、HDMI端子201bから送出する。HDMI送信部202bは、HDMIのTMDSチャネルで送信するため、画像データおよびオーディオストリームをパッキングして、HDMI端子201bに出力する。このHDMI送信部202bの詳細は後述する。
【0084】
図8のフローチャートは、オーディオアンプ200における音声出力に係る処理手順の一例を示している。オーディオアンプ200は、ステップST11において、処理を開始する。そして、オーディオアンプ200は、ステップST12において、分割復号化ストリーム対応情報、復号化能力情報、スピーカ構成情報を送信側に送る。例えば、この情報の送信は、送信側がDDCチャネルでEDIDの読み出しを行うことで行われる。また、例えば、この情報の送信は、送信側とのCECラインを介しての通信により行われる。
【0085】
次に、オーディオアンプ200は、ステップST13において、受信オーディオストリームの種類、つまり分割復号化オーディオストリーム(復号化済オーディオストリームと符号化オーディオストリーム)であるか復号化済オーディオストリームであるかを認識する。この認識は、TMDS伝送データのブランキング期間に挿入されている所定のインフォフレームパケットに含まれている、受信オーディオストリームが分割復号化オーディオストリームであるか復号化済オーディオストリームであるかを示す情報に基づいて行われる。
【0086】
次に、オーディオアンプ200は、ステップST14において、受信オーディオストリームが分割復号化オーディオストリームであるとき、符号化オーディオストリームに対して復号化処理を施し、所定チャネル数の非圧縮の音声データを得る。そして、オーディオアンプ200は、ステップST15において、復号化処理で得られた所定チャネル数の非圧縮の音声データと、復号化済オーディオストリームに含まれている所定チャネル数の非圧縮の音声データとをミキシング(合成)して、所定チャネル数の非圧縮の出力音声データを得る。
【0087】
次に、オーディオアンプ200は、ステップST16において、所定チャネル数の非圧縮の音声データをスピーカシステム400に出力する。この場合、受信オーディオストリームが分割復号化オーディオストリームであるときは、ステップST15でミキシングされた所定チャネル数の非圧縮の音声データが出力される。一方、受信オーディオストリームが復号化済オーディオストリームであるときは、その復号化済オーディオストリームに含まれている所定チャネル数の非圧縮の音声データが出力される。
【0088】
オーディオアンプ200は、ステップST16の処理の後、ステップST17において、処理を終了する。
【0089】
図6に示すオーディオアンプ200の動作を簡単に説明する。HDMI受信部202aでは、HDMI端子201aにBDプレーヤ100からHDMIケーブルを介して送信されてくる、非圧縮の画像データとオーディオストリームが受信される。オーディオストリームは、分割復号化オーディオストリーム(復号化済オーディオストリームと符号化オーディオストリーム)または復号化済オーディオストリームである。
【0090】
HDMI受信部202aで受信されたオーディオストリームは、オーディオデコーダ221に供給される。オーディオデコーダ221では、受信オーディオストリームが分割復号化オーディオストリームであるときは、符号化オーディオストリームに含まれる優先度を持つオブジェクト音源の符号化データのうち、自身の復号化能力の範囲内の優先度を持つオブジェクト音源の符号化データに対して、自身の復号化能力の範囲内の復号化処理が施される。
【0091】
そして、オーディオデコーダ221では、復号化処理で得られた所定チャネル数の非圧縮の音声データと、復号化済オーディオストリームに含まれている所定チャネル数の非圧縮の音声データとがミキシング(合成)されて、ミキシング後の所定チャネル数の非圧縮の音声データを含む復号化済オーディオストリームが生成される。
【0092】
また、オーディオデコーダ221では、受信オーディオストリームが復号化済オーディオストリームであるときは、実質的な復号化処理が施されることはなく、この復号化済オーディオストリームをそのまま出力することが行われる。
【0093】
オーディオデコーダ221から出力された復号化済オーディオストリームは、音声処理回路223に供給される。音声処理回路223では、復号化済オーディオストリームから所定チャネル数の非圧縮の音声データが取り出され、D/A変換等の必要な処理が施され、所定チャネル数の音声信号が得られる。そして、ミューティングがオフ状態にあるとき、音声処理回路223から出力される各チャネルの音声信号が音声増幅回路224で増幅されて音声出力端子225に出力される。そのため、音声出力端子225に接続されたスピーカシステム400から所定チャネル数の音声出力が得られる。
