(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(赤外光変換ブロックが2個の赤外光変換画素および2個の可視光変換画素により構成される場合の例)
2.第2の実施の形態(赤外光変換ブロックが4個の赤外光変換画素により構成される場合の例)
3.第3の実施の形態(赤外光変換ブロックが1個の赤外光変換画素および3個の可視光変換画素により構成される場合の例)
4.第4の実施の形態(ベイヤー配列におけるG画素の位置に赤外光変換画素が配置される場合の例)
5.第5の実施の形態(光電変換部に2個の電荷保持部が接続される場合の例)
【0019】
<1.第1の実施の形態>
[撮像システムの構成]
図1は、本技術の実施の形態における撮像システム1の構成例を示す図である。この撮像システム1は、レンズ10と、固体撮像装置20と、信号処理部30と、画像処理部40と、距離計測部50と、赤外光出射部60とを備える。
【0020】
レンズ10は、固体撮像装置20に対して光学的に被写体を結像するものである。固体撮像装置20は、レンズ10によって結像された光学画像を画像信号に変換し、出力するものである。この固体撮像装置20は、光学画像が結像される面に画像信号を生成する画素が2次元に配置されて構成されている。この画素には、光学画像のうちの可視光に対応する可視光画素と赤外光に対応する赤外光画素とが含まれる。
【0021】
この可視光画素は、受光した可視光に応じた信号を生成する画素であり、赤色光に応じた信号を生成する画素(R画素)、緑色光に応じた信号を生成する画素(G画素)および青色光に応じた信号を生成する画素(B画素)の3種の画素が例として挙られる。これらの画素により生成された信号である可視光信号により被写体の画像信号が構成される。
【0022】
一方、赤外光画素は、受光した赤外光に応じた信号である赤外信号を生成する画素である。本技術の実施の形態における赤外光画素は、後述する赤外光出射部60から出射されて被写体により反射された赤外光を受光し、赤外光信号を生成する。そして、この赤外光の出射から赤外光の受光までの時間を計測することにより、被写体までの距離が計測される。この赤外光画素が前述の距離計測画素(以下、Z画素と称する。)に該当する。固体撮像装置20の構成および距離の計測の詳細については、後述する。
【0023】
信号処理部30は、固体撮像装置20から出力された画像信号を処理するものである。この信号処理部30は、固体撮像装置20から出力された画像信号を可視光信号および赤外光信号に分離し、それぞれ画像処理部40および距離計測部50に対して出力する。また、この信号処理部30は、固体撮像装置20の制御も行う。
【0024】
画像処理部40は、信号処理部30から出力された可視光信号に対して画像処理を行うものである。この画像処理として、例えば、固体撮像装置20により生成された単色の可視光信号に対して不足する他の色の信号を補間するデモザイク処理および可視光信号を輝度信号と色差信号に変換する処理等を行うことができる。画像処理部40により処理された画像信号は、例えば、信号線(不図示)を経由して撮像システム1の外部に対して出力される。
【0025】
距離計測部50は、信号処理部30から出力された赤外光信号に基づいて被写体との距離を計測するものである。また、この距離計測部50は、赤外光出射部60の制御も行う。
【0026】
赤外光出射部60は、距離計測部50の制御に基づいて赤外光を被写体に出射するものである。
【0027】
[固体撮像装置の構成]
図2は、本技術の実施の形態における固体撮像装置20の構成例を示す図である。この固体撮像装置20は、画素アレイ部100と、垂直駆動部200と、水平転送部300と、アナログデジタル変換器(ADC:Analog Digital Converter)400とを備える。
【0028】
画素アレイ部100は、可視光画素と、赤外光画素と、信号生成部とを備え、これらが2次元アレイ状に配置されたものである。これら可視光画素および赤外光画素は、それぞれ可視光および赤外光に応じた電荷を生成する光電変換部を備えている。また、信号生成部は、光電変換部により生成された電荷を所定のタイミングで画像信号に変換して、出力するものである。光電変換を所定の期間行った後、これに基づく画像信号を生成することにより、露光を行うことができる。同図の画素アレイ部100は、4個の画素(画素110、120、130および140)に対して1個の信号生成部150が配置された例を表している。この場合、画素110、120、130および140において生成された電荷が信号生成部150に転送され、この電荷に基づく画像信号が出力される。これらの画素のうち可視光画素により生成された電荷に基づく画像信号が可視光信号として出力され、赤外光画素により生成された電荷に基づく画像信号が赤外光信号として出力される。
【0029】
上述した画素の選択を制御する信号等は、信号線101により伝達される。また、信号生成部150から出力された画像信号は、信号線102により伝達される。画素アレイ部100には、これら信号線101および102が、XYマトリクス状に配線されている。すなわち、同じ行に配置された画素110等には1つの信号線101が共通に配線され、同じ列に配置された画素110等の出力は、1つの信号線102に共通に配線されている。
【0030】
垂直駆動部200は、制御信号を生成して画素アレイ部100に対して出力するものである。この垂直駆動部200は、画素アレイ部100の全ての信号線101に対して制御信号を出力する。垂直駆動部200が出力する制御信号には、上述した画素110等における生成された電荷の信号生成部150への転送を制御する信号と、信号生成部150における画像信号の生成を制御する信号とが含まれる。
【0031】
水平転送部300は、画素アレイ部100から出力された画像信号に対して処理を行うものである。この水平転送部300には、画素アレイ部100の1行分の画素110等に対応する出力信号が同時に入力される。この入力された画像信号に対して、水平転送部300は、パラレル−シリアル変換を行い、変換後の画像信号を出力する。
【0032】
アナログデジタル変換器400は、水平転送部300により出力された画像信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換(AD変換)するものである。AD変換された画像信号は出力バッファ(不図示)を介して固体撮像装置20の外部に出力される。
【0033】
[画素の回路構成]
図3は、本技術の第1の実施の形態における画素の構成例を示す図である。同図は、画素110、120、130および140ならびに信号生成部150および電荷保持部151の回路構成を表したものである。
【0034】
画素110は、光電変換部111と、電荷転送部113と、オーバーフロードレイン112とを備える。なお、電荷転送部113およびオーバーフロードレイン112は、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタにより構成される。
【0035】
画素110には、信号線101のほかに、電源線Vddおよび接地線が接続されている。画素110の電源はこれら電源線Vddおよび接地線を通して供給される。また、信号線101は、複数の信号線(OFD1およびTR1)により構成されている。OFD1(Over Flow Drain 1)は、オーバーフロードレイン112に制御信号を伝達する信号線である。TR1(Transfer 1)は、電荷転送部113に制御信号を伝達する信号線である。同図に表したように、これらは何れもMOSトランジスタのゲートに接続される。ゲートおよびソース間の閾値電圧以上の電圧(以下、オン信号と称する。)がこれらの信号線を通して入力されると、該当するMOSトランジスタが導通状態になる。
【0036】
同図に表したように、光電変換部111のアノードは接地され、カソードは電荷転送部113のソースとオーバーフロードレイン112のソースに接続される。オーバーフロードレイン112のゲートおよびドレインは、それぞれOFD1およびVddに接続される。電荷転送部113のゲートは信号線TR1に接続され、ドレインは電荷保持部151の一端に接続される。
【0037】
