特許第6778071号(P6778071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6778071
(24)【登録日】2020年10月13日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】ハンマドリル
(51)【国際特許分類】
   B25D 16/00 20060101AFI20201019BHJP
【FI】
   B25D16/00
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-198988(P2016-198988)
(22)【出願日】2016年10月7日
(65)【公開番号】特開2018-58183(P2018-58183A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2019年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】特許業務法人勇智国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105120
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 哲幸
(74)【代理人】
【識別番号】100106725
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 敏行
(72)【発明者】
【氏名】飯田 斉
(72)【発明者】
【氏名】古澤 正規
【審査官】 山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−957(JP,A)
【文献】 特開2009−056589(JP,A)
【文献】 特開2016−068190(JP,A)
【文献】 特開2008−119755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25D 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端工具を駆動軸方向に直線状に駆動する打撃動作のみを行うハンマモードと、前記先端工具を前記駆動軸方向に回転駆動するドリル動作を少なくとも行うドリルモードとを含む複数の駆動モードのうち何れか1つを選択可能に構成され、且つ、選択された駆動モードに応じて動作するように構成されたハンマドリルであって、
前記先端工具の駆動用のスイッチと、
常時には前記スイッチをオフ状態とするオフ位置に維持される一方、外部からの押圧操作に応じて前記スイッチをオン状態とするオン位置に移動可能に構成された操作部材と、
外部操作に応じて、前記操作部材を前記オン位置でロック可能なロック可能位置と、前記操作部材を前記オン位置でロック不能なロック不能位置との間で前記駆動軸に交差する交差方向に直線状に移動可能に構成されたロック部材と、
外部操作に応じて、前記複数の駆動モードに夫々対応する複数の切替位置の間で切り替え可能に構成されたモード切替部材と、
前記モード切替部材の切り替え動作に連動して、前記ロック部材の移動を禁止する禁止位置と、前記ロック部材の移動を許容する許容位置との間で前記駆動軸方向に直線状に移動するように構成された連動部材とを備え、
前記連動部材は、
前記モード切替部材が、前記複数の切替位置のうち、前記ハンマモードに対応する切替位置へ切り替えられた場合、前記許容位置へ移動し、且つ、
前記モード切替部材が、前記複数の切替位置のうち、前記ドリルモードに対応する切替位置へ切り替えられた場合、前記禁止位置へ移動するように構成されており、
前記連動部材は、前記禁止位置に配置された場合、前記ロック部材と前記交差方向に当接し、前記ロック部材が前記交差方向に移動することを禁止するように構成されていることを特徴とするハンマドリル。
【請求項2】
請求項1に記載のハンマドリルであって、
前記連動部材は、前記交差方向に所定幅を有する幅広部と、前記交差方向に前記所定幅よりも狭い幅を有する幅狭部とを含み、
前記幅広部は、前記連動部材が前記禁止位置に配置されたときに、前記ロック部材と前記交差方向に当接し、前記ロック部材が前記交差方向に移動することを禁止するように構成され、
前記幅狭部は、前記連動部材が前記許容位置に配置されたときに、前記ロック部材と前記交差方向に離間して配置され、前記ロック部材が前記交差方向に移動することを許容するように構成されている。
【請求項3】
先端工具を駆動軸方向に直線状に駆動する打撃動作のみを行うハンマモードと、前記先端工具を前記駆動軸方向に回転駆動するドリル動作を少なくとも行うドリルモードとを含む複数の駆動モードのうち何れか1つを選択可能に構成され、且つ、選択された駆動モードに応じて動作するように構成されたハンマドリルであって、
前記先端工具の駆動用のスイッチと、
常時には前記スイッチをオフ状態とするオフ位置に維持される一方、外部からの押圧操作に応じて前記スイッチをオン状態とするオン位置に移動可能に構成された操作部材と、
外部操作に応じて、前記操作部材を前記オン位置でロック可能なロック可能位置と、前記操作部材を前記オン位置でロック不能なロック不能位置との間で移動可能に構成されたロック部材と、
外部操作に応じて、前記複数の駆動モードに夫々対応する複数の切替位置の間で切り替え可能に構成されたモード切替部材と、
前記モード切替部材の切り替え動作に連動して、前記ロック部材の移動を禁止する禁止位置と、前記ロック部材の移動を許容する許容位置との間で移動するように構成された連動部材と、
前記先端工具を駆動するように構成された駆動機構と、
前記駆動機構を収容する第1ハウジングと、
把持可能に構成された把持部を含み、且つ、前記第1ハウジングに対して相対移動可能に弾性要素を介して連結された第2ハウジングとを備え、
前記連動部材は、
前記モード切替部材が、前記複数の切替位置のうち、前記ハンマモードに対応する切替位置へ切り替えられた場合、前記許容位置へ移動し、且つ、
前記モード切替部材が、前記複数の切替位置のうち、前記ドリルモードに対応する切替位置へ切り替えられた場合、前記禁止位置へ移動するように構成されており、
前記連動部材は、前記第1ハウジングに配置された前記モード切替部材に対して連動可能に連結されており、
前記ロック部材は、前記第2ハウジングに配置されており、
前記連動部材は、前記連動部材が前記許容位置に配置された状態で前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して相対移動したときに、前記連動部材と前記ロック部材とが前記相対移動方向において干渉するのを回避するように構成された干渉回避部を有することを特徴とするハンマドリル。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1つに記載のハンマドリルであって、
前記ロック部材を前記ロック不能位置で保持するように付勢する付勢部材を更に備え、
前記ロック部材は、前記付勢部材の付勢力に抗して前記ロック可能位置に配置された場合、前記操作部材に当接することで、前記操作部材を前記オン位置でロックするように構成されていることを特徴とするハンマドリル。
【請求項5】
先端工具を駆動軸方向に直線状に駆動する打撃動作のみを行うハンマモードと、前記先端工具を前記駆動軸方向に回転駆動するドリル動作を少なくとも行うドリルモードとを含む複数の駆動モードのうち何れか1つを選択可能に構成され、且つ、選択された駆動モードに応じて動作するように構成されたハンマドリルであって、
前記先端工具の駆動用のスイッチと、
