特許第6777880号(P6777880)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6777880
(24)【登録日】2020年10月13日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20201019BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20201019BHJP
   F21V 17/10 20060101ALI20201019BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20201019BHJP
【FI】
   F21S9/02 214
   F21S8/04 110
   F21S9/02 213
   F21V17/10 203
   F21Y115:10 300
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-103521(P2016-103521)
(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公開番号】特開2017-212073(P2017-212073A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2019年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】辻 裕也
(72)【発明者】
【氏名】辻 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】冨山 和也
(72)【発明者】
【氏名】世良 大志郎
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−192333(JP,A)
【文献】 特開2015−125804(JP,A)
【文献】 実開昭59−055810(JP,U)
【文献】 特開2006−210028(JP,A)
【文献】 特開2013−069710(JP,A)
【文献】 特開平07−087685(JP,A)
【文献】 実開平06−005013(JP,U)
【文献】 特開2015−185385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21S 8/04
F21V 17/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する器具本体と;
前記器具本体の前記開口部側に配設された光源部と;
前記器具本体内に配設され前記光源部を点灯させる電源部と;
前記器具本体の前記開口部に配置される化粧枠、前記化粧枠を前記器具本体に着脱可能に係止する係止部、および前記器具本体に取り付けられ前記開口部から開放移動された前記化粧枠を支持する支持ばねを有するカバー体と;
前記器具本体内に前記開口部から挿脱可能に配置される電池部、および前記器具本体に着脱可能に係止される一対の係止ばねを備え、前記電池部は、前記光源部の裏面側よりも前記器具本体内の奥側に配置される端面を有し、前記一対の係止ばねは、前記端面の側部位置で前記電池部に取り付けられており、前記端面から突出されて前記器具本体の前記開口部から操作可能とする操作部をそれぞれ有し、これら操作部が互いに対向されているとともに、これら操作部の互いに対向する方向への操作状態で前記器具本体に対する前記係止ばねの係止が解除され、かつ平面視において互いに対向する前記操作部を結ぶ線が前記係止部と前記支持ばねを結ぶ線と直交されている電池ユニットと;
を具備することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記係止ばねの前記操作部は、前記係止ばねが前記器具本体に係止された状態で、前記電池部の前記端面に垂直な方向に対して前記操作部の互いに対向する方向の外側に向けて傾斜されている
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
記電池ユニットが前記器具本体の前記支持ばねの取付位置に対して反対側に配置されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【請求項4】
前記器具本体の外側でかつ前記電池ユニットを配置する側に対して反対側に配設される端子台を具備している
ことを特徴とする請求項3記載の照明装置。
【請求項5】