【0094】
また、HDMI受信部202aで受信された非圧縮の画像データと、オーディオデコーダ221から出力された復号化済オーディオストリームは、HDMI送信部202bに供給される。なお、HDMI受信部202aで受信された非圧縮の画像データそのものではなく、この画像データにグラフィックスデータの重畳等の処理が施された後の画像データがHDMI送信部202bに供給されてもよい。HDMI送信部202bでは、これらの画像データおよびオーディオストリームがパッキングされ、HDMI端子201bに出力される。
【0095】
[テレビ受信機の構成例]
図9は、テレビ受信機300の構成例を示している。テレビ受信機300は、HDMI端子301と、HDMI受信部302を有している。また、テレビ受信機300は、内部バス303と、CPU304と、フラッシュROM305と、SDRAM(Synchronous RAM)306と、表示制御部307と、リモコン受信部308と、リモコン送信機309と、電源部310と、イーサネットインタフェース(Ethernet I/F)311と、ネットワーク端子312を有している。
【0096】
また、テレビ受信機300は、アンテナ端子321と、デジタルチューナ322と、デマルチプレクサ323と、ビデオデコーダ324と、映像処理回路325と、グラフィック生成回路326と、パネル駆動回路327と、表示パネル328を有している。また、テレビ受信機300は、オーディオデコーダ329と、音声処理回路330と、音声増幅回路331と、スピーカ332を有している。CPU304、フラッシュROM305、SDRAM306、表示制御部307、イーサネットインタフェース311およびデマルチプレクサ323は、内部バス303に接続されている。
【0097】
CPU304は、テレビ受信機300の各部の動作を制御する。フラッシュROM305は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。SDRAM306は、CPU304のワークエリアを構成する。CPU304は、フラッシュROM305から読み出したソフトウェアやデータをSDRAM306上に展開してソフトウェアを起動させ、テレビ受信機300の各部を制御する。
【0098】
リモコン受信部308は、リモコン送信機309から送信されたリモートコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU304に供給する。CPU304は、このリモコンコードに基づいて、テレビ受信機300の各部を制御する。なお、この実施の形態では、ユーザ指示入力部としてリモートコントロール部を示しているが、ユーザ指示入力部は、その他の構成、例えば、スイッチ、ホイール、近接/タッチにより指示入力を行うタッチパネル部、マウス、キーボード、カメラで指示入力を検出するジェスチャ入力部、音声により指示入力を行う音声入力部などであってもよい。
【0099】
電源部310は、テレビ受信機300の各部に電源を供給する。なお、電源部310は、AC電源であっても、電池(蓄電池、乾電池)であってもよい。ネットワーク端子312は、ネットワークに接続する端子であり、イーサネットインタフェース311に接続される。イーサネットインタフェース311は、ネットワーク端子312を介して、ネットワーク接続をする。
【0100】
HDMI受信部302は、HDMIに準拠した通信により、HDMIケーブルを介してHDMI端子301に供給される非圧縮の画像データと復号化済オーディオストリームを受信する。この復号化済オーディオストリームには、所定チャネル数の非圧縮の音声データが含まれている。このHDMI受信部302の詳細は後述する。
【0101】
アンテナ端子321は、受信アンテナ(図示せず)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ322は、アンテナ端子321に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応したコンテンツデータである多重化ストリームを得る。
【0102】
