(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る物品配達管理システムの実施形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0015】
〔物品配達管理システムの構成〕
図1に、本実施形態における物品配達管理システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、物品配達管理システム100は、物品の配達依頼を受け付ける配達管理サーバ10と、利用者が携帯する移動通信端末20と、物品の配達先である受取所30又はその近傍に設置され、受取所30に関連付けられた無線情報発信機器40と、を備える。配達管理サーバ10と移動通信端末20とは、インターネット等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続される。移動通信端末20、無線情報発信機器40の台数、受取所30の設置数については、限定されない。
【0016】
配達管理サーバ10は、通信販売で注文された商品や宅配物の配達業務を管理する。例えば、配達管理サーバ10は、利用者が操作する移動通信端末20又はPC(Personal Computer)等から通信販売における商品の購入及び配達依頼を受け付けたり、依頼者から指定された受取人への物品の配達依頼を受け付けたりする。配達管理サーバ10は、PC、WS(Work Station)等の情報機器である。
【0017】
移動通信端末20は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末等、物品の受取人である利用者が常時携帯可能な大きさや形状を有する情報機器である。
【0018】
受取所30は、駅等、利用者が立ち寄りやすい場所に設けられている。配達員50は、配達の対象となる物品を受取所30に配達する。利用者は、受取所30に配達された物品を受け取る。
【0019】
無線情報発信機器40は、常時、当該無線情報発信機器40に固有の識別情報を無線発信する。この無線発信手段としては、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、光通信、超音波等が用いられる。無線情報発信機器40から発信される無線情報を受信可能な範囲は限られているため(例えば、数十m〜百m等)、移動通信端末20は、無線情報発信機器40から所定の距離以下に近付いた場合に、無線情報発信機器40から発信された識別情報を受信可能となる。
【0020】
〔配達管理サーバの構成〕
次に、配達管理サーバ10の構成について、詳細に説明する。
配達管理サーバ10は、制御部11、操作部12、表示部13、記憶部14、通信部15等を備えて構成されており、各部はバスにより接続されている。
【0021】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、配達管理サーバ10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、ROMや記憶部14に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0022】
操作部12は、ユーザからの操作入力を受け付け、当該操作に応じた操作信号を制御部11に出力する。例えば、操作部12は、カーソルキー、文字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0023】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等によって構成されており、制御部11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0024】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
記憶部14には、受取所情報テーブルT11(
図2参照)、配達管理テーブルT12(
図3参照)、通知抑制識別情報リストが記憶されている。
【0025】
図2に、受取所情報テーブルT11の例を示す。
受取所情報テーブルT11には、各受取所30に対して、当該受取所30の位置情報と、当該受取所30に関連付けられた一又は複数の無線情報発信機器40の識別情報と、が対応付けられている。
受取所30の位置情報は、受取所30の設置位置を示す情報である。例えば、受取所30の位置情報は、緯度及び経度により示される情報であってもよいし、受取所30の周辺地図等であってもよいし、受取所30の設置位置を文章で説明した情報であってもよい。
