(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フィルタは、塵埃の堆積によって次第に通気量が減少するため、定期的に筐体から取り外し、交換又はクリーニングを行う必要がある。しかしながら、特許文献1のような構造では、ネジ止め等によって筐体に固定されている蓋体を取り外す必要があり、フィルタの着脱が容易ではない。
【0006】
特に、投射型表示装置は、天井に吊り下げられて用いられる場合もあり、このような場合にはフィルタの着脱が一層困難になる。また、フィルタを筐体から取り外す際には、フィルタを傾けることにより塵埃が舞い上がり、吸気口へ流入するおそれもある。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、メンテナンス性に優れた投射型表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る投射型表示装置は、投射光学系と、筐体と、ファンと、エアフィルタと、フィルタカバーとを具備する。
上記筐体は吸気口を備え、上記投射光学系を収容する。
上記ファンは、上記筐体に収容され、上記吸気口から空気を吸引する。
上記エアフィルタは、上記筐体に対して着脱可能であり、上記吸気口を覆う。
上記フィルタカバーは、上記エアフィルタに対して着脱可能である。
【0009】
この構成によれば、フィルタカバーとエアフィルタを一体化して筐体に対して着脱することが可能となり、フィルタカバーとエアフィルタがそれぞれ筐体に装着される構造に比べてエアフィルタのメンテナンス性が向上する。
【0010】
上記エアフィルタは、上記フィルタカバーと共に、上記筐体に対してスライドして着脱されてもよい。
【0011】
この構成によれば、筐体が天井に吊下され、吸気口が筐体の鉛直上方側の面に配置されている場合等にフィルタカバーとエアフィルタを筐体に対して容易に着脱することが可能となる。
【0012】
上記フィルタカバーは、上記エアフィルタと対向する天板部と、上記天板部と上記エアフィルタの間での空気の流入を防止する側壁部と、上記天板部と上記エアフィルタの間での空気の流入を可能とする開口部とを備えてもよい。
【0013】
この構成によれば、吸気口が筐体の鉛直上方側の面に配置され、当該面に塵埃が堆積しても、エアフィルタは天板部によって覆われており、エアフィルタへの塵埃の流入を防止することが可能である。
【0014】
上記開口部は、上記筐体において上記吸気口が設けられている面の周縁に沿って設けられ、上記側壁部は、上記エアフィルタを上記面のうち上記天板部と対向しない領域から隔てるように設けられていてもよい。
【0015】
この構成によれば、筐体の吸気口が設けられている面に塵埃が堆積しても、当該面の周縁に設けられ、即ち当該面が存在しない方向に設けられた開口部から吸気が行われ、当該面に堆積した塵埃のエアフィルタへの流入を側壁部によって防止することが可能である。
【0016】
上記天板部は、一部が上記面の周縁から突出して設けられ、
上記開口部は、上記面の周縁と上記面の周縁から突出した上記天板部の間に設けられていてもよい。
【0017】
この構成によれば、吸気口が設けられている筐体の面のうち天板部と対向しない領域と開口部が離間するため、当該面に堆積した塵埃が開口部により流入しにくくなる。
【0018】
上記フィルタカバーは、スライドに伴う塵埃の上記吸気口への落下を防止する塵埃落下防止部を備える。
【0019】
上記のように、フィルタカバーはエアフィルタと共にスライドし、筐体に対して着脱されるため、スライド時にフィルタカバーに堆積した塵埃が落下すると、吸気口に流入するおそれがあるが、塵埃落下防止部を設けることによって、このような吸気口への塵埃を防止することが可能となる。
【0020】
上記投射型表示装置は、天井に取り付けることが可能であり、
上記吸気口は、上記投射型表示装置が天井に取り付けられた状態で上記筐体の鉛直上方側となる面に設けられていてもよい。
【0021】
上記吸気口は、上記投射型表示装置が天井に取り付けられた状態で上記筐体の鉛直上方側となる面に設けられていてもよい。
【0022】
この構成によれば、投射型表示装置が天井に取り付けられた際に、筐体の鉛直上方に位置するエアフィルタへの塵埃の堆積を防止することが可能である。
【0023】
上記吸気口は、上記投射型表示装置が壁面に取り付けられた状態で上記筐体の鉛直上方側となる面に設けられていてもよい。
【0024】
