特許第6777448号(P6777448)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6777448
(24)【登録日】2020年10月12日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20201019BHJP
   G07D 11/10 20190101ALI20201019BHJP
【FI】
   G07D9/00 481F
   G07D11/10 141Z
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-143611(P2016-143611)
(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公開番号】特開2018-13989(P2018-13989A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇太
【審査官】 國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−074164(JP,U)
【文献】 特開2015−215723(JP,A)
【文献】 特開2010−287095(JP,A)
【文献】 特開2015−075817(JP,A)
【文献】 特開2011−086165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00 − 11/60
A45C 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に投入口を有する外箱と、
開口上面を有し底面外側が前記外箱の底面内側と弾性材で接続される内箱と、
前記内箱に固定され上方の案内部を支持する支持体とを備え、
前記案内部は前記投入口の直下に頂点を有し下方にひろがる斜面で形成される立体であることを特徴とする硬貨収納装置。
【請求項2】
前記内箱は前記開口上面に垂直な仕切りで仕切られた複数の部屋を有し、
前記案内部の前記斜面の下端は、前記複数の部屋の各々の上方に含まれることを特徴とする請求項1に記載の硬貨収納装置。
【請求項3】
前記案内部は、錐体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の硬貨収納装置。
【請求項4】
前記案内部は、半球であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の硬貨収納装置。
【請求項5】
前記案内部は角錐であり、前記角錐のそれぞれの底辺は、隣同士の前記仕切りの上辺の1点同士を結ぶ線分であることを特徴とする請求項2に記載の硬貨収納装置。
【請求項6】
前記案内部の頂点の前記開口上面に対する正射影は、前記開口上面の重心であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の硬貨収納装置。
【請求項7】
前記支持体は前記内箱の底面内側に対して直立する柱状であることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の硬貨収納装置。
【請求項8】
前記支持体は、前記内箱の前記開口上面と平行に設けられる少なくとも1つの桟であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の硬貨収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行などが設置する現金自動支払機や、自動販売機、遊技場の遊技機等には、硬貨や遊技機用メダル等(以下、硬貨等)を収納するための、硬貨収納装置が内蔵されている。
【0003】
図20は、一般的な硬貨収納装置の構成を示している。硬貨収納装置10は、収納箱11、投入口12、およびセンサー13を備えている。
【0004】
収納箱11の天板には、硬貨等の投入口である投入口12が設けられている。そして、収納箱11の中に硬貨等が投入されていくと、硬貨等は落下点を中心に収納箱11の底面から次第に積み重なっていく。
【0005】
そのため、投入口12の直下付近を中心に、硬貨等が山状に積み重なる。したがって、投入口12の直下から離れた収納箱11の内部には硬貨等が積み重なっていない空間があるにもかかわらず、センサー13が積み上がった硬貨等の頂点部で、硬貨等が一杯に充填されたと検知してしまっていた。その結果、収納箱11の収納量に余裕があるにもかかわらず、実際に収容される硬貨等の量が少なくなっていた。
【0006】
