(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行用モータと、前記走行用モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリを冷却するバッテリファンと、前記バッテリに充電電流を出力する充電器と、荷室ボードによって底が仕切られた荷室と、を有する電動車両に搭載される電動車両の空調装置であって、
前記荷室ボードの下方に設けられた前記充電器の配置部と、
前記電動車両の外部から前記配置部に通じる吸気通路と、
前記配置部から前記電動車両の乗員室に通じるエアダクトと、
前記バッテリファンと独立して駆動可能であり前記充電器を冷却する充電器ファンと、
前記荷室ボードの下方の温度を検知する温度センサと、
前記乗員室の温度の信号を入力する信号入力部と、
前記充電器ファンを駆動する制御部と、
前記バッテリファンを駆動するバッテリファン制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記充電器が作動しない期間、前記温度センサの信号および前記信号入力部に入力された信号に基づいて、前記充電器ファンを駆動して前記充電器を冷却する空気を前記エアダクトを通して前記乗員室へ送り、
前記バッテリファン制御部は、前記信号入力部の信号に関わらず、吸気温度とバッテリ温度とに基づき前記バッテリファンを制御することを特徴とする電動車両の空調装置。
【背景技術】
【0002】
自動車の乗員室は、夏の炎天下で駐車をしていると60℃〜70℃などの過酷な温度になることがある。特に日差しの強い季節又は地域では70℃を超える場合もある。また、極寒の地域および季節では、自動車の乗員室は−40℃近くまで低温になることがある。
【0003】
通常、自動車には、冷媒を用いて乗員室の冷暖房を行う空調装置が備わっている。しかし、冷媒を用いた空調装置は、環境温度に依存して空調能力が上下する。また、自動車には高温のエンジン冷却水を用いて乗員室の暖房を行う空調装置が備わっている。しかし、エンジン冷却水はエンジンを始動しないと高温にならない。このため、過酷な温度環境では、自動車の空調装置を始動しても速やかな冷房又は暖房の能力が得られない場合がある。
【0004】
従来、乗員室が過酷な温度になった場合、乗員は、熱い場合には窓を開けて換気を行ったり、寒い場合には電気ヒータを付けたりして、乗員室に入ることのできる温度になるまで別の所で待機することがあった。
【0005】
また、本発明に関連する従来技術として、特許文献1から特許文献3には、走行用モータの電源であるバッテリを搭載した電動車両において、バッテリの冷却ファンの送風を乗員室に送って、乗員室の冷暖房を補助する技術が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、乗員室が過酷な温度になったときに、これを速やかに解消することができないか検討した。検討の過程において、乗員室が過酷な温度になるような環境でも、荷室ボードで仕切られた荷室の下方の温度が、比較的に中庸な温度に維持される場合があることを、本発明者らは見出した。
【0008】
このような見地から、特許文献1から特許文献3の技術を用いて、荷室ボードの下方の空間から乗員室へ空気を送ることで、乗員室の過酷な温度を緩和できるのではないかと考えられた。具体的には、荷室ボードの下方の空間にバッテリを配置し、バッテリの冷却ファンによって荷室ボードの下方の空気が乗員室に送られるように構成する。
【0009】
自動車の分野では、新たな部品の追加は、部品の取付けスペースの確保が必要となり、さらに部品コストが上がる。従って、他の部品を流用して同じ機能が得られるならば、新たな部品の追加は無い方が好ましい。
【0010】
しかしながら、バッテリの冷却ファンを利用して荷室ボードの下方の空気を乗員室に送る構成では、乗員室が過酷な温度になるような状況において、その温度を緩和することに役立てることができないことが判明した。なぜならば、バッテリには、大きな劣化を防ぐための使用温度範囲が定められている。乗員室が過酷な温度になるような環境では、冷却ファンを動作させるとかえってバッテリの温度を使用温度範囲から遠ざけてしまうことが多い。従って、このような温度環境では、多くの場合、バッテリの冷却ファンを駆動することができない。
