【実施例】
【0218】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0219】
(実施例1)
〔HeveaラテックスからのTotal RNA抽出〕
パラゴムノキのラテックスからホットフェノール法により、Total RNAを抽出した。ラテックス6mLに100mM酢酸ナトリウム緩衝液6mL、10%SDS溶液1mLを添加し、さらに65℃で予温しておいた水飽和フェノールを12mL添加した。65℃で5分間インキュベートしたのち、ボルテックスで撹拌し、室温、7000rpmで10分間遠心分離を行った。遠心後、上清を新しいチューブに移し、フェノール:クロロホルム(1:1)溶液12mLを添加し、2分間振盪撹拌した。撹拌後、再度、室温、7000rpmで10分間遠心分離を行った後、上清を新しいチューブに移し、クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)溶液12mLを添加し、2分間振盪撹拌した。撹拌後、再度、室温、7000rpmで10分間遠心分離を行った後、上清を新しいチューブに移し、3M酢酸ナトリウム溶液1.2mLとイソプロパノール13mLを添加し、ボルテックスで撹拌した。Total RNAを沈殿させるために、−20℃で30分間インキュベートした。インキュベート後、4℃、15000rpmで10分間遠心し、上清を取除くことでTotal RNAの沈殿を回収した。回収したTotal RNAは70%エタノールで2度洗浄したのち、RNase freeの水で溶解させた。
【0220】
〔Total RNAからcDNAの合成〕
回収したTotal RNAをもとに、cDNAを合成した。cDNAの合成はPrimeScript II 1st strand cDNA Synthesis Kit(Takara)の説明書に従って行った。
【0221】
〔cDNAからCPT、及びNgBR遺伝子の取得〕
作製した1st strand cDNAを鋳型にCPT、及びNgBR遺伝子の取得を行った。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO社製)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、58℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、35サイクル行った。
CPT遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー1:5’− tttggatccgatggaattatacaacggtgagagg−3’
プライマー2:5’− tttgcggccgcttattttaagtattccttatgtttctcc−3’
を使用した。
NgBR遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー3:5’− tttctcgagatggatttgaaacctggagctg −3’
プライマー4:5’− tttctcgagtcatgtaccataattttgctgcac −3’
を使用した。
【0222】
上述の方法により、CPT遺伝子(HRT1)、及びNgBR遺伝子(HRTBP)が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。HRT1の塩基配列を配列番号1に示した。HRT1のアミノ酸配列を配列番号2に示した。また、HRTBPの塩基配列を配列番号3に示した。HRTBPのアミノ酸配列を配列番号4に示した。
【0223】
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片にdA付加を行った後、pGEM−T Easy Vector System(Promega)を利用してpGEM−T Easy Vectorに挿入し、pGEM−HRT1、及びpGEM−HRTBPを作製した。
【0224】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて大腸菌DH5αの形質転換を行い、形質転換体はアンピシリンとX−galを含むLB寒天培地上で培養し、青/白スクリーニング法によって目的遺伝子を導入した大腸菌の選別を行った。
【0225】
〔プラスミドの抽出〕
目的遺伝子を含むプラスミドで形質転換された大腸菌は、LB液体培地上で37℃で一晩培養したのち、菌体を回収し、プラスミドの回収を行った。プラスミドの回収はFast Geneプラスミドミニキット(日本ジェネティクス社製)を使用した。
回収したプラスミドに挿入された遺伝子の塩基配列に変異がないことをシークエンス解析により確認した。
【0226】
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpGEM−HRT1を制限酵素Bam HIとNot Iで処理したのち、同様にBam HIとNot Iで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−His−TEV−MCS―N2に挿入し、pEU−His−N2−HRT1を作製した。
同様に、pGEM−HRTBPを制限酵素Xho Iで処理したのち、同様にXho Iで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−MCS−TEV−His−C1に挿入し、pEU−C1−HRTBPを作製した。
【0227】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて大腸菌DH5αの形質転換を行い、形質転換体はアンピシリンとX−galを含むLB寒天培地上で培養し、コロニーPCRによって目的遺伝子を導入した大腸菌の選別を行った。
【0228】
〔プラスミドの抽出〕
目的遺伝子を含むプラスミドで形質転換された大腸菌は、LB液体培地上で37℃で一晩培養したのち、菌体を回収し、プラスミドの回収を行った。プラスミドの回収はFast Geneプラスミドミニキット(日本ジェネティクス社製)を使用した。
【0229】
〔ゴム粒子の調製〕
ゴム粒子は、5段階の遠心分離によってHeveaラテックスから調製した。Heveaラテックス900mLに、20mMのジチオスレイトール(DTT)を含む1M Tris緩衝液(pH7.5)100mLを添加し、ラテックス溶液を調製した。得られたラテックス溶液を、1000×g、2000×g、8000×g、20000×g、50000×gの異なる遠心速度で段階的に遠心分離した。遠心分離はいずれも4℃、45分で行った。50000×gでの遠心分離で残ったゴム粒子層に、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−プロパンスルホン酸(CHAPS)を終濃度0.1〜2.0×CMC(臨界ミセル濃度CMCの0.1〜2.0倍)になるように加え、ゴム粒子を洗浄した。洗浄処理後、洗浄されたゴム粒子を超遠心分離(40000×g、4℃、45分)によって回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0230】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0231】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0232】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
透析カップ(MWCO 12000)(Bio−Teck社製)中に、以下の量をそれぞれ添加した。WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って全量60μLで反応溶液を調整した。反応溶液にゴム粒子を1〜2mg添加した。さらに、PP容器No.2(マルエム容器)にSUB−AMIX 650μLを添加した。
透析カップをPP容器No.2にはめ、26℃で蛋白合成反応を開始した。反応開始から2度のmRNAの追加と透析外液(SUB−AMIX)の交換を行った。反応は24時間行った。透析法を行っている様子の概略図を
図3に示す。
【0233】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
透析カップの溶液を新しい1.5μLチューブに移し、反応後のゴム粒子を超遠心分離(40000×g、4℃、45分)によって回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0234】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を以下の方法により測定した。
まず、50mM Tris−HCl(pH7.5)、2mM DTT、5mM MgCl
2、15μM ファルネシル二リン酸(FPP)、100μM 1−14Cイソペンテニル二リン酸([1−14C]IPP)(比活性:5Ci/mol)、10μL ゴム粒子溶液を混合した反応溶液(Total 100μL)を調製し、30℃で16時間反応させた。
反応後、飽和NaClを200μL加え、1mLのジエチルエーテルでイソペンテノールなどを抽出した。次に、水相のポリプレニル二リン酸を1mLの食塩水飽和BuOHで抽出し、その後さらに、水相の超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)を1mLのトルエン/ヘキサン(1:1)で抽出し、放射活性を計測した。各層の放射活性は液体シンチレーションカウンターで14Cのカウントを計測した。放射活性(dpm)が高いほど、天然ゴムが多く生産されており、ゴム合成活性が高いことを示す。
結果を表1に示す。
【0235】
〔合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布測定〕
上記合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布を下記の条件でRadio HPLCにより測定した。結果を
図4の(a)に示す。
HPLCシステム:GILSON社製
カラム:TOSOH社製のTSKguardcolumn MP(XL),TSKgel Multipore HXL−M(2本)
カラム温度:40℃
溶媒:Merck社製のTHF
流速:1ml/分
UV検出:215nm
RI検出:Ramona Star(Raytest GmbH)
【0236】
(比較例1)
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0237】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。無細胞発現用ベクターpEU−E01−His−TEV−MCS−N2を鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0238】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0239】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0240】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0241】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
結果を表1に示す。
【0242】
(比較例2)
無細胞蛋白合成において、実施例1の〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したpEU−C1−HRTBPを鋳型に用いた以外は実施例1と同様にして行い、回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
