(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記高さ維持部材の背面部の略中央分を切り欠いて左右対称の2つの部分に分離し、これら2つの部分を相互に連結する横方向帯状部材を上下に少なくとも2本設けたことを特徴とする請求項1に記載の自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具。
前記高さ維持部材の横枠部材が、その中央で折曲自在に形成され、この横枠部材を折り畳むことによってこの高さ維持部材が平面的に折り重ねられることを特徴とする請求項4に記載の自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具。
前記線状部材を前記装着プレートに固定するための固定部材が、当該装着プレートの背面に設けた1対のベルト部材からなり、このベルト部材の下端部を前記装着プレートの下方に固定し、その上端部を前記装着プレートに着脱自在としたことを特徴とする請求項4又は5に記載の自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具。
前記線状部材を前記装着プレートに固定するための固定部材が、当該装着プレートの背面に縦方向に設けた1対の袋状の挿入孔から形成し、この挿入孔に前記線状部材の側方部材の縦方向線材を挿入して固定することができることを特徴とする請求項4又は5に記載の自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具。
前記装着プレートに設けた装着部材がその前面部で縦方向に設けた少なくとも2本の伸縮自在の帯状部材からなり、これらの帯状部材の先端部には係着部を設け、これらの帯状部材をチャイルドシート背部又はヘッドレストに巻回して、前記係着部を装着プレート側に係着して装着できることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具。
【背景技術】
【0002】
まず、本願発明においては、上記した通り、前部チャイルドシート又は後部チャイルドシート(以下単に「シート」という。)の略全体を被覆できるチャイルドシートカバー(以下単に「カバー」という。)を、前記シートに被覆する際に使用する装着補助物品に関するものである。
上記シートとしては、現在良く知られているように、前部チャイルドシートにあっては、その座部が自転車のハンドル部中央の略U字形状に湾曲した部分に固定され、座部の前方には開閉自在で使用時に下方に開放される足乗せ部が設けられ、その背面部である背凭れ部には上下に摺動可能なヘッドレスト(ヘッドサポートともいう。)が設けられた形態を有するものである。
【0003】
他方、後部チャイルドシートにあっては、その座部は自転車の後部荷台部に固定され、足乗せ部は自転車の後輪の両側に配設され、座部の背面部である背凭れ部にはやはり上下に摺動可能なヘッドレストが設けられた形態を有するものである。
勿論、このシートとしては、上記ヘッドレストが上下に摺動しない固定式のタイプのものも存在する。
【0004】
これらの前後のシートには、その座部の底面部を除く略全体を被覆することができる各種形態のチャイルドシートカバーが市販されている。
下記特許文献1に記載の発明は、後部チャイルドシートカバーに関するものであり、カバー内部の温度上昇及び蒸し暑さを低減させることを目的としたものである。
【0005】
その構成は、自転車の後部荷台に固定したチャイルドシートの全体を被覆できる底面開口のボックス形状を有し、前面部に透明部を設け、前面部と一方の側面部の境界線部にスライドファスナーを設け、両側面部の前面部側にはそれぞれ外気導入口を設け、背面部には排気口を設けている。更に、前面部の下方部分に横方向の全体にスライドファスナーの開閉による第2外気導入口を設けたものである。
【0006】
下記特許文献2に記載の発明は、幼児が着席した使用状態であっても、幼児と共にその全体を被覆できる前部チャイルドシートカバーである。