前記電源部は、少なくとも3つの電源端子部が設けられているとともにこれら電源端子部のうち電池種類に応じた所定の2つの電源端子部が使用される電源コネクタを有し、
前記電池部は、少なくとも3つの電池端子部が設けられているとともにこれら電池端子部のうち電池種類に応じた所定の2つの電池端子部が使用され前記電源コネクタに接続される電池コネクタを有する
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電池ユニットを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部電源の停電時に、電池電源により光源を点灯するようにした非常灯などの照明装置がある。
【0003】
このような照明装置では、光源に給電するための電池ユニットを備えている。この電池ユニットは電池寿命などによる交換作業が定期的に必要となるため、電池ユニットが器具本体に対して容易に着脱できることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−65076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電池ユニットが器具本体に対して容易に着脱できる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、器具本体、光源部、電源部、カバー体および電池ユニットを有する。器具本体は、開口部を有する。光源部は、器具本体の開口部側に配設される。電源部は、器具本体内に配設され光源部を点灯させる。カバー体は、器具本体の開口部に配置される化粧枠、化粧枠を器具本体に着脱可能に係止する係止部、および器具本体に取り付けられ開口部から開放移動された化粧枠を支持する支持ばねを有する。電池ユニットは、器具本体内に開口部から挿脱可能に配置される電池部、および器具本体に着脱可能に係止される一対の係止ばねを有する。電池部は、光源部の裏面側よりも器具本体内の奥側に配置される端面を有する。一対の係止ばねは、電池部の端面の側部位置で電池部に取り付けられており、電池部の端面から突出されて器具本体の開口部から操作可能とする操作部をそれぞれ有する。操作部が互いに対向されているとともに、操作部の互いに対向する方向への操作状態で器具本体に対する係止ばねの係止が解除され、かつ平面視において互いに対向する操作部を結ぶ線が係止部と支持ばねを結ぶ線と直交されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、器具本体に対する電池ユニットの着脱を容易にすることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す照明装置の断面図である。
図2】同上照明装置の断面図である。
図3】同上照明装置の光源部、放熱器および電源部の分解斜視図である。
図4】同上光源部の分解斜視図である。
図5】同上照明装置の化粧枠を外した状態の底面図である。
図6】同上照明装置の化粧枠および電池部を外した底面図である。
図7】同上照明装置の斜視図である。
図8】同上照明装置の化粧枠の仮吊り状態の斜視図である。
図9】同上照明装置の電池部を着脱する状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図1ないし図9を参照して説明する。
【0010】
図7に示すように、照明装置(照明器具)10は、停電時などの非常時に点灯する非常灯などの非常用照明装置である。この照明装置10は、天井板などに開口された埋込孔に埋め込み設置される埋込形器具構造に構成されている。
【0011】
図2図8および図9に示すように、照明装置10は、器具本体11、この器具本体11内に配設される本体ユニット12、器具本体11内に着脱可能に配置される電池ユニット13、器具本体11の下面側に開閉および着脱可能に配置されるカバー体14、および器具本体11にそれぞれ取り付けられた一対の器具取付ばね15および端子台16などを備えている。
【0012】
そして、図1図2図5ないし図9に示すように、器具本体11は、本体部20、およびこの本体部20の上面に取り付けられた天板21を有している。
【0013】
本体部20は、例えばアルミダイカスト製で、上下に開口する円筒状に一体に形成されている。本体部20の下面側に開口部23が形成され、本体部20の下部側周辺部にフランジ部24が突設されている。
【0014】
本体部20内には、本体部20内の中央部から一側周辺部に亘る領域に本体ユニット12が配置される本体ユニット収容部25が形成され、本体部20内の他側周辺部に電池ユニット13が着脱可能に配置される電池ユニット収容部26が形成されている。