常時には前記スイッチをオフ状態とするオフ位置に維持される一方、外部からの押圧操作に応じて前記スイッチをオン状態とするオン位置に移動可能に構成された操作部材と、
外部操作に応じて、前記操作部材を前記オン位置でロック可能なロック可能位置と、前記操作部材を前記オン位置でロック不能なロック不能位置との間で移動可能に構成されたロック部材と、
外部操作に応じて、前記複数の駆動モードに夫々対応する複数の切替位置の間で切り替え可能に構成されたモード切替部材と、
前記モード切替部材の切り替え動作に連動して、前記ロック部材の移動を禁止する禁止位置と、前記ロック部材の移動を許容する許容位置との間で移動するように構成された連動部材と、
前記ロック部材を前記ロック不能位置で保持するように付勢する付勢部材とを備え、
前記連動部材は、
前記モード切替部材が、前記複数の切替位置のうち、前記ハンマモードに対応する切替位置へ切り替えられた場合、前記許容位置へ移動し、且つ、
前記モード切替部材が、前記複数の切替位置のうち、前記ドリルモードに対応する切替位置へ切り替えられた場合、前記禁止位置へ移動するように構成されており、
前記ロック部材は、前記付勢部材の付勢力に抗して前記ロック可能位置に配置された場合、前記操作部材に当接することで、前記操作部材を前記オン位置でロックするように構成されており、
前記ロック部材は、前記駆動軸に交差する交差方向に移動可能、且つ、前記交差方向における両端部に対する外部操作が可能に構成されており、
前記ロック可能位置は、前記交差方向において、前記ロック不能位置を挟んで両側に設けられていることを特徴とするハンマドリル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端工具を所定の駆動軸方向に直線状に駆動する打撃動作のみを行うハンマモードと、先端工具を前記駆動軸方向に回転駆動するドリル動作を少なくとも行うドリルモードとを含む複数の駆動モードのうち何れか1つを選択可能に構成され、且つ、選択された駆動モードに応じて動作するように構成されたハンマドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンマモード(チゼルモードともいう)とドリルモードとを含む複数の駆動モードのうち、作業者によって選択された駆動モードに応じて動作するように構成されたハンマドリルが知られている。このようなハンマドリルには、ハンマモードでは、先端工具の駆動用のスイッチをオン状態で維持するために、スイッチの操作部材をオン位置でロック可能とする一方、ドリルモードでは、オン位置でのロックを不能に構成されたものがある。例えば、特許文献1に開示されているハンマドリル装置では、第1の作動位置と第2の作動位置との間で移動可能な係止部材が、ハンマモード選択時に第1の作動位置に移動された場合、操作部材のオフ位置への復帰経路が塞がれる。これにより、操作部材はオン位置でロックされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4729159号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、上記ハンマドリル装置では、ドリルモード選択時には、係止部材が第1の作動位置に移動された場合でも、操作部材のオフ位置への復帰経路は塞がれないため、操作部材はオフ位置に復帰する。この場合、係止部材の第1の作動位置への移動操作と操作部材の実際のロック状態とが対応しないため、作業者の認識と動作結果の間に乖離が生じ、操作感の低下につながる可能性がある。
【0005】
本発明は、ハンマモードとドリルモードとを含む複数の駆動モードのうち、作業者によって選択された駆動モードに応じて動作するように構成されたハンマドリルにおいて、スイッチの操作部材をオン位置でロックするための構造に関し、作業者の操作感の向上に寄与しうる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、先端工具を駆動軸方向に直線状に駆動する打撃動作のみを行うハンマモードと、先端工具を駆動軸方向に回転駆動するドリル動作を少なくとも行うドリルモードとを含む複数の駆動モードのうち何れ1つを選択可能に構成され、且つ、選択された駆動モードに応じて動作するように構成されたハンマドリルが提供される。このハンマドリルは、スイッチと、操作部材と、ロック部材と、モード切替部材と、連動部材とを備えている。
【0007】
スイッチは、先端工具の駆動用のスイッチとして構成されている。操作部材は、常時にはスイッチをオフ状態とするオフ位置に維持される一方、外部からの押圧操作に応じてスイッチをオン状態とするオン位置に移動可能に構成されている。ロック部材は、外部操作に応じて、操作部材をオン位置でロック可能なロック可能位置と、操作部材をオン位置でロック不能なロック不能位置との間で移動可能に構成されている。モード切替部材は、外部操作に応じて、複数の駆動モードに夫々対応する複数の切替位置の間で切り替え可能に構成されている。
【0008】
連動部材は、モード切替部材の切り替え動作に連動して、ロック部材の移動を禁止する禁止位置と、ロック部材の移動を許容する許容位置との間で移動するように構成されている。更に、連動部材は、モード切替部材が、複数の切替位置のうち、ハンマモードに対応する切替位置へ切り替えられた場合、許容位置へ移動し、且つ、モード切替部材が、複数の切替位置のうち、ドリルモードに対応する切替位置へ切り替えられた場合、禁止位置へ移動するように構成されている。なお、「先端工具を駆動軸方向に回転駆動するドリル動作を少なくとも行うドリルモード」は、ドリル動作のみを行う駆動モード、ドリル動作と打撃動作を行う駆動モード、および、ドリル動作と打撃動作以外の動作を行う駆動モードのいずれをも含む。
【0009】
なお、操作部材、ロック部材、および連動部材に関していう「移動」とは、場所的または空間的な移動を指し、電気的な切り替えは含まない。
【0010】
かかる態様によれば、モード切替部材によってハンマモードが選択された場合には、連動部材は許容位置へ移動する。よって、作業者は、ロック部材をロック可能位置へ移動することで、操作部材をオン位置でロックすることができる。一方、モード切替部材によってハンマモード以外のモード(ドリルモード等)が選択された場合には、連動部材は禁止位置へ移動する。よって、作業者は、ロック部材をロック可能位置へ移動させようとしても、移動することができない。これにより、作業者に、選択されているハンマモード以外の駆動モードでは、操作部材をオン位置でロックする操作ができないことを直感的且つ直接的に認識させることができる。よって、インタラクティブな作業環境を提供し、作業者の操作感を向上することができる。
【0011】
本発明の一態様によれば、ハンマドリルは、ロック部材をロック不能位置で保持するように付勢する付勢部材を更に備えてもよい。ロック部材は、付勢部材の付勢力に抗してロック可能位置に配置された場合、操作部材に当接することで、操作部材をオン位置でロックするように構成されていてもよい。この場合、連動部材が許容位置に配置された場合でも、ロック部材は、付勢部材の付勢力に抗してロック可能位置に移動されない限り、ロック不能位置で保持される。よって、作業者の意図しないときに操作部材がオン位置でロックされるのを防止することができる。また、ロック部材の操作部材との当接が解除された場合、付勢部材の付勢力によって、ロック部材をロック可能位置からロック不能位置へ復帰させることができる。
【0012】
