特許第6778093号(P6778093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ユーシンの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6778093
(24)【登録日】2020年10月13日
(45)【発行日】2020年10月28日
(54)【発明の名称】電動ステアリングロック装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/0215 20130101AFI20201019BHJP
【FI】
   B60R25/0215
【請求項の数】9
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-230091(P2016-230091)
(22)【出願日】2016年11月28日
(65)【公開番号】特開2018-86881(P2018-86881A)
(43)【公開日】2018年6月7日
【審査請求日】2019年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】中西 雅之
【審査官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−185015(JP,A)
【文献】 特開2011−111015(JP,A)
【文献】 特開2012−192873(JP,A)
【文献】 特開2012−096586(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0020835(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00−25/40
E05B 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のステアリングシャフトに係合するロック部材と、
前記ロック部材を前記ステアリングシャフトに係合するロック位置に移動させるロック駆動と前記ロック部材を前記ステアリングシャフトに係合しないアンロック位置に移動させるアンロック駆動とを行なう電動モータと、
電源から前記電動モータに供給される電流の極性の切替および遮断を行い、前記電動モータを前記ロック駆動またはアンロック駆動させる第1のリレーおよび第2のリレーと、
前記第1のリレーおよび第2のリレーを制御する制御部と、
前記ロック部材の位置を検出する位置検出部と、
前記ロック駆動または前記アンロック駆動時に、前記位置検出部の検出状態から前記ロック駆動または前記アンロック駆動が正常に実行されたか否かを判定する実行判定部と、
前記第1のリレーあるいは前記第2のリレーのいずれか一方のリレーに接続され、該一方のリレーの導通状態を検出する導通検出部と、
前記実行判定部により前記ロック駆動または前記アンロック駆動が正常に実行されなかったと判定されたときに、前記導通検出部から出力された非導通状態を示す信号が検出された場合には、前記導通検出部が接続されている前記一方のリレーに導通不良があると判定し、前記導通検出部から出力された導通状態を示す信号が検出された場合には、前記導通検出部が接続されていない他方のリレーに導通不良があると判定する導通不良判定部と、
を備えることを特徴とする電動ステアリングロック装置。
【請求項2】
前記第1のリレーが、
前記電動モータの一端に接続されている第1の共通端子と、
前記電源に接続され、前記電動モータの前記アンロック駆動時に前記第1の共通端子と接続される第1の常開端子と、
グランドに接続された第1の常閉端子と、
を備え、
前記第2のリレーが、
前記電動モータの他端に接続されている第2の共通端子と、
前記電源に接続され、前記電動モータの前記ロック駆動時に前記第2の共通端子と接続される第2の常開端子と、
グランドに接続された第2の常閉端子と、
を備え、
前記導通検出部が、前記第2の共通端子に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項3】
前記ロック駆動時に、前記実行判定部により、前記ロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、
前記導通不良判定部は、
前記導通検出部により非導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第2の常開端子の接点に異常があると判定し、前記導通検出部により導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第1の常閉端子の接点に異常があると判定することを特徴とする請求項2に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項4】
前記アンロック駆動時に、前記実行判定部により、前記アンロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、
前記導通不良判定部は、
前記導通検出部により非導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第2の常閉端子の接点に異常があると判定し、前記導通検出部により導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第1の常開端子の接点に異常があると判定することを特徴とする請求項2に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項5】
前記第1のリレーが、
前記電動モータの一端に接続されている第1の共通端子と、
前記電源に接続され、前記電動モータの前記アンロック駆動時に前記第1の共通端子と接続される第1の常開端子と、
グランドに接続された第1の常閉端子と、
を備え、
前記第2のリレーが、
前記電動モータの他端に接続されている第2の共通端子と、
前記電源に接続され、前記電動モータの前記ロック駆動時に前記第2の共通端子と接続される第2の常開端子と、
グランドに接続された第2の常閉端子と、
を備え、
前記導通検出部が、前記第1の共通端子に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項6】
前記ロック駆動時に、前記実行判定部により、前記ロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、
前記導通不良判定部は、
前記導通検出部により非導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第1の常閉端子の接点に異常があると判定し、前記導通検出部により導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第2の常開端子の接点に異常があると判定することを特徴とする請求項5に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項7】
前記アンロック駆動時に、前記実行判定部により、前記アンロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、
前記導通不良判定部は、
前記導通検出部により非導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第1の常開端子の接点に異常があると判定し、前記導通検出部により導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第2の常閉端子の接点に異常があると判定することを特徴とする請求項5に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記導通不良判定部により導通不良があると判定された前記第1のリレーあるいは第2のリレーの接点を少なくとも1回切り替える制御を行なうことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項9】
前記電源から前記第1のリレーおよび第2のリレーへの電力供給を切り替える電力供給切替部を備え、
前記制御部は、前記電力供給切替部が前記電源から前記第1のリレーおよび第2のリレーに電力が供給されるように切り替えた状態で、前記導通不良判定部により導通不良があると判定された前記第1のリレーあるいは第2のリレーの接点にアークが発生するように、少なくとも当該第1のリレーあるいは第2のリレーの接点を切り替える制御を行なうことを特徴とする請求項8に記載の電動ステアリングロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ステアリングロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動モータの駆動力によって作動するロックボルトをステアリングシャフトに設けられた凹部に係合させることにより、車両のステアリングをロック状態として、車両の盗難を防止する電動ステアリングロック装置が知られている。
