(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6777852
(24)【登録日】2020年10月13日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】フッ素含有化合物ガスの検出方法
(51)【国際特許分類】
G01N 31/00 20060101AFI20201019BHJP
G01N 31/12 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
G01N31/00 Q
G01N31/12 A
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-184095(P2016-184095)
(22)【出願日】2016年9月21日
(65)【公開番号】特開2018-48888(P2018-48888A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2019年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002200
【氏名又は名称】セントラル硝子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】市丸 広志
【審査官】
大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−184820(JP,A)
【文献】
特開2000−249695(JP,A)
【文献】
特開平03−146861(JP,A)
【文献】
特開2003−139760(JP,A)
【文献】
特開2002−022725(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第00663233(EP,A1)
【文献】
特開平05−309259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 31/00 − 31/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素含有化合物ガスと固体金属酸化物とを、100〜800℃の温度範囲で接触反応させ、生成したガスを検出することを特徴とし、
前記フッ素含有化合物ガスが、C5F8、C4F8、C4F6、C2F6、C3F8、CF4、C5HF7、CH2F2、CHF3、CCl3F、CCl2F2、CClF3、CHClF2、CBr2F2、CBrF3、CBr3F、CHBr2F、CHBrF2、CBrClF2、C2BrF5、C2ClF5、C2Cl2F4、C2Cl3F3、C2BrF4、C2Br2F4、C2H2Br2F4、C2Br2ClF3、NF3からなる群から選ばれる一つ以上であり、
前記固体金属酸化物がシリコン酸化物及びタングステン酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つであり、
前記フッ素含有ガスの濃度が、1体積ppb以上1000体積ppm以下の濃度範囲であるフッ素含有化合物ガスの検出方法。
【請求項2】
前記シリコン酸化物がSiO2であり、前記タングステン酸化物がWO3であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素含有化合物ガスの検出方法。
【請求項3】
前記固体金属酸化物表面に、アルカリ金属フッ化物及びアルカリ金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを添着させることを特徴とする請求項1又は2に記載のフッ素含有化合物ガスの検出方法。
【請求項4】
前記アルカリ金属フッ化物が、NaF及びKFからなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項3に記載のフッ素含有化合物ガスの検出方法。
【請求項5】
前記アルカリ金属水酸化物が、NaOH及びKOHからなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項3に記載のフッ素含有化合物ガスの検出方法。
【請求項6】
前記温度範囲が、200〜500℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフッ素含有化合物ガスの検出方法。
【請求項7】
前記固体金属酸化物を含む充填物を充填した筒内に、前記フッ素含有化合物ガスを流通させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフッ素含有化合物ガスの検出方法。
【請求項8】
前記フッ素含有化合物ガスがC5F8であり、
前記固体金属酸化物がシリコン酸化物であり、
前記フッ素含有化合物ガスの濃度が、0.01体積ppm以上20体積ppm以下の濃度範囲であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のフッ素含有化合物ガスの検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微量のフッ素含有化合物ガスを検出することができるフッ素含有化合物ガスの検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クロロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、パーフルオロコンパウンズ等のフッ素含有化合物ガスの中には、オゾン破壊係数(ODP)や地球温暖化係数(GWP)の高いものが数多く存在し、近年国際的に大きな問題となっている。このためODPやGWPの低い代替ガスも開発されてきているが、これらの中には可燃性または毒性のあるガスも多く含まれている。