デマルチプレクサ323は、デジタルチューナ322で得られた多重化ストリームから符号化ビデオストリームおよび符号化オーディオストリームを抽出する。ビデオデコーダ324は、符号化ビデオストリームに対して復号化処理を行って、非圧縮の画像データを得る。映像処理回路325およびグラフィック生成回路326は、ビデオデコーダ324で得られた画像データ、あるいはHDMI受信部302で受信された画像データに対して、必要に応じてスケーリング処理(解像度変換処理)、グラフィックスデータの重畳処理等を行う。
【0103】
パネル駆動回路327は、グラフィック生成回路326から出力される画像データに基づいて、表示パネル328を駆動する。表示制御部307は、グラフィクス生成回路326やパネル駆動回路327を制御して、表示パネル328における表示を制御する。表示パネル328は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機ELパネル(Organic Electro-Luminescence Panel)等で構成されている。
【0104】
なお、この実施の形態では、CPU304の他に表示制御部307を有する例を示しているが、表示パネル328における表示をCPU304が直接制御するようにしてもよい。また、CPU304と表示制御部307は、1つのチップになっていても、複数コアであってもよい。
【0105】
オーディオデコーダ329は、デマルチプレクサ121で抽出された符号化オーディオストリームに対して復号化処理を施し、所定チャネル数の非圧縮の音声データを得る。
【0106】
音声処理回路330は、オーディオデコーダ329で得られた所定チャネル数の非圧縮の音声データに、スピーカ332の構成に応じたアップ/ダウンミックスやD/A変換等の必要な処理を施し、必要なチャネル数の音声信号を得る。あるいは、音声処理回路330は、HDMI受信部302で受信された復号化済オーディオストリームから所定チャネル数の非圧縮の音声データを取り出し、スピーカ332の構成に応じたアップ/ダウンミックスやD/A変換等の必要な処理を施し、必要なチャネル数の音声信号を得る。
【0107】
音声増幅回路331は、音声処理回路330で得られた各チャネルのオーディオ信号を増幅してスピーカ332に供給する。なお、スピーカ332は、モノラルでもステレオでもよい。また、スピーカ332は、イヤホン、ヘッドホンでもよい。また、スピーカ332は、2.1チャネルや、5.1チャネルなどのマルチチャネル対応であってもよい。また、スピーカ332は、テレビ受信機300と無線で接続されてもよい。また、スピーカ332は、他機器であってもよい。
【0108】
図6に示すテレビ受信機300の動作を簡単に説明する。HDMI受信部302では、HDMI端子301にオーディオアンプ200からHDMIケーブルを介して送信されてくる、非圧縮の画像データと復号化済オーディオストリームが受信される。復号化済オーディオストリームには、所定チャネル数の非圧縮の音声データが含まれている。非圧縮の画像データは、映像処理回路325に供給され、復号化済オーディオストリームは音声処理回路330に供給される。
【0109】
また、アンテナ端子321に入力されたテレビ放送信号はデジタルチューナ322に供給される。このデジタルチューナ322では、テレビ放送信号が処理されて、ユーザの選択チャネルに対応したコンテンツデータである多重化ストリームが得られる。この多重化ストリームは、デマルチプレクサ323に供給される。
【0110】
デマルチプレクサ323では、多重化ストリームから符号化ビデオストリームおよび符号化オーディオストリームが抽出される。符号化ビデオストリームはビデオデコーダ324に供給される。ビデオデコーダ324では、符号化ビデオストリームに対して復号化処理が施されて、非圧縮の画像データが得られる。この非圧縮の画像データは、映像処理回路325に供給される。
【0111】
映像処理回路325およびグラフィック生成回路326では、ビデオデコーダ324で得られた画像データ、あるいはHDMI受信部302で受信された画像データに対して、必要に応じてスケーリング処理(解像度変換処理)、グラフィックスデータの重畳処理等が行われる。処理後の画像データは、パネル駆動回路327に供給され、表示パネル328には、その画像データに対応した画像が表示される。
【0112】
また、デマルチプレクサ323で抽出された符号化オーディオストリームは、オーディオデコーダ329に供給される。オーディオデコーダ329では、符号化オーディオストリームに対して復号化処理が施されて、所定チャネル数の非圧縮の音声データが得られる。この所定チャネル数の非圧縮の音声データは、音声処理回路330に供給される。
