特許第6778029号(P6778029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6778029
(24)【登録日】2020年10月13日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】霜感知機能を持つレインセンサー
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/17 20060101AFI20201019BHJP
   B60S 1/08 20060101ALI20201019BHJP
【FI】
   G01N21/17 E
   B60S1/08 H
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-125440(P2016-125440)
(22)【出願日】2016年6月24日
(65)【公開番号】特開2017-15702(P2017-15702A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2019年5月17日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0094995
(32)【優先日】2015年7月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA MOTORS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ, ジン サン
(72)【発明者】
【氏名】ホン, ヨン ピョ
(72)【発明者】
【氏名】ユ, ナム ジュン
(72)【発明者】
【氏名】パク, ジョン ミン
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−025036(JP,A)
【文献】 特開昭53−076879(JP,A)
【文献】 特表2004−511757(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第19701258(DE,A1)
【文献】 特開2001−066246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/17−21/61
B60S 1/00− 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース(110)と、発光部(120)と、受光部(130)と、制御部(140)と、を含んで構成され、車両ガラス(10)に付着されるレインセンサーであって、
前記ケース(110)には、車両ガラス(10)に付着される面の一部分が陷沒して、室内空気と接することができる霜感知領域(111)が形成され、
前記発光部(120)は、車両ガラス(10)の室外面と前記霜感知領域(111)で全反射されるように光を発光し、
前記受光部(130)は、前記全反射された光を受光して信号を出力し、
前記制御部(140)は、前記受光部(130)の信号を受信して、車両ガラス(10)の室外面の雨粒の状態及び車両ガラス(10)の室内面に生成された霜の状態を分析し、
車両の内部と前記霜感知領域(111)とを接続する空気通路(112)が、前記霜感知領域(111)と同一面が陥没して形成され、室内空気が、前記空気通路(112)を通して前記霜感知領域(111)に導入されることを特徴とする霜感知機能を持つレインセンサー。
【請求項2】
前記制御部(140)は、前記雨粒及び霜の状態を分析した結果によって、車両のワイパーと空調装置を制御する信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の霜感知機能を持つレインセンサー。
【請求項3】
前記発光部(120)は、
光を発光する発光モジュール(121)と、
前記発光モジュール(121)から発光された光が平行に反射されるように放物面状の反射面を持ち、車両ガラス(10)の方向に反射されるようにする発光放物面鏡モジュール(122)と、
前記発光放物面鏡モジュール(122)で反射された光が平行に維持されて透過するようにする発光鋸歯型回転プリズム(123)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の霜感知機能を持つレインセンサー。
【請求項4】
前記発光放物面鏡モジュール(122)は、前記発光モジュール(121)から発光された光が車両ガラス(10)で全反射可能な角度で入射するように反射させることを特徴とする請求項3に記載の霜感知機能を持つレインセンサー。
【請求項5】
