特許第6778418号(P6778418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6778418-蓋開閉装置および鍵盤楽器 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6778418
(24)【登録日】2020年10月14日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】蓋開閉装置および鍵盤楽器
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/32 20060101AFI20201026BHJP
   G10B 3/00 20190101ALI20201026BHJP
【FI】
   G10H1/32 Z
   G10B3/00 210
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-254089(P2017-254089)
(22)【出願日】2017年12月28日
(65)【公開番号】特開2019-120744(P2019-120744A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2019年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】今村 尚人
(72)【発明者】
【氏名】川田 遼平
【審査官】 中村 天真
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0015217(KR,A)
【文献】 特開2007−248968(JP,A)
【文献】 特開2013−238796(JP,A)
【文献】 特開平08−115075(JP,A)
【文献】 特開平04−204694(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第10163352(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10B 1/00−3/24
G10C 1/00−3/30
G10H 1/00−7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉蓋と、
ガイド溝を有する軸ガイド部材と、
前記開閉蓋の前側に設けられ、前記ガイド溝に沿って移動する前側ガイド軸と、
前記前側ガイド軸の移動軌跡上に少なくとも一部が配置され、前記開閉蓋の閉動作を制動する第1制動部材と、
前記閉動作の際に、前記前側ガイド軸が前記移動軌跡上の前記第1制動部材の少なくとも一部を押すことによって生じる前記第1制動部材の少なくとも一部の移動を制動するダンパー部と、前記ダンパー部の上端に前記第1制動部材の少なくとも一部が移動する力を前記ダンパー部に伝えるダンパーキャップと、を有する第2制動部材と、
を備え、
前記ダンパーキャップは、前記第1制動部材の少なくとも一部の移動を内側にガイドするガイド壁を有する、蓋開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蓋開閉装置において、前記ガイド壁の上端に前記第1制動部材の少なくとも一部を当該ダンパーキャップの内側にガイドするガイド傾斜部が設けられていることを特徴とする蓋開閉装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の蓋開閉装置において、前記ガイド壁の高さは、前側の方が後側より高いことを特徴とする蓋開閉装置。
【請求項4】
開閉蓋と、
ガイド溝を有する軸ガイド部材と、
前記開閉蓋の前側に設けられ、前記ガイド溝に沿って移動する前側ガイド軸と、
前記前側ガイド軸の移動軌跡上に少なくとも一部が配置され、前記開閉蓋の閉動作を制動する第1制動部材と、
前記閉動作の際に、前記前側ガイド軸が前記移動軌跡上の前記第1制動部材の少なくとも一部を押すことによって生じる前記第1制動部材の少なくとも一部の移動を制動するダンパー部と、前記ダンパー部の上端に前記第1制動部材の少なくとも一部が移動する力を前記ダンパー部に伝えるダンパーキャップとを有する第2制動部材と、
を備え、
前記第1制動部材は、前記前側ガイド軸の移動軌跡上に少なくとも一部が配置されるゴムキャップを含む一端部と、前記軸ガイド部材に設けられる係止部に係止される他端部と、前記軸ガイド部材に設けられる軸に軸支されているコイル部と、を含むばね部材であり、
前記ダンパーキャップは、上面に前記一端部の動きに応じた曲面を含む、蓋開閉装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の蓋開閉装置において、前記軸ガイド部材は、前記第2制動部材の左右方向の移動を規制していることを特徴とする蓋開閉装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の蓋開閉装置において、前記第1制動部材は、前記前側ガイド軸の移動軌跡上に少なくとも一部が配置されるゴムキャップを含む一端部と、前記軸ガイド部材に設けられる係止部に係止される他端部と、前記軸ガイド部材に設けられる軸に軸支されているコイル部と、を含むばね部材であり、