【0011】
本発明は、新たな部品の追加を抑制でき、且つ、過酷な温度環境においても乗員室と荷室ボードの下方との温度差を利用して、乗員室の気温を調整することのできる車両の空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、
走行用モータと、前記走行用モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリを冷却するバッテリファンと、前記バッテリに充電電流を出力する充電器と、荷室ボードによって底が仕切られた荷室と、を有する電動車両に搭載される電動車両の空調装置であって、
前記荷室ボードの下方に設けられた前記充電器の配置部と、
前記電動車両の外部から前記配置部に通じる吸気通路と、
前記配置部から前記電動車両の乗員室に通じるエアダクトと、
前記バッテリファンと独立して駆動可能であり前記充電器を冷却する充電器ファンと、
前記荷室ボードの下方の温度を検知する温度センサと、
前記乗員室の温度の信号を入力する信号入力部と、
前記充電器ファンを駆動する制御部と、
前記バッテリファンを駆動するバッテリファン制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記充電器が作動しない期間、前記温度センサの信号および前記信号入力部に入力された信号に基づいて、前記充電器ファンを駆動して前記充電器を冷却する空気を前記エアダクトを通して前記乗員室へ送
り、
前記バッテリファン制御部は、前記信号入力部の信号に関わらず、吸気温度とバッテリ温度とに基づき前記バッテリファンを制御することを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電動車両の空調装置において、
前記配置部は、前記バッテリが収容されるバッテリ収容部に隣接し、
前記吸気通路の一部が前記バッテリ収容部に接していることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明は、
請求項1記載の電動車両の空調装置において、
前記吸気通路は、前記充電器ファンの駆動時に前記電動車両の下方の外部の空気が前記バッテリの収容部に沿って流れた後に前記配置部に流入する空気通路を含むことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項
1記載の電動車両の空調装置において、
前記制御部は、前記荷室ボードの下方と前記乗員室とに所定の閾値以上の温度差があり、且つ、前記荷室ボードの下方の方が、
人が快適と感じる室内の標準気温に近い場合に、前記充電器ファンを駆動することを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電動車両の空調装置によれば、荷室ボードの下方に充電器の配置部が設けられ、さらに、配置部から乗員室へ通じるエアダクトが設けられている。従って、充電器ファンにより荷室ボードの下方の中庸な温度の空気を、エアダクトを介して乗員室へ送ることができる。充電器ファンの駆動条件は、バッテリファンの駆動条件よりも大幅に制限が少ない。よって、乗員室が過酷な温度であり、バッテリファンを駆動できないような温度環境であっても、充電器ファンを駆動することができる。従って、本発明の電動車両の空調装置によれば、新たな部品の追加を抑制しつつ、乗員室と荷室ボードの下方との温度差を利用して、乗員室の気温を調整することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る実施形態の空調装置が搭載された電動車両を示す概略図である。
図2は、空調装置の制御系を示すブロック図である。
【0020】
本実施形態の空調装置が搭載される電動車両1は、電気で走行可能な電気自動車(Electric Vehicle:EV)、或いは、ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle:HEV)などである。電動車両1は、充電口2、エアコン3、荷室ボード4、荷室5、荷室下空間6、走行用モータ8、乗員室9、充電器10、エアダクト13、およびバッテリ20を備えている。