結果を表1に示す。
【0243】
(実施例2)
〔レタス(Lactuca sativa)CPT、及びNgBR遺伝子の合成〕
レタス(Lactuca sativa)CPT遺伝子(LsCPT3)、及びNgBR遺伝子(LsCPTL2)はBLASTに公開されている情報をもとに、開始コドンから終始コドンまでの領域をジェンスクリプトジャパン株式会社の遺伝子合成サービスをもとに合成して作成した。後述する無細胞蛋白合成法用ベクターにクローニングするため、LsCPT3の5′末端側にはXho Iサイトを3′末端側にはKpn Iサイトを付加し、また、LsCPTL2の5′末端側にはEcoRVサイトを3′末端側にはXho Iサイトを付加した。
【0244】
上述の方法により、CPT遺伝子(LsCPT3)、及びNgBR遺伝子(LsCPTL2)が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。LsCPT3の塩基配列を配列番号13に示した。LsCPT3のアミノ酸配列を配列番号14に示した。また、LsCPTL2の塩基配列を配列番号15に示した。LsCPTL2のアミノ酸配列を配列番号16に示した。
【0245】
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片は、pUC57に挿入し、pUC57−LsCPT3及びpUC57−LsCPTL2を作製した。
【0246】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0247】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0248】
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpUC57−LsCPT3を制限酵素Xho IとKpn Iで処理したのち、同様にXho IとKpn Iで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−His−TEV−MCS―N2に挿入し、pEU−His−N2−LsCPT3を作製した。
同様に、pUC57−LsCPTL2を制限酵素EcoRVとXho Iで処理したのち、同様にEcoRVとXho Iで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−MCS−TEV−His−C1に挿入し、pEU−C1−LsCPTL2を作製した。
【0249】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0250】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0251】
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0252】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0253】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0254】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0255】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0256】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
【0257】
〔合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布測定〕
上記〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕で合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布を、実施例1と同様にして測定した。結果を
図4の(a)に示す。
【0258】
(実施例3)
〔シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)からのTotal RNA抽出〕
シロイヌナズナからホットフェノール法により、Total RNAを抽出した。実生を液体窒素で凍結後、乳鉢で破砕した後、80℃の水飽和フェノール、80℃のRNA抽出バッファー(100mM LiCl、100mM Tris−HCl(pH8.0)、10mM EDTA、1%SDS)をそれぞれ400μLずつ加え30秒間ボルテックスした。さらにクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を400μL加え30秒間ボルテックスした。4℃、15,000rpmで15分間遠心分離し、上層を回収した。4M LiClを500μL加え混合し、−80℃で1時間静置した。4℃、15,000rpmで15分間遠心分離し、上清を除去後に得られた沈殿を400μLのDEPC処理水に溶解した。エタノールを880μL、3M NaOAcを40μL加え混合した。4℃、15,000rpmで15分間遠心分離し、上清を除去後に得られた沈殿を300μLの70%エタノールで洗浄した。4℃、15,000rpmで5分間遠心分離し、上清を除去後に得られた沈殿を30μLのDEPC処理水に溶解した。抽出したTotal RNAから混入したゲノムDNAを除去するため、DNase処理を行った。DNase処理にはDNase I(TaKaRa社製)もしくはDNase I recombinant,RNase−free(Roche社製)を使用した。いずれの場合もメーカー推奨の条件に従い50μLの反応溶液を調製し、37℃で30分間インキュベートした。反応後にDEPC処理水を350μLとフェノールを400μL加え混合し、室温、15,000rpmで15分間遠心分離した。上層を回収し、エタノールを880μL、3M NaOAcを40μL加え混合した。4℃、15,000rpmで15分間遠心分離し、上清を除去後に得られた沈殿を300μLの70%エタノールで洗浄した。4℃、15,000rpmで遠心分離し、上清を除去後に得られた沈殿を50μLのDEPC処理水に溶解した。
【0259】
〔Total RNAからcDNAの合成〕
実施例1と同様にして行った。
【0260】
〔cDNAからCPT、及びNgBR遺伝子の取得〕
作製した1st strand cDNAを鋳型にCPT、及びNgBR遺伝子の取得を行った。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO社製)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、55〜60℃で15秒、68℃で30秒を1サイクルとして、35サイクル行った。
CPT遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー5:5’− ctaggatccgagatgaataccctagaag −3’
プライマー6:5’− aacggatccaactatctaatcgagc −3’
NgBR遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー7:5’− cgggatccatggattcgaatcaatcgatgcggctcctc −3’
プライマー8:5’− gcggatccaattgggaacagtagtggctgcactgactc −3’
を使用した。
【0261】
〔ベクターの構築〕
上述の方法により、CPT遺伝子(AtCPT8)、及びNgBR遺伝子(AtLEW1)が得られた。得られた遺伝子について、制限酵素BamH Iで処理したのち、同様にBamH Iで制限酵素処理したpBluescript IISK(−)に挿入し、pBS−AtCPT8及びpBS−AtLEW1を作製した。
【0262】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0263】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0264】
得られたプラスミド内の各遺伝子の配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。AtCPT8の塩基配列を配列番号21に示した。AtCPT8のアミノ酸配列を配列番号22に示した。また、AtLEW1の塩基配列を配列番号23に示した。AtLEW1のアミノ酸配列を配列番号24に示した。
【0265】
上記取得したpBS−AtCPT8及びpBS−AtLEW1を鋳型にCPT、及びNgBR遺伝子の取得を行った。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO社製)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、55〜60℃で15秒、68℃で30秒を1サイクルとして、35サイクル行った。
CPT遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー23:5’− tatcccgggatgaatacc −3’
プライマー24:5’− tgaactagtctaatcgagctttttc −3’
を使用した。
NgBR遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー25:5’− acccgggatggattcg −3’
プライマー26:5’− cgcggactagtttaagttccatag −3’
を使用した。
【0266】
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上述の方法により得られた遺伝子について、制限酵素Xma IとSpe Iで処理したのち、同様にXma IとSpe Iで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−His−TEV−MCS―N2に挿入し、pEU−His−N2−AtCPT8、pEU−His−N2−AtLEW1を作製した。
【0267】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0268】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0269】
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0270】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0271】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0272】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0273】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0274】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
【0275】
〔合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布測定〕
上記〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕で合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布を、実施例1と同様にして測定した。結果を
図4の(a)に示す。
【0276】
【表1】
【0277】