前記ダンパーキャップは、上面に前記一端部の動きに応じた曲面を含むことを特徴とする蓋開閉装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の蓋開閉装置において、前記開閉蓋の後側に、前記開閉蓋が前記軸ガイド部材にガイドされて開動作する際に前記開閉蓋の開動作を制動する後側制動部材を備えていることを特徴とする蓋開閉装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載された蓋開閉装置と、
鍵盤と、
を備えていることを特徴とする鍵盤楽器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鍵盤楽器などの楽器に用いられる蓋開閉装置およびそれを備えた鍵盤楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鍵盤楽器においては、特許文献1に記載されているように、鍵盤部が内蔵された楽器ケースに鍵盤部を開閉可能に覆う開閉蓋を蝶番で回転可能に取り付け、楽器ケースの前部にショックアブソーバを設け、開閉蓋が鍵盤部を覆って閉じる際に、開閉蓋の閉動作による衝撃をショックアブソーバによって緩衝する構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−115075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような鍵盤楽器では、楽器ケースに開閉蓋を蝶番によって回転可能に取り付けた構造であるから、開閉蓋の閉動作による衝撃が大きく、強い衝撃をショックアブソーバによって緩衝する必要がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、良好に開閉できる蓋開閉装置およびそれを備えた鍵盤楽器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一態様は、開閉蓋と、ガイド溝を有する軸ガイド部材と、前記開閉蓋の前側に設けられ、前記ガイド溝に沿って移動する前側ガイド軸と、前記前側ガイド軸の移動軌跡上に少なくとも一部が配置され、前記開閉蓋の閉動作を制動する第1制動部材と、前記閉動作の際に、前記前側ガイド軸が前記移動軌跡上の前記第1制動部材の少なくとも一部を押すことによって生じる前記第1制動部材の少なくとも一部の移動を制動するダンパー部と、前記ダンパー部の上端に前記第1制動部材の少なくとも一部が移動する力を前記ダンパー部に伝えるダンパーキャップと、を有する第2制動部材と、を備え、前記ダンパーキャップは、前記第1制動部材の少なくとも一部の移動を内側にガイドするガイド壁を有することを特徴とする蓋開閉装置である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、開閉蓋を良好に開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明を電子鍵盤楽器に適用した一実施形態において、開閉蓋を開いた状態を示した断面図である。
図2図1に示された電子鍵盤楽器において、開閉蓋が鍵盤部を完全に覆う前の状態を示した断面図である。
図3図2に示された電子鍵盤楽器において、開閉蓋が鍵盤部を完全に覆った状態を示した断面図である。
図4図1に示された電子鍵盤楽器における第1制動部材を示した要部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図4を参照して、この発明を電子鍵盤楽器に適用した一実施形態について説明する。
この電子鍵盤楽器は、図1図3に示すように、楽器ケース1を備えている。この楽器ケース1は、前後方向と直交する横方向の長さが長いほぼ箱状に形成されている。すなわち、この楽器ケース1は、底板2と、この底板2の前端部に起立して設けられた前板3と、底板2の後端部に起立して設けられた後板4と、底板2の両側部に起立して設けられた一対の側板5と、これら一対の側板5と後板4との上端部に配置された天板6と、を備えている。
【0010】
この場合、後板4は、図1図3に示すように、その高さが前板3の高さよりも高く形成されている。一対の側板5は、前後方向(図1では左右方向)における中間部よりも前部側が前板3の高さよりも少し高い高さで、中間部よりも後部側が後板4の高さとほぼ同じ高さで形成されている。これにより、一対の側板5は、前後方向の中間部に段差部5aが設けられ、この段差部5aよりも前側の上部が前下りに緩やかに傾斜した構造になっている。
【0011】
天板6は、図1図3に示すように、その前後方向の長さが、一対の側板5における中間部の段差部5aよりも後部側の長さとほぼ同じ長さで、一対の側板5における後部側の上端部と後板4の上端部とに張り渡されている。これにより、楽器ケース1は、天板6よりも前側が上方に開放された開放部1aが設けられ、前後方向と直交する横方向に長いほぼ箱状に形成されている。