その構成は、カバー本体部がシートの全体を被覆でき、上面開口部に開閉自在の閉鎖シート部材を設け、更に、前記本体部に開閉カバー部材を着脱自在に連結したものから成る。この開閉カバー部材は透明の前面部を有し、その前方側面部である連結部の内側の係着部を本体部の係止具受部に係着することにより相互に連結できる。これにより本体部の閉鎖シート部材を巻回して開放し、この閉鎖シート部材を集束部材によって括り留めた状態で幼児をチャイルドシートに着席させ、開閉カバー部材の背面部をチャイルドシートの伸張したヘッドレストの上縁部に引っ掛けるように被覆することができるものである。
【0007】
この前部チャイルドシートカバーにおいては、上面開口部を閉鎖する閉鎖シート部材を無くして構成することもでき、その際は、開閉カバー部材を常時その前端部で本体部に連結しておけばよいものである。
【0008】
上記従来の前後何れのチャイルドシートカバーにおいても、その透明の前面部には窓部が設けられていないが、現在市販されているものは、この前面透明部分に上方に捲り上げることができる窓部が形成されているものが存在する。
【0009】
このように窓部を前面部に設けたのは、チャイルドシートカバーをシートに装着した状態で、雨が上った際に、カバーを外す手間を無くし、カバー内部に外気を導入させ、内部の温度上昇を低減させるためである。
通常、このようなチャイルドシートカバーは、降雨時に使用するためのものとして開発されたのであるが、一旦これをシートに装着してしまうと、これを取り外す手間が掛り、カバーを装着したままで使用するということが常態と成って来たのである。
【0010】
従って、降雨時以外でもそのまま快適に使用できるようにするために、カバー前面部に大きな窓部が形成され、これを捲り上げて開放できるものが一般的になったのである。
本発明においては、この種の窓部が形成されたチャイルドシートカバーにも適用することができるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明においても、上記従来のチャイルドシートカバーと同様に、これを装着したままの状態で、自転車の不使用時は勿論のこと、雨天、強風又は寒冷時、若しくは晴天時のどのような天候の際にも、幼児を乗せて使用することができるカバーに適用可能なものである。
【0013】
そして、本発明においては、カバーを装着するシートには各種のタイプが存在するため、つまり前部又は後部チャイルドシートにおいては、これに設けられたヘッドレスト(ヘッドサポート)が別体型(上下摺動可能型)のものもあれば、一体型(上下摺動不可)のものもあり、これら市販されているどのようなタイプのものにも取り付けられる装着補助具を提供することをその第一の課題としている。
【0014】
更に、本発明においては、チャイルドシートに幼児を腰掛けさせた際に、その幼児の頭頂部ができる限りカバーの天部に接触しないようにすること、仮に接触しても幼児の頭頂部にカバーの重みがあまり掛らないようにチャイルドシートカバーを適宜高さ位置で装着できるようにし、且つカバーの形状を安定化させることができるような装着補助具を提供することをその課題としている。
換言すれば、腰掛けた幼児の頭頂部の空間を一定に保持できるようにすることを最大の課題としている。
【0015】
このようにすることにより、シートに腰掛けた幼児の頭頂部の圧迫が減少し、カバー内での居住環境が非常に良くなるのである。
更に、本発明においては、幼児の座高も高低様々であり、これに対応できるようにすることもその課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明の第1のものは、自転車のハンドル部又は後部荷台部に固定されたチャイルドシートにチャイルドシートカバーを装着する際に使用する装着補助具であって、この装着補助具は、前方側が開放されてチャイルドシートの上端部分の外形形状に沿うように配置され、後方側に位置する後方部と両側に位置する側方部とを有し、この装着補助具の後方部の前面下方部には装着部材を設けてチャイルドシートの背面部及び/又はヘッドレスト部に装着でき、これによって前記装着補助具の後方部及び両側方部の上方部分がチャイルドシートの上端縁部から上方に起立した状態に装着され、この状態でチャイルドシートカバーを被覆することにより、チャイルドシートカバーの天部がチャイルドシートの上端縁部から所定間隔を維持してチャイルドシートに装着され、