そこで、特許文献1乃至特許文献3には、硬貨等が落下地点に集中して積み重ならない様にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−287095号公報
【特許文献2】特開2015−075817号公報
【特許文献3】特開2015−215723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1乃至特許文献3に示される関連技術によっても、収納箱の中での硬貨等の分散が必ずしも一様とはいい難く、硬貨等は収納箱底面に対して不均一な積み重ねになり易い。
【0009】
本発明の収納装置は、収納箱に収容される硬貨等を収納箱底面に対して均一に積み重ねることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の収納装置は、上面に投入口を有する外箱と、開口上面を有し底面外側が前記外箱の底面内側と弾性材で接続される内箱と、前記内箱に固定され上方の案内部を支持する支持体とを備え、前記案内部は前記投入口の直下に頂点を有し下方にひろがる斜面で形成される立体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、収納箱に収容される硬貨等を収納箱底面に対して均一に積み重ねる収納装置を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態の構成例を示す図である。
図2】第1の実施形態の構成例を示す図である。
図3】第1の実施形態の構成例を示す図である。
図4】第1の実施形態の動作を説明する図である。
図5】第1の実施形態の動作を説明する図である。
図6】第1の実施形態の動作を説明する図である。
図7】第2の実施形態の構成例を示す図である。
図8】第2の実施形態の構成例を示す図である。
図9】第2の実施形態の構成例を示す図である。
図10】第2の実施形態の動作を説明する図である。
図11】第2の実施形態の動作を説明する図である。
図12】第2の実施形態の動作を説明する図である。
図13】第1の実施形態の変形例を示す図である。
図14】第1の実施形態の変形例を示す図である。
図15】第1の実施形態の変形例を示す図である。
図16】第1の実施形態の変形例を示す図である。
図17】第2の実施形態の変形例を示す図である。
図18】第1の実施形態の変形例を示す図である。
図19】第1の実施形態の変形例を示す図である。
図20】関連技術の構成を示す図である。
図21】第3の実施形態の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
次に、本発明の実施の形態について図1乃至図6を参照して詳細に説明する。
[構成の説明]
図1乃至図3に第1の実施形態の構成を示す。
【0014】
図1は硬貨収納装置100の外観を示す。
【0015】
図1には硬貨収納装置100の外箱110が示されている。
【0016】
外箱110は底面が塞がれた角筒であり、上面は正方形である。そして、外箱110は、上面の中央に硬貨を投入する穴として、硬貨投入口111を備える。
【0017】
図2は、図1のA−a断面を表している。また、図3は、図2のB矢視を表している。
【0018】
図2、および図3を参照すると、外箱110の内側に内箱120が配置されている。内箱120は底面が塞がれた角筒であり、上面は正方形である。また、内箱120内側は硬貨等が収納される部屋123を形成している。
【0019】
そして、内箱120の外側底面と外箱110の内側底面は、スプリング112で接続されている。内箱120はスプリング112の弾性力で自立している。また、硬貨が収納されていない時には、内箱120の底面は水平に保たれ、内箱120の側面外側と外箱110の側面内側は、4辺それぞれ均等の隙間を有している。
【0020】
また、図2、および図3に示す様に、内箱120の内側底面の中央には、円錐の案内部121が取付けられた支柱122が配置されている。図2および図3に示される様に、案内部121の円錐の頂点は、内箱120の上面の中央の真上に位置する。
[動作の説明]
次に本実施形態の動作の説明を図2乃至図6を参照して説明する。
【0021】
硬貨等が図2の硬貨投入口111から投入されると、落下した硬貨等は案内部121の円錐の側面に衝突して反射、もしくは側面に沿って滑落して、部屋123に落下する。
【0022】
そして、落下した硬貨等が部屋123の一部に集中して重くなると、重い側に内箱120が傾く。図4および図5は、図5に示す右下の灰色で示した部分に硬貨が集中して、内箱120が図5の右下側に傾いた例を示す。
