(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、トンネル内に設置している火災検知器は、環境内を浮遊する汚損物質付着などにより時間の経過と共に受光ガラス窓の汚れが増加することから、受光ガラス窓の汚れを監視している。
【0006】
受光ガラス窓の汚れ監視は、火災検知器に設けた試験光源から定期的に試験光を、検知器外部の検知エリア側空間を経由して受光ガラス窓に入射し、内部の受光素子で受光したときの受光レベルを初期無汚損時のそれと比較するなどして、汚れによる受光レベルの低下を補正する汚れ補償を行うと共に、汚れの度合を示す減光率を求め、減光率が所定の汚れ閾値を超えたら汚れ警報を出力するようにしている。
【0007】
また、トンネル内に設置している火災検知器は、時間の経過と共に受光ガラス窓の汚れが増加することから、一定の期間毎に受光ガラス窓の清掃作業を行っている。
【0008】
しかし、受光ガラス窓の清掃作業はトンネルを通行規制して行う必要があり、また、火災検知器毎に受光ガラス窓を清掃することから手間と時間がかかる問題がある。更に、受光ガラス窓の汚れ進行度合は火災検知器の設置場所や風向きなどにより様々であり、清掃を行うまでの一定期間にどの程度汚れが進行するかは、火災検知器自体や、火災検知器に設けられた透光性窓の左右によってもまちまちであり、汚れ進行度合が小さい火災検知器については、不要な清掃作業を行うことになる場合もある。
【0009】
本発明は、環境内を浮遊する汚損物質の付着による受光ガラス窓の汚れを無くして清掃作業による通行規制や作業負担を解消可能とする火災検知器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(第1発明:検知器カバーの洗浄と払拭による汚れ除去)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、
収納ボックスの前面外側を覆って配置され、少なくとも受光ガラス窓に相対した所定の部位を透明部位とした検知器カバーと、
検知器カバーの透明部位を含むカバー
表面に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、
検知器カバーの透明部位を含むカバー
表面を払拭するワイパー機構と、
洗浄機構及び送風機構を制御する制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0011】
(第2発明:検知器カバーの洗浄と送風による汚れ除去)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、
収納ボックスの前面外側を覆って配置され、少なくとも受光ガラス窓に相対した所定の部位を透明部位とした検知器カバーと、
検知器カバーの透明部位を含むカバー
表面に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、
収納ボックスに、気流を発生させる送風部と、検知器カバーのカバー表面に発生した気流を供給する送風供給部と、が設けられ、水噴霧ノズルにより加圧水を噴霧した検知器カバーのカバー
表面に空気を吹き付ける送風機構と、
洗浄機構及び送風機構を制御する制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0012】
(第3発明:検知器カバーの洗浄による汚れ除去)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、
収納ボックスの前面外側を覆って配置され、少なくとも受光ガラス窓に相対した所定の部位を透明部位とした検知器カバーと、
検知器カバーの透明部位を含むカバー
表面に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、
洗浄機構を制御する制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0014】
(第4発明:検知器カバーの送風による汚れ付着防止)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、
収納ボックスの前面外側を覆って配置され、少なくとも受光ガラス窓に相対した所定の部位を透明部位とした検知器カバーと、
収納ボックスに、気流を発生させる送風部と、検知器カバーのカバー表面に発生した気流を供給する送風供給部と、が設けられ、検知器カバーの透明部位を含むカバー
表面に空気を吹き付ける送風機構と、
送風機構を制御する制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0015】
(第5発明:検知器カバーのフィルムスライドによる汚れ解消)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、
収納ボックスの前面外側を覆って配置され、少なくとも受光ガラス窓に相対した所定の部位を透明部位とした検知器カバーと、
検知器カバーの透明部位又は
受光ガラス窓に相対した所定の部位に開口を形成し、開口を含む
領域に対応し、検知器カバーのカバー
表面に所定の方向に移動自在に配置した透明なフィルムシートと、
検知器カバーのカバー表面のフィルムシートが配置される位置に対応して、検知器カバーのカバー表面に設けられたスライド溝と、
所定の方向に対して直行するスライド溝の両端に設けられ、スライド溝の深さより高さの低い突出部と、
巻出ロールからフィルムシートを巻き出すと共に
、巻取ロールにフィルムシートを巻き取って
、検知器カバーの透明部
位に位置したフィルムシートの部分を
スライド溝に沿って所定の方向に移動させ、新たなフィルムシートの部分に入れ替えるフィルムスライド機構と、
フィルムスライド機構を制御する制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0016】
(第6発明:受光ガラス窓の洗浄と払拭による汚れ除去)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、
火災検知器の受光ガラス窓に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、
受光ガラス窓を払拭するワイパー機構と、
洗浄機構及び送風機構を制御する制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0017】
(第7発明:受光ガラス窓の洗浄と送風による汚れ除去)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、
火災検知器の受光ガラス窓に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、
収納ボックスに、気流を発生させる送風部と、検知器カバーのカバー表面に発生した気流を供給する送風供給部と、が設けられ、水噴霧ノズルにより加圧水を噴霧した受光ガラス窓に空気を吹き付ける送風機構と、
洗浄機構及び送風機構を制御する制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0018】
