特許第6777825号(P6777825)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧

<>
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000002
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000003
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000004
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000005
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000006
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000007
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000008
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000009
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000010
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000011
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000012
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000013
  • 特許6777825-情報処理装置及び情報処理方法 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6777825
(24)【登録日】2020年10月12日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20201019BHJP
   G06F 3/0485 20130101ALI20201019BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20201019BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   G06F3/0484 150
   G06F3/0485
   G09G5/00 510H
   G09G5/02 B
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-553685(P2019-553685)
(86)(22)【出願日】2018年4月4日
(86)【国際出願番号】JP2018014488
(87)【国際公開番号】WO2019097740
(87)【国際公開日】20190523
【審査請求日】2019年7月10日
(31)【優先権主張番号】特願2017-222036(P2017-222036)
(32)【優先日】2017年11月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 卓朗
【審査官】 ▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−036438(JP,A)
【文献】 特開2009−139452(JP,A)
【文献】 特開平07−044558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0484
G06F 3/0485
G09G 5/00
G09G 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に表示されている対象画像の少なくも一部を移動させる指示を検知する検知部と、
前記対象画像を前記表示面に表示させる表示制御部であって、前記検知部により検知された指示に従う前記対象画像の表示において、前記対象画像を検知前のまま表示させる場合に比べて色が変化する画素の数が減少するように前記対象画像を変換して表示させる表示制御部と
を備え
前記表示制御部は、前記検知の前に表示させていた前記対象画像より諧調を減らした画像であって、前記検知の前に表示させていた前記対象画像に含まれるテキスト領域の面積比率に応じた諧調の画像を前記変換の後の前記対象画像として表示させる、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記検知の前に表示させていた前記対象画像について、諧調を減らす前における画素値が最小の画素はそのままで当該画素以外は画素値を最大にした画像、又は、諧調を減らす前における画素値が最大の画素はそのままで当該画素以外は画素値を最小にした画像を、前記変換の後の前記対象画像として表示させる
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記一部の移動速度に応じた諧調の画像を前記変換の後の前記対象画像として表示させる
請求項又はに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記対象画像を表示させているアプリケーションの種類に対応付けられた諧調の画像を前記変換の後の前記対象画像として表示させる
請求項からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記検知の前に表示させていた前記対象画像を各画素の画素値が閾値を超えるか否かによって2値化した画像を前記変換の後の前記対象画像として表示させ、前記検知の前に表示させていた前記対象画像の背景に画素値が一様の背景画像が表示されている場合、前記変換の前の前記対象画像の階調における平均値、中央値又は最頻値に相当する画素値よりも当該背景画像の画素値との差が大きい画素値を前記閾値として用いる
請求項からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記検知の前に表示させていた前記対象画像が表示されている領域を示す図形を前記変換の後の前記対象画像として表示させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対象画像には複数の種類があり、
前記表示制御部は、前記検知の前に表示させていた前記対象画像が表示されている領域に当該対象画像の種類を表した画像を前記変換の後の前記対象画像として表示させる
請求項1又はに記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が、表示面に表示されている対象画像の少なくも一部を移動させる指示の
検知を繰り返し試みる検知ステップと、
前記情報処理装置が、前記検知ステップにおいて前記指示が検知されると、前記対象画像に含まれるテキスト領域の面積比率に応じて前記対象画像の諧調を減らす変更を行う第1変更ステップと、
前記情報処理装置が、前記第1変更ステップで変更された後の諧調で、前記検知ステップで検知された前記指示に従った前記対象画像の少なくも一部を移動させる表示を行う第1表示制御ステップと、
前記情報処理装置が、前記検知ステップにおいて前記指示が検知されなくなった場合、前記第1変更ステップで減らした諧調を元に戻す変更を行う第2変更ステップと、
前記情報処理装置が、前記第2変更ステップで変更された諧調で前記対象画像を表示させる第2表示制御ステップと