前記装着補助具が、チャイルドシートに装着される装着プレートと、この装着プレートに固定される高さ維持部材との2つの部材から形成され、前記装着プレートは、チャイルドシートの背面部及び/又はヘッドレスト部の背面に接合される板状のものから成り、その前面側にはこの装着プレートをチャイルドシートに装着する装着部材が設けられ、その背面側には前記高さ維持部材を相互に固定できる固定部材を設け、前記高さ維持部材は、チャイルドシートの上端部分の外形形状に沿うように後方側に位置する後方部と両側に位置する側方部を有し、前記装着プレートに相互に固定される固定部材がその高さ維持部材の後方部の前面側に設けられて前記装着プレートに固定されることを特徴とする自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具である。
【0018】
本発明の第
2のものは、上記第
1の発明において、前記高さ維持部材がチャイルドシートカバーの背面部及び両側面部の上端部分と一体的に形成されていることを特徴とする自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具である。
【0019】
本発明の第
3のものは、上記第
1の発明において、前記高さ維持部材の背面部の略中央分を切り欠いて左右対称の2つの部分に分離し、これら2つの部分を相互に連結する横方向帯状部材を上下に少なくとも2本設けたことを特徴とする自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具である。
【0020】
本発明の第
4のものは、上記第
1の発明において、前記高さ維持部材が硬質の線状部材から形成され、当該線状部材は、両側に位置する逆L字形状の側方部材と、これらの側方部材を連結する横枠部材とからなり、前記線状部材の両側の側方部材の縦方向線材を前記装着プレートの背面側に固定して、この側方部材の横方向線材の先端部を前向きに配置してチャイルドシートカバーを装着することを特徴とする自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具である。
【0021】
本発明の第
5のものは、上記第
4の発明において、前記高さ維持部材の横枠部材が、その中央で折曲自在に形成され、この横枠部材を折り畳むことによってこの高さ維持部材が平面的に折り重ねられることを特徴とする自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具である。
【0022】
本発明の第
6のものは、上記第
4又は第
5の発明において、前記線状部材を前記装着プレートに固定するための固定部材が、当該装着プレートの背面に設けた1対のベルト部材からなり、このベルト部材の下端部を前記装着プレートの下方に固定し、その上端部を前記装着プレートに着脱自在としたことを特徴とする自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具である。
【0023】
本発明の第
7のものは、上記第
4又は第
5の発明において、前記線状部材を前記装着プレートに固定するための固定部材が、当該装着プレートの背面に縦方向に設けた1対の袋状の挿入孔から形成し、この挿入孔に前記線状部材の側方部材の縦方向線材を挿入して固定することができることを特徴とする自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具である。
【0024】
本発明の第
8のものは、上記何れかの発明において、前記装着プレートに設けた装着部材がその前面部で縦方向に設けた少なくとも2本の伸縮自在の帯状部材からなり、これらの帯状部材の先端部には係着部を設け、これらの帯状部材をチャイルドシート背部又はヘッドレストに巻回して、前記係着部を装着プレート側に係着して装着できることを特徴とする自転車のチャイルドシートカバー用装着補助具である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の第1のものにおいては、自転車に固定されたシートにカバーを装着する際に使用する装着補助具であって、この装着補助具の後方部の前面下方部に設けた装着部材によって、この装着補助具をシートの背部及び/又はヘッドレスト部に装着でき、これによってこの装着補助具の上方部分がシートの上端縁部から上方に起立した状態となり、カバーをシートに装着した際に、カバーの天部がシートの上端縁部から所定間隔を維持して装着されるのである。