(第8発明:受光ガラス窓の洗浄による汚れ除去)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、
火災検知器の受光ガラス窓に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、
洗浄機構を制御する制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0020】
(第9発明:受光ガラス窓の送風による汚れ付着防止)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、
収納ボックスに、気流を発生させる送風部と、検知器カバーのカバー表面に発生した気流を供給する送風供給部と、が設けられ、火災検知器の受光ガラス窓に空気を吹き付ける送風機構と、
送風機構を制御する制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
(第1発明:検知器カバーの洗浄と払拭による汚れ除去の効果)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、収納ボックスの前面外側を覆って配置され、少なくとも受光ガラス窓に相対した所定の部位を透明部位とした検知器カバーと、検知器カバーの透明部位を含むカバー
表面に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、検知器カバーの透明部位を含むカバー
表面を払拭するワイパー機構と、洗浄機構及びワイパー機構を制御する制御部と
、を設けるようにしたため、汚れの付着が少ない例えば1週間や10日といった所定期間毎に、洗浄機構により検知器カバーのカバー
表面に水を噴射してワイパー機構により払拭することで、それまでに付着した汚れを除去することが可能となり、実質的に汚れの付着を無くすことで、汚れによる入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とする。
【0022】
また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とする。
【0023】
また、火災検知器の外側を覆って透明な検知器カバーを配置し、そのカバー面を洗浄して汚れを払拭していることから、既存の火災検知器をそのまま収納ボックスに配置して、汚れの影響を無くすことが可能となる。
【0024】
(第2発明:検知器カバーの洗浄と送風による汚れ除去の効果)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、収納ボックスの前面外側を覆って配置され、少なくとも受光ガラス窓に相対した所定の部位を透明部位とした検知器カバーと、検知器カバーの透明部位を含むカバー
表面に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、収納ボックスに、気流を発生させる送風部と、検知器カバーのカバー表面に発生した気流を供給する送風供給部と、が設けられ、水噴霧ノズルにより加圧水を噴霧した検知器カバーのカバー
表面に空気を吹き付ける送風機構と、洗浄機構及び送風機構を制御する制御部と
、を設けるようにしたため、所定期間毎に、洗浄機構により検知器カバーのカバー
表面に水を噴射して送風機構により付着した水分を乾燥するか吹き飛ばすことで、それまでに付着した汚れを除去することが可能となり、実質的に汚れの付着を無くすことで、汚れによる入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とし、また、火災検知器の外側を覆って透明な検知器カバーを配置し、そのカバー面を洗浄して汚れを払拭していることから、既存の火災検知器をそのまま消火栓装置に設置して、汚れの影響を無くすことを可能とし、更に、第1発明のワイパー機構に比べ、送風機構を設けたことで、構造を簡単にしてコストの低減を可能とする。
【0025】
(第3発明:検知器カバーの洗浄による汚れ除去の効果)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、収納ボックスの前面外側を覆って配置され、少なくとも受光ガラス窓に相対した所定の部位を透明部位とした検知器カバーと、検知器カバーの透明部位を含むカバー
表面に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、洗浄機構を制御する制御部と
、を設けるようにしたため、所定期間毎に、洗浄機構により検知器カバーのカバー
表面に水を噴射して洗浄することで、それまでに付着した汚れを除去することが可能となり、実質的に汚れの付着を無くすことで、汚れによる入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とし、また、火災検知器の外側を覆って透明な検知器カバーを配置し、そのカバー
表面を洗浄していることから、既存の火災検知器をそのまま消火栓装置に設置して、汚れの影響を無くすことを可能とし、更に、洗浄機構により加圧水を噴射した洗浄のみであることから、構造を更に簡単にしてコストを低減可能とする。
【0026】
(洗浄機構の効果)
また、第1乃至第3発
明は、消火栓装置
の給水配管
に分岐接続
される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と
、配管の途中に設けた電磁弁と
、を備えるようにしたため、消火栓装置に対する給水配管に充填している加圧水を検知器カバーの洗浄に利用することで、別途、加圧水の供給源を準備する必要がなく、消火栓装置の水資源を効率的に利用して汚れ洗浄を可能とする。
【0027】
(第4発明:検知器カバーの送風による汚れ付着防止の効果)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、収納ボックスの前面外側を覆って配置され、少なくとも受光ガラス窓に相対した所定の部位を透明部位とした検知器カバーと、
収納ボックスに、気流を発生させる送風部と、検知器カバーのカバー表面に発生した気流を供給する送風供給部と、が設けられ、検知器カバーの透明部位を含むカバー
表面に空気を吹き付ける送風機構と、送風機構を制御する制御部と
、を設けるようにしたため、例えば、常に送風機構を動作して検知器カバーの表面に空気の層流を形成しておくことで、空気中を浮遊してくる汚損物質は空気の層流に妨げられてカバー表面に付着せず、汚れによる入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とし、また、火災検知器の外側を覆って透明な検知器カバーを配置していることから、既存の火災検知器をそのまま収納ボックスに設置して、汚れの影響を無くすことを可能とし、更に、送風機構による層流の形成のみであることから、構造を更に簡単にしてコストを低減可能とする。
【0028】
(第5発明:検知器カバーのフィルムスライドによる汚れ解消の効果)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、収納ボックスの前面外側を覆って配置され、少なくとも受光ガラス窓に相対した所定の部位を透明部位とした検知器カバーと、検知器カバーの透明部
位又は受光ガラス窓に相対した所定の部位に開口を形成し、開口を含む