また、各受取所30には、当該受取所30又はその近傍に設置された無線情報発信機器40が予め関連付けられている。ここで、受取所30の「近傍」とは、利用者が受取所30に立ち寄って物品を受け取るにあたって、利用者に注意を喚起するのに適した範囲をいう。例えば、或る受取所30には、当該受取所30が設けられた駅、隣接駅、近隣駅にそれぞれ設置された無線情報発信機器40が関連付けられている。
【0026】
図3に、配達管理テーブルT12の例を示す。
配達管理テーブルT12には、配達依頼毎に、依頼者、通知先の移動通信端末、物品、受取所、ロッカー番号、配達完了日時等が対応付けられて格納される。
「依頼者」フィールドには、配達を依頼した者を示す情報が格納される。
「通知先の移動通信端末」フィールドには、利用者(受取人)が携帯する移動通信端末20を示す情報が格納される。
「物品」フィールドには、配達の対象となる物品を示す情報が格納される。
「受取所」フィールドには、依頼者又は受取人が指定した受取所30を示す情報が格納される。
「ロッカー番号」フィールドには、指定された受取所30において、物品が収納されたロッカーの番号を示す情報が格納される。
「配達完了日時」フィールドには、指定された受取所30へ物品の配達が完了した日時を示す情報が格納される。
【0027】
通知抑制識別情報リストには、無線情報発信機器40の識別情報のうち予め定められた一又は複数の通知抑制識別情報が含まれる。通知抑制識別情報は、例えば、駅のプラットホーム等、利用者が移動通信端末20を操作しながら歩行すると危険と考えられる場所に設置された無線情報発信機器40に対応する識別情報である。通知抑制識別情報リストは、制御部11により、通信部15を介して各移動通信端末20に送信される。
【0028】
通信部15は、通信インターフェース等により構成され、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介して外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0029】
制御部11は、受取所30への物品の配達完了が通知された場合に、当該受取所30に関連付けられた無線情報発信機器40の識別情報を、通信部15を介して移動通信端末20に通知する。すなわち、制御部11は、通知手段として機能する。
【0030】
また、制御部11は、受取所30への物品の配達完了が通知された場合に、当該受取所30に関連付けられた無線情報発信機器40の識別情報と対応付けて、受取所30へ配達された物品を示す情報を、通信部15を介して移動通信端末20に通知する。
【0031】
〔移動通信端末の構成〕
次に、移動通信端末20の構成について、詳細に説明する。
移動通信端末20は、制御部21、操作部22、表示部23、記憶部24、通信部25、計時部26等を備えて構成されており、各部はバスにより接続されている。
【0032】
制御部21は、CPU、ROM、RAM等から構成され、移動通信端末20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、ROMや記憶部24に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0033】
操作部22は、ユーザからの操作入力を受け付け、当該操作に応じた操作信号を制御部21に出力する。操作部22は、表示部23に積層されたタッチパネルにより構成され、ユーザの指等によるタッチ操作の位置に応じた操作信号を制御部21に出力することとしてもよい。
【0034】
表示部23は、LCD等によって構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0035】
記憶部24は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
記憶部24には、通知内容管理テーブルT21(
図4参照)、通知抑制識別情報リストが記憶されている。
【0036】
図4に、通知内容管理テーブルT21の例を示す。
通知内容管理テーブルT21には、配達依頼毎に、物品、受取所、位置情報、ロッカー番号、配達完了日時、無線情報発信機器の識別情報等が対応付けられて格納される。
「物品」フィールドには、配達が完了した物品を示す情報が格納される。
「受取所」フィールドには、物品が配達された受取所30を示す情報が格納される。
「位置情報」フィールドには、物品が配達された受取所30の位置情報が格納される。
「ロッカー番号」フィールドには、受取所30において、物品が収納されたロッカーの番号を示す情報が格納される。