表1より、CPTファミリー蛋白質、及びNgBRファミリー蛋白質をゴム粒子に結合させることにより、それぞれを単独でゴム粒子に結合された場合に比べて、ゴム粒子のゴム合成能力を顕著に増強させることができることが分かる。更に、ゴム粒子にNgBRを単独で結合させた比較例2では、何も結合させなかった比較例1に比べてゴム合成活性が抑制されているように、CPTファミリー蛋白質、NgBRファミリー蛋白質の組合せによる効果は、それぞれの単独の効果を足し合わせた以上の相乗効果といえ、CPTファミリー蛋白質とNgBRファミリー蛋白質という特定の組合せとすることによって初めてゴム粒子のゴム合成能力を顕著に増強することができるという効果は、当業者であっても予測することのできない効果である。
【0278】
また、
図4の(a)より、実施例1〜3において合成される天然ゴムは、同程度のGPC溶出時間のところにピークトップがきており、分子量分布パターンとして同等といえる天然ゴムが合成されているといえる。なお、
図4の結果は、サンプル間で規格化されていないため、ピークの高さで活性を比較することはできないものである。
【0279】
(実施例4)
〔cDNAからREF遺伝子の取得〕
実施例1の〔Total RNAからcDNAの合成〕で作製した1st strand cDNAを鋳型にREF遺伝子の取得を行った。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO社製)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、58℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、35サイクル行った。
REF遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー9:5’− tttctcgagatggctgaagacgaagac −3’
プライマー10:5’− tttggatcctcaattctctccataaaac −3’
を使用した。
【0280】
上述の方法により、REF遺伝子が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。REFの塩基配列を配列番号27に示した。REFのアミノ酸配列を配列番号28に示した。
【0281】
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片にdA付加を行った後、pGEM−T Easy Vector System(Promega)を利用してpGEM−T Easy Vectorに挿入し、pGEM−REFを作製した。
【0282】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0283】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0284】
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpGEM−REFを制限酵素Xho IとBam HIで処理したのち、同様にXho IとBam HIで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−MCS−TEV−His−C1に挿入し、pEU−C1−REFを作製した。
【0285】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0286】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0287】
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0288】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−C1−REF、並びに、実施例1の〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−His−N2−HRT1及びpEU−C1−HRTBPを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0289】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0290】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0291】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0292】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
測定の結果、天然ゴムが合成されており、回収した反応後のゴム粒子がゴム合成活性を有していることが確認された。
【0293】
(実施例5)
〔cDNAからCPT遺伝子の取得〕
実施例1の〔Total RNAからcDNAの合成〕で作製した1st strand cDNAを鋳型にCPT遺伝子の取得を行った。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO社製)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、58℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、35サイクル行った。
CPT遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー11:5’− tttggatccgatggaattatacaacggtgagagg−3’
プライマー12:5’− tttgcggccgcttattttaagtattccttatgtttctcc−3’
を使用した。
【0294】
上述の方法により、CPT遺伝子(HRT2)が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。HRT2の塩基配列を配列番号31に示した。HRT2のアミノ酸配列を配列番号32に示した。
【0295】
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片にdA付加を行った後、pGEM−T Easy Vector System(Promega)を利用してpGEM−T Easy Vectorに挿入し、pGEM−HRT2を作製した。
【0296】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0297】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0298】
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpGEM−HRT2を制限酵素Bam HIとNot Iで処理したのち、同様にBam HIとNot Iで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−His−TEV−MCS−N2に挿入し、pEU−His−N2−HRT2を作製した。
【0299】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0300】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0301】
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0302】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−His−N2−HRT2、実施例1の〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−C1−HRTBP、及び、実施例4の〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−C1−REFを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0303】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0304】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0305】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0306】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
測定の結果、天然ゴムが合成されており、回収した反応後のゴム粒子がゴム合成活性を有していることが確認された。
【0307】
(実施例6)
〔cDNAからCPT遺伝子の取得〕
実施例1の〔Total RNAからcDNAの合成〕で作製した1st strand cDNAを鋳型にCPT遺伝子の取得を行った。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO社製)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、58℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、35サイクル行った。
CPT遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー13:5’− atacccgggatggaaatatatac −3’
プライマー14:5’− actcccgggttattttaaatattc −3’
を使用した。
【0308】
上述の方法により、CPT遺伝子(CPT3)が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。CPT3の塩基配列を配列番号35に示した。CPT3のアミノ酸配列を配列番号36に示した。
【0309】
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片にdA付加を行った後、pGEM−T Easy Vector System(Promega)を利用してpGEM−T Easy Vectorに挿入し、pGEM−CPT3を作製した。
【0310】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0311】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0312】
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpGEM−CPT3を制限酵素Xma Iで処理したのち、同様にXma Iで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−His−TEV−MCS−N2に挿入し、pEU−His−N2−CPT3を作製した。
【0313】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0314】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0315】