【0012】
この楽器ケース1内には、図1図3に示すように、鍵盤部7とスピーカ8とが設けられている。鍵盤部7は、鍵盤シャーシ7a上に複数の鍵7bを並列に配列させた構造で、楽器ケース1内における前側部に配置され、複数の鍵7bが楽器ケース1の開放部1aから前部上方に露出するようになっている。スピーカ8は、楽音を放音するものであり、楽器ケース1内の後側部における両側に配置されている。
【0013】
また、この楽器ケース1には、図1図3に示すように、蓋開閉装置10が設けられている。この蓋開閉装置10は、鍵盤部7を開閉可能に覆う開閉蓋11と、この開閉蓋11を移動可能にガイドする軸ガイド部材であるガイド部材12と、開閉蓋11がガイド部材12にガイドされて鍵盤部7を覆って閉じる際に、開閉蓋11の閉動作を制動する前側制動部材13と、開閉蓋11がガイド部材12にガイドされて鍵盤部7の上側から楽器ケース1内に移動して収納される際に、開閉蓋11の開動作を制動する後側制動部材14と、を備えている。
【0014】
開閉蓋11は、図1図3に示すように、平板状の板であり、前後方向の長さが前板3の上部と側板5の中間部の段差部5aとの間の長さよりも少し長い長さで、前後方向と直交する横方向の長さが、一対の側板5間の長さとほぼ同じ長さに形成されている。これにより、開閉蓋11は、鍵盤部7の上方に配置されて楽器ケース1の開放部1aを塞いだ際に、鍵盤部7を開閉可能に覆うようになっている。
【0015】
ガイド部材12は、図1図3に示すように、一対の側板5の内面に埋め込まれたガイド板15を備えている。このガイド板15には、開閉蓋11の前端下部に設けられた前側支持部16の前側ガイド軸16aをガイドする前側ガイド溝17と、開閉蓋11の後端下部に設けられた後側支持部18の後側ガイド軸18aをガイドする後側ガイド溝19と、が設けられている。
【0016】
前側ガイド溝17は、図1図3に示すように、前端部が前板3の上側から上方にほぼ垂直に立ち上がり、この立ち上った上部から側板5の上端部に沿って楽器ケース1の後部側に向けて後部上り(つまり前下り)に緩やかに傾斜して延び、この延びた後端部が側板5の中間部の段差部5aの後部側、つまり天板6の前部の下側に対応する位置に亘って設けられている。
【0017】
後側ガイド溝19は、図1図3に示すように、その前端部が天板6の前部の下側に対応する箇所で、かつ前側ガイド溝17の後端部の上側に位置し、この前端部から楽器ケース1の後部に向けて後部下り(つまり前上り)に緩やかに傾斜して延び、この延びた後端部が後板4に接近する位置に亘って設けられている。
【0018】
これにより、ガイド部材12は、図1図3に示すように、開閉蓋11がガイド部材12にガイドされて鍵盤部7を覆って閉じる際に、前側ガイド軸16aが前下り(後部上り)傾斜した前側ガイド溝17に沿って坂を降るように移動するが、後側ガイド軸18aが前上り(後部下り)に傾斜した後側ガイド溝19に沿って坂を登るように移動することにより、開閉蓋11の閉動作の速度を減速させるようになっている。
【0019】
また、このガイド部材12は、図1図3に示すように、開閉蓋11がガイド部材12にガイドされて鍵盤部7の上側から楽器ケース1内に移動して収納される際に、後側ガイド軸18aが後部下りに傾斜した後側ガイド溝19に沿って坂を降るように移動するが、前側ガイド軸16aが後部上がりに傾斜した前側ガイド溝17に沿って坂を登るように移動することにより、開閉蓋11の閉動作の速度を減速させるようになっている。
【0020】
また、このガイド部材12は、図1図3に示すように、開閉蓋11の後端下部に設けられた後側支持部18の後側ガイド軸18aに取り付けられたピニオン20と、このピニオン20が噛み合って回転しながら移動するガイドラック21と、を備えている。このガイドラック21は、開閉蓋11の後側ガイド軸18aを後側ガイド溝19内で円滑に移動させるためのものであり、ガイド板15における後側ガイド溝19の下側にこれに沿って平行に設けられている。
【0021】
ところで、前側制動部材13は、図1図4に示すように、前側ガイド軸16aの移動軌跡上に一端部24bが配置されて開閉蓋11の閉動作を制動する第1制動部材であるばね部材24と、ガイド部材12の前部に対応する楽器ケース1の側板5とガイド板15とに跨って設けられた取付凹部13a内に配置された第2制動部材である第1ダンパー部23と、を備えている。
【0022】
第1ダンパー部23は、図4に示すように、オイルダンパーであり、開閉蓋11の閉動作の際に、前側ガイド軸16aによって押されたばね部材24の一端部24bの弾性変形を制動するようになっている。すなわち、この第1ダンパー部23は、シリンダー状のダンパー本体23aと、このダンパー本体23a内にスライド可能に挿入されて外端部が外部に突出したロッド23bと、を備えている。
【0023】
