特許第6777898号(P6777898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6777898
(24)【登録日】2020年10月13日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】部品送り機構とそれを備えた加工機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 7/00 20060101AFI20201019BHJP
   B23Q 7/04 20060101ALI20201019BHJP
   F16C 31/00 20060101ALI20201019BHJP
   B65G 47/248 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   B23Q7/00 D
   B23Q7/04 H
   F16C31/00
   B65G47/22 E
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-67058(P2020-67058)
(22)【出願日】2020年3月16日
【審査請求日】2020年3月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520118201
【氏名又は名称】有限会社高橋製作所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 国夫
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−83716(JP,A)
【文献】 実開昭52−133863(JP,U)
【文献】 特開昭58−113626(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3184741(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 7/00
B23Q 7/04
F16C 29/00−31/06
B65G 47/22
B23P 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工機械の部品送り機構であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有し、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動可能で、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトと前記ブッシングが相対的に移動するに連れて相対的に回転することによって、ブッシングまたはシャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする部品送り機構
【請求項2】
加工機械の部品送り機構であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、前記加工機械に固定され、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有しており、
前記ブッシングは、駆動部によって駆動されて前記シャフトに沿って移動し、
前記シャフトは、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動可能で、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記ブッシングが前記駆動部に駆動されて前記シャフトの前記面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、ブッシングに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする部品送り機構
【請求項3】
加工機械の部品送り機構であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、前記加工機械に固定され、断面6角形の柱状であり、前記シャフトの6角形の各辺を含むシャフト方向に延びた6個の面を有しており、
前記ブッシングは、外周面が断面6角形で内周面が前記シャフトが貫通しうる断面円形の中空柱状であり、駆動部によって駆動されて前記シャフトに沿って移動し、
前記シャフトは、前記シャフトの前記6面のうち3面において前記ブッシングとの間に配置された3個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記6個の面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記ブッシングが前記駆動部に駆動されて前記シャフトの前記3個の面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、ブッシングに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする部品送り機構
【請求項4】
加工機械の部品送り機構であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記ブッシングは、前記加工機械に固定され、
前記シャフトは、駆動部によって駆動されて前記ブッシングを貫通してシャフト方向に移動し、
前記シャフトは、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有し、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトが前記駆動部に駆動されて前記ブッシングの内周面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、シャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする部品送り機構
【請求項5】
加工機械の部品送り機構であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記ブッシングは、前記加工機械に固定され、外周面が断面6角形で内周面が断面円形の中空柱状であり、