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0316】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−His−N2−CPT3、実施例1の〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−C1−HRTBP、及び、実施例4の〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−C1−REFを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0317】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0318】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0319】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0320】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
測定の結果、天然ゴムが合成されており、回収した反応後のゴム粒子がゴム合成活性を有していることが確認された。
【0321】
(実施例7)
〔cDNAからCPT遺伝子の取得〕
実施例1の〔Total RNAからcDNAの合成〕で作製した1st strand cDNAを鋳型にCPT遺伝子の取得を行った。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO社製)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、58℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、35サイクル行った。
CPT遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー15:5’− tatcccgggatggaaata −3’
プライマー16:5’− atacccgggttacaactgc −3’
を使用した。
【0322】
上述の方法により、CPT遺伝子(CPT5)が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。CPT5の塩基配列を配列番号40に示した。CPT5のアミノ酸配列を配列番号41に示した。
【0323】
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片にdA付加を行った後、pGEM−T Easy Vector System(Promega)を利用してpGEM−T Easy Vectorに挿入し、pGEM−CPT5を作製した。
【0324】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0325】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0326】
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpGEM−CPT5を制限酵素Xma Iで処理したのち、同様にXma Iで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−His−TEV−MCS−N2に挿入し、pEU−His−N2−CPT5を作製した。
【0327】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0328】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0329】
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0330】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−His−N2−CPT5、実施例1の〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−C1−HRTBP、及び、実施例4の〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−C1−REFを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0331】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0332】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0333】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0334】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
測定の結果、天然ゴムが合成されており、回収した反応後のゴム粒子がゴム合成活性を有していることが確認された。
【0335】
(参考例1)
〔Taraxacum brevicorniculatum CPT遺伝子の合成〕
Taraxacum brevicorniculatum CPT遺伝子(TbCPT1)はBLASTに公開されている情報をもとに、開始コドンから終始コドンまでの領域をジェンスクリプトジャパン株式会社の遺伝子合成サービスをもとに合成して作成した。後述する無細胞蛋白合成法用ベクターにクローニングするため、TbCPT1の5′末端側にはXho Iサイトを3′末端側にはKpn Iサイトを付加した。
【0336】
上述の方法により、CPT遺伝子(TbCPT1)が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。TbCPT1の塩基配列を配列番号42に示した。TbCPT1のアミノ酸配列を配列番号43に示した。
【0337】
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片は、pUC57に挿入し、pUC57−TbCPT1を作製した。
【0338】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0339】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0340】
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpUC57−TbCPT1を制限酵素Xho IとKpn Iで処理したのち、同様にXho IとKpn Iで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−His−TEV−MCS―N2に挿入し、pEU−His−N2−TbCPT1を作製した。
【0341】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0342】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0343】
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0344】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0345】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0346】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0347】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0348】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
測定の結果、天然ゴムが合成されており、回収した反応後のゴム粒子がゴム合成活性を有していることが確認された。
【0349】
〔合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布測定〕
上記〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕で合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布を、実施例1と同様にして測定した。結果を
図4の(b)に示す。
図4の(b)より、参考例1において合成される天然ゴムは、実施例1〜3において合成される天然ゴムと同程度のGPC溶出時間のところにピークトップがきており、分子量分布パターンとして同等といえる天然ゴムが合成されているといえる。
【0350】
これらの結果から、更にNgBRファミリー蛋白質をゴム粒子に結合させ、TbCPT1蛋白質とNgBRファミリー蛋白質とをゴム粒子に結合させると、ゴム粒子上でのTbCPT1蛋白質の活性が安定化、増強され、結果、ゴム粒子のゴム合成能力が増強されることが強く示唆される。
【0351】
(参考例2)
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0352】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。実施例5の〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−His−N2−HRT2を鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0353】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0354】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0355】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0356】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
測定の結果、天然ゴムが合成されており、回収した反応後のゴム粒子がゴム合成活性を有していることが確認された。
【0357】
〔合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布測定〕
上記〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕で合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布を、実施例1と同様にして測定した。結果を
図4の(b)に示す。
図4の(b)より、参考例2において合成される天然ゴムは、実施例1〜3において合成される天然ゴムと同程度のGPC溶出時間のところにピークトップがきており、分子量分布パターンとして同等といえる天然ゴムが合成されているといえる。
この結果から、更にNgBRファミリー蛋白質及びREFをゴム粒子に結合させた実施例5においても、分子量分布パターンとして同等の天然ゴムが合成されていることが強く示唆される。
【0358】
(参考例3)
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0359】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。実施例6の〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−His−N2−CPT3を鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0360】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0361】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0362】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0363】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