この構成によれば、投射型表示装置が壁面に取り付けられた際に、筐体の鉛直上方に位置するエアフィルタへの塵埃の堆積を防止することが可能である。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本技術によれば、メンテナンス性に優れた投射型表示装置を提供することが可能である。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本技術の実施形態に係る投射型表示装置の斜視図である。
【
図4】フィルタカバーを取り外した状態の同投射型表示装置の斜視図である。
【
図5】フィルタカバー及びエアフィルタを取り外した状態の同投射型表示装置の斜視図である。
【
図6】同投射型表示装置が備えるエアフィルタの斜視図である。
【
図7】同投射型表示装置の筐体に設けられた吸気口の斜視図である。
【
図8】同投射型表示装置が備えるフィルタカバーの斜視図である。
【
図9】同投射型表示装置が備えるフィルタカバーの斜視図である。
【
図10】同投射型表示装置が備えるフィルタカバー及びエアフィルタの斜視図である。
【
図11】同投射型表示装置が備えるフィルタカバー及びエアフィルタの斜視図である。
【
図12】同投射型表示装置が備えるエアフィルタの平面図である。
【
図13】同投射型表示装置が備えるエアフィルタへの吸気方向を示す模式図である。
【
図14】同投射型表示装置が備えるエアフィルタの筐体への着脱方法を示す模式図である。
【
図15】同投射型表示装置が備えるフィルタカバー及びエアフィルタの筐体への着脱方法を示す模式図である。
【
図16】同投射型表示装置が備えるフィルタカバーの断面図である。
【
図17】同投射型表示装置が備えるフィルタカバーの平面図である。
【
図18】同投射型表示装置が備えるフィルタカバーの断面図である。
【
図19】同投射型表示装置が備えるフィルタカバーの断面図である。
【
図20】同投射型表示装置が備えるフィルタカバーの断面図である。
【
図21】同投射型表示装置が備えるフィルタカバーの断面図である。
【
図22】同投射型表示装置が備えるフィルタカバーの断面図である。
【
図23】本技術の変形例に係る投射型表示装置が備えるフィルタカバーの平面図である。
【
図24】本技術の変形例に係る投射型表示装置の斜視図である。
【
図25】同投射型表示装置が備えるフィルタカバー及びエアフィルタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本実施形態に係る投射型表示装置について説明する。
【0028】
[投射型表示装置の全体構成]
図1乃至
図3は、本実施形態に係る投射型表示装置100を各方向からみた斜視図である。図中のX方向、Y方向及びZ方向は相互に直交する三方向である。
【0029】
図1乃至
図3に示すように、投射型表示装置100は、筐体101、投射レンズ102、エアフィルタ103、フィルタカバー104、排気口105、操作スイッチ106、光学系調整レバー107、映像入力端子108、電源端子109、脚部110及び脚部111を備える。
【0030】
筐体101は、
図1乃至
図3に示すように、略直方体形状を有し、上面101a、底面101b、前面101c、背面101d、右側面101e及び左側面101fを有する。上面101aと底面101bは互いに平行な面であり、前面101c、背面101d、右側面101e及び左側面101fは上面101a及び底面101bに直交する面である。また、前面101cと背面101dは互いに平行な面であり、右側面101e及び左側面101fは互いに平行な面である。
【0031】
筐体101には、光源、光学系、駆動回路及び投射レンズ102等から構成された投射光学系が収容されている。投射光学系の構成は特に限定されず、PC等の外部機器から映像入力端子108を介して入力された映像信号から映像を生成し、投射レンズ102からスクリーン等に投射可能なものであればよい。
【0032】
エアフィルタ103及びフィルタカバー104は筐体101から着脱可能に構成されている。
図4は、フィルタカバー104を取り外した投射型表示装置100の斜視図であり、
図5は、エアフィルタ103及びフィルタカバー104を取り外した投射型表示装置100の斜視図である。
【0033】
図5に示すように、底面101bには、フィルタ装着部101g及び吸気口101hが設けられている。フィルタ装着部101gは底面101bに対して凹状に形成されており、