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザインターフェースの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スクロールや回転等の描画イベントにおいて、ディスプレイに表示している現表示画面描画データ又は再利用データ保存メモリに格納されている保存描画データのいずれかを再利用して描画を行うか、通常通りの描画を行うかを判定し、判定した方法で描画処理を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−218478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スクロール、画像の回転及び画像の切り替え等の際に行われる移動表示(画像を移動させる表示)と、画像の拡大表示・縮小表示においては、表示されている画像の少なくとも一部を移動させることになるので、その一部の書き換えが高速に行われる。一方、例えば電子書籍用の表示装置等では電力が供給されなくても表示を維持するディスプレイが用いられることがあるが、そのようなディスプレイは通常の液晶ディスプレイ等に比べると画像の書き換え速度が遅く、スクロール表示等が滑らかに行われない場合がある。
そこで、本発明は、画像の少なくとも一部を移動させる表示を高速化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、表示面に表示されている対象画像の少なくも一部を移動させる指示を検知する検知部と、前記対象画像を前記表示面に表示させる表示制御部であって、前記検知部により検知された指示に従う前記対象画像の表示において、前記対象画像を検知前のまま表示させる場合に比べて色が変化する画素の数が減少するように前記対象画像を変換して表示させる表示制御部とを備える情報処理装置を提供する。
【0006】
また、前記表示制御部は、前記検知の前に表示させていた前記対象画像より諧調を減らした画像を前記変換の後の前記対象画像として表示させてもよい。
さらに、前記表示制御部は、前記検知の前に表示させていた前記対象画像について、諧調を減らす前における画素値が最小の画素はそのままで当該画素以外は画素値を最大にした画像、又は、諧調を減らす前における画素値が最大の画素はそのままで当該画素以外は画素値を最小にした画像を、前記変換の後の前記対象画像として表示させてもよい。
また、前記表示制御部は、前記一部の移動速度に応じた諧調の画像を前記変換の後の前記対象画像として表示させてもよい。
【0007】
また、前記表示制御部は、前記検知の前に表示させていた前記対象画像に含まれるテキスト領域の面積比率に応じた諧調の画像を前記変換の後の前記対象画像として表示させてもよい。
さらに、前記表示制御部は、前記対象画像を表示させているアプリケーションの種類に対応付けられた諧調の画像を前記変換の後の前記対象画像として表示させてもよい。
【0008】
また、前記表示制御部は、前記検知の前に表示させていた前記対象画像を各画素の画素値が閾値を超えるか否かによって2値化した画像を前記変換の後の前記対象画像として表示させ、前記検知の前に表示させていた前記対象画像の背景に画素値が一様の背景画像が表示されている場合、前記変換の前の前記対象画像の階調における平均値、中央値又は最頻値に相当する画素値よりも当該背景画像の画素値との差が大きい画素値を前記閾値として用いてもよい。
【0009】
また、前記表示制御部は、前記検知の前に表示させていた前記対象画像が表示されている領域を示す図形を前記変換の後の前記対象画像として表示させてもよい。
さらに、前記対象画像には複数の種類があり、前記表示制御部は、前記検知の前に表示させていた前記対象画像が表示されている領域に当該対象画像の種類を表した画像を前記変換の後の前記対象画像として表示させてもよい。
【0010】
また、本発明は、情報処理装置が、表示面に表示されている対象画像の少なくも一部を移動させる指示の検知を繰り返し試みる検知ステップと、前記情報処理装置が、前記検知ステップにおいて前記指示が検知されると、前記対象画像の諧調を減らす変更を行う第1変更ステップと、前記情報処理装置が、前記第1変更ステップで変更された後の諧調で、前記検知ステップで検知された前記指示に従った前記対象画像の少なくも一部を移動させる表示を行う第1表示制御ステップと、前記情報処理装置が、前記検知ステップにおいて前記指示が検知されなくなった場合、前記第1変更ステップで減らした諧調を元に戻す変更を行う第2変更ステップと、前記情報処理装置が、前記第2変更ステップで変更された諧調で前記対象画像を表示させる第2表示制御ステップとを備える情報処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像の少なくとも一部を移動させる表示を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例に係るスマートフォンのハードウェア構成を表す図
図2】スマートフォンが実現する機能構成を表す図
図3A】スクロール表示の一例を表す図
図3B】スクロール表示の一例を表す図
図4】スクロール表示時の画素を拡大して表す図
図5】移動表示処理における動作手順の一例を表す図
図6】変形例の諧調テーブルの一例を表す図
図7】算出される面積の一例を表す図
図8】変形例の諧調テーブルの一例を表す図
図9】変形例の諧調テーブルの一例を表す図
図10】背景画像の一例を表す図
図11】領域図形の一例を表す図
図12】種類図形の一例を表す図
【符号の説明】
【0013】
1…スマートフォン、100…表示制御部、101…オブジェクト表示制御部、102…諧調設定部、111…スクロール指示検知部、112…拡大指示検知部、113…縮小指示検知部。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[1]実施例
図1は実施例に係るスマートフォン1のハードウェア構成を表す。スマートフォン1は、プロセッサ2と、メモリ3と、ストレージ4と、通信装置5と、入力装置6と、出力装置7と、バス8という各装置を備えるコンピュータである。なお、ここでいう「装置」という文言は、回路、デバイス及びユニット等に読み替えることができる。また、各装置は、1つ又は複数含まれていてもよいし、一部の装置が含まれていなくてもよい。
【0015】
プロセッサ2は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ2は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。また、プロセッサ2は、OS(Operating System:オペレーティングシステム)及び各種のアプリケーション(以下「アプリ」という)を含むプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール及びデータ等を、ストレージ4及び/又は通信装置5からメモリ3に読み出す。
【0016】
プロセッサ2は、読み出したOS等に従って各種の処理を実行する。各種処理を実行するプロセッサ2は1つでもよいし、2以上であってもよく、2以上のプロセッサ2は、同時又は逐次に各種処理を実行してもよい。また、プロセッサ2は、1以上のチップで実装されてもよい。プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0017】
メモリ3は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)及びRAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ3は、レジスタ、キャッシュ及びメインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。メモリ3は、前述したプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール及びデータ等を保存することができる。
【0018】