本発明の一態様によれば、ロック部材は、駆動軸に交差する交差方向に移動可能、且つ、交差方向における両端部に対する外部操作が可能に構成されていてもよい。ロック可能位置は、交差方向において、ロック不能位置を挟んで両側に設けられていてもよい。ロック部材が付勢部材によってロック不能位置に保持されている場合、作業者は、交差方向においてどちらの側からもロック部材をロック可能位置に移動させ、操作部材をオン位置でロックすることができるため、操作性が向上する。
【0013】
本発明の一態様によれば、連動部材は、モード切替部材の切り替え動作に連動して駆動軸方向に移動するように構成され、且つ、ロック部材は、駆動軸に交差する交差方向に移動可能に構成されていてもよい。そして、連動部材は、交差方向に所定幅を有する幅広部と、交差方向に前記所定幅よりも狭い幅を有する幅狭部とを含んでもよい。幅広部は、連動部材が禁止位置に配置されたときに、ロック部材と交差方向に当接し、ロック部材が交差方向に移動することを禁止するように構成されていてもよい。幅狭部は、連動部材が許容位置に配置されたときに、ロック部材と交差方向に離間して配置され、ロック部材が交差方向に移動することを許容するように構成されていてもよい。この場合、連動部材に幅広部と幅狭部を設けるという簡便な構成で、連動部材を駆動軸方向に禁止位置または許容位置に移動させるだけで、交差方向に移動可能なロック部材の移動を禁止または許容することができる。
【0014】
本発明の一態様によれば、ハンマドリルは、先端工具を駆動するように構成された駆動機構と、駆動機構を収容する第1ハウジングと、把持可能に構成された把持部を含み、且つ、第1ハウジングに対して相対移動可能に弾性要素を介して連結された第2ハウジングとを更に備えてもよい。連動部材は、第1ハウジングに配置されたモード切替部材に対して連動可能に連結され、ロック部材は、第2ハウジングに配置されていてもよい。連動部材は、連動部材が許容位置に配置された状態で第2ハウジングが第1ハウジングに対して相対移動したときに、連動部材とロック部材とが相対移動方向において干渉するのを回避するように構成された干渉回避部を有してもよい。
【0015】
この場合、把持部を有する第2ハウジングを、第1ハウジングに対して相対移動可能に弾性要素を介して連結することで、駆動機構の駆動によって生じる振動が第2ハウジングに伝達されるのを抑制することができる。一方、第1ハウジングが振動すると、モード切替部材に連結された連動部材も同様に振動し、第2ハウジングに配置されたロック部材に対して干渉する可能性がある。これに対し、連動部材に干渉回避部を設けることで、連動部材が許容位置に配置された状態で連動部材とロック部材とが干渉して、ロック部材93の移動が禁止されてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ハンマドリルの外観を示す斜視図である。
図2】ハンマドリルの縦断面図である。
図3図2の上後端部の拡大図である。
図4】ハンマモードが選択された状態のトリガロック機構の配置を示す説明図である。
図5】ハンマドリルモードが選択された状態のトリガロック機構の配置を示す説明図である。
図6図2のIV−IV線における断面図に相当し、トリガが最前方位置(オフ位置)に配置され、ロック部材がロック不能位置に配置された状態を示す説明図である。
図7図6に対応する図であって、トリガがオン位置に配置され、ロック部材が右側のロック可能位置に配置された状態を示す説明図である。
図8図6に対応する図であって、トリガがオン位置に配置され、ロック部材が左側のロック可能位置に配置された状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、ハンマドリル1を例示する。本実施形態のハンマドリル1は、ツールホルダ34に装着された先端工具18を所定の駆動軸A1に沿って直線状に駆動する動作(打撃動作)や、先端工具18を駆動軸A1周りに回転駆動する動作(ドリル動作)を行うように構成されている。
【0018】
まず、図1および図2を参照して、ハンマドリル1の概略構成について説明する。ハンマドリル1の外郭は、主としてハウジング10によって形成されている。本実施形態のハウジング10は、いわゆる防振ハウジングとして構成されており、第1ハウジング部11と、第1ハウジング部11に対して相対移動可能に弾性連結された第2ハウジング部13とを含む。
【0019】
図2に示すように、第1ハウジング部11は、モータ2を収容するモータ収容部111と、モータ2の動力によって先端工具18を駆動するように構成された駆動機構3を収容する駆動機構収容部117とを含み、全体として略L字状に形成されている。駆動機構収容部117は、駆動軸A1方向に延在する長尺状に形成されている。駆動機構収容部117の駆動軸A1方向における一端部には、先端工具18を着脱可能に構成されたツールホルダ34が設けられている。モータ収容部111は、駆動機構収容部117の駆動軸A1方向におけるもう一方の端部において、駆動機構収容部117に対して相対移動不能に連結固定され、駆動軸A1に交差して、駆動軸A1から離れる方向に突出するように配置されている。モータ収容部111内には、モータ2が、モータシャフト25の回転軸A2が駆動軸A1に直交する方向に延在するように配置されている。
【0020】
なお、以下の説明では、便宜上、ハンマドリル1の駆動軸A1方向をハンマドリル1の前後方向と規定し、ツールホルダ34が設けられている一端部側をハンマドリル1の前側(先端領域側ともいう)、反対側を後側と規定する。また、モータシャフト25の回転軸A2の延在方向をハンマドリル1の上下方向と規定し、駆動機構収容部117からモータ収容部111が突出する方向を下方向、反対方向を上方向と規定する。
【0021】
第2ハウジング部13は、把持部131と、上側部分133と、下側部分137とを含み、全体として略U字状に形成されている。把持部131は、作業者によって把持可能に構成され、モータシャフト25の回転軸A2方向(つまり上下方向)に延在するように配置される部分である。より詳細には、把持部131は、第1ハウジング部11に対して後方に離間して上下方向に延在している。上側部分133は、把持部131の上端部に接続する部分である。本実施形態では、上側部分133は、把持部131の上端部から前方に延在し、第1ハウジング部11の駆動機構収容部117の大部分を覆うように構成されている。下側部分137は、把持部131の下端部に接続する部分である。本実施形態では、下側部分137は、把持部131の下端部から前方に延在し、モータ収容部111の下側に配置されている。
【0022】
以上の構成によって、図1に示すように、ハンマドリル1では、第2ハウジング部13に加え、第1ハウジング部11のうちモータ収容部111が上側部分133と下側部分137とに上下から挟まれた状態で外部に露出して、ハンマドリル1の外表面を形成している。また、第2ハウジング部13は、第1ハウジング部11と弾性要素を介して連結されている。更に、上側部分133および下側部分137は、夫々、モータ収容部111の上端部および下端部に対して摺動可能に構成されている。より詳細には、上側部分133の下面およびモータ収容部111の上端面は、互いに当接した状態で駆動軸A1方向に摺動可能な摺動面として形成されており、上側摺動部81を構成する。また、下側部分137の上面およびモータ収容部111の下端面は、互いに当接した状態で駆動軸A1方向に摺動可能な摺動面として形成されており、下側摺動部82を構成する。
【0023】
下側部分137の下端部には、充電式のバッテリ19が着脱可能に構成されたバッテリ装着部15が2つ設けられている。本実施形態では、2つのバッテリ装着部15は、前後方向に並設されている。本実施形態では、ハンマドリル1は、バッテリ装着部15に装着された2つのバッテリ19から供給される電力により動作する。
【0024】