前記シャフトは、駆動部によって駆動されて前記ブッシングを貫通してシャフト方向に移動し、
前記シャフトは、断面6角形状であって、前記シャフトの6角形の各辺を含むシャフト方向に延びた6個の面を有し、前記シャフトの前記6面のうち3個の面において前記ブッシングとの間に配置された3個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記6個の面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトが前記駆動部に駆動されて前記ブッシングの内周面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、
シャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする部品送り機構
【請求項6】
部品送り機構を有する加工機械であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有し、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動可能で、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトと前記ブッシングが相対的に移動するに連れて相対的に回転することによって、ブッシングまたはシャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする加工機械
【請求項7】
部品送り機構を有する加工機械であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、前記加工機械に固定され、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有しており、
前記ブッシングは、駆動部によって駆動されて前記シャフトに沿って移動し、
前記シャフトは、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動可能で、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記ブッシングが前記駆動部に駆動されて前記シャフトの前記面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、ブッシングに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする加工機械
【請求項8】
部品送り機構を有する加工機械であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、前記加工機械に固定され、断面6角形の柱状であり、前記シャフトの6角形の各辺を含むシャフト方向に延びた6個の面を有しており、
前記ブッシングは、外周面が断面6角形で内周面が前記シャフトが貫通しうる断面円形の中空柱状であり、駆動部によって駆動されて前記シャフトに沿って移動し、
前記シャフトは、前記シャフトの前記6面のうち3面において前記ブッシングとの間に配置された3個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記6個の面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記ブッシングが前記駆動部に駆動されて前記シャフトの前記3個の面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、ブッシングに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする加工機械
【請求項9】
部品送り機構を有する加工機械であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記ブッシングは、前記加工機械に固定され、
前記シャフトは、駆動部によって駆動されて前記ブッシングを貫通してシャフト方向に移動し、
前記シャフトは、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有し、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトが前記駆動部に駆動されて前記ブシングの内周面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、シャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする加工機械
【請求項10】
部品送り機構を有する加工機械であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記ブッシングは、前記加工機械に固定され、外周面が断面6角形で内周面が断面円形の中空柱状であり、
前記シャフトは、駆動部によって駆動されて前記ブッシングを貫通してシャフト方向に移動し、
前記シャフトは、断面6角形状であって、前記シャフトの6角形の各辺を含むシャフト方向に延びた6個の面を有し、前記シャフトの前記6面のうち3個の面において前記ブッシングとの間に配置された3個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記6個の面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトが前記駆動部に駆動されて前記ブッシングの内周面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、
シャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする加工機械
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械部品を加工する加工機械において、部品を加工位置に次々と配置するために送る部品送り機構とそれを備えた加工機械に関する。
【背景技術】
【0002】