ストレージ4は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ4は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ3及び/又はストレージ4を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0019】
通信装置5は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。入力装置6は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置7は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカ、LEDランプなど)である。スマートフォン1においては、入力装置6及び出力装置7は、一体となってタッチスクリーン10を構成している。
【0020】
タッチスクリーン10は、画像を表示する出力デバイスであると共に、ユーザの操作を受け付ける入力デバイスである。タッチスクリーン10は、画像を表示させる表示面11と、位置検出センサ12とを備える。タッチスクリーン10は、本実施例では、電気泳動方式の表示装置であり、電力を消費して表示させる画像を書き換え、書き換えた後の画像は電力を消費することなく維持する。
【0021】
位置検出センサ12は、表示面11上でユーザがタッチした位置(タッチ位置)を検出する。位置検出センサ12は、本実施例では、いわゆるピンチアウト(2つのタッチ位置を遠ざける操作)、ピンチイン(2つのタッチ位置を近づける操作)を検出するため、タッチ位置を同時に2カ所まで検出する。プロセッサ2及びメモリ3等の各装置は、情報を通信するためのバス8を介して互いにアクセス可能となっている。バス8は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0022】
また、スマートフォン1は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及び、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ2は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0023】
スマートフォン1のプロセッサ2がプログラムを実行して各部を制御することで以下に述べる機能群が実現される。
図2はスマートフォン1が実現する機能構成を表す。スマートフォン1は、オブジェクト表示制御部101と、諧調設定部102と、スクロール指示検知部111と、拡大指示検知部112と、縮小指示検知部113とを備える。
【0024】
オブジェクト表示制御部101は、表示面11にオブジェクトを表示させる。オブジェクトとは、例えば、文字列画像、写真画像、描画された画像(CG(Computer Graphics)及びプレゼン資料画像等)、それらを含むウェブページの画像、アプリ画面の画像(地図アプリの画像等)又はプログラムやデータに対応付けられた画像(アイコン、ショートカット画像など)等であり、本発明の「対象画像」の一例である。オブジェクト表示制御部101は、オブジェクトをカラーで表示させてもよいし、白黒で表示させてもよい。
【0025】
オブジェクト表示制御部101は、メモリ3、ストレージ4又は通信装置5を介してアクセス可能な外部装置等の記憶手段に記憶されているオブジェクトデータを読み出して、読み出したオブジェクトデータが示すオブジェクトを表示させる。オブジェクトデータには、オブジェクトを画像として表示するためのデータが含まれている。例えば写真画像であれば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等のフォーマットで表された画像データがオブジェクトデータに含まれている。
【0026】
また、ウェブページであれば、HTML(HyperText Markup Language)文書及びウェブページ中に表示される画像の画像データがオブジェクトデータに含まれている。オブジェクト表示制御部101は、オブジェクトを表示するOS及びアプリ等の表示プログラムによって実現される。オブジェクト表示制御部101は、自機能を実現するプログラム、表示させている画面の種類、又は、表示させているオブジェクトの状態によって、スクロール表示、拡大表示又は縮小表示を行う場合がある。
【0027】
オブジェクト表示制御部101は、例えばブラウザプログラムにより実現された場合は、表示させているウェブページが1画面に収まらない状態では、スクロール表示を行って全体を表示させる(反対に1画面に収まっている画面ではスクロール表示を行わない)。また、オブジェクト表示制御部101は、地図アプリプログラムにより実現された場合は、表示させている地図画像に対して拡大表示の操作(ピンチアウト)が行われると、その地図画像が最大縮尺の状態になっていなければ、表示中の地図画像の拡大表示を行う。
【0028】
また、オブジェクト表示制御部101は、地図アプリプログラムにより実現された場合、表示させている地図画像に対して縮小表示の操作(ピンチイン)が行われると、その地図画像が最小縮尺の状態になっていなければ、表示中の地図画像の縮小表示を行う。また、オブジェクト表示制御部101は、写真閲覧アプリプログラムにより実現された場合、例えばメニュー画面ではスクロール表示を行い、写真画面では拡大表示及び縮小表示を行う。
【0029】
スクロール表示等では、オブジェクトの少なくとも一部が移動して表示される。以下ではこのオブジェクトの少なくとも一部を移動させる表示のことを「移動表示」という。例えばスクロール表示ではオブジェクトの全ての部分が同じ速度で移動して表示される。拡大表示ではオブジェクトの各部分が画面内の任意の点(通常はオブジェクト内の任意の点)から離れる方向に、その点から遠い部分ほど速い速度で移動して表示され、縮小表示ではオブジェクトの各部分が画面内の任意の点(通常はオブジェクト内の任意の点)に、その点から遠い部分ほど速い速度で移動して表示される。
【0030】
スクロール指示検知部111、拡大指示検知部112及び縮小指示検知部113は、いずれも、これらの移動表示の指示(スクロール表示の指示、拡大表示の指示及び縮小表示の指示)、すなわち、表示面11に表示されているオブジェクトの少なくも一部を移動させる指示(以下「移動指示」という)を検知する。スクロール指示検知部111、拡大指示検知部112及び縮小指示検知部113はいずれも本発明の「検知部」の一例である。
【0031】
スクロール指示検知部111は、タッチスクリーン10に表示されているオブジェクトをスクロールさせる指示を移動指示として検知する。具体的には、スクロール指示検知部111は、オブジェクト表示制御部101から自機能を実現しているプログラム、表示中の画面及び表示中のオブジェクトの状態を示す情報を取得し、取得した情報がスクロール表示を行うことを示しているか否かを判断する。
【0032】
スクロール指示検知部111は、スクロール表示を行うことを示していると判断した場合には、図1に表す位置検出センサ12が検出するタッチ位置の有無を所定の時間間隔で繰り返し判断する。スクロール指示検知部111は、2以上のタッチ位置が連続して検出され、且つ、検出されたタッチ位置が表示中のオブジェクトのスクロール可能な方向に移動している場合に、スクロール指示を検知する。
【0033】
スクロール指示検知部111は、スクロール指示を検知すると、その旨を諧調設定部102に通知する。スクロール指示検知部111は、所定の時間間隔でスクロール指示を検知し続けると、その度にスクロール指示を検知した旨を通知する。また、スクロール指示検知部111は、スクロール指示を検知しなくなると、諧調設定部102への通知を終了する。
【0034】