以下、図1図8を参照して、ハンマドリル1の詳細構成について説明する。
【0025】
まず、図2を参照して、第1ハウジング部11の内部構造について説明する。図2に示すように、本実施形態では、第1ハウジング部11のうち、モータ収容部111は、上側が開口した有底の矩形筒状に形成されている。駆動機構収容部117は、その後側部分の下端部が、モータ収容部111の上端部内に配置された状態で、モータ収容部111に対して相対移動不能に連結固定されている。本実施形態では、モータ収容部111には、小型で高出力なブラシレスモータがモータ2として収容されている。上下方向に延在するモータシャフト25は、上下端部において、ベアリングによって回転可能に支持されている。モータシャフト25の上端部は、駆動機構収容部117内に突出しており、この部分に駆動ギア29が形成されている。
【0026】
本実施形態では、第1ハウジング部11のうち、駆動機構収容部117には、運動変換機構30と、打撃要素36と、回転伝達機構38とを含む駆動機構3が収容されている。
【0027】
運動変換機構30は、モータ2の回転運動を直線運動に変換して打撃要素36に伝達するように構成されている。本実施形態の運動変換機構30は、クランク機構として構成されており、クランクシャフト31と、連接ロッド32と、ピストン33と、シリンダ35とを含む。クランクシャフト31は、駆動機構収容部117の後端部にモータシャフト25と平行に配置されている。クランクシャフト31は、下端部に駆動ギア29に噛合する被動ギア311を有し、上端部にクランクピン312を有する。連接ロッド32の一端部はクランクピン312に回動可能に連結され、他端部は、ピンを介してピストン33に取り付けられている。ピストン33は、円筒状のシリンダ35内に摺動可能に配置されている。シリンダ35は、駆動機構収容部117の先端領域内に配置されたツールホルダ34の後部に、同軸状に連結固定されている。モータ2が駆動されると、ピストン33は、シリンダ35内で駆動軸A1方向に往復移動される。
【0028】
打撃要素36は、ストライカ361と、インパクトボルト363とを含む。ストライカ361は、シリンダ35内に駆動軸A1方向に摺動可能に配置されている。ストライカ361とピストン33との間には、ピストン33の往復移動によって生じる空気の圧力変動を介して、打撃子としてのストライカ361を直線状に移動させるための空気室365が形成されている。インパクトボルト363は、ストライカ361の運動エネルギを先端工具18に伝達する中間子として構成され、ツールホルダ34内に駆動軸A1方向に摺動可能に配置されている。
【0029】
モータ2が駆動され、ピストン33が前方に向けて移動されると、空気室365の空気が圧縮されて内圧が上昇する。このため、ストライカ361は、高速に前方に押し出されてインパクトボルト363に衝突し、運動エネルギを先端工具18に伝達する。これにより、先端工具18は駆動軸A1に沿って直線状に駆動され、被加工物を打撃する。一方、ピストン33が後方へ移動されると、空気室365の空気が膨張して内圧が低下し、ストライカ361が後方へ引き込まれる。ハンマドリル1は、運動変換機構30および打撃要素36にこのような動作を繰り返させることで、打撃動作を行う。
【0030】
回転伝達機構38は、モータシャフト25の回転動力をツールホルダ34に伝達するように構成されている。本実施形態では、回転伝達機構38は、複数のギアを含むギア減速機構として構成されており、モータ2の回転動力は、適宜減速された上でツールホルダ34に伝達される。なお、回転伝達機構38の動力伝達経路上には、噛合い式のクラッチ39が配置されている。クラッチ39が係合状態に置かれた場合には、回転伝達機構38によってモータシャフト25の回転動力がツールホルダ34に伝達され、ツールホルダ34に装着された先端工具18が駆動軸A1周りに回転駆動される。一方、クラッチ39の係合状態が解除された場合には(図2は係合解除状態を示している)、回転伝達機構38によるツールホルダ34への動力伝達が遮断され、先端工具18は回転駆動されない。
【0031】
本実施形態のハンマドリル1は、駆動機構収容部117の上端部に回動可能に配置されたモード切替ダイヤル4の操作により、ハンマモードおよびハンマドリルモードの2つの駆動モードのうち一方が選択可能に構成されている。ハンマモードは、クラッチ39が係合解除状態とされ、運動変換機構30のみが駆動されることで、打撃動作のみが行われる駆動モードである。ハンマドリルモードは、クラッチ39が係合状態とされ、運動変換機構30および回転伝達機構38が駆動されることで、打撃動作およびドリル動作が行われる駆動モードである。
【0032】
モード切替ダイヤル4には、その周方向において、ハンマドリルモードおよびハンマモードに夫々対応する切替位置が設定されている。第1ハウジング部11内には、モード切替ダイヤル4に接続され、モード切替ダイヤル4で選択された切替位置に応じて、クラッチ39を係合状態と係合解除状態との間で切り替えるように構成されたクラッチ切替機構が設けられている。かかるクラッチ切替機構の構成については、周知の技術であるため、ここでの詳細な説明および図示は省略する。
【0033】
以下、図1図3を参照して、第2ハウジング部13の内部構造について説明する。図1および図2に示すように、上側部分133の後側部分は、下側が開口した略矩形箱状に形成されており、駆動機構収容部117の後側部分(より詳細には、運動変換機構30および回転伝達機構38が収容されている部分)を上方から覆っている。また、上側部分133の前側部分は、円筒状に形成されており、駆動機構収容部117の前側部分(より詳細には、ツールホルダ34が収容されている部分)の外周を覆っている。
【0034】
上側部分133の後部上面には、駆動機構収容部117の上端部に設けられたモード切替ダイヤル4を外部に露出させる開口部134が設けられている。上側部分133の後部内には、モード切替ダイヤル4に接続されたトリガロック機構9が配置されている。トリガロック機構9は、作業者によってモード切替ダイヤル4でハンマモードが選択された場合に、後述のトリガ14をオン位置でロック可能に構成された機構である。トリガロック機構9については、後で詳述する。
【0035】
図3に示すように、把持部131の前部には、作業者による押圧操作が可能なトリガ14が設けられている。トリガ14は、左右方向に延在する支持シャフト141を中心として、前後方向に所定の回動範囲内で回動可能に構成されている。トリガ14は、常時には、後述するスイッチ145のプランジャによって前方へ付勢された状態で、回動範囲における最前方位置(図3に二点鎖線で示す位置)で維持されている。トリガ14の上端部には、上方に突出する係止突起140が設けられている。係止突起140は、後述のロック部材93に係止可能に構成されているが、この点については後で詳述する。
【0036】
筒状に形成された把持部131の内部には、トリガ14の操作に応じてオン状態とオフ状態との間で切り替えられるスイッチ145が設けられている。スイッチ145は、トリガ14が最前方位置に配置された初期状態では、スイッチ145の可動接点が固定接点に接触せず、オフ状態で維持される。以下、最前方位置を、オフ位置ともいう。一方、トリガ14が押圧操作され、回動範囲内の特定の位置(図3に実線で示す位置)まで後方へ回動すると、スイッチ145のプランジャの移動に伴って可動接点が固定接点に接触し、スイッチ145はオン状態とされる。この特定の位置を、オン位置ともいう。なお、本実施形態では、トリガ14の回動範囲における最後方位置は、オン位置よりも後方に設定されている。スイッチ145は、トリガ14が回動範囲内でオフ位置(最前方位置)とオン位置の間にあるときはオフ状態とされ、オン位置と最後方位置の間にあるときはオン状態とされる。