それ故、シートに着席する幼児の頭頂部に空間が十分に設けられることとなる。
【0026】
本発明においては、装着補助具を装着プレートと高さ維持部材との2つの部材から構成したものである。
これにより、高さ維持部材は、任意の高さで装着プレートに係着でき、装着されるカバーの高さを適宜変更し、調節することができる。
従って、シートに腰掛ける幼児の座高に合わせて、カバーの天部高さを変更し、張設することができることとなる。つまり、カバーの天部の高さ位置を適宜設定・変更することができ、カバーの内部空間で、幼児の頭頂部がカバー天部に接触しないか、接触してもカバーの重みがもろに幼児の頭部に掛ることがなくなり、居住環境が向上することとなる。
【0027】
本発明の第
2のものにおいては、前記高さ維持部材をチャイルドシートカバーの背面部の上端部分及び両側面部の上端部分に一体的に形成したことを特徴とするものであり、装着補助具の一方の部材をカバーと一体化して実施できることを明確にしたものである。
この一体化の意味は、カバーの内側に接合して一体化してもよいし、カバーのその部分を2枚の生地により二重に形成してその間に配設して縫製して一体化してもよい。
【0028】
本発明の第
3のものにおいては、前記高さ維持部材の構成をより限定したものであり、つまり、この高さ維持部材は、その後方部の略中央部分を切り欠いて2つの部分に分離し、これら2つの部分を相互に連結する横方向帯状部材で連結したことにより、この高さ維持部材は、その帯状部材の部分で簡単に2つ折りすることができ、不使用の際には、小さく畳んでしまって置くことができることとなる。
【0029】
本発明の第
4のものにおいては、上記装着補助具の高さ維持部材を異なる形態のものに特定したものであって、即ち、硬質の線状部材から形成され、当該線状部材は、両側に位置する逆L字形状の側方部材と、これらの側方部材を連結する横枠部材とからなり、前記線状部材の両側の側方部材の縦方向線材を前記装着プレートの背面側に固定して、この側方部材の横方向線材の先端部を前向きに配置してカバーを装着することにより、その天部の高さをシートの上端縁部よりも高位置に維持できるようにしたものであり、その効果は上記発明と同じである。
【0030】
本発明の第
5のものにおいては、上記線状部材からなる高さ維持部材の横枠部材がその中央で折曲自在に形成されたため、この横枠部材を折り畳むことにより、この線状部材の全体が平面的に折り重ねられ、不使用時に収納が便利なものとなり、上記第4の発明と同じ効果を発揮する。
【0031】
本発明の第
6及び第
7のものにおいては、上記線状部材から形成された高さ維持部材を装着プレートに固定するための固定部材を特定したものであり、その第
6の発明では一対のベルト部材を使用し、他方、その第
7の発明では、一対の縦方向の袋状の挿通孔にて固定できるように構成したものであり、簡単に高さ維持部材を装着プレートに固定できるようにしたものである。
【0032】
本発明の第
8のものにおいては、上記発明に係る装着プレートに設けた装着部材を具体化したものである。
即ち、この装着部材が前記装着プレートの前面部で縦方向に設けた少なくとも2本の伸縮自在の帯状部材からなり、これらの帯状部材の先端部には係着部を設け、これらの帯状部材をシートの背面部又はヘッドレスト部に巻回して、前記係着部を装着プレート側に係着して装着できるものである。
【0033】
これにより、例えば、シートのヘッドレストに縦方向に上記帯状部材を巻回してその先端部の係着部を装着プレートの側に係着して簡単に本発明に係る装着補助具をシートの背面側に装着することができることとなる。
尚、この発明では、装着部材として伸縮自在の帯状部材を利用しているために、例えばヘッドレストの縦方向長さの異なるシートにも対応でき、また、ヘッドレストの上端縁部が中央から外側に向かって斜め下方向に傾斜した形状のものであっても、当該帯状部材は伸縮自在なために、これら変則的な形状を有するヘッドレストに適宜柔軟に対応して装着させることが出来ることとなるのである。