諧調設定部102は、表示面11に表示される画像の諧調を設定する。諧調設定部102は例えばOSによって実現される機能であり、スマートフォン1においては、どのアプリの画像であっても諧調設定部102が設定した諧調で表示される。諧調設定部102は、スクロール指示検知部111からスクロール指示が検知された旨を通知されると、表示される画像の諧調を減らす変更を行う。
【0035】
諧調設定部102は、例えば、通常時は画像の諧調を256諧調(画素値が0〜255となる諧調。画素値とは輝度又は明度等)と設定しており、スクロール指示検知部111からスクロール指示を検知した旨が通知されると、2諧調に設定を変更する。なお、これらの諧調数は一例であり、他の諧調数が用いられてもよく、スクロール指示の通知の前後で諧調数が減っていればよい。また、諧調設定部102は、スクロール指示検知部111からの上記通知が終了すると、諧調を元の256諧調に戻して設定する。諧調設定部102は、諧調を変更すると、変更後の諧調をオブジェクト表示制御部101に通知する。
【0036】
スクロール指示検知部111は、スクロール指示を検知すると、タッチ位置の移動方向をスクロール方向として示し、タッチ位置の移動距離をスクロール速度(移動距離が長いほどスクロール速度が速い)として示す指示情報をオブジェクト表示制御部101に供給する。オブジェクト表示制御部101は、指示情報が供給されると、供給された指示情報が示すスクロール方向に、その指示情報が示すスクロール速度でオブジェクトを移動させるスクロール表示を行う。
【0037】
このとき、オブジェクト表示制御部101には、諧調設定部102から変更後の諧調が通知されてくる。オブジェクト表示制御部101は、オブジェクトデータが示すオブジェクトを、通知された変更後の諧調に変換してから表示させる。オブジェクト表示制御部101は、本実施例では、2諧調に変換、すなわち2値化する。2値化とは、各画素の画素値を0(黒色)か255(白色)に変換して表すことをいう。
【0038】
具体的には、オブジェクト表示制御部101は、スクロール指示の検知の前に表示させていたオブジェクトを各画素の画素値(0〜255の値)について閾値を超えるか否かを判断する。オブジェクト表示制御部101は、例えば閾値を超える画素を黒色(画素値が0)、閾値を超えない画素を白色(画素値が255)とする2値化した画像を変換の後のオブジェクトとして表示させる。
【0039】
図3A図3Bはスクロール表示の一例を表す。図3A(a)では、ブラウザプログラムを実行することで実現されたオブジェクト表示制御部101が、タッチスクリーン10にウェブページ画像G1を表示させている。ウェブページ画像G1には、文字列画像G2と、電車の写真画像G3と、テキスト画像G4というオブジェクトが含まれている。オブジェクト表示制御部101は、ブラウザの画面でウェブページ画像G1が1画面に収まっていない状態であるため、スクロール表示を行う状態と判断し、スクロールバーB1を表示させている。
【0040】
なお、スクロールバーB1は表示しなくてもよいし、スクロール表示中のみ表示させてもよい。図3A(b)では、ユーザがタッチスクリーン10をタッチしてタッチ位置P1が検出されている。タッチ位置が1つだけ検出されたこの状態では、スクロール指示検知部111がスクロール指示をまだ検出しないので、オブジェクト表示制御部101は、図3A(a)と同じ表示を維持している。図3A(c)では、ユーザがタッチ位置P1を上に移動させているので、スクロール指示検知部111がスクロール指示を検出する。
【0041】
スクロール指示が検出されたので、諧調設定部102が2諧調を設定し、オブジェクト表示制御部101が2諧調に変換したウェブページ画像G1を表示させる。文字列画像G2及びG4は白色及び黒色だけで表された画像なので256諧調でも2諧調でも表示が変わってない。一方、電車の写真画像G3は、図に表すように濃淡を有する画像なので、2諧調にすることで、濃淡がなくなって白色及び黒色だけの2値化画像に変化して表示されることになる。
【0042】
図3A(c)の例では、オブジェクト表示制御部101は、スクロール指示の検知の前に表示させていたオブジェクト(例えば電車の写真画像G3)について、諧調を減らす前における画素値が最小(0)の画素(黒い画素)はそのままで、それ以外の画素(グレーの画素、白い画素)の画素値を最大(255)にした画像を変換の後のオブジェクトとして表示させている。これによりオブジェクトのグレーの部分が白くなり、オブジェクトを表す構成物(写真画像G3の場合は窓、ドア及びライト等)の縁が黒く残るので、それらの構成物の形を明確に表すことができる。
【0043】
なお、オブジェクト表示制御部101は、上記とは反対に、諧調を減らす前における画素値が最大(255)の画素(白い画素)はそのままで、それ以外の画素(グレーの画素、黒い画素)の画素値を最小(0)にした画像を変換の後のオブジェクトとして表示させてもよい。この場合は、オブジェクトのグレーの部分が黒くなるので、オブジェクト全体の輪郭を明確に表すことができる。
【0044】
図3A(d)では、ユーザがタッチ位置P1をさらに上に移動させている。この例では、オブジェクト表示制御部101は、今まで表示されていなかった電車の写真画像G5を、現在設定されている2諧調で表示させている。図3B(e)では、ユーザがタッチ位置P1を停止させている。タッチ位置P1が変化しなくなると、スクロール指示検知部111がスクロール指示を検出しなくなる。
【0045】
すると、諧調設定部102は、スクロール指示検知部111からの通知が終了するので、256諧調に戻して設定する。オブジェクト表示制御部101は、元の256諧調で電車の写真画像G3を表示させ、電車の写真画像G5も、オブジェクトデータに含まれる画像データに基づいて256諧調で表示させる。図3B(f)に表すようにユーザがタッチスクリーン10から指を離しても、オブジェクト表示制御部101は図3B(e)の表示を維持している。
【0046】
タッチスクリーン10においては、次のように諧調が表される。
図4はスクロール表示時の画素を拡大して表す。オブジェクト表示制御部101は、図4(a)では2諧調でオブジェクトを表示させ、図4(b)では2諧調よりも多い諧調(ここでは「多諧調」という)でオブジェクトを表示させている。また、オブジェクト表示制御部101は、図4(a)、図4(b)のいずれもオブジェクトを上に移動させるスクロール表示を行っている。
【0047】
オブジェクト表示制御部101は、図4(a)では、2×2画素を全て黒色又は白色にすることで2諧調の表示を行い、図4(b)では、2×2画素を全て黒色、1つだけ白色、2つ白色、3つ白色、全て白色という5パターンで表すことで多諧調の表示を行っている。この場合に、例えば図中の画素px1の色の変化を見ると、2諧調表示の場合は、最初白色だったのが途中で一度黒色に変わるだけである。
【0048】
一方、多諧調表示の場合は、画素px1の色は、最初白色だったのが、黒色、白色、黒色と替わって最後に白色に変わっている。この後スクロール表示が進むと、画素px1ではさらに色の変化が繰り返されることになる。このように、諧調を増やすほど、画素の色が変化する回数が多くなる。これを言い換えると、諧調を増やすほど、色が変化する画素の数が増えることにもなる。
【0049】
本実施例では、オブジェクト表示制御部101及び諧調設定部102が協働することで、諧調を制御してオブジェクトを表示させる表示制御部100として機能している。表示制御部100は本発明の「表示制御部」の一例である。詳細には、表示制御部100は、スクロール指示検知部111により検知されたスクロール指示に従うオブジェクトの移動表示(上記例ではスクロール表示)において、図4で説明したように、オブジェクトを検知前のまま表示させる場合に比べて色が変化する画素の数が減少するようにオブジェクトを変換して表示させている。
【0050】