「配達完了日時」フィールドには、受取所30へ物品の配達が完了した日時を示す情報が格納される。
「無線情報発信機器の識別情報」フィールドには、物品が配達された受取所30に関連付けられた一又は複数の無線情報発信機器40の識別情報が格納される。
【0037】
通知抑制識別情報リストは、配達管理サーバ10から各移動通信端末20に送信されたものであり、無線情報発信機器40の識別情報のうち予め定められた一又は複数の通知抑制識別情報を含む。制御部21は、通信部25を介して配達管理サーバ10から通知抑制識別情報リストを受信すると、当該受信した通知抑制識別情報リストを記憶部24に記憶させる。
【0038】
通信部25は、アンテナや通信回路を有し、制御部21による制御の下で、電気通信事業者等の電話回線網や携帯電話通信網等を介して外部機器との間で無線通信を行う。具体的には、通信部25は、通信ネットワークNを介して配達管理サーバ10との間でデータ通信を行う。また、通信部25は、無線情報発信機器40に対応する無線受信手段を有し、無線情報発信機器40から発信される機器固有の識別情報を受信する。
【0039】
計時部26は、現在日時を計数して保持するカウンタである。
【0040】
制御部21は、無線情報発信機器40から発信された識別情報を、通信部25を介して受信した場合に、当該無線情報発信機器40から受信した識別情報と、配達管理サーバ10から通知された識別情報と、を比較する。
制御部21は、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、配達管理サーバ10から通知された識別情報と、が一致した場合に、受取所30に受け取り可能な物品があることを表示部23に表示させる。
【0041】
また、制御部21は、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、配達管理サーバ10から通知された識別情報と、が一致した場合に、受取所30へ配達された物品を示す情報を表示部23に表示させる。
【0042】
また、制御部21は、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、配達管理サーバ10から通知された識別情報と、が一致した場合に、受取所30へ物品の配達が完了してからの経過日数を表示部23に表示させる。具体的には、制御部21は、通知内容管理テーブルT21の該当する配達依頼に関するレコードから「配達完了日時」を取得し、計時部26から現在日時を取得し、配達完了日時及び現在日時に基づいて、受取所30へ物品の配達が完了してからの経過日数を算出する。
【0043】
また、制御部21は、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、配達管理サーバ10から通知された識別情報と、が一致した場合に、受取所30の設置位置を示す情報を表示部23に表示させる。例えば、制御部21は、通知内容管理テーブルT21の該当する配達依頼に関するレコードから受取所30の「位置情報」を取得し、位置情報に基づいて、受取所30の周辺地図を表示させるとともに、地図中で受取所30の位置を指し示す。
【0044】
また、制御部21は、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、配達管理サーバ10から通知された識別情報と、が一致した場合であっても、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、通知抑制識別情報と、が一致した場合には、受取所30に受け取り可能な物品があることの表示部23への表示を抑制し、通知抑制識別情報と一致する識別情報の受信が終了した後に、受取所30に受け取り可能な物品があることを表示部23に表示させる。
【0045】
〔物品配達管理システムにおける動作の概要〕
次に、
図1を参照して、物品配達管理システム100における動作の概要について説明する。
【0046】
(A.配達依頼)
まず、利用者が携帯する移動通信端末20において、利用者は、通信販売による商品の注文等、受取所30への物品の配達依頼を行う。具体的には、移動通信端末20は、通信ネットワークNを介して配達管理サーバ10にアクセスし、操作部22から入力された依頼者、通知先の移動通信端末20、物品、受取所30を示す情報を、通信部25を介して配達管理サーバ10に送信する。
配達管理サーバ10では、移動通信端末20から受信した依頼者、通知先の移動通信端末20、物品、受取所30を示す情報が対応付けられて、配達管理テーブルT12の新たなレコードとして登録される。