【0003】
このような電動ステアリングロック装置では、電源から電動モータに供給される電流の極性切替および遮断をするために、2つのリレーを使用しているものがある。しかしながら、当該リレーの接点に異物が堆積することにより、導通不良状態を起こし、電動モータが駆動できないという問題が懸念される。
【0004】
こうした問題に対して、例えば、特許文献1においては、第1および第2のリレーと駆動制限部との間に導通判定回路を設け、各リレーの接点状態を切り替えることによって、リレーが導通不良を起こしているのか否かを判定し、導通不良を起こしていると判定された場合には、この不具合を解消するためにリレーを動作させることが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、ロックリレー側、アンロックリレー側にそれぞれ電圧センサを設けて、電動モータの両端側の各電圧を監視することにより、ロックリレーおよびアンロックリレーの異常を検出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−086592号公報
【特許文献2】特開2012−096573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、リレーの導通状態が正常な場合であっても、電動ステアリングロック装置の駆動の度に、リレーの接点を切り替える導通判定を行なうために、不必要なリレーの作動音が発生してしまうという問題がある。そのため、電動ステアリングロック装置の駆動が所定の時間内に完了しなかった場合に限り、制御に関連するリレーの接点に対して導通不良を解消するための制御を行なうことも考えられる。しかし、特許文献1に開示された技術では、どちらのリレーに導通不良が起こっているのかを特定できないために、正常なリレーに対して、その制御を行なってしまう可能性が高いという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術のように、ロックリレー側の電圧センサとアンロックリレー側の電圧センサとを個別に設け、電動モータの両端側の各電圧を監視して、ロックリレーあるいはアンロックリレーの異常を検出することも考えられるが、それぞれのリレーに対して、個別の電圧センサが必要になることからコストの上昇を招いてしまうという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、リレーの作動音を不必要に発生させることなく、シンプルかつ安価な構成で導通不良を起こしているリレーを特定することが可能な電動ステアリングロック装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、車両のステアリングシャフトに係合するロック部材と、前記ロック部材を前記ステアリングシャフトに係合するロック位置に移動させるロック駆動と前記ロック部材を前記ステアリングシャフトに係合しないアンロック位置に移動させるアンロック駆動とを行なう電動モータと、電源から前記電動モータに供給される電流の極性の切替および遮断を行い、前記電動モータを前記ロック駆動またはアンロック駆動させる第1のリレーおよび第2のリレーと、前記第1のリレーおよび第2のリレーを制御する制御部と、前記ロック部材の位置を検出する位置検出部と、前記ロック駆動または前記アンロック駆動時に、前記位置検出部の検出状態から前記ロック駆動または前記アンロック駆動が正常に実行されたか否かを判定する実行判定部と、前記第1のリレーあるいは第2のリレーのいずれか一方のリレーに接続され、該一方のリレーの導通状態を検出する導通検出部と、前記実行判定部により前記ロック駆動または前記アンロック駆動が正常に実行されなかったと判定されたときに、前記導通検出部から出力された非導通状態を示す信号が検出された場合には、前記導通検出部が接続されている前記一方のリレーに導通不良があると判定し、前記導通検出部から出力された導通状態を示す信号が検出された場合には、前記導通検出部が接続されていない他方のリレーに導通不良があると判定する導通不良判定部と、を備えることを特徴とする電動ステアリングロック装置を提案している。
【0011】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、形態1について、前記第1のリレーが、前記電動モータの一端に接続されている第1の共通端子と、前記電源に接続され、前記電動モータの前記アンロック駆動時に前記第1の共通端子と接続される第1の常開端子と、グランドに接続された第1の常閉端子と、を備え、前記第2のリレーが、前記電動モータの他端に接続されている第2の共通端子と、前記電源に接続され、前記電動モータの前記ロック駆動時に前記第2の共通端子と接続される第2の常開端子と、グランドに接続された第2の常閉端子と、を備え、前記導通検出部が、前記第2の共通端子に接続されていることを特徴とする電動ステアリングロック装置を提案している。
【0012】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、形態2について、前記ロック駆動時に、前記実行判定部により、前記ロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、前記導通不良判定部は、前記導通検出部により非導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第2の常開端子の接点に異常があると判定し、前記導通検出部により導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第1の常閉端子の接点に異常があると判定することを特徴とする電動ステアリングロック装置を提案している。
【0013】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、形態2について、前記アンロック駆動時に、前記実行判定部により、前記アンロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、前記導通不良判定部は、前記導通検出部により非導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第2の常閉端子の接点に異常があると判定し、前記導通検出部により導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第1の常開端子の接点に異常があると判定することを特徴とする電動ステアリングロック装置を提案している。
【0014】
形態5;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、形態1について、前記第1のリレーが、前記電動モータの一端に接続されている第1の共通端子と、前記電源に接続され、前記電動モータの前記アンロック駆動時に前記第1の共通端子と接続される第1の常開端子と、グランドに接続された第1の常閉端子と、を備え、前記第2のリレーが、前記電動モータの他端に接続されている第2の共通端子と、前記電源に接続され、前記電動モータの前記ロック駆動時に前記第2の共通端子と接続される第2の常開端子と、グランドに接続された第2の常閉端子と、を備え、前記導通検出部が、前記第1の共通端子に接続されていることを特徴とする電動ステアリングロック装置を提案している。
【0015】
形態6;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、形態5について、前記ロック駆動時に、前記実行判定部により、前記ロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、前記導通不良判定部は、前記導通検出部により非導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第1の常閉端子の接点に異常があると判定し、前記導通検出部により導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第2の常開端子の接点に異常があると判定することを特徴とする電動ステアリングロック装置を提案している。
【0016】
形態7;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、形態5について、前記アンロック駆動時に、前記実行判定部により、前記アンロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、前記導通不良判定部は、前記導通検出部により非導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第1の常開端子の接点に異常があると判定し、前記導通検出部により導通状態を示す信号が検出された場合に、前記第2の常閉端子の接点に異常があると判定することを特徴とする電動ステアリングロック装置を提案している。