具体的には、表示制御部100は、スクロール指示検知部111による検知の前に表示させていたオブジェクトより諧調を減らした画像(これにより色が変化する画素の数が減少する)を変換の後のオブジェクトとして表示させている。これにより、スクロール表示の際に色が変化する画素の数が減少するので、諧調が一定の場合に比べて、画素の色を変化させるために要する時間が短くなり、スクロール表示自体を高速化することができる。
【0051】
表示制御部100は、オブジェクトの拡大表示及び縮小表示の場合も同様にオブジェクトを変換して表示させる。拡大指示検知部112は、タッチスクリーン10に表示されているオブジェクトを拡大させる指示を拡大指示として検知する。拡大指示検知部112は、例えばピンチアウト操作が行われた場合に拡大指示を検知する。ピンチアウト操作とは、タッチスクリーン10上の2カ所にタッチして、それら2つのタッチ位置を遠ざける操作である。
【0052】
拡大指示検知部112は、例えば、タッチ位置が2カ所検出された場合に、それらの間の距離を所定の時間間隔(例えば0.1秒毎)で繰り返し算出し、算出した距離が一定の長さ又は一定の割合増加した場合に、拡大指示を検知する。縮小指示検知部113は、タッチスクリーン10に表示されているオブジェクトを縮小させる指示を縮小指示として検知する。
【0053】
縮小指示検知部113は、例えばピンチイン操作が行われた場合に縮小指示を検知する。ピンチイン操作とは、タッチスクリーン10上の2カ所にタッチして、それら2つのタッチ位置を近づける操作である。縮小指示検知部113は、例えば、タッチ位置が2カ所検出された場合に、それらの間の距離を所定の時間間隔(例えば0.1秒毎)で繰り返し算出し、算出した距離が一定の長さ又は一定の割合減少した場合に、縮小指示を検知する。
【0054】
表示制御部100は、拡大指示検知部112により検知された拡大指示に従うオブジェクトの移動表示(拡大表示)と、縮小指示検知部113により検知された縮小指示に従うオブジェクトの移動表示(縮小表示)とにおいて、検知前より諧調を減らした画像を変換の後のオブジェクトとして表示させることで、オブジェクトを検知前のまま表示させる場合に比べて色が変化する画素の数が減少するようにオブジェクトを変換して表示させる。
【0055】
スマートフォン1は、上記の構成に基づいて、オブジェクトの移動表示を行う移動表示処理を行う。
図5は移動表示処理における動作手順の一例を表す。この動作手順は、スマートフォン1のオブジェクト表示制御部101が表示面11にオブジェクトを表示させることを契機に開始される。
【0056】
まず、スマートフォン1(スクロール指示検知部111、拡大指示検知部112、縮小指示検知部113)は、オブジェクトの移動指示を検知する検知処理を行う(ステップS11)。次に、スマートフォン1(諧調設定部102)は、ステップS11の検知処理で移動指示が検知されたか否かを判断し(ステップS12)、検知されていない(NO)と判断した場合はステップS11に戻って動作を行う。こうしてスマートフォン1は、オブジェクトの移動指示の検知を繰り返し試みる。ステップS11、S12は本発明の「検知ステップ」の一例である。
【0057】
スマートフォン1(諧調設定部102)は、ステップS12において移動指示が検知された(YES)と判断した場合、オブジェクトの諧調を減らす変更を行う(ステップS13)。ステップS13は本発明の「第1変更ステップ」の一例である。スマートフォン1(オブジェクト表示制御部101)は、ステップS13で変更された後の諧調で、ステップS11で検知された指示に従ったオブジェクトの移動表示(スクロール表示、拡大表示又は縮小表示)を行う(ステップS14)。ステップS14は本発明の「第1表示制御ステップ」の一例である。
【0058】
次に、スマートフォン1(スクロール指示検知部111、拡大指示検知部112、縮小指示検知部113)は、再び検知処理を行う(ステップS15)。ステップS11、S15の検知処理は、上述した所定の時間間隔で繰り返し行われている。続いて、スマートフォン1(オブジェクト表示制御部101、諧調設定部102)は、ステップS15の検知処理で移動指示の検知が終了したか否かを判断し(ステップS16)、終了していない(NO)と判断した場合はステップS14、S15の動作を行う。ステップS15、S16も本発明の「検知ステップ」の一例である。
【0059】
スマートフォン1(諧調設定部102)は、ステップS16で終了した(YES)と判断した場合、つまり移動指示が検知されなくなった場合、ステップS13で減らしたオブジェクトの諧調を元の諧調に戻す変更を行う(ステップS17)。ステップS17は本発明の「第2変更ステップ」の一例である。そして、スマートフォン1(オブジェクト表示制御部101)は、ステップS17で変更された後の諧調でオブジェクトを表示させる(ステップS18)。ステップS18は本発明の「第2表示制御ステップ」の一例である。この後スマートフォン1は、この動作手順を終了して再び最初から実行する。
【0060】
本実施例では、オブジェクトのスクロール表示、拡大表示又は縮小表示を行う場合に、諧調を減らしてオブジェクトを表示する。これにより、図4で説明したように、その表示の際に色が変化する画素の数が減少するので、画素の色の変更に要する時間が短くなり、諧調を変化させない場合に比べて、これらの表示のように画像の少なくとも一部を移動させる表示(移動表示)を高速化することができる。また、色が変化する画素の数が減少するということは、画素の色の変更に要する電力も少なくなるので、諧調を変化させない場合に比べて、画像の少なくとも一部を移動させる表示を行う際の消費電力を減らすことができる。
【0061】
[2]変形例
上述した実施例は本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。
【0062】
[2−1]諧調の決定方法
表示制御部100は、実施例ではスクロール指示等(スクロール指示、拡大指示及び縮小指示)が検知された場合に決められた諧調に減らしたオブジェクトを表示させたが、これに限らない。表示制御部100は、例えば、スクロール表示、拡大表示又は縮小表示におけるオブジェクトの移動速度に応じた諧調の画像を変換の後のオブジェクトとして表示させてもよい。
【0063】
実施例では詳細に述べなかったが、スクロール指示検知部111、拡大指示検知部112及び縮小指示検知部113は、スクロール指示等を検知した際に、タッチ位置の移動速度も検知してオブジェクト表示制御部101に供給する。オブジェクト表示制御部101は、検知されたタッチ位置の移動速度に応じた速度で移動するオブジェクトを表示させる(例えばタッチ位置を速く動かすほどオブジェクトを速くスクロールさせる)。
【0064】
オブジェクトの移動速度とは、例えばスクロール表示であればオブジェクト全体が同じ速度で移動するので、オブジェクト全体の移動速度となり、例えば単位時間当たりに移動する距離を表す画素数(例えば0.1秒間で100画素分の距離だけ移動する速度など)で表される。一方、拡大表示及び縮小表示では、オブジェクトの部分によって移動速度が異なる。例えば拡大又は縮小の中心となる部分は移動速度が0であるが、その中心から離れるほど移動速度が速くなる。
【0065】
ただし、スクロール表示でも、拡大表示及び縮小表示でも、表示制御部100は、スクロール指示、拡大指示及び縮小指示におけるタッチ位置の移動速度に応じた速度でオブジェクトを移動させる表示を行う。よって、表示制御部100は、スクロール指示等におけるタッチ位置の移動速度に応じた諧調の画像を変換の後のオブジェクトとして表示させることで、オブジェクトの移動速度に応じた諧調の画像を変換の後のオブジェクトとして表示させる。
【0066】
表示制御部100(諧調設定部102)は、オブジェクトの移動速度を表すタッチ位置の移動速度と諧調とを対応付けた諧調テーブルを記憶して用いる。