【0003】
これらフッ素含有化合物ガスの検出には、フッ素含有化合物ガスの赤外線吸収を利用した赤外線式や熱線コイルの抵抗変化を利用した熱線式のセンサーが存在するが、いずれも検出下限が数100ppmであり、数ppmのフッ素含有化合物ガスの検出は不可能であった。近年開発されてきているODPやGWPの低い代替ガス中には、可燃性または毒性のあるガスも多く含まれており、これらガスについては数ppmオーダーの微量の検出が必要となってきている。
【0004】
数ppmオーダーの微量のフッ素含有化合物ガスの検出方法として、本出願人は、当該ガスを加熱した固体金属と接触反応させ検知しやすいガスに変換し、当該ガスを、電気分解を使用したガス検知器やテープ式のガス検知器の出力により検出することを特徴とするフッ素含有化合物ガスの検出方法を開示した(特許文献1)。また、さらに反応温度を下げても必要な反応速度が得られる方法として、表面にアルカリ金属フッ化物を添着した当該固体金属を用いる方法を提案した(特許文献2)。そして、さらに表面の添着物を長期に均一に保持する方法として、当該添着物をアルカリ金属水酸化物又は金属酸化物とすることを提案した(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3375072号公報
【特許文献2】特許3640601号公報
【特許文献3】特開2003−139760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、フッ素含有化合物ガスの検出方法において、固体金属にアルカリ金属フッ化物等を添着した当該固体薬剤を用いた場合、反応温度を下げても必要な反応速度を得ることができたものの、400℃程度の高温加熱を要する(特許文献2、3)。そのため、加熱装置が大きくなり、加熱装置の材質もこの温度に耐久性のあるものに限定されてくる。また、消費電力も多くなることからランニングコストも増加する。本発明はこの様な点に着目してなされたもので、反応を起こさせるための加熱温度を低下させても微量のフッ素含有化合物ガスを検出できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上述の問題について鋭意検討を重ねた結果、フッ素含有化合物ガスを固体金属ではなく固体金属酸化物と反応させることにより、微量のフッ素含有化合物ガスを検出するための反応を起こさせるための加熱温度を低下させることを見出した。さらに当該反応において、金属酸化物表面にアルカリ金属フッ化物またはアルカリ金属酸化物を添着することが有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち本発明は、フッ素含有化合物ガスと固体金属酸化物とを、100〜800℃の温度範囲で接触反応させ、生成したガスを検出することを特徴とするフッ素含有化合物ガスの検出方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、従来に比べて低い加熱温度でも、微量のフッ素含有化合物ガスの検出が可能な方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】フッ素含有化合物ガスの検出確認のための実験装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフッ素含有化合物ガスの検出方法では、固体金属酸化物または、これにアルカリ金属酸化物またはアルカリ金属フッ化物を添着させたものを、フッ素含有化合物ガスを微量含むガスに100〜800℃の温度範囲で接触反応させる工程と、前記反応により生成したガスを検出する工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
検出の対象とするフッ素含有化合物ガスとは、クロロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、ハイドロフロロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロコンパウンズ等であり、特に、C
5F
8、C
4F
8、C
4F
6、C
2F
6、C
3F
8、CF
4、C
5HF
7、CH
2F
2、CHF
3、CCl
3F、CCl
2F
2、CClF
3、CCl
4、CHClF
2、CH
3Cl、CH
3Br、CHCl
3、CBr
2F
2、CBrF
3、CH
2Br
2、CH
2BrCl、CBr
3F、CHBr
2F、CHBrF
2、CBrClF
2、C
2H
3Cl、C
2BrF
5、C
2ClF
5、C
2Cl
2F
4、C
2Cl
3F
3、C
2BrF
4、C
2Br
2F
4、C
2H
2Br
2F
4、C
2Br
2ClF
3、NF
