【実施例】
【0028】
[高分子の添加剤の検討]
高分子の添加剤について、苦味のマスキング効果を検討した。
【0029】
(実施例1)
本発明の実施例1として、オセルタミビルリン酸塩を含有する第1の組成物を製造した。オセルタミビルリン酸塩3.94g、トウモロコシデンプンとして日本食品化工社のXX16を5g、ポリビニルアルコールとして日本合成化学工業株式会社のEG-05PW 3gを乳鉢にて混合し、水を添加して造粒した。造粒物を流動層造粒機(株式会社パウレック、MP-01型)にて乾燥し、パワーミル(株式会社昭和化学機械工作所、P-04S)にて整粒し、実施例1の整粒物を得た。
【0030】
(実施例2)
本発明の実施例2として、ポリビニルアルコールに替えて、ヒプロメロース(信越化学工業株式会社、TC-5E)を3g添加したこと以外は、実施例1と同様に、実施例2の整粒物を得た。
【0031】
(実施例3)
本発明の実施例3として、ポリビニルアルコールに替えて、メタクリル酸コポリマー(EVONIK、オイドラギット(登録商標)S100)を3g添加したこと以外は、実施例1と同様に、実施例3の整粒物を得た。
【0032】
(実施例4)
本発明の実施例4として、ポリビニルアルコールに替えて、メチルセルロース(信越化学工業株式会社、メトローズSM-15)を3g添加したこと以外は、実施例1と同様に、実施例4の整粒物を得た。
【0033】
(比較例1)
比較例1として、ポリビニルアルコールに替えて、カルボキシビニルポリマー(CBC株式会社、カーボポール(登録商標))を3g添加したこと以外は、実施例1と同様に、比較例1の整粒物を得た。
【0034】
(比較例2)
比較例2として、ポリビニルアルコールに替えて、還元麦芽糖水飴(三菱商事フードテック株式会社、アマルティMR-50)を3g添加したこと以外は、実施例1と同様に、比較例2の整粒物を得た。
【0035】
(比較例3)
比較例3として、ポリビニルアルコールに替えて、ポリビニルピロリドン(株式会社日本触媒、K-30)を3g添加したこと以外は、実施例1と同様に、比較例3の整粒物を得た。
【0036】
実施例1〜4及び比較例1〜3の整粒物の苦味マスキング効果を評価した。苦味マスキング効果の評価には、官能試験を用いた。評価結果を表1に示す。
【表1】
【0037】
表1の結果から、ポリビニルアルコール、ヒプロメロース、メタクリル酸コポリマー又はメチルセルロースとオセルタミビルリン酸塩を造粒することにより、オセルタミビルリン酸塩の苦味をマスクできることが明らかとなった。一方、高分子の添加剤であっても、カルボキシビニルポリマー、還元麦芽糖水飴及びポリビニルピロリドンでは、オセルタミビルリン酸塩の苦味をマスクすることはできない。
【0038】
[多孔性添加剤の検討]
高分子の添加剤と組合せる多孔性添加剤について、苦味のマスキング効果を検討した。
【0039】
(実施例5)
実施例1の整粒物と、ケイ酸カルシウム(富田製薬株式会社、フローライト(登録商標)RE)を88.06gとを、V型混合機(ダルトン株式会社、VM-30)で混合し、実施例5の混合物を得た。
【0040】
(実施例6)
本発明の実施例6として、ケイ酸カルシウムに替えて、軽質無水ケイ酸(富士シリシア化学株式会社、サイリシア350)を88.06g添加したこと以外は、実施例5と同様に、実施例6の混合物を得た。
【0041】
(実施例7)
本発明の実施例7として、ケイ酸カルシウムに替えて、軽質無水ケイ酸(フロイント産業株式会社、アドソリダー(登録商標)101)を88.06g添加したこと以外は、実施例5と同様に、実施例7の混合物を得た。
【0042】
(実施例8)
本発明の実施例8として、ケイ酸カルシウムに替えて、含水二酸化ケイ素(フロイント産業株式会社、アドソリダー(登録商標)102)を88.06g添加したこと以外は、実施例5と同様に、実施例8の混合物を得た。
【0043】
(実施例9)
本発明の実施例9として、ケイ酸カルシウムに替えて、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業株式会社、ノイシリン(登録商標)US
2)を88.06g添加したこと以外は、実施例5と同様に、実施例9の混合物を得た。
【0044】
(実施例10)
本発明の実施例10として、ケイ酸カルシウムに替えて、無水リン酸水素カルシウム(富士化学工業株式会社、フジカリン(登録商標))を88.06g添加したこと以外は、実施例5と同様に、実施例10の混合物を得た。
【0045】
(実施例11)
本発明の実施例11として、ケイ酸カルシウムに替えて、エリスリトール(三菱化学フーズ株式会社)を88.06g添加したこと以外は、実施例5と同様に、実施例11の混合物を得た。
【0046】
(実施例12)