前記受光部(130)は、
前記発光モジュール(121)から発光されて車両ガラス(10)で全反射された光を受光する受光モジュール(131)と、
前記車両ガラス(10)で全反射された光が透過する受光鋸歯型回転プリズム(132)と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の霜感知機能を持つレインセンサー。
【請求項6】
前記受光部(130)は、放物面状の反射面を持つ受光放物面鏡モジュール(133)を含むことを特徴とする請求項5に記載の霜感知機能を持つレインセンサー。
【請求項7】
前記発光部(120)は二つ以上からなり、前記雨粒を感知することができる感知領域が二つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の霜感知機能を持つレインセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は霜感知機能を持つレインセンサーに係り、より詳細には、車両ガラスに付着されてガラス表面の雨粒及び霜を感知し、感知された物質の種類及び量と雨粒の落下周期によって車両のワイパーと空調装置を制御するように信号を出力する霜感知機能を持つレインセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に設けられたレインセンサー(rain sensor)は、車両ガラスに付いた雨粒及び異物を感知すれば、車両のワイパー(wiper)が作動するように制御信号を出力して車両ガラスの雨粒及び異物を除去することができる。ところで、冬季には車両内外部の温度差によって車両ガラスの室内面に霜が生成され運転者の視野を邪魔するので、除霜が必要になる。すなわち、運転者がヒーター及び熱線などの空調装置で除霜するが、一度霜が生成し始めると、一時消えてからまた持続的に生成されるので、手動で空調装置を毎度作動させなければならない不便さがある。したがって、レインセンサーの機能に霜感知機能を付け加えることで、降雨及び霜の生成のいずれも感知して自動で空調装置を作動させて、運転者の運転に役立てることができる霜感知機能を持つレインセンサーが切実である。
【0003】
一方、車両ガラスに生成された霜を除霜する技術に関し、大韓民国特許公開第10−2011−0068307号公報には、車両ガラスの除霜装置及び方法(特許文献1)が開示されており、大韓民国特許登録第10−0229772号公報にはウィンドシールドガラスの氷感知時の音声確認装置(特許文献2)が開示されている。特許文献1は、外気センサーで検出された外気温度と現在設定された暖房モードの種類が既設定の判断条件を満たす場合、自動で現在の外気温度に対応するフロー電圧値が送風機の駆動部に伝達され、最終にヒーターを通じて吐き出される風量及び吐出強度などによって除霜することができる。特許文献2は、自動車のエンジンの始動時、ウィンドシールドガラス重量センサーと外気温度センサーで検出された値を分析し、ウィンドシールドガラスに氷があると判断して空調装置を作動させ、音声で現在状況につていの案内メッセージを出力することができる。すなわち、ウィンドシールドガラスの重量が増加し、外気温度が氷生成温度である場合、空調装置を作動させてウィンドシールドガラスの氷を除去することができる。
【0004】
前述したような除霜技術は、外気センサーで検出された外気温度から水の露点を感知して霜の生成を予測するという点は肯定的であるが、温度予測の誤差または温度分布の非均一性によって、誤作動が発生する可能性がある。したがって、外気温度によって霜の生成を予測する方法よりは、直接霜を感知するよう構成し、降雨及び霜の生成のいずれも感知できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国特許公開第10−2011−0068307号公報
【特許文献2】大韓民国特許登録第10−0229772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような要求に応えるためになされたものであって、本発明の目的は、室外面の雨粒の状態及び車両ガラスの室内面に生成された霜の状態を分析できる霜感知機能を持つレインセンサーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による霜感知機能を持つレインセンサーは、ケース(110)と、発光部(120)と、受光部(130)と、制御部(140)と、を含んで構成され、車両ガラス(10)に付着されるレインセンサーであって、前記ケース(110)には、車両ガラス(10)に付着される面の一部分が陷沒して、室内空気と接することができる霜感知領域(111)が形成され、前記発光部(120)は、車両ガラス(10)の室外面と前記霜感知領域(111)で全反射されるように光を発光し、前記受光部(130)は、前記全反射された光を受光して信号を出力し、前記制御部(140)は、前記受光部(130)の信号を受信して、車両ガラス(10)の室外面の雨粒の状態及び車両ガラス(10)の室内面に生成された霜の状態を分析し、車両の内部と前記霜感知領域(111)とを接続する空気通路(112)が、前記霜感知領域(111)と同一面が陥没して形成され、室内空気が、前記空気通路(112)を通して前記霜感知領域(111)に導入されることを特徴とする。