【0015】
本体部20の電池ユニット13が配置される側に対して反対側となる一側にカバー体14を取り付けるための支持ばね取付部27が設けられ、本体部20の他側の側壁部にカバー体14を取り付けるための係止孔28が形成されている。支持ばね取付部27は、上下に開口する取付溝29を有し、本体部20の内壁から一体に突設されている。
【0016】
本体部20の電池ユニット収容部26内で、かつ本体部20の一側および他側に対して直交する方向の両側で、互いに平行かつ直線上に対向した位置に、電池ユニット13を係止するための一対の被係止部としての爪部30が突設されている。爪部30は、上面側が略水平面、下面側が上面側の先端へ向けて傾斜する傾斜面に形成されている。
【0017】
本体部20の一側および他側に対して直交する方向の両側には、一対の器具取付ばね15がそれぞれ取り付けられる器具取付ばね取付部31が設けられている。
【0018】
天板21は、本体ユニット12を支持し、本体部20の上面側にねじ止めによって取り付けられているとともに熱的に接続されている。天板21には、本体部20の一側方すなわち電池ユニット13が配置される側に対して反対側に突出する端子台取付部32が突設されている。この端子台取付部32の下面に端子台16が取り付けられている。
【0019】
また、図2図3図5および図6に示すように、本体ユニット12は、放熱器36、光源部37および電源部38を有し、これらが一体的に組み合わされて構成されている。放熱器36および光源部37が器具本体11内の中央部に配置されているとともに光源部37が開口部23側に配置され、電源部38が器具本体11内の一側に配置されている。
【0020】
放熱器36は、例えばアルミダイカスト製で、光源取付部40、およびこの光源取付部40の上面から突出する複数の柱部41を有している。光源取付部40の下面に平面状の光源取付面42が形成されている。各柱部41の上端が天板21にねじ止めされ、放熱器36が天板21に固定されているとともに熱的に接続されている。
【0021】
光源部37は、図2ないし図4に示すように、放熱器36の光源取付面42に配置される発光モジュール44、この発光モジュール44を位置決め保持するとともに電源部38に対して電気的に接続するソケットであるホルダ45、発光モジュール44から放射された光の配光を制御するレンズ46、およびこのレンズ46をホルダ45との間に保持するレンズ押え部47を有している。
【0022】
光源部37の発光モジュール44は、基板49、およびこの基板49の表面に実装された発光素子50を有している。本実施形態では、発光モジュール44は、基板49の表面に発光素子50としての複数のLEDが実装されているとともにこれらLEDが蛍光体層51で一体に覆われたCOB(Chip On Board)モジュールが用いられている。そして、蛍光体層51の表面が光を放射する発光部(発光面)52である。また、基板49は、四角形状で、表面に配線パターン53が形成されている。配線パターン53には、基板49の中央に複数の発光素子50(LED)を実装して例えば直列に接続する実装パターン領域が形成され、この実装パターン領域よりも基板49の外側に発光素子50(LED)に電気的に接続される正極および負極の電極パッド部54がそれぞれ形成されている。
【0023】
光源部37のホルダ45は、絶縁性を有する樹脂製のホルダ部56、およびこのホルダ部56に組み込まれた一対の端子57を備えている。ホルダ部56は、中央に発光モジュール44の発光部52に対向して光が通過する開口58が形成された環状に形成されている。ホルダ部56の裏面には、基板49を位置決め嵌合する四角形状の嵌合溝59が形成されている。この嵌合溝59内に発光モジュール44の正極および負極の各電極パッド部54にそれぞれ電気的に接続される一対の端子57の接点部が配設されている。ホルダ部56の側部には電源部38と電気的に接続するための一対の電線がそれぞれ挿入される一対の電線挿入孔60が形成され、これら電線挿入孔60の内側に各電線にそれぞれ電気的に接続される一対の端子57の電線接続部が配設されている。そして、複数のねじ61でホルダ部56が放熱器36の光源取付面42に締め付け固定され、このホルダ部56で発光モジュール44の基板49を光源取付面42との間に挟み込んでその光源取付面42に押し付けるとともに、一対の端子57の接点部が基板49の一対の電極パッド部54にそれぞれ接触して電気的に接続されている。
【0024】