光電変換部111は、受光量に応じた電荷を生成して蓄積するものである。この光電変換部111は、フォトダイオードにより構成される。この光電変換部111には、可視光に対応する可視光変換部または赤外光に対応する赤外光変換部のいずれか一方が対応する。後述するように、画素ごとに配置されたカラーフィルタの特性を変更することにより、可視光変換部または赤外光変換部を構成することができる。
【0038】
電荷転送部113は、光電変換部111により生成された電荷を電荷保持部151に転送するものである。この電荷転送部113は、光電変換部111と電荷保持部151との間を導通させることにより、電荷の転送を行う。
【0039】
オーバーフロードレイン112は、光電変換部111により生成された電荷を排出するものである。このオーバーフロードレイン112は、光電変換部111において過剰に生成された電荷の排出を行う。また、光電変換部111とVddとの間を導通させることにより、光電変換部111に蓄積された全ての電荷の排出を行うこともできる。
【0040】
画素120は、光電変換部121と、電荷転送部122と、オーバーフロードレイン123とを備える。
【0041】
画素120に接続された信号線101は、複数の信号線(OFD2およびTR2)により構成されている。OFD2(Over Flow Drain 2)は、オーバーフロードレイン123に制御信号を伝達する信号線である。TR2(Transfer 2)は、電荷転送部122に制御信号を伝達する信号線である。OFD2およびTR2は、それぞれオーバーフロードレイン123および電荷転送部122のゲートに接続される。これ以外の画素120の構成は画素110と同様であるため、説明を省略する。
【0042】
画素130は、光電変換部131と、電荷転送部133と、オーバーフロードレイン132とを備える。
【0043】
画素130に接続された信号線101は、複数の信号線(OFD3およびTR3)により構成されている。OFD3(Over Flow Drain 3)は、オーバーフロードレイン132に制御信号を伝達する信号線である。TR3(Transfer 3)は、電荷転送部133に制御信号を伝達する信号線である。OFD3およびTR3は、それぞれオーバーフロードレイン132および電荷転送部133のゲートに接続される。これ以外の画素130の構成は画素110と同様であるため、説明を省略する。
【0044】
画素140は、光電変換部141と、電荷転送部142と、オーバーフロードレイン143とを備える。
【0045】
画素140に接続された信号線101は、複数の信号線(OFD4およびTR4)により構成されている。OFD4(Over Flow Drain 4)は、オーバーフロードレイン143に制御信号を伝達する信号線である。TR4(Transfer 4)は、電荷転送部142に制御信号を伝達する信号線である。OFD4およびTR4は、それぞれオーバーフロードレイン143および電荷転送部142のゲートに接続される。これ以外の画素140の構成は画素110と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
電荷保持部151は、画素110、120、130および140から転送された電荷を保持するものである。
【0047】
信号生成部150は、電荷保持部151に保持された信号に応じた信号を生成するものである。この信号生成部150は、MOSトランジスタ152乃至154を備える。
【0048】
信号生成部150には、信号線101、信号線102、電源線Vddおよび接地線が接続されている。信号線101は、複数の信号線(RSTおよびSEL)により構成されている。RST(Reset)は、MOSトランジスタ152に制御信号を伝達する信号線である。SEL(Select)は、MOSトランジスタ154に制御信号を伝達する信号線である。信号線102は、信号生成部150により生成された信号を伝達する信号線である。
【0049】
同図に表したように、MOSトランジスタ152および153のドレインは、Vddに接続される。MOSトランジスタ152のソースおよびMOSトランジスタ153のゲートは、前述の電荷転送部113、122、133および142のドレインが接続された電荷保持部151の一端に接続される。電荷保持部151の他の一端は、接地される。MOSトランジスタ153のソースはMOSトランジスタ154のドレインに接続され、MOSトランジスタ154のソースは信号線102に接続される。MOSトランジスタ152およびMOSトランジスタ154のゲートは、それぞれ信号線RSTおよびSELに接続される。
【0050】
MOSトランジスタ153は、電荷保持部151に保持された電荷に応じた信号を生成するMOSトランジスタである。MOSトランジスタ154は、MOSトランジスタ153により生成された信号を画像信号として信号線102に出力するMOSトランジスタである。なお、信号線102には、図示しない定電流電源が接続されており、MOSトランジスタ153とともにソースフォロワー回路を構成する。この定電流電源は
図2において説明した水平転送部300に配置されている。
【0051】
MOSトランジスタ152は、電荷保持部151に保持された電荷を排出するMOSトランジスタである。このMOSトランジスタ152は、電荷保持部151とVddとの間を導通させることにより電荷の排出を行う。
【0052】
[画素における動作]
同図に表した画素の動作について画素110を例に挙げて説明する。まず、OFGからオン信号が入力されるとオーバーフロードレイン112は導通し、光電変換部111のカソードにVddが印加される。これにより、光電変換部111に蓄積されていた電荷が排出される。その後、受光量に応じた電荷が新たに生成されて、光電変換部111に蓄積される。
【0053】
所定の露光時間が経過した後、TR1からオン信号が入力されると、電荷転送部113が導通する。これにより、光電変換部111と電荷保持部151との間が導通状態になり、光電変換部111に蓄積された電荷が電荷保持部151に転送されて保持される。MOSトランジスタ153のゲートは電荷保持部151に接続されているため、電荷保持部151に保持された電荷に基づく信号が生成される。この時、SELからオン信号が入力されるとMOSトランジスタ154が導通し、MOSトランジスタ153により生成された信号が信号線102に出力される。
【0054】
その後、RSTからオン信号が入力されてMOSトランジスタ152が導通すると、電荷保持部151にVddが印加されて、保持されていた電荷が排出される。
【0055】
電荷転送部113、122、133および142のソースは電荷保持部151に共通に接続されている。このため、これらを制御するTR1乃至TR4を制御することにより画素110、120、130および140のうちの所望の画素において生成された電荷に基づく画像信号を生成して出力することができる。
【0056】
上述のように各画素の動作は、それぞれ変わるところがない。しかし、光電変換部(光電変換部111、121、131および141)の特性を変更することにより、各画素を可視光画素または赤外光画素として使用することができる。具体的には、各画素に配置されるカラーフィルタを変更することにより、光電変換部の特性を変更することができる。このカラーフィルタは、光電変換部に入射する光を選択するフィルタである。可視光のみを透過させるカラーフィルタを配置することにより、光電変換部を可視光に対応する光電変換部である可視光変換部にすることができ、当該可視光変換部を有する画素を可視光画素にすることができる。一方、赤外光のみを透過させるカラーフィルタを配置した場合には、光電変換部を赤外光に対応する光電変換部である赤外光変換部にすることができ、当該赤外光変換部を有する画素を赤外光画素にすることができる。カラーフィルタの配置の詳細については、後述する。
【0057】
ここで、1個の電荷保持部とこの電荷保持部に共通に接続された複数の光電変換部との組合せを変換ブロックと称する。同図においては、電荷保持部151および4個の光電変換部(光電変換部111、121、131および141)により変換ブロックが構成される例を表した。この変換ブロックのうち、複数の可視光変換部により構成される変換ブロックを可視光変換ブロックと称する。また、複数の赤外光変換部からなる変換ブロックを赤外光変換ブロックと称する。さらに、可視光変換ブロックにおける電荷保持部を可視光電荷保持部と称し、赤外光変換ブロックにおける電荷保持部を赤外光電荷保持部と称する。後述するように、可視光電荷保持部は、複数の可視光変換部によりそれぞれ生成された電荷をそれぞれ異なる期間に排他的に保持する。これに対し、赤外光電荷保持部は、複数の赤外光変換部によりそれぞれ生成された前記電荷をまとめて同時に保持する。この赤外光電荷保持部に保持された電荷に応じた信号を生成する信号生成部150を赤外光信号生成部と称する。