【0034】
更に詳述すれば、帯状部材として先端部に面ファスナーを設けたゴム製帯を使用すれば、ヘッドレストの上下幅に対応してゴムテンションを調整して取り付けできるし、ゴム製帯の劣化に対応してそのテンションを調整してその先端の面ファスナーをプレート側に係着することもできる。
チャイルドシートには、各種形態、形状のものが存在しており、その各種形態や形状に本発明に係る装着補助具は対応することができ、カバーの天部を高く維持して、様々な形態を有するチャイルドシートにカバーを安定的に且つ確実に装着することができることとなるのである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下添付の図面と共に、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る装着補助具を用いてチャイルドシートカバーをチャイルドシートに装着した状態を示す全体説明図である。
尚、この図において、本発明に係る装着補助具は、カバーの上端部の内側に位置しており、太い破線で示した部分がそれである。
【0037】
この図においては、先ず、本発明に係る装着補助具の概略について説明する。詳細は、
図2以降を用いて説明する。
先ず、本発明に係る装着補助具10は、現在市販されているあらゆるタイプのチャイルドシートに取り付けることができる。
即ち、図示した通り、自転車の後部荷台に固定された後部チャイルドシート、或いは、自転車のハンドル部に取り付けられている前部チャイルドシート(以下、単に「シート」という。)に取り付けてチャイルドシートカバー(以下、単に「カバー」という。)を装着することができる。
【0038】
そして、各種シートには、背面部の上端にヘッドレスト(ヘッドサポート)が上下摺動可能に取り付けられたもの、或いは、摺動不可能のものも存在するが、それらの何れのタイプのものにも装着することができる。
図1においては、本発明に係る装着補助具10の取り付け位置が見て取れるが、この装着補助具は、前方(サドル側)が開放された平面視略コ字形状を有し、シート上端部のヘッドレスト部Hの外周に沿うように装着される。
【0039】
この装着補助具10は、その後方側に位置する後方部10uと、その両側に位置する側方部10s、10sを有している。
後方部10uの前面下方部には、図には現れていない装着部材が設けられ、この装着部材によって、この装着補助具10がヘッドレスト部Hに装着される。
【0040】
上記装着部材は、図示はしていないが、例えば、上記後方部10uの下方前面部分に固定した一対の伸縮自在の輪状部材でもよい。この一対の輪状部材を縦方向に配置して、これらの輪状部材をヘッドレスト部Hの両端部から挿通させることによって当該装着補助具10をヘッドレスト部Hに取り付け固定することができる。
【0041】
或いは、この伸縮自在の輪状部材は、一端が開放された伸縮自在のベルト部材から形成することもできる。
このベルト部材の自由端をヘッドレスト部に巻回して、その自由端をその基端部に例えば面ファスナー等により相互に係着できる構成とすることもできる。
【0042】
その他、この装着部材としては種々設計変更することができ、要は、この装着補助具10をヘッドレスト部HやチャイルドシートCの背面部に固定できるものであれば、どのような部材であってもよい。
【0043】
このように、上記装着部材は、後方部10uの前面下方部に設けられている関係上、装着部材によってこの装着補助具10がヘッドレスト部Hに固定されると、この装着補助具10の後方部10uと両側方部10s、10sの上方部分は、ヘッドレスト部Hの上端縁部から起立した状態となるのである。
【0044】
これにより、カバーCを被覆すると、カバーCの天部Tは、ヘッドレスト部Hの上端縁部から適宜間隔距離を保持して装着されるのである。
これにより、シートに着席する幼児の頭頂部の空間が確保されることとなる。
尚、上記説明では、本発明に係る装着補助具10を一体物として説明したが、
図2以降で説明する通り、2つの構成部材によって形成することもできるのである。
【0045】
図2は、本発明に係る装着補助具の第1実施形態(
図1に示したものと異なる形態のものである。)を図示する分解説明図である。