図4に示すように、エアフィルタ103が筐体101に装着されると、エアフィルタ103が底面101bと平坦となる程度の深さに形成されている。
【0034】
吸気口101hは、フィルタ装着部101gに形成され、筐体101の内外に連通する開口であり、その数や形状は特に限定されない。筐体101の内部には図示しない吸気ファンが設けられており、その吸気経路は吸気口101hに連通する。フィルタ装着部101g及び吸気口101hの筐体101における位置は、
図5に示すように投射レンズ102の近傍とすることができるが、これに限られず、投射光学系の冷却に効果的な位置であればよい。
【0035】
投射レンズ102は、前面101cに設けられている。投射レンズ102は上記のように投射光学系を構成しており、映像をスクリーン等に投射する。
【0036】
エアフィルタ103は、吸気口101hに吸引されている空気から塵埃を除去するフィルタであり、フィルタカバー104は、エアフィルタ103に対する塵埃の流入を防止するカバーである。エアフィルタ103及びフィルタカバー104については後述する。
【0037】
排気口105は、右側面101e及び左側面101fに設けられ、筐体101の内外に連通する開口であり、吸気口101hから筐体101内に流入した空気が排出される。排気口105の配置や形状は特に限定されない。
【0038】
操作スイッチ106は上面101aに設けられ、投射型表示装置100の操作のためのスイッチであり、電源スイッチや映像入力機器の切替用スイッチ等である。光学系調整レバー107は上面101aに設けられ、投射レンズ102のピント調節等に利用されるレバーである。
【0039】
電源端子109は背面101dに設けられ、電源コードが接続される端子である。映像入力端子108は背面101dに設けられ、PC等の映像出力機器が接続される端子である。
【0040】
脚部110は、底面101bの背面101d側に設けられ、脚部111は底面101bの前面101c側に設けられている。脚部110及び脚部111は、投射型表示装置100の載置面に対して筐体101を支持する。脚部111は、底面101bからの高さを調整可能に構成されているものとすることができる。
【0041】
[エアフィルタ及びフィルタカバーについて]
図6は、エアフィルタ103の斜視図である。同図に示すようにエアフィルタ103は、板状であり、開口103a、カバー接続孔103b、把手103c、筐体係合部103dを有する。
【0042】
開口103aはエアフィルタ103の表面と裏面に連通する開口である。開口103aの内部又はエアフィルタ103の表面と裏面の少なくとも一方には細孔を備えるフィルタ材料が配置され、開口103aを通過する空気に含まれる塵埃を収拾する。
図4に示すようにエアフィルタ103が筐体101に装着されると、開口103aは筐体101に設けられた吸気口101hの直上に位置するように設けられている。
【0043】
カバー接続孔103bは、フィルタカバー104のエアフィルタ103への装着に利用される孔である。把手103cは、エアフィルタ103を筐体101に対してスライドさせる際にユーザが利用する把手である。
【0044】
筐体係合部103dは、エアフィルタ103の側面に設けられた突起であり、エアフィルタ103の筐体101へのスライドを可能とする。
図7は、筐体101のフィルタ装着部101gの近傍の斜視図である。同図に示すように、フィルタ装着部101gには、ガイド溝101iが設けられており、筐体係合部103dはガイド溝101iに挿入され、エアフィルタ103の筐体に対するスライドをガイドする。
【0045】
エアフィルタ103の筐体101に対するスライドの方向は、底面101bに平行な方向とすることができる。なお、エアフィルタ103の筐体に対するスライドを可能とする構成は上記のものに限れられない。例えば、エアフィルタ103にガイド溝が設けられ、筐体101に係合部が設けられてもよい。また、エアフィルタ103を底面101bに垂直な方向からフィルタ装着部101gに当接させた後、わずかにスライドさせて筐体101に装着する構成であってもよい。
【0046】
図8及び
図9は、フィルタカバー104を各方向からみた斜視図であり、
図10及び
図11は筐体101に装着されたフィルタカバー104を各方向からみた斜視図である。これらの図に示すように、フィルタカバー104は、天板部104a、開口部104b、側壁部104c、フィルタ係合部104d及び支持部104eを備える。