【0008】
前記制御部(140)は、前記雨粒及び霜の状態を分析した結果によって、車両のワイパーと空調装置を制御する信号を出力することを特徴とする。
【0009】
前記発光部(120)は、光を発光する発光モジュール(121)と、前記発光モジュール(121)から発光された光が平行に反射されるように放物面状の反射面を持ち、車両ガラス(10)の方向に反射されるようにする発光放物面鏡モジュール(122)と、前記発光放物面鏡モジュール(122)で反射された光が平行に維持されて透過するようにする発光鋸歯型回転プリズム(123)と、を含むことを特徴とする。
【0010】
前記発光放物面鏡モジュール(122)は、前記発光モジュール(121)から発光された光が車両ガラス(10)で全反射可能な角度で入射するように反射させることを特徴とする。
【0011】
前記受光部(130)は、前記発光モジュール(121)から発光されて車両ガラス(10)で全反射された光を受光する受光モジュール(131)と、前記車両ガラス(10)で全反射された光が透過する受光鋸歯型回転プリズム(132)と、を含むことを特徴とする。
【0012】
前記受光部(130)は、放物面状の反射面を持つ受光放物面鏡モジュール(133)を含むことを特徴とする。
【0013】
前記発光部(120)は二つ以上からなり、前記雨粒を感知することができる感知領域が二つ以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明による霜感知機能を持つレインセンサーによれば、ケースには、車両ガラスに付着される面の一部分が陷沒して、室内空気と接することができる霜感知領域が形成され、発光部は、 車両ガラスの室外面と霜感知領域で全反射されるように光を発光し、受光部は、全反射された光を受光して信号を出力し、制御部は、受光部の信号を受信して分析するように構成したので、車両ガラスの室外面の雨粒の状態及び車両ガラスの室内面に生成された霜の状態を知ることができる。雨粒の落下周期も検知できる。分析結果に基づき車両のワイパーと空調装置を制御することで、ワイパー及び空調装置の無駄な動きをなくすことができる。
また、本発明によれば、レインセンサーで霜が感知できるので、霜感知センサーを必要とせず、コストが抑えられるとの効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による霜感知機能を持つレインセンサーが車両に付着される一例を示した斜視図である。
図2】本発明による霜感知機能を持つレインセンサーの主要構成を概略的に示した斜視図である。
図3】本発明による霜感知機能を持つレインセンサーの内部構成及び作動による光の移動経路を簡略に示した概略図である。
図4】本発明の他の実施例による霜感知機能を持つレインセンサーの内部構成及び作動による光の移動経路を簡略に示した概略図である。
図5】本発明による霜感知機能を持つレインセンサーが各感知領域で感知することによって変わる光を簡略に示した概略図である。
図6】本発明による霜感知機能を持つレインセンサーが複数の感知領域で感知することによって変わる光を簡略に示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明による霜感知機能を持つレインセンサーを詳しく説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明による霜感知機能を持つレインセンサーが車両に付着される一例を示した斜視図である。図1に示すように、レインセンサー100は、車両の前面ガラスに付着されたものを示している。なお、レインセンサーは、車両の前面ガラスだけでなく、車両のガラスの中でワイパーが設けられる後面ガラスにも付着できる。レインセンサー100は、車両ガラスに付着されるものなので、車両ガラス表面の屈曲に合うようにその外形の屈曲を設計することができる。本発明によるレインセンサー100は、小型に設計してあることから、車両ガラス表面の屈曲に合わせる必要がなく、車両ガラスのどこの部分にも付着できる。