【0058】
[画素の配置]
図4は、本技術の第1の実施の形態における画素の配置例を示す図である。同図は、4つの変換ブロックの配置を表した平面図である。また、同図の左上の変換ブロックを
図3において説明した画素等に対応させて説明する。ただし、オーバーフロードレイン112、123、132、143については、記載を省略している。同図に表したように、画素110、120、130および140の中央に電荷保持部151が配置されている。この電荷保持部151に対して各画素の電荷転送部113、122、133および142がそれぞれ隣接して配置され、これらの電荷転送部に対して光電変換部111、121、131および141が隣接して配置されている。信号生成部150は、これらの変換ブロック毎に隣接して配置される。同図に表した光電変換部111、121、131および141に対して被写体からの光が照射されると、光電変換が行われる。すなわち、光電変換部111等のうち、同図に示された領域が可視光等を受光する受光面に該当する。
【0059】
また、画素にはそれぞれカラーフィルタ119、129、139および149が配置されている。各画素に記載されたR、G、BおよびZの文字はカラーフィルタの種類を表している。ここで、Zの文字が記載された画素120および140のカラーフィルタ129および149は、赤外光を透過させるカラーフィルタである。このため、光電変換部111および131と同図の左下の変換ブロックにおける161、171、181および191とは可視光変換部に該当し、これらを有する画素110、130、160、170、180および190は可視光画素に該当する。一方、光電変換部121および141は赤外光変換部に該当し、これらを有する画素120および140は赤外光画素に該当する。同図より明らかなように、赤外光変換部の受光面は、可視光変換部の受光面と略等しいサイズである。
【0060】
さらに、同図における左上の変換ブロックは、2個の赤外光変換部(光電変換部121および141)と2個の可視光変換部(光電変換部111および131)と赤外光電荷保持部(電荷保持部151)とを備えており、赤外光変換ブロックに該当する。また、この変換ブロックに隣接して配置された信号生成部150は、赤外光電荷保持部(電荷保持部151)に保持された電荷に応じた信号を生成する赤外光信号生成部に該当する。同様に、同図における右上の変換ブロックも赤外光変換ブロックに該当する。一方、同図における左下の変換ブロックは、4個の可視光変換部(光電変換部161、171、181および191)と可視光電荷保持部(電荷保持部159)とを備えており、可視光変換ブロックに該当する。同様に、同図における右下の変換ブロックも可視光変換ブロックに該当する。この可視光変換ブロックは、R、GおよびB画素がベイヤー配列に構成されている。
【0061】
[画素の断面]
図5は、本技術の第1の実施の形態における画素の構成例を示す模式図である。同図は、
図4におけるA−A'線に沿う断面図である。画素110および140を例に挙げて説明する。同図の光電変換部111および141は、p型半導体領域517と、その内部に埋め込まれたn型半導体領域511および512によりそれぞれ構成される。これらの界面に形成されたpn接合部分において光電変換が行われ、受光量に応じた電荷が生成される。この際、生成された電荷のうち電子は、n型半導体領域511および512に蓄積される。光電変換部の上方にはカラーフィルタ119または149と平坦化膜503とマイクロレンズ501とが順に配置されている。平坦化膜503は、画素の表面を平坦にするものである。マイクロレンズ501は、画素に照射された光を光電変換部に集光させるレンズである。カラーフィルタ119および149の間には遮光膜502が配置されている。この遮光膜502は、隣接する画素から斜めに入射する光を遮光するものである。
【0062】
また、p型半導体領域517における画素の間には、分離領域513が配置されている。この分離領域513は、画素同士を分離するとともに、隣接する画素から斜めに入射する光を遮光する領域である。画素110および画素140の中間部分に電荷保持部151が配置されている。この電荷保持部151は、n型半導体領域514により構成される。このn型半導体領域514は、フローティングディフュージョン(FD)と称され、信号生成部150(不図示)が接続される領域である。同図に表したように、電荷保持部151は分離領域513の直下に配置されているため、分離領域513により遮光される。この電荷保持部151と光電変換部111および141との間に電荷転送部113および142が配置されている。これら電荷転送部113および142には、ゲート電極515および516がそれぞれ配置されている。これらのゲート電極にオン電圧が印加されると、光電変換部111または141と電荷保持部151との間のp型半導体領域517が導通し、電荷転送部113および142が導通状態になる。
【0063】
p型半導体領域517の下方には層間絶縁層519と配線層518とが配置されている。配線層518は、画素110および140の信号を伝達するものであり、
図3において説明した信号線101および102を構成するものである。層間絶縁層519は、配線層518相互の絶縁を行うものである。
【0064】
このように、同図の電荷保持部151は、分離領域513により遮光されるため、暗電流が低減される。
【0065】
[距離の計測の原理]
図6は、本技術の第1の実施の形態における距離の計測方法を示す図である。同図の出射赤外光は、赤外光出射部60により出射された赤外光の波形を表している。また、反射赤外光は、出射赤外光が被写体により反射されて固体撮像装置20に入射した赤外光の波形を表している。固体撮像装置20のZ画素は、この反射赤外光を受光して赤外光信号に変換し、露光を行う。この際、2個のZ画素を使用してそれぞれ異なる露光期間を設定し赤外光信号を生成する。第1の露光期間および第2の露光期間は、この2個のZ画素に設定された露光期間の関係を表したものであり、2値化された波形の値「1」の期間が露光期間に該当する。
【0066】
同図に表したように、出射赤外光は、50%デューティにパルス幅変調されて赤外光出射部60から出射される。これに対し、反射赤外光は、出射赤外光に対して位相が遅れた波形となる。同図のDはこの位相の遅れを表している。これは、出射された赤外光が被写体により反射して固体撮像装置20に到達するまでの時間に相当する。この時間を計測することにより被写体までの距離を算出することができる。
【0067】
同図の第1の露光期間は、出射赤外光と同期した露光期間が設定されている。一方、第2の露光期間は、出射赤外光と180°位相がずれた露光期間が設定されている。第1の露光期間では、同図の期間701において反射光の光電変換が行われる。第2の露光期間では、同図の期間702において反射光の光電変換が行われる。これら期間701および702の比率は、位相遅れに基づいて変化する。すなわち、位相遅れDが大きくなる程、期間701は短くなり、期間702は長くなる。そこで、第1の露光期間および第2の露光期間においてZ画素により生成された赤外光信号の比率を算出することにより位相遅れDを算出することができる。
【0068】
ここで、第1および第2の露光期間が設定されたZ画素の赤外光信号をそれぞれS1およびS2、出射赤外光の周期をTとすると、Dは次式により算出することができる。
D=S2×(S1+S2)×T/2
被写体までの距離Lは、次式により算出することができる。
L=D×c/2 ・・・(式1)
ただし、cは光速である。例えば、被写体との距離が10mの場合には、Dは約33nsとなる。この場合、Tを例えば、100ns(出射赤外光の変調周波数は10MHz)にすることにより距離を計測することができる。これら赤外光出射部60に対するパルス変調された赤外光の出力の制御および距離の算出は、
図1において説明した距離計測部50により行われる。
【0069】
このように2個のZ画素を用いることにより被写体との距離を算出することができる。なお、反射赤外光は、伝播の過程で減衰するため、赤外光の出射を繰返し行うとともに、Z画素により生成された電荷の蓄積を行い、赤外光信号のレベルを高める必要がある。