【0037】
図2に示すように、下側部分137は、上側が一部開口した矩形箱状に形成されており、モータ収容部111の下側に配置されている。前述の通り、第2ハウジング部13の下側部分137の下端部には、前後方向に並んで2つのバッテリ装着部15が設けられている。バッテリ19は、各バッテリ装着部15の下側に装着される。バッテリ装着部15の上方には、コントローラ5が配置されている。コントローラ5は、図示しない配線によって、モータ2、スイッチ145、バッテリ装着部15等と電気的に接続されている。コントローラ5は、オン状態に対応してスイッチ145から出力された電気信号に応じて、モータ2への通電(すなわち、先端工具18の駆動)を開始し、オフ状態に対応してスイッチ145から出力された電気信号に応じて、モータ2への通電を停止するように構成されている。
【0038】
以下、図2を参照して、ハウジング10の防振ハウジング構造について説明する。前述の通り、ハウジング10では、モータ2および駆動機構3を収容する第1ハウジング部11に対し、把持部131を含む第2ハウジング部13が相対移動可能に弾性的に連結されることで、第1ハウジング部11から第2ハウジング部13(特に、把持部131)への振動伝達の抑制が図られている。
【0039】
より詳細には、図2に示すように、第1ハウジング部11の駆動機構収容部117と、第2ハウジング部13の上側部分133との間には、左右一対の第1バネ71が配置されている。なお、図2では、右側の第1バネ71のみが図示されているが、左側の第1バネ71の構成は、右側と同じである。更に、第1ハウジング部11のモータ収容部111と、第2ハウジング部13の下側部分137との間には、第2バネ75が配置されている。つまり、第1ハウジング部11と第2ハウジング部13とは、把持部131の上端部側と下端部側で、第1バネ71と第2バネ75を介して弾性連結されている。
【0040】
本実施形態では、第1バネ71および第2バネ75の何れも、圧縮コイルバネで構成されている。第1バネ71および第2バネ75は、第1ハウジング部11と第2ハウジング部13とを、駆動軸A1方向において、把持部131が第1ハウジング部11から離れる方向に付勢している。これらのバネに加え、駆動機構収容部117の前端部と、上側部分133の円筒状の前側部分の間には、弾性部材で形成されたOリング79が介在状に配置されている。
【0041】
本実施形態では、前述のように、ハウジング10には、上側摺動部81および下側摺動部82が設けられている。上側摺動部81および下側摺動部82は、第1ハウジング部11と第2ハウジング部13が駆動軸A1方向に相対移動するように案内する摺動ガイドとして機能する。これにより、打撃動作が行われるときに発生する振動のうち、最も大きく且つ支配的な駆動軸A1方向の振動が把持部131に伝達されるのを効果的に抑制することができる。
【0042】
以下、図3図8を参照して、トリガロック機構9の詳細について説明する。本実施形態では、トリガロック機構9は、連動部材91と、ロック部材93とを含む。これらの構成について、順に説明する。
【0043】
連動部材91は、モード切替ダイヤル4の切替動作に連動して移動するように構成されている。本実施形態では、図3および図4に示すように、連動部材91は、駆動軸A1方向(つまり前後方向)に延在するように配置された長尺のプレート部材として構成されており、連結部910と、作動部913とを含む。
【0044】
連結部910は、モード切替ダイヤル4に対して相対移動可能に連結された部分である。連結部910は、連動部材91の前端部であって、前向きに膨らむ円弧状に形成されている。連結部910は、その形状に対応する円弧状の長孔として形成されたガイド孔911を有する。モード切替ダイヤル4は、その回動中心Cから所定量だけ偏心した位置から下方に突出する円柱状の偏心シャフト41を有する。偏心シャフト41は、ガイド孔911に上下方向に挿通されており、ガイド孔911内を摺動可能である。
【0045】
作動部913は、円弧状の連結部910の内側中央部から直線状に後方へ突出し、駆動軸A1方向(前後方向)に延在する。作動部913は、左右方向に所定幅を有する幅広部914と、幅広部914よりも左右方向の幅が狭い幅狭部915と、幅広部914と同じ左右方向の幅を有するガイド部916とを含む。詳細は後述するが、幅広部914は、左右方向においてロック部材93に当接することで、ロック部材93の左右方向への移動を禁止するように構成された部分である。幅広部914は、作動部913の後端部を構成している。幅狭部915は、左右方向において、ロック部材93に離間して対向し、ロック部材93の左右方向への移動を許容するように構成された部分である。ガイド部916は、後述のガイド壁921と協働して、連動部材91を前後方向に移動案内するように構成された部分である。ガイド部916は、作動部913の前端部を構成し、幅狭部915は、幅広部914とガイド部916の間の部分を構成している。
【0046】
本実施形態では、連動部材91は、所定の移動範囲内で駆動軸A1方向(前後方向)に移動可能に配置されている。このため、第2ハウジング部13の上側部分133の後端部には、前後方向に直交するように配置されたガイド壁921が設けられている。ガイド壁921の左右方向の中央部には、前後方向にガイド壁921を貫通する通路922が形成されている。通路922は、連動部材91の作動部913が前後方向に摺動可能に構成されている。通路922の上下方向の高さは、作動部913の上下方向の厚みと概ね同一であり、通路922の左右方向の幅は、幅広部914およびガイド部916の左右方向の幅と概ね同一である。
【0047】
通路922内には、常時、作動部913が配置されている。また、詳細は後述するが、通路922の後側には、ロック部材93のロック孔931が延在している。更に、上側部分133の後端部内には、ロック部材93の後方に、連動部材91の作動部913の後端部が通過可能な凹部を有する2つのガイドリブ923(図3参照)が設けられている。このため、モード切替ダイヤル4が回動中心C周りに回動されると、偏心シャフト41の回動による前後方向成分により、連動部材91は、通路922内を摺動しつつ、前後方向に移動される。
【0048】
ここで、図4および図5を参照して、モード切替ダイヤル4の切替位置と、連動部材91の位置との関係について説明する。図4に示すように、モード切替ダイヤル4がハンマモードに対応する切替位置(以下、ハンマモード位置という)に切り替えられた場合、偏心シャフト41は、回動経路45上の最後方位置に配置され、連動部材91も、移動範囲内における最後方位置に配置される。一方、図5に示すように、モード切替ダイヤル4がハンマドリルモードに対応する切替位置(以下、ハンマドリルモード位置という)に切り替えられた場合、偏心シャフト41は、回動経路45上の最前方位置に配置され、連動部材91も、移動範囲内における最前方位置に配置される。
【0049】
ロック部材93は、トリガ14をオン位置でロック可能に構成された部材であり、作業者による外部操作が可能に配置されている。本実施形態では、ロック部材93は、本体部930と、バネ保持部933と、トリガ係止部937とを含む。
【0050】
図3図4、および図6に示すように、本体部930は、左右方向に延在する棒状に形成されている。本体部930は、中央部に、前後方向に本体部930を貫通するロック孔931を有する。ロック孔931の上下方向の高さは、作動部913の上下方向の厚みと概ね同一であり、ロック孔931の左右方向の幅は、幅広部914の左右方向の幅と概ね同一である。
【0051】