【0017】
形態8;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、形態1から形態7のいずれか1形態について、前記制御部は、前記導通不良判定部により導通不良があると判定された前記第1のリレーあるいは第2のリレーの接点を少なくとも1回切り替える制御を行なうことを特徴とする電動ステアリングロック装置を提案している。
【0018】
形態9;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、形態8について、前記電源から前記第1のリレーおよび第2のリレーへの電力供給を切り替える電力供給切替部を備え、前記制御部は、前記電力供給切替部が前記電源から前記第1のリレーおよび第2のリレーに電力が供給されるように切り替えた状態で、前記導通不良判定部により導通不良があると判定された前記第1のリレーあるいは第2のリレーの接点にアークが発生するように、少なくとも当該第1のリレーあるいは第2のリレーの接点を切り替える制御を行なうことを特徴とする電動ステアリングロック装置を提案している。
【発明の効果】
【0019】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、リレーの作動音を不必要に発生させることなく、シンプルかつ安価な構成で導通不良を起こしているリレーを特定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置の分解斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置のロック状態における断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置のアンロック状態における断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置の電気ブロック図である。
図5】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてロック駆動が正常な場合のタイミングチャートである。
図6】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてロック駆動が正常な場合のリレー接点図である。
図7】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてロックリレーの常開端子と共通端子間の異常によりロック駆動に異常がある場合のタイミングチャートである。
図8】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてロックリレーの常開端子と共通端子間の異常によりロック駆動に異常がある場合のリレー接点図である。
図9】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてアンロックリレーの常閉端子と共通端子間の異常によりロック駆動に異常がある場合のタイミングチャートである。
図10】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてアンロックリレーの常閉端子と共通端子間の異常によりロック駆動に異常がある場合のリレー接点図である。
図11】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてアンロック駆動が正常な場合のタイミングチャートである。
図12】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてアンロック駆動が正常な場合のリレー接点図である。
図13】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてアンロックリレーの常開端子と共通端子間の異常によりアンロック駆動に異常がある場合のタイミングチャートである。
図14】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてアンロックリレーの常開端子と共通端子間の異常によりアンロック駆動に異常がある場合のリレー接点図である。
図15】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてロックリレーの常閉端子と共通端子間の異常によりアンロック駆動に異常がある場合のタイミングチャートである。
図16】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置においてロックリレーの常閉端子と共通端子間の異常によりアンロック駆動に異常がある場合のリレー接点図である。
図17】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置における装置全体の制御フローチャートである。
図18】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置におけるロック駆動時の制御フローチャートである。
図19】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置におけるロック駆動時の制御フローチャートである。
図20】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置におけるアンロック駆動時の制御フローチャートである。
図21】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置におけるアンロック駆動時の制御フローチャートである。
図22】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置におけるリレー切替時の制御フローチャートである。
図23】本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置におけるリレー切替時の制御フローチャートである。
図24】本発明の変形実施形態に係る電動ステアリングロック装置の電気ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図1から図23を用いて、詳細に説明する。
【0022】
<電動ステアリングロック装置の機構的構成>
図1から図3を用いて、本実施形態に係る電動ステアリングロック装置100の機構的構成と作用について説明する。
【0023】
本実施形態に係る電動ステアリングロック装置100は、電気的な作用によって不図示のステアリングシャフト(ステアリングホイール)の回動をロック/アンロックするものである。
【0024】
ハウジング110は、略矩形ボックス状に成形されており、その上部には円弧状の装着凹部111が形成されている。この装着凹部111には、不図示のコラムチューブが嵌め込まれている。コラムチューブ内には、ステアリングシャフトが挿通しており、このステアリングシャフトの一端には、ステアリングホイールが取付けられている。ステアリングシャフトの他端は、ステアリングギアボックスに連結されている。そして、運転者がステアリングホイールを回動操作すると、その回転は、ステアリングシャフトを経てステアリングギアボックスに伝達され、操舵機構が駆動されて左右一対の前輪が転舵されて所要の操舵がなされる。
【0025】
ハウジング110には、図2および図3に示すように、ロックユニット収容部112と基板収容部113が形成されており、ロックユニット収容部112には、ロックユニット(ロック部材)120が収容されている。このロックユニット120は、下端部外周に雄ネジ部123が形成されたドライバ122と、このドライバ122内に上下動可能に収容されたプレート状のロックボルト121とを有している。ロックユニット120には、磁石保持アーム124が備えられており、この磁石保持アーム124の先端部に磁石125が圧入されて収納される。
【0026】
ギア部材130は、円筒状に形成されており、ロックユニット収容部112内に回転可能に収容されている。ギア部材130の下部外周は、リッド140の内面(上面)に立設されたギア保持筒部141によって回転可能に保持されている。そして、このギア部材130の下部外周には、ウォームホイール131が形成され、内周には、図2および図3に示される雌ネジ部132が形成されている。
【0027】
ギア部材130の内部には、ドライバ122の下部が挿入されており、このドライバ122の下部外周に形成された雄ネジ部123は、ギア部材130の内周に形成された、雌ネジ部132とかみ合っている。リッド140のギア保持筒部141とドライバ122との間には、スプリング170が縮装されている。ロックユニット120は、スプリング170によって常時上方に付勢されている。
【0028】