【0113】
音声処理回路330では、オーディオデコーダ329で得られた所定チャネル数の非圧縮の音声データに、スピーカ332の構成に応じたアップ/ダウンミックスやD/A変換等の必要な処理が施されて、必要なチャネル数の音声信号が得られる。あるいは、この音声処理回路330では、HDMI受信部302で受信された復号化済オーディオストリームから所定チャネル数の非圧縮の音声データが取り出された後に、スピーカ332の構成に応じたアップ/ダウンミックスやD/A変換等の必要な処理が施されて、必要なチャネル数の音声信号が得られる。
【0114】
音声処理回路330で得られた所定チャネル数の音声信号は、音声増幅回路331で増幅された後に、スピーカ332に供給される。そのため、スピーカ332から、表示パネル328の画像表示に対応した、モノラル、ステレオあるいはマルチチャネルの音声が出力される。
【0115】
「HDMI送信部/受信部の構成例」
図10は、図1のAVシステム10における、BDプレーヤ100のHDMI送信部102とオーディオアンプ200のHDMI受信部202aの構成例を示している。なお、オーディオアンプ200のHDMI送信部202bとテレビ受信機300のHDMI受信部302の構成例に関しては、同様の構成となるので、説明は省略する。
【0116】
HDMI送信部102は、一の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から、水平帰線区間22および垂直帰線区間23を除いた区間である有効画像区間21(以下、適宜、「アクティブビデオ区間」ともいう)(図11参照)において、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部202aに一方向に送信する。また、HDMI送信部102は、水平帰線区間22または垂直帰線区間23において、少なくとも画像に付随する音声データや制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部202aに一方向に送信する。
【0117】
すなわち、HDMI送信部102は、HDMIトランスミッタ31を有する。トランスミッタ31は、例えば、非圧縮の画像の画素データを対応する差動信号に変換し、複数のチャネルである3つのTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャネル#0,#1,#2で、HDMI受信部202aに、一方向にシリアル伝送する。
【0118】
また、トランスミッタ31は、非圧縮の画像に付随する音声データ、さらには、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換し、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMI受信部202aに一方向にシリアル伝送する。
【0119】
HDMI受信部202aは、アクティブビデオ区間21(図11参照)において、複数のチャネルで、HDMI送信部102から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信する。また、HDMI受信部202aは、水平帰線区間22(図11参照)または垂直帰線区間23(図11参照)において、複数のチャネルで、HDMI送信部102から一方向に送信されてくる、音声データや制御データに対応する差動信号を受信する。
【0120】
HDMI送信部102とHDMI受信部202aとからなるHDMIシステムの伝送チャネルには、画素データおよび音声データを伝送するための伝送チャネルとしての3つのTMDSチャネル#0乃至#2と、ピクセルクロックを伝送する伝送チャネルとしてのTMDSクロックチャネルの他に、DDC(Display Data Channel)33やCEC(Consumer Electronics Control)ライン34と呼ばれる伝送チャネルがある。
【0121】
DDC33は、HDMIケーブル510に含まれる2本の信号線からなり、HDMI送信部102が、HDMIケーブル510を介して接続されたHDMI受信部202aから、EDID(Extended Display Identification Data)を読み出すために使用される。すなわち、HDMI受信部202aは、HDMIレシーバ32の他に、自身の性能(Configuration・Capability)に関する性能情報であるEDIDを記憶している、EDID ROM(Read Only Memory)を有している。