ネジやボルトなどの様々な部品を製造加工する加工機械には、部品を1個ずつ搭載して次の加工位置まで、高速に、正確に、かつ、頻繁に送るための部品送り機構を備えているものがある。一般に、部品送り機構は、多くの部品を納めている加工機械内の位置または外部の別の位置から加工位置まで延びているシャフトと、部品を搭載してそのシャフトに沿って部品を加工位置まで移送するブッシングと、そのブッシングを移動させる駆動部を備えている。
なお、ブッシングが固定されていて、シャフトに搭載した部品を移送する場合もあり、シャフトとブッシングの相対的な関係で部品が移送される。
【0003】
従来の部品送り機構としては、円柱または多角柱のシャフトと、そのシャフトの外周面でベアリングを介して摺動しながら搭載した部品をシャフトの軸方向へ移送するブッシングを有するものがあった。しかしながら、それらのシャフトとブッシングは、回転することなく摺動移動し、ブッシングまたはシャフトに搭載された部品も回転運動することなく、搭載された状態のままで移送されるだけであった。
【0004】
ところが、加工機械による加工内容によっては、例えば、搭載した状態から半回転した状態で次の加工場所へ移送したい場合がある。半回転に限らず、移送先における次の加工目的によっては、様々な角度だけ回転した状態で移送先へ渡したい場合がある。このような要望に応える部品送り機構が存在していなかった。
【先行技術文献】
【0005】
シャフトとそのシャフトに沿って部品を高速に移動するブッシングを有する部品送り機構に関する先行技術文献としては、以下の特許文献がある。
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3184741 号公報
【特許文献2】特開昭58−113626 号公報
【0007】
特許文献1には、円柱状の軸体(シャフトに相当)が変形6角形状のハウジング(ブッシングに相当)の中空部を摺動して、軸体とハウジングがベアリングを介して軸体方向に相対移動するもので、直動軸受と呼ばれる機構である。この機構によれば、ハウジングに部品を搭載すれば、部品を軸方向に移送することは可能である。
しかし、この機構においては、軸体は基本的には断面が円形であり、しかも、軸体の表面に軸方向の複数個の凹条溝が形成されており、ハウジングが回転しないように廻り止めの構造になっている。このように、軸体とハウジングは、回転しないで、軸方向に相対的に移動するに過ぎない。これでは、ハウジングに部品を搭載しても、部品を回転した状態で移送先へ渡すことはできない。
また、このベアリングは、軸体とハウジングの間にボールを配置して、軸体とハウジングの間でベアリング機構を構成する構造なので、ベアリングのボールが損傷するとか摩耗した場合には、ベアリングの交換は困難であり、保守費用が高額になる。
【0008】
特許文献2には、断面6角形状の軸(シャフト)と、その軸を約120度ずつ離れた3方向で支持して軸を案内する3個のベアリングと、そのベアリングを設置した回転ローラ支持主板(ハウジングに相当)が示されている。この機構によれば、断面6角形状の軸と回転ローラ支持主板が相対的に軸方向に移動することができるので、軸または回転ローラ支持主板に部品を搭載すれば、部品を軸方向へ移送することができる。
しかし、この機構では、軸は断面6角形状や円形を含むどのような断面形状でも良いとの開示があるが、軸はねじれを有していないので、軸と回転ローラ支持主板が相対的に回転することは無い。従って、軸または回転ローラ支持主板のいずれかに部品を搭載して移送したとしても、部品が回転して移送されることはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の加工機械の部品送り機構は、シャフトとシャフトに沿って相対的に移動するブッシングを備えていて、シャフトまたはブッシングのいずれかに搭載した部品を移送する際に、部品が回転することなく、搭載された姿勢のままの状態で移送されるので、移送先における様々な加工目的に対応することができなかった。
【0010】
本発明は、シャフトまたはシャフトに沿って相対的に移動するブッシングを有する部品送り機構において、移送される部品が搭載された際の姿勢から回転した姿勢で移送先に移送されるような構造の部品送り機構を提供することを目的とする。
【0011】
更に、本発明は、そのような部品送り機構を備えた加工機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述の課題を解決するために、部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトとを有し、前記シャフトは、断面多角形状であって、前記シャフト表面にはシャフトの軸方向に延びた複数個の面を有し、前記面において前記ブッシングとの間に配置されたベアリングを介して摺動可能で、前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトと前記ブッシングが相対的に移動するに連れて部品が相対的に回転するようにしたものである。
【0013】
本発明の第一の特徴は、
加工機械の部品送り機構であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有し、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動可能で、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトと前記ブッシングが相対的に移動するに連れて相対的に回転することによって、ブッシングまたはシャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする部品送り機構
である。
【0014】
本発明の第一の特徴によれば、ブッシングまたはシャフトに搭載された部品を、回転しながら、シャフトの軸方向に移送することができる部品送り機構を提供することができる。
【0015】
本発明の第二の特徴は、
加工機械の部品送り機構であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、前記加工機械に固定され、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有しており、
前記ブッシングは、駆動部によって駆動されて前記シャフトに沿って移動し、