領域に対応し、検知器カバーのカバー
表面に所定の方向に移動自在に配置した透明なフィルムシートと、
検知器カバーのカバー表面のフィルムシートが配置される位置に対応して、検知器カバーのカバー表面に設けられたスライド溝と、所定の方向に対して直行するスライド溝の両端に設けられ、スライド溝の深さより高さの低い突出部と、巻出ロールからフィルムシートを巻き出すと共に
、巻取ロールにフィルムシートを巻き取って
、検知器カバーの透明部
位に位置したフィルムシートの部分を
スライド溝に沿って所定の方向に移動させ、新たなフィルムシートの部分に入れ替えるフィルムスライド機構と、フィルムスライド機構を制御する制御部と
、を設けるようにしたため、火災検知器の受光ガラス窓に相対した検知器カバーの表面を覆っている透明なフィルムシートがある程度汚れたら、フィルムシートの巻取りにより汚れのないフィルムシートの部分が来るように移動することで汚れを解消し、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、またトンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要として維持管理が容易でコストも低減可能とする。
【0029】
(第6発明:受光ガラス窓の洗浄と払拭による汚れ除去の効果)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、火災検知器の受光ガラス窓に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、受光ガラス窓を払拭するワイパー機構と、洗浄機構及びワイパー機構を制御する制御部と
、を設けるようにしたため、汚れの付着が少ない例えば1週間や10日といった所定期間毎に、洗浄機構により受光ガラス面に水を噴射してワイパー機構により払拭することで、それまでに付着した汚れを除去することが可能となり、実質的に汚れの付着を無くすことで、受光ガラス窓の汚れによる入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の定期的な清掃作業を不要として維持管理が容易でコストも低減可能とする。
【0030】
(第7発明:受光ガラス窓の洗浄と送風による汚れ除去の効果)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、火災検知器の受光ガラス窓に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、収納ボックスに、気流を発生させる送風部と、検知器カバーのカバー表面に発生した気流を供給する送風供給部と、が設けられ、水噴霧ノズルにより加圧水を噴霧した受光ガラス窓に空気を吹き付ける送風機構と、洗浄機構及びワイパー機構を制御する制御部と
、を設けるようにしたため、所定周期毎に、洗浄機構により受光ガラス面に水を噴射して送風機構により付着した水分を乾燥させるか又は吹き飛ばすことで、それまでに付着した汚れを除去することが可能となり、実質的に汚れの付着を無くすことで、受光ガラス窓の汚れによる入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の定期的な清掃作業を不要として維持管理が容易でコストも低減可能とし、更に、第6発明のワイパー機構に比べ、送風機構を設けたことで、構造を簡単にしてコストを低減可能とする。
【0031】
(第8発明:受光ガラス窓の洗浄による汚れ除去の効果)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、火災検知器の受光ガラス窓に水噴霧ノズルから
消火栓装置の給水配管に分岐接続される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と、
配管の途中に設けた電磁弁と、洗浄機構を制御する制御部とを設けるようにしたため、所定期間毎に、洗浄機構により受光ガラス面に水を噴射して洗浄することで、それまでに付着した汚れを除去することが可能となり、実質的に汚れの付着を無くすことで、受光ガラス窓の汚れによる入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とし、更に、洗浄機構により加圧水を噴射した洗浄のみであることから、構造を更に簡単にしてコストを低減可能とする。
【0032】
(洗浄機構の効果)
また、第6乃至第8発
明は、消火栓装置
の給水配管
に分岐接続
される配管を通して供給される加圧水を噴射して洗浄する洗浄機構と
、配管の途中に設けた電磁弁と
、を備えるようにしたため、消火栓装置に対する給水配管に充填している加圧水を検知器カバーの洗浄に利用することで、別途、加圧水の供給源を準備する必要がなく、消火栓装置の水資源を効率的に利用して汚れ洗浄を可能とする。
【0033】
(第9発明:受光ガラス窓の送風による汚れ付着防止の効果)
本発明は、トンネル内に設置される収納ボックスに取り付けられ
、受光ガラス
窓を介して入射する燃焼炎から放射される放射線エネルギーを観測し
て監視領域の火災を検知する火災検知器に於いて、
収納ボックスに、気流を発生させる送風部と、検知器カバーのカバー表面に発生した気流を供給する送風供給部と、が設けられ、火災検知器の受光ガラス窓に空気を吹き付ける送風機構と、送風機構を制御する制御部とを設けるようにしたため、例えば、常に送風機構を動作して検知器カバーの表面に空気の層流を形成しておくことで、空気中を浮遊してくる汚損物質は空気の層流に妨げられて受光ガラス面に付着せず、受光ガラス窓の汚れによる入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とし、更に、送風機構による層流の形成のみであることから、構造を更に簡単にしてコストを低減可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[本発明の実施形態の概要]
本発明による火災検知器の実施形態は、収納ボックスに配置した火災検知器を覆って設けた透明な検知器カバーの表面の汚れを除去する実施形態と、火災検知器の受光ガラス窓の汚れを直接除去する実施形態に大別される。
【0036】
前者の検知器カバーの汚れを除去する実施形態は、以下に説明する第1乃至第5実施形態が含まれ、また、後者の受光ガラス窓の汚れを直接除去する実施形態は、以下に説明する第6乃至第9実施形態が含まれる。
【0037】
[火災検知器の第1実施形態]
図1は本発明による火災検知器の第1実施形態を正面及び平面断面により示した説明図、
図2は
図1の火災検知器を側面断
面により示した説明図、
図3は
図1の火災検知器のボックスカバーを外して内部組込み構造を示した説明図、
図4は火災検知器を取り出して示した斜視図である。
【0038】
(火災検知器の収納ボックスに対する取付構造)
図1乃至
図3に示すように、収納ボックス10は、トンネル壁面や天井などに設置されており、収納ボックス10のフロントパネル10aを外した状態で、内部に本発明の火災検知器12が取り付けられ、取付け後にフロントパネル10aを装着することで火災検知器12の正面部分のみがフロントパネル10aから突出した状態となる。
【0039】
火災
検知器12は、