【0122】
オーディオアンプ200においては、このEDIDの一つとして分割復号化ストリーム対応情報、復号化能力情報、スピーカ構成情報が記録されている。HDMI送信部102がEDIDを読み出すことで、受信側の分割復号化ストリーム対応情報、復号化能力情報、スピーカ構成情報が送信側に送られることになる。
【0123】
HDMI送信部102は、HDMIケーブル510を介して接続されているHDMI受信部202aから、EDIDを、DDC33を介して読み出す。そして、BDプレーヤ100のCPU104は、そのEDIDに基づき、HDMI受信部202aを有するオーディオアンプ200の性能を認識する。
【0124】
CECライン34は、HDMIケーブル510に含まれる1本の信号線からなり、HDMI送信部102とHDMI受信部202aとの間で、制御用のデータの双方向通信を行うために用いられる。また、HDMIケーブル510には、HPD(Hot Plug Detect)と呼ばれるピンに接続されるHPDライン35が含まれている。
【0125】
ソース機器は、このHPDライン35を利用して、直流バイアス電位により、シンク機器の接続を検出することができる。この場合、HPDライン35は、ソース機器側から見ると、直流バイアス電位によってシンク機器から接続状態の通知を受ける機能を有するものとなる。一方、このHPDラインは、シンク機器側から見ると、直流バイアス電位によってソース機器に接続状態を通知する機能を有するものとなる。
【0126】
また、HDMIケーブル510には、ソース機器からシンク機器に電源を供給するために用いられる電源ライン36が含まれている。さらに、HDMIケーブル510には、リザーブライン37が含まれている。HPDライン35とリザーブライン37を用い て、一対の差動伝送路を構成し、双方向通信路として用いる場合もある。
【0127】
図11は、TMDSチャネルにおいて、横×縦が1920ピクセル×1080ラインの画像データが伝送される場合の、各種の伝送データの区間を示している。HDMIの3つのTMDSチャネルで伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)には、伝送データの種類に応じて、ビデオデータ区間24(Video Data Period)、データアイランド区間25(Data Island Period)、およびコントロール区間26(Control Period)の3種類の区間が存在する。
【0128】
ここで、ビデオフィールド区間は、ある垂直同期信号の立ち上がりエッジ(Active Edge)から次の垂直同期信号の立ち上がりエッジまでの区間であり、水平帰線期間22(Horizontal Blanking)、垂直帰線期間23(Vertical Blanking)、並びに、ビデオフィールド区間から、水平帰線期間および垂直帰線期間を除いた区間である有効画素区間21(Active Video)に分けられる。
【0129】
ビデオデータ区間24は、有効画素区間21に割り当てられる。このビデオデータ区間24では、非圧縮の1画面分の画像データを構成する1920ピクセル(画素)×1080ライン分の有効画素(Active Pixel)のデータが伝送される。データアイランド区間25およびコントロール区間26は、水平帰線期間22および垂直帰線期間23に割り当てられる。このデータアイランド区間25およびコントロール区間26では、補助データ(Auxiliary Data)が伝送される。
【0130】
すなわち、データアイランド区間25は、水平帰線期間22と垂直帰線期間23の一部分に割り当てられている。このデータアイランド区間25では、補助データのうち、制御に関係しないデータである、例えば、音声データのパケット等が伝送される。コントロール区間26は、水平帰線期間22と垂直帰線期間23の他の部分に割り当てられている。このコントロール区間26では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号および水平同期信号、制御パケット等が伝送される。
【0131】
上述したように、図1に示すAVシステム10において、BDプレーヤ100は、受信側に復号化済オーディオストリームおよび符号化オーディオストリームを分割復号化オーディオストリームとして同時に送信するものであり、受信側において良好な音声出力を得ることが可能となる。例えば、オーディオデコーダを持たない受信側では復号化済オーディオストリームを用いて簡易的に音声出力が可能となり、一方、高品質なオーディオデコーダを持つ受信側では符号化オーディオストリームをさらに復号化することで高品質な音声出力が可能となる。