3である。本発明の検出方法で対象とするガスについて、微量とは、フッ素含有化合物ガスが数千体積ppm以下のガス濃度であり、特に1ppb以上1000ppm以下の濃度範囲のガスである。特に、C
5F
8を検知の対象とする場合、暴露許容濃度が2体積ppmであるため、0.01体積ppm以上20体積ppm以下の濃度範囲で良好に検知できることが好ましく、0.1体積ppm以上10体積ppm以下の濃度範囲で良好に検知できることがより好ましい。
【0013】
本発明では、上述したフッ素含有化合物ガスと、固体金属酸化物とを加熱状態下で接触反応させ、よりガス検知しやすいガスである、SiF
4、WF
6等のガスに変換する。固体金属酸化物の表面には、アルカリ金属フッ化物やアルカリ金属水酸化物が添着されていてもよい。
【0014】
本発明で用いる固体金属酸化物は、シリコン酸化物とタングステン酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つであり、シリコン酸化物の例としてはSiO
2、タングステン酸化物の例としてはWO
3を挙げることができる。また添着物としては、アルカリ金属フッ化物はフッ化ナトリウム又はフッ化カリウム等であり、アルカリ金属水酸化物は水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等である。これらを添着することで、より低い温度で固体金属酸化物がフッ素含有化合物ガスと反応する。
【0015】
本発明において、当該固体金属酸化物の外形は球状又は破砕状である。その表面状態は特に限定されないが、表面積の大きい多孔質のものや粗面化されたものが望ましい。固体金属酸化物の純度は特に限定されないが、90質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましい。
【0016】
当該固体金属酸化物の大きさは、目開き9.5mmの篩を通過し、目開き0.5mmの篩を通過しなかったものである。目開き9.5mmの篩を通過しない大きなものは、充填スペースが大きくなり、大量の検出対象ガスを必要とすることや当該ガスとの接触面積の減少により反応が不十分になるといった問題が生じるため適していない。また、目開き0.5mmの篩を通過したものは、被測定ガスの経路を封鎖し流れを阻害するため適していない。
【0017】
フッ素含有化合物ガスにC
5F
8ガスを用い、酸素存在下において280±50℃で固体金属酸化物であるSiO
2に接触させた場合、(1)式のような検知しやすい被測定ガスであるSiF
4が得られる。同様の反応は100〜800℃の温度範囲で生じると考えられる。
C
5F
8+2SiO
2+3O
2→2SiF
4+5CO
2 (1)
【0018】
添着物として、アルカリ金属水酸化物を用いる場合、アルカリ金属水酸化物であるNaOH、KOH等は、フッ素含有化合物ガスとの反応により種々な金属フッ化物を作る。例えば、当該フッ素含有化合物ガスにC
5F
8ガスを用い、当該アルカリ金属酸化物にNaOHを用いた場合、酸素の存在下において300±50℃で(2)式のような反応が得られる。
C
5F
8+8NaOH+3O
2→8NaF+4H
2O+5CO
2 (2)
ここで生成されたNaFは、当該固体金属酸化物にSiO
2を用いた場合、水分の存在下において、300±50℃で(3)式に示したようにSiF
4が生成される。
4NaF+SiO
2+2H
2O→SiF
4+4NaOH (3)
【0019】
添着物として、アルカリ金属フッ化物を用いる場合、あらかじめ処理を要する。例えば、アルカリ金属フッ化物にNaFを用い、当該固体金属酸化物にSiO
2を用いた場合、水分及び酸素の存在下において300±50℃で(3)式に示したようにSiF
4が生成される。SiF
4の生成とともにNaFがNaOHに置換され、これが完了するまで、あらかじめSiF
4を別途系外に排出する必要があるが、置換後においては、フッ素含有化合物ガスの検出について(2)から(3)式と同様な反応メカニズムとなる。以上の通り、C
5F
8ガスを処理するには、固体金属酸化物を200〜500℃、好ましくは250〜400℃、より好ましくは300〜380℃に加熱することが好ましい。
【0020】
図1は、本発明方法によるフッ素含有化合物ガスを検出確認するための実験装置の概略図を示す。サンプルガス充填容器1には大気中に検出対象となる微量のフッ素含有化合物を含んだガスが充填されている。充填筒2には固体金属酸化物や固体金属、またはこれにアルカリ金属フッ化物やアルカリ金属水酸化物を添着したものが充填され、この充填筒内にサンプルガス充填容器内のガスを毎分500cm
3程度導入し、当該充填物と接触させる。充填筒2は、加熱ヒータ3により加熱し、充填筒内部の充填物を加熱する。ただし、加熱温度はガスの流れにより温度低下が起きるため、フッ素含有化合物ガスの検出を確認するためには、上述の反応温度より高い温度が必要となる。充填筒2の出口からは、電気分解を使用したガス検知器4やテープ式のガス検知器5に導入され、これらガス検知器により、検出に必要な電気出力が得られる。
【0021】
電気分解を利用したガス検知器4では、電極上でSiF
4、WF
6等のガスを電気分解し、そのとき発生する電気出力によりフッ素含有化合物ガスを検出できる。さらに、ガス検知器の別の方式であるテープ式のガス検知器5では、発色剤を含浸させたニトロセルロース等の材質で作られた通気性のあるテープにSiF