図6は本変形例の諧調テーブルの一例を表す。図6の例では、表示制御部100は、タッチ位置の移動速度が「V1未満」、「V1以上V2未満」、「V2以上」である場合に、諧調を「16諧調」、「8諧調」、「2諧調」とする対応付けがされた諧調テーブルを記憶している。
【0067】
なお、本変形例では、通常時の諧調が実施例と同様に256諧調で設定されているものとする。また、スクロール指示検知部111、拡大指示検知部112及び縮小指示検知部113が検知したタッチ位置の移動速度を諧調設定部102にも供給する。諧調設定部102は、表示面11に表示される画像の諧調を、供給された移動速度に諧調テーブルにおいて対応付けられている諧調に変更する。
【0068】
表示制御部100(オブジェクト表示制御部101及び諧調設定部102)は、上記のとおりオブジェクトの移動速度(タッチ位置の移動速度)に応じた諧調の画像を変換の後のオブジェクトとして表示させる。例えば写真画像だと、諧調を減らすほど元の写真画像との差異が大きくなって何が写っているか分かり難くなる。一方で、オブジェクトの移動速度が速いほど、移動中のオブジェクトの内容を確認することが難しくなる。つまり、ユーザがオブジェクトを速く移動させる場合は、オブジェクトの内容をいちいち確認しないことが多いので、諧調を大きく減らしても問題にならない。
【0069】
反対に、ユーザがオブジェクトをゆっくり移動させる場合は、オブジェクトの内容も見ながらどこまで移動させるかを判断していることが多いので、諧調をあまり減らさないで元のオブジェクトの内容が分かるようにしていた方が望ましい。本変形例では、上記のとおりオブジェクトの移動速度が速いほど諧調を減らすようにしているので、上述した移動表示(スクロール表示等のオブジェクトの少なくとも一部を移動させる表示)の高速化を実現しつつ、ユーザが移動表示されているオブジェクトの内容を把握したい場合はそれを可能にすることができる。
【0070】
[2−2]テキスト領域
オブジェクトがテキスト画像である場合、元々実質的に2諧調で(例えば白色及び黒色で)表されていることが多いので、他のオブジェクトに比べて色が変化する画素の数が少ない。そのため、オブジェクトに含まれるテキスト領域が多いほど、他の領域に写真画像等が含まれていたとしても、その写真画像等の領域が小さくなるので、移動表示の速度の低下が少なくなる。
【0071】
そこで、本変形例では、表示制御部100(オブジェクト表示制御部101及び諧調設定部102)が、スクロール指示等の検知の前に表示させていたオブジェクトに含まれるテキスト領域の面積比率に応じた諧調の画像を変換の後のオブジェクトとして表示させる。本変形例では、例えば、オブジェクト表示制御部101が、表示させているオブジェクトの面積と、そのオブジェクトに含まれているテキスト領域の面積とを算出する。
【0072】
図7は算出される面積の一例を表す。図7では図3に表すウェブページ画像G1が表されている。オブジェクト表示制御部101は、ウェブページ画像G1のうち表示されている長方形の部分である表示領域A1の長辺の画素数×短辺の画素数=ウェブページ画像G1の面積C1として算出する。また、オブジェクト表示制御部101は、文字列画像G2に外接する長方形の外接図形A2の面積C2を算出し、テキスト画像G4に外接する長方形の外接図形A4の面積C4を算出する。
【0073】
オブジェクト表示制御部101は、外接図形A2、A4を、HTML文書に記述されたテキストの文字数、文字サイズ及び配置等に基づいて特定してもよいし、テキスト認識の周知技術を用いてテキスト及びその位置を認識することで特定してもよい。オブジェクト表示制御部101は、算出した各面積C1、C2、C4を諧調設定部102に供給する。
【0074】
諧調設定部102は、テキスト領域の面積比率と諧調とを対応付けた諧調テーブルを記憶して用いる。
図8は本変形例の諧調テーブルの一例を表す。図8の例では、諧調設定部102は、テキスト領域の面積比率が「R1未満」、「R1以上R2未満」、「R2以上」である場合に、諧調を「2諧調」、「8諧調」、「16諧調」とする対応付けがされた諧調テーブルを記憶している。
【0075】
なお、本変形例でも、通常時の諧調が実施例と同様に256諧調で設定されているものとする。諧調設定部102は、オブジェクト表示制御部101から供給された各面積から、テキスト領域の面積比率を(面積C2+面積C4)÷面積C1=面積比率Rという式で算出する。諧調設定部102は、表示面11に表示される画像の諧調を、算出した面積比率に諧調テーブルにおいて対応付けられている諧調に変更する。
【0076】
本変形例では、表示制御部100(オブジェクト表示制御部101及び諧調設定部102)は、上記のとおりテキスト領域の面積比率に応じた諧調の画像を変換の後のオブジェクトとして表示させる。前述したように、オブジェクトに含まれるテキスト領域が多いほど移動表示の速度の低下が少なくなる。よって、テキスト領域が多いオブジェクトは、テキスト領域が少ないオブジェクトに比べて、例えば上記の例であれば諧調を2諧調まで減らさなくても(例えば16諧調までしか減らさなくても)移動表示の速度が高いまま維持される。
【0077】
このように諧調の減少度を小さくするということは、移動表示を行っているときでも元のオブジェクト(特にテキスト領域以外の領域に含まれているオブジェクト)の内容が把握しやすいということである。つまり、本変形例によれば、諧調を変化させない場合に比べて移動表示の高速化を実現しつつ、常に同じ値まで諧調を減少させる場合に比べてユーザが移動中のオブジェクトの内容を把握しやすい場合を増やすことができる。
【0078】
[2−3]アプリの種類
上述したテキスト領域は、アプリの種類によってある程度多いものと少ないものとの見分けがつく場合がある。例えば文書作成アプリ及び文書編集アプリ等の画面ではテキスト領域の面積比率が大きいことが多く、写真画像閲覧アプリ及び画像描画アプリ等の画面ではテキスト領域の面積比率が小さいことが多い。
【0079】
そこで、本変形例では、表示制御部100(オブジェクト表示制御部101及び諧調設定部102)が、オブジェクトを表示させているアプリケーションの種類からテキスト領域の面積比率が想定されるものとして、アプリケーションの種類に対応付けられた諧調を用いる。具体的には、諧調設定部102が、アプリの種類と諧調とを対応付けた諧調テーブルを記憶して用いる。
【0080】
図9は本変形例の諧調テーブルの一例を表す。図9の例では、諧調設定部102は、アプリの種類が「写真画像閲覧アプリ・画像描画アプリ」、「ブラウザ・SNS(Social Networking Service)アプリ」、「文書作成アプリ・文書編集アプリ」である場合に、諧調を「2諧調」、「8諧調」、「16諧調」とする対応付けがされた諧調テーブルを記憶している。
【0081】
諧調設定部102は、オブジェクト表示制御部101を実現しているアプリの種類を特定し、表示面11に表示される画像の諧調を、特定したアプリの種類に諧調テーブルにおいて対応付けられている諧調に変更する(例えば画像描画アプリを特定したら2諧調に、文書作成アプリを特定したら16諧調に変更する)。なお、本変形例では、図9の例で表されたように、アプリの種類とテキスト領域の面積比率を対応付けたテーブルを用いる必要はなく、アプリの種類と諧調とを直接対応付けたテーブルが用いられればよい。
【0082】
このように、本変形例では、表示制御部100(オブジェクト表示制御部101及び諧調設定部102)は、図9の例で述べたように、単にオブジェクトを表示させているアプリケーションの種類に対応付けられた諧調の画像を変換の後のオブジェクトとして表示させればよい。これにより、図7の説明で述べたようなテキスト領域の面積比率を算出する処理を行わなくても、図8の例で述べた効果と同じ効果を得ることができる。
【0083】
[2−4]オブジェクトの移動表示