【0018】
図2は、本発明による霜感知機能を持つレインセンサーの主要構成を概略的に示した斜視図である。図2に示すように、レインセンサー100は、ケース110、発光部120、受光部130及び制御部140を含むことができる。ケース110は、レインセンサー100の内部構成を保護し、車両ガラス10に一面が付着され、霜感知領域111及び空気通路112を含む。霜感知領域111は、ケース110の車両ガラス10に付着される面に一部分が陷沒して形成された空間で、霜感知領域111に位置する車両ガラス10に霜が生成することができる空間を形成する。
【0019】
空気通路112は、前記霜感知領域111に室内空気が流入することができるように、霜感知領域111と同一面が陷沒して車両の室内と霜感知領域111を連結する。発光部120は、光を発光する手段であり、受光部130は発光部120から発光された光を受光し、受光された光を信号として出力し、制御部140はレインセンサー100に内蔵され、受光部130から出力された信号を分析及び判断して、車両のワイパーと空調装置を制御することができる制御信号を出力する。本発明によるレインセンサー100の霜感知領域111、発光部120及び受光部130は、発光部120から発光された光が車両ガラス10及び霜感知領域111で全反射されて受光部130に受光可能な位置に設けられることが好ましい。
【0020】
図3は、本発明による霜感知機能を持つレインセンサーの内部構成及び作動による光の移動経路を簡略に示した概略図である。図3に示すように、レインセンサー100は、車両ガラス10の前面に接着面20を付着して、車両ガラス10に落ちる雨粒を感知することができる。ここで、前面ガラスに落ちるものは、雨粒に限られず、雨粒と類似した物質も含まれる。接着面20はシリコンを用いた接着が最も好ましい。
【0021】
また、図3によれば、レインセンサー100は、霜感知領域111、発光モジュール121、発光放物面鏡モジュール122、発光鋸歯型回転プリズム123、受光モジュール131、受光鋸歯型回転プリズム132及び制御部140を含むことができる。霜感知領域111は、車両ガラス10の室内表面に生成された霜Fを感知できる。レインセンサー100は、車両ガラス10に付着される面の一部分が陷沒して形成され、室内空気と接することができるので、霜感知領域111に位置する車両ガラス10に霜Fが生成できる。
【0022】
図2に表示された発光部120は、光を発光する発光モジュール121、発光放物面鏡モジュール122及び発光鋸歯型回転プリズム123を含むことができる。発光モジュール121は、光を発光する手段である。ここで光は多様な形態の光を採用することができるが、赤外線を採用することが好ましい。また、発光モジュール121から発光する光は、発光放物面鏡モジュール122の方向に発光するように構成される。
【0023】
また、設計条件によっては、発光モジュール121が、二つ以上から構成される場合、受光部130が、二つ以上の発光モジュール121から発光される光を区別することができるように、互いに異なる波長領域の光を発光するように設計することができる。発光放物面鏡モジュール122は、発光モジュール121から発光された光を車両ガラス10の方向に入射させるために、図3に示すように、放物面状の反射面を持つように構成することができる。一般に、平行波長を持つ光は、放物面鏡によって集光できる。本発明のレインセンサー100は、この点を逆に適用して、発光モジュール121から発光された光が発光放物面鏡モジュール122で平行に反射できるようにする。したがって、発光放物面鏡モジュール122は、発光モジュール121から発光された光が平行に反射できるように、放物面を屈曲させることが好ましい。
【0024】
発光鋸歯型回転プリズム123は、発光放物面鏡モジュール122で反射された光を透過させる機能を有する。このような発光鋸歯型回転プリズム123は、発光放物面鏡モジュール122で反射された光の平行状態を維持するプリズムが内部方向に突出する。したがって、発光放物面鏡モジュール122で反射された光は発光鋸歯型回転プリズム123を通じて平行状態に入射角を維持することができる。
【0025】
また、設計条件によっては、発光モジュール121が二つ以上からなることができるため、発光鋸歯型回転プリズム123は、それぞれの発光モジュール121から発光された光が単一の受光モジュール131に受光できるように、プリズムの方向を調節(回転)できる。ここで、回転は方向の調節を意味する。また、発光モジュール121から発光された光は、車両ガラス10と霜感知領域111で全反射される光量によって雨粒W及び霜Fを感知することができる。この際、光が特定媒質で全反射されるためには、全反射可能な臨界角を超える角度で入射しなければならない。ここで、全反射は屈折率の高い媒質から屈折率の低い媒質に移動するときに発生し、媒質に入射する光が一定角度以上の入射角に至れば光が媒質の外部に離脱することができないので、一定角度を臨界角と言う。