図4に示すように、カバー12aと検知器本体12bで構成され、カバー12aの左右2か所に分かれた傾斜面にそれぞれ受光ガラス窓14を設けており、受光ガラス窓14の内部に設置した所定の波長帯域に感度を持つ焦電素子により火災を検知するようにしている。また受光ガラス窓14の上部には試験光源収納部16が突出して設けられている。
【0040】
図2及び
図3に示すように、収納ボックス10の内部背面には取付フレーム24を固定しており、取付フレーム24に検知
器本体12bの底部左右に張り出したフランジ部12cをボルトにより締結固定することで、火災検知器12を収納ボックス10内に取付け固定している。
【0041】
収納ボックス10内に取り付けた火災検知器12に対しては、監視センタ等に設置した防災受信盤からの引込み用信号線20aが引き込まれ、また次の火災検知器に対する引出し用信号線20bが引き出され、更に火災検知器12に対し防水コネクタ18で接続した検知器用信号線20cが引き回されており、これら3本の信号線を圧着接続部22により接続し、ビニール袋をかぶせてバインダー線を巻いて固定している。
【0042】
(火災検知器の汚れ除去構造)
図1乃至
図3に示すように、収納ボックス10のフロントパネル10aから前面を飛び出すように配置した火災検知器12は、トンネル側壁に設置した状態で、前面左右に設けている受光ガラス窓14を介した監視エリアを収納ボックス10の左右前方の例えば50メートルの範囲に設定している。
【0043】
フロントパネル10aには、透明な合成樹脂等で形成した検知器カバー26を装着し、検知器カバー26により収納ボックス10の前面に露出した火災検知器12の前面となる受光ガラス窓14を設けた部分を覆っている。このため受光ガラス窓14は検知器カバー26によりトンネル内の汚損物質が浮遊している環境空間から隔離され、汚損物質の付着による汚れは起きないようにしている。
【0044】
検知器カバー26に対しては洗浄機構を構成する水噴射ノズル40とワイパー機構30を設けている。
【0045】
洗浄機構は、検知器カバー26の右下側のコーナに近い位置、即ち火災検知器12の監視エリアを妨げることのない位置に水噴射ノズル40を起立しており、火災検知器12の受光ガラス窓14に相対した領域を含む検知器カバー26のカバー表面に対し加圧水を噴射し、付着した汚れを洗浄可能としている。
【0046】
水噴射ノズル40から噴射する加圧水は、消火ポンプ設備からトンネル内に設置した消火栓装置に消火用水を供給する給水配管から取り出した加圧水を利用し、給水パイプ46によりボックス本体10bに底部から引き込まれている。ボックス本体10bに引き込んだ給水パイプ46は電磁弁48を介してノズルシャフト42の根本に接続している。これによりワイパー機構30の動作に先立って、電磁弁48を開駆動することで、給水パイプ46により加圧水を水噴射ノズル40に供給し、カバー表面に噴射して洗浄する。
【0047】
ここで、収納ボックス10に給水
配管から分岐して引き込んだ給水パイプ46の口径は 例えば数ミリ程度の細い配管であり、電磁弁48の開駆動により水噴射ノズル40から1 回の洗浄で噴射する水量は1リットル以下と
極少量であり、この程度の水量の噴射では 、例えば数百ミリメートルの給水
配管により供給している加圧水の圧力低下も極わずかに 抑えることができる。
【0048】
このため収納ボックス10で汚れ洗浄に給水
配管による水資源を利用しても、通常予定される程度の漏水レベルにとどまり、圧力低下に対し規定圧力に回復する消火ポンプ設備の自動運転により、トンネル内に設置している複数の収納ボックス10の洗浄動作を順次行っても、給水
配管の管内圧力は常に規定圧力に維持されている。
【0049】
ワイパー機構30は、検知器カバー26の左上側のコーナに近い位置、即ち火災検知器12の監視エリアを妨げることのない位置にシャフト
ケース34を起立し、ボックス本体10b内の取付フレーム24に固定したワイパーモータ32のワイパー駆動軸35をシャフト
ケース34を介して前方に取出し、ワイパー駆動軸
35の先端にワイパーアーム36の付け根を固定し、ワイパーアーム36の先端側に固定したワイパーブレード38をカバー表面に接触させている。
【0050】
ワイパーモータ32は電源を供給して動作すると、モータの回転駆動により所定の回転角、例えば90°程度の回転角の範囲でワイパー駆動軸
35の回転方向を逆転し、これによりワイパーアーム36を図示の水平となる初期位置から斜め下向きとなるワイパーアーム36aの回転位置の間で揺動し、ワイパーブレード38により受光ガラス窓14に相対した領域を含むカバー表面の範囲を払拭して汚れを拭い落すようにしている。
【0051】
本実施形態で使用するワイパーモータ32は所定の回転角でスイッチ接点を切替えて回転方向を切替える転極構造を備えたモータを使用している。なお、転極構造を備えたワイパーモータ32に代え、公知のワイパーリンク機構によりモータの回転をワイパーアームの揺動運動に変換するようにしても良い。
【0052】
また、ボックス本体10b内にはコントローラ50を設置しており、コントローラ50には防災受信盤からの信号線52を接続すると共に、ワイパーモータ32及び電磁弁48を信号線により接続している。
【0053】
ワイパーモータ32及び電磁弁48を制御するために設けたコントローラ50は監視センタ等に設置した防災受信盤からの信号線52が接続されている。防災受信盤には汚れ除去を制御する制御部の機能が設けられ、例えば一週間又は10日といった所定期間毎に制御信号を出力し、電磁弁48の開閉制御により水噴射ノズル40から加圧水を検知器カバー26のカバー表面に吹き付けて洗浄し、続いて、ワイパーモータ32の駆動でカバー表面の汚れを払拭する。
【0054】
(収納ボックスに対する組付構造)
図5は
図1の火災検知器取付部位の組立分解状態を平面から示した説明図,
図6は
図1の火災検知器取付部位の組立分解状態を側面から示した説明図、
図7は検知器カバーを取り出して正面と平面で示した説明図である。
【0055】
図5及び
図6に示すように、収納ボックス10に対する火災検知器12及び検知器カバー26を含む機器及び部材の組付けは、収納ボックス10の前方から行うことを可能といている。
【0056】
まず収納ボックス10のボックス本体10b内には、取付フレーム24を固定し、取付フレーム24の上部にワイパー機構
30のワイパーモータ32を固定し、シャフトケース34を通してワイパー駆動軸35を前方に取り出す。また、ボックス本体10bの下側に固定した取付フレーム44にノズルシャフト42の後端を固定して背後に給水パイプ46を連結し、ノズルシャフト42の先端に取り付けた水噴射ノズル40を前方の所定位置に取り出している。水噴射ノズル40は円筒状の部材であり、円筒側面にノズル穴を開口している。
【0057】
続いて、前方から火災検知器12をボックス本体10b内に組込み、底部左右に張り出したフランジ部12cにボルト15を通し、取付フレーム24のねじ穴に締結固定する。
【0058】
次に収納ボックス10のフロントパネル10aを嵌め入れ、四隅をビス11により固定する。フロントパネル10aは、中央に検知器収納穴10dを形成し、また、シャフトケース34及びノズルシャフト42に対応した位置に通し穴を形成している。
【0059】