前記シャフトは、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動可能で、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記ブッシングが前記駆動部に駆動されて前記シャフトの前記面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、ブッシングに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする部品送り機構
である。
【0016】
本発明の第二の特徴によれば、シャフトが加工機械に固定されているので、ブッシングをシャフト方向に移動させるだけで、ブッシングに搭載された部品を回転しながら、加工機械に固定されたシャフトのシャフト方向に移送することができる部品送り機構を提供することができる。
【0017】
本発明の第三の特徴は、
加工機械の部品送り機構であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、前記加工機械に固定され、断面6角形の柱状であり、前記シャフトの6角形の各辺を含むシャフト方向に延びた6個の面を有しており、
前記ブッシングは、外周面が断面6角形で内周面が前記シャフトが貫通しうる断面円形の中空柱状であり、駆動部によって駆動されて前記シャフトに沿って移動し、
前記シャフトは、前記シャフトの前記6面のうち3面において前記ブッシングとの間に配置された3個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記6個の面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記ブッシングが前記駆動部に駆動されて前記シャフトの前記3個の面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、ブッシングに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする部品送り機構
である。
【0018】
本発明の第三の特徴によれば、本発明の第二の特徴による効果の他に、断面6角形のシャフトと外周面が断面6角形で内周面が断面円形のブッシングを備え、シャフトとブッシングの間に3個のベアリングを配置されて、加工機械に固定されたシャフトによってブッシングが摺動支持されて、シャフトに搭載された部品とともに移送されるので、部品は回転しながら、滑らかに移送することができる部品送り機構を提供することができる。
【0019】
本発明の第四の特徴は、
加工機械の部品送り機構であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記ブッシングは、前記加工機械に固定され、
前記シャフトは、駆動部によって駆動されて前記ブッシングを貫通してシャフト方向に移動し、
前記シャフトは、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有し、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトが前記駆動部に駆動されて前記ブッシングの内周面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、シャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする部品送り機構
である。
【0020】
本発明の第四の特徴によれば、ブッシングは加工機械に固定されているので、シャフトをシャフト方向に移動させるだけで、シャフトに搭載された部品を回転しながら、シャフト方向へ移送することができる部品送り機構を提供することができる。
【0021】
本発明の第五の特徴は、
加工機械の部品送り機構であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記ブッシングは、前記加工機械に固定され、外周面が断面6角形で内周面が断面円形の中空柱状であり、
前記シャフトは、駆動部によって駆動されて前記ブッシングを貫通してシャフト方向に移動し、
前記シャフトは、断面6角形状であって、前記シャフトの6角形の各辺を含むシャフト方向に延びた6個の面を有し、前記シャフトの前記6面のうち3個の面において前記ブッシングとの間に配置された3個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記6個の面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトが前記駆動部に駆動されて前記ブッシングの内周面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、
シャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする部品送り機構
である。
【0022】
本発明の第五の特徴によれば、本発明の第四の特徴による効果の他に、断面6角形のシャフトと外周面が断面6角形で内周面が断面円形のブッシングを備え、シャフトとブッシングの間に3個のベアリングを配置されて、加工機械に固定されたブッシングによってシャフトが摺動支持されて、シャフトに搭載された部品とともに移送されるので、部品は回転しながら、滑らかに移送することができる部品送り機構を提供することができる。
【0023】
本発明の第六の特徴は、
部品送り機構を有する加工機械であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有し、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動可能で、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトと前記ブッシングが相対的に移動するに連れて相対的に回転することによって、ブッシングまたはシャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする加工機械
である。
【0024】
本発明の第六の特徴は、第一の特徴の部品送り機構を有する加工機械にある。