この図から良く解る通り、この第1実施形態に係る装着補助具10は、下方に位置する装着プレート11と、この装着プレート11の背面に係着し固定される高さ維持部材12とから成る。
【0046】
装着プレート11は、内部にベルポーレンを配設して合成樹脂地で被覆した板状のものからなり、シートSのヘッドレスト部Hの背面に接合し、装着することができる。
即ち、その前面側には、一対の伸縮自在のベルト部材13、13が縦方向に固定されており、このベルト部材13の先端部には係着部材としての面ファスナー13fがそれぞれに設けられ、ベルト部材13の他方の基端部にも係着部材としての面ファスナー13gが設けられ、相互に係着することができる。このベルト部材13、13が装着部材となる。
【0047】
つまり、これら一対のベルト部材13、13をヘッドレスト部Hに縦方向に巻回して、ヘッドレスト部Hの背面に接合するように装着することができる。
そして、図には現れていないが、この装着プレート11の背面側の両側には、縦方向に一対の面ファスナー(固定部材)が設けられている。
【0048】
これら一対の面ファスナーが次に説明する高さ維持部材12の後方部14に設けられた面ファスナー14fと相互に係着し固定されることとなる。
この高さ維持部材12は、平面視略コ字形状を有し、後方側に位置する後方部14とその両側に位置する側方部15、15とから成る。
【0049】
この実施形態では、図に示した通り、後方部14の略中央部が所定距離分だけ切り欠かれている。
図中16が切欠部を示している。
この切欠部16は、その上下で横方向帯状部材17、17によって連結されている。
【0050】
この横方向帯状部材17は、柔軟素材から成るベルト部材から成るため、左右に分割され、左右対称の高さ維持部材12が簡単に折り畳み、重ね合わせることができる。
これにより、不使用時には小さく重ねて収納することができることとなる。
【0051】
上記した通り、この高さ維持部材12の後方部14、14の前面下方部には係着部材(固定部材)としての面ファスナー14f、14fが設けられ、これらの面ファスナー14f、14fが前記装着プレート11の背面に設けた一対の面ファスナー(固定部材)と相互に係着・固定されて次の
図3のような状態にヘッドレスト部Hに装着されるのである。
【0052】
図3は、上記第1実施形態に係る装着補助具をシートのヘッドレスト部に装着した状態を前方側から見た説明図である。
このように、装着プレートをヘッドレスト部Hの背面部に接合して、ベルト部材13によって装着することができ、その後高さ維持部材14を前記装着プレートに固着し固定することにより、高さ維持部材12の後方部14及び両側の側方部15の上方部分がヘッドレスト部Hの上端縁部から上方に起立した状態に装着されるのである。
この状態で、シートSにカバーを被覆することにより、カバーの天部はヘッドレスト部Hの上端縁部から所定間隔を維持して被覆されることとなる。
【0053】
図4は、上記第1実施形態に係る装着補助具をシートのヘッドレスト部に装着した状態を後方側から見た説明図である。
このように、装着プレート11をヘッドレスト部Hの背面部に接合して、ベルト部材13、13によって装着し、その後高さ維持部材14を前記装着プレートに面ファスナー(固定部材)によって相互に係着固定することにより、高さ維持部材12の後方部14及び両側の側方部15の上方部分がヘッドレスト部Hの上端縁部から上方に起立した状態に装着されるのである。
【0054】
勿論、最初に述べた通り、本発明に係る装着補助具10は、上記第1実施形態のように装着プレート11と高さ維持部材12のツーピースによって構成するのではなく、
図1に図示した通り、これらを一つのものとして一体的なものとし形成することもできるのである。
【0055】
その際には、横方向帯状部材17を無くして、一体的なものとして一体成形物として作成することができる。
即ち、一体的なものとしては、単に後方部とその両側の側方部とからなり、前記後方部の前面下方部に前記装着部材を設ければよいのである。
但し、このような一体物にあっては、その中央部で簡単に折り畳むことができるような構成とすることはできない。
【0056】