なお、移動通信端末20以外の装置から配達依頼が行われることとしてもよい。
【0047】
(B.配達指示)
次に、配達管理サーバ10では、配達依頼に基づいて、配達員50に対して、依頼者が指定した受取所30への、指定した物品の配達が指示される。
【0048】
(C.配達)
次に、配達員50は、指定された受取所30へ配達の対象となる物品を配達する。具体的には、受取所30に設置されているいずれかのロッカーに、配達の対象となる物品を収納する。
【0049】
(D.配達完了通知)
次に、配達員50は、受取所30への物品の配達が完了したことを、物品が収納されたロッカーの番号、配達完了日時を示す情報とともに、配達管理サーバ10に通知する。例えば、配達員50が所持する通信端末、又は、受取所30に設けられた通信機器から、該当する配達依頼に関する配達が完了したことを配達管理サーバ10に送信する。あるいは、配達員50が配達管理サーバ10の管理者に、該当する配達依頼に関する配達が完了したことを連絡し、配達管理サーバ10の管理者が操作部12から、該当する配達依頼に関する配達が完了したことを入力してもよい。
配達管理サーバ10では、配達管理テーブルT12において、該当する配達依頼に関するレコードに対して、ロッカー番号、配達完了日時を示す情報が追加される。
【0050】
(E.識別情報通知)
次に、配達管理サーバ10は、受取所30への物品の配達完了が通知された場合に、当該受取所30に関連付けられた一又は複数の無線情報発信機器40の識別情報を受取所情報テーブルT11から取得し、取得された無線情報発信機器40の識別情報を、通信部15を介して移動通信端末20に通知する。この際、配達管理サーバ10は、該当する配達依頼に関する物品、受取所、ロッカー番号、配達完了日時を示す情報を配達管理テーブルT12から取得し、無線情報発信機器40の識別情報と対応付けて、移動通信端末20に通知する。また、配達管理サーバ10は、物品が配達された受取所30の位置情報を受取所情報テーブルT11から取得し、取得された受取所30の位置情報を移動通信端末20に通知する。
移動通信端末20では、配達管理サーバ10から受信した無線情報発信機器40の識別情報、物品、受取所、位置情報、ロッカー番号、配達完了日時が対応付けられて、通知内容管理テーブルT21の新たなレコードとして登録される。
【0051】
(F.識別情報発信)
無線情報発信機器40のそれぞれは、常時、当該無線情報発信機器40に固有の識別情報を無線発信している。
【0052】
(G.受け取りを促す表示)
移動通信端末20を携帯する利用者が、列車で移動する際等に、受取所30又はその近傍に設置された無線情報発信機器40の近くを通過すると、移動通信端末20は、無線情報発信機器40から発信された識別情報を受信する。
移動通信端末20は、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、配達管理サーバ10から通知された識別情報と、を比較し、両者が一致した場合に、受取所30に受け取り可能な物品があることを表示部23に表示させる。
【0053】
〔配達管理サーバの動作〕
図5は、配達管理サーバ10により実行される処理を示すフローチャートである。本処理は、移動通信端末20から配達依頼を受け付ける場合の例である。
【0054】
まず、制御部11は、通信部15を介して移動通信端末20から配達依頼を受信したか否かを判断する(ステップS1)。配達依頼を受信しないと判断した場合には(ステップS1;NO)、ステップS1に戻る。
【0055】
ステップS1において、配達依頼を受信したと判断した場合には(ステップS1;YES)、制御部11は、配達依頼に含まれる「依頼者」、「通知先の移動通信端末」、「物品」、「受取所」を示す情報を対応付けて記憶部14に記憶させる(ステップS2)。具体的には、制御部11は、記憶部14の配達管理テーブルT12に新たなレコードを追加し、移動通信端末20において入力された「依頼者」、「通知先の移動通信端末」、「物品」、「受取所」を示す情報を対応付けて登録する。
【0056】
次に、配達管理サーバ10では、配達依頼に基づいて、配達員50に配達を指示する(ステップS3)。例えば、配送センター等に物品及び受取所30を指定して、配達を指示する。
【0057】
次に、制御部11は、通信部15を介して配達員50が所持する通信端末等から配達完了通知を受信したか否かを判断する(ステップS4)。配達完了通知を受信しないと判断した場合には(ステップS4;NO)、ステップS4に戻る。
【0058】
