【実施例1】
【0012】
本実施例では、電磁ノイズ量の変化に応じて車両の駆動を制御する制御装置の例を説明する。
【0013】
図1は、本実施例の制御装置の構成図の例である。
【0014】
制御装置100は、車両走行制御部101、走行駆動部102、駆動部センサ104、駆動部センサ信号制御部104、周辺状況把握センサ105、周辺状況把握センサ信号制御部106を、信号変換部210、電磁ノイズ解析部220、解析結果判定部230と、を有する。
【0015】
車両走行制御部101は、車両のハンドルやアクセルなどの操作部(図示せず)からの操作信号であるドライバ操作情報301や周辺状況センサ信号制御部と駆動部センサからのセンサ信号303等の車両の運転情報を元に、車両を駆動させるための駆動制御信号302と、当該駆動制御信号302で駆動した車両の駆動状態を示す物理量である車両の速度、モータのトルクや回転数、回転速度などの車両駆動パラメータ310を出力する。駆動制御信号302は、例えばインバータの出力周波数を制御する信号やインバータがモータの回転数を制御して駆動させる信号などである。
【0016】
なお、車両走行制御部101には、直接実走行パターンを入力し、それに基づいて駆動制御信号302を出力するようにしてもよい。ここで、実走行パターンは、
図4に示すように、ドライバの運転や自動運転により、時間に対して車両が加減速したり、一定速で走行した実際の走行パターンのことをいう。
【0017】
車両駆動パラメータ310は、信号変換部210で車両の駆動状態を表す物理パラメータから、電圧、電流、周波数、インピーダンス、伝達関数などの電磁ノイズに関連する電気的なパラメータであるノイズパラメータ320に変換される。信号変換部210の詳細は、電磁ノイズ解析部220とともに後述する。
【0018】
なお、ノイズパラメータの例としては、例えばインバータに印加する電圧、インバータに流れる電流、インバータが出力する周波数、インバータが持つインピーダンス等などがある。すなわち、車両を構成する各コンポーネントに印加される電圧、流れる電流、出力される周波数等であればよい。
【0019】
走行駆動部102は、車両走行制御部101からの駆動制御信号302の入力を受け、車両の走行を駆動する。走行駆動部102は、例えばインバータやモータなどである。
【0020】
駆動部センサ104は、走行駆動部102の駆動状態を検出する。走行駆動部102の駆動状態とは、例えば、インバータを流れる電流値やインバータが出力する周波数などである。
【0021】
駆動部センサ信号制御部104は、駆動部センサ104が検出した値を信号にして車両走行制御部101に出力する。
【0022】
周辺状況把握センサ105は、車両の周囲の状況を検出して把握する。周辺状況把握センサ105は、例えば白線検知カメラや周辺監視カメラなどである。周辺状況把握センサ信号制御部106は、周辺状況把握センサが検出した状況を信号にして車両走行制御部101に出力する。
【0023】
電磁ノイズ解析部220は、ノイズパラメータ320を入力とし例えば車両全体の電磁ノイズを解析し、解析結果判定部230に解析結果を出力する。ここで、解析結果には、ある時間での電磁ノイズの周波数と強度の関係やある周波数に対しての時間と電磁ノイズ強度の関係などの電磁ノイズ量に関する解析結果が含まれる。
【0024】
解析結果判定部230は、あらかじめ決めた閾値をもって解析結果を判定し、解析結果の電磁ノイズ量が閾値を超える場合には閾値を超えた時の車両駆動パラメータ310と電磁ノイズ判定結果340をひも付けて車両走行制御部101に出力する。
【0025】
車両走行制御部101は、電磁ノイズ判定結果340と問題となる車両駆動パラメータ310から、駆動制御信号302を電磁ノイズが減少するように変更し、走行駆動部102を制御する。例えば、車両走行制御部101は、インバータが出力する周波数の強度を減少させることで、閾値以上の電磁ノイズ量が発生する車両駆動パラメータ310での電磁ノイズ量を減少させることができる。
【0026】
なお、図示しない記憶部に閾値以上の電磁ノイズ量が発生する車両駆動パラメータを電磁ノイズ情報341として保持させてもよい。そして、車両走行制御部101が当該記憶部に保持した車両駆動パラメータ310を出力する際、記憶部に保持した車両駆動パラメータ310と一致するか比較させ、これらが一致する場合に、解析結果判定部230からの出力がなくても電磁ノイズ量が減少するように駆動制御信号302を出力するようにしてもよい。これにより、一度影電磁ノイズを受けたのであれば、電磁ノイズ解析をせずとも事前に電磁ノイズ量を低減することができる。
【0027】