尚ここで、上記第1実施形態においては、本発明に係る装着補助具10を上記装着プレート11と高さ維持部材12とのツーピースにより形成したが、後者の高さ維持部材12を被覆されるチャイルドシートカバーの背面部と両側面部の上端部分に一体的に形成(縫製)することも可能である。
【0057】
この場合には、上記高さ維持部材12を上記チャイルドシートカバーの背面部と両側面部の内側又は外側に接合(縫製)してもよいし、チャイルドシートカバーの背面部及び両側面部の上方部分の生地を二重とし、この2枚の生地の間に配設して縫製してもよい。
【0058】
このように2枚の生地の間に配設した場合には、その前面側に設ける固定部材としての面ファスナー14f、14fは、チャイルドシートカバーの上記二重の生地の内側生地の裏面(内側面)に設ける必要がある。(高さ維持部材12をカバーの外側に接合した場合にも、固定部材としての面ファスナーは、カバーの裏面に設ける必要がある。
これにより、チャイルドシートのヘッドレスト等の背面に装着プレート11を取り付け、この装着プレート11の背面に設けた固定部材としての面ファスナーに上記面ファスナー14f、14fが相互に係着し固定されることとなる。
【0059】
図5は、本発明の装着補助具の第2実施形態を図示しており、その(A)が分解説明図、その(B)が装着状態を示す説明図である。
この第2実施形態に係る装着補助具20は、下方部に位置する装着プレート11と、これに取り付け固定される高さ維持部材22とから成る。
【0060】
この装着プレート11は、ほぼ上記第1実施形態に係る装着プレート11と同様のものであるが、唯一、上記高さ維持部材22を取り付け固定するために、その背面部に設けられた取付手段が異なっている。これについては、次図で説明する。
【0061】
この高さ維持部材22は、硬質の線状材から形成されたもので、両側に位置する一対の逆L字形状の側方部材25、25と、これら両者を横方向に連結する横枠部材27とから成る。
上記側方部材25は、上下に延長する縦方向線材25tと、その上端で前後方向に延長する横方向線材25yとからなり、上記横枠部材27は、前記縦方向線材25tと25tを横方向に連結する。
【0062】
この横枠部材27は、その中央の折曲部27cで折曲自在である。
従って、この第2実施形態では、上記第1実施形態と対照すれば、その後方部は一対の縦方向線材25tとこれらを連結する横枠部材27となり、その側方部は、両側に位置する横方向線材27y、27yとなる。
【0063】
図5(B)を参照して、上記装着プレート11と上記高さ維持部材22をシートSのヘッドレスト部Hに取り付けるには、まず、装着プレート11を上記第1実施形態と同様に一対のベルト部材13によってヘッドレスト部Hに装着し、その後、装着プレート11の背面部の両側の縦方向に形成されている挿入孔に高さ維持部材22の縦方向線材25t、25tを挿入して取り付け固定することができるのである。
【0064】
図6は、その(A)が上記第2実施形態に係る装着補助具をヘッドレスト部に取り付けた状態を後方側から見た説明図であり、その(B)が折り畳んだ状態の高さ維持部材を示している。
この
図6(A)から高さ維持部材22の装着プレート11への取り付け状態を見ることができる。
【0065】
即ち、装着プレート11の背面には、その両側の縦方向に一対の挿通孔19、19が設けられており、この挿通孔19内に高さ維持部材22の縦方向線材25tを挿入すればよいのである。
また、
図6(B)からも見て取れるように、高さ維持部材22は、その横枠部材27の中央の折曲部27cで折曲して平面状に折り畳むことができる。
以上の構成から成る高さ維持部材22は、アルミニウム、スチール、或いは可撓性を有する硬質の合成樹脂の線状材を用いて形成することができる。
【0066】
図7は、上記第2実施形態において、高さ維持部材を装着プレートに固定するための他の実施形態を図示する説明図である。
この図に示した例は、高さ維持部材22を装着プレート11に固定する固定部材を上記の挿通孔でなく、一対のベルト部材からなる帯状固定部29、29から形成したものである。
そして、この一対の帯状固定部29、29は、高さ維持部材22の横枠部材27を固定するものである。
【0067】