実施例では、オブジェクトの移動表示(少なくとも一部を移動させる表示)として、スクロール表示、拡大表示及び縮小表示が用いられたが、これらに限らない。例えば、オブジェクトを回転させる回転表示、オブジェクトを単に移動させる移動表示(アイコンの移動等)が移動表示として用いられてもよい。
【0084】
例えば拡大表示、縮小表示及び回転表示は、オブジェクト全体としては移動していなくても、オブジェクトの一部は少なくとも移動していると言える。また、オブジェクトを変形させながら移動させる表示(ページ捲り表示等)が移動表示として用いられてもよい。その場合でも、変形前のオブジェクトの一部に対応する部分が移動していると言える。いずれの場合も、実施例と同様に、表示の際に色が変化する画素の数が減少するので、諧調を変化させない場合に比べて、各々の表示を高速化することができる。
【0085】
[2−5]背景画像
オブジェクトの背景に画素値が一様の背景画像(真っ白な画像又は真っ黒な画像等)が表示される場合がある。
図10は背景画像の一例を表す。図10では、真っ白な背景画像BG1が表されている。図10(a)では、黒っぽいオブジェクトG6が矢印E1の方向に移動して、背景画像BG1に重なるように移動表示されている。
【0086】
一方、図10(b)では、白っぽいオブジェクトG7が矢印E1の方向に移動して、背景画像BG1に重なるように移動表示されている。オブジェクトG6、G7はいずれも、表示制御部100(オブジェクト表示制御部101及び諧調設定部102)が、実施例のように移動指示の検知の前に表示させていたオブジェクトを各画素の画素値について閾値を超えるか否かによって2値化した画像であるものとする。
【0087】
図10(a)の場合、オブジェクトG6が重なった部分の画素のうち、奇数番目の画素列pl1の各画素は白、黒、白と順番に色が変わり、偶数番目の画素列pl2の各画素は白から黒に色が変わる。一方、図10(b)の場合、オブジェクトG7が重なった部分の画素のうち、奇数番目の画素列pl1の各画素は色が変わらず、偶数番目の画素列pl2の各画素は白、黒、白と順番に色が変わる。
【0088】
このように、オブジェクトを表す画素の色が背景画像の画素の色に近いほど(この例では黒っぽいオブジェクトほど)、オブジェクトの移動表示が行われたときに色が変化する画素の数が少なくなる場合がある。そこで、本変形例では、表示制御部100が、2値化の際に用いる閾値を背景画像に応じて変動させることで、変換後のオブジェクトの色を背景画像に近づける。
【0089】
具体的には、表示制御部100は、移動指示の検知の前に表示させていたオブジェクトの背景に画素値が一様の背景画像が表示されている場合に、変換の前のオブジェクトの階調における平均値、中央値又は最頻値に相当する画素値よりもその背景画像の画素値との差が大きい画素値を閾値として用いる。中央値とは、オブジェクトを表す全ての画素値を小さい順に並べたとき中央に位置する値であり、最頻値とは、それらの画素値のうち最も頻繁に出現する値である。
【0090】
つまり、表示制御部100は、例えばオブジェクトの表示に256諧調を用いており、画素値(輝度等)の中央値が150であり、背景画像の画素値が255(白色)である場合、150よりも255との差が大きい画素値、すなわち149以下の画素値を閾値として用いる。このように閾値を設定することで、オブジェクトを表す画素群は画素値が0(黒色)で表される画素よりも画素値が255(白色)で表される画素の方が多くなり、白っぽい画像に変換される。
【0091】
本変形例では、上記のとおり背景画像に応じて2値化の際の閾値を変化させることで、オブジェクトと背景画像の境界が変化する移動表示の際に色が変化する画素の数が減少する。これにより、2値化の際に用いる閾値を固定させる場合に比べて、移動表示を高速化することができる。なお、背景画像の画素値は、完全には一致していなくてもよく、背景画像に若干の濃淡があってもよい。例えば図10に表す白色の背景画像に若干黒い部分があったとしても、図10(a)、(b)の例を比べれば、図10(b)の方が移動表示の際に色が変化する画素の数が減少するので、移動表示を高速化することができる。
【0092】
[2−6]領域画像
色が変化する画素の数が減少する変換方法は、上述した諧調を減らす方法に限らない。例えばウェブページ等のスクロール表示が行われる際には、オブジェクトである文字列画像、写真画像又は描画画像等が表示されている領域の形が分かれば、オブジェクトの詳細(例えば文字列の内容、写真の被写体など)が分からなくても、ウェブページのどの部分を自分が見たいかを判断することができる場合がある。
【0093】
そこで、本変形例では、表示制御部100(オブジェクト表示制御部101及び諧調設定部102)が、移動指示の検知の前に表示させていたオブジェクトが表示されている領域を示す図形である領域図形を変換の後のオブジェクトとして表示させる。
図11は領域図形の一例を表す。表示制御部100は、図11(a)に表すように、ウェブページに含まれるオブジェクトとして、文字列画像G11、G13、G15と、車の写真画像G12、G14とを表示させている。
【0094】
表示制御部100は、文字列画像G11、G13、G15について、例えば図7の説明で述べた方法で外接図形A11、A13、A15を特定する。また、表示制御部100は、車の写真画像G12、G14の外接図形A12、A14を、例えばHTML文書に記述された画像のサイズ及び配置等に基づいて特定する(車自体に外接する図形ではなく単に画像ファイルの長方形の外縁を外接図形としている)。
【0095】
表示制御部100は、移動指示が検知されると、表示中のオブジェクトの外接図形を図11(a)に表すように特定し、特定した外接図形を示す領域図形D11、D12、D13、D14、D15を図11(b)に表すように表示させる。図11の例では、表示制御部100は、外接図形の外縁を除く内部の各画素を同一色で表した領域図形、すなわち、形及び色が元のオブジェクトに比べて単純な画像にオブジェクトを変換している。
【0096】
これにより、オブジェクトの変換を行わない場合に比べて、オブジェクトを移動表示させるときに色が変化する画素の数が減少し、移動表示を高速化することができる。一方で、外接図形によりオブジェクトの形が表され、外接図形同士の位置関係から各オブジェクトの配置が表されるので、オブジェクトを移動表示させている途中でも各オブジェクトの形及び配置を把握することができる。
【0097】
なお、領域図形は外接図形に限らない。例えば外接図形の各辺を破線又は鎖線等で表した図形が用いられてもよいし、外接図形の角の部分だけを残した図形が領域図形として用いられてもよい。また、外接図形が囲む領域を単色で表した図形で輪郭線を有しない図形が領域図形として用いられてもよい。それらの領域図形でも、オブジェクトが表示されている領域を示すことができるので、オブジェクトを移動表示させている途中でもユーザが各オブジェクトの形及び配置を把握することができる。
【0098】
また、表示制御部100は、領域図形の元になるオブジェクトの種類によって各画素が異なる色を表した領域図形を表示させている。図11の例では、表示制御部100は、文字列画像の領域を示す領域図形D11、D13、D15は白色、文字列画像以外のオブジェクト(図11の例では写真画像)の領域を示す領域図形D12、D14は黒色で表している。これにより、オブジェクトを移動表示させている途中でも各オブジェクトの種類を把握することができる。なお、本変形例の効果は、スクロール表示に限らず、他の移動表示においても得ることができる。
【0099】
[2−7]種類画像
色が変化する画素の数が減少する変換方法は、上述した諧調を減らす方法に限らない。例えばウェブページ等には、文字列画像、写真画像又は描画画像等のように複数の種類のオブジェクトが含まれる場合があり、例えばスクロール表示を行う際に、どの種類のオブジェクトが表示されているかが分かれば、オブジェクトの詳細(例えば文字列の内容、写真の被写体など)が分からなくても、ウェブページのどの部分を自分が見たいかを判断することができる場合がある。