【0070】
[固体撮像装置の動作]
図7は、本技術の第1の実施の形態における赤外光変換ブロックを例示する図である。同図の画素の配置は、
図4において説明した画素の配置と同様である。同図の上側2つの赤外光変換ブロック620および630に配置されたZ画素(Za、Zb、ZcおよびZd)からなる画素群660により距離の計測が行われる。ZaおよびZcとZbおよびZdとは異なる赤外光変換ブロックに属しており、それぞれ異なる赤外光電荷保持部621および631に接続されている。
図6において説明した第1の露光期間および第2の露光期間をZaおよびZcとZbおよびZdとに適用し、距離の計測を行う。一方、同図の可視光変換ブロック610は、可視光電荷保持部611を備えている。この、可視光変換ブロック610は、可視光による撮像の用に供される。
【0071】
図8は、本技術の第1の実施の形態における撮像期間および距離計測期間の関係を示す図である。同図に表したように、固体撮像装置20は、被写体の画像信号を生成する撮像の後に、被写体との距離の計測を行う。これらが行われる期間である撮像期間および距離計測期間が交互に繰り返される。撮像期間では、可視光画素においてリセット、露光および信号出力が第1のラインから順に実行される。ここで、リセットとは、光電変換部に蓄積された電荷を排出することである。1ラインに含まれる全ての画素に対してリセットが行われ、露光が開始される。所定の露光期間の経過後に、光電変換により生成された電荷に基づく画像信号が生成されて出力される。これにより、当該ラインにおける露光が終了する。これらを全てのラインに対して行うことにより、1画面分の画像信号であるフレームを得ることができる。その後、距離計測期間に移行する。
【0072】
距離計測期間では、赤外光画素においてリセット、露光および信号出力が第1のラインから順に実行される。この際、距離計測のための赤外光信号が生成されて出力される。
【0073】
[撮像方法]
図9は、本技術の第1の実施の形態における撮像方法を示す図である。同図は可視光変換ブロック610における撮像方法を表した図であり、同図には入力信号と出力信号の関係が表されている。同図に記載された信号は、
図3において説明した信号に対応する。このうち入力信号では、2値化された波形の値「1」の期間がオン信号の入力に該当する。また、可視光電荷保持部611以外の構成要素(電荷転送部やオーバーフロードレイン等)の符号は、
図3において説明した構成要素と同じ符号を使用して説明する。
【0074】
まず、OFD1乃至OFD4にオン信号を入力してオーバーフロードレイン112、123、132および143を導通させる(T1)。これにより、光電変換部111、121、131および141に蓄積された電荷が排出されて、リセットが実行される。リセット終了後に、OFD1乃至OFD4へのオン信号の入力を停止して、オーバーフロードレイン112、123、132および143を非導通にする(T2)。これにより、光電変換部111、121、131および141には、新たに光電変換による電荷が生成されて蓄積される。すなわち、露光が開始される。
【0075】
所定の露光期間の経過後に、RSTにオン信号を入力して、信号生成部150のMOSトランジスタ152を導通させる(T3)。これにより、可視光電荷保持部611の電荷が排出される。同時にSELにオン信号を入力して、信号生成部150のMOSトランジスタ154を導通させる。これにより、以降の動作において、可視光電荷保持部611に電荷が転送されて保持された際に、この電荷に基づく可視光信号が信号線102に出力される。
【0076】
次に、RSTのオン信号の入力を停止して、MOSトランジスタ152を非導通にするとともに、TR1にオン信号を入力して画素110の電荷転送部113を導通させる(T4)。これにより、光電変換部111に蓄積された電荷が可視光電荷保持部611に転送される。また、信号線102には、この可視光電荷保持部611に転送された電荷に基づく信号「G」が出力される。これは、画素110における可視光信号(緑色光に対応する画像信号)に該当する。この光電変換部111に蓄積された電荷の可視光電荷保持部611への転送により画素110における露光期間は停止し、
図8において説明した信号出力に移行する。
【0077】
次に、TR1へのオン信号の入力を停止するとともに、RSTにオン信号を入力する(T5)。これにより、可視光電荷保持部611に保持された電荷が排出され、画素110における信号出力が終了する。
【0078】
次に、RSTへのオン信号の入力を停止するとともに、TR2にオン信号を入力して画素120の電荷転送部122を導通させる(T6)。これにより、光電変換部121に蓄積された電荷が可視光電荷保持部611に転送され、信号線102には転送された電荷に基づく信号「B」が出力される。これは、画素120における可視光信号(青色光に対応する画像信号)に該当する。その後、TR2へのオン信号の入力を停止するとともに、RSTにオン信号を入力する(T7)。これにより、可視光電荷保持部611の電荷が排出され、画素120における信号出力が終了する。
【0079】
次に、RSTのオン信号の入力を停止し、TR3にオン信号を入力して画素130の電荷転送部133を導通させる(T8)。これにより、光電変換部131に蓄積された電荷が可視光電荷保持部611に転送され、信号線102には転送された電荷に基づく信号「R」が出力される。これは、画素130における可視光信号(赤色光に対応する画像信号)に該当する。その後、TR3へのオン信号の入力を停止するとともにRSTにオン信号を入力する(T9)。これにより、可視光電荷保持部611の電荷が排出され、画素130における信号出力が終了する。
【0080】
次に、RSTのオン信号の入力を停止し、TR4にオン信号を入力して画素140の電荷転送部142を導通させる(T10)。これにより、光電変換部141に蓄積された電荷が可視光電荷保持部611に転送され、信号線102には転送された電荷に基づく信号「G」が出力される。これは、画素140における可視光信号(緑色光に対応する画像信号)に該当する。その後、TR4およびSELへのオン信号の入力を停止する(T11)。これにより、画素140における信号出力が終了する。
【0081】
図9において説明した処理を全てのラインについて行うと、1画面の撮像期間が終了する。このように、可視光変換ブロック610では、4個の光電変換部111、121、131および141によりそれぞれ生成された電荷がそれぞれ異なる期間(T4、T6、T8およびT10)に排他的に可視光電荷保持部611に保持される。すなわち、複数の可視光変換部によりそれぞれ生成された電荷がそれぞれ異なる期間に排他的に可視光電荷保持部に保持される。
【0082】
[距離の計測]
図10は、本技術の第1の実施の形態における距離の計測方法を示す図である。同図は、画素群660における距離の計測方法を表した図である。同図には、画素群660のZ画素における入力信号と、出射赤外光および反射赤外光と、赤外光電荷保持部621および631における保持電荷量との関係が表されている。なお、
図7において説明した赤外光変換ブロック620および630の信号は、
図3において説明した信号に対応する。すなわち、画素群660のZ画素のうち、ZaおよびZcの信号は、
図3における画素120および140の信号にそれぞれ対応する。同様に、ZbおよびZdの信号は、
図3における画素110および130の信号にそれぞれ対応する。赤外光電荷保持部621および631以外の構成要素の符号には、
図3において説明した構成要素と同じ符号を用いて説明する。
【0083】
まず、赤外光変換ブロック620および630のRSTにオン信号を入力してMOSトランジスタ152を導通させる。同時に、赤外光変換ブロック620のOFD2およびOFD4と、赤外光変換ブロック630のOFD1およびOFD3とにオン信号を入力してオーバーフロードレイン123、143、112および132を導通させる(T1)。これにより、赤外光電荷保持部621および631に保持された電荷が排出される。また、赤外光変換ブロック620の光電変換部121および141と、赤外光変換ブロック630の光電変換部111および131とに蓄積された電荷が排出されてリセットが行われる。リセット終了後、上述のRSTおよびOFDへのオン信号の入力が停止される(T2)。