光源部37のレンズ46は、ガラス製で、一体に形成されている。レンズ46は、表面側に突出するレンズ部63、このレンズ部63の裏面側周辺部から突設された環状の縁部64、およびこの縁部64の裏面側周辺部から突出する嵌合部65を有している。レンズ部63は、裏面側に凹状の入射面66が設けられ、表面側に凸状の出射面67が設けられており、発光モジュール44の発光部52からの光を所定の配光として照明空間に出射する。縁部64の一側および他側の相対する両外側には位置決め用の扁平部68がそれぞれ形成されている。嵌合部65は、ホルダ部56(ホルダ45)の外周に嵌合してホルダ部56(ホルダ45)に位置決めする位置決め部69として構成されている。嵌合部65には、扁平部68と直交する両側に、ホルダ45に接続する電線を通すための溝部70が形成されている。溝部70は、嵌合部65の両側の対称位置に設けられており、光源部37の組立時にはどちらの溝部70でもホルダ45の電線挿入孔60側に合わせることができ、組立性の向上を図っている。
【0025】
光源部37のレンズ押え部47は、樹脂製で、レンズ46のレンズ部63が挿通する挿通孔71が形成されている。レンズ押え部47は、レンズ46の縁部64をホルダ部56との間に挟み込んで、レンズ46を保持する。レンズ押え部47には、レンズ46の縁部64の扁平部68に組み合わされるレンズガイド部72が設けられている。
【0026】
電源部38は、電源回路74、およびこの電源回路74を収容する電源ケース75を有している。
【0027】
電源回路74は、基板76、およびこの基板76に実装された複数の電子部品77を有し、端子台16から交流電源などの外部電源を入力する。電源回路74は、外部電源により電池ユニット13(蓄電池102)を充電する充電回路、外部電源の停電を検出する停電検出回路、停電時に電池ユニット13(蓄電池102)の電源で発光モジュール44を点灯させる点灯回路、電池ユニット13の状態および発光モジュール44の状態などを点検する点検回路などを有している。
【0028】
電源回路74は、基板76の下端側にそれぞれ実装された点検スイッチ78、モニタランプ79、受信部80および送信部81を有している。点検スイッチ78は、外部からの操作によって点検回路による点検動作を開始させる。モニタランプ79は、充電中、点検回路の点検動作およびこの点検回路による点検結果などを表示する。受信部80は、図示しないリモコンなどの端末から赤外線などの無線によって送信されてくる信号を受信するものであり、受信する信号には点検モードの開始を指令する点検信号や時間情報などが含まれている。送信部81は、赤外線などの無線によって信号を端末に送信するものであり、送信する信号には点検結果を含む履歴などが含まれている。照明装置10の設置高さが高い高天井用の場合には送信距離を確保するために2つの送信部81が用いられるが、高天井用以外の場合には1つの送信部81のみでもよい。
【0029】
電源回路74は、基板76に実装され電池ユニット13と電気的に接続される電源コネクタ82を有している。電源コネクタ82は、電源部38の下方に向けて設けられ、内側に3つの電源端子部83が配設されている。3つの電源端子部83のうちの1つが負極用であり、残りの2つが正極用であり、例えば光出力の違いに応じた器具種類によっていずれか一方の正極用の電源端子部83が用いられる。例えば、高光出力の器具種類では一方の正極用の電源端子部83が用いられ、低光出力の器具種類では他方の正極用の電源端子部83が用いられる。
【0030】
電源ケース75は、上側の第1ケース部84および下側の第2ケース部85を有し、これら第1ケース部84と第2ケース部85とが組み合わされて電源回路74を収容する。第1ケース部84は、放熱器36に組み合わされて爪部86で係止されているとともに、天板21にねじ止めされている。第2ケース部85は、この第2ケース部85の両側に設けられている係止片87が第1ケース部84の両側に設けられている係止突起88に係止されることで、第1ケース部84に取り付けられている。
【0031】
電源ケース75の第2ケース部85に、レンズ押え部47が一体に形成されている。この第2ケース部85を第1ケース部84に取り付けることにより、第2ケース部85のレンズ押え部47でレンズ46をホルダ45との間に挟み込んで保持する。なお、レンズ押え部47は、電源ケース75とは別に設けていてもよい。
【0032】
電源ケース75の第2ケース部85の下面には、点検スイッチ78を操作するための点検スイッチ部89が一体に形成されているとともに、モニタランプ79に対向するモニタ孔90、受信部80に対向する受信孔91、送信部81に対向する送信孔92、および電源コネクタ82に対向するコネクタ孔93がそれぞれ形成されている。点検スイッチ部89は、この点検スイッチ部89の周囲が一部の接続部分を除いて第2ケース部85から分離され、外方から操作力を受けて弾性変形することにより点検スイッチ78を押動可能とする。