【0132】
また、図1に示すAVシステム10において、オーディオアンプ200は、送信側から分割復号化オーディオストリーム(復号化済オーディオストリームと符号化オーディオストリーム)を受信した場合、復号化済オーディオストリームに含まれている所定チャネル数の非圧縮の音声データに、符号化オーディオストリームに復号化処理を施して得られた所定チャネル数の非圧縮の音声データをミキシング(合成)して、出力音声データを得るものであり、ユーザの操作を不要とした形で、高品質な音声出力が可能となる。
【0133】
この場合、BDプレーヤ100に簡易再生のためのオーディオデコーダ127を持たせ、オーディオアンプ200に高品質再生のためのオーディオデコーダ221を持たせることにより、双方のオーディオデコーダを最適化することが可能となる。
【0134】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態においては、優先度情報を持つ複数の符号化データを含む符号化ストリームがオブジェクトベースオーディオの符号化オーディオストリームである例を示した。本技術は、優先度情報を持つ複数の符号化ビデオデータを含む符号化ビデオストリームを取り扱う場合にも同様に適用できることは勿論である。この場合にも、送信側と受信側との間で復号化処理を分割して、最高の品質の再生を提供することが可能になる。
【0135】
また、上述実施の形態においては、HDMIのデジタルインタフェースである例を示したが、デジタルインタフェースはHDMIに限定されない。
【0136】
また、技術は、以下のような構成もとることができる。
(1)優先度情報を持つ複数の符号化データを含む符号化ストリームを取得するストリーム取得部と、
上記複数の符号化データのうち所定の優先度までの符号化データに復号化処理を施して復号化済データを含む復号化済ストリームを生成すると共に、上記複数の符号化データのうち上記所定の優先度を越える符号化データを含む符号化ストリームを生成するデコード部と、
受信側に、デジタルインタフェースを介して、上記デコード部で生成された復号化済ストリームおよび符号化ストリームを分割復号化ストリームとして同時に送信するストリーム送信部を備える
送信装置。
(2)上記受信側が上記分割復号化ストリームに対応しているか判断する判断部をさらに備え、
上記送信部は、上記判断部で対応していると判断されるとき、上記受信側に上記分割復号化ストリームを送信する
前記(1)に記載の送信装置。
(3)上記判断部は、上記受信側から取得された上記分割復号化ストリームに対応していることを示す情報により、上記受信側が上記分割復号化ストリームに対応していると判断する
前記(2)に記載の送信装置。
(4)上記受信側に、上記デジタルインタフェースを介して、上記分割復号化ストリームの送信であることを示す情報を送信する情報送信部をさらに備える
前記(1)から(3)のいずれかに記載の送信装置。
(5)上記符号化ストリームは、優先度情報を持つ複数のオブジェクト音源の符号化データを含むオブジェクトベースオーディオの符号化オーディオストリームであり、
上記デコード部は、上記複数のオブジェクト音源の符号化データのうち所定の優先度までのオブジェクト音源の符号化データに復号化処理を施して所定チャネル数の音声データを含む復号化済オーディオストリームを生成すると共に、上記複数のオブジェクト音源の符号化データのうち上記所定の優先度を越えるオブジェクト音源の符号化データを含む符号化オーディオストリームを生成する
前記(1)から(4)のいずれかに記載の送信装置。
(6)上記受信側から、上記デジタルインタフェースを介して、スピーカ構成情報を取得する情報取得部をさらに備え、
上記デコード部は、スピーカ構成情報で示されるチャネル数の音声データを含む復号化済オーディオストリームを生成する
前記(5)に記載の送信装置。
(7)上記デジタルインタフェースはHDMIである
前記(1)から(6)のいずれかに記載の送信装置。
(8)優先度情報を持つ複数の符号化データを含む符号化ストリームを取得するストリーム取得ステップと、
上記複数の符号化データのうち所定の優先度までの符号化データに復号化処理を施して復号化済データを含む復号化済ストリームを生成すると共に、上記複数の符号化データのうち上記所定の優先度を越える符号化データを含む符号化ストリームを生成するデコードステップと、