【0021】
充電口2は、電動車両1の外部から充電用のコネクタ(充電ガン、充電フラグなど)を接続可能な機器である。充電口2と充電器10とはケーブルを介して接続されている。充電口2を介して外部電源から充電器10へ充電用の電力を送ることができる。
【0022】
エアコン3は、冷媒を用いて乗員室9の冷房と暖房とを行う装置であり、
図2に示すように、空調制御を行うエアコンECU(電子制御ユニット)3Aを有している。エアコンECU3Aは、乗員室9の温度センサから信号が入力されて乗員室9の温度情報を取得できる。
【0023】
荷室ボード4は、電動車両後部の荷室5の底を仕切る板材である。
【0024】
荷室5は、荷物を置くスペースであり、乗員室9の後方に設けられている。本実施形態では、荷室5と乗員室9とが連通した構成を採用しているが、荷室5は乗員室9から遮られた構成としてもよい。この場合、後述のエアダクト13の排気口13aは、乗員室9に開口するように設ければよい。
【0025】
荷室下空間6には、充電器10、サスペンション機構、動力伝達装置の一部などが配置されている。荷室下空間6は下面がアンダーパネルにより覆われていてもよい。このような構成により、荷室下空間6には、充電器10の配置部10Aから、各機構の部材間およびアンダーパネルの開口部等を通じて、電動車両1の下方から外部に通じる幾つもの空気通路が形成される。
【0026】
走行用モータ8は動力伝達装置を介して電動車両1の車輪を回転駆動する。
【0027】
バッテリ20は、例えば大容量のリチウムイオン電池などの二次電池である。バッテリ20は、複数のセルが直列に接続され、走行用モータ8にインバータ回路などを介して高電圧で大電流の電力を出力できる。バッテリ20は、充電時と放電時とに発熱する特性を有する。バッテリ20は、例えば、荷室下空間6および乗員室の下方に設けられたバッテリ収容部20Aに収容されている。
【0028】
バッテリ20には、さらにバッテリファン21が付属されている。また、
図2に示すように、電動車両1には、バッテリファン制御部25、バッテリ温度センサ26、および、吸気温度センサ27が設けられている。バッテリファン21およびこれらの構成要素は、バッテリ20と共にユニット化された構成としてもよい。
【0029】
バッテリファン21は、バッテリ20の複数のセルを冷却するファンである。バッテリ温度センサ26は、複数のセルの温度を検知して、この温度を示すバッテリ温度信号をバッテリファン制御部25へ出力する。吸気温度センサ27は、バッテリファン21の吸気となるバッテリ20の周辺の空気の温度を検知して、この温度を示す吸気温度信号をバッテリファン制御部25へ出力する。バッテリファン制御部25は、制御回路であり、これらの信号に基づいてバッテリファン21を駆動又は停止する。
【0030】
充電器10は充電口2から供給された電力によってバッテリ20を充電する。充電器10は、バッテリ20の充電電流および充電電圧の監視および制御を行う。対応可能な外部電源の種類によっては、充電器10は、充電口2から入力された外部電源の電圧を充電電圧に変換するコンバータ回路を備えていてもよい。充電器10は、パワー半導体を有する回路を有し、パワー半導体を駆動して高電圧で大電流の充電電流を制御する。このため、充電器10の回路は、充電時に発熱する性質を有する。充電器10は、荷室下空間6に設けられた配置部10Aに取り付けられている。
【0031】
充電器10には、さらに充電器ファン11が付属されている。また、
図2に示すように、電動車両1には、充電器ファン制御部15、および温度センサ12が設けられている。充電器ファン11およびこれらの構成要素は、充電器10と共にユニット化された構成としてもよい。充電器ファン制御部15は、本発明に係る制御部の一例に相当する。
【0032】
充電器ファン11は、充電器10を冷却するファンである。温度センサ12は、荷室ボード4の下方の温度を検出するセンサ(例えばサーミスタ)である。充電器ファン制御部15は、複数の信号入力部15a〜15cを有し、温度センサ12から荷室ボード下温度信号と、充電器10から充電中であることを示す作動信号と、エアコンECU3Aから乗員室の温度を示す乗員室温度信号とを、それぞれ入力する。充電器ファン制御部15は、制御回路であり、これらの信号に基づいて充電器ファン11を駆動又は停止する。