【0084】
次に、赤外光出射部60から赤外光を出射させるとともに、赤外光変換ブロック620のTR2およびTR4にオン信号を入力し、赤外光変換ブロック630のOFD1およびOFD3にオン信号を入力する(T3)。これにより、赤外光変換ブロック620では、電荷転送部122および142が導通し、光電変換部121および141において反射赤外光に基づいて生成された電荷が赤外光電荷保持部621に保持される。一方、赤外光変換ブロック630では、オーバーフロードレイン112および132が導通し、光電変換部111および131がリセットされる。
【0085】
次に、赤外光出射部60における赤外光の出射を停止させるとともに、赤外光変換ブロック620のTR2およびTR4と、赤外光変換ブロック630のOFD1およびOFD3とにおけるオン信号の入力を停止する。同時に、赤外光変換ブロック620のOFD1およびOFD3と、赤外光変換ブロック630のTR2およびTR4とにオン信号を入力する(T4)。これにより、赤外光変換ブロック620では、オーバーフロードレイン123および143が導通し、光電変換部121および141がリセットされる。一方、赤外光変換ブロック630では、電荷転送部113および133が導通し、光電変換部111および131において反射赤外光に基づいて生成された電荷が赤外光電荷保持部631に保持される。
【0086】
次に、赤外光変換ブロック620のOFD1およびOFD3と、赤外光変換ブロック630のTR2およびTR4とにおけるオン信号の入力を停止する(T5)。以後、T3およびT4の操作を所定の回数繰り返す。これにより、赤外光電荷保持部621および631には、反射赤外光に基づく電荷が蓄積されていく。
【0087】
次に、赤外光変換ブロック620および630のSELにオン信号を入力する(T6)。これより、赤外光変換ブロック620および630のMOSトランジスタ154が導通し、赤外光電荷保持部621および631に保持された電荷に基づく赤外光信号がそれぞれ出力される。その後、赤外光変換ブロック620および630のSELへのオン信号の入力を停止し、距離計測期間を終了する(T7)。
【0088】
上述のように、赤外光変換ブロック620のZaおよびZcでは、出射赤外光に同期した光電変換が行われる。すなわち、
図6において説明した第1の露光期間がZaおよびZcに設定される。一方、赤外光変換ブロック630のZbおよびZdでは、出射赤外光に対して180°位相がずれた期間において光電変換が行われる。すなわち、
図6において説明した第2の露光期間がZbおよびZdに適用される。これらZ画素からの赤外光信号に基づいて、距離計測部50が被写体との距離を算出する。
【0089】
このように、赤外光変換ブロック620では、電荷転送部122および142が同時に導通状態になり、2個の光電変換部121および141によりそれぞれ生成された電荷がまとめて同時(T3)に赤外光電荷保持部621に保持される。同様に、赤外光変換ブロック630では、電荷転送部113および133が同時に導通状態になり、2個の光電変換部111および131によりそれぞれ生成された電荷がまとめて同時(T4)に赤外光電荷保持部631に保持される。すなわち、複数の赤外光変換部によりそれぞれ生成された電荷がまとめて同時に赤外光電荷保持部に保持される。なお、電荷転送部122および142は、特許請求の範囲に記載の赤外光電荷転送部の一例である。
【0090】
一方、赤外光変換ブロック620のG画素およびR画素は、
図9において説明した撮像方法が適用されて、可視光信号が生成される。すなわち、これらの画素に含まれる可視光変換部によりそれぞれ生成された電荷は、それぞれ異なる期間に排他的に赤外光電荷保持部621に保持される。これは、赤外光変換ブロック630のB画素およびG画素においても同様である。
【0091】
[距離の計測手順]
図11は、本技術の第1の実施の形態における距離の計測処理手順の一例を示す図である。同図の処理は、撮像システム1において、距離の計測を行う際に実行される。
図7において説明した符号を用いて処理の手順を説明する。
【0092】
まず、赤外光出射部60が被写体に対して赤外光を出射する(ステップS901)。次に、第1の露光期間が設定された赤外光変換ブロック620により、赤外光の露光が行われる(ステップS902)。所定の露光期間の経過後、この露光により生成された電荷が赤外光電荷保持部621に保持され(ステップS903)、赤外光出射部60による赤外光の出射が停止される(ステップS904)。次に、第2の露光期間が設定された赤外光変換ブロック630により、赤外光の露光が行われ(ステップS905)、生成された電荷が赤外光電荷保持部631に保持される(ステップS906)。次に、所定の露光回数に達したか否かが判断される(ステップS907)。所定の露光回数に達していない場合には(ステップS907:No)、ステップS901からの処理を再度実行する。
【0093】
一方、所定の露光回数に達していた場合には(ステップS907:Yes)、赤外光電荷保持部621および631に保持された電荷に基づく赤外光信号が生成される(ステップS908)。最後に、距離計測部50が生成された赤外光信号に基づいて距離の算出を行う(ステップS909)。
【0094】
本技術の第1の実施の形態では、
図7において説明したように、画素群660のZaおよびZcとZbおよびZdとに、それぞれ第1の露光期間および第2の露光期間が設定されて露光が行われる。これにより、第1の露光期間および第2の露光期間に基づく赤外光信号を同時に取得することができ、距離計測期間を短縮することができる。また、可視光画素における可視光変換部の受光面と同じサイズの受光面を有する2個の赤外光変換部を見かけ上並列に接続して使用し、光電変換を行うことにより、赤外光変換部の感度を高くすることができる。光電変換部の感度、すなわち単位時間当たりの電荷生成量は、光電変換部の受光面積に比例するためである。
【0095】
可視光変換部の2倍の面積の赤外光変換部を構成しても感度を高めることは可能である。しかし、大面積の光電変換部では、電荷転送部による電荷の転送に要する時間が長くなるという問題がある。
図5において説明した光電変換部141のn型半導体領域512において、蓄積された電荷の移動は、主に電荷の拡散によりなされるためである。これに対し、本技術の第1の実施の形態では、上述のように、可視光画素における可視光変換部の受光面と同じサイズの受光面を有する赤外光変換部を2個使用しており、電荷の転送に要する時間を可視光変換部と同じにすることができる。
【0096】
また、
図7の赤外光変換ブロック620と630とは隣接して配置されている。そのため、これらの赤外光変換ブロックにより生成された赤外光信号は、同一の被写体に基づく赤外光信号とみなすことができる。赤外光変換ブロック620および630が離れて配置された場合と比べ、距離の計測の精度を向上させることができる。
【0097】
また、可視光変換ブロックは、4個の可視光画素により構成されるとともにベイヤー配列に構成されている。これに対し、本技術の第1の実施の形態における画素群660も4個のZ画素により構成されている。これにより、画素アレイ部100に対するZ画素の配置を容易にすることができる。画素アレイ部100の可視光画素を赤外光画素に置き換えることにより、固体撮像装置20は構成される。この際、可視光変換ブロックとZ画素の画素群660とが同数であることから、画素アレイ部100全体に対するR画素、G画素およびB画素の比率を変更することなく、置き換えることができるためである。
【0098】
さらに、本技術の第1の実施の形態では、Z画素と可視光画素とを略等しい大きさにしている。これにより、カラーフィルタの構成を除いて、Z画素と可視光画素とは半導体基板における拡散層の構成や配線パターン等を共用することができるため、同一の設計ルールに基づいて製造することができる。
【0099】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、可視光画素と略等しい大きさの2個のZ画素を並列に使用することにより、Z画素の感度を向上させることができる。これにより、距離計測の精度を向上させることができる。
【0100】
[変形例]
