特許第6777772号(P6777772)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6777772
(24)【登録日】2020年10月12日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】圃場溝切機
(51)【国際特許分類】
   A01B 13/00 20060101AFI20201019BHJP
【FI】
   A01B13/00
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-10603(P2019-10603)
(22)【出願日】2019年1月24日
(65)【公開番号】特開2020-115797(P2020-115797A)
(43)【公開日】2020年8月6日
【審査請求日】2019年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】395008849
【氏名又は名称】株式会社富士トレーラー製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】皆川 俊男
(72)【発明者】
【氏名】飯岡 貴行
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅文
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第4438819(US,A)
【文献】 特開平5−161402(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0111588(US,A1)
【文献】 実開昭55−14453(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3182999(JP,U)
【文献】 実開昭55−42923(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 3/00−25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引機構により牽引され、圃場面を進行可能な被牽引機体を備えてなり、上記被牽引機体に牽引進行に伴って上記圃場面に排水溝を形成可能な溝切体を配設し、上記被牽引機体の左右両側部に安定車輪体が配設され、上記被牽引機体に上記排水溝の溝深さを調節する重錘体の設置部を配設してなることを特徴とする圃場溝切機。
【請求項2】
上記被牽引機体に上記安定車輪体の配置位置を調節する位置調節機構を設けてなることを特徴とする請求項1記載の圃場溝切機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水田等の圃場に水はけ用の排水溝を形成する圃場溝切機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の圃場溝切機として、機体に駆動源を含む進行機構を設けると共に圃場面に排水溝を溝切可能な溝切体を設けてなる構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3775957号
【特許文献2】特許第4032109号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来構造の場合、機体の進行に伴い作業者は圃場内を機体と一緒に同行する必要があり、それだけ、労苦を伴う作業になると共に作業性が低下することがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、請求項1記載の発明は、牽引機構により牽引され、圃場面を進行可能な被牽引機体を備えてなり、上記被牽引機体に牽引進行に伴って上記圃場面に排水溝を形成可能な溝切体を配設し、上記被牽引機体の左右両側部に安定車輪体が配設され、上記被牽引機体に上記排水溝の溝深さを調節する重錘体の設置部を配設してなることを特徴とする圃場溝切機にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記被牽引機体に上記安定車輪体の配置位置を調節する位置調節機構を設けてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、被牽引機体を牽引機構により牽引し、被牽引機体は圃場面を牽引進行することになり、上記被牽引機体の牽引進行に伴って溝切体で上記圃場面に排水溝を形成することができ、被牽引機体を牽引機構により牽引することにより溝切体で上記圃場面に排水溝を形成することができ、作業者は圃場内を溝切体を備えた被牽引機体と一緒に同行する必要がなく、それだけ、作業者の労苦を軽減することができると共に溝切作業性を向上することができ、かつ、上記被牽引機体の左右両側部に安定車輪体が配設されてなるから、被牽引機体を安定した状態で圃場面で牽引進行することができ、それだけ、溝切体により円滑に溝切作業を行うことができ、溝切作業性を向上することができ、上記被牽引機体に上記排水溝の溝深さを調節する重錘体の設置部を配設してなるから、重量が異なる重錘体や重錘体の数の調節により圃場面に対する溝切体の没入度合いを調節することができ、溝切体の没入度合いの調節により上記排水溝の溝深さを調節することができ、任意の溝深さの排水溝を溝切りすることができる。