【0033】
エアダクト13は、荷室下空間6と乗員室9とを連通するダクトである。エアダクト13の吸気口は、充電器ファン11の風圧が加わるように設けられている。このような構成は、例えば充電器ファン11をシロッコファンにより構成し、充電器ファン11をエアダクト13の途中に設けるなどにより容易に実現できる。エアダクト13の排気口13aは、乗員室9に通じる荷室5に開口している。
【0034】
本実施形態の電動車両1の空調装置は、上述した構成のうち、充電器ファン11、エアダクト13、エアダクト13に通じる配置部10A、荷室下空間6の吸気通路、充電器ファン制御部15、および温度センサ12を含む構成部分を指す。
【0035】
<動作説明>
本実施形態においては、バッテリファン制御部25の制御によってバッテリファン21が駆動又は停止される。
【0036】
図3は、バッテリファンの駆動条件を示すグラフである。バッテリファン21は、
図3に示すように、バッテリ20のセルの温度(図中、「バッテリ温度」と記す)と、吸気温度とに基づいて、駆動される温度環境が制限される。このような駆動制御によって、バッテリ20が大きく劣化する温度になることが避けられる。従って、例えば、炎天下の駐車により乗員室9が非常に高温になる一方、荷室下空間6が比較的に中庸な温度に保たれているような状況では、上記の制限によってバッテリファン21を駆動できない場合が多い。
【0037】
一方、充電器ファン制御部15は、充電器ファン駆動処理によって、バッテリファン21と独立して充電器ファン11を駆動又は停止する。
【0038】
図4は、充電器ファン駆動処理の手順の一例を示すフローチャートである。この駆動制御は、充電器ファン制御部15によって、電動車両1のシステム始動後、例えば短い周期ごとに繰り返し実行される。電動車両1のシステム始動中とは、例えばパワースイッチのオン操作後など、電動車両1のメインのECUに電源電圧が供給されている状態を意味する。
【0039】
駆動処理が開始されると、充電器ファン制御部15は、充電器10が作動しているか判別する(ステップS1)。判別の結果、作動していればステップS6に移行し、充電器ファン11を駆動する(ステップS6)。なお、ステップS6において充電器ファン11が既に駆動中である場合には、充電器ファン制御部15はこの駆動を継続させる。
【0040】
一方、ステップS1の判別の結果、充電器10が作動していなければ、充電器ファン制御部15は、荷室ボード下温度信号と乗員室温度信号とに基づき、乗員室9と荷室下空間6との温度差Tdiffを計算する(ステップS2)。さらに、充電器ファン制御部15は、乗員室9の温度と所定の標準気温との差T1、ならびに、荷室下空間6の温度と所定の標準気温との差T2を計算する(ステップS3、S4)。標準気温とは、人が快適と感じる室内の標準気温を意味する。
【0041】
次いで、充電器ファン制御部15は、温度差Tdiffが所定の閾値以上であり、且つ、標準気温との差T1、T2が乗員室9の方が大きいか否かを判別する(ステップS5)。その結果、YESであれば充電器ファン制御部15は、充電器ファン11を駆動し(ステップS6)、NOであれば充電器ファン11を停止する(ステップS7)。なお、ステップS6において充電器ファン11が既に駆動中である場合には、充電器ファン制御部15はこの駆動を継続させる。また、ステップS7において充電器ファン11が既に停止中である場合には、充電器ファン制御部15はこの停止を継続させる。
【0042】
ステップS6又はステップS7の処理が実行されたら、1回の充電器ファン駆動処理が終了し、次の周期で、再び充電器ファン駆動処理が開始される。
【0043】
このような制御処理によれば、例えば、炎天下の駐車で乗員室9が過酷な温度となり、荷室下空間6が中庸な温度に維持されているような状況において、電動車両1をシステム始動すると、充電器10が作動していなくても、充電器ファン11が駆動される。充電器ファン11が駆動すると、荷室下空間6の中庸な温度の空気が
充電器10を介して乗員室9へ送られる。また、荷室下空間6に設けられた前述の空気通路を吸気通路として、電動車両1の下方から空気が吸われ、この空気が荷室下空間6の機構に接触することで中庸な温度になり、乗員室9へ送られる。