上述の実施の形態では、可視光画素としてR画素、G画素およびB画素の3画素により、可視光変換ブロックを構成していたが、白色光に対応するW画素を加えた4画素により構成してもよい。例えば、ベイヤー配列における2個のG画素のうちの1個の画素をW画素に置き換えた構成にすることができる。
【0101】
図12は、本技術の第1の実施の形態の変形例における可視光変換ブロックを例示する図である。同図においてWの文字が記載された画素がW画素に該当し、当該画素には白色光を透過させるカラーフィルタが配置されている。同図においても、可視光変換ブロック611とZ画素の画素群660とが同数になり、画素アレイ部100全体に対するR画素、G画素、B画素およびW画素の比率を変更することなく、可視光画素を赤外光画素に置き換えることができる。
【0102】
<第2の実施の形態>
上述の実施の形態では、2個のZ画素と2個の可視光画素とにより構成された赤外光変換ブロックを使用して距離の計測を行っていた。これに対し、本技術の第2の実施の形態では、4個のZ画素により構成された赤外光変換ブロックにより距離の計測を行う。これにより、Z画素に接続する信号線の本数を削減することができる。
【0103】
[固体撮像装置の動作]
図13は、本技術の第2の実施の形態における赤外光変換ブロックを例示する図である。同図の赤外光変換ブロック620は、全ての画素がZ画素により構成されている点で、
図7において説明した赤外光変換ブロック620と異なる。すなわち、
図7におけるZ画素による画素群660と赤外光変換ブロック620の画素とが一致した構成となっている。このため、同図の赤外光変換ブロック620のZ画素では、電荷転送部やオーバーフロードレインを4画素同時に動作させることができる。4個のZ画素を使用して赤外光信号を生成するため、Z画素の感度を高めることができ、距離計測の精度を向上させることができる。これ以外の固体撮像装置20および撮像システム1の構成は本技術の第1の実施の形態の固体撮像装置20および撮像システム1と同様であるため、説明を省略する。
【0104】
図14は、本技術の第2の実施の形態における撮像期間および距離計測期間の関係を示す図である。本技術の第2の実施の形態では、撮像期間の後に2度の距離計測期間である第1の距離計測期間および第2の距離計測期間が実行される点で、
図8において説明した距離計測期間と異なる。
【0105】
[撮像方法]
図15は、本技術の第2の実施の形態における撮像方法を示す図である。前述のように赤外光変換ブロック620の全てのZ画素の電荷転送部およびオーバーフロードレインに対して同じ信号が入力される。同図の第1の距離計測期間および第2の距離計測期間の操作はそれぞれ
図10において説明した赤外光変換ブロック620および630における操作と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、4個のZ画素により構成された赤外光変換ブロックにより距離の計測を行うことにより、Z画素に供給する信号を共通にすることができる。これにより、信号線の本数を削減することができる。
【0107】
<第3の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、2個のZ画素と2個の可視光変換画素とにより構成された赤外光変換ブロックを使用して距離の計測を行っていた。これに対し、本技術の第3の実施の形態では、1個のZ画素と3個の可視光変換画素とにより構成された赤外光変換ブロックにより距離の計測を行う。これにより、反射赤外光の露光を4相に分けて行う方式の距離計測方法を使用することができる。
【0108】
[固体撮像装置の動作]
図16は、本技術の第3の実施の形態における赤外光変換ブロックを例示する図である。同図の赤外光変換ブロック620、630、640および650は、1個のZ画素と3個の可視光変換画素とにより構成されている点で、
図7において説明した赤外光変換ブロック620および630と異なる。また、同図におけるZ画素による画素群660は、これら4個の赤外光変換ブロックにまたがって配置されるとともに、2つのラインにまたがって配置される。これ以外の固体撮像装置20および撮像システム1の構成は本技術の第1の実施の形態の固体撮像装置20および撮像システム1と同様であるため、説明を省略する。
【0109】
[距離の計測の原理]
図17は、本技術の第3の実施の形態における距離の計測方法を示す図である。同図に表した距離の計測方法では、正弦波により振幅変調された赤外光を出射し、反射赤外光の位相遅れを計測することにより、距離を計測する。同図におけるaは、これら出射赤外光および反射赤外光の関係を表したものである。出射赤外光を同図におけるaの正のx軸方向に取ると、反射赤外光は被写体との距離に応じて遅れた位相の波形となる。この遅れをφにより表すと、φは次式により表される。
φ=tan
−1(q/r)
ただし、qは反射波の波高値を表し、rは90°進み位相における反射波の波高値を表している。
【0110】
同図におけるbは、これらqおよびrの取得方法を表したものである。出射赤外光の1周期における90°の位相ごとに反射赤外光の波高値を計測する。これらをp1乃至4により表すと、qおよびrは次式により表される。
q=|(p1−p3)/2|
r=|(p2−p4)/2|
このように、p1およびp3と、p2およびp4とにおいてそれぞれの差分を算出することにより、反射赤外光以外の赤外光の影響を除去することができる。φは次式により算出することができる。
φ=tan
−1|(p1−p3)/(p2−p4)|
図6において説明したDは、次のように算出することができる。
D=T×φ/2π
【0111】
次に、式1を用いて被写体までの距離Lを算出する。ここで、p1乃至4は、出射赤外光の1周期に対して90°毎に区切って露光を行い、生成された電荷を蓄積して赤外光信号に変換することにより取得することができる。同図におけるbには、これらを第1乃至第4の露光期間として表している。
【0112】
上述のように、同図に表した距離の計測方法では、4個のZ画素を用い、差分を算出して距離の計測を行うため、反射赤外光以外の赤外光の影響を除去することができる。このため、
図6において説明した距離の計測方法と比較して、精度の高い計測を行うことができる。
【0113】
[撮像方法]
図18は、本技術の第3の実施の形態における撮像方法を示す図である。同図のZa、Zb、ZcおよびZdのそれぞれに、
図17において説明した第1乃至第4の露光期間が設定された場合を想定する。まず、赤外光変換ブロック620、630、640および650のRSTにオン信号を入力し、赤外光電荷保持部621、631、641および651に保持されていた電荷を排出する(T1)。なお、以降の説明では、赤外光変換ブロックの名称を省略して記載する。
【0114】
このRSTへの信号入力と同時に、OFD4、OFD3、OFD2およびOFD1にオン信号を入力し、光電変換部111、121、131および141をリセットする。リセット終了後にRST、OFD1乃至4へのオン信号の入力を停止する(T2)。
【0115】
次に、赤外光の出射を開始し、TR4、OFD3、OFD2およびOFD1にオン信号を入力する(T3)。これにより、画素140において反射赤外光に基づく露光が行われ、電荷が赤外光電荷保持部621に蓄積される。
【0116】
次に、TR4およびOFD3へのオン信号の入力を停止するとともに、TR3、OFD4、OFD2およびOFD1にオン信号を入力する(T4)。これにより、画素130において反射赤外光に基づく露光が行われ、電荷が赤外光電荷保持部631に蓄積される。
【0117】
次に、TR3およびOFD2へのオン信号の入力を停止するとともに、TR2、OFD4、OFD3およびOFD1にオン信号を入力する(T5)。これにより、画素120において反射赤外光に基づく露光が行われ、電荷が赤外光電荷保持部641に蓄積される。
【0118】
次に、TR2およびOFD1へのオン信号の入力を停止するとともに、TR1、OFD4、OFD3およびOFD2にオン信号を入力する(T6)。これにより、画素110において反射赤外光に基づく露光が行われ、電荷が赤外光電荷保持部651に蓄積される。
【0119】
次に、TR1およびOFD4へのオン信号の入力を停止する(T7)。以後、T3乃至T6の動作を所定の回数繰り返す。これにより、赤外光電荷保持部621、631、641および651には、反射赤外光に基づく電荷が蓄積されていく。
【0120】