【0026】
本発明において、発光鋸歯型回転プリズム123が光の角度を調節することで、透過する光が車両ガラス10で全反射可能な角度で入射する。一般に、車両ガラスの屈折率は1.5〜1.51、空気の屈折率は1である。このような屈折率値から車両ガラス10の臨界角を調べるために下記の式を用いる。
【0027】
【数1】
【0028】
ここで、屈折率nは、車両ガラスの屈折率、屈折率nは空気の屈折率である。前記数式1によって得た臨界角は約41.4°となる。すなわち、発光放物面鏡モジュール122を透過する光が車両ガラス10で全反射できるように、41.4度以上の角度で入射するように調節する。
【0029】
受光部130は、光を受光する受光モジュール131、及び受光鋸歯型回転プリズム132を含むことができる。受光モジュール131は、光を受光する手段である。ここで、光は車両ガラス10及び霜感知領域111で反射された光で、前記光を受光して制御部140に受光した光に対応する信号を出力する。受光鋸歯型回転プリズム132は、車両ガラス10で全反射された光が受光モジュール131に受光できるように、当該光を受光モジュール131の方向に偏向させて受光されるように誘導することができる。すなわち、平行に入射した光が受光鋸歯型回転プリズム132のプリズムを透過しながら一地点に最大に集光するように誘導するものである。したがって、受光鋸歯型回転プリズム132はプリズムを通じて集光される領域が受光モジュール131となるように設計することが好ましい。
【0030】
この際、受光鋸歯型回転プリズム132は、発光鋸歯型回転プリズム123と任意の垂直方向中心線を中心として互いに対称な方向に構成する。また、設計条件によって発光モジュール121が二つ以上で構成されることができる。受光鋸歯型回転プリズム132は、それぞれの発光モジュール121から発光された光が、車両ガラス10で全反射されて単一の受光モジュール131に受光されるように、プリズムが回転できる。ここで、回転は、方向の調節を意味する。
【0031】
制御部140は、受光モジュール131から出力された信号を受信し、車両と通信することで、制御信号を当該車両に伝送することができる。ここで、車両通信はLIN通信を採用することができる。LIN通信は、Local Interconnect Networkの略字で、主に車両ECUと能動センサー及び能動アクチュエーター間のデータ伝送に使われるので、雨粒を感知して能動的に車両のワイパーと空調装置を作動させるための本発明に適用するのに適する。
【0032】
また、受信された信号を分析して雨粒W及び霜Fの存在有無が分かり、感知された物質の種類及び量と雨粒の周期(落下周期)によって適合した制御信号を当該車両に伝送することができる。これによって車両のワイパーと空調装置を制御して雨粒W及び霜Fを除去する。ここで、空調装置は霜Fを除去することができる手段で、自動車内のヒーターまたは車両ガラス10の内部に埋め込まれた熱線を含む。よって、受光モジュール131から出力された信号に応じて空調装置を作動させて霜Fを除去する。
【0033】
また、雨粒W及び霜Fに影響されて受光された光量のデータから臨界値を設定し、受光モジュール131から受けた信号は所定の臨界値によって判断して、車両のワイパーまたは空調装置を作動させる制御信号を出力することができる。ここで、臨界値は、車両のワイパーと空調装置を作動させるための雨粒W及び霜Fの量に対する最小値を意味する。すなわち、雨粒W及び霜Fの量が所定の臨界値未満の場合、車両のワイパーまたは空調装置を作動させないことで、不要なワイパーの作動を抑えることができる。
【0034】
図4は、本発明の他の実施例による霜感知機能を持つレインセンサーの内部構成及び作動による光の移動経路を簡略に示した概略図である。図4に示すように、受光部130は受光放物面鏡モジュール133をさらに含むことができる。受光放物面鏡モジュール133は、発光モジュール121から発光された光が車両ガラス10及び霜感知領域111で全反射された光のうち、受光モジュール131を外れる光を受光モジュール131に反射させるために放物面状の反射面を持つ。すなわち、図4に示すように構成することにより、本発明は車両ガラス10で全反射された光を一層効率よく受光することができ、よって感知機能を上昇させることができる利点がある。
【0035】