電動モータ150は、ロックユニット収容部112に横置き状態で収容されている。この電動モータ150の出力軸には、小径のウォームギア151が出力軸と一体で回転するように取付けられている。このウォームギア151は、ギア部材130の外周に形成されたウォームホイール131とかみ合っている。ウォームギア151とウォームホイール131とは、電動モータ150の出力軸の回転力をロックユニット120の進退力に変換する駆動機構を構成している。
【0029】
プリント基板160は、基板収容部113に、その内面がロックユニット120の作動方向と平行となるように収容されている。このプリント基板160の内面上下のロック位置とアンロック位置に対応する位置には、プリント基板160をベース部として、磁気センサであるロックセンサ(位置検出部)161とアンロックセンサ(位置検出部)162とがそれぞれ固定されている。これらのロックセンサ161と、アンロックセンサ162と、磁石125とによって作動位置検出機構が構成され、この作動位置検出機構によってロックユニット120の位置(ロック位置/アンロック位置)が検出される。
【0030】
<電動ステアリングロック装置の機構的作用>
本実施形態に係る電動ステアリングロック装置100のアンロック駆動およびロック駆動について、図4に示す電気的構成を用いながら説明する。
【0031】
(ロック駆動:アンロック位置からロック位置への駆動)
1.エンジン作動状態(ステアリングロックはアンロック状態)で、ユーザーがエンジンスタートSWを操作すると、電動ステアリングロック装置100に制御信号を送信する上位ECU(electronic control unit)が、電動ステアリングロック装置100の制御部196に対してロック駆動要求信号を送信する。
2.制御部196は、上位ECUからのロック駆動要求信号を受信すると、電動モータ150をロック方向に駆動させる。
3.電動モータ150の出力軸の回転により、ウォームギア151および、ウォームギア151に噛み合うウォームホイール131が設けられたギア部材130が回転する。
4.ギア部材130が回転すると、ギア部材130の内部に設けられたネジ機構(変換機構)により、ロックユニット120が突出方向(図1図2図3の上方)に移動する。
5.ロックユニット120がロック位置まで移動すると、ロックセンサ161およびアンロックセンサ162によってロックユニット120のロック位置への移動が検出され、制御部196は、電動モータ150を停止して、上位ECUにロック完了信号を送信し、ロック駆動が終了する(図2参照)。
【0032】
(アンロック駆動:ロック位置からアンロック位置への駆動)
1.エンジン停止状態(ステアリングロックはロック状態)で、ユーザーがエンジンスタートSWを操作すると、上位ECUが、電動ステアリングロック装置100の制御部196に対してアンロック駆動要求信号を送信する。
2.制御部196は、上位ECUからのアンロック駆動要求信号を受信すると、電動モータ150をアンロック方向に駆動させる。
3.電動モータ150の出力軸の回転により、ウォームギア151および、ウォームギア151に噛み合うウォームホイール131が設けられたギア部材130が回転する。
4.ギア部材130が回転すると、ギア部材130の内部に設けられたネジ機構(変換機構)により、ロックユニット120が後退方向(図1図2図3の下方)に移動する。
5.ロックユニット120がアンロック位置まで移動すると、ロックセンサ161およびアンロックセンサ162によってロックユニット120のアンロック位置への移動が検出され、制御部196は、電動モータ150を停止して、上位ECUにアンロック完了信号を送信し、アンロック駆動が終了する(図3参照)。
【0033】
<電動ステアリングロック装置の電気的構成>
図4を用いて、本実施形態に係る電動ステアリングロック装置100の電気的構成について説明する。
【0034】
図4に示すように、電動ステアリングロック装置100は、ロックユニット120と、磁石125と、ロックセンサ161と、アンロックセンサ162と、ステアリングシャフト180と、電動モータ150と、アンロックリレー(第1のリレー)192と、ロックリレー(第2のリレー)193と、導通検出部194と、電源リレー(電力供給切替部)195と、リレー固着検出部199と、半導体スイッチQ1、Q2、Q3と、制御部196とを備えている。また、制御部196は、実行判定部197と、導通不良判定部198とを備えている。
【0035】
ロックユニット120は、電動モータ150の駆動力によってロック位置−アンロック位置間を移動し、ステアリングシャフト180をロック状態あるいはアンロック状態とする。磁石125は、ロックユニット120の磁石保持アーム124の先端部に圧入されて収納され、ロックセンサ161およびアンロックセンサ162が、磁石125との磁気的な作用によって、ロックユニット120の位置(ロック位置/アンロック位置)を検出する。なお、ロックセンサ161およびアンロックセンサ162は、例えば、ホール素子で構成されている。
【0036】
電動モータ150は、後述するアンロックリレー192あるいはロックリレー193のリレー動作に応じて、正回転、逆回転の回転力をロックユニット120に与え、ステアリングシャフト180をロック状態、アンロック状態に導く。アンロックリレー192は、電気信号を受けて機械的な動きに変えるコイルL1と、電気を開閉する接点部とから構成され、接点部は、第1の共通端子COM1、第1の常開端子NO1および第1の常閉端子NC1で構成されており、後述する制御部196からのアンロック駆動信号を受けて、ステアリングシャフト180がアンロック状態となるよう電動モータ150に電圧を供給する。また、ロックリレー193は、電気信号を受けて機械的な動きに変えるコイルL2と、電気を開閉する接点部とから構成され、接点部が、第2の共通端子COM2、第2の常開端子NO2および第2の常閉端子NC2で構成され、後述する制御部196からのロック駆動信号を受けて、ステアリングシャフト180がロック状態となるよう電動モータ150に電圧を供給する。
【0037】
導通検出部194は、一端が第2の共通端子COM2に接続され、他端が制御部196の端子に接続された抵抗R2と、抵抗R2の他端とグランドに接続された抵抗R1とから構成され、ロックリレー193内の導通状態をHighレベル信号とLowレベル信号によって制御部196に伝達する。
【0038】
電源リレー195は、電気信号を受けて機械的な動きに変えるコイルL3と、電気を開閉する接点部から構成され、接点部は、第3の共通端子COM3、第3の常開端子NO3および第3の常閉端子NC3で構成されており、後述する制御部196からの電力供給許可信号を受けて、電源をアンロックリレー192およびロックリレー193に供給する。
【0039】
リレー固着検出部199は、一端が電源リレー195の第3の常開端子NO3に接続され、他端がダイオードDを介して5V電源に接続された抵抗R3と、一端が第3の常開端子NO3に接続され、他端が制御部196の端子に接続された抵抗R4と、抵抗R4の他端とグランドに接続された抵抗R5とから構成され、アンロックリレー192またはロックリレー193の接点が常開端子NO1、NO2側に固着する固着故障であるか否かをHighレベル信号、Middleレベル信号とLowレベル信号によって制御部196に伝達する。具体的には、リレー固着検出部199の信号がMiddleレベル信号の場合、アンロックリレー192およびロックリレー193のいずれの常開端子NO1、NO2側においても固着はなく、アンロックリレー192およびロックリレー193の少なくともいずれか一方の常開端子NO1、NO2側で固着がある場合には、リレー固着検出部199からの出力信号がLowレベル信号となる。このとき、電源リレー195がオン状態になると、リレー固着の有無に関わらず、リレー固着検出部199からの出力信号はHighレベル信号となる。
【0040】
半導体スイッチQ1は、制御部196からの電力供給許可信号がHighレベルの信号であるときに、電源リレー195を構成するコイルL3に電源電圧(例えば、12V)を供給する切替スイッチである。半導体スイッチQ2は、制御部196からのアンロック駆動信号がHighレベルの信号であるときに、アンロックリレー192を構成するコイルL1に電源電圧を供給する切替スイッチである。また、半導体スイッチQ3は、制御部196からのロック駆動信号がHighレベルの信号であるときに、ロックリレー193のコイルL2に電源電圧を供給する切替スイッチである。
【0041】
制御部196は、図示しないROM等に格納された制御プログラムに従い、上位ECUからのロック駆動要求信号あるいはアンロック駆動要求信号を受けて電動ステアリングロック装置100の全体を電気的に制御する。また、制御部196が備える実行判定部197は、ロック駆動またはアンロック駆動時に、ロックセンサ161およびアンロックセンサ162の検出状態からロック駆動またはアンロック駆動が正常に実行されたか否かを判定する。さらに、制御部196が備える導通不良判定部198は、実行判定部197によりロック駆動またはアンロック駆動が正常に実行されなかったと判定されたときに、導通検出部194から出力された非導通状態を示す信号が検出された場合には、導通検出部194が接続されているロックリレー193に導通不良があると判定し、導通検出部194から出力された導通状態を示す信号が検出された場合には、導通検出部194が接続されていないアンロックリレー192に導通不良があると判定する。