図3および図6に示すように、バネ保持部933は、本体部930の上端部から上方に突出する部分であって、付勢部材95を保持するように構成されている。バネ保持部933は、側面視U字状に形成され、左右方向に延在する凹部934を有する。バネ保持部933の左右端部は、凹部934内に向けて僅かに突出したストッパ部935を有する。本実施形態では、付勢部材95は、圧縮コイルバネとして構成されている。付勢部材95は、圧縮され、左右端部がストッパ部935に当接した状態でバネ保持部933の凹部934内に保持されている。
【0052】
トリガ係止部937は、トリガ14の係止突起140に対して係止可能に構成されている。図6に示すように、本実施形態では、トリガ係止部937は、本体部930の下端部から下方へ突出する2つの突出片938を含む。2つの突出片938は、左右方向に離間して配置されており、その間隔は、トリガ14の係止突起140の左右方向の幅よりも広く設定されている。
【0053】
以上のように構成されたロック部材93は、上側部分133の後端部内で、駆動軸A1方向に交差する左右方向に移動可能に配置されている。より詳細には、ガイド壁921の後側において、上側部分133の左右の壁部には貫通孔135が形成されている。ロック部材93は、本体部930の左右端部が貫通孔135から外部に突出するように、上側部分133に配置されている。
【0054】
また、図3に示すように、上側部分133の上壁部には、バネ保持部933の凹部934に対向して下方に突出する規制壁941が設けられている。図6に示すように、規制壁941は、中央部に、バネ保持部933の上端まで上方へ凹む凹部942を有する。凹部942の左右方向の幅は、バネ保持部933の左右端部に設けられたストッパ部935の左右方向の距離と概ね同一に設定されている。よって、常時には、規制壁941のうち、凹部942の左端と右端を規定するバネ押圧部943は、前後方向においてストッパ部935に重なるように凹部934内に突出し、付勢部材95の左端および右端に夫々当接する。
【0055】
このように、バネ押圧部943に挟まれた付勢部材95の付勢力によって、ロック部材93は、常時には左右方向への移動が規制され、左右方向の中心が上側部分133の左右方向の中心と一致する位置で保持される。このとき、トリガ14の係止突起140は、左右方向において、トリガ係止部937の2つの突出片938の間に配置されている。よって、トリガ14が最前方位置から最後方位置の間で前後方向に回動された場合、トリガ14の係止突起140は、回動範囲のどの位置においても突出片938に接触することがない。つまり、突出片938は、トリガ14の係止突起140の移動経路から外れた位置に配置されている。これにより、ロック部材93は、トリガ14をオン位置でロックすることが不能なロック不能位置に保持される。
【0056】
一方、作業者によって、貫通孔135から上側部分133の外部に突出する本体部930の左端部または右端部が押圧されると、ロック部材93は、付勢部材95の付勢力に抗して左右方向に移動される。この場合、ロック部材93のトリガ係止部937が係止突起140の移動経路上のロック可能位置に配置されることで、トリガ14をオン位置でロックすることが可能となる。但し、本実施的形態では、ロック部材93が移動可能か否かは、連動部材91の位置、すなわち、モード切替ダイヤル4で選択された駆動モードに依存する。この点について、図4図8を参照して、以下に詳細を説明する。
【0057】
図5に示すように、モード切替ダイヤル4がハンマドリルモード位置に切り替えられた場合、前述のように、連動部材91は、最前方位置に移動される。このとき、ガイド壁921の後側に配置されたロック部材93のロック孔931内には、作動部913の幅広部914の後端部が配置されている(図6にも一点鎖線で示す)。前述の通り、ロック孔931と幅広部914とは、左右方向の幅が概ね同一であるため、作業者が本体部930の左端部または右端部を押圧したとしても、幅広部914が、ロック部材93の本体部930に干渉し、左右方向の移動を妨げる。つまり、本実施形態では、連動部材91の最前方位置は、ロック部材93の移動を禁止する禁止位置に対応する。図6に示すように、このときロック部材93はロック不能位置に配置されているため、作業者がトリガ14をオン位置まで押圧した後に押圧を解除した場合、トリガ14は、オフ位置まで復帰する。
【0058】
一方、図4に示すように、モード切替ダイヤル4がハンマモード位置に切り替えられた場合、前述のように、連動部材91は、最後方位置に移動される。このとき、ロック孔931内には、作動部913の幅狭部915が配置されている(図6にも実線で示す)。前述の通り、幅狭部915の左右方向の幅は、ロック孔931よりも狭いため、幅狭部915の左側と右側には、本体部930の内壁との間に隙間が形成される。言い換えると、幅狭部915は、本体部930の内壁と左右方向に離間して配置され、ロック部材93の左右方向の移動を許容する。つまり、本実施形態では、連動部材91の最後方位置は、ロック部材93の移動を許容する許容位置に対応する。なお、図6に示すように、連動部材91が許容位置に配置されても、前述の通り、ロック部材93は、付勢部材95の付勢力によってロック不能位置に維持されている。
【0059】
この状態で、作業者がトリガ14を押圧してオフ位置からオン位置まで回動させた後、ロック部材93の本体部930の左端部を押圧すると、ロック部材93は、図7に示すように、付勢部材95の付勢力に抗して右方へ移動する。付勢部材95は、バネ保持部933の左側のストッパ部935と、規制壁941の右側のバネ押圧部943に挟まれて圧縮される。これにより、ロック部材93の左側の突出片938が、トリガ14の係止突起140の移動経路上のロック可能位置に移動される。この状態で作業者がトリガ14に対する押圧を解除すると、スイッチ145のプランジャに付勢されてトリガ14が前方へ移動し、係止突起140の前端面が左側の突出片938の後端面に後方から当接する。本実施形態では、プランジャの付勢力の方が、付勢部材95の付勢力よりも強くなるように設定されている。このため、プランジャの付勢力によって、トリガ14はオン位置でロックされる。
【0060】
なお、モード切替ダイヤル4がハンマモード位置に切り替えられ、連動部材91が許容位置に配置されても、図3に示すように、トリガ14がオフ位置にある状態では、トリガ14の係止突起140が2つの突出片938の間に配置されている。よって、トリガ14をオン位置まで回動させずにロック部材93が操作された場合、係止突起140が突出片938に当接し、ロック部材93の左右方向の移動を妨げる。
【0061】
図8に示すように、作業者が本体部930の右端部を押圧した場合、同様に、ロック部材93は左方へ移動し、ロック部材93の右側の突出片938が、トリガ14の係止突起140の移動経路上のロック可能位置に移動される。よって、作業者がトリガ14に対する押圧を解除すると、トリガ14はオン位置でロックされる。
【0062】
トリガ14がオン位置でロックされた状態で、作業者がトリガ14を押圧し、トリガ14を最後方位置まで回動させると、ロック部材93の突出片938と係止突起140との当接状態が解除される。この結果、ロック部材93の左方または右方への移動に伴って圧縮された付勢部材95の付勢力により、ロック部材93は、ロック不能位置に復帰する。
【0063】
なお、図4に示すように、本実施形態では、幅狭部915の駆動軸A1方向(前後方向)の長さは、ロック部材93の本体部930の前後方向の長さよりも長く設定されている。そして、連動部材91が許容位置に配置された場合、幅狭部915は、前後方向において本体部930から突出する。この突出部分は、第2ハウジング部13が第1ハウジング部11に対して駆動軸A1方向(前後方向)に相対移動したときに、連動部材91とロック部材93とが干渉するのを回避するための干渉回避部として構成されている。