4、WF
6等のガスを通過させ、反応により形成される発色からの反射光を電気出力に変換し、フッ素含有化合物ガスを検出する。
【実施例】
【0022】
以下、実施例により具体的に説明するが、かかる実施例に限定されるものではない。また、実施例と比較例を表1、2にまとめた。
【0023】
[実施例1]
検出対象ガスとしてC
5F
8=10体積ppmの大気を用い、固体金属酸化物に球状である多孔質のSiO
2を用いた。当該固体金属酸化物の大きさは、目開き2.0mmの篩を通過し、目開き1.0mmの篩を通過しなかったものである。これらを充填筒に充填し350℃に加熱した。
検出対象ガスを導入後、表1のように固体金属酸化物との反応で生成したガスの成分により電気分解を利用したガス検知器とテープ式のガス検知器において検出が確認された(表1中に○で示した)。
【0024】
[実施例2〜35]
実施例1と同様な方法で、検出対象ガスを種々変えて測定を実施した。検出対象ガスの濃度は、いずれも10体積ppmの大気とした。検出対象ガス別による測定結果は表1のように検出対象ガスの種類を変えても電気分解を利用したガス検知器とテープ式のガス検知器において検出が確認された。
【0025】
[実施例36]
実施例1と同様な方法で、金属固体酸化物にSiO
2でなく、球状である多孔質のWO
3を用い測定を実施した。その結果、表1のように金属酸化物の種類を変えても電気分解を利用したガス検知器とテープ式のガス検知器において検出が確認された。
【0026】
[実施例37〜40]
実施例1と同様な方法で、当該固体金属酸化物表面に添着物としてはアルカリ金属フッ化物であるNaF、KF、アルカリ金属水酸化物であるNaOH、KOHを用い、該SiO
2に重量割合で1000ppmになるように添着させ、測定を実施した。充填筒加熱温度は330℃とした。当該添着物別による測定結果は表1のように電気分解を利用したガス検知器とテープ式のガス検知器において検出が確認された。
【0027】
[比較例1]
実施例1と同様な方法で、固体金属酸化物であるSiO
2でなく、固体金属であるSiを用いた。当該固体金属の大きさは、目開き2.0mmの篩を通過し、目開き1.0mmの篩を通過しなかったものである。これらを充填筒に充填し、実施例1と同様に350℃に加熱した。
検出対象ガスを導入後、表2のように固体金属との反応で生成したガスの成分により電気分解を利用したガス検知器とテープ式のガス検知器において検出が確認されなかった(表2中に×で示した)。
【0028】
[比較例2〜3]
比較例1と同様な方法で、検出対象ガスをC
4F
6、C
5HF
7として測定を実施した。検出対象ガスの濃度は、いずれも10体積ppmの大気とした。充填筒の加熱温度は、いずれも実施例3および7と同様に350℃とした。検出対象ガス別による測定結果は表1のように検出対象ガスの種類を変えても電気分解を利用したガス検知器とテープ式のガス検知器において検出が確認されなかった。
【0029】
[比較例4]
比較例1と同様な方法で、固体金属であるSiでなく、Wを用いた。当該固体金属の大きさは、目開き2.0mmの篩を通過し、目開き1.0mmの篩を通過しなかったものである。これらを充填筒に充填し、実施例35と同様に350℃に加熱した。
検出対象ガスを導入後、表1のように固体金属との反応で生成したガスの成分により電気分解を利用したガス検知器とテープ式のガス検知器において検出が確認されなかった(表2中に×で示した)。
【0030】
[比較例5〜6]
比較例1と同様な方法で、当該固体金属表面に添着物としてはアルカリ金属フッ化物であるNaF、アルカリ金属水酸化物であるNaOHを用い、該Siに重量割合で1000ppmになるように添着させ、測定を実施した。充填筒加熱温度は実施例37〜40と同様に330℃とした。当該添着物別による測定結果は表1のように電気分解を利用したガス検知器とテープ式のガス検知器において検出が確認されなかった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
実施例1と比較例1を比較すると、同一のフッ素含有化合物ガスの検出において、当該ガスと反応する充填筒内の固体金属を固体金属酸化物とすることで、当該ガスの検出に必要な当該充填筒の加熱温度を低くすることができた。これは当該ガスまたは当該ガスから生成したガスが、固体金属より固体金属酸化物との反応速度が高く、加熱温度を低くできたものと考えられる。
以上詳述したように、本発明の方法によれば、フッ素含有化合物ガスの検出方法において、フッ素含有化合物ガスを微量含むガスを加熱した固体金属酸化物と接触反応させ、生成したガスを検出することにより、低い加熱温度で検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明により、例えば、半導体素子製造工程において使用されるフッ素含有化合物ガスが、装置から漏出した場合や、排ガス処理装置の出口ガスに混入した場合に、微量でも検知することができ、フッ素含有化合物ガスの作業員への暴露や大気中への放出を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0035】
1・・・サンプルガス(フッ素含有化合物ガス)充填容器
2・・・充填筒
3・・・充填筒加熱ヒータ
4・・・電気分解を使用したガス検知器
5・・・テープ式のガス検知器