図1には、このような空気の流れが白矢印により示されている。このような空気の流れによって、乗員室9の過酷な温度が比較的に速やかに緩和される。
【0044】
また、寒冷地において乗員室9の温度が非常に低くなっており、バッテリ20の電力消費或いは充電がなされてバッテリ20が発熱しているような状況では、荷室下空間6の温度が乗員室9に比べて中庸な温度になる。上記の制御処理によれば、このような場合に、充電器10が作動していなくても、充電器ファン11が駆動される。充電器ファン11が駆動すると、荷室下空間6の中庸な温度の空気が
充電器10を介して乗員室9へ送られる。また、荷室下空間6に設けられた前述の空気通路を吸気通路として空気が吸われ、このうちバッテリ収容部20Aに沿って流れる空気が、バッテリ20の排熱により温められて中庸な温度になり、乗員室9へ送られる。そして、このような空気の流れによって、乗員室9の過酷な温度が比較的に速やかに緩和される。
【0045】
以上のように、本実施形態の電動車両の空調装置によれば、荷室ボード4の下方に充電器10の配置部10Aが設けられ、さらに、配置部10Aから乗員室9へ通じるエアダクト13が設けられている。従って、乗員室9の温度が過酷な状況で、充電器ファン11により荷室下空間6の中庸な温度の空気を、エアダクト13を介して乗員室9へ送ることができる。充電器ファン11の駆動条件は、バッテリファン21の駆動条件よりも大幅に制限が少ないため、バッテリファン21を駆動できないような温度環境であっても、充電器ファン11を駆動することができる。従って、新たな部品の追加を抑制しつつ、乗員室9と荷室下空間6との温度差を利用して、乗員室9の気温を調整することができる。
【0046】
また、本実施形態の電動車両の空調装置によれば、充電器10の配置部10Aが、バッテリ収容部20Aに隣接し、充電器ファン11の吸気通路の一部がバッテリ収容部20Aに接するように構成されている。このため、バッテリ20の放電或いは充電によりバッテリ20が発熱している場合に、この発熱により温められた空気を、充電器ファン11の駆動により乗員室9へ送ることができる。従って、乗員室9が非常に低い温度の場合に、温められた空気によって、乗員室9の低い温度を緩和することができる。
【0047】
また、本実施形態の電動車両の空調装置によれば、充電器ファン制御部15は、充電器10が作動しない期間、乗員室9の温度と荷室下空間6の温度とに基づいて充電器ファン11の駆動を制御する。さらに、乗員室9と荷室下空間6とに閾値以上の温度差があり、且つ、荷室下空間6の方が標準気温に近い場合に、充電器ファン制御部15は充電器ファン11の駆動を駆動する。従って、乗員室9と荷室下空間6との温度差を利用して乗員室9の温度を緩和できる状況において、充電器ファン11を有効に駆動することができる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではない。例えば、本実施形態においては、充電器10は、充電口2を介して入力される外部電源に基づきバッテリ20の充電を行う構成と説明した。しかし、本発明に係る充電器は、電動車両1の制動時に回生エネルギによってバッテリ20に充電を行う構成としてもよい。また、本発明に係る充電器は、エンジンを搭載したハイブリッド電気自動車において、エンジンの運動エネルギによってバッテリ20に充電を行う構成としてもよい。なお、このような構成では、乗員室9が適度な温度であっても電動車両1の運転時に充電器10が作動して充電器ファン11が駆動する場合がある。このため、エアダクト13を開閉式に構成して、充電器10の作動時に乗員室9の温度が適正な場合に、エアダクト13を閉じて充電器ファン11の送風が他へ抜けるように構成してもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、バッテリ収容部20Aを充電器10の配置部10Aに隣接する位置に設けた。しかし、バッテリ収容部20Aは充電器10と離れて設けられていてもよい。その他、実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。