【0064】
前述の通り、連動部材91が第1ハウジング部11に配置されたモード切替ダイヤル4に連結されている一方で、ロック部材93は、第1ハウジング部11に対して弾性連結された第2ハウジング部13に保持されている。第1ハウジング部11が振動すると、連動部材91も同様に振動する一方、第2ハウジング部13は、第1ハウジング部11と同期して振動しない。よって、幅狭部915を前後方向に長く設定して干渉回避部を設けることで、連動部材91が許容位置に配置された状態で、幅広部914やガイド部916とロック部材93とが干渉して、ロック部材93の移動が禁止された状態となるのを防止することができる。
【0065】
以上に説明したように、本実施形態のハンマドリル1は、モード切替ダイヤル4と、スイッチ145と、トリガ14と、トリガロック機構9とを備えている。ハンマドリル1は、モード切替ダイヤル4をハンマモード位置とハンマモード位置との間で切り替えることで、ハンマモードとハンマドリルモードとを選択可能に構成されている。トリガ14は、常時にはスイッチ145をオフ状態とするオフ位置に維持される一方、外部からの押圧操作に応じてスイッチ145をオン状態とするオン位置に移動可能に構成されている。トリガロック機構9は、トリガ14をオン位置でロック可能なロック可能位置と、ロック不能なロック不能位置との間で移動可能なロック部材93と、モード切替ダイヤル4の切り替え動作に連動して、ロック部材93の移動を禁止する禁止位置と、ロック部材93の移動を許容する許容位置との間で移動する連動部材91とを含む。
【0066】
モード切替ダイヤル4によってハンマモードが選択された場合には、連動部材91は許容位置へ移動する。よって、作業者は、ロック部材93をロック可能位置へ移動することで、トリガ14をオン位置でロックすることができる。一方、モード切替ダイヤル4によってハンマドリルモードが選択された場合には、連動部材91は禁止位置へ移動する。よって、作業者は、ロック部材93をロック可能位置へ移動させようとしても、移動することができない。これにより、作業者に、選択されているハンマドリルモードでは、トリガ14をオン位置でロックする操作ができないことを直感的且つ直接的に認識させることができる。よって、インタラクティブな作業環境を提供し、作業者の操作感を向上することができる。
【0067】
本実施形態では、トリガロック機構9は、ロック部材93をロック不能位置で保持するように付勢する付勢部材95を含み、ロック部材93は、付勢部材95の付勢力に抗してロック可能位置に配置された場合、トリガ14(詳細には、係止突起140)に当接することで、トリガ14をオン位置でロックする。よって、連動部材91が許容位置に配置された場合でも、ロック部材93は、付勢部材95の付勢力に抗してロック可能位置に移動されない限り、ロック不能位置で保持される。よって、作業者の意図しないときにトリガ14がオン位置でロックされるのを防止することができる。また、ロック部材93(詳細には、トリガ係止部937)のトリガ14(詳細には、係止突起140)との当接が解除された場合、付勢部材95の付勢力によって、ロック部材93をロック可能位置からロック不能位置へ復帰させることができる。
【0068】
本実施形態では、ロック部材93は、駆動軸A1に交差する左右方向に移動可能、且つ、左右両端部に対する外部操作が可能である。ロック可能位置は、左右方向において、ロック不能位置を挟んで両側に設けられている。よって、ロック部材93が付勢部材95によってロック不能位置に保持されている場合、作業者は、左右方向のどちらの側からもロック部材93をロック可能位置に移動させ、トリガ14をオン位置でロックすることができるため、操作性が向上する。
【0069】
本実施形態では、連動部材91は、モード切替ダイヤル4の切り替え動作に連動して、駆動軸A1方向(前後方向)に移動し、ロック部材93は、駆動軸A1に交差する交差方向(左右方向)に移動可能である。そして、連動部材91は、左右方向に所定幅を有する幅広部914と、左右方向に所定幅よりも狭い幅を有する幅狭部915とを含む。幅広部914は、連動部材91が禁止位置に配置されたときに、ロック部材93と左右方向に当接し、ロック部材93が左右方向に移動することを禁止する。また、幅狭部915は、連動部材91が許容位置に配置されたときに、ロック部材93と左右方向に離間して配置され、ロック部材93が左右方向に移動することを許容する。このように、連動部材91に幅広部914と幅狭部915を設けるという簡便な構成で、連動部材91を前後方向に禁止位置または許容位置に移動させるだけで、左右方向に移動可能なロック部材93の移動を禁止または許容することができる。よって、トリガロック機構9を構成する部品の数を比較的少なく抑えることができる。
【0070】
本実施形態では、ハウジング10は、駆動機構3を収容する第1ハウジング部11と、把持部131を含み、第1ハウジング部11に対して相対移動可能に弾性要素を介して連結された第2ハウジング部13とで構成されている。連動部材91は、第1ハウジング部11に配置されたモード切替ダイヤル4に対して連動可能に連結され、ロック部材93は、第2ハウジング部13に配置されている。連動部材91の幅狭部915の一部は、連動部材91が許容位置に配置された状態で第2ハウジング部13が第1ハウジング部11に対して相対移動したときに、連動部材91とロック部材93とが相対移動方向(駆動軸A1方向)において干渉するのを回避するための干渉回避部として構成されている。よって、連動部材91が許容位置に配置された状態で、連動部材91とロック部材93とが干渉して、ロック部材93が移動できなくなるのを防止することができる。
【0071】
本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。ハンマドリル1は、本発明の「ハンマドリル」に対応する構成例である。スイッチ145は、本発明の「スイッチ」に対応する構成例である。トリガ14は、本発明の「操作部材」に対応する構成例である。ロック部材93は、本発明の「ロック部材」に対応する構成例である。モード切替ダイヤル4は、本発明の「モード切替部材」に対応する構成例である。ハンマモードは、本発明の「ハンマモード」に対応する例であり、ハンマドリルモードは、本発明の「ドリルモード」に対応する例である。連動部材91は、本発明の「連動部材」に対応する構成例である。
【0072】
幅広部914、幅狭部915は、夫々、本発明の「幅広部」、「幅狭部」に対応する構成例である。付勢部材95は、本発明の「付勢部材」に対応する構成例である。駆動機構3は、本発明の「駆動機構」に対応する構成例である。第1ハウジング部11、第2ハウジング部13、把持部131は、夫々、本発明の「第1ハウジング」、「第2ハウジング」、「把持部」に対応する構成例である。第1バネ71、第2バネ75、Oリング79は、各々、本発明の「弾性要素」に対応する構成例である。幅狭部915のうち干渉回避部として構成された一部は、本発明の「干渉回避部」に対応する構成例である。
【0073】
上記実施形態は単なる例示であり、本発明に係る打撃工具は、例示されたハンマドリル1の構成に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更は、これらのうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、実施形態に示すハンマドリル1、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