この場合、ダンパー本体23aは、図1図4に示すように、その上部がガイド板15の取付凹部13a内に配置されて楽器ケース1の前後方向と直交する横方向つまり楽器ケース1の左右方向の位置が規制されている。これにより、この第1ダンパー部23は、ばね部材24の一端部24bによってロッド23bの外端部が押された際に、ロッド23bが楽器ケース1に対して固定されたダンパー本体23a内にゆっくり押し込まれることにより、ばね部材24の一端部24bの弾性変形を制動するようになっている。
【0024】
ばね部材24は、図1図4に示すように、コイルばねであり、コイル部24aがガイド板15に設けられた第1係止部15aに係止され、一端部24bが第1ダンパー部23の上方に延びた状態でガイド板15に設けられた第2係止部15bに下側から当接して係止され、他端部24cが一端部24bの反対側に延びてガイド板15に設けられた第3係止部15cに下側から当接して係止されるようになっている。
【0025】
これにより、ばね部材24は、図1図4に示すように、他端部24cがガイド板15の第3係止部15cに係止された状態で、第1係止部15aに係止されたコイル部24aを支点として、一端部24bがガイド板15の第2係止部15bから下側に向けて弾性変形して第1ダンパー部23のロッド23bを押し下げるようになっている。
【0026】
この場合、ばね部材24の一端部24bは、図1図3に示すように、第1ダンパー部23の上方に位置した状態で、ガイド部材12の前側ガイド溝17に対応する箇所、つまり開閉蓋11の前側ガイド軸16aの移動軌跡上に延びている。この一端部24bの延びた先端には、前側ガイド軸16aが当接するゴムキャップ24dが設けられている。
【0027】
また、第1ダンパー部23は、図1図4に示すように、ロッド23bの外端部に設けられて、ばね部材24の一端部24bが押し当てられるダンパーキャップ25を備えている。このダンパーキャップ25は、その上面25aにおける両側に一対のガイド壁25bが設けられ、これら一対のガイド壁25bによってばね部材24の一端部24bをダンパーキャップ25の上面25aに逸脱することなく導いて押し当てるようになっている。
【0028】
この場合、一対のガイド壁25bの各上端部には、図4に示すように、ばね部材24の一端部24bを一対のガイド壁25bの各内面側に向けてガイドするガイド傾斜部25cがそれぞれ設けられている。これらガイド傾斜部25cは、ガイド壁25bの外側上部からガイド壁25bの内面側に向けて傾斜して設けられている。
【0029】
これにより、一対のガイド壁25bは、図4に示すように、楽器ケース1の左側の側板5に第1ダンパー部23が設けられている場合に、楽器ケース1の内部側に位置するガイド傾斜部25c、つまり図4において右側に位置するガイド傾斜部25cでばね部材24の一端部24bをガイドして一対のガイド壁25b間に配置させるようになっている。
【0030】
また、これら一対のガイド壁25bは、図4に示すように、楽器ケース1の右側の側板5に第1ダンパー部23が設けられている場合に、楽器ケース1の内部側に位置するガイド傾斜部25c、つまり図4において左側に位置するガイド傾斜部25cでばね部材24の一端部24bをガイドして一対のガイド壁25b間に配置させるようになっている。
【0031】
この場合、一対のガイド壁25bは、図1図3に示すように、楽器ケース1の前側の前端部の高さが後端部の高さよりも高くなっている。これにより、一対のガイド壁25bは、上端部が前側から後側に向けて後部下りに傾斜していることにより、ばね部材24の一端部24bが前側ガイド軸16aによって押されて弾性変位する際に、ばね部材24の一端部24bを一対のガイド壁25b間に導くようになっている。
【0032】
これにより、ダンパーキャップ25は、図1図4に示すように、ばね部材24の一端部24bが開閉蓋11の前側ガイド軸16aによって押されて弾性変形しながら第1ダンパー部23に当接する際に、ばね部材24の一端部24bを一対のガイド壁25bによってガイドしてダンパーキャップ25の上面25aに押し当てるようになっている。
【0033】
この場合、ダンパーキャップ25の上面25aは、図1図4に示すように、ばね部材24のコイル部24aを支点して、ばね部材24の一端部24bが弾性変位する際に、この一端部24bの弾性変位に応じた形状のガイド曲面に形成されている。この場合、ダンパーキャップ25の上面25aは、ばね部材24の一端部24bが弾性変位する際に、その弾性変位に伴う一端部24bの接触位置が第1ダンパー部23のロッド23bの中心軸上に位置するようにずれるガイド曲面に形成されていることが望ましい。
【0034】
これにより、前側制動部材13は、図1図2および図4に示すように、開閉蓋11がガイド部材12にガイドされて鍵盤部7を覆って閉じる際に、開閉蓋11の前側ガイド軸16aがばね部材24の一端部24bに設けられたゴムキャップ24dに上方から当接すると、開閉蓋11の重量によってばね部材24の一端部24bが撓むように弾性変形するようになっている。
【0035】