【0023】
図5の点線は、外箱110の底面に対する硬貨投入口111の正射影を示す。以下、図6図11、および図12の図中の点線は、同様の位置を示す。硬貨投入口111は、点線の真上に位置するので、図5の状態の次に投入された硬貨は案内部121の左上の側面に衝突して反射、もしくは左上の側面に沿って滑落して、左上の灰色で示した部分に落下する。硬貨の投入が続くと、やがて左上の部分に蓄積された硬貨の重さと右下に蓄積された硬貨の重さが均衡し、再び図6の様に内箱は外箱の中心部に復帰する。
【0024】
以上の動作を繰り返すことで、部屋123の内部に均等に分散されながら蓄積されていく。
【0025】
以上説明した様に、本発明の硬貨収納装置100は、関連技術の硬貨収納装置と比べて、硬貨等を内箱120の底面に対して、より均一に積み重ねることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の実施の形態について図7乃至図12を参照して詳細に説明する。
[構成の説明]
図7乃至図9に第1の実施形態の構成を示す。
【0026】
図7は硬貨収納装置200の外観を示す。
【0027】
図7には硬貨収納装置200の外箱110が示されていて、第1の実施形態の図1と同じである。
【0028】
図8は、図7のA−a断面を表している。また、図9は、図8のB矢視を表している。
【0029】
図8、および図9を参照すると、外箱110の内側に内箱220が配置されている。内箱220は底面が塞がれた角筒であり、上面は正方形である。
【0030】
そして、内箱220の外側底面と外箱110の内側底面は、スプリング112で接続されている。内箱220はスプリング112の弾性力で自立している。また、硬貨が収納されていない時には、内箱220の底面は水平に保たれ、内箱220の側面外側と外箱110の側面内側は、4辺それぞれ均等の隙間を有している。
【0031】
更に、内箱220は、図9に示す様に、内箱220を上部から見た時に対面する内側側面の中央どうしを結ぶ位置に、仕切り222を有している。そして、内箱120の内側は仕切り222によって4つの部屋123が形成されている。
【0032】
また、図8、および図9に示す様に、内箱220の仕切り222が交わる内箱220の上面の中央には、方錐の案内部221が配置されている。図8および図9に示される様に、案内部221の方錐の頂点は、内箱220の上面の中央の真上に位置し、方錐の4つの斜辺の内箱220の上面に対する正射影は、仕切り222の上辺に一致する。即ち、案内部221の方錐の4つの底辺は、それぞれ4つの部屋223の内の1つの部屋の上面内に位置する。
[動作の説明]
次に本実施形態の動作の説明を図7乃至図13を参照して説明する。
【0033】
硬貨等が図1の硬貨投入口111から投入されると、落下した硬貨等は案内部221に衝突する。案内部221には4つの側面があり、落下した硬貨は4つの側面のいずれか1つの側面に衝突して反射、もしくは側面に沿って滑落して、側面の底辺に沿った部屋223に落下する。
【0034】
そして、落下した硬貨等が4つの部屋223の内の一か所に集中して重くなると、重い部屋側に内箱220が傾く。図10および図11は、図11に示す灰色で示す右下の部屋223に硬貨が集中して、内箱220が図11の右下側に傾いた例を示す。
【0035】
図11で、硬貨投入口111は、前述の様に点線の真上に位置するので、次に投入された硬貨は案内部221の左上の側面に衝突して反射、もしくは左上の側面に沿って滑落して、左上の灰色で示した部屋223に落下する。やがて、左上の部屋に蓄積された硬貨の重さと右下に蓄積された硬貨の重さが均衡し、再び図12の様に内箱は外箱の中心部に復帰する。
【0036】
以上の動作を繰り返すことで、硬貨等は4つの部屋223に均等に分散されながら蓄積されていく。
【0037】
第1の実施形態の硬貨収納装置100では、仕切りが無いため、案内部121に衝突して部屋123に落下しても、硬貨等が部屋123の中で転がって所望の位置に硬貨が留まらないことがある。しかし、本実施形態の硬貨収納装置200には、仕切り222で部屋223が分割されている。そのため、案内部221に衝突して落下した硬貨等が、思わぬ方向に転がっていくことは、第1の実施形態の硬貨収納装置100と比べて格段に少なくなる。
【0038】
以上説明した様に、本発明の硬貨収納装置200は、第1の実施形態の硬貨収納装置100と比べて、硬貨等を内箱220の底面に対して、より均一に積み重ねることができる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について図21を参照して説明する。