【0074】
例えば、ハンマドリル1では、先端工具18の駆動源であるモータ2として、バッテリ19を電源として駆動されるブラシレスの直流モータが採用されているが、ブラシを有する交流モータが採用されてもよい。この場合、ハンマドリル1は、バッテリ装着部15に代えて、外部電源に接続する電源ケーブルを備えればよい。なお、バッテリ19が電源とされる場合、必ずしもバッテリ装着部15が2つ設けられる必要はない。また、モータ2の動力で先端工具18を駆動する駆動機構3の構成も、適宜変更が可能である。例えば、運動変換機構30として、例示されたクランク機構に代えて、モータ2の回転運動を揺動部材を用いて直線運動に変換する運動変換機構が採用されてもよい。
【0075】
また、ハウジング10の構成も、上記実施形態に例示された構成に限られるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、第1ハウジング部11と、第1ハウジング部11に対して相対移動可能に弾性要素を介して連結された第2ハウジング部13の形状、弾性要素(第1バネ71、第2バネ75、Oリング79)および摺動ガイド(上側摺動部81、下側摺動部82)の構成、数、配置位置等は、適宜変更されてもよい。なお、ハウジング10は、防振ハウジング構造を有することが好ましいが、防振ハウジング構造は必須ではない。
【0076】
上記実施形態では、モード切替ダイヤル4を介して選択可能な駆動モードとして、打撃動作のみが行われるハンマモードと、打撃動作およびドリル動作が行われるハンマドリルモードとが設定されている。これらに加え、ドリル動作のみが行われるドリルモードが選択可能であってもよい。また、ハンマモードとドリルモードの2つの駆動モードのうち何れか一方が選択可能とされてもよい。何れの場合も、ハンマモードが選択された場合には、連動部材91が許容位置へ移動され、ドリル動作を伴う駆動モード(つまり、ハンマドリルモードまたはドリルモード)が選択された場合には、連動部材91が禁止位置に移動されればよい。また、回動によって複数の切替位置の間で切り替えられるモード切替ダイヤル4に代えて、所定方向に直線状に移動されるモード切替レバーが採用されてもよい。
【0077】
トリガロック機構9の構成についても、適宜変更が可能である。例えば、連動部材91は、モード切替ダイヤル4の切替動作に連動して、ロック部材93の移動を禁止する禁止位置と、ロック部材93の移動を許容する許容位置の間を移動可能であればよく、その形状、モード切替ダイヤル4との連結態様、ロック部材93に対する動作態様等は上記実施形態の例に限られない。同様に、ロック部材93も、外部操作に応じて、トリガ14をオン位置でロック可能なロック可能位置と、トリガ14をオン位置でロック不能なロック不能位置との間で移動可能であればよく、その形状、連動部材91との配置関係等は上記実施形態の例に限られない。
【0078】
例えば、上記実施形態では、トリガロック機構9のうち、連動部材91はモード切替ダイヤル4を介して第1ハウジング部11に接続される一方、ロック部材93は、第1ハウジング部11とは異なる第2ハウジング部13に配置されている。このため、幅狭部915の一部が干渉回避部として構成されているが、連動部材91とロック部材93とは、何れも同じハウジング部に配置されてもよい。また、連動部材91は、干渉回避部を含まなくてもよい。
【0079】
また、例えば、連動部材91において、幅狭部915が後端部(ロック部材93側)に配置され、幅広部914がその前側(モード切替ダイヤル4側)に配置されてもよい。この場合、モード切替ダイヤル4がハンマモード位置に切り替えられた場合、連動部材91は前方に移動され、幅狭部915がロック孔931内に配置される許容位置に配置される一方、モード切替ダイヤル4がハンマドリルモード位置に切り替えられた場合、連動部材91は後方に移動され、幅広部914がロック孔931内に配置される禁止位置に配置されればよい。
【0080】
また、上記実施形態では、ロック部材93は、トリガ係止部937として2つの突出片938を有するため、ロック不能位置に対し、連動部材91の移動方向(駆動軸A1方向、前後方向)に交差する方向(左右方向)において何れの側に移動された場合も、ロック可能位置に移動可能である。しかしながら、トリガ係止部937を1つの突出片938のみで構成し、左右方向の何れか一方の側に移動されたときにのみ、ロック可能位置に移動可能とされてもよい。この場合、連動部材91の作動部913の形状も適宜変更されればよい。また、上記実施形態では、ロック部材93は、付勢部材95の付勢力によってロック不能位置に保持される構成とされているが、付勢部材95は必ずしも設けられる必要はない。
【0081】
更に、本発明および上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様は、実施形態に示すハンマドリル1、上記変形例、または各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記連動部材は、前記モード切替部材の切り替え動作に連動して前記駆動軸方向に移動するように構成され、
前記ロック部材は、前記駆動軸に交差する交差方向に移動可能に構成され、
前記連動部材は、
前記禁止位置に配置された場合、前記ロック部材と前記交差方向に当接し、前記ロック部材が前記交差方向に移動することを禁止するように構成され、且つ、
前記ロック部材と前記交差方向に離間して配置され、前記ロック部材が前記交差方向に移動することを許容するように構成されていてもよい。
[態様2]
前記ロック部材は、トリガ係止部を備え、
前記ロック部材は、
前記ロック不能位置に配置された場合、前記トリガ係止部が前記操作部材の前記オフ位置と前記オン位置との間の移動経路から外れた位置に配置されるように構成され、且つ、
前記ロック可能位置に配置された場合、前記トリガ係止部が前記操作部材の前記移動経路上に配置されるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1:ハンマドリル
2:モータ
25:モータシャフト
29:駆動ギア
3:駆動機構
30:運動変換機構
31:クランクシャフト
311:被動ギア
312:クランクピン
32:連接ロッド
33:ピストン
34:ツールホルダ
35:シリンダ
36:打撃要素
361:ストライカ
363:インパクトボルト
365:空気室
38:回転伝達機構
39:クラッチ
4:モード切替ダイヤル
41:偏心シャフト
45:回動経路
5:コントローラ
71:第1バネ
75:第2バネ
79:Oリング
81:上側摺動部
82:下側摺動部
9:トリガロック機構
91:連動部材
910:連結部
911:ガイド孔
913:作動部
914:幅広部
915:幅狭部
916:ガイド部
921:ガイド壁
922:通路
923:ガイドリブ
93:ロック部材
930:本体部
931:ロック孔
933:バネ保持部
934:凹部
935:ストッパ部
937:トリガ係止部
938:突出片
941:規制壁
942:凹部
943:バネ押圧部
95:付勢部材
10:ハウジング
11:第1ハウジング部
111:モータ収容部
117:駆動機構収容部
13:第2ハウジング部
131:把持部
133:上側部分
134:開口部
135:貫通孔
137:下側部分
14:トリガ
140:係止突起
141:支持シャフト
145:スイッチ
15:バッテリ装着部
18:先端工具
19:バッテリ
図1
図2
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図8