ステップS4において、配達完了通知を受信したと判断した場合には(ステップS4;YES)、制御部11は、配達完了通知に含まれる「ロッカー番号」、「配達完了日時」を示す情報を、配達依頼と対応付けて記憶部14に記憶させる(ステップS5)。具体的には、制御部11は、記憶部14の配達管理テーブルT12において、該当する配達依頼に関するレコードに対して、「ロッカー番号」、「配達完了日時」を示す情報を対応付けて格納する。
【0059】
次に、制御部11は、記憶部14の配達管理テーブルT12において、該当する配達依頼に関するレコードに含まれる「受取所」と「通知先の移動通信端末」を取得する。そして、制御部11は、取得された「受取所」に関連付けられた一又は複数の「無線情報発信機器の識別情報」を記憶部14の受取所情報テーブルT11から取得し、取得された「無線情報発信機器の識別情報」を、通信部15を介して「通知先の移動通信端末」が示す移動通信端末20に通知する(ステップS6)。また、制御部11は、配達管理テーブルT12において、該当する配達依頼に関するレコードに含まれる「物品」、「受取所」、「ロッカー番号」、「配達完了日時」についても、「無線情報発信機器の識別情報」と対応付けて、通信部15を介して移動通信端末20に通知する。また、制御部11は、「受取所」に対応する「位置情報」を記憶部14の受取所情報テーブルT11から取得し、この「位置情報」を、通信部15を介して移動通信端末20に通知する。
以上で、配達管理サーバ10における処理が終了する。
【0060】
〔移動通信端末の動作〕
図6及び
図7は、移動通信端末20により実行される処理を示すフローチャートである。本処理は、移動通信端末20から配達管理サーバ10に配達依頼を行う場合の例である。
【0061】
移動通信端末20において、利用者が、操作部22から配達依頼に係る「依頼者」、「通知先の移動通信端末」、「物品」、「受取所」を入力すると(ステップS11)、制御部21は、入力された情報を含む配達依頼を、通信部25を介して配達管理サーバ10に送信する(ステップS12)。
【0062】
次に、制御部21は、通信部25を介して配達管理サーバ10から「受取所」に関連付けられた「無線情報発信機器の識別情報」を受信したか否かを判断する(ステップS13)。「受取所」に関連付けられた「無線情報発信機器の識別情報」を受信しないと判断した場合には(ステップS13;NO)、ステップS13に戻る。
【0063】
ステップS13において、「受取所」に関連付けられた「無線情報発信機器の識別情報」を受信したと判断した場合には(ステップS13;YES)、制御部21は、受信した識別情報を記憶部24に記憶させる(ステップS14)。具体的には、制御部21は、「無線情報発信機器の識別情報」とともに、「物品」、「受取所」、「位置情報」、「ロッカー番号」、「配達完了日時」を、通信部25を介して配達管理サーバ10から受信する。そして、制御部21は、記憶部24の通知内容管理テーブルT21に新たなレコードを追加し、配達管理サーバ10から受信した「物品」、「受取所」、「位置情報」、「ロッカー番号」、「配達完了日時」、「無線情報発信機器の識別情報」を対応付けて登録する。
【0064】
次に、
図7に移り、制御部21は、通信部25を介していずれかの無線情報発信機器40から無線発信された識別情報を受信したか否かを判断する(ステップS15)。いずれかの無線情報発信機器40から識別情報を受信したと判断した場合には(ステップS15;YES)、制御部21は、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、配達管理サーバ10から通知された識別情報のいずれかと、が一致するか否かを判断する(ステップS16)。具体的には、制御部21は、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、記憶部24の通知内容管理テーブルT21の「無線情報発信機器の識別情報」フィールドに格納されている識別情報のそれぞれと、を比較する。
【0065】
ステップS15において、いずれの無線情報発信機器40からも識別情報を受信しないと判断した場合(ステップS15;NO)、又は、ステップS16において、無線情報発信機器40から受信した識別情報が、配達管理サーバ10から通知された識別情報のいずれとも一致しないと判断した場合には(ステップS16;NO)、ステップS15に戻る。
【0066】