【0033】
また、図1図2図5図8および図9に示すように、電池ユニット13は、器具本体11内の他側で、中央部の周囲つまり放熱部36および光源部37の周囲に、着脱可能に配置されている。電池ユニット13は、電池部97、およびこの電池部97を器具本体11に着脱可能に係止する一対の係止ばね98を備えている。
【0034】
電池部97は、器具本体11内の他側で、中央部の周囲つまり放熱部36および光源部37の周囲に配置されるように、下面視(または平面視)で略C字形に形成されている。すなわち、電池部97は、器具本体11内の他側に配置される中間部100、およびこの中間部100の両側に設けられていて器具本体11内の一側および他側に対して直交する両側(器具取付ばね15が取り付けられる両側)に配置される両側の側部101を有し、下面視(または平面視)で略C字形に形成されている。
【0035】
電池部97は、複数の蓄電池(二次電池またはバッテリ)102、およびこれら蓄電池102を収容する電池ケース103を有している。
【0036】
蓄電池102は、円筒状に形成されており、例えば、ニカド電池、ニッケル水素電池、あるいはリチウムイオン電池など充電可能な電池である。複数の蓄電池102は、直列に接続されている。蓄電池102の数は、例えば光出力の違いに応じた器具種類によって異なり、例えば3本用いる場合と7本用いる場合とがある。
【0037】
電池ケース103は、絶縁性を有する樹脂製である。電池ケース103は、下面側が開口されたケース本体104、およびこのケース本体104の下面側に取り付けられるケース蓋体105を有している。電池ケース103内には、蓄電池102の長手方向を上下方向に向けた状態で、複数の蓄電池102が水平方向に並んで配置されている。
【0038】
電池部97は、器具本体11内の所定の取付位置に配置された状態で、電池部97の下側の端面97aが光源部37よりも器具本体11の奥側すなわち上方に位置される。
【0039】
電池部97は、器具本体11内の所定の取付位置に配置された際に、電源コネクタ82に嵌合されて電気的に接続される電池コネクタ106を有している。電池コネクタ106は、電池部97の一方の側部101の先端側面から突出するコネクタ配設部107に上方へ向けて突設されており、内側に3つの電池端子部108が配設されている。3つの電池端子部108のうちの1つが負極用であり、残りの2つが正極用であり、例えば光出力の違いに応じた器具種類によっていずれか一方の正極用の電池端子部108が用いられる。例えば、7本のバッテリを用いる高光出力の器具種類では一方の正極用の電池端子部108が用いられ、3本のバッテリを用いる低光出力の器具種類では他方の正極用の電池端子部108が用いられる。なお、コネクタ配設部107は、電池部97の端面97aからも突出され、電池部97が器具本体11内の所定の取付位置に配置された状態で電源ケース75の下面と略面一となる。
【0040】
電池部97の両側部101の外面側で互いに平行かつ直線上に対向した位置には、一対の係止ばね98をそれぞれ取り付ける一対の係止ばね取付部109が設けられている。
【0041】
一対の係止ばね98は、電池部97の一対の係止ばね取付部109に取り付けられることにより、電池部97の両側部101の外側に、互いに平行かつ直線上に対向した位置に配置されている。
【0042】
係止ばね98は、金属製の板ばねによって構成されている。係止ばね98には、一端に電池部97の係止ばね取付部109に取り付けられる取付部111が設けられ、中間に器具本体11の爪部30に係止可能な係止部112が設けられ、他端に器具本体11の開口部23から操作可能な操作部113が設けられている。
【0043】
取付部111は、電池部97の係止ばね取付部109の溝に下方から圧入され、切起片部111aが電池部97に引っ掛かって抜け止め固定されている。
【0044】
操作部113は、電池部97の端面97aよりも突出する係止ばね98の位置から端面97aに対向するように折曲された折曲部114の先端側に設けられている。操作部113の先端側は、一対の操作部113の対向方向の外側に屈曲されている。操作部113は、係止ばね98が器具本体11に係止された状態で、電池部97の端面97aに垂直な方向に対して一対の操作部113の対向方向の外側に向けて傾斜されている。
【0045】
そして、一対の係止ばね98は、弾性変形によって器具本体11の爪部30に係脱する方向が同一直線上にあり、操作部113の互いに対向する方向への操作状態で器具本体11に対する係止が解除されるように構成されている。