ストリーム送信部により、デジタルインタフェースを介して、上記デコード部で生成された復号化済ストリームおよび符号化ストリームを分割復号化ストリームとして同時に送信するストリーム送信ステップを有する
送信方法。
(9)送信側から、デジタルインタフェースを介して、復号化済データを含む復号化済ストリームと優先度情報を持つ所定数の符号化データを含む符号化ストリームからなる分割復号化ストリームを受信するストリーム受信部と、
上記符号化ストリームに復号化処理を施して復号化済データを得るデコード部と、
上記デコード部で得られた復号化済データと上記復号化済ストリームに含まれている復号化済データとを合成して出力データを得る合成部を備える
受信装置。
(10)上記送信側に、上記デジタルインタフェースを介して、上記分割復号化ストリームに対応していることを示す情報を送信する情報送信部をさらに備える
前記(9)に記載の受信装置。
(11)上記送信側から、上記デジタルインタフェースを介して、上記分割復号化ストリームの送信であることを示す情報を受信する情報受信部をさらに備える
前記(9)または(10)に記載の受信装置。
(12)上記符号化ストリームは、優先度情報を持つ複数のオブジェクト音源の符号化データを含むオブジェクトベースオーディオの符号化オーディオストリームである
前記(9)から(11)のいずれかに記載の受信装置。
(13)上記デジタルインタフェースはHDMIである
前記(9)から(12)のいずれかに記載の受信装置。
(14)受信部により、送信側から、デジタルインタフェースを介して、復号化済データを含む復号化済ストリームと優先度情報を持つ所定数の符号化データを含む符号化ストリームからなる分割復号化ストリームを受信するストリーム受信ステップと、
上記符号化ストリームに復号化処理を施して復号化済データを得るデコードステップと、
上記デコードステップで得られた復号化済データと上記復号化済ストリームに含まれている復号化済データとを合成して出力データを得る合成ステップを有する
受信方法。
【符号の説明】
【0137】
10・・・・AVシステム
100・・・BDプレーヤ
101・・・HDMI端子
102・・・HDMI送信部
103・・・内部バス
104・・・CPU
105・・・フラッシュROM
106・・・SDRAM
107・・・表示制御部
108・・・リモコン受信部
109・・・リモコン送信機
111・・・記憶媒体制御インタフェース
112・・・BDドライブ
113・・・HDD
114・・・SSD
115・・・イーサネットインタフェース
116・・・ネットワーク端子
121・・・デマルチプレクサ
122・・・ビデオデコーダ
123・・・グラフィック生成回路
124・・・映像出力端子
125・・・パネル駆動回路
126・・・表示パネル
127・・・オーディオデコーダ
129・・・音声出力端子
131・・・電源部
200・・・オーディオアンプ
201a,201b・・・HDMI端子
202a・・・HDMI受信部
202b・・・HDMI送信部
203・・・内部バス
204・・・CPU
205・・・フラッシュROM
206・・・SDRAM
207・・・表示制御部
208・・・パネル駆動回路
209・・・表示パネル
210・・・リモコン受信部
211・・・リモコン送信機
212・・・電源部
221・・・オーディオデコーダ
223・・・音声処理回路
224・・・音声増幅回路
225・・・音声出力端子
300・・・テレビ受信機
301・・・HDMI端子
302・・・HDMI受信部
303・・・内部バス
304・・・CPU
305・・・フラッシュROM
306・・・SDRAM
307・・・表示制御部
308・・・リモコン受信部
309・・・リモコン送信機
310・・・電源部
311・・・イーサネットインタフェース
312・・・ネットワーク端子
321・・・アンテナ端子
322・・・デジタルチューナ
323・・・デマルチプレクサ
324・・・ビデオデコーダ
325・・・映像処理回路
326・・・グラフィック生成回路
327・・・パネル駆動回路
328・・・表示パネル
329・・・オーディオデコーダ
330・・・音声処理回路
331・・・音声増幅回路
332・・・スピーカ
400・・・スピーカシステム
510,520・・・HDMIケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11