ステップS16において、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、配達管理サーバ10から通知された識別情報のいずれかと、が一致したと判断した場合には(ステップS16;YES)、制御部21は、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、記憶部24に記憶されている通知抑制識別情報リストに含まれる通知抑制識別情報のいずれかと、が一致するか否かを判断する(ステップS17)。
【0067】
無線情報発信機器40から受信した識別情報と、通知抑制識別情報リストに含まれる通知抑制識別情報のいずれかと、が一致したと判断した場合には(ステップS17;YES)、制御部21は、受取所30に受け取り可能な物品があること等の通知の表示部23への表示を抑制する(ステップS18)。つまり、この段階では、まだ受け取りを促す通知を行わない。
【0068】
次に、制御部21は、通知抑制識別情報と一致する識別情報の受信が終了したか否かを判断する(ステップS19)。この判断は、移動通信端末20の利用者が、通知抑制識別情報に対応する無線情報発信機器40から所定の距離だけ離れたか否かの判断に相当する。通知抑制識別情報と一致する識別情報の受信が継続していると判断した場合には(ステップS19;NO)、ステップS19に戻る。
【0069】
ステップS19において、通知抑制識別情報と一致する識別情報の受信が終了したと判断した場合(ステップS19;YES)、又は、ステップS17において、無線情報発信機器40から受信した識別情報が、通知抑制識別情報リストに含まれる通知抑制識別情報のいずれとも一致しないと判断した場合には(ステップS17;NO)、制御部21は、受取所30に受け取り可能な物品があることを表示部23に表示させる(ステップS20)。
【0070】
また、制御部21は、受け取り可能な物品があることに加え、受取所30へ配達された物品を示す情報、受取所30へ物品の配達が完了してからの経過日数、受取所30の設置位置を示す情報を表示部23に表示させる。具体的には、制御部21は、記憶部24の通知内容管理テーブルT21から、無線情報発信機器40から受信した識別情報と一致した識別情報が含まれるレコードに対応する「物品」、「配達完了日時」、「位置情報」等を取得し、これらの情報に基づいて、各種表示を行う。また、制御部21は、表示部23への表示とともに、通知音や振動により、利用者に注意を促すこととしてもよい。
以上で、移動通信端末20における処理が終了する。
【0071】
図8に、移動通信端末20の表示部23に表示される通知画面231の例を示す。
通知画面231には、受け取り可能な物品があることを示すメッセージ61、受取所30へ配達された物品を示す情報62、受取所30へ物品の配達が完了してからの経過日数を示す情報63、受取所30の設置位置を示す地
図64等が含まれる。さらに、制御部21は、移動通信端末20が有する現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報に基づいて、現在位置を示すマークを地
図64上に表示させたり、受取所30までの道順を表示させたりしてもよい。
【0072】
利用者は、移動通信端末20において、受け取り可能な物品がある旨の通知を受けた後、受取所30に立ち寄り、通知されたロッカー番号のロッカーから物品を受け取る。例えば、利用者は、予め設定されているパスワードを入力して、ロッカーを開錠する。
【0073】
なお、利用者が受取所30で物品を受け取った後、移動通信端末20では、記憶部24の通知内容管理テーブルT21において、該当する配達依頼に関するレコードを削除するか、受け取り済みであるという情報を付加して、物品の受け取りを促す対象から除外する。
【0074】
以上説明したように、本実施形態における物品配達管理システム100によれば、受取所30への物品の配達完了に応じて、配達管理サーバ10から移動通信端末20に受取所30に関連付けられた無線情報発信機器40の識別情報を通知しておき、移動通信端末20は、無線情報発信機器40から受信した識別情報と、配達管理サーバ10から通知された識別情報と、が一致した場合に、受取所30に受け取り可能な物品があることを表示部23に表示させる。つまり、移動通信端末20を携帯する利用者が、受取所30又は受取所30に関連付けられた無線情報発信機器40に近付いたタイミングで、受取所30に受け取り可能な物品があることを移動通信端末20の表示部23に表示させるので、受取所30に配達された物品の利用者による受け取り忘れを防止することができる。
【0075】