【0100】
そこで、本変形例では、表示制御部100(オブジェクト表示制御部101及び諧調設定部102)が、移動指示の検知の前に表示させていたオブジェクトが表示されている領域にそのオブジェクトの種類を示す種類画像を変換の後のオブジェクトとして表示させる。
図12は種類図形の一例を表す。図12(a)では、表示制御部100が、図11(a)に表す文字列画像G11、G13、G15を変換した種類画像F21、F23、F25と、車の写真画像G12、G14を変換した種類画像F22、F24を表示させている。
【0101】
種類画像F21、F23、F25は、図11(b)に表す文字列画像G11、G13、G15の領域図形D11、D13、D15の外縁と、文字列画像であることを示す「テキスト」という文字列とで表されている。種類画像F22、F24は、図11(b)に表す車の写真画像G12、G14の領域図形D12、D14の外縁と、写真画像であることを示す「写真」という文字列とで表されている。
【0102】
図12(b)では、表示制御部100が、文字列画像G11、G13、G15を変換した種類画像F31、F33、F35と、車の写真画像G12、G14を変換した種類画像F32、F34を表示させている。種類画像F31、F33、F35は、オブジェクトの種類が文字列画像であることを示す「テキスト」という文字列と、各オブジェクトの表示領域を埋める「・・・」という記号で表されている。
【0103】
種類画像F32、F34は、オブジェクトの種類が写真画像であることを示す「写真」という文字列と、各オブジェクトの表示領域を埋める「・・・」という記号で表されている。なお、表示制御部100は、オブジェクトの種類ごとに異なる記号を用いた種類画像(例えば文字列画像は「・・・」、写真画像は「***」など)を表示させてもよい。これにより記号が一律の場合に比べてオブジェクトの種類を見分けやすくすることができる。また、本変形例では、オブジェクトの移動表示中に種類画像が表示されるので、移動表示を行っている途中でも表示されている各オブジェクトの種類を把握することができる。
【0104】
なお、本変形例の効果は、スクロール表示に限らず、他の移動表示においても得ることができる。また、種類画像は上記の画像に限らず、例えば文字列画像は第1濃度の単色の画像、写真画像は第2濃度の単色の画像というように、オブジェクトの種類ごとに異なる濃度の単色の画像が種類画像として用いられてもよい。その場合でも、どの濃度がどの種類のオブジェクトであるかをユーザが知っていれば、本変形例の効果を得ることができる。
【0105】
[2−8]諧調設定部
諧調設定部102は、実施例では表示面11に表示される全ての画像の諧調を一律に設定したが、これに限らない。諧調設定部102は、移動指示により移動表示されるオブジェクトの諧調とそのオブジェクト以外の画像の諧調を別々に設定してもよい。諧調設定部102は、例えば移動表示されるオブジェクトは2諧調に設定し、それ以外の画像は256諧調に設定する。その場合でも、オブジェクト内の画素については移動表示の際に色が変化する画素の数が減少するので、移動表示を高速化することができる。
【0106】
[2−9]機能構成
スマートフォンの機能構成は図2に表すものに限らない。例えば図2に表す複数の機能ブロックを1つの機能ブロックに統合してもよい。また、1つの機能ブロックに複数の機能が含まれている場合に、機能の一部を分離させて新たな機能ブロックを設けてもよい。また、1つの機能ブロックが複数の動作を行っている場合に、その動作の一部を他の機能ブロックが行ってもよい。
【0107】
例えばスクロール指示検知部111、拡大指示検知部112及び縮小指示検知部113を統合して移動指示を検知する移動指示検知部としてもよい。また、例えば、オブジェクト表示制御部101が行っていたオブジェクトの変換機能を分離してオブジェクト変化部をスマートフォンに備えさせてもよい。いずれの場合も、機能構成の全体で図2に表す各機能と同等の機能が実現されていればよい。
【0108】
[2−10]移動指示
移動指示は、上述したものに限らない。例えばスクロール指示を1つのタッチ位置の移動ではなく2つ以上のタッチ位置の移動により行ってもよいし、スクロールバーの操作により行ってもよい。また、拡大ボタン及び縮小ボタンを表示させてそれらを操作することで拡大指示及び縮小指示を行ってもよい。また、それら以外のボタン操作又はジェスチャを移動指示に対応付けて行ってもよい。
【0109】
[2−11]表示装置
実施例では、電気泳動方式の表示装置が用いられたが、これに限らず、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等が用いられてもよい。色が変化する画素の数が多いほどスクロール表示等の移動表示に要する時間が長くなる表示装置であれば、どのような表示装置が用いられてもよい。
【0110】
[2−12]発明のカテゴリ
本発明は、スマートフォンに限らず、例えばタブレット端末、フィーチャーフォン及びノートパソコン等にも適用可能である。また、例えばデスクトップパソコンの本体はディスプレイを備えていないが、ディスプレイを接続することで本発明を適用することができる。要するに、本発明は、表示装置を制御する処理を行う情報処理装置であって図2に表す各機能を実現するものであれば適用することができる。
【0111】
また、本発明は、そのような情報処理装置の他、その情報処理装置が実施する処理を実現するための情報処理方法としても捉えられるし、その情報処理装置を制御するコンピュータを機能させるためのプログラムとしても捉えられる。このプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してコンピュータにダウンロードさせ、それをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されてもよい。
【0112】
[2−13]処理手順等
本明細書で説明した各実施例の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾がない限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0113】
[2−14]入出力された情報等の扱い
入出力された情報等は特定の場所(例えばメモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0114】
[2−15]ソフトウェア
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0115】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0116】
[2−16]情報、信号
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0117】
[2−17]「に基づいて」の意味
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0118】
[2−18]「及び」、「又は」
本明細書において、「A及びB」でも「A又はB」でも実施可能な構成については、一方の表現で記載された構成を、他方の表現で記載された構成として用いてもよい。例えば「A及びB」と記載されている場合、他の記載との不整合が生じず実施可能であれば、「A又はB」として用いてもよい。
【0119】
[2−19]態様のバリエーション等
本明細書で説明した各実施例は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0120】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施例に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12