すなわち、この前側制動部材13は、図1図2および図4に示すように、開閉蓋11の重量によってばね部材24の一端部24bがコイル部24aを支点して撓むように弾性変形すると、ばね部材24の一端部24bが第1ダンパー部23のダンパーキャップ25に押し当てられて、第1ダンパー部23のロッド23bがダンパー本体23a内にゆっくり押し込まれることにより、開閉蓋11の閉動作を制動するようになっている。
【0036】
この場合、前側制動部材13は、図2図4に示すように、ばね部材24の一端部24bが第1ダンパー部23のダンパーキャップ25に押し当てられる際に、ダンパーキャップ25の上面25aがばね部材24の一端部24bの弾性変位に応じた形状のガイド曲面に形成されているため、第1ダンパー部23のロッド23bがダンパー本体23a内に良好に押し込まれる。
【0037】
また、この前側制動部材13は、図1図2および図4に示すように、開閉蓋11が鍵盤部7の上側から楽器ケース1内に向けて移動する際に、ガイド部材12の前側ガイド溝17の前端部が前板3の上側から上方にほぼ垂直に立ち上がっていても、開閉蓋11の前側ガイド軸16aがばね部材24のばね力によって押し上げられているので、軽い力で開閉蓋11の前端部が押し上げられるようになっている。
【0038】
一方、後側制動部材14は、図1図3に示すように、開閉蓋11の後部下面に設けられた第2ダンパー部であり、開閉蓋11がガイド部材12にガイドされて鍵盤部7を開放させて楽器ケース1内に収納される際に、開閉蓋11の開動作を制動するようになっている。すなわち、この後側制動部材14は、前側制動部材13の第1ダンパー部23と同様、オイルダンパーであり、シリンダー状のダンパー本体14aと、このダンパー本体14a内にスライド可能に挿入されて外端部が外部に突出したロッド14bと、を備えている。
【0039】
この後側制動部材14は、図1図3に示すように、外部に突出したロッド14bの外端部が楽器ケース1の後板4に押し当てられた際に、ロッド14bがダンパー本体14aにゆっくり押し込まれることにより、開閉蓋11の開動作を制動するようになっている。この場合、楽器ケース1の後板4の内面には、ロッド14bの外端部が当接するゴムなどの緩衝部4aが設けられている。
【0040】
これにより、後側制動部材14は、図1図3に示すように、開閉蓋11が鍵盤部7を開放させて楽器ケース1内に完全に収納される直前に、ロッド14bの外端部が楽器ケース1の後板4の内面に設けられた緩衝部4aに押し当てられて、ロッド14bがダンパー本体14aにゆっくり押し込まれることにより、開閉蓋11の開動作を制動するようになっている。
【0041】
次に、このような電子鍵盤楽器の蓋開閉装置10作用について説明する。
まず、開閉蓋11で鍵盤部7を覆う場合には、楽器ケース1内に収納されている開閉蓋11を楽器ケース1内から引き出す。このときには、開閉蓋11の前側ガイド軸16aがガイド部材12の前側ガイド溝17に沿って傾斜を降るように移動すると共に、開閉蓋11の後側ガイド軸18aがガイド部材12の後側ガイド溝19に沿って傾斜を登るように移動する。
【0042】
このため、開閉蓋11は、鍵盤部7を覆う閉動作のときに、開閉蓋11の前側ガイド軸16aが前側ガイド溝17に沿って傾斜を降るように移動しても、開閉蓋11の後側ガイド軸18aが後側ガイド溝19に沿って傾斜を登るように移動するので、開閉蓋11が早い速度で移動することがなく、ガイド部材12によって開閉蓋11の閉動作が制動されて開閉蓋11の閉動作の速度が減速される。このため、開閉蓋11がゆっくり移動する。
【0043】
そして、開閉蓋11が鍵盤部7を覆って閉じる直前では、開閉蓋11の前側ガイド軸16aが前側制動部材13のばね部材24の一端部24bに設けられたゴムキャップ24dに押し当てられる。このときには、ばね部材24の一端部24bがコイル部24aを支点として撓むように弾性変形することにより、開閉蓋11の移動速度が更に減速されると共に、ばね部材24の一端部24bが第1ダンパー部23のダンパーキャップ25に押し当てられる。
【0044】
このときには、ダンパーキャップ25の一対のガイド壁25bにおける前端部が後端部よりも高く、かつ一対のガイド壁25bにおける上端部にガイド傾斜部25cが設けられていることにより、ばね部材24の一端部24bが一対のガイド壁25bによってガイドされて確実にダンパーキャップ25の上面25aに押し当てられる。
【0045】
このときには、ダンパーキャップ25の上面25aがばね部材24の一端部24bの弾性変位に応じた形状のガイド曲面に形成されているので、ばね部材24の一端部24bがコイル部24aを支点として撓むように弾性変位しても、ばね部材24の一端部24bがダンパーキャップ25の上面25aに良好に押し当てられるので、ロッド23bがダンパー本体23a内に確実にかつ良好に押し込まれる。
【0046】