【0047】
天板部104aはフィルタカバー104が筐体101に装着されるとエアフィルタ103と離間し、エアフィルタ103と対向する板状の部分である。天板部104aの底面101bからの高さは特に限定されないが、投射型表示装置100が載置面に載置され、脚部110及び脚部111が載置面に当接した場合に、天板部104aが載置面に接触しない高さが好適である。
【0048】
開口部104bは、
図10に示すように天板部104aと筐体101の間の間隙であり、天板部104aとエアフィルタ103の間での空気の流入を可能とする。側壁部104cは、フィルタカバー104が筐体101に装着されると底面101bに垂直となる板状の部分である。
【0049】
フィルタ係合部104dは、側壁部104cの端部に設けられ、エアフィルタ103のカバー接続孔103bに挿入されることにより、フィルタカバー104がエアフィルタ103に対して固定される。これにより、
図11に示すように、側壁部104cによって天板部104aとエアフィルタ103の間が閉塞され、天板部104aとエアフィルタ103の間の空気の流入が防止される。
【0050】
図12は、フィルタカバー104を底面101bに垂直な方向からみた平面図である。同図に示すように、開口部104bは底面101bの周縁に沿って設けられている。本実施形態に係るフィルタカバー104は底面101bに垂直な方向からみて、略矩形状の天板部104aのうち2辺が底面101bの周縁と一致しているため、当該2辺と筐体101の間に開口部104bが形成されている。
【0051】
フィルタカバー104が、底面101bに垂直な方向からみて天板部104aのうち1辺が底面101bの周縁と一致している場合には、当該辺と筐体101の間に開口部104bが形成されるものとすることができる。同様に、フィルタカバー104が、底面101bに垂直な方向からみて天板部104aのうち3辺が底面101bの周縁と一致している場合には、当該3辺と筐体101の間に開口部104bが形成されるものとすることができる。
【0052】
側壁部104cは、エアフィルタ103を底面101bのうち天板部104aと対向しない領域から隔てるように設けられている。底面101bのうち天板部104aと対向しない領域は、底面101bに垂直な方向からみてフィルタカバー104の周囲の領域である。
【0053】
支持部104eは、天板部104aの周縁において側壁部104cから離間した位置に設けられ、天板部104aから筐体101の方向に突出する。支持部104eは、フィルタカバー104が筐体101に装着されると筐体101に当接し、天板部104aを支持する。なお、天板部104aの大きさや材質によって天板部104aの強度が保たれる場合には支持部104eは設けられなくてもよい。
【0054】
図13は、フィルタカバー104における空気の流入方向を示す模式図である。エアフィルタ103及びフィルタカバー104を筐体101に装着した状態で、投射型表示装置100の電源が投入されると、筐体101に収容された吸気ファンが駆動され、空気が吸気口101hに吸引される。
【0055】
ここで、フィルタカバー104には開口部104bが設けられているため、図中矢印で示すように空気は開口部104bを介してフィルタカバー104内に流れ、エアフィルタ103を介して吸気口101hに流入する。エアフィルタ103と底面101bのうち天板部104aに対向しない領域の間には側壁部104cが設けられているため、同領域からの空気の流入は防止されている。
【0056】
投射型表示装置100は、底面101bを鉛直下方として載置した状態で使用することが可能であるが、底面101bを鉛直上方として天井に吊下げた状態で使用することも可能である。ここで、底面101bを鉛直上方とした場合、底面101bに塵埃が堆積する。
【0057】
フィルタカバー104においては、フィルタカバー104の外側の底面101bとの間に側壁部104cが設けられており、開口部104bは底面101bの周縁に沿って設けられているため、底面101bに堆積した塵埃がフィルタカバー104内に流入することが防止されている。これにより、底面101bが鉛直上方となるように投射型表示装置100を配置しても、エアフィルタ103のメンテナンス頻度は影響を受けない。
【0058】
[エアフィルタ及びフィルタカバーの着脱について]