【0042】
<電動ステアリングロック装置の電気的作用>
図5から図16のタイミングチャートおよび図17から図23のフローチャートを用いて、本実施形態に係る電動ステアリングロック装置100の電気的作用について説明する。
【0043】
〔導通不良箇所;なし、駆動モード;ロック駆動〕
図5を用いて、アンロックリレー192およびロックリレー193がともに導通状態である場合のロック駆動について説明する。まず、STEP1では、制御部196は、電力供給許可信号、ロック駆動信号およびアンロック駆動信号をOFF(Low)にしており、導通検出部194の出力信号はLowである。また、このときのセンサの検出状態はアンロック状態となっている。
【0044】
STEP2では、制御部196が電力供給許可信号をON(High)にする。
【0045】
STEP3では、制御部196がロック駆動信号を所定時間ONにすることにより、図6に示すような方向に電流が流れて電動モータ150がロック方向に回転する。つまり、図6に示すように、ロックリレー193の接点が第2の常閉端子NC2側から第2の常開端子NO2側に切り替わることにより、電源と電動モータ150が閉回路となって、電動モータ150にロックユニット120をロック方向に移動させる向きの駆動力が発生し、ロック駆動が実行される。このとき、導通検出部194の出力信号がHighとなっているため、ロックリレー193は導通状態であると判定できる。また、ロックユニット120がアンロック位置方向に移動してアンロック位置およびロック位置ではない中間位置にあるため、センサの検出状態は中間状態となっている。
【0046】
STEP4では、ロックユニット120がロック位置へ移動し、センサの検出状態がロック状態になると、制御部196はロック駆動信号をOFFにしてロック駆動を停止させる。このとき、ロックリレー193の接点が第2の常開端子NO2側から第2の常閉端子NC2側に切り替わるため、導通検出部194の出力信号はLowとなる。
【0047】
STEP5では、ロック駆動が正常に完了したため、制御部196は電力供給許可信号をOFFにして、ロック駆動を終了する。
【0048】
〔導通不良箇所;ロックリレー193の第2の常開端子NO2−第2の共通端子COM2間、駆動モード;ロック駆動〕
図7を用いて、ロックリレー193の第2の常開端子NO2−第2の共通端子COM2間に導通不良箇所がある場合のロック駆動について説明する。まず、STEP1では、制御部196は、電力供給許可信号、ロック駆動信号およびアンロック駆動信号をOFFにしており、導通検出部194の出力信号はLowである。また、このときのセンサの検出状態はアンロック状態となっている。
【0049】
STEP2では、制御部196が電力供給許可信号をONにする。
【0050】
STEP3では、制御部196がロック駆動信号を所定時間ONにするが、センサの検出状態はアンロック状態のまま変わらない。このとき、ロック駆動信号がONにも関わらず、導通検出部194の出力信号がLowであるため、ロックリレー193が導通不良状態と判定する。
【0051】
STEP4では、センサの検出状態がアンロック状態のままであるため、ロック駆動が正常に行われなかったと判定し、制御部196がロック駆動信号をOFFにしてロック駆動を停止させる。このとき、ロック駆動が正常に行われなかったと判定するとともに、STEP3からロックリレー193が導通不良状態であると判定する。つまり、図8に示すように、ロックリレー193の第2の常開端子NO2の接点に異物が堆積し、第2の常開端子NO2の接点と第2の共通端子COM2の接点とが閉じることができない導通不良状態であるために、電動モータ150に電流を供給することができず、ロック駆動が実行できない状態と判定する。
【0052】
STEP5では、ロック駆動が正常に完了しなかったため、制御部196は電力供給許可信号をOFFにして、ロック駆動を一旦終了する。
【0053】
STEP6では、STEP3のロックリレー193の導通不良状態判定と、STEP4のロック駆動異常終了判定とから、ロックリレー193の第2の常開端子NO2の接点と第2の共通端子COM2の接点との間に異物があると判定し、異物を取り除くリレー切替制御をSTEP7、STEP8で行なう。
【0054】
STEP6で述べた「異物を取り除くリレー切替制御」を行なうため、STEP7では、まず制御部196が電力供給許可信号をONにする。そして、STEP8において、制御部196がロック駆動信号のOFFからONへの切り替えを数回行なう。つまり、STEP8では、電源からアンロックリレー192およびロックリレー193に電力が供給された状態で、且つ、アンロック駆動信号がOFFである状態において、ロック駆動信号をONとする。このとき、第2の常開端子NO2の接点と第2の共通端子COM2の接点との間の電位差が大きいため、アークが発生して異物が除去される。図7では、異物除去を確実にするために、この動作を複数回行なっている。また、STEP8に示すように、リレー切替制御により異物が除去されると、第2の常開端子NO2の接点と第2の共通端子COM2の接点とが閉じるため、導通検出部194の出力信号がHighになる。さらに、STEP10以降で、図5に示すようなロック駆動を再度行なう。
【0055】
〔導通不良箇所;アンロックリレー192の第1の常閉端子NC1−第1の共通端子COM1間、駆動モード;ロック駆動〕
図9を用いて、アンロックリレー192の第1の常閉端子NC1−第1の共通端子COM1間に導通不良箇所がある場合のロック駆動について説明する。STEP1では、制御部196は、電力供給許可信号、ロック駆動信号およびアンロック駆動信号をOFFにしており、導通検出部194の出力信号はLowとなっている。また、このときのセンサの検出状態はアンロック状態となっている。
【0056】
STEP2では、制御部196が電力供給許可信号をONにする。
【0057】
STEP3では、制御部196がロック駆動信号を所定時間ONにするが、センサの検出状態はアンロック状態のまま変わらない。このとき、導通検出部194の出力信号がHighとなるため、ロックリレー193は導通状態であると判定する。
【0058】
STEP4では、センサ状態がアンロック状態のままであるため、ロック駆動が正常に行なわれなかったと判定し、制御部196がロック駆動信号をOFFにしてロック駆動を停止させる。このとき、ロック駆動が正常に行われなかったと判定するとともに、STEP3からアンロックリレー192が導通不良状態であると判定する。つまり、図10に示すように、アンロックリレー192の第1の常閉端子NC1の接点に異物が堆積し、第1の常閉端子NC1の接点と第1の共通端子COM1の接点とが閉じることができない導通不良状態であるために、電動モータ150に電流を供給することができず、ロック駆動が実行できない状態と判定する。
【0059】
STEP5では、ロック駆動が正常に完了しなかったため、制御部196は電力供給許可信号をOFFにして、ロック駆動を一旦終了する。
【0060】
STEP6では、STEP3のロックリレー193の導通状態判定と、STEP4のロック駆動異常終了判定とから、アンロックリレー192の第1の常閉端子NC1の接点と第1の共通端子COM1の接点との間に異物があると判定し、異物を取り除くリレー切替制御をSTEP7、STEP8で行なう。
【0061】
STEP6で述べた「異物を取り除くリレー切替制御」を行なうため、STEP7では、まず制御部196が電力供給許可信号をONにする。そして、STEP8において、制御部196がロック駆動信号をONにした状態で、アンロック駆動信号のONからOFFへの切り替えを数回行なう。つまり、STEP8では、電源からアンロックリレー192およびロックリレー193に電力が供給された状態で、且つ、ロック駆動信号およびアンロック駆動信号がONである状態から、アンロック駆動信号をOFFとする。このとき、第1の常閉端子NC1の接点と第1の共通端子COM1の接点との間の電位差が大きいため、アークが発生して異物が除去される。図9では、異物除去を確実にするために、この動作を複数回行なっている。また、STEP8に示すように、リレー切替制御により異物が除去されると、第1の常閉端子NC1の接点と第1の共通端子COM1の接点とが閉じるため、導通検出部194の出力信号がHighになる。さらに、STEP10以降で、図5に示すようなロック駆動を再度行なう。
【0062】
〔導通不良箇所;なし、駆動モード;アンロック駆動〕