続いて検知器カバー26を装着し、四隅をビス27により固定する。検知器カバー26は、
図7に取り出した正面及び平面で示すように、中央に箱形のカバー本体26aを形成し、カバー本体26aの内側周囲に取付枠部26bを一体に形成しており、取付枠部26bの右下コーナ側にノズル通し穴26cを形成し、これに相対したカバー本体26aの側面部分にノズルシャフト
42を通す窪み26dを形成している。また取付枠部26bの左上コーナ側にシャフト通し穴26eを形成し、これに相対したカバー本体26aの側面部分にシャフト
ケース34を通す窪み26fを形成している。更に、取付枠部26bの四隅には固定用の通し穴26gを形成している。
【0060】
再び
図5及び
図6に示すように、最終的に、シャフトケース34の先端に出ているワイパー駆動軸35にワイパーアーム36の付け根を装着してビス37により固定することで、組付けが完了する。
【0061】
このように収納ボックス10に対する火災検知器12、検知器カバー26及びワイパーアーム36の組み付けは、全て収納ボックス10の前方から簡単且つ容易に行うことができる。
【0062】
(トンネル防災システムと汚れ除去制御)
図8は火災検知器を設置したトンネル防災システムの概略を示した説明図、
図9は複数の火災検知器の清掃制御を示したタイムチャート、
図10は火災検知器の1回の清掃制御に使用する水噴射信号とワイパー駆動信号を示したタイムチャートである。
【0063】
図8に示すように、自動車専用道路のトンネルとして、上り線トンネル1aと下り線トンネル1bが構築され、上り線トンネル1aと下り線トンネル1bは避難連絡坑2でつながっている。
【0064】
上り線トンネル1aと下り線トンネル1bの内部には、トンネル長手方向の壁面に沿って50メートル間隔で火災検知器12を取付けた収納ボックス10を設置している。収納ボックス10に設けた火災検知器12は左右50メートルとなる両側に監視エリアを設定し、火災による炎を検知して火災発報する。
【0065】
なお、トンネル内には非常用施設として、火災検知器12及び火災検知器12以外に、消火栓装置、手動通報装置、非常電話、水噴射ノズルからの散水でトンネル躯体を火災から防護する水噴霧設備などが設置されるが、図示を省略している。
【0066】
トンネル内の異常を監視するため、監視センタ等に防災受信盤60を設置している。防災受信盤60からは上り線トンネル1aと下り線トンネル1bの内に、トンネル内を長手方向に分割した区画と、端末機器の種別とに分けて、例えばP型の信号回線を複数本引き出し、収納ボックス10に設けた火災検知器12、収納ボックス10に設けた発信機(手動通報装置)、消火栓弁開閉検出スイッチ等の端末機器を接続している。
【0067】
またトンネルの非常用施設としては、更に、消火ポンプ設備62、IG子局設備64、換気設備66、警報表示板設備68、ラジオ再放送設備70、テレビ監視設備72及び照明設備74等を設けており、P型信号回線により防災受信盤60に個別に接続している。ここで、IG子局設備64は、防災受信盤60と外部に設けた上位設備である遠方監視制御設備76とをネットワークを経由して結ぶ通信設備である。
【0068】
防災受信盤60は、所定期間毎に、トンネル内に設置した複数の収納ボックス10のコントローラ50に対し、
図9(A)〜(E)に示すように、所定の時間間隔を空けて汚れ除去のための制御信号を順次送信する。
【0069】
この防災受信盤60からの制御信号を受信した収納ボックス10のコントローラ50は、例えば
図10(A)に示すように、
水噴射信号を3回連続して出力して電磁弁48を3回開閉し、これにより水噴射ノズル40から3回に分けて加圧水が検知器カバー26のカバー表面に吹き付けられて汚れを洗浄し、続いて
図10(B)に示すワイパー駆動信号を所定時間出力してワイパーモータ32を駆動し、カバー表面に対する水噴射で濡れた汚れをワイパー機構30による払拭で除去し、これを例えば2回繰り返す。
【0070】
このため検知器カバー26の表面に付着した汚れが加圧水の噴射による洗浄とワイパーの払拭により除去され、実質的に汚れの付着を無くすことで、汚れにより火災検知器12に入射する入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とする。
【0071】
また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とする。また、火災検知器12の外側を覆って透明な検知器カバー26を配置し、そのカバー面を洗浄して汚れを払拭していることから、既存の火災検知器をそのまま消火栓装置に設置して、汚れの影響を無くすことが可能となる。
【0072】
更に、消火栓装置に対する給水配管に充填している加圧水を検知器カバー26の洗浄に利用することで、別途、加圧水の供給源を準備する必要がなく、消火栓装置の水資源を効率的に利用した汚れ洗浄を可能とする。
【0073】
なお、水噴射ノズル40から噴射する加圧水に洗浄液を混合して噴射することで、汚れを更に落とし易くしても良い。
【0074】
[火災検知器を設けた消火栓装置の第2実施形態]
図11は検知器カバーにワイパー機構と送風機構を設けた火災検知器の第2実施形態を正面及び平面断面により示した説明図である。
【0075】
図11に示すように、本発明の第2実施形態は、収納ボックス10に取り付けた火災検知器12の前面を覆って透明な検知器カバー26を配置した点は
図1乃至
図7に示した第1実施形態と同じであるが、汚れを除去するための構成として、水噴射ノズル40を設けた洗浄機構と送風機構90を設けたことを特徴とする。
【0076】
洗浄機構は第1実施形態と同じであり、検知器カバー26の右下側のコーナに近い位置、即ち火災検知器12の監視エリアを妨げることのない位置に、先端に水噴射ノズル40を設けたノズルシャフト42を取付フレーム44に固定して起立し、ノズルシャフト42の後端に給水パイプ46を連結し、給水パイプ46の途中に設けた電磁弁を開駆動することで、消火栓装置に対する給水配管からの加圧水をカバー表面に噴射して洗浄する。
【0077】
送風機構90は、火災検知器12の監視エリアを妨げることのない上部に送風ユニット92を配置し、送風ユニット92の先端に下向きにスリット状の吹出口100を横並びに分割形成し、送風ユニット92の後部はブロワホース96を介して取付フレーム24に固定したブロワファン94の吹出口に連結している。
【0078】
また、送風ユニット92のブロワファン94を連結した入口側から複数の吹出口100を形成した出口側に向けて略扇状に広がった後に直進する整流板98を配置し、ブロワファン94から吹き出した風が略均等に各吹出口100に向かうようにしている。
【0079】
洗浄機構は、第1実施形態の場合と同様に、防災受信盤から所定期間毎に送信される制御信号をコントローラで受信した場合に、コントローラが電磁弁を開閉駆動することで、水噴射ノズル40から加圧水を検知器カバー26のカバー表面に噴射して洗浄する。
【0080】
続いて、コントローラはブロワファン94を所定時間に亘り駆動し、送風ユニット92の吹出口100から洗浄により濡れているカバー表面に空気を吹き付けて乾燥させるか、或いは付着している水分を吹き飛ばして除去させる。
【0081】