【0046】
また、カバー体14は、化粧枠118、この化粧枠118を器具本体11に取り付ける支持ばね119および係止部としての化粧枠係止ばね120を有している。
【0047】
化粧枠118は、器具本体11のフランジ部24よりも大径の円板状に形成されている。化粧枠118の中央には、レンズ46が突出する円形の出射開口121が形成され、出射開口121の周辺に点検用開口部122および信号用開口部123が形成されている。点検用開口部122には、点検スイッチ部89およびモニタランプ79が対向されている。信号用開口部123には、受信部80および送信部81が対向されている。
【0048】
支持ばね119は、線ばねによって構成され、中間部がコイル状に設けられるとともに、両端部がコイル部分から略V字形に拡開するように突設されたいわゆるVばねと呼ばれるものである。支持ばね119のコイル部分が取付金具124によって化粧枠118の裏面に取り付けられている。支持ばね119の両端部は器具本体11の支持ばね取付部27の取付溝29に係合され、支持ばね119の両端部をすぼめることで支持ばね取付部27の取付溝29に着脱可能としている。支持ばね119の先端は、略L字形に折曲され、化粧枠118を器具本体11から引き下げた場合に支持ばね取付部27に引っ掛かるようになっている。
【0049】
化粧枠係止ばね120は、板ばねによって構成され、化粧枠118の裏面に取り付けられ、器具本体11の係止孔28に着脱可能に係止される。
【0050】
また、器具取付ばね15は、板ばねによって構成され、器具本体11の器具取付ばね取付部31に取り付けられている。器具取付ばね15は、天井などへの設置前の状態で側方に展開されている。
【0051】
また、端子台16は、電源回路74に電線によって電気的に接続されており、照明装置10の設置時に外部電源を供給する電源線が接続される。
【0052】
次に、照明装置10の動作について説明する。
【0053】
照明装置10を天井などに設置するには、天井などの埋込孔から引き出した電源線を端子台16に接続し、器具取付ばね15を器具本体11の側面に沿わせるように弾性変形させた状態に保持し、器具本体11を天井板などの埋込孔に挿入する。その挿入後、器具取付ばね15の保持を解除することにより、器具取付ばね15が側方に展開して天井板などの上側に係合し、この器具取付ばね15で器具本体11を上方に引き上げて器具本体11のフランジ部24が天井などの下面に当接し、器具本体11の設置が完了する。
【0054】
このとき、まず、化粧枠118を外した状態で器具本体11の設置を行い、器具本体11の設置後に、化粧枠118を器具本体11に取り付けるようにしてもよい。あるいは、まず、化粧枠118および電池ユニット13を外した状態で器具本体11の設置を行い、器具本体11の設置後に、電池ユニット13を器具本体11に装着し、化粧枠118を器具本体11に取り付けるようにしてもよい。
【0055】
そして、外部電源が照明装置10に供給されている通常時には、電源回路74の充電回路が外部電源によって電池部97の蓄電池102を充電する。この通常時には、発光モジュール44に点灯電流は供給されず、発光モジュール44は消灯状態にある。なお、電源回路74が常時点灯回路を備える場合には、外部電源が供給される常時点灯回路によって所定の点灯電流を発光モジュール44に供給し、発光モジュール44を点灯させるようにしてもよい。
【0056】
また、照明装置10に供給されていた外部電源の停電時などの非常時には、電源回路74の停電検出回路が外部電源の停電を検出し、電池部97の蓄電池102から電源が供給される電源回路74の点灯回路によって所定の点灯電流を発光モジュール44に供給することにより、発光モジュール44(発光素子50)が点灯する。点灯した発光モジュール44からの光は、レンズ46によって所定の配光となって照明空間に照射される。
【0057】
また、通常時において、点検スイッチ部89を操作し、点検スイッチ78が入ると、電源回路74の点検回路による点検モードを開始し、蓄電池102の寿命などの状態、発光モジュール44の故障などの状態の点検動作を行い、点検結果をモニタランプ79の表示状態で表示する。
【0058】
また、リモコンなどの端末からの点検信号を受信部80が受信した場合にも、電源回路74の点検回路による点検モードを開始し、蓄電池102の寿命などの状態、発光モジュール44の故障などの状態の点検動作を行い、点検結果を送信部81から端末に対して送信する。
【0059】