図11を用いて、アンロックリレー192およびロックリレー193がともに導通状態である場合のアンロック駆動について説明する。まず、STEP1では、制御部196は、電力供給許可信号、ロック駆動信号およびアンロック駆動信号をOFFにしており、導通検出部194の出力信号はLowとなっている。また、このときのセンサの検出状態はロック状態となっている。
【0063】
STEP2では、制御部196が電力供給許可信号をONにする。
【0064】
STEP3では、制御部196がアンロック駆動信号を所定時間ONにすることにより、図12に示すような方向に電流が流れて電動モータ150がアンロック方向に回転する。つまり、図12に示すように、アンロックリレー192の接点が第1の常閉端子NC1側から第1の常開端子NO1に切り替わることにより、電源と電動モータ150とが閉回路となって、電動モータ150にロックユニット120をアンロック方向に移動させる向きの駆動力が発生し、アンロック駆動が実行される。このとき、導通検出部194の出力信号がLowのままとなっているため、ロックリレー193は導通状態であると判定する。また、ロックユニット120がアンロック位置方向に移動してアンロック位置およびロック位置ではない中間位置にあるため、センサの検出状態は中間状態となっている。
【0065】
STEP4では、ロックユニット120がアンロック位置へ移動し、センサの検出状態がアンロック状態になると、制御部196はアンロック駆動信号をOFFにしてアンロック駆動を停止させる。このとき、アンロックリレー192の接点が第1の常開端子NO1側から第1の常閉端子NC1側に切り替わる。また、センサの検出状態がアンロック状態になったことから、アンロック駆動が正常に行なわれたと判定するとともに、アンロックリレー192も導通状態であると判定する。
【0066】
STEP5では、アンロック駆動が正常に完了したため、制御部196は電力供給許可信号をOFFにして、アンロック駆動を終了する。
【0067】
〔導通不良箇所;アンロックリレー192の第1の常開端子NO1−第1の共通端子COM1間、駆動モード;アンロック駆動〕
図13を用いて、アンロックリレー192の第1の常開端子NO1−第1の共通端子COM1間に導通不良箇所がある場合のアンロック駆動について説明する。まず、STEP1では、制御部196は、電力供給許可信号、ロック駆動信号およびアンロック駆動信号をOFFにしており、導通検出部194の出力信号はLowとなっている。また、このときのセンサの検出状態はロック状態となっている。
【0068】
STEP2では、制御部196が電力供給許可信号をONにする。
【0069】
STEP3では、制御部196が、アンロック駆動信号を所定時間ONにするが、センサの検出状態はロック状態のまま変わらない。このとき、導通検出部194の出力信号がLowであるため、ロックリレー193は導通状態であると判定する。
【0070】
STEP4では、センサの検出状態がロック状態のままであるため、アンロック駆動が正常に行われなかったと判定し、制御部196がアンロック駆動信号をOFFにしてアンロック駆動を停止させる。このとき、アンロック駆動が正常に行なわれなかったと判定するとともに、STEP3からアンロックリレー192が導通不良状態と判定する。つまり、図14に示すように、アンロックリレー192の第1の常開端子NO1の接点に異物が堆積し、第1の常開端子NO1の接点と第1の共通端子COM1の接点とが閉じることができない導通不良状態であるために、電動モータ150に電流を供給することができず、アンロック駆動が実行できない状態と判定する。
【0071】
STEP5では、アンロック駆動が正常に完了しなかったため、制御部196は電力供給許可信号をOFFにして、アンロック駆動を一旦終了する。
【0072】
STEP6では、STEP3のロックリレー193の導通状態判定と、STEP4のアンロック駆動異常終了判定とから、アンロックリレー192の第1の常開端子NO1の接点と第1の共通端子COM1の接点との間に異物があると判定し、異物を取り除くリレー切替制御をSTEP7、STEP8で行なう。
【0073】
STEP6で述べた「異物を取り除くリレー切替制御」を行なうため、STEP7では、まず制御部196がSTEP6の状態から電力供給許可信号をONとする。そして、STEP8において、制御部196がアンロック駆動信号のOFFからONへの切り替えを数回行なう。つまり、STEP8では、電源からアンロックリレー192およびロックリレー193に電力が供給された状態で、且つ、ロック駆動信号がOFFである状態において、アンロック駆動信号をONとする。このとき、第1の常開端子の接点NO1と第1の共通端子COM1の接点との間の電位差が大きいため、アークが発生して異物が除去される。図14では、異物除去を確実にするために、この動作を複数回行なっている。また、STEP10以降で、図11に示すようなアンロック駆動を再度行なう。
【0074】
〔導通不良箇所;ロックリレー193の第2の常閉端子NC2−第2の共通端子COM2間、駆動モード;アンロック駆動〕
図15を用いて、ロックリレー193の第2の常閉端子NC2−第2の共通端子COM2間に導通不良箇所がある場合のアンロック駆動について説明する。まず、STEP1では、制御部196は、電力供給許可信号、ロック駆動信号およびアンロック駆動信号をOFFにしており、導通検出部194の出力信号はLowとなっている。また、このときのセンサの検出状態はロック状態となっている。
【0075】
STEP2では、制御部196が電力供給許可信号をONにする。
【0076】
STEP3では、制御部196が、アンロック駆動信号を所定時間ONにするが、センサの検出状態はロック状態のまま変わらない。このとき、アンロック駆動信号がON、且つ、ロック駆動信号がOFFであるにも関わらず、導通検出部194の出力信号がHighであるため、ロックリレー193が導通不良であると判定する。
【0077】
STEP4では、センサの検出状態がロック状態のままであるため、アンロック駆動が正常に行われなかったと判定し、制御部196がアンロック駆動信号をOFFにしてアンロック駆動を停止させる。この場合、センサ状態がロック状態のままであるため、アンロック駆動が正常に行なわれていないと判定するとともに、STEP3からロックリレー193が導通不良状態であると判定する。つまり、図16に示すように、ロックリレー193の第2の常閉端子NC2の接点に異物が堆積し、第2の常閉端子NC2の接点と第2の共通端子COM2の接点とが閉じることができない導通不良状態であるために、電動モータ150に電流を供給することができず、アンロック駆動が実行できない状態と判定する。
【0078】
STEP5では、アンロック駆動が正常に完了しなかったため、制御部196は電力供給許可信号をOFFにして、アンロック駆動を一旦終了する。
【0079】
STEP6では、STEP3のロックリレー193の導通不良状態判定と、STEP4のアンロック駆動異常終了判定とから、ロックリレー193の第2の常閉端子NC2の接点と第2の共通端子COM2の接点との間に異物があると判定し、異物を取り除くリレー切替制御をSTEP7、STEP8で行なう。
【0080】
STEP6で述べた「異物を取り除くリレー切替制御」を行なうため、STEP7では、まず制御部196がSTEP6の状態から電力供給許可信号をONとする。そして、STEP8において、制御部196がアンロック駆動信号をONにした状態で、ロック駆動信号のONからOFFへの切り替えを数回行なう。つまり、STEP8では、電源からアンロックリレー192およびロックリレー193に電力が供給された状態で、且つ、ロック駆動信号およびアンロック駆動信号がONである状態から、ロック駆動信号をOFFとする。このとき、第2の常閉端子NC2の接点と第2の共通端子COM2の接点との間の電位差が大きいため、アークが発生して異物が除去される。図15では、異物除去を確実にするために、この動作を複数回行なっている。また、STEP8に示すように、リレー切替制御により異物が除去されると、ロックリレー193の第2の常閉端子NC2の接点と第2の共通端子COM2の接点とが閉じるため、導通検出部194の出力信号がLowになる。さらに、STEP10以降で、図11に示すようなアンロック駆動を再度行なう。
【0081】
<電動ステアリングロック装置全体の制御>
図17を用いて、本実施形態に係る電動ステアリングロック装置全体の制御について説明する。
【0082】
まず、制御部196は、上位ECUからロック駆動要求信号を受信しているか否かを判定する(ステップS101)。制御部196が上位ECUからロック駆動要求信号を受信している場合(ステップS101の「Yes」)には、ロック駆動に移行する(ステップS102)。なお、ロック駆動の詳細については後述する。
【0083】