このように本発明の第2実施形態は、所定期間毎に、水噴射ノズル40からの加圧水を検知器カバー26のカバー表面に吹き付けて付着した汚れを洗浄して除去し、続いて、送風機構により洗浄で濡れたカバー表面に空気を吹き付けて付着している水分を乾燥させるか、又は、吹き飛ばすことで、実質的に汚れの付着を無くすことが可能となり、汚れによる火災検知器12に入射する入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とし、また、火災検知器12の外側を覆って透明な検知器カバー26を配置し、そのカバー面を洗浄して付着した水分を乾燥させるか、又は、吹き飛ばして除去していることから、既存の火災検知器12をそのまま消火栓装置に設置して、汚れの影響を無くすことを可能とし、更に、第1実施形態のワイパー機構30に比べ、送風機構90を設けたことで、構造を簡単にしてコストの低減を可能とする。
【0082】
なお、ブロワファン94の吹出口等にヒータを配置して吹出す空気を加熱することで、カバー表面に温風を吹き付けて乾燥時間を短縮するようにしても良い。
【0083】
[火災検知器を設けた消火栓装置の第3実施形態]
図12は検知器カバーに洗浄機構のみを設けた火災検知器の第3実施形態を示した説明図である。
【0084】
図12に示すように、本発明の第3実施形態は、収納ボックス10に取り付けた火災検知器12の前面を覆って透明な検知器カバー26を配置した点は
図1乃至
図7に示した第1実施形態と同じであるが、汚れを除去するための構成として、水噴射ノズル40を備えた洗浄機構のみを設けたことを特徴とする。
【0085】
洗浄機構は第1実施形態と同じであり、検知器カバー26の右下側のコーナに近い位置、即ち火災検知器12の監視エリアを妨げることのない位置に、先端に水噴射ノズル40を設けたノズルシャフトを取付フレームに固定して起立し、ノズルシャフトの後端に給水パイプを連結し、給水パイプ
46の途中に電磁弁を設けている。
【0086】
洗浄機構は、第1実施形態の場合と同様に、防災受信盤から所定期間毎に送信される制御信号をコントローラで受信した場合に、コントローラが電磁弁を開閉駆動することで、水噴射ノズル40から加圧水を検知器カバー26のカバー表面に噴射して洗浄する。
【0087】
このように本発明の第3実施形態は、所定期間毎に、水噴射ノズル40からの加圧水を検知器カバー26のカバー表面に吹き付けて付着した汚れを洗浄して除去することで、実質的に汚れの付着を無くすことが可能となり、汚れによる火災検知器12に入射する入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とし、また、火災検知器12の外側を覆って透明な検知器カバー26を配置し、そのカバー面を洗浄して自然乾燥
することから、既存の火災検知器12をそのまま消火栓装置に設置して、汚れの影響を無くすことを可能とし、更に、洗浄機構のみで済むことから、構造を簡単にしてコストの低減を可能とする。
【0088】
[火災検知器を設けた消火栓装置の第4実施形態]
図13は検知器カバーに送風機構のみを設けた火災検知器の第4実施形態を示した説明図である。
図13に示すように、本発明の第4実施形態は、収納ボックス10に取り付けた火災検知器12の前面を覆って透明な検知器カバー26を配置した点は、
図1乃至
図7に示した第1実施形態と同じであるが、汚れを除去するための構成として、送風機構90のみを設けたことを特徴とする。
【0089】
送風機構90は、第2実施形態と同様であり、火災検知器12の監視エリアを妨げることのない上部に送風ユニット92を配置し、送風ユニット92の先端に下向きにスリット状の吹出口を横並びに分割形成し、送風ユニット92の後部は、ブロワファン94の吹出口をブロワホース96を介して連結している。
【0090】
収納ボックス10に設けたコントローラは、ブロワファン94を継続的に運転駆動し、送風ユニット92の吹出口から検知器カバー26のカバー表面に空気を吹き付けて空気の層流を形成している。このため空気中を浮遊してくる汚損物質は空気の層流に妨げられてカバー表面にほとんど付着することがない。
【0091】
このように本発明の第4実施形態は、カバー表面に空気の層流を形成して汚れの付着を抑制し、汚れによる入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とし、また、火災検知器12の外側を覆って透明な検知器カバー26を配置していることから、既存の火災検知器12をそのまま消火栓装置に設置して、汚れの影響を無くすことを可能とし、更に、送風機構90による層流の形成のみであることから、構造を更に簡単にしてコストを低減可能とする。
【0092】
[火災検知器を設けた消火栓装置の第5実施形態]
図14は検知器カバーにフィルムスライド機構を設けた火災検知器の第5実施形態を正面及び平面から示した説明図、
図15は第5実施形態の検知器カバーを取り出して正面、平面及び断面から示した説明図である。
【0093】
図14に示すように、本発明の第5実施形態は、収納ボックス10に取り付けた火災検知器12の前面を覆って透明な検知器カバー26を配置した点は
図1乃至
図7に示した第1実施形態と同じであるが、汚れを除去するための構成として、検知器カバー26に透明なフィルムシートを移動自在に配置し、汚れが付着したフィルムシートを新しい部分に移動するフィルムスライド機構を設けたことを特徴とする。
【0094】
フィルムスライド機構は、火災検知器12の受光ガラス窓14に相対した検知器カバー26のカバー表面の横方向に帯状のスライド溝102を形成し、ボックス本体10b内に配置したフィルムローラ106に巻いている透明なフィルムシート104の先端をガイドローラ108及びスリット開口110を介してカバー表面側に引き出し、スライド溝102に沿って移動した後に、スリット開口110及びガイドローラ108を介して巻取ローラ112に先端を固定している。巻取ローラ112は巻取モータ114の駆動軸に装着しており、巻取モータ114の回転駆動によりフィルムシート104を巻取ローラ112に巻き取ることで、スライド溝102に沿ってフィルムシート104を移動可能としている。
【0095】
検知器カバー26は
図15(A)の平面、
図15(B)の平面、及び
図15(C)の断面に示すように、カバー本体26aの中央左右に亘り、所定の幅でフィルムシート104の厚さを超える1ミリ以下の浅い深さのスライド溝102を形成し、スライド溝102の両側
の取付枠部26bの位置にはフィルムシート104を通すスリット開口110を形成している。
【0096】
ここで、スライド溝102にフィルムシート104を配置した場合、スライド溝102の面とフィルムシート104が密着すると、モータ巻取によるフィルムシートの移動に支障を来たすことから、カバー表面に形成したスライド溝102の両側に縦方向の突出部分(溝の深さを超えない高さ)を形成し、フィルムシート104がスライド溝102の溝面から浮いた状態で位置するように配置する。
【0097】
収納ボックス10をトンネル内に設置した状態では、火災検知器12の前面を覆って取り付けた検知器カバー26のスライド溝102にフィルムシート104が位置しており、空気中を浮遊している汚損物質は外部に露出しているフィルムシート104の表面に付着し、フィルムシート104が時間の経過に伴って汚れてくる。