【0008】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記被牽引機体に上記安定車輪体の配置位置を調節する位置調節機構を設けてなるから、圃場面に存在する稲株や夾雑物等に応じて安定車輪体の配置位置を調節することができ、安定車輪体を円滑に牽引進行することができ、溝切体により円滑に溝切作業を行うことができ、溝切作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態例の全体斜視図である。
図2】本発明の実施の形態例の全体側断面図である。
図3】本発明の実施の形態例の全体平面図である。
図4】本発明の実施の形態例の前断面図である。
図5】本発明の実施の形態例の側断面図である。
図6】本発明の実施の形態例の部分後断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図6は本発明の実施の形態例を示し、図1図2の如く、1は被牽引機体であって、図示省略の牽引機構により牽引され、これら牽引機構として、例えば、圃場の周辺部に配置された巻取ドラムを有するウインチ機構、圃場面Mや圃場周辺部に配置されたウインチ機構を備えたトラクタ等の各種の構造のものが用いられ、これら各種の牽引機構に牽引ロープや牽引ワイヤ等の牽引部材Rが備えられ、被牽引機体1の進行方向前部に図示省略の牽引機構の牽引ロープや牽引ワイヤ等の牽引部材Rに着脱連結される連結部1aが設けられ、被牽引機体1は図示省略の牽引機構により牽引され、圃場面M、例えば、水田の田面を進行可能に形成され、上記被牽引機体1に牽引進行に伴って上記圃場面Mに排水溝Wを形成可能な溝切体2が配設されている。
【0011】
この場合、上記溝切体2は、金属製の板材により形成され、図1図2図3図6の如く、排水溝Wの対向する両内側斜面W・Wに合う左右一対の傾斜板2a・2a、傾斜板2a・2aの各々の上縁辺に突設された上縁板2b・2b及び底面に対向する底板2cからなり、断面は略V形状であって、平面視及び側面視は略先細三角形状に形成され、溝切体2は上記被牽引機体1の後部の渡板1b、前部の縦板1c及び桟板1dにより取り付けられ、かつ、桟板1dに左右一対の保持板1e・1eが突設され、左右一対の保持板1e・1eの前部間に前記図示省略の牽引機構の牽引ロープや牽引ワイヤ等の牽引部材Rに着脱連結される連結部1aが設けられ、かつ、上記被牽引機体1の後部に車軸3aが進行方向に直交状態に取り付けられ、車軸3aの左右両端部に安定車輪体3・3が位置調節機構4により進行方向に対して直交方向に位置調節自在に設けられ、安定車輪体3・3はハブ部3b、スポーク部3c及び車輪部3dから構成され、この場合、上記位置調節機構4として、上記車軸3aの軸方向に複数個の選択穴3e・3e・・が形成され、安定車輪体3・3のハブ部3bを車軸3aに挿通し、選択された選択穴3e・3e間にハブ部3bを配置し、選択穴3e・3eに止めピン3fを挿通し、安定車輪体3・3の配置位置を左右調節自在に構成している。
【0012】
5は重錘体であって、図4図5図6の如く、上記被牽引機体1の後部に重錘体5の引掛部5aを引掛可能な設置部6が形成され、重錘体5の設置及び重錐体5の重量調節により被牽引機体1を介して溝切体2の圃場土に対する穿入位置を調節し、溝切体2の圃場土に対する穿入位置の調節により上記排水溝Wの溝深さHを調節するように構成している。
【0013】
この実施の形態例は上記構成であるから、図5の如く、図示省略の各種の牽引機構の牽引ロープや牽引ワイヤ等の牽引部材Rを被牽引機体1の連結部1aに連結し、被牽引機体1を図示省略の牽引機構により牽引し、被牽引機体1は圃場面Mを牽引進行することになり、上記被牽引機体1の牽引進行に伴って溝切体2で上記圃場面Mに排水溝Wを形成することができ、被牽引機体1を牽引機構により牽引することにより溝切体2で上記圃場面Mに排水溝Wを形成することができ、作業者は圃場内を溝切体2を備えた被牽引機体1と一緒に同行する必要がなく、それだけ、作業者の労苦を軽減することができると共に溝切作業性を向上することができ、かつ、上記被牽引機体1の左右両側部に安定車輪体3・3が配設されてなるから、被牽引機体1を安定した状態で圃場面Mで牽引進行することができ、それだけ、溝切体2により円滑に溝切作業を行うことができ、溝切作業性を向上することができる。
【0014】
この場合、上記被牽引機体1に上記安定車輪体3・3の配置位置を調節する位置調節機構4を設けてなるから、圃場面Mに存在する稲株Kや夾雑物等に応じて安定車輪体3・3の配置位置を調節することができ、安定車輪体3・3を円滑に牽引進行することができ、溝切体2により円滑に溝切作業を行うことができ、溝切作業性を向上することができ、さらに、この場合、上記被牽引機体1に上記排水溝Wの溝深さHを調節する重錘体5の設置部6を配設してなるから、重量が異なる重錘体5や重錘体5の数の調節により圃場面Mに対する溝切体2の没入度合いを調節することができ、溝切体2の没入度合いの調節により上記排水溝Wの溝深さHを調節することができ、任意の溝深さHの排水溝Wを溝切りすることができる。
【0015】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば、被牽引機体1、溝切体2、安定車輪体3、位置調節機構4、重錘体5、設置部6の構造や形態等は適宜変更して設計される。
【0016】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0017】
M 圃場面
W 排水溝
H 溝深さ
1 被牽引機体
2 溝切体
3 安定車輪体
4 位置調節機構
5 重錘体
6 設置部
図1
図2
図3
図4
図5
図6