このように、第1ダンパー部23のロッド23bがばね部材24の一端部24bによって押される際には、ロッド23bがダンパー本体23aにゆっくり押し込まれるので、この第1ダンパー部23によってばね部材24の一端部24bの弾性変位を確実にかつ良好に制動して、開閉蓋11の閉動作が制動されて、開閉蓋11がゆっくり閉じる。これにより、開閉蓋11が安全に閉じられる。
【0047】
一方、開閉蓋11を楽器ケース1内に収納させて鍵盤部7を露出させる場合には、鍵盤部7の上側に配置された開閉蓋11を楽器ケース1内に向けて押し込む。このときには、ガイド部材12の前側ガイド溝17の前端部が前板3の上側から上方にほぼ垂直に立ち上がっていても、開閉蓋11の前側ガイド軸16aがばね部材24のばね力によって押し上げられているので、軽い力で開閉蓋11の前端部が押し上げられる。
【0048】
そして、開閉蓋11の前側ガイド軸16aがガイド部材12の前側ガイド溝17に沿って傾斜を登るように移動し、開閉蓋11の後側ガイド軸18aがガイド部材12の後側ガイド溝19に沿って傾斜を降るように移動する。このため、開閉蓋11は、前側ガイド軸16aが前側ガイド溝17に沿って傾斜を登るように移動しても、後側ガイド軸18aが後側ガイド溝19に沿って傾斜を降るように移動する。このため、軽い力で開閉蓋11を移動させることができる。
【0049】
また、このときには、開閉蓋11の後側ガイド軸18aが後側ガイド溝19に沿って傾斜を降るように移動しても、開閉蓋11の前側ガイド軸16aが前側ガイド溝17に沿って傾斜を登るように移動するので、開閉蓋11が早い速度で移動することがなく、ガイド部材12によって開閉蓋11の開動作が制動されて、開閉蓋11の開動作の速度が減速される。このため、開閉蓋11がゆっくり移動する
【0050】
そして、開閉蓋11が鍵盤部7を開放させて楽器ケース1内に完全に収納される直前では、開閉蓋11の後部下面に設けられた第2制御部材14が開閉蓋11の開動作を制動する。すなわち、この後側制動部材14は、開閉蓋11が楽器ケース1内に完全に収納される直前で、ロッド14bの外端部が楽器ケース1の後板4に設けられた緩衝部4aに押し当てられて、ロッド14bがダンパー本体14aにゆっくり押し込まれる。このため、開閉蓋11の開動作が制動される。
【0051】
このように、この電子鍵盤楽器の蓋開閉装置10によれば、開閉蓋11と、前側ガイド溝17を有する軸ガイド部材であるガイド部材12と、開閉蓋11の前側に設けられ、前側ガイド溝17に沿って移動する前側ガイド軸16aと、この前側ガイド軸16aの移動軌跡上に一端部24bが配置され、開閉蓋11の閉動作を制動する第1制動部材であるばね部材24と、開閉蓋11の閉動作の際に、前側ガイド軸16aが移動軌跡上のばね部材24の一端部24bを押すことによって生じる一端部24bの弾性変位を制動する第2制動部材である第1ダンパー部23と、を備えていることにより、開閉蓋11を良好に開閉することができる。
【0052】
すなわち、この蓋開閉装置10では、開閉蓋11が鍵盤部7を覆って閉じる際に、前側ガイド軸16aの移動軌跡上に一端部24bが配置され、開閉蓋11の閉動作を制動するばね部材24を備えていることにより、開閉蓋11の前側ガイド軸16aが第1ダンパー部23に押し当てられる前に、ばね部材24のばね力によって開閉蓋11の閉動作を確実にかつ良好に制動して減速させることができ、これにより第1ダンパー部23に対する開閉蓋11の衝撃を緩衝することができる。
【0053】
この場合、ばね部材24は、コイルばねであり、コイル部24aが楽器ケース1の第1係止部15aに係止され、一端部24bが第1ダンパー部23の上方に延びた状態で楽器ケース1の第2係止部15bに係止され、他端部24cが一端部24bの反対側に延びて楽器ケース1の第3係止部15cに係止され、この状態で第1係止部15aに係止されたコイル部24aを支点として、一端部24bが開閉蓋11の前側ガイド軸16aによって押されて第2係止部15bから離れて弾性変形することにより、開閉蓋11の閉動作を確実にかつ良好に制動させることができる。
【0054】
また、ばね部材24は、一端部24bの先端に前側ガイド軸16aが当接するゴムキャップ24dが設けられていることにより、前側ガイド軸16aがばね部材24の一端部24bに当接する際の衝撃をゴムキャップ24dによって緩衝することができ、これにより衝撃音の発生を防ぐことができるので、開閉蓋11を良好に閉じることができる。
【0055】
また、この蓋開閉装置10では、ガイド部材12の前部に対応する楽器ケース1に設けられた第1ダンパー部23を備えていることにより、開閉蓋11がガイド部材12にガイドされて鍵盤部7を覆って閉じる開閉蓋11の閉動作が終了する直前に、ばね部材24の一端部24bがダンパーキャップ25を介して第1ダンパー部23に押し当てられた際に、第1ダンパー部23によって開閉蓋11の閉動作を制動することにより、安全に開閉蓋11を閉じることができる。
【0056】