測定の結果、天然ゴムが合成されており、回収した反応後のゴム粒子がゴム合成活性を有していることが確認された。
【0364】
〔合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布測定〕
上記〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕で合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布を、実施例1と同様にして測定した。結果を
図4の(b)に示す。
図4の(b)より、参考例3において合成される天然ゴムは、実施例1〜3において合成される天然ゴムと同程度のGPC溶出時間のところにピークトップがきており、分子量分布パターンとして同等といえる天然ゴムが合成されているといえる。
この結果から、更にNgBRファミリー蛋白質及びREFをゴム粒子に結合させた実施例6においても、分子量分布パターンとして同等の天然ゴムが合成されていることが強く示唆される。
【0365】
(参考例4)
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0366】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。実施例7の〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU−His−N2−CPT5を鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0367】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0368】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0369】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0370】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
測定の結果、天然ゴムが合成されており、回収した反応後のゴム粒子がゴム合成活性を有していることが確認された。
【0371】
〔合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布測定〕
上記〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕で合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布を、実施例1と同様にして測定した。結果を
図4の(b)に示す。
図4の(b)より、参考例4において合成される天然ゴムは、実施例1〜3において合成される天然ゴムと同程度のGPC溶出時間のところにピークトップがきており、分子量分布パターンとして同等といえる天然ゴムが合成されているといえる。
この結果から、更にNgBRファミリー蛋白質及びREFをゴム粒子に結合させた実施例7においても、分子量分布パターンとして同等の天然ゴムが合成されていることが強く示唆される。
【0372】
(参考例5)
〔ヒト(Homo sapiens)CPT遺伝子の合成〕
ヒト(Homo sapiens)CPT遺伝子(HDS)はBLASTに公開されている情報をもとに、開始コドンから終始コドンまでの領域をジェンスクリプトジャパン株式会社の遺伝子合成サービスをもとに合成して作成した。後述する無細胞蛋白合成法用ベクターにクローニングするため、HDSの5′末端側にはXmaIサイトを3′末端側にはSpeIサイトを付加した。
【0373】
上述の方法により、CPT遺伝子(HDS)が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。HDSの塩基配列を配列番号64に示した。HDSのアミノ酸配列を配列番号50に示した。
【0374】
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片は、pUC57に挿入し、pUC57−HDSを作製した。
【0375】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0376】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0377】
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpUC57−HDSを制限酵素XmaIとSpeIで処理したのち、同様にXmaIとSpeIで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−His−TEV−MCS―N2に挿入し、pEU−His−N2−HDSを作製した。
【0378】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0379】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0380】
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0381】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0382】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0383】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0384】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0385】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。ただし、反応時間を16時間から4時間に変更した。測定の結果、天然ゴムが合成されており、回収した反応後のゴム粒子がゴム合成活性を有していることが確認された。
【0386】
〔合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布測定〕
上記〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕で合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布を、実施例1と同様にして測定した。結果を
図4の(c)に示す。
図4の(c)より、参考例5において合成される天然ゴムは、実施例1〜3において合成される天然ゴムと同程度のGPC溶出時間のところにピークトップがきており、分子量分布パターンとして同等といえる天然ゴムが合成されているといえる。
【0387】
これらの結果から、更にNgBRファミリー蛋白質をゴム粒子に結合させ、HDS蛋白質とNgBRファミリー蛋白質とをゴム粒子に結合させると、ゴム粒子上でのHDS蛋白質の活性が安定化、増強され、結果、ゴム粒子のゴム合成能力が増強されることが強く示唆される。
【0388】
(参考例6)
〔酵母(Saccharomyces cerevisiae)CPT遺伝子の合成〕
酵母(Saccharomyces cerevisiae)CPT遺伝子(SRT1)はBLASTに公開されている情報をもとに、開始コドンから終始コドンまでの領域をジェンスクリプトジャパン株式会社の遺伝子合成サービスをもとに合成して作成した。後述する無細胞蛋白合成法用ベクターにクローニングするため、SRT1の5′末端側にはXmaIサイトを3′末端側にはSpeIサイトを付加した。
【0389】
上述の方法により、CPT遺伝子(SRT1)が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。SRT1の塩基配列を配列番号63に示した。SRT1のアミノ酸配列を配列番号47に示した。
【0390】
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片は、pUC57に挿入し、pUC57−SRT1を作製した。
【0391】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0392】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0393】
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpUC57−SRT1を制限酵素XmaIとSpeIで処理したのち、同様にXmaIとSpeIで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−His−TEV−MCS―N2に挿入し、pEU−His−N2−SRT1を作製した。
【0394】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0395】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0396】
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
【0397】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
【0398】
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
【0399】
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0400】
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
【0401】
〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。ただし、反応時間を16時間から4時間に変更した。測定の結果、天然ゴムが合成されており、回収した反応後のゴム粒子がゴム合成活性を有していることが確認された。
【0402】
〔合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布測定〕
上記〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕で合成した超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の分子量分布を、実施例1と同様にして測定した。結果を
図4の(c)に示す。
図4の(c)より、参考例6において合成される天然ゴムは、実施例1〜3において合成される天然ゴムと同程度のGPC溶出時間のところにピークトップがきており、分子量分布パターンとして同等といえる天然ゴムが合成されているといえる。
【0403】
これらの結果から、更にNgBRファミリー蛋白質をゴム粒子に結合させ、SRT1蛋白質とNgBRファミリー蛋白質とをゴム粒子に結合させると、ゴム粒子上でのSRT1蛋白質の活性が安定化、増強され、結果、ゴム粒子のゴム合成能力が増強されることが強く示唆される。
【0404】
<酵母に導入した場合のCPTファミリー蛋白質のゴム合成能>
(参考例7)
〔酵母発現用遺伝子の取得〕
実施例1、5で得たpGEM−HRT1、pGEM−HRT2を鋳型に以下のプライマーを用いてPCRを行い、酵母発現用ベクターpJR1133にクローニングできるよう、5′末端側、3′末端側の制限酵素を共にBam HIとした、HRT1、HRT2遺伝子を得た。
HRT1及びHRT2用のプライマーとしては、
プライマー17:5’− ttaggatccatggaattatacaacgg−3’
プライマー18:5’− aacggatccttttaagtattccttatg−3’