本発明の実施例12として、ケイ酸カルシウムに替えて、乳糖(メグレ・ジャパン株式会社、フローラック100)を88.06g添加したこと以外は、実施例5と同様に、実施例12の混合物を得た。なお、フローラック100は、平均粒子径が約100μm、嵩密度が0.59g/mL、ハウスナー比が1.20であり、多孔性の乳糖である。
【0047】
(比較例5)
本発明の比較例5として、ケイ酸カルシウムに替えて、D−マンニトール(Merck Millipore、パーテック(登録商標)M)を88.06g添加したこと以外は、実施例5と同様に、比較例5の混合物を得た。
【0048】
(比較例6)
本発明の比較例6として、ケイ酸カルシウムに替えて、D−マンニトール(三菱商事フードテック株式会社、マンニットP)を88.06g添加したこと以外は、実施例5と同様に、比較例6の混合物を得た。
【0049】
(比較例7)
本発明の比較例7として、ケイ酸カルシウムに替えて、乳糖(DFE pharma社、Pharmatose 200M)を88.06g添加したこと以外は、実施例5と同様に、比較例7の混合物を得た。なお、Pharmatose 200Mは、平均粒子径が約40μm、嵩密度が0.52g/mL、ハウスナー比が1.62であり、多孔性ではない乳糖である。
【0050】
実施例5〜12及び比較例5〜7の混合物の苦味マスキング効果を評価した。苦味マスキング効果の評価には、官能試験を用いた。評価結果を表2に示す。
【表2】
【0051】
表2の結果から、ケイ酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水リン酸水素カルシウムエリスリトール又は乳糖を添加することにより、高分子の添加剤を添加したオセルタミビルリン酸塩の苦味抑制効果得ることができることが明らかとなった。一方、D−マンニトールでは、オセルタミビルリン酸塩の苦味をマスクすることはできない。
【0052】
[ドライシロップ剤の製造方法の検討]
上述した高分子の添加剤としてポリビニルアルコールを用い、多孔性添加剤として乳糖を用いて、ドライシロップ剤の製造方法について検討した。
【0053】
(実施例13)
本発明の実施例13として、オセルタミビルリン酸塩を含有する第1の組成物を製造した。オセルタミビルリン酸塩78.80g、トウモロコシデンプンとして日本食品化工社のXX16を100g、ポリビニルアルコールとして日本合成化学工業株式会社のEG-05PW 60gを高速撹拌造粒機(深江パウテック、FLS-GS-2J)にて混合し、水を添加して造粒した。造粒物を流動層造粒機(株式会社パウレック、MP-01型)にて乾燥し、パワーミル(株式会社昭和化学機械工作所、P-04S)にて整粒し、整粒物を得た。
【0054】
得られた整粒物と、乳糖(メグレ・ジャパン株式会社、フローラック100)を1753.2g、軽質無水ケイ酸(フロイント産業株式会社、アドソリダー(登録商標)101)を2g、サッカリンナトリウム水和物(大和化成株式会社、サッカリンナトリウム水和物)を2g、アセスルファムカリウム(Nutrinova GmbH株式会社、サネット タイプD)を2gとを、V型混合機(ダルトン株式会社、VM-5)で混合し、実施例13のドライシロップ剤を得た。
【0055】
(比較例8)
比較例8として、非特許文献1を参照し、オセルタミビルリン酸塩3.94g、トウモロコシデンプン(日本食品化工社、XX16)を5g、エリスリトール(三菱化学フーズ株式会社)を87.66g、ポリビニルピロリドン(株式会社日本触媒、K-30)を3g、軽質無水ケイ酸(フロイント産業株式会社、アドソリダー(登録商標)101)を0.1gサッカリンナトリウム水和物(大和化成株式会社、サッカリンナトリウム水和物)を0.1g、アセスルファムカリウム(Nutrinova GmbH株式会社、サネット タイプD)を0.1gを乳鉢にて混合し、比較例8のドライシロップ剤を得た。
【0056】
[溶出試験]
第十六改正日本薬局方 溶出試験法 パドル法に準じ、試験液として900mlの溶出試験第1液、第2液及び水を用い、実施例13及び比較例8のドライシロップ剤を30分間撹拌し、溶出率を経時的に測定した。各試験液での溶出率の測定結果を
図1〜3に示す。実施例13のドライシロップ剤は、何れの試験液においても、測定開始後15分で85%以上のオセルタミビルリン酸塩を溶出させた。この結果は、比較例8のドライシロップ剤と同等であった。
【0057】
[安定性の評価]
実施例13及び比較例8のドライシロップ剤を、温度60℃湿度65%の条件下、無包装状態で保存し、液体クロマトグラフィーを用いてオセルタミビルリン酸塩の純度を評価した。オセルタミビルリン酸塩由来の類縁物質のピーク面積からそれぞれのピーク面積に対する比率を算出し、総類縁物質とした。実施例13及び比較例8のドライシロップ剤の類縁物質の測定結果を表3に示す。実施例13において、保存後の総類縁物質の大幅な増加は認められず、安定性にも優れることが明らかとなった。
【表3】