【0098】
図8に示した防災受信盤60は、フィルムシート104の汚れがある程度進んだ所定期間毎、例えば1か月毎に、トンネル内に設置した収納ボックス10のコントローラに対し制御信号を送信し、これによりコントローラは巻取モータ114を回転し、検知器カバー26の前面に位置して汚れが付着したフィルムシート104の部分を巻取り、フィルムローラ106から巻き出した汚れが付着していない新しいフィルムシート104の部分に移動する。
【0099】
巻取モータ114によるフィルムシート104の1回の巻取長さは、検知器カバー26の表面横方向に形成したスライド溝102の長さ、即ち、カバー本体26aの両側の高さに横幅を加えた長さとする。これによって検知器カバー26の外側のスライド溝102に位置して汚れが付着したフィルムシート104は、汚れの付着していない新しいフィルムシート104の部分に入れ替えることができる。
【0100】
このように本発明の第5実施形態によれば、火災検知器の受光ガラス窓に相対した検知器カバーの表面を覆っている透明なフィルムシートがある程度汚れたら、フィルムシートの巻取りにより汚れのないフィルムシートの部分が来るように移動することで汚れを解消し、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、またトンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要として維持管理が容易でコストも低減可能とし、また、火災検知器の外側を覆って透明な検知器カバーにスライド自在にフィルムシートを配置していることから、既存の火災検知器をそのまま消火栓装置に設置して、汚れの影響を無くすことを可能とする。
【0101】
なお、
図15の検知器カバー26はスライド溝102を形成して、その上にフィルムシート104を移動自在に配置しているが、火災検知器12の受光ガラス窓14による監視エリアに相対するスライド溝102の部分を含む矩形の開口を形成し、この開口の前を塞ぐようにスライド溝102にフィルムシート104を移動自在に配置しても良い。
【0102】
また、横方向に巻き取るフィルムシート104の巻取量は、火災検知器12の横幅程度の巻取量で良い。
【0103】
また、フィルムシート104の巻取り方向が縦方向となるように、フィルムスライド機構を設けても良い。フィルムシート104を縦方向に送る場合には、フィルムシート104が汚れた場合の送り量が受光ガラス窓14の直径に所定の余裕を加えた少ない送り量とすることができる。
【0104】
また、フィルムローラ106と巻取ローラ112は、フィルムローラ106からのフィルムシート104の巻き出しが終了した場合は、新品との交換が可能である。また、フィルムシート104の使用が終了した場合の交換は、検知器カバー
26に対しフィルムローラ106と巻取ローラ112を一体化して着脱自在な構造として、交換できるようにしても良い。
【0105】
また、フィルムスライド機構の他の実施形態として、約2面分のフィルムシートを展開して、汚れた場合にフィルム面を交互に巻き取る構造としても良い。例えば、左右巻取型のフィルムスライド機構の場合、フィルム右側を使用して一定期間が経過した場合、右側に巻き取ってフィルム左側を受光ガラス窓14の前に露出させ、その後、一定期間が経過した場合に、左側に巻き取ってフィルム右側を受光ガラス窓14の前に露出させ、これを交互に繰り返す構造とする。ここで、フィルムシートを巻き取る場合に、フィルム表面に当接されたスポンジやブラシ等で汚れを落としながら巻取りを行う構造とする。例えば、左右巻取り型の場合は、フィルムシートが露出する開口の左端と右端の2箇所にスポンジ等を配置する。
【0106】
[火災検知器を設けた消火栓装置の第6実施形態]
図16は受光ガラス窓に洗浄機構とワイパー機構を設けた火災検知器の第6実施形態を示した説明図である。
【0107】
図16に示すように、本発明の第6実施形態は、収納ボックス10に取り付けた火災検知器12の受光ガラス窓14の汚れを直接除去するための構成として、水噴射ノズル40を備えた洗浄機構とワイパー機構30を設けたことを特徴とする。
【0108】
火災検知器12は、
図3乃至
図6に示した第1実施形態と同様に、収納ボックス10のボックス本体10b内の取付フレーム24に固定し、前方から検知器露出部分に対応した開口穴を備えたフロントパネル10aを装着している。
【0109】
火災検知器12の左右の受光ガラス窓14に対しては洗浄機構を構成する水噴射ノズル40とワイパー機構30を両側に設けている。
【0110】
洗浄機構は、フロントパネル10aの左右下側のコーナに近い位置、即ち火災検知器12の監視エリアを妨げることのない位置の各々に水噴射ノズル40を起立しており、消火栓装置に対する給水配管から分岐した給水パイプ46をボックス本体10b内に引き込み、電磁弁48を介して左右の水噴射ノズル40に付け根に接続し、電磁弁48の開駆動により火災検知器12の受光ガラス窓14に対し加圧水を噴射し、ガラス面に付着した汚れを洗浄可能としている。
【0111】
水噴射ノズル40から噴射する加圧水は、消火ポンプ設備から消火栓装置に消火用水を供給する給水配管から取り出した加圧水を利用する。また、水噴射ノズル40は、ワイパー機構の動作に先立って加圧水をカバー表面に噴射して洗浄する。
【0112】
ワイパー機構30は、受光ガラス窓14の両側のフロントパネル10aの位置、即ち火災検知器12の監視エリアを妨げることのない位置に、
収納ボックス10内に設けたワイパーモータ32のワイパー駆動軸35を取出してワイパーアーム36の付け根を固定し、ワイパーアーム36の先端側に固定したワイパーブレード38を初期位置で受光ガラス窓14の下側に位置させている。
【0113】
ワイパーモータ
32に電源を供給して動作すると、モータの回転駆動により所定の回転角の範囲でワイパー駆動軸
35の回転方向を逆転し、これによりワイパーアーム36を揺動し、ワイパーブレード38により受光ガラス窓14のガラス面をワイパーブレード38により払拭し、付着した汚れを拭い落すようにしている。
【0114】
図8に示した防災受信盤60は、所定期間毎に、トンネル内に設置した収納ボックス10のコントローラに対し汚れ除去のための制御信号を送信する。防災受信盤60からの制御信号を受信した収納ボックス10のコントローラは、例えば
図10(A)に示したように、
水噴射信号を3回連続して出力して電磁弁を3回開閉し、これにより水噴射ノズル40から3回に分けて加圧水が受光ガラス窓14のガラス面に吹き付けられて汚れを洗浄し、続いて
図10(B)に示すワイパー駆動信号を所定時間出力してワイパーモータ32を駆動し、ガラス面に対する水噴射で濡れた汚れをワイパー機構
30による払拭で除去し、これを例えば2回繰り返す。
【0115】
このため火災検知器12の受光ガラス窓14に付着した汚れは、加圧水の噴射による洗浄とワイパーの払拭により除去され、実質的に汚れの付着を無くすことで、汚れにより火災検知器12に入射する入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とする。
【0116】