次に、赤外光変換ブロック620および630のSELにオン信号を入力する(T8)。これにより、赤外光電荷保持部621および631に保持された電荷に基づく赤外光信号が生成される。次に、赤外光変換ブロック620および630のSELへのオン信号の入力を停止するとともに、赤外光変換ブロック640および650のSELにオン信号を入力する(T9)。これにより、赤外光電荷保持部641および651に保持された電荷に基づく赤外光信号が生成される。
図16において説明したように、Z画素による画素群660は2つのラインにまたがって配置されているため、SELの信号を1ライン毎に入力して赤外光信号を取得する必要がある。その後、赤外光変換ブロック640および650のSELへのオン信号の入力を停止し、距離計測期間を終了する(T10)。
【0121】
上述の赤外光電荷保持部621、631、641および651に保持された電荷に基づく赤外光信号を取得することにより、90°位相をずらした赤外光信号を得ることができる。これらの赤外光信号に基づいて距離計測部50が被写体との距離を算出する。
【0122】
このように、本技術の第3の実施の形態によれば、反射赤外光の露光を4相に分けて行う方式の距離計測方法を使用することができる。これにより、反射赤外光以外の赤外光の影響を除去することが可能になり、距離計測の精度を向上させることができる。
【0123】
<第4の実施の形態>
上述の第3の実施の形態では、画素群660のZ画素が隣接して配置されていた。これに対し、本技術の第4の実施の形態では、赤外光変換ブロックにおけるベイヤー配列のうちのG画素の位置にZ画素が配置される。これにより、デモザイク処理を容易にすることができる。
【0124】
[固体撮像装置の動作]
図19は、本技術の第4の実施の形態における赤外光変換ブロックを例示する図である。同図の赤外光変換ブロック620、630、640および650は、1個のZ画素と3個の可視光変換画素により構成されている。しかし、Z画素がそれぞれの光電変換ブロックのベイヤー配列におけるG画素の位置に配置されている点で、
図16において説明した赤外光変換ブロック620、630、640および650と異なる。これ以外の固体撮像装置20および撮像システム1の構成は本技術の第3の実施の形態の固体撮像装置20および撮像システム1と同様であるため、説明を省略する。また、距離計測方法には、本技術の第3の実施の形態と同様に反射赤外光の露光を4相に分けて行う方式の距離計測方法を採用することができる。
【0125】
前述のように、画像処理部40では、固体撮像装置20から出力された可視光信号に対するデモザイク処理が行うことができる。このデモザイク処理は、各画素における不足する色の信号を補間する処理であり、Z画素に適用する際には、赤色光、緑色光および青色光の3つに対応する信号を補間する必要がある。この補間は、該当する色に対応する可視光画素のうち、Z画素の周囲に配置された可視光画素により出力された可視光信号の平均値を算出することにより行うことができる。しかし、Z画素における緑色光に対応する可視光信号については、同じ赤外光変換ブロックに含まれるG画素の信号を用いて補間を行うことができる。これにより、緑色光に対応する可視光信号のデモザイク処理を簡略化することができる。
【0126】
このように、本技術の第4の実施の形態によれば、ベイヤー配列におけるG画素の位置にZ画素を配置することにより、デモザイクの際に同じ赤外光変換ブロックに含まれるG画素の可視光信号を用いて補間することができる。これにより、可視光信号のデモザイク処理を簡略化することができる。
【0127】
<5.第5の実施の形態>
上述の、本技術の第4の実施の形態では、Z画素において生成された電荷は、1組の電荷転送部および電荷保持部により転送され、保持されていた。これに対し、本技術の第5の実施の形態では、2組の電荷転送部および電荷保持部を使用する。これにより、距離計測の精度を高めることができる。
【0128】
[画素の配置]
図20は、本技術の第5の実施の形態における画素の配置例を示す図である。同図のZ画素(Za)である画素140は、電荷転送部144および電荷保持部155をさらに備える点で、
図4において説明したZ画素140と異なる。なお、同図に表された他のZ画素(Zb、ZcおよびZd)についても同様である。
【0129】
[画素の回路構成]
図21は、本技術の第5の実施の形態における画素の構成例を示す図である。同図は、赤外光変換ブロックのうち、Z画素140、信号生成部150ならびに電荷保持部151および155の回路構成を表したものである。
【0130】
同図の画素140は、オーバーフロードレイン143を備える必要はない。代わりに電荷転送部144をさらに備える。また、信号線101は、OFD4の代わりにTR5を備えている。このTR5(Transfer 5)は、電荷転送部144に制御信号を伝達する信号線である。同図に表したように、光電変換部141のアノードは接地され、カソードは電荷転送部142および144のソースに接続される。電荷転送部142および144のゲートは、それぞれTR4および5に接続される。電荷転送部142のドレインは、
図3で説明した画素140と同様に電荷保持部151の一端に接続される。一方、電荷転送部144のドレインは、電荷保持部155の一端に接続される。
【0131】
信号生成部150は、MOSトランジスタ156乃至158をさらに備える点で、
図3において説明した信号生成部150と異なる。同図に表したように、MOSトランジスタ156および157のドレインは、Vddに接続される。MOSトランジスタ156のソースおよびMOSトランジスタ157のゲートは、前述の電荷転送部144のドレインが接続された電荷保持部155の一端に接続される。電荷保持部155の他の一端は、接地される。MOSトランジスタ157のソースはMOSトランジスタ158のドレインに接続され、MOSトランジスタ158のソースは信号線102に接続される。同図に表したように、信号線102は、2本の信号線により構成され、それぞれMOSトランジスタ154および158により出力された信号を伝達する。MOSトランジスタ156およびMOSトランジスタ158のゲートは、それぞれ信号線RSTおよびSELに接続される。
【0132】
MOSトランジスタ157は、電荷保持部155に保持された電荷に応じた信号を生成するMOSトランジスタである。MOSトランジスタ158は、MOSトランジスタ157により生成された信号を画像信号として信号線102に出力するMOSトランジスタである。MOSトランジスタ156は、電荷保持部155に保持された電荷を排出するMOSトランジスタである。
【0133】
このように、同図の画素140では、光電変換部141により生成された電荷を電荷保持部151および155に分けて転送することができる。これ以外の画素の構成は、
図3において説明した画素等の構成と同様であるため、説明を省略する。また、本技術の第5の実施の形態における距離の計測方法には、
図6において説明した距離の計測方法を使用することができる。これ以外の固体撮像装置20および撮像システム1の構成は、本技術の第1の実施の形態の固体撮像装置20および撮像システム1と同様であるため、説明を省略する。
【0134】
[撮像方法]
図22は、本技術の第5の実施の形態における撮像方法を示す図である。同図は、
図20において説明した画素140における入力信号と出力信号との関係等を表したものである。
【0135】
まず、RST、TR4およびTR5にオン信号を入力する(T1)。これにより、光電変換部141がリセットされ、電荷保持部151および155に保持された電荷が排出される。リセット終了後、上述のRST、TR4およびTR5へのオン信号の入力が停止される(T2)。
【0136】
次に、赤外光出射部60から赤外光を出射させるとともに、TR4にオン信号を入力する(T3)。これにより、光電変換部141により生成された反射赤外光に基づく電荷が電荷保持部151に保持される。
【0137】
次に、赤外光出射部60による赤外光の出射を停止させるとともに、TR4へのオン信号の入力を停止する。同時に、TR5にオン信号を入力する(T4)。これにより、光電変換部141により生成された反射赤外光に基づく電荷が電荷保持部155に保持される。
【0138】
以後、T3およびT4の操作を所定の回数繰り返す。これにより、電荷保持部151および155には、反射赤外光に基づく電荷が蓄積されていく。