次に、電池ユニット13の交換について説明する。図8に示すように、化粧枠118を下方に引いて化粧枠係止ばね120を器具本体11から外し、支持ばね119を介して化粧枠118を下方に移動させる。支持ばね119の先端部が器具本体11の支持ばね取付部27に係合した位置で、化粧枠118は支持ばね119を介して器具本体11に吊り下げられた仮吊り状態となる。この化粧枠118の仮吊り状態では、器具本体11の電池ユニット13が配置される側に対して反対側に位置している。
【0060】
電池ユニット13の一対の係止ばね98の操作部113に2本の指をそれぞれ掛け、それら2本の指で一対の係止ばね98の操作部113を摘まむように操作する。これにより、図1に二点鎖線で示すように、一対の係止ばね98が互いに接近するように移動し、すなわち器具本体11側から離れて電池部97側に近付くように弾性変形し、係止部112が器具本体11の爪部30が外れる。
【0061】
このとき、電池部97の端面97aが光源部37よりも器具本体11の奥側すなわち上方にあって、一対の係止ばね98の操作部113が電池部97の端面97aの下側に配置されているため、器具本体11の開口部23から指を一対の係止ばね98の操作部113に容易に掛けて操作することができる。
【0062】
しかも、一対の係止ばね98は、電池部97の両側部101の外側に互いに平行かつ直線上に対向した位置に配置され、弾性変形によって器具本体11の爪部30に係脱する方向が同一直線上にあり、操作部113の互いに対向する方向への操作状態で器具本体11に対する係止が解除されるため、2本の指で一対の係止ばね98の操作部113を摘まむように操作することにより、係止を容易に解除することができる。
【0063】
さらに、一対の係止ばね98の操作部113は、一対の係止ばね98が器具本体11に係止された状態で、電池部97の端面97aに垂直な方向に対して一対の操作部113の対向方向の外側に向けて傾斜されているため、指が操作部113に掛かりやすく、容易に操作できる。一対の係止ばね98の操作部113を摘まんだ状態では、電池部97の端面97aに垂直な方向に対して一対の操作部113の対向方向の外側に向けて傾斜されているか、電池部97の端面97aに対して略垂直となる。
【0064】
一対の係止ばね98の係止部112が器具本体11の爪部30から外れると、電池ユニット13が器具本体11内から下降して出てくる。このとき、一対の係止ばね98の操作部113に指を掛けた状態にあるため、指すなわち手で電池ユニット13の下降を受け止め、電池ユニット13が落下してしまうのを防止することができる。
【0065】
図9に示すように、電池ユニット13を器具本体11内から下方に移動させ、器具本体11の開口部23から下方に取り出す。この際、器具本体11に仮吊り状態にある化粧枠118は、器具本体11の電池ユニット13が配置される側に対して反対側に配置されているため、電池ユニット13の取り外しに化粧枠118が邪魔になることがなく、電池ユニット13の取り外し作業を容易にできる。
【0066】
また、交換する新しい電池ユニット13を器具本体11の電池ユニット収容部26に下方から挿入することにより、一対の係止ばね98が器具本体11の爪部30に当接して弾性変形され、一対の係止ばね98の係止部112が器具本体11の爪部30よりも上方に移動することで、一対の係止ばね98の係止部112が器具本体11の爪部30に係止され、電池ユニット13が器具本体11内に装着される。このとき、電池ユニット13の電池コネクタ106が電源部38の電源コネクタ82に装着されて電気的に接続される。
【0067】
化粧枠118を器具本体11の下面を覆うように上方へ移動させることにより、支持ばね119の両端部が支持ばね取付部27の上方に移動しながら拡開し、この支持ばね119の両端部か拡開する弾性によって化粧枠118を器具本体11に引き上げる。化粧枠係止ばね120を器具本体11の係止孔28に係止し、電源ユニット13の交換作業が完了する。
【0068】
そして、本実施形態の照明装置10によれば、ガラス製のレンズ46に位置決め部69を設けたため、発光モジュール44を位置決め保持するホルダ部56にレンズ46の位置決め部69を位置決めし、レンズ押え部47でホルダ部56との間にレンズ46を挟み込んで保持することができる。そのため、ホルダ部56を介して発光モジュール44とレンズ46とを位置決めでき、例えば発光モジュール44とレンズ46との光軸を合わせるなど、簡単な構成で、適切な光学特性を得ることができる。
【0069】
しかも、樹脂製のホルダ部56と樹脂製のレンズ押え部47とでガラス製のレンズ46を挟み込んで保持するため、レンズ46の破損を防止しながら確実に保持できる。