一方で、制御部196が上位ECUからロック駆動要求信号を受信していない場合(ステップS101の「No」)には、上位ECUからアンロック駆動要求信号を受信しているか否かを判定する(ステップS103)。制御部196が上位ECUからアンロック駆動要求信号を受信している場合(ステップS103の「Yes」)には、アンロック駆動に移行する(ステップS104)。なお、アンロック駆動の詳細については後述する。また、制御部196が上位ECUからアンロック駆動要求信号を受信していない場合(ステップS103の「No」)には、終了する。
【0084】
制御部196は、ロック駆動あるいはアンロック駆動に移行した後、ロックリレー切替制御フラグまたはアンロックリレー切替制御フラグがあるか否かを判定する(ステップS105)。そして、制御部196がロックリレー切替制御フラグまたはアンロックリレー切替制御フラグがあると判定した場合(ステップS105の「Yes」)には、リレー切替制御に移行する(ステップS106)。一方で、制御部196がロックリレー切替制御フラグまたはアンロックリレー切替制御フラグがないと判定した場合(ステップS105の「No」)には、終了する。なお、リレー切替制御の詳細については後述する。
【0085】
リレー切替制御に移行した後、制御部196は、上位ECUからの駆動要求信号がロック駆動であるか否かを判定する(ステップS107)。そして、制御部196が上位ECUからの駆動要求信号がロック駆動であると判定した場合(ステップS107の「Yes」)には、ロック駆動に移行する(ステップS108)。一方で、制御部196が上位ECUからの駆動要求信号がロック駆動ではないと判定した場合(ステップS107の「No」)には、アンロック駆動に移行する(ステップS109)。
【0086】
なお、上記では、ロック駆動またはアンロック駆動時にリレー切替制御フラグが立った場合には、そのままリレー切替制御を行って、ロック駆動またはアンロック駆動を再度行なう例について説明したが、これに限らず、リレー切替制御フラグが立った場合には、一旦、駆動を終了し、次回、上位ECUから駆動要求信号があったときに、まずリレー切替制御を行なって、ロック駆動またはアンロック駆動を行なうようにしてもよい。
【0087】
<ロック駆動>
図18、19を用いて、ロック駆動について説明する。
【0088】
制御部196は、電力供給許可信号をONとし(ステップS201)、次いで、ロック駆動信号をONとする(ステップS202)。そして、制御部196は、導通検出部194の出力信号が導通状態を示す信号であるか否かを判定する(ステップS203)。なお、制御部196は、電力供給許可信号をONとする前に、リレー固着検出部199によるリレー固着検出を行なうが、その詳細については、省略する。
【0089】
制御部196は、導通検出部194の出力信号が導通状態を示す信号であると判定した場合(ステップS203の「Yes」)には、ロックリレー異常フラグを解除する(ステップS204)。また、制御部196は、導通検出部194の出力信号が導通状態を示す信号ではない(非導通状態を示す信号である)と判定した場合(ステップS203の「No」)には、ロックリレー異常フラグをセットする(ステップS205)。
【0090】
次に、制御部196は、ロック駆動信号がONしてから所定時間が経過したかを判定し(ステップS206)、まだ、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS206の「No」)には、次いで、ロックセンサ161およびアンロックセンサ162の検出状態が、ロック状態になったか否かを判定する(ステップS207)。このとき、制御部196が、ロック状態になっていないと判定したときには(ステップS207の「No」)、ステップS203に戻る。
【0091】
一方で、制御部196が、ロック状態になっていると判定したときには(ステップS207の「Yes」)、ロック駆動が正常に終了したと判定し(ステップS208)、アンロックリレー切替制御フラグを解除し(ステップS209)、次いで、ロックリレー切替制御フラグを解除する(ステップS210)。
【0092】
そして、制御部196は、ロック駆動信号をOFFするとともに(ステップS211)、電力供給許可信号をOFFして(ステップS212)、メインルーティンに戻る。
【0093】
制御部196が、ロック駆動信号がONしてから所定時間が経過したと判定した場合(ステップS206の「Yes」)には、ロック駆動が異常終了したと判定し(ステップS213)、次いで、ロックリレー異常フラグの有無を判定する(ステップS214)。そして、制御部196は、ロックリレー異常フラグがある場合(ステップS214の「Yes」)には、ロックリレー切替制御フラグをセットするとともに(ステップS215)、ロック駆動信号をOFFし(ステップS211)、電力供給許可信号をOFFして(ステップS212)、メインルーティンに戻る。
【0094】
一方で、制御部196は、ロックリレー異常フラグがない場合(ステップS214の「No」)には、アンロックリレー切替制御フラグをセットするとともに(ステップS216)、ロック駆動信号をOFFし(ステップS211)、電力供給許可信号をOFFして(ステップS212)、メインルーティンに戻る。
【0095】
<アンロック駆動>
図20、21を用いて、アンロック駆動について説明する。
【0096】
制御部196は、電力供給許可信号をONとし(ステップS301)、次いで、アンロック駆動信号をONとする(ステップS302)。そして、制御部196は、導通検出部194の出力信号が導通状態を示す信号であるか否かを判定する(ステップS303)。なお、制御部196は、電力供給許可信号をONとする前に、リレー固着検出部199によるリレー固着検出を行なうが、その詳細については、省略する。
【0097】
制御部196は、導通検出部194の出力信号が導通状態を示す信号であると判定した場合(ステップS303の「Yes」)には、ロックリレー異常フラグを解除する(ステップS304)。また、制御部196は、導通検出部194の出力信号が導通状態を示す信号ではない(非導通状態を示す信号である)と判定した場合(ステップS303の「No」)には、ロックリレー異常フラグをセットする(ステップS305)。
【0098】
次に、制御部196は、アンロック駆動信号がONしてから所定時間が経過したかを判定し(ステップS306)、まだ、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS306の「No」)には、次いで、ロックセンサ161およびアンロックセンサ162の検出状態が、アンロック状態になったか否かを判定する(ステップS307)。このとき、制御部196が、アンロック状態になっていないと判定したときには(ステップS307の「No」)、ステップS303に戻る。
【0099】
一方で、制御部196が、アンロック状態になっていると判定したときには(ステップS307の「Yes」)、アンロック駆動が正常に終了したと判定し(ステップS308)、アンロックリレー切替制御フラグを解除し(ステップS309)、次いで、ロックリレー切替制御フラグを解除する(ステップS310)。
【0100】
そして、制御部196は、アンロック駆動信号をOFFするとともに(ステップS311)、電力供給許可信号をOFFして(ステップS312)、メインルーティンに戻る。
【0101】
制御部196が、アンロック駆動信号がONしてから所定時間が経過したと判定した場合(ステップS306の「Yes」)には、アンロック駆動が異常終了したと判定し(ステップS313)、次いで、ロックリレー異常フラグの有無を判定する(ステップS314)。そして、制御部196は、ロックリレー異常フラグがある場合(ステップS314の「Yes」)には、ロックリレー切替制御フラグをセットするとともに(ステップS315)、アンロック駆動信号をOFFし(ステップS311)、電力供給許可信号をOFFして(ステップS312)、メインルーティンに戻る。
【0102】
一方で、制御部196は、ロックリレー異常フラグがない場合(ステップS314の「No」)には、アンロックリレー切替制御フラグをセットするとともに(ステップS316)、アンロック駆動信号をOFFし(ステップS311)、電力供給許可信号をOFFして(ステップS312)、メインルーティンに戻る。
【0103】
<リレー切替制御>
図22、23を用いて、リレー切替制御について説明する。
【0104】
制御部196は、ロックリレー切替制御フラグの有無を判定する(ステップS401)。制御部196は、ロックリレー切替制御フラグがある場合(ステップS401の「Yes」)には、電力供給許可信号をONとし(ステップS402)とし、次いで、上位ECUからの駆動要求信号がロック駆動であるか否かを判定する(ステップS403)。
【0105】
制御部196が、上位ECUからの駆動要求信号がロック駆動であると判定した場合(ステップS403の「Yes」)には、図7のSTEP8に示すように、「ロック駆動信号ON」、「ロック駆動信号OFF」の制御を所定回数実行し(ステップS404)、図7のSTEP10に示すように、電力供給許可信号をOFFにして(ステップS405)、メインルーティンに戻る。