そして、本発明の第六の特徴によれば、ブッシングまたはシャフトに搭載された部品を、回転しながら、シャフトの軸方向に移送することができる部品送り機構を有する加工機械を提供することができる。
【0025】
本発明の第七の特徴は、
部品送り機構を有する加工機械であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、前記加工機械に固定され、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有しており、
前記ブッシングは、駆動部によって駆動されて前記シャフトに沿って移動し、
前記シャフトは、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動可能で、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記ブッシングが前記駆動部に駆動されて前記シャフトの前記面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、ブッシングに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする加工機械
である。
【0026】
本発明の第七の特徴は、第二の特徴の部品送り機構を有すること加工機械にある。
そして、本発明の第七の特徴によれば、シャフトが加工機械に固定されているので、ブッシングをシャフト方向に移動させるだけで、ブッシングに搭載された部品を回転しながら、加工機械に固定されたシャフトのシャフト方向に移送することができる部品送り機構を有する加工機械を提供することができる。
【0027】
本発明の第八の特徴は、
部品送り機構を有する加工機械であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記シャフトは、前記加工機械に固定され、断面6角形の柱状であり、前記シャフトの6角形の各辺を含むシャフト方向に延びた6個の面を有しており、
前記ブッシングは、外周面が断面6角形で内周面が前記シャフトが貫通しうる断面円形の中空柱状であり、駆動部によって駆動されて前記シャフトに沿って移動し、
前記シャフトは、前記シャフトの前記6面のうち3面において前記ブッシングとの間に配置された3個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記6個の面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記ブッシングが前記駆動部に駆動されて前記シャフトの前記3個の面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、ブッシングに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする加工機械
である。
【0028】
本発明の第八の特徴は、第三の特徴の部品送り機構を有する加工機械にある。
そして、本発明の第八の特徴によれば、本発明の第七の特徴による効果の他に、断面6角形のシャフトと外周面が断面6角形で内周面が断面円形のブッシングを備え、シャフトとブッシングの間に3個のベアリングを配置されて、加工機械に固定されたシャフトによってブッシングが摺動支持されて、シャフトに搭載された部品とともに移送されるので、部品は回転しながら、滑らかに移送することができる部品送り機構を有する加工機械を提供することができる。
【0029】
本発明の第九の特徴は、
部品送り機構を有する加工機械であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記ブッシングは、前記加工機械に固定され、
前記シャフトは、駆動部によって駆動されて前記ブッシングを貫通してシャフト方向に移動し、
前記シャフトは、断面多角形状であって、前記シャフトの多角形の各辺を含むシャフト方向に延びた複数個の面を有し、前記シャフトの前記面において前記ブッシングとの間に配置された複数個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトが前記駆動部に駆動されて前記ブッシングの内周面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、シャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする加工機械
である。
【0030】
本発明の第九の特徴は、第四の特徴の部品送り機構を有する加工機械にある。
そして、本発明の第九の特徴によれば、ブッシングは加工機械に固定されているので、シャフトをシャフト方向に移動させるだけで、シャフトに搭載された部品を回転しながら、シャフト方向へ移送することができる部品送り機構を有する加工機械を提供することができる。
【0031】
本発明の第十の特徴は、
部品送り機構を有する加工機械であって、
前記部品送り機構は、ブッシングと、前記ブッシングを貫通するシャフトを有し、
前記ブッシングは、前記加工機械に固定され、外周面が断面6角形で内周面が断面円形の中空柱状であり、
前記シャフトは、駆動部によって駆動されて前記ブッシングを貫通してシャフト方向に移動し、
前記シャフトは、断面6角形状であって、前記シャフトの6角形の各辺を含むシャフト方向に延びた6個の面を有し、前記シャフトの前記6面のうち3個の面において前記ブッシングとの間に配置された3個のベアリングによって摺動支持され、
前記シャフトの前記6個の面は軸方向に進むにつれてシャフト表面で回転するねじれを有しており、前記シャフトが前記駆動部に駆動されて前記ブッシングの内周面に沿ってシャフト方向へ移動するに連れて回転することによって、
シャフトに搭載された部品を回転しながら移送する
ことを特徴とする加工機械
である。
【0032】
本発明の第十の特徴は、第五の特徴の部品送り機構を有する加工機械にある。