を使用した。
【0405】
また、実施例3で得たpBS−AtCPT8を制限酵素Bam HIで処理することで、5′末端側、3′末端側の制限酵素を共にBam HIとしたAtCPT8遺伝子を得た。
【0406】
また、実施例1、3で得たpGEM−HRTBP、pBS−AtLEW1を鋳型に以下のプライマーを用いてPCRを行い、酵母発現用ベクターpGK415及びpGK425にそれぞれクローニングできるよう、5′末端側、3′末端側の制限酵素を共にXho IとしたHRTBP、5′末端側の制限酵素をSal I、3′末端側の制限酵素をBam HIとしたAtLEW1遺伝子を得た。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO社製)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、58℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、35サイクル行った。
HRTBP用のプライマーとしては、
プライマー19:5’− tttctcgagatggatttgaaacctggagctg−3’
プライマー20:5’− tttctcgagtcatgtaccataattttgctgcac−3’
を使用した。
AtLEW1用のプライマーとしては、
プライマー21:5’− gtcgacatggattcgaatcaatcg −3’
プライマー22:5’− ggatccttaagttccatagttttgg −3’
を使用した。
【0407】
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片にdA付加を行った後、pGEM−T Easy Vector System(Promega)を利用してpGEM−T Easy Vectorに挿入し、pGEM−HRT1(pJR1133用)、pGEM−HRT2(pJR1133用)、pGEM−AtCPT8(pJR1133用)、pGEM−HRTBP(pGK425用)、pGEM−AtLEW1(pGK425用)を作製した。
【0408】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
【0409】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0410】
〔酵母発現用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得した各pGEM−CPTシリーズを制限酵素Bam HIで処理したのち、同様にBam HIで制限酵素処理した酵母発現用ベクターpJR1133に挿入し、pJR1133−HRT1、pJR1133−HRT2、pJR1133−AtCPT8を作製した。
【0411】
同様に上記〔ベクターの構築〕で獲得した各pGEM−NgBRシリーズを制限酵素Xho Iで処理したのち、Sal Iで制限酵素処理した酵母発現用ベクターpGK425に挿入し、pGK425−HRTBP、pGK425−AtLEW1を作製した。
【0412】
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、大腸菌DH5αを形質転換し、共にAmpを含むLB培地で培養した。
【0413】
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
【0414】
〔酵母の形質転換〕
上記で得たプラスミドを用いて、以下の組合せで酵母SNH23−7D(MAT−α rer2−2 mf−1::ADE2 mf−2::TRP1 bar1::HIS3 ade2 trp1 his3 leu2 ura3 lys2)に形質転換した。
(1)pJR1133−HRT1&pGK425−HRTBP
(2)pJR1133−HRT2&pGK425−HRTBP
(3)pJR1133−AtCPT8&pGK425−AtLEW1
形質転換した酵母はウラシル(pJR1133セレクション用)とロイシン(pGK425セレクション用)を抜いたSD寒天培地で培養し、形質転換体を得た。
【0415】
〔酵素発現〕
上記形質転換で得られた各酵母を50mLのSC(+Lys)培地に加え、23℃、180rpmで振盪培養した。OD
546=0.8に達したところで、45mLの菌液を50mLサンプリングチューブに回収した。5000×gで10分遠心後、上清を捨て、−80℃で冷凍保存した。
なお、SC(+Lys)培地の組成は以下のとおりである。
硫安:5.0g
Yeast Nitrogen Base w/o Amino acids:1.7g
Lysine HCl:30mg
Glucose:20g
滅菌水:1Lまで
【0416】
[粗酵素溶液の調製]
冷凍保存していたサンプルを氷上で溶かし、100μLのZymolyase bufferに懸濁し、23℃で15分静置した。遠心して上清を除去し、Zymolyase 100Tを2mg/mLで加えたZymolyase bufferを300μL加え、30℃、40分酵素反応させスフェロプラスト化した。遠心して上清を除去し、300μLのZymolyase bufferに懸濁した。遠心して上清を除去し、菌体をBreakage Bufferに懸濁した後、0.5mm Glass Beadsを用いて、30秒ボルテックス→30秒氷上のサイクルを3回繰り返し、細胞を破砕した。300×g、5分で遠心し未破砕細胞を除き、上清を回収した。この上清を17400×gで遠心することで、上清とペレットに分けた。ペレットをBreakage Bufferで懸濁したものを不溶性画分の粗酵素溶液とした。Zymolyase buffer、Breakage Bufferの組成は以下のとおりである。
【0417】
Zymolyase buffer:
Tris−HCl(pH 7.5) 50mM
MgCl
2 10mM
ソルビトール 1M
DTT 1x
【0418】
Breakage Buffer:
Tris−HCl(pH 8.0) 100mM
NaCl 150mM
DTT 1mM
Protease Inhibitor Cocktail(nacalai tesque) 1x
【0419】
〔ゴム合成活性の測定(逆相TLCによる反応生成物の分析(ポリプレニル二リン酸))〕
回収した粗酵素溶液中のゴム合成活性を以下の方法により測定した。
まず、Potassium Phosphate Buffer(pH 7.5)25mM、β−メルカプトエタノール 25mM、KF 20mM、MgCl
2 4mM、ファルネシル二リン酸(FPP) 10μM、1−14Cイソペンテニル二リン酸([1−14C]IPP)(比活性:60Ci/mol)50μM、粗酵素溶液 50μgを混合した反応溶液(Total 100μL)を調製し、30℃で20時間反応させた。
【0420】
飽和食塩水200μLを加えて反応を停止し、ジエチルエーテルを1mL加えてボルテックスした。15000rpmで1分間遠心した後に上層(エーテル層)を別のチューブに回収した。水層に水飽和ブタノール1mLを加えて攪拌し、その後15000rpmで1分間遠心分離して上層(ブタノール層)を回収することで、酵素反応生成物を抽出した。
【0421】
上記ブタノール層を水で洗浄した後、遠心エバポレーターを用いて溶媒を留去し、反応生成物を濃縮した。濃縮した反応生成物は以下に示す反応組成で37℃、12時間反応させることで脱リン酸化させ、対応するポリプレノールにした。
反応組成(Total 100mL):
Acetate buffer(pH 5.6) 40mM
Triton X−100 0.1%(v/v)
メタノール 40%(v/v)
ブタノール層(反応生成物) 20%(v/v)
Potato acid phosphatase(Roche) 10U
【0422】
5M NaOHを120μL加えることで反応を停止させるとともに、37℃で30分間加水分解反応を行った。ペンタンを0.7mL加えて攪拌し、ポリプレノールをペンタン層に抽出させた。15000rpmで1分間遠心分離して上層(ペンタン層)を回収し、逆相TLCプレート(LKC−18、Whatman社製)を用いて生成物を展開した。展開溶媒はアセトン/水(39:1)とした。14C標識放射性物質を含むインクでOriginとSolvent Frontの位置をマークし、Typhoon FLA 7000(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製)によるオートラジオグラフィーを行い、放射性反応生成物のスポットの位置を標準物質の位置と比較することで生成物の鎖長を分析した。
結果、上記(1)〜(3)のいずれのプラスミドを用いた場合にも、炭素数90程度のイソプレン重合体が合成されていることが確認された。
【0423】
<大腸菌に導入した場合のCPTファミリー蛋白質のゴム合成能>
(参考例8)
〔大腸菌の形質転換〕
実施例1、3、5で得たpGEM−HRT1、pBS−AtCPT8、pGEM−HRT2、及び、実施例1、3で得たpGEM−HRTBP、pBS−AtLEW1を用いて当該各遺伝子をpCOLADuet1ベクターにそれぞれ導入し、それらベクターを用いて以下の組み合わせとなるよう大腸菌BL21(DE3)の形質転換を行った。
(1)HRT1−HRTBP
(2)HRT2−HRTBP
(3)AtCPT8−AtLEW1
【0424】
〔大腸菌内でのゴム合成活性の測定〕
上記〔大腸菌の形質転換〕で得た形質転換された大腸菌を用いて、参考例7と同様にして、ゴム合成活性の測定を行った。結果、上記(1)〜(3)のいずれのプラスミドを用いた場合にも、反応生成物が少なく、検出することができなかった。
【0425】
参考例7〜8のように、パラゴムノキ、又はシロイヌナズナ由来のCPTファミリー蛋白質(HRT1、HRT2、AtCPT8)を大腸菌に導入した場合には、反応生成物を確認することができなかった。次に、上記CPTファミリー蛋白質を酵母に導入した場合には、イソプレン重合体の合成が確認されたが、その鎖長は炭素数90程度であった。
【0426】
これに対して、実施例1〜7、参考例1、5、6のように、上記CPTファミリー蛋白質をゴム粒子に結合させてゴム合成活性を測定すると、いずれのCPTファミリー蛋白質を用いた場合にも超長鎖ポリイソプレノイド(天然ゴム)の合成が見られた。すなわち、ゴム産生植物由来であって、乳管で発現しているといわれているCPTファミリー蛋白質(HRT1、HRT2、CPT3、CPT5、LsCPT3、TbCPT1)だけでなく、ゴム産生植物ではないシロイヌナズナ由来のAtCPT8、酵母由来のSRT1、ヒト由来のHDSを用いた場合であっても、ゴム粒子に結合させると天然ゴムを合成することが可能であった。
【0427】
これらの結果から、CPTファミリー蛋白質の由来や種類よりも、どのような宿主に導入したのか、すなわち、CPTファミリー蛋白質をどのような環境下に発現させたのかが、ゴム合成活性においては重要である、ということが示唆された。
【0428】
上記内容から、本発明者らは、次のようなメカニズムを予想している。
すなわち、CPTファミリー蛋白質が合成する生成物が蓄積される場の、疎水度及びスペース(空間的広さ)が、合成される生成物の鎖長を決定している、と考えている。
【0429】
具体的には、大腸菌のような原核生物中では、CPTファミリー蛋白質は反応生成物を確認できない程度の活性しか示さないか、活性を示し生成物を合成できたとしても、CPTファミリー蛋白質の疎水性クレフト構造内に収容可能な程度の大きさまでしか生成物の鎖長は延びない。
【0430】
また、酵母のような真核生物中では、CPTファミリー蛋白質が合成した生成物はCPTファミリー蛋白質の疎水性クレフト構造から細胞中の脂質二重膜内(例えば、小胞体膜間など)へ移行し、脂質二重膜内に蓄積されることになり、当該環境は疎水性環境であるが、細胞中の脂質二重膜内というスペースとしてはあまり広くないところに蓄積されることから生成物の鎖長の伸長には限度がある(このようにして合成されたのが、上述した炭素数が90程度の鎖長のイソプレン重合体と考えられる)。