受取所30に対して、受取所30が存在する駅や隣接駅等に設置された無線情報発信機器40を予め関連付けておき、利用者が日常的に利用する駅で物品を受け取るように受取所30を指定することで、無線情報発信機器40が設置された駅を通過する際に、受取所30に受け取り可能な物品があること(配達済みであること)を通知することができる。これにより、利用者に受け取り可能な物品があることを思い出させることができ、受け取り忘れを防止することができる。
利用者が列車に乗車している際には、受取所30が存在する駅等、目的の駅に到着する直前に移動通信端末20を鞄にしまってしまう場合が多く、受取所30が存在する駅で通知してもマナーモード等で気が付かないおそれがある。これに対し、受取所30が存在する駅の隣接駅を通過するタイミングで通知することができれば、利用者も通知に気が付きやすい。
【0076】
また、受取所30へ配達された物品を示す情報を移動通信端末20の表示部23に表示させるので、同一利用者の配達依頼が複数ある場合であっても、利用者は受取所30へ配達されている物品を容易に把握することができる。
【0077】
また、受取所30へ物品の配達が完了してからの経過日数を移動通信端末20の表示部23に表示させるので、利用者に物品の受け取りを促すことができる。
【0078】
また、受取所30の設置位置を示す情報を移動通信端末20の表示部23に表示させるので、受取所30を容易に見つけ出すことができる。
【0079】
また、通知抑制識別情報を予め定めておくことで、移動通信端末20を携帯する利用者が、通知抑制識別情報に対応する無線情報発信機器40に近い状態では、移動通信端末20の表示部23への表示を抑制するので、利用者に情報を提供可能なエリアを制限することができる。具体的には、駅のプラットホームに設置された無線情報発信機器40に対応する識別情報を通知抑制識別情報として定めておくことで、利用者の列車接触事故や線路への落下事故が発生するリスクを低減させることができる。
実際の運用としては、例えば、受取所30が存在する駅と隣接駅のプラットホームにそれぞれ設置された無線情報発信機器40の識別情報が受取所30に関連付けられているとともに、通知抑制識別情報として定められている場合が想定される。この場合、利用者が乗車している列車が隣接駅に到着し、その列車が隣接駅から一定距離だけ離れたタイミングで通知が行われる。また、受取所30が存在する駅においても、利用者がプラットホームからコンコース等に移動したタイミングで通知が行われる。いずれにしても、利用者がプラットホームから離れた状況で通知が行われるため、利用者がプラットホーム付近で移動通信端末20を操作しながら歩行する等の危険行為を回避することができる。
【0080】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る物品配達管理システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0081】
例えば、利用者が指定された受取所30の付近にいることを検知するために、利用者の位置を把握する他の手段を用いることとしてもよい。具体的には、列車内に設置されたビーコンが発する信号を移動通信端末20で受信することで、乗車中の列車を特定し、列車の移動に応じて、列車が受取所30に近付いた場合に、受取所30に受け取り可能な物品があることを通知することとしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、受取所30で物品がロッカーに収納される場合について説明したが、手荷物預かり所に物品が預けられることとしてもよい。この場合、利用者は、手荷物預かり所の係員から物品を受け取る。
【0083】
また、予め保管期間を定め、期限までの残り日数を利用者に通知するようにしてもよい。これにより、利用者の危機感を煽り、物品の受け取りを促すことができる。
【0084】
また、上記実施形態では、配達管理サーバ10から各移動通信端末20に通知抑制識別情報リストが予め送信されている場合について説明したが、各移動通信端末20が配達管理サーバ10から通知抑制識別情報リストを受信するタイミングについては、特に限定されず、移動通信端末20により実行される処理(
図6及び
図7参照)のステップS15より前に受信されていればよい。
また、物品配達管理システム100に含まれる無線情報発信機器40の識別情報のうち予め定められた通知抑制識別情報の全てが、各移動通信端末20の記憶部24に記憶されていなくてもよい。例えば、配達管理サーバ10から利用者の移動通信端末20に、今回利用者が物品を受け取る受取所30に関連付けられた無線情報発信機器40の識別情報を通知する際に、当該受取所30に関連付けられた無線情報発信機器40の識別情報の一部又は全部を、通知抑制識別情報として通知することとしてもよい。