そして、本発明の第十の特徴は、本発明の第九の特徴による効果の他に、断面6角形のシャフトと外周面が断面6角形で内周面が断面円形のブッシングを備え、シャフトとブッシングの間に3個のベアリングを配置されて、加工機械に固定されたブッシングによってシャフトが摺動支持されて、シャフトに搭載された部品とともに移送されるので、部品は回転しながら、滑らかに移送することができる部品送り機構を有する加工機械を提供することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、シャフトとそのシャフトが貫通して相対的に移動するブッシングからなる部品送り機構において、シャフトが断面多角形で各面がシャフト方向に進むにつれて週方向にねじれており、ブッシングはシャフトに対して回転しながら相対的に移動することになる。そのために、ブッシングまたはシャフトに部品を搭載しておけば、部品は回転しながら移送され、それを実現する部品送り機構を提供できる効果がある。
【0034】
そして、本発明によれば、そのような部品送り機構を備えた加工機械を提供できる効果がある。
【0035】
本発明によれば、ブッシングが加工機械に固定されていて部品が搭載されたシャフトがねじれのために回転しながら移動する場合にも、または、シャフトが加工機械に固定されていて部品が搭載されたブッシングが回転しながら移動する場合にも、部品は回転しながら移送される部品送り機構を提供できる効果がある。
【0036】
そして、本発明によれば、そのような部品送り機構を備えた加工機械を提供できる効果がある。
【0037】
本発明によれば、部品が移送される距離の間に、シャフトのねじれが何回転するかによって、移送された部品の回転度が決まり、移送先での加工内容によってその部品の回転度を決めることができ、ひいては、移送先での加工の要望に応じたねじれ度のシャフトを安価に簡単に交換するだけで加工の多様性を実現できる部品送り機構を提供することができる効果がある。
【0038】
そして、本発明によれば、そのような部品送り機構を備えた加工機械を提供できる効果がある。
【0039】
本発明によれば、ブッシングとシャフトの間にボールを介して形成されるベアリングではなく、ブッシングとシャフトとは独立したベアリングを配置して、そのベアリングを介して摺動支持しているので、ベアリングの摩耗などによる交換が必要な場合に、安価に、簡単に行うことができる部品送り機構を提供できる効果がある。
【0040】
そして、本発明によれば、そのような部品送り機構を備えた加工機械を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、本発明による部品送り機構とそれを備えた加工機械の斜視図であり、特に、部品送り機構のシャフトが加工機械に固定される場合を示す。なお、本図に示す加工機械は、その一部の構造を示す。
図2図2は、本発明の別の実施態様を示す斜視図であり、特に、部品送り機構のブッシングが加工機械に固定される場合を示す。
図3図3は、本発明の部品送り機構の実施態様を示す図であり、特に、ブッシングが1個の場合を示す図である。
図4図4は、図3に示す部品送り機構のブッシングの長手方向の外観を示す図である。
図5図5は、図4に示すブッシングの側面外観図である。
図6図6は、図4に示すブッシングのA―A断面図である。
図7図7は、本発明の部品送り機構の別の実施態様を示す図であり、特に、ブッシングが2個接続された場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、本発明の好適な部品送り機構と、それを備えた加工機械の一部の構造を示す斜視図である。
図1において、加工機械は、図示される部品送り機構以外に、加工目的や加工対象物によって様々な構造物を備えている。図1において、基本的には、部品送り機構1は、ブッシング2と、ブッシング2の中央部を貫通するシャフト3からなる。そして、シャフト3は、加工機械の一部であるベース4に固定されており、移動も回転もしない。
【0043】
ブッシング2は、その構造を図3図6で詳述するが、外周が正六角形状で、その貫通穴の内周が円形状の中空の柱状である。
シャフト3は、ブッシング2の貫通穴に入って摺動しうる程度の太さで、断面が正六角形の中実の柱状である。断面六角形の各辺を含む面10がシャフト3の表面に軸方向に延びている。そして、その6つの面10は、ねじれを有している。
ブッシング2は、ブッシング2とシャフト3の間に設置されたベアリング9a、9bを介して、シャフト3の表面10に沿って往復動する。
ここで、シャフト3の表面の面10はねじれを有するので、ブッシング2がシャフト3の軸方向に往復動すると、ブッシング2は回転しながら往復動することになる。
【0044】
ブッシング2は、ガスシリンダ5の伸び縮みするシリンダ軸6とシリンダヘッド7を駆動源8として、シャフト3の軸方向に往復動する。ガスシリンダ5は、ガスの流出入によってシリンダ軸6とシリンダヘッド7を往復動させるが、ガス以外にオイルなどの他の流体でも良い。
駆動源8としてのガスシリンダ5のシリンダ軸6とシリンダヘッド7の往復運動は、ブッシング2の端部で受ける。
【0045】
ブッシング2の他端部には、外部から供給される部品11を受け取るボックス12が固定されている。ボックス12の中には、磁石13が存在し、外部から受け取った金属の部品11は磁石13にくっついて、ブッシング2が回転しても、部品11は落下しない。部品が金属以外の場合には、磁石に代わるべき、何らかの、部品の落下を防止する構造にすることは容易である。
受け取られた部品11は、ブッシング2とともに回転しながらシャフト3の端部まで移動して、図示していないが、加工のために次の加工場所で渡される。その際に、部品11は、ある角度だけ回転している。次の加工において、部品11を半回転した状態で加工場所へ渡したい場合には、部品11がシャフト3を移動している間に半回転または一回転半などをすればよい。このように、部品11の希望する回転角度、移動距離、シャフト3の長さ、6つの面10のねじれなどを計算すれば、所望の角度だけ回転した状態で部品11を渡すことができる。
【0046】
このように、加工機械に設置された部品送り機構1において、加工機械に固定されたシャフト3が貫通するブッシング2が、駆動源8によってシャフト3の表面を軸方向へ移動する場合に、シャフト3の表面の6面のねじれ程度によって、ブッシング2がシャフト3表面を回転しながら移動し、ブッシング2が受け取っている部品10が希望する角度だけ回転した状態で、同じ加工機械または別の加工機械にある次の加工工程に渡すことができる。
そして、部品11が半回転した状態や、90度回転した状態や、270度回転した状態などを、ねじれ程度によって自由に設定することが可能である。