【0106】
一方で、制御部196が、上位ECUからの駆動要求信号がロック駆動ではないと判定した場合(ステップS403の「No」)には、図15のSTEP8に示すように、アンロック駆動信号をONとし(ステップS406)、「ロック駆動信号ON」、「ロック駆動信号OFF」の制御を所定回数実行した後(ステップS407)、図7のSTEP15に示すように、アンロック駆動信号をOFFとするとともに(ステップS408)、電力供給許可信号をOFFにして(ステップS405)、メインルーティンに戻る。
【0107】
また、ステップS401において、制御部196が、ロックリレー切替制御フラグがないと判定した場合(ステップS401の「No」)には、アンロックリレー切替制御フラグの有無を判定する(ステップS409)。そして、制御部196が、アンロックリレー切替制御フラグがないと判定した場合には(ステップS409の「No」)、メインルーティンに戻る。
【0108】
一方、制御部196が、アンロックリレー切替制御フラグがあると判定した場合には(ステップS409の「Yes」)、電力供給許可信号をONとし(ステップS410)、次に、上位ECUからの駆動要求信号がアンロック駆動であるか否かを判定する(ステップS411)。
【0109】
ステップS411において、制御部196が、上位ECUからの駆動要求信号がアンロック駆動であると判定した場合には(ステップS411の「Yes」)、図13のSTEP8に示すように、「アンロック駆動信号ON」、「アンロック駆動信号OFF」の制御を所定回数実行し(ステップS412)、図13のSTEP10に示すように、電力供給許可信号をOFFにして(ステップS413)、メインルーティンに戻る。
【0110】
一方で、制御部196が、上位ECUからの駆動要求信号がアンロック駆動ではないと判定した場合(ステップS411の「No」)には、図9のSTEP8に示すように、ロック駆動信号をONとし(ステップS414)、「アンロック駆動信号ON」、「アンロック駆動信号OFF」の制御を所定回数実行した後(ステップS415)、図9のSTEP10に示すように、ロック駆動信号をOFFとするとともに(ステップS416)、電力供給許可信号をOFFにして(ステップS413)、メインルーティンに戻る。
【0111】
<変形例>
上述した本実施形態では、ロックリレー193の第2の共通端子COM2を導通検出部194がモニターして、アンロックリレー192あるいはロックリレー193の端子接点における導通状態を検出したが、図24に示すように、アンロックリレー192の第1の共通端子COM1を導通検出部194がモニターして、アンロックリレー192あるいはロックリレー193の端子接点における導通状態を検出してもよい。
【0112】
<本実施形態の作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態によれば、実行判定部197が、ロック駆動またはアンロック駆動時に、位置検出部の検出状態からロック駆動またはアンロック駆動が正常に実行されたか否かを判定し、導通検出部194が、第1のリレーあるいは第2のリレーのいずれか一方のリレーに接続され、一方のリレーの導通状態を検出して、導通不良判定部198が、実行判定部197によりロック駆動またはアンロック駆動が正常に実行されなかったと判定されたときに、導通検出部194から出力された非導通状態を示す信号が検出された場合には、導通検出部194が接続されている一方のリレーに導通不良があると判定し、導通検出部194から出力された導通状態を示す信号が検出された場合には、導通検出部194が接続されていない他方のリレーに導通不良があると判定することにより、リレー作動音を不必要に発生させることなく、シンプル且つ安価な構成で導通不良であるリレーを特定することができる。
【0113】
また、本実施形態によれば、第1のリレーが、電動モータ150の一端に接続されている第1の共通端子COM1と、電源に接続され、電動モータ150のアンロック駆動時に第1の共通端子COM1と接続される第1の常開端子NO1と、グランドに接続された第1の常閉端子NC1と、を備え、第2のリレーが、電動モータ150の他端に接続されている第2の共通端子COM2と、電源に接続され、電動モータ150のロック駆動時に第2の共通端子COM2と接続される第2の常開端子NO2と、グランドに接続された第2の常閉端子NC2と、を備え、導通検出部194が、第2の共通端子COM2に接続されている。そして、ロック駆動時に、実行判定部197により、ロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、導通不良判定部198は、導通検出部194により非導通状態を示す信号が検出された場合に、第2の常開端子NO2の接点に異常があると判定し、導通検出部194により導通状態を示す信号が検出された場合に、第1の常閉端子NC1の接点に異常があると判定する。一方、アンロック駆動時に、実行判定部197により、アンロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、導通不良判定部198は、導通検出部194により非導通状態を示す信号が検出された場合に、第2の常閉端子NC2の接点に異常があると判定し、導通検出部194により導通状態を示す信号が検出された場合に、第1の常開端子NO1の接点に異常があると判定する。そのため、ロック駆動またはアンロック駆動のどちらかを実行したかに応じて、どちらのリレーが導通不良であるかを判定するとともに、そのリレーのどの接点に異物があるかを判定することができる。
【0114】
また、本実施形態によれば、第1のリレーが、電動モータ150の一端に接続されている第1の共通端子COM1と、電源に接続され、電動モータ150のアンロック駆動時に第1の共通端子COM1と接続される第1の常開端子NO1と、グランドに接続された第1の常閉端子NC1と、を備え、第2のリレーが、電動モータ150の他端に接続されている第2の共通端子COM2と、電源に接続され、電動モータ150のロック駆動時に第2の共通端子COM2と接続される第2の常開端子NO2と、グランドに接続された第2の常閉端子NC2と、を備え、導通検出部194が、第1の共通端子COM1に接続されている。そして、ロック駆動時に、実行判定部197により、ロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、導通不良判定部198は、導通検出部194により非導通状態を示す信号が検出された場合に、第1の常閉端子NC1の接点に異常があると判定し、導通検出部194により導通状態を示す信号が検出された場合に、第2の常開端子NO2の接点に異常があると判定する。一方、アンロック駆動時に、実行判定部197により、アンロック駆動が正常に実行されなかったと判定したときに、導通不良判定部198は、導通検出部194により非導通状態を示す信号が検出された場合に、第1の常開端子NO1の接点に異常があると判定し、導通検出部194により導通状態を示す信号が検出された場合に、第2の常閉端子NC2の接点に異常があると判定する。そのため、ロック駆動またはアンロック駆動のどちらかを実行したかに応じて、どちらのリレーが導通不良であるかを判定するとともに、そのリレーのどの接点に異物があるかを判定することができる。
【0115】
また、本実施形態によれば、制御部196は、導通不良判定部198により導通不良があると判定された第1のリレーあるいは第2のリレーの接点を少なくとも1回切り替える制御を行なう。そのため、接点に堆積する異物を簡便な方法で除去して導通不良状態を解消することができる。
【0116】
また、本実施形態によれば、電源から第1のリレーあるいは第2のリレーへの電力供給を切り替える電力供給切替部195を備え、制御部196は、電力供給切替部195が電源から第1のリレーあるいは第2のリレーに電力が供給されるように切り替えた状態で、導通不良判定部198により導通不良があると判定された第1のリレーあるいは第2のリレーの接点にアークが発生するように、少なくとも第1のリレーあるいは第2のリレーの接点を切り替える制御を行なう。そのため、接点に堆積する異物を簡便な方法で除去して導通不良状態を解消することができる。
【0117】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0118】
100;電動ステアリングロック装置
120;ロックユニット(ロック部材)
125;磁石
150;電動モータ
161;ロックセンサ(位置検出部)
162;アンロックセンサ(位置検出部)
180;ステアリングシャフト
192;アンロックリレー(第1のリレー)
193;ロックリレー(第2のリレー)
194;導通検出部
195;電源リレー(電力供給切替部)
196;制御部
197;実行判定部
198;導通不良判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24