この場合、前側制動部材13の第1ダンパー部23は、オイルダンパーであり、シリンダー状のダンパー本体23aと、このダンパー本体23a内にスライド可能に挿入されて外端部が外部に突出したロッド23bと、を備えていることにより、開閉蓋11の前側ガイド軸16aによって弾性変位したばね部材24の一端部24bがロッド23bに押し付けられた際に、ロッド23bがダンパー本体23aにゆっくり押し込まれるので、開閉蓋11の閉動作を確実にかつ良好に制動することができる。
【0057】
また、第1ダンパー部23は、ばね部材24の一端部24bが開閉蓋11の前側ガイド軸16aによって弾性変形しながら第1ダンパー部23に当接する際に、ばね部材24の一端部24bをガイドするダンパーキャップ25を備えていることにより、ばね部材24のコイル部24aを支点として、ばね部材24の一端部24bが開閉蓋11の前側ガイド軸16aによって押されて弾性変位する際に、ダンパーキャップ25によってばね部材24の一端部24bを第1ダンパー部23に確実にかつ良好に押し当てることができる。
【0058】
この場合、ダンパーキャップ25の上面25aは、ばね部材24の一端部24bがコイル部24aを支点として弾性変位する際に、ばね部材24の一端部24bの弾性変位に応じた形状のガイド曲面であることにより、ばね部材24の一端部24bが弾性変位しても、ばね部材24の一端部24bを第1ダンパー部23に確実にかつ良好に押し当てることができる。
【0059】
また、ダンパーキャップ25は、ガイド曲面である上面25aの両側に設けられて、ばね部材24の一端部24bをガイド曲面に向けてガイドする一対のガイド壁25bを備えていることにより、ばね部材24の一端部24bが弾性変位してダンパーキャップ25に押し当てられる際に、一対のガイド壁25bによってばね部材24の一端部24bをガイドすることができ、これによりばね部材24の一端部24bをダンパーキャップ25の上面25aに逸脱することなく確実にかつ良好に導いて押し当てることができる。
【0060】
また、ダンパーキャップ25における一対のガイド壁25bの各上端部には、ばね部材の一端部24bを一対のガイド壁25bの各内面に向けてガイドするガイド傾斜部25cが設けられていることにより、ばね部材24の一端部24bが弾性変位してダンパーキャップ25に押し当てられる際に、ガイド傾斜部25cによってばね部材24の一端部24bを一対のガイド壁25b間に確実にかつ良好にガイドすることができ、これによりばね部材24の一端部24bをダンパーキャップ25の上面25aに確実にかつ良好に導いて押し当てることができる。
【0061】
さらに、ダンパーキャップ25における一対のガイド壁25bは、楽器ケース1の前側の前端部の高さが後端部の高さよりも高いことによっても、ばね部材24の一端部24bが弾性変位してダンパーキャップ25に押し当てられる際に、ガイド傾斜部25cによってばね部材24の一端部24bを一対のガイド壁25b間に確実にかつ良好にガイドすることができ、これによりばね部材24の一端部24bをダンパーキャップ25の上面25aに確実にかつ良好に導いて押し当てることができる。
【0062】
また、この蓋開閉装置10では、開閉蓋11がガイド部材12にガイドされて鍵盤部7を開放させて楽器ケース1内に収納される開閉蓋11の開動作が終了する直前に、開閉蓋11の開動作を制動する後側制動部材である後側制動部材14を備えていることにより、開閉蓋11を楽器ケース1内に収納する際に、開閉蓋11の開動作を確実にかつ良好に制動することができ、これにより安全性を確保することができる。
【0063】
すなわち、後側制動部材である後側制動部材14は、開閉蓋11の後部に設けられた第2ダンパー部であり、開閉蓋11がガイド部材12にガイドされて鍵盤部7を開放させて楽器ケース1内に収納される開閉蓋11の開動作が終了する直前に、開閉蓋11の開動作を制動することにより、開閉蓋11を楽器ケース1内に収納する際に、開閉蓋11の開動作を確実にかつ良好に制動することができ、これにより安全性を確保することができる。
【0064】
この場合、後側制動部材14は、前側制動部材13の第1ダンパー部23と同様、オイルダンパーであり、シリンダー状のダンパー本体14aと、このダンパー本体14a内にスライド可能に挿入されて外端部が外部に突出したロッド14bと、を備えていることにより、ロッド14bの外端部が楽器ケース1の後板4の緩衝部4aに押し当てられた際に、ロッド14bがダンパー本体14aにゆっくり押し込まれるので、開閉蓋11の開動作を確実にかつ良好に制動することができる。
【0065】
また、この蓋開閉装置10では、ガイド部材12が楽器ケース1に設けられて、開閉蓋11を移動可能にガイドする際に、開閉蓋11の移動速度を減速させることができる。ので、すなわち、ガイド部材12は、開閉蓋11の前部に設けられた前側ガイド軸16aをガイドする前側ガイド溝17が前部側から後部側に向けて後部上りに傾斜して設けられ、開閉蓋11の後部に設けられた後側ガイド軸18aをガイドする後側ガイド溝19が前部側から後部側に向けて後部下りに傾斜して設けられていることにより、開閉蓋11を移動させて鍵盤部7を開閉する際に、開閉蓋11の開閉動作の速度を減速させることができ、これにより開閉蓋11を安全に移動させることができる。