【0431】
また、シロイヌナズナのようなゴム産生植物でない植物中でも、酵母のときと同様に、CPTファミリー蛋白質が合成した生成物は、細胞中の脂質二重膜内というスペースとしてはあまり広くないところに蓄積され、やはり合成される生成物の鎖長の伸長には限度があると考えられる。
【0432】
これに対して、CPTファミリー蛋白質をゴム粒子に結合させた場合には、
図1に示したように、CPTファミリー蛋白質が合成した生成物はゴム粒子中に蓄積されることになり、当該環境は疎水性環境であり、かつ、スペースとしても細胞中の脂質二重膜内よりもずっと広いことから、疎水性環境であり、かつ、スペースの制約も少ないため、生成物の鎖長は充分に延びることができ、超長鎖のポリイソプレノイド(天然ゴム)を合成できる。
【0433】
これらのことから、CPTファミリー蛋白質であれば、その由来、種類等に関わらず、NgBRファミリー蛋白質と共にゴム粒子に結合させることで、ゴム粒子のゴム合成能力を増強させることができ、本発明の効果を得ることができることが強く示唆される。
【0434】
<in silicoによるCPTファミリー蛋白質の保存領域の推定>
図5で示される種々の生物由来のCPTファミリー蛋白質のマルチプルシーケンスアライメントを行い、保存性の高い配列部分(保存領域)を検索した。保存領域周辺のアライメントの結果を
図5に示す。
なお、マルチプルシーケンスアライメントは、Genetyx Ver.11と呼ばれるソフトを用いて行った。
【0435】
図5中、UDP pyrophosphate synthase (Escherichia coli CPT)は、配列番号45で示される大腸菌由来のウンデカプレニルリン酸合成酵素(UPPS)の7位から125位を抜粋したものである。
UDP(Micrococcus luteus B−P 26 CPT)は、配列番号46で示されるマイクロコッカス属菌由来のウンデカプレニル二リン酸合成酵素(UPS)の11位から129位を抜粋したものである。
SRT1(Yeast CPT)は、配列番号47で示される酵母由来のSRT1の57位から175位を抜粋したものである。
AtCPT5(Arabidopsis thaliana CPT5)は、配列番号44で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT5の61位から179位を抜粋したものである。
AtCPT8(Arabidopsis thaliana CPT8)は、配列番号22で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT8の25位から142位を抜粋したものである。
DDPS(Nicotiana sylvestris CPT)は、配列番号48で示されるタバコ由来のDDPSの24位から140位を抜粋したものである。
HbCPT1(Hevea brasiliensis CPT)は、配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1の23位から139位を抜粋したものである。
HbCPT2(Hevea brasiliensis CPT)は、配列番号32で示されるパラゴムノキ由来のHRT2の23位から139位を抜粋したものである。
HbCPT3(Hevea brasiliensis CPT)は、配列番号36で示されるパラゴムノキ由来のCPT3の23位から139位を抜粋したものである。
HbCPT4(Hevea brasiliensis CPT)は、配列番号37で示されるパラゴムノキ由来のCPT4の24位から140位を抜粋したものである。
HbCPT5(Hevea brasiliensis CPT)は、配列番号41で示されるパラゴムノキ由来のCPT5の23位から139位を抜粋したものである。
LsCPT3(Lactuca sativa CPT)は、配列番号14で示されるレタス由来のLsCPT3の40位から156位を抜粋したものである。
TbCPT1(Taraxacum brevicorniculatum CPT)は、配列番号43で示されるTaraxacum brevicorniculatum由来のTbCPT1の40位から154位を抜粋したものである。
DDPS(Mouse CPT)は、配列番号49で示されるマウス由来のDDPSの16位から132位を抜粋したものである。
HDS(Human CPT)は、配列番号50で示されるヒト由来のHDSの16位から132位を抜粋したものである。
【0436】
Shota Endo et.al.,Biochimica et Biophysica Acta,No.1625(2003)p.291−295や、Masahiro Fujihashi et.al.,PNAS,Vol.98,No.8(2001)p.4337−4342等の文献から、
図5中の囲みA(配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1においては、41位から49位に相当)、囲みB(配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1においては、81位から97位に相当)が種々の生物由来のCPTファミリー蛋白質で保存性の高い保存領域の一部であり、特に、配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1における41位に相当する位置はアスパラギン酸残基が保存され(
図5中の(1))、配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1における42位に相当する位置はグリシン残基が保存され(
図5中の(2))、配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1における45位に相当する位置はアルギニン残基が保存され(
図5中の(3))、パラゴムノキ由来のHRT1における89位に相当する位置はアスパラギン残基が保存されており(
図5中の(4))、これらのアミノ酸が、CPTファミリー蛋白質の酵素反応に必須のアミノ酸であり、当該位置にこれらのアミノ酸を有する蛋白質であればCPTファミリー蛋白質としての機能を有すると考えられる。
【0437】
図5から、以下のことが分かる。
配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1において41位から49位に相当する囲みAの保存領域は、配列番号45で示される大腸菌由来のウンデカプレニルリン酸合成酵素(UPPS)では25位から33位に相当し、
配列番号46で示されるマイクロコッカス属菌由来のウンデカプレニル二リン酸合成酵素(UPS)では29位から37位に相当し、
配列番号47で示される酵母由来SRT1では75位から83位に相当し、
配列番号44で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT5では79位から87位に相当し、
配列番号22で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT8では43位から51位に相当し、
配列番号48で示されるタバコ由来のDDPSでは42位から50位に相当し、
配列番号32で示されるパラゴムノキ由来のHRT2では41位から49位に相当し、
配列番号36で示されるパラゴムノキ由来のCPT3では41位から49位に相当し、
配列番号37で示されるパラゴムノキ由来のCPT4では42位から50位に相当し、
配列番号41で示されるパラゴムノキ由来のCPT5では41位から49位に相当し、
配列番号14で示されるレタス由来のLsCPT3では58位から66位に相当し、
配列番号43で示されるTaraxacum brevicorniculatum由来のTbCPT1では58位から66位に相当し、
配列番号49で示されるマウス由来のDDPSでは34位から42位に相当し、
配列番号50で示されるヒト由来のHDSでは34位から42位に相当する。
【0438】
配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1において81位から97位に相当する囲みBの保存領域は、配列番号45で示される大腸菌由来のウンデカプレニルリン酸合成酵素(UPPS)では65位から81位に相当し、
配列番号46で示されるマイクロコッカス属菌由来のウンデカプレニル二リン酸合成酵素(UPS)では69位から85位に相当し、
配列番号47で示される酵母由来SRT1では115位から131位に相当し、
配列番号44で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT5では119位から135位に相当し、
配列番号22で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT8では84位から100位に相当し、
配列番号48で示されるタバコ由来のDDPSでは82位から98位に相当し、
配列番号32で示されるパラゴムノキ由来のHRT2では81位から97位に相当し、
配列番号36で示されるパラゴムノキ由来のCPT3では81位から97位に相当し、
配列番号37で示されるパラゴムノキ由来のCPT4では82位から98位に相当し、
配列番号41で示されるパラゴムノキ由来のCPT5では81位から97位に相当し、
配列番号14で示されるレタス由来のLsCPT3では98位から114位に相当し、
配列番号43で示されるTaraxacum brevicorniculatum由来のTbCPT1では98位から114位に相当し、
配列番号49で示されるマウス由来のDDPSでは74位から90位に相当し、
配列番号50で示されるヒト由来のHDSでは74位から90位に相当する。
【0439】
配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1において41位に相当するアスパラギン酸残基(1)は、配列番号45で示される大腸菌由来のウンデカプレニルリン酸合成酵素(UPPS)では25位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号46で示されるマイクロコッカス属菌由来のウンデカプレニル二リン酸合成酵素(UPS)では29位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号47で示される酵母由来のSRT1では75位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号44で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT5では79位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号22で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT8では43位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号48で示されるタバコ由来のDDPSでは42位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号32で示されるパラゴムノキ由来のHRT2では41位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号36で示されるパラゴムノキ由来のCPT3では41位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号37で示されるパラゴムノキ由来のCPT4では42位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号41で示されるパラゴムノキ由来のCPT5では41位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号14で示されるレタス由来のLsCPT3では58位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号43で示されるTaraxacum brevicorniculatum由来のTbCPT1では58位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号49で示されるマウス由来のDDPSでは34位のアスパラギン酸残基に相当し、