即ち、装着プレート11をヘッドレスト部Hの背面に一対のベルト部材13、13によって装着し、折り畳まれた横枠部材27を広げ、この横枠部材27の両端部側を下から支持するように帯状固定部29、29を巻き付け、その上端部の内側に設けられた面ファスナーを装着プレート11側に設けた面ファスナーと相後に係着させて、高さ維持部材22を装着プレート11の背面に固定することができる。
【0068】
換言すれば、この装着プレート11の背面側には、帯状固定部29、29ガ一対設けられ、この帯状固定部29は、その下端部が装着プレート11に固定され、その自由端部である上端部の裏面に面ファスナーが、これに対応する装着プレート11の部位にも面ファスナーが設けられて、上記横枠部材27を装着プレート11の背面と帯状固定部29の裏面との間に挟持して固定することができるのである。
その他、線状材からなる高さ維持部材22は、装着プレート11の背面に適宜手段により固定することができるのである。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通りその形態を種々変更して実施することができる。
まず、本発明に係る装着補助具は、板状のものを平面視略コ字形状に、自転車のチャイルドシートの上端部の外形形状に沿うような形態のものとして、その後方部の前面下方部に装着部材を設けることによって、シートのヘッドレストの上端縁部から上方に起立した状態に形成することができ、一体成形或いは2つの構成部材から形成することができるものである。
【0070】
その素材も適宜自由に選択することができ、その素材も、上記第1実施形態のように、内部にベルポーレン等の可撓性を有する合成樹脂製板材を内装し、外部を他の素材から成る生地やシート材で被覆したものであってもよいし、単に1枚の弾性又は可撓性を有する板状のものを利用してもよい。
【0071】
装着プレートに設ける装着部材も適宜設計変更することができ、上記実施形態のような弾性を有する環状のベルト部材以外に、弾性を有さないベルト部材、或いは、環状の伸縮自在のバンド部材であってもよく、各種設計変更することができる。
この装着部材は、装着プレートの前面側又はその周縁部に取り付けたものであってもよい。
【0072】
勿論、単なる2本の紐部材から構成され、これらの紐部材の先端部を相互に締着する形態のものであってもよく、その装着部材は自由に選択することができる。
要するにヘッドレスト又は座席部の背面部に装着できるものであればよいのである。
【0073】
装着プレートの背面側に設けた係着部材(固定部材)としての面ファスナーは、当該背面部の縦方向でも或いは横方向でもよく、またその方向に1本、帯状に設けてもよく、複数本、略平行に設けたものであってもよい。
勿論、係着部材を装着プレートの背面部の全体に設けることもできる。
これにより、高さ維持部材の後方部の前面に設けた係着部材と相互に係着し固定することにより、当該高さ維持部材の高さ位置を適宜変更して、その起立高さを適宜高さ位置に設定し、被覆するカバーの天部を適宜高く設定することができることとなる。
【0074】
上記第2実施形態においては、線状材からなる側方部材の横方向線材及び縦方向線材の長さ、横枠部材の長さ、それらの太さも適宜必要に応じて設計変更することができる。
横枠部材は折り畳み自在でなくとも実施可能である。
この線状材から成る高さ維持部材を装着プレートの背面に固定する固定手段も適宜自由に設計変更することができる。
【0075】
上記実施形態では、一対の挿通孔と一対の帯状固定部によって実施したが、後者の帯状固定部にあっては、横枠部材を固定するように構成したが、帯状固定部によって上記側方部材を固定することも可能である。
また帯状固定部の数も自在に設定することができる。
【0076】
以上、本発明は、自転車の前部又は後部チャイルドシートに被覆して使用するチャイルドシートカバーを前記シートに装着する際に使用する装着補助具であって、この装着補助具を前記シートの上端背面に装着することによって、装着補助具の後方部及び両側方部の上方部分がシートの上端縁部から上方に起立した状態となり、当該装着補助具を装着した後に、カバーをシートに被覆することにより、カバーの天部がシートの上端縁部から所定間隔を維持して装着され、カバー内部に着席する幼児の頭頂部に空間を広く設けることができる装着補助具を提供することができたものである。