【0139】
次に、SELにオン信号を入力する(T6)。これにより、電荷保持部151および155に保持された電荷に基づく赤外光信号がそれぞれ出力される。その後、SELへのオン信号の入力を停止し、距離計測期間を終了する(T7)。出力された赤外光信号に基づいて、距離計測部50により、距離が算出される。
【0140】
なお、赤外光の受光感度が不足する場合には、Zb、ZcおよびZdにおいても同様に赤外光信号を生成し、これらを加算して距離の算出に使用することも可能である。
【0141】
このように、電荷保持部151には、出射赤外光に同期した光電変換に基づく電荷が蓄積される。一方、電荷保持部155には、出射赤外光と180°位相がずれたタイミングで光電変換が行われ、電荷が蓄積される。すなわち、
図6において説明した第1および第2の露光期間を1個の画素により実行することができる。このため、第1および第2の露光期間を異なる画素により実行する場合と比較して、光電変換における感度のばらつき等の影響を低減することができ、距離計測の精度を向上させることができる。また、光電変換部141により生成された電荷は、全て電荷保持部151および155に転送されるため、画素140は、オーバーフロードレインを設ける必要はない。
【0142】
このように、本技術の第5の実施の形態によれば、距離の計測に必要な2つの赤外光信号を1個の画素により生成することができる。これにより、光電変換における感度のばらつき等の影響を低減することができるため、距離計測の精度を向上させることができる。
【0143】
[変形例]
上述の本技術の第5の実施の形態では、ベイヤー配列のうちのG画素の位置にZ画素が配置される赤外光変換ブロックに対して、Z画素の電荷転送部と電荷保持部とを追加して距離の計測を行っていた。これに対し、本技術の第1の実施の形態におけるZ画素に電荷転送部と電荷保持部とをそれぞれ追加して距離の計測を行ってもよい。具体的には、
図4において説明した画素120の光電変換部121および画素140の光電変換部141に電荷転送部を追加する。この追加した電荷転送部が共通に接続される電荷保持部をさらに備える構成にする。これにより、光電変換における感度のばらつき等の影響を低減することができるため、赤外光変換ブロックが2個の赤外光変換部と2個の可視光変換部とにより構成される場合において、距離計測の精度を向上させることができる。
【0144】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0145】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disc)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標)Disc)等を用いることができる。
【0146】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0147】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)可視光を受光する受光面が配置されて前記受光した前記可視光の受光量に応じた電荷を生成する複数の可視光変換部と前記複数の可視光変換部によりそれぞれ生成された前記電荷をそれぞれ異なる期間に排他的に保持する可視光電荷保持部とを備える可視光変換ブロックと、
前記可視光変換部の前記受光面と略等しいサイズであるとともに赤外光を受光する受光面が配置されて前記受光した前記赤外光の受光量に応じた電荷を生成する複数の赤外光変換部と前記複数の赤外光変換部によりそれぞれ生成された前記電荷をまとめて同時に保持する赤外光電荷保持部とを備える赤外光変換ブロックと
を具備する固体撮像装置。
(2)前記可視光変換ブロックは、4個の前記可視光変換部と前記可視光電荷保持部とを備える前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)前記赤外光変換ブロックは、4個の前記赤外光変換部と前記赤外光電荷保持部とを備える前記(2)に記載の固体撮像装置。
(4)前記赤外光変換ブロックは、
2個の前記赤外光変換部と、
2個の前記可視光変換部と、
前記2個の赤外光変換部により生成された前記電荷を保持する際には前記2個の赤外光変換部によりそれぞれ生成された前記電荷をまとめて同時に保持し、前記2個の可視光変換部により生成された前記電荷を保持する際には前記2個の可視光変換部によりそれぞれ生成された前記電荷をそれぞれ異なる期間に排他的に保持する前記赤外光電荷保持部と
を備える
前記(2)に記載の固体撮像装置。
(5)前記可視光変換ブロックは、赤色光に応じた前記電荷を生成する前記可視光変換部である赤色光変換部と緑色光に応じた前記電荷を生成する前記可視光変換部である緑色光変換部と青色光に応じた前記電荷を生成する前記可視光変換部である青色光変換部とがベイヤー配列形状に配置された前記4個の可視光変換部と前記可視光電荷保持部とを備える前記(2)から(4)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(6)前記可視光変換ブロックは、赤色光に応じた前記電荷を生成する前記可視光変換部である赤色光変換部と緑色光に応じた前記電荷を生成する前記可視光変換部である緑色光変換部と青色光に応じた前記電荷を生成する前記可視光変換部である青色光変換部と白色光に応じた前記電荷を生成する前記可視光変換部である白色光変換部と前記可視光電荷保持部とを備える前記(2)から(4)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(7)前記赤外光変換ブロックは、前記複数の赤外光変換部と前記赤外光電荷保持部との間を同時に導通させて前記複数の赤外光変換部によりそれぞれ生成された前記電荷を前記赤外光電荷保持部に転送する赤外光電荷転送部をさらに備える前記(1)から(6)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(8)前記赤外光電荷保持部に保持された前記電荷に応じた信号を生成する赤外光信号生成部をさらに具備する前記(1)から(7)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(9)被写体に赤外光を出射する赤外光出射部と、
可視光を受光する受光面が配置されて前記受光した前記可視光の受光量に応じた電荷を生成する複数の可視光変換部と前記複数の可視光変換部によりそれぞれ生成された前記電荷をそれぞれ異なる期間に排他的に保持する可視光電荷保持部とを備える可視光変換ブロックと、
前記可視光変換部の前記受光面と略等しいサイズであるとともに前記出射されて前記被写体により反射された赤外光を受光する受光面が配置されて前記受光した前記赤外光の受光量に応じた電荷を生成する複数の赤外光変換部と前記複数の赤外光変換部によりそれぞれ生成された前記電荷をまとめて同時に保持する赤外光電荷保持部とを備える赤外光変換ブロックと、
前記赤外光電荷保持部に保持された前記電荷に応じた信号を生成する赤外光信号生成部と、
前記赤外光出射部における前記出射から前記赤外光変換ブロックの前記赤外光変換部における前記受光までの時間を前記生成された前記信号に基づいて計測することにより前記被写体との距離を計測する距離計測部と
を具備する撮像システム。
(10)被写体に赤外光を出射する赤外光出射手順と、
可視光を受光する受光面が配置されて前記受光した前記可視光の受光量に応じた電荷を生成する複数の可視光変換部と前記複数の可視光変換部によりそれぞれ生成された前記電荷をそれぞれ異なる期間に排他的に保持する可視光電荷保持部とを備える可視光変換ブロックにおける前記可視光変換部の前記受光面と略等しいサイズであるとともに前記出射されて前記被写体により反射された赤外光を受光する受光面が配置されて前記受光した前記赤外光の受光量に応じた電荷を生成する複数の赤外光変換部と前記複数の赤外光変換部によりそれぞれ生成された前記電荷をまとめて同時に保持する赤外光電荷保持部とを備える赤外光変換ブロックにおいて前記赤外光電荷保持部に保持された前記電荷に応じた信号を生成する赤外光信号生成手順と、
前記赤外光の出射から前記赤外ブロックの前記赤外光変換部における前記受光までの時間を前記生成された前記信号に基づいて計測することにより前記被写体との距離を計測する距離計測手順と
を具備する距離計測方法。