【0066】
すなわち、この蓋開閉装置10では、鍵盤部7を覆う閉動作のときに、開閉蓋11の前側ガイド軸16aが前側ガイド溝17に沿って傾斜を降るように移動しても、開閉蓋11の後側ガイド軸18aが後側ガイド溝19に沿って傾斜を登るように移動するので、開閉蓋11が早い速度で移動することがなく、ガイド部材12によって開閉蓋11の閉動作を制動して開閉蓋11の閉動作の速度を減速させることができ、これにより開閉蓋11を安全にゆっくり移動させることができる。
【0067】
また、この蓋開閉装置10では、鍵盤部7を開放する開動作のときに、開閉蓋11の後側ガイド軸18aが後側ガイド溝19に沿って傾斜を降るように移動しても、開閉蓋11の前側ガイド軸16aが前側ガイド溝17に沿って傾斜を登るように移動するので、開閉蓋11が早い速度で移動することがなく、ガイド部材12によって開閉蓋11の開動作を制動して開閉蓋11の開動作の速度を減速させることができ、これにより開閉蓋11を安全にゆっくり移動させることができる。
【0068】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0069】
(付記)
請求項1に記載の発明は、開閉蓋と、ガイド溝を有する軸ガイド部材と、前記開閉蓋の前側に設けられ、前記ガイド溝に沿って移動する前側ガイド軸と、前記前側ガイド軸の移動軌跡上に少なくとも一部が配置され、前記開閉蓋の閉動作を制動する第1制動部材と、前記閉動作の際に、前記前側ガイド軸が前記移動軌跡上の前記第1制動部材の少なくとも一部を押すことによって生じる前記第1制動部材の少なくとも一部の移動を制動する第2制動部材と、を備えていることを特徴とする蓋開閉装置である。
【0070】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蓋開閉装置において、前記第2制動部材は、前記第1制動部材の少なくとも一部の移動を制動するダンパー部と、前記ダンパー部の上端に前記第1制動部材の少なくとも一部が移動する力を前記ダンパー部に伝えるダンパーキャップと、を備えていることを特徴とする蓋開閉装置である。
【0071】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の蓋開閉装置において、前記ダンパーキャップは、前記第1制動部材の少なくとも一部の移動を内側にガイドするガイド壁を有することを特徴とする蓋開閉装置である。
【0072】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の蓋開閉装置において、前記ガイド壁の上端に前記第1制動部材の少なくとも一部を当該ダンパーキャップの内側にガイドするガイド傾斜部が設けられていることを特徴とする蓋開閉装置である。
【0073】
請求項5に記載の発明は、請求項3〜請求項4のいずれかに記載の蓋開閉装置において、前記ガイド壁の高さは、前側の方が後側より高いことを特徴とする蓋開閉装置である。
【0074】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項5のいずれかに記載の蓋開閉装置において、前記軸ガイド部材は、前記第2制動部材の左右方向の移動を規制していることを特徴とする蓋開閉装置である。
【0075】
請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求項6のいずれかに記載の蓋開閉装置において、前記第1制動部材は、前記前側ガイド軸の移動軌跡上に少なくとも一部が配置されるゴムキャップを含む一端部と、前記軸ガイド部材に設けられる係止部に係止される他端部と、前記軸ガイド部材に設けられる軸に軸支されているコイル部と、を含むばね部材であり、前記ダンパーキャップは、上面に前記一端部の動きに応じた曲面を含むことを特徴とする蓋開閉装置である。
【0076】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の蓋開閉装置において、前記開閉蓋の後側に、前記開閉蓋が前記軸ガイド部材にガイドされて開動作する際に前記開閉蓋の開動作を制動する後側制動部材を備えていることを特徴とする蓋開閉装置である。
【0077】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載された蓋開閉装置と、鍵盤と、を備えていることを特徴とする鍵盤楽器である。
【符号の説明】
【0078】
1 楽器ケース
1a 開放部
7 鍵盤部
10 蓋開閉装置
11 開閉蓋
12 ガイド部材
13 前側制動部材
14 後側制動部材
14a、23a ダンパー本体
14b、23b ロッド
15 ガイド板
16 前側支持部
16a 前側ガイド軸
17 前側ガイド溝
18 後側支持部
18a 後側ガイド軸
19 後側ガイド溝
23 第1ダンパー部
24 ばね部材
24a コイル部
24b 一端部
24c 他端部
25 ダンパーキャップ
25a 上面
25b ガイド壁
25c ガイド傾斜部

図1
図2
図3
図4