もちろん、設定によっては、部品が回転しながら移動するとしても、最終的に元の状態に戻れば、次の加工場所では回転しなかったのと同じ状態で渡すことも可能である。
【0047】
図2は、本発明の好適な部品送り機構の別の実施態様と、それを備えた加工機械の一部の構造を示す斜視図である。
図2において、部品送り機構14は、図1の部品送り機構1と基本的な仕組みは同じであり、ブッシング16とそのブッシング16を貫通するシャフト19が軸方向に相対的に往復動することは共通する。また、ブッシング16とシャフト19の構造も、図1に示す部品送り機構1の場合と同じである。
図1の部品送り機構1では、シャフト3が加工機械のベース4に固定されていて、ブッシング2はシャフト3の外周表面をベアリング9a、9bを介して駆動源8によって往復動しているのに対して、図2の部品送り機構14では、ブッシング16が加工機械のベース15に固定され、シャフト17がブッシング16の貫通穴の中でベアリング18a、18bを介して駆動源19によって摺動されて往復動する。
つまり、相対的に、ブッシング2、16とそれを貫通するシャフト3、17が往復動することは同じだが、加工機械のベース4、15に固定されるものや往復動を行うものが、ブッシング2、16なのか、それとも、シャフト3、17なのかが異なっている。
【0048】
図2において、ブッシング16は加工機械のベース15に固定されている。ブッシング16の貫通穴の中を、シャフト17がベアリング18a、18bを介して摺動して往復動できるようになっている。そして、図1の部品送り機構1の場合と同様に、シャフト17は断面六角形の中実の柱状で、しかも、6つの面19はねじれを有している。そのために、シャフト17が駆動源20によって軸方向に押されると、ブッシング16は固定した状態で、シャフト17はブッシング16の貫通穴の中をベアリング18a、18bを介して、ねじれの分だけ回転しながら摺動して往復動する。
駆動源20であるガスシリンダ21の往復動するシリンダ軸22が、シャフト17の一端部で、シャフト17が回転可能に接続されている。つまり、シリンダ21のシリンダ軸22は回転せずに往復動だけであるが、シリンダ軸22に押されるシャフト17は回転運動できるように接続されている。
シャフト17の他端部には部品23を外部から受け取れる構造になっており、回転して往復動するシャフト17が受け取った部品23を次の加工場所へ回転した状態で渡すことができる。また、図1の部品送り機構1と同様に、回転しなかったのと同じ状態で次の加工場所へ渡すことができることは当然である。
【0049】
このように、図1及び図2に示す部品送り機構1、14によって、部品11、23を受け取ってから所定の角度だけ回転した状態で、次の加工場所へ渡すことができる。
【0050】
図3は、図1に示す部品送り機構1のブッシング2とシャフト3を詳細に示す平面図である。
また、図4は、図3に示すブッシング2の少し角度を変えて見た図である。
更に、図5は、図4に示すブッシング2の側面外観図である。
更に、図6は、図4に示すブッシング2のA―A断面図である。
【0051】
図3図4図5図6からわかるように、ブッシング2は外周が断面正六角形であり、内周にシャフト3が貫通しうる断面円形状の貫通穴を有する中空の柱状である。外周の6面のうちの3面には、ベアリング9a、9b、9cがブッシング2の中の貫通穴に面する位置に埋め込まれており、ベアリング9a、9b、9cによってブッシング2とシャフト3が摺動して移動できるような構造になっている。3面の3方向で支えるので、シャフト3はブッシング2の貫通穴において安定した位置を保つことができる。
【0052】
ベアリング9a、9b、9cは、単に、ブッシング2とシャフト3の間にボールが挟まれてブッシング2とシャフト3とボールによってベアリング機能を有するだけではなく、ブッシング2やシャフト3とは別個の独立したベアリングがブッシング2の中に埋め込まれているので、ベアリング9a、9b、9cが摩耗や損傷した場合には交換することができる。しかも、市販のベアリングを使うことができるので、安価に簡単に交換することができ、部品送り機構とそれを備えた加工機械のユーザにとっては、維持管理するうえで好都合である。
【0053】
図7は、2個のブッシング25a、25bをブッシング接続部材24a、24bで接続した場合の実施態様を示している。
図1及び図2に示す実施態様ではブッシング2、16が1個のみであり、しかも、各ブッシング2、16には6面のうちの3面に、1つのベアリング9a、9b、9c、18a、18b、18cが1個ずつ配置されている。そのために、ブッシング2、16がシャフト3、17の面10、19上を摺動する場合に、ブッシング2、16がシャフト3、17の面10、19上で振動を起こすなどの不安定な動きをする可能性が有る。そこで、図7に示すように、2個のブッシング25a、25bをブッシング接続部材24a、24bで接続すれば、ブッシング25a、25bは振動が少なくて、安定して摺動することができる。
【符号の説明】
【0054】
1、14 …… 部品送り機構
2、16、25a、25b …… ブッシング
3、17 …… シャフト
4、15 …… 加工機械のベース
5、21 …… ガスシリンダ
6、22 …… シリンダ軸
7 ……… シリンダヘッド
8、20 …… 駆動源
9a、9b、9c、18a、18b、18c …… ベアリング
10、19 …… シャフトの面
11、23 …… 部品
12 ……… ボックス
13 ……… 磁石
24a、24b ……… ブッシング接続部材
【要約】
【課題】 加工機械の部品を加工場所へ移送する部品送り機構は、シャフトと、このシャフトが貫通して摺動移動するブッシングからなり、シャフトまたはブッシングのいずれかに部品を搭載して移送する。移送に当たり、部品を回転させて移送する部品送り機構と、その部品送り機構を備えた加工機械を提供する。
【解決手段】シャフトは断面多角形とし、ブッシングが摺動移動するシャフトの外周の面がシャフト方向に進むに連れてねじれを有しており、ブッシングとシャフトのいずれかに搭載された部品が、相対的に回転しながらシャフト方向へ移送されるように部品送り機構を構成する。加工機械は、そのような部品送り機構を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7