図14は、エアフィルタ103の着脱方法を示す模式図である。同図に示すように、エアフィルタ103は、筐体係合部103dをガイド溝101iに挿入し、筐体101に対してスライドさせることによって筐体101に装着することができる。
【0059】
スライドの方向は底面101bに平行な方向とすることができる。なお、本実施形態では右側面101e側から筐体101に対してスライドさせる構成となっているが、前面101c側から筐体101に対してスライドさせる構成であってもよい。
【0060】
フィルタカバー104は、フィルタ係合部104dをカバー接続孔103bに挿入することにより、エアフィルタ103に対して装着することができる。
図15は、フィルタカバー104の着脱方法を示す模式図である。
図15に示すようにフィルタカバー104をエアフィルタ103に装着した状態で、フィルタカバー104をエアフィルタ103と共にスライドさせ、筐体101に対して着脱することが可能である。
【0061】
これにより、投射型表示装置100が天井に吊下され、底面101bが鉛直上方に向いている場合でも、エアフィルタ103とフィルタカバー104を共にスライドさせることによって着脱可能である。一方で一般的な投射型表示装置の構造では、フィルタカバーを取り外した後、エアフィルタを取り外す必要があるが、投射型表示装置が天井に吊下されているとフィルタカバーやエアフィルタの視認が困難な上、天井と投射型表示装置の間隔が狭く、着脱が困難となる場合が多い。
【0062】
これに対し、本実施形態の構成では、天井と投射型表示装置の間でエアフィルタ103とフィルタカバー104を共にスライドさせるだけで、両者を筐体101に対して着脱させることができ、メンテナンス性に優れる。また、上記のようにフィルタカバー104では天板部104aによってエアフィルタ103が被覆され、かつ開口部104b及び側壁部104cの配置によって、塵埃のエアフィルタ103への流入が防止されている。このため、底面101bを鉛直上方とした場合であってもメンテナンス頻度は影響を受けない。
【0063】
なお、フィルタカバー104は、エアフィルタ103のみを筐体101に装着した後にエアフィルタ103に装着することも可能である。
【0064】
[塵埃落下防止部について]
上記のように、フィルタカバー104とエアフィルタ103は、筐体101に対してスライドさせることによって着脱することが可能である。ここで、底面101bが鉛直上方に位置する場合には、底面101bや天板部104aに塵埃が堆積するため、フィルタカバー104に塵埃落下防止部を設けてもよい。
【0065】
図16は、フィルタカバー104の一部の断面図であり、
図17はフィルタカバー104の平面図である。これらの図に示すように、フィルタカバー104は塵埃落下防止部104fを備えるものとすることができる。
【0066】
塵埃落下防止部104fは、天板部104aの表面(エアフィルタ103に対向する面の反対側の面)に設けられた溝状の構造であり、
図17に示すようにフィルタカバー104のスライド方向(図中矢印)に対して直交する方向に沿って設けられている。天板部104aにおける塵埃落下防止部104fの位置は、フィルタカバー104をスライドさせて筐体101から取り外す際に後端となる天板部104aの周縁近傍が好適である。
【0067】
塵埃落下防止部104fが設けられていない場合、フィルタカバー104を筐体101に対してスライドさせると、天板部104aに堆積している塵埃が舞い上がり、天板部104aの周縁を越えて天板部104aから落下するおそれがある。落下した先には吸気口101h(
図15参照)が設けられているため、塵埃が吸気口101h内に流入するおそれがある。塵埃落下防止部104fは、天板部104aから舞い上がった塵埃を収容し、天板部104aの周縁からの塵埃の落下を防止することが可能である。
【0068】
塵埃落下防止部104fは、上述したような溝に限られず、スライドに伴う塵埃の落下を防止することが可能な構成であればよい。
図18乃至
図20は、各種構造の塵埃落下防止部104fを示す断面図である。
図18に示すように塵埃落下防止部104fは、天板部104aの周縁に設けられ、スライド方向に垂直な方向に沿って形成された凸部であってもよい。
【0069】
また、
図19に示すように、天板部104aに波状の凹凸を形成し、塵埃落下防止部104fとしてもよく、
図20に示すように天板部104aを側壁部104cから突出させて塵埃落下防止部104fとしてもよい。
【0070】
さらに、塵埃落下防止部104fは側壁部104c上に形成されてもよい。