【0039】
本実施形態の収納装置300は、上面に投入口301を有する外箱302と、開口上面を有し底面外側が前記外箱302の底面内側と弾性材303で接続される内箱304とを備える。また、収納装置300は、前記内箱304に固定され上方の案内部305を支持する支持体306とを備える。そして、前記案内部305は前記投入口301の直下に頂点を有し下方にひろがる斜面で形成される立体である。
【0040】
尚、案内部305は必ずしも対称形でなくても良い。例えば、図21に示される様に、案内部305の側面視が必ずしも対称形でなくても良い。また、上面視も必ずしも対称形でなくても良い。
【0041】
以上説明した様に、本発明の収納装置300は、関連技術の収納装置と比べて、硬貨等を内箱304の底面に対して、より均一に積み重ねることができる。
【0042】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、次のように拡張または変形できる。
【0043】
第1の実施形態、および第2の実施形態の硬貨収納装置は、硬貨等以外の様々な物体、例えばネジ等を収納する、一般的な収納装置とすることが出来る。
【0044】
第1の実施形態、および第2の実施形態において、外箱110および内箱120の上面が正方形であることは必ずしも必須条件ではなく、外箱110および内箱120の上面が長方形であっても良い。
【0045】
第1の実施形態、および第2の実施形態において、内箱120の側面外側と外箱110の側面内側は、4辺それぞれ均等の隙間を有することは必ずしも必須条件ではなく、4辺の隙間が不均等であっても良い。
【0046】
第1の実施形態、および第2の実施形態において、外箱110の外形は直方体、内箱120は角筒であったが、外箱の外形が他の多角柱や円柱、内箱が他の多角筒や円筒であっても良い。
【0047】
第1の実施形態では案内部121は円錐体であった。しかし、案内部121の形状は方錐やその他の角錐体であっても良い。或いは、案内部121は、図13および図14に示す様な、半球であっても良い。
【0048】
第1の実施形態では案内部121の支持体として支柱122が用いられていたが、図15および図16に示す様に、案内部121の支持体を支持体322の様にすることも出来る。また、図16では内箱120の上面に沿って案内部121の四方向に支持体が形成されているが、案内部121の三方向、または2方向の支持体などであっても良い。
【0049】
また、第2の実施形態の内箱220では、部屋223は4つであったが、2つ以上幾つでも良い。
【0050】
或いは、第2の実施形態では、方錐の底辺は隣同士の仕切り上の点を結ぶ線分と一致していたが、方錐の底辺は隣同士の仕切り上の点を結ぶ線分と一致していなくても一定の効果がある。
【0051】
更に、第2の実施形態の内箱は方錐の案内部221と均等に仕切られた4つの部屋223で構成されていたが、各部屋の容積(底面積)が均等でなくても良い。例えば、内箱の上面図が図17の様に不均等な3つの部屋を備える形状であっても、一定の効果がある。
【0052】
また、各実施形態において、スプリング112は1つでなく、複数のスプリングで内箱と外箱を接続しても良い。
【0053】
或いは、各実施形態において、スプリング112は、スポンジ等の他の弾性材で形成されても良い。
【0054】
更に、第1の実施形態で、硬貨投入口111から投入され、案内部121または案内部221に衝突して反射し、内箱220から硬貨の飛び出しを防止するために、内箱120を図18または図19の様な構造としても良い。図18は、案内部121より内箱の外縁を高く形成することで、案内部121で硬貨が反射されても内箱の内側面で跳ね返る構造としている。また、図19では、図18の内箱の上面を、内箱が傾いた時に硬貨投入口111から硬貨が入る程度の開口に狭めて、図18の構造より更に硬貨が飛び出しにくい構造としている。
【符号の説明】
【0055】
10 硬貨収納装置
11 収納箱
12 投入口
13 センサー
100 硬貨収納箱
110 外箱
111 硬貨投入口
112 スプリング
120 内箱
121 案内部
122 支柱
123 部屋
124 案内部
200 硬貨収納装置
220 内箱
221 案内部
222 仕切り
223 部屋
300 収納装置
301 投入口
302 外箱
303 弾性材
304 内箱
305 案内部
306 支持体
322 支持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21