また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とする。更に、消火栓装置に対する給水配管に充填している加圧水を検知器カバー26の洗浄に利用することで、別途、加圧水の供給源を準備する必要がなく、消火栓装置の水資源を効率的に利用した汚れ洗浄を可能とする。
【0117】
なお、水噴射ノズル40から噴射する加圧水に洗浄液を混合して噴射することで、汚れを更に落とし易くしても良い。
【0118】
[火災検知器を設けた消火栓装置の第7実施形態]
図17は受光ガラス窓に洗浄機構と送風機構を設けた火災検知器の第7実施形態を示した説明図である。
【0119】
図17に示すように、本発明の第7実施形態は、収納ボックス10に火災検知器12を取付けた点は
図16に示した第6実施形態と同じであるが、収納ボックス10に取付けた火災検知器12の受光ガラス窓14の汚れを直接除去するための構成として、水噴射ノズル40を備えた洗浄機構と送風ユニット92を備えた送風機構を設けたことを特徴とする。
【0120】
洗浄機構は、
図16の第6実施形態と同じであり、フロントパネル10aの左右下側のコーナに近い位置、即ち火災検知器12の監視エリアを妨げることのない位置に、先端に水噴射ノズル40を設けたノズルシャフトを起立し、消火栓装置に対する給水
配管から分岐した給水パイプ
46を電磁弁を介して水噴射ノズル40の付け根に連結し、電磁弁
48の開駆動により水噴射ノズル40から受光ガラス窓14に加圧水を噴射して洗浄する。
【0121】
送風機構は、監視エリアを妨げることのない火災検知器12の両側のフロントパネル1 0aの位置に送風ユニット92を配置し、送風ユニット92は火災検知器12の受光ガラ ス窓14に向けて吹出口を形成し、各送風ユニット92の後部はブロワホース96及び分 岐部93を介して、ボックス本
体内に配置したブロワファン94の吹出口に連結し ている。
【0122】
洗浄機構は、第6実施形態の場合と同様に、防災受信盤から所定期間毎に送信される制御信号を収納ボックス10のコントローラで受信した場合に、コントローラが電磁弁
48を開閉駆動することで、水噴射ノズル40から加圧水を火災検知器12の左右の受光ガラス窓14に噴射して洗浄する。
【0123】
続いて、コントローラはブロワファン94を所定時間に亘り駆動し、送風ユニット92から洗浄により濡れている火災検知器12の受光ガラス窓14に空気を吹き付け、付着した水分を乾燥させるか、又は、吹き飛ばして除去する。
【0124】
このように本発明の第7実施形態は、所定期間毎に、水噴射ノズル40からの加圧水を火災検知器12の受光ガラス窓14に吹き付けて付着した汚れを洗浄して除去し、続いて、送風機構により洗浄で濡れた火災検知器12の受光ガラス窓14に空気を吹き付け、付着した水分を乾燥させるか、又は、吹き飛ばして除去することで、実質的に汚れの付着を無くすことが可能となり、汚れによる火災検知器12に入射する入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とし、更に、第6実施形態のワイパー機構に比べ、送風機構を設けたことで、構造を簡単にしてコストの低減を可能とする。
【0125】
なお、ブロワファン94の吹出口等にヒータを配置して吹出す空気を加熱することで、カバー表面に温風を吹き付ける乾燥時間を短縮するようにしても良い。
【0126】
[火災検知器を設けた消火栓装置の第8実施形態]
図18は受光ガラス窓に洗浄機構のみを設けた火災検知器の第8実施形態を示した説明図である。
【0127】
図18に示すように、本発明の第8実施形態は、収納ボックス10に火災検知器12を取付けた点は
図16に示した第6実施形態と同じであるが、収納ボックス10に取付けた火災検知器12の受光ガラス窓14の汚れを直接除去するための構成として、水噴射ノズル40を備えた洗浄機構のみを設けたことを特徴とする。
【0128】
洗浄機構は、第6実施形態と同じであり、フロントパネル10
aの左右下側のコーナに近い2箇所、即ち火災検知器12の監視エリアを妨げることのない位置に、先端に水噴射ノズル40を設けたノズルシャフ
トを起立し、水噴射ノズル40の付け根に給水パイプ46を連結し、給水パイプ46の途中に電磁弁48を設けている。
【0129】
洗浄機構は、第6実施形態の場合と同様に、防災受信盤から所定期間毎に送信される制御信号を収納ボックス10のコントローラで受信した場合に、コントローラが電磁弁
48を開閉駆動することで、水噴射ノズル40から加圧水を火災検知器12の左右の受光ガラス窓14に噴射して洗浄する。なお、ガラス面に付着した洗浄水は自然乾燥により無くなる。
【0130】
このように本発明の第8実施形態は、所定期間毎に、水噴射ノズル40からの加圧水を火災検知器12の左右の受光ガラス窓14に吹き付けて付着した汚れを洗浄して除去することで、実質的に汚れの付着を無くすことが可能となり、汚れによる火災検知器12に入射する入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とし、更に、洗浄機構のみで済むことから、構造を簡単にしてコストの低減を可能とする。
【0131】
[火災検知器を設けた消火栓装置の第9実施形態]
図19は受光ガラス窓に送風機構のみを設けた火災検知器の第9実施形態を示した説明図である。
【0132】
図19に示すように、本発明の第9実施形態は、収納ボックス10に火災検知器12を取付けた点は
図16の第6実施形態と同じであるが、収納ボックス10に取付けた火災検知器12の受光ガラス窓14の汚れを直接除去するための構成として、送風機構のみを設けたことを特徴とする。
【0133】
送風機構は、
図17に示した第7実施形態と同様であり、監視エリアを妨げることのない火災検知器12の両側の各々に送風ユニット92を配置し、送風ユニット92は火災検知器12の受光ガラス窓14に向けて吹出口を形成し、各送風ユニット92の後部はブロワホース96及び分岐部93を介して、収納ボックス10内に配置したブロワファン94の吹出口に連結している。
【0134】
収納ボックス10に設けたコントローラは、ブロワファン94を継続的に運転駆動し、送風ユニット92の吹出口から火災検知器12の受光ガラス窓14に空気を吹き付けてガラス面に空気の層流を形成している。このため空気中を浮遊してくる汚損物質は空気の層流に妨げられて受光ガラス窓14のガラス面にほとんど付着することがない。
【0135】
このように本発明の第9実施形態は、火災検知器12の受光ガラス窓14に空気の層流を形成して汚れの付着を抑制し、汚れによる入射光の減衰を無くし、初期の炎検知性能を継続して維持可能とし、また、汚れの付着が起きないことから、トンネル通行規制を伴う火災検知器の清掃作業を不要とし、維持管理が容易でコストも低減可能とし、更に、送風機構による層流の形成のみであることから、構造を更に簡単にしてコストを低減可能とする。
【0136】
[本発明の変形例]
上記の実施形態で火災検知器12の前面を覆って配置した検知器カバー26は、カバー全体を透明としているが、火災検知器12の受光ガラス窓14から見た監視エリアに対応したカバー表面の範囲を含む例えば矩形部分を透明な窓カバーとし、それ以外の部分は不透明として良く、不透明なカバー部分は板金加工等により作るようにしても良い。
【0137】
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。