図21及び
図22は、側壁部104cに形成された塵埃落下防止部104fを示す断面図である。これらの図に示すように、側壁部104cにスライド方向に垂直な方向に沿って突出部を設け、塵埃落下防止部104fとすることができる。この突出部には溝や凸部等を形成してもよい。
【0071】
[変形例]
図23は、変形例に係る投射型表示装置100のフィルタカバー104を底面101bに垂直な方向からみた平面図である。同図に示すように、天板部104aは、一部が底面101bの周縁から突出するように設けられ、開口部104bは底面101bの周縁と同周縁から突出した天板部104aの間に設けられていてもよい。これにより、開口部104bがフィルタカバー104の外側の底面101bから離間するため、底面101bに堆積した塵埃が開口部104bにより流入しにくくなる。
【0072】
図24は別の変形例に係る投射型表示装置100の斜視図であり、
図25はこの変形例に係る投射型表示装置100が備えるエアフィルタ103及びフィルタカバー104の斜視図である。これらの図に示すように、エアフィルタ103及びフィルタカバー104は、右側面101eに装着されてもよい。吸気口101hは、右側面101eに設けられ、エアフィルタ103によって被覆されている。
【0073】
エアフィルタ103及びフィルタカバー104は、右側面101eに平行な方向にスライドし、筐体101に対して着脱される。開口部104bは右側面101eの周縁に沿って設けられ、側壁部104cはエアフィルタ103を、右側面101eのうち天板部104aと対向しない領域から隔てるように設けられている。
【0074】
投射型表示装置100は、底面101bを壁面に取り付けることも可能であり、右側面101eが鉛直上方となる場合もある。エアフィルタ103及びフィルタカバー104を右側面101eに配置することにより、右側面101eが鉛直上方となる場合でもエアフィルタ103への塵埃の流入を防止し、かつエアフィルタ103及びフィルタカバー104の着脱を容易とすることができる。同様に、右側面101e又は上面101aに吸気口101h、エアフィルタ103及びフィルタカバー104が設けられてもよい。
【0075】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
【0076】
(1)
投射光学系と、
吸気口を備え、上記投射光学系を収容する筐体と、
上記筐体に収容され、上記吸気口から空気を吸引するファンと、
上記筐体に対して着脱可能であり、上記吸気口を覆うエアフィルタと、
上記エアフィルタに対して着脱可能なフィルタカバーと
を具備する投射型表示装置。
【0077】
(2)
上記(1)に記載の投射型表示装置であって、
上記エアフィルタは、上記フィルタカバーと共に、上記筐体に対してスライドして着脱される
投射型表示装置。
【0078】
(3)
上記(1)又は(2)に記載の投射型表示装置であって、
上記フィルタカバーは、上記エアフィルタと対向する天板部と、上記天板部と上記エアフィルタの間での空気の流入を防止する側壁部と、上記天板部と上記エアフィルタの間での空気の流入を可能とする開口部とを備える
投射型表示装置。
【0079】
(4)
上記(3)に記載の投射型表示装置であって、
上記開口部は、上記筐体において上記吸気口が設けられている面の周縁に沿って設けられ、上記側壁部は、上記エアフィルタを上記面のうち上記天板部と対向しない領域から隔てるように設けられている
投射型表示装置。
【0080】
(5)
上記(3)又は(4)に記載の投射型表示装置であって、
上記天板部は、一部が上記面の周縁から突出して設けられ、
上記開口部は、上記面の周縁と上記面の周縁から突出した上記天板部の間に設けられている
投射型表示装置。
【0081】
(6)
上記(1)から(5)のうちいずれか一つに記載の投射型表示装置であって、
上記フィルタカバーは、スライドに伴う塵埃の上記吸気口への落下を防止する塵埃落下防止部を備える
投射型表示装置。
【0082】
(7)
上記(1)から(6)のうちいずれか一つに記載の投射型表示装置であって、
上記吸気口は、上記投射型表示装置が天井に取り付けられた状態で上記筐体の鉛直上方側となる面に設けられている
投射型表示装置。
【0083】
上記(1)から(6)のうちいずれか一つに記載の投射型表示装置であって、
上記吸気口は、上記投射型表示装置が壁面に取り付けられた状態で上記筐体の鉛直上方側となる面に設けられている
投射型表示装置。