配列番号50で示されるヒト由来のHDSでは34位のアスパラギン酸残基に相当する。
【0440】
配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1において42位に相当するグリシン残基(2)は、配列番号45で示される大腸菌由来のウンデカプレニルリン酸合成酵素(UPPS)では26位のグリシン残基に相当し、
配列番号46で示されるマイクロコッカス属菌由来のウンデカプレニル二リン酸合成酵素(UPS)では30位のグリシン残基に相当し、
配列番号47で示される酵母由来のSRT1では76位のグリシン残基に相当し、
配列番号44で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT5では80位のグリシン残基に相当し、
配列番号22で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT8では44位のグリシン残基に相当し、
配列番号48で示されるタバコ由来のDDPSでは43位のグリシン残基に相当し、
配列番号32で示されるパラゴムノキ由来のHRT2では42位のグリシン残基に相当し、
配列番号36で示されるパラゴムノキ由来のCPT3では42位のグリシン残基に相当し、
配列番号37で示されるパラゴムノキ由来のCPT4では43位のグリシン残基に相当し、
配列番号41で示されるパラゴムノキ由来のCPT5では42位のグリシン残基に相当し、
配列番号14で示されるレタス由来のLsCPT3では59位のグリシン残基に相当し、
配列番号43で示されるTaraxacum brevicorniculatum由来のTbCPT1では59位のグリシン残基に相当し、
配列番号49で示されるマウス由来のDDPSでは35位のグリシン残基に相当し、
配列番号50で示されるヒト由来のHDSでは35位のグリシン残基に相当する。
【0441】
配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1において45位に相当するアルギニン残基(3)は、配列番号45で示される大腸菌由来のウンデカプレニルリン酸合成酵素(UPPS)では29位のアルギニン残基に相当し、
配列番号46で示されるマイクロコッカス属菌由来のウンデカプレニル二リン酸合成酵素(UPS)では33位のアルギニン残基に相当し、
配列番号47で示される酵母由来のSRT1では79位のアルギニン残基に相当し、
配列番号44で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT5では83位のアルギニン残基に相当し、
配列番号22で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT8では47位のアルギニン残基に相当し、
配列番号48で示されるタバコ由来のDDPSでは46位のアルギニン残基に相当し、
配列番号32で示されるパラゴムノキ由来のHRT2では45位のアルギニン残基に相当し、
配列番号36で示されるパラゴムノキ由来のCPT3では45位のアルギニン残基に相当し、
配列番号37で示されるパラゴムノキ由来のCPT4では46位のアルギニン残基に相当し、
配列番号41で示されるパラゴムノキ由来のCPT5では45位のアルギニン残基に相当し、
配列番号14で示されるレタス由来のLsCPT3では62位のアルギニン残基に相当し、
配列番号43で示されるTaraxacum brevicorniculatum由来のTbCPT1では62位のアルギニン残基に相当し、
配列番号49で示されるマウス由来のDDPSでは38位のアルギニン残基に相当し、
配列番号50で示されるヒト由来のHDSでは38位のアルギニン残基に相当する。
【0442】
配列番号2で示されるパラゴムノキ由来のHRT1において89位に相当するアスパラギン残基(4)は、配列番号45で示される大腸菌由来のウンデカプレニルリン酸合成酵素(UPPS)では73位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号46で示されるマイクロコッカス属菌由来のウンデカプレニル二リン酸合成酵素(UPS)では77位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号47で示される酵母由来のSRT1では123位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号44で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT5では127位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号22で示されるシロイヌナズナ由来のAtCPT8では92位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号48で示されるタバコ由来のDDPSでは90位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号32で示されるパラゴムノキ由来のHRT2では89位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号36で示されるパラゴムノキ由来のCPT3では89位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号37で示されるパラゴムノキ由来のCPT4では90位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号41で示されるパラゴムノキ由来のCPT5では89位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号14で示されるレタス由来のLsCPT3では106位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号43で示されるTaraxacum brevicorniculatum由来のTbCPT1では106位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号49で示されるマウス由来のDDPSでは82位のアスパラギン残基に相当し、
配列番号50で示されるヒト由来のHDSでは82位のアスパラギン残基に相当する。
【0443】
(配列表フリーテキスト)
配列番号1:パラゴムノキ由来のHRT1をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号2:パラゴムノキ由来のHRT1のアミノ酸配列
配列番号3:パラゴムノキ由来のHRTBPをコードする遺伝子の塩基配列
配列番号4:パラゴムノキ由来のHRTBPのアミノ酸配列
配列番号5:プライマー1
配列番号6:プライマー2
配列番号7:プライマー3
配列番号8:プライマー4
配列番号9:パラゴムノキ由来のRubber Elongation Factorをコードする遺伝子のプロモーターの塩基配列
配列番号10:パラゴムノキ由来のSmall Rubber ParticleProteinをコードする遺伝子のプロモーターの塩基配列
配列番号11:パラゴムノキ由来のHevien2.1をコードする遺伝子のプロモーターの塩基配列
配列番号12:パラゴムノキ由来のMYC1 transcription factorをコードする遺伝子のプロモーターの塩基配列
配列番号13:レタス由来のLsCPT3をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号14:レタス由来のLsCPT3のアミノ酸配列
配列番号15:レタス由来のLsCPTL2をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号16:レタス由来のLsCPTL2のアミノ酸配列
配列番号17:プライマー5
配列番号18:プライマー6
配列番号19:プライマー7
配列番号20:プライマー8
配列番号21:シロイヌナズナ由来のAtCPT8をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号22:シロイヌナズナ由来のAtCPT8のアミノ酸配列
配列番号23:シロイヌナズナ由来のAtLEW1をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号24:シロイヌナズナ由来のAtLEW1のアミノ酸配列
配列番号25:プライマー9
配列番号26:プライマー10
配列番号27:パラゴムノキ由来のREFをコードする遺伝子の塩基配列
配列番号28:パラゴムノキ由来のREFのアミノ酸配列
配列番号29:プライマー11
配列番号30:プライマー12
配列番号31:パラゴムノキ由来のHRT2をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号32:パラゴムノキ由来のHRT2のアミノ酸配列
配列番号33:プライマー13
配列番号34:プライマー14
配列番号35:パラゴムノキ由来のCPT3をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号36:パラゴムノキ由来のCPT3のアミノ酸配列
配列番号37:パラゴムノキ由来のCPT4のアミノ酸配列
配列番号38:プライマー15
配列番号39:プライマー16
配列番号40:パラゴムノキ由来のCPT5をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号41:パラゴムノキ由来のCPT5のアミノ酸配列
配列番号42:Taraxacum brevicorniculatum由来のTbCPT1をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号43:Taraxacum brevicorniculatum由来のTbCPT1のアミノ酸配列
配列番号44:シロイヌナズナ由来のAtCPT5のアミノ酸配列
配列番号45:大腸菌由来のウンデカプレニルリン酸合成酵素(UPPS)のアミノ酸配列
配列番号46:マイクロコッカス属菌由来のウンデカプレニル二リン酸合成酵素(UPS)のアミノ酸配列
配列番号47:酵母由来のSRT1のアミノ酸配列
配列番号48:タバコ由来のDDPSのアミノ酸配列
配列番号49:マウス由来のDDPSのアミノ酸配列
配列番号50:ヒト由来のHDSのアミノ酸配列
配列番号51:パラゴムノキ由来のHRT1における41位から49位のアミノ酸配列
配列番号52:パラゴムノキ由来のHRT1における81位から97位のアミノ酸配列
配列番号53:プライマー17
配列番号54:プライマー18
配列番号55:プライマー19
配列番号56:プライマー20
配列番号57:プライマー21
配列番号58:プライマー22
配列番号59:プライマー23
配列番号60:プライマー24
配列番号61:プライマー25
配列番号62:プライマー26
配列番号63:酵母由来のSRT1をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号64:ヒト由来のHDSをコードする遺伝子の塩基配列