【0070】
また、レンズ46は、レンズ部63の周囲から突設された縁部64がホルダ部56とレンズ押え部47との間に挟み込まれ、縁部64から突設された位置決め部69がホルダ部56の周囲に嵌合されるため、保持部分と位置決め部分とを分けて負荷を分散し、レンズ46の破損を防止できる。
【0071】
また、レンズ押え部47は、電源部38の電源ケース75に一体形成し、兼用しているため、構成を簡素化でき、組立性も向上できる。
【0072】
さらに、電源ケース75には、電源部38に対して点検動作を指示する点検スイッチ部89を一体形成しているため、簡単な構成で、点検スイッチ78を容易に操作できる。
【0073】
さらに、本実施形態の照明装置10によれば、一対の係止ばね98は、電池部97の両側部101の外側に互いに平行かつ直線上に対向した位置に配置され、弾性変形によって器具本体11の爪部30に係脱する方向が同一直線上にあり、操作部113の互いに対向する方向への操作状態で器具本体11に対する係止が解除されるため、2本の指で一対の係止ばね98の操作部113を摘まむように操作することにより、係止を容易に解除することができ、したがって、電池ユニット13を器具本体11に対して容易に着脱できる。
【0074】
また、電池部97の端面97aが光源部37よりも器具本体11の奥側すなわち上方にあって、一対の係止ばね98の操作部113が電池部97の端面97aから突出するように配置されているため、指が掛かりやすい操作部113の長さを確保でき、器具本体11の開口部23から指を一対の係止ばね98の操作部113に容易に掛けて操作することができる。
【0075】
また、一対の係止ばね98の操作部113は、一対の係止ばね98が器具本体11に係止された状態で、電池部97の端面97aに垂直な方向に対して一対の操作部113の対向方向の外側に向けて傾斜されているため、指が操作部113に掛かりやすく、容易に操作できる。
【0076】
また、電池ユニット13が器具本体11の支持ばね119の取付位置に対して反対側に配置されているため、すなわち、器具本体11に支持ばね119によって仮吊り状態となる化粧枠118は、器具本体11の電池ユニット13が配置される側に対して反対側に配置されているため、電池ユニット13の着脱に支持ばね119によって支持された化粧枠118が邪魔になることがなく、電池ユニット13の着脱作業を容易にできる。
【0077】
また、端子台16は、器具本体11の外側でかつ電池ユニット13を配置する側に対して反対側に配設されるため、照明装置10の高さを低くでき、質量のある電池ユニット13との質量バランスの最適化を図ることができる。
【0078】
また、電源部38の電源コネクタ82が3つの電源端子部83を有するとともに、電池部97の電池コネクタ106が3つの電池端子部108を有し、器具種類に応じたそれぞれ所定の2つの電源端子部83および電池端子部108をそれぞれ使用して電源部38と電池部97とが電気的に接続されるため、異なる種類の電池ユニット13の誤装着を防止することができる。例えば、それぞれ3つの電源端子部83および電池端子部108のうちの1つが負極用、残りの2つが正極用とした場合、例えば光出力の違いに応じた器具種類によっていずれか一方の正極用の電源端子部83および電池端子部108を使用する。例えば、7本のバッテリを用いる高光出力の器具種類では一方の正極用の電源端子部83および電池端子部108を使用し、3本のバッテリを用いる低光出力の器具種類では他方の正極用の電源端子部83および電池端子部108を使用する。そして、器具本体11に適正な種類の電池ユニット13を誤装着した場合、電源部38と電池部97とは電気的に接続され、電池部97の充電も放電も行われるが、器具本体11に異なる種類の電池ユニット13を誤装着した場合、電源部38と電池部97とは電気的に接続されず、電池部97の充電も放電も行われない。
【0079】
なお、照明装置10としては、埋込形器具構造に限らず、天井面などに直接取り付ける直付形器具構造にも適用できる。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
10 照明装置
11 器具本体
13 電池ユニット
14 カバー体
16 端子台
23 開口部
37 光源部
38 電源部
82 電源コネクタ
83 電源端子部
97 電池部
97a 端面
98 係止ばね
106 電池コネクタ
108 電池端子部
113 操作部
118 化粧枠
119 支持ばね
120 係止部としての化粧枠係止ばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9