図5は、本発明による霜感知機能を持つレインセンサーが各感知領域で感知することによって変わる光を簡略に示したものであり、図6は、本発明による霜感知機能を持つレインセンサーが複数の感知領域で感知することによって変わる光を簡略に示したものである。図5及び図6に示す実線の矢印は、発光モジュール121から発光される光の量を示し、一点鎖線の矢印は、実線で表示された光から一部が損失された光の量を示し、点線の矢印は一点鎖線で表示する光の一部が損失された光の量を示す。ここで、点線の間隔が小さくて点線が稠密であるほど光量が少ないことを示す。
【0036】
図5(a)の場合、車両ガラス10に感知される物質がない状態であるとき、発光モジュール121から発光された光が、車両ガラス10と霜感知領域111で全反射されて、受光モジュール131に受光される光の移動経路を示す。この際、発光モジュール121から発光された光は、臨界角を超える角度で車両ガラス10に入射するため、入射した光は車両ガラス10と霜感知領域111で全反射されて受光モジュール131に受光される。ここで、受光モジュール131に受光された光は全反射で受光されたので、発光モジュール121から発光された光の量と同一である。したがって、受光モジュール131に受光された光の量が発光モジュール121から発光された光の量と同一である場合、制御信号を出力せず、車両のワイパー及び空調装置が作動しないようにする。
【0037】
図5(b)〜図5(d)に示すように、雨粒Wまたは霜Fを感知するとき、発光モジュール121から発光された光が、雨粒Wまたは霜Fが付いている領域に臨界角以上の角度で入射する場合、空気より屈折率が高い雨粒Wまたは霜Fによって一部の光は、外部に透過するか損失される。したがって、受光モジュール131は、受光される光の量を分析して雨粒Wまたは霜Fを感知し、信号を出力する。図5(b)及び図5(d)において、受光される光の量と図5(c)において受光される光の量は同じ一点鎖線で表示したが、実際に雨粒W及び霜Fによって損失される光の量に差があるため、このような差によって受光モジュール131から出力される信号は互いに異なる。
【0038】
図6(a)は、多量の雨粒W1、W2を感知するときの光量の変化を概略的に示したものである。発光モジュール121から発光された光が雨粒W1に反射されれば、一部の光は外部に透過するか損失され、一部の光は霜感知領域111に反射される。前記光は霜感知領域111で全反射されて雨粒(W2)の方向に反射され、雨粒W2によって一部の光は損失され、残りの光が受光モジュール131に受光される。したがって、受光モジュール131は、受光される光の量を分析して多量の雨粒(W1、W2)を感知し、信号を出力する。
【0039】
図6(b)及び図6(c)は、雨粒Wと霜Fを感知するときの光量の変化を概略的に示したものである。発光モジュール121から発光された光が雨粒Wと霜Fを感知し、一部の光が損失され、残りの光は受光モジュール131に受光される。したがって、受光モジュール131は、受光される光の量を分析して雨粒Wと霜Fを感知し、信号を出力する。ここで、図6(a)において受光される光の量と図6(b)及び図6(c)において受光される光の量は同じ点線で表示したが、実際に雨粒W、W1、W2と霜Fを通じて損失される光量は差があるから、このような差によって受光モジュール131から出力される信号は互いに異なる。
【0040】
図6(d)は、多量の雨粒W1、W2と霜Fを感知するときの光量の変化を概略的に示したものである。発光モジュール121から発光された光は、すべての感知領域で多量の雨粒W1、W2と霜Fを感知し、一部の光は損失され、残りの光は受光モジュール131に受光される。従って、受光モジュール131は、受光される光の量を分析して多量の雨粒W1、W2と霜Fを感知し信号を出力する。
【0041】
前述した雨粒Wと霜Fによる信号の大きさの分類は一例として提示したもので、さまざまな場合に対するデータベースを構築して別に信号分析に活用することもできる。このような過程により、本発明によるレインセンサーは、全反射を用いるレインセンサーで霜を感知する機能を含むので、追加の費用が発生しない。以上、図1図6に基づいて本発明の主要事項を説明したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0042】
10 車両ガラス
20 接着面
100 レインセンサー
110 ケース
111 霜感知領域
112 空気通路
120 発光部
121 発光モジュール
122 発光放物面鏡モジュール
123 発光鋸歯型回転プリズム
130 受光部
131 受光モジュール
132 受光鋸歯型回転プリズム
133 受光放物面鏡モジュール
140 制御部
W、W1、W2 雨粒
F 霜
図1
図2
図3
図4
図5
図6