また、車両走行制御部101は、電磁ノイズ情報341を駆動部センサ信号制御部104と周辺状況把握センサ信号制御部106に出力し、センサ信号303および304の通信方式をノイズに強い通信方式に変更するようにしてもよい。これは例えば通信速度は落ちるが誤り訂正処理を付加した通信方式を適用すればよい。また、駆動部センサ信号制御部104と周辺状況センサ信号制御部106では、電磁ノイズ情報341に基づき、駆動部センサ103および周辺状況把握センサ106のセンサ情報から電磁ノイズを減算し、センサ情報自体のノイズ影響を低減してもよい。これにより、安定した通信を実現することができる。
【0028】
次に、信号変換部210および電磁ノイズ解析部220の詳細について述べる。
【0029】
図2は、実施例1における制御装置の電磁ノイズ解析部の構成の一例である。電磁ノイズ解析部220は、部品要素ごとに分割されており、車両コンポーネント回路モデル221、車両コンポーネント構造モデル222、車両構造モデル223、被害機器モデル250、照射モデル240で構成される。電磁ノイズの解析上、これらのモデルは、部品ごとに入れ替え可能であり、それぞれ以下の入出力ポートで他のコンポーネントモデルと接続される。
【0030】
車両コンポーネント回路モデル221は、例えば車両内のインバータやモータ等のコンポーネントを等価回路で表した等価回路モデルである。車両コンポーネント回路モデル221は、ノイズパラメータ320の入力ポートと、電流/電圧321の入出力ポートを有する。車両コンポーネント回路モデル221は、自身の入出力ポートと他の車両コンポーネント回路モデル221や車両コンポーネント構造モデル222の入出力ポートとを接続することで、他のモデルとの情報の入出力を行う。
【0031】
例えば、信号変換部210と車両コンポーネント回路モデル221間はノイズパラメータ320、車両コンポーネント回路モデル221同士、車両コンポーネント回路モデル221と車両コンポーネント構造モデル222間、および車両コンポーネント回路モデル221と照射モデル240間は電流/電圧321の情報をそれぞれ入出力ポートを介して入出力を行う。また、解析結果判定部230には電流/電圧321を出力する。
【0032】
例えば、車両コンポーネントがインバータであれば、インバータに印加する電圧と流れる電流がインバータの等価回路(
図7参照)の入出力ポート(
図7のPos、Neg、G)から入力される。そして、等価回路で計算された電圧/電流は入出力ポート(
図7のU、V、W、G)から例えば配線の等価回路の入出力ポートに入力される。また、これら計算された電圧/電流は、入出力ポートを介してインバータの構造モデルに入力される。このように、あるコンポーネントの等価回路はそのコンポーネントの構造モデルと入出力ポートを介して接続され、一組となっているとみなしてもよい。
【0033】
車両コンポーネント構造モデル222は、例えば車両内のインバータやモータ等のコンポーネントの物理構造を持つ電磁界解析モデルである。車両コンポーネント構造モデル222は、電流/電圧321、電流/電圧/電磁波330の入出力ポートを有し、この入出力ポートを他の車両コンポーネント構造モデル222等の入出力ポートに接続することで、情報の入出力を行う。
【0034】
例えば、車両コンポーネント回路モデル221と車両コンポーネント構造モデル222間は電流/電圧321、車両コンポーネント構造モデル222同士、車両コンポーネント構造モデル222と車両構造モデル223間、および車両コンポーネント構造モデル222と照射モデル240間は電流、電圧、電磁波330の情報をそれぞれ入出力ポートを介して入出力する。また、解析結果判定部230には電流/電圧/電磁波330を出力する。
【0035】
なお、
図2において、車両コンポーネント回路モデル221と車両コンポーネント構造モデル222の数はそれぞれ2個であるが、これに限定されず、3個以上であってもよい。以下、各モデルの数は図に記載の数に限定されない。
【0036】
車両構造モデル223は、例えば車両自体の物理構造を持つ電磁界解析モデルである。車両構造モデル223は、電流/電圧/電磁波330の入出力ポートを有し、この入出力ポートを車両コンポーネント構造モデルの入出力ポートを接続することで、情報の入出力を行う。
【0037】
例えば、車両コンポーネント構造モデル222と車両構造モデル223間、車両構造モデル223と被害機器モデル250間、車両構造モデル223と照射モデル240間は電流/電圧/電磁波330の情報をそれぞれ入出力し、解析結果判定部230には電流/電圧/電磁波330を出力する。
【0038】
被害機器モデル250は、例えば車両内にある周辺状況把握センサ105や駆動部センサ103等の装置の物理構造を持つ電磁界解析モデルである。被害機器モデル250は、電磁界解析モデル単体でもよく、等価回路やSパラメータ等の回路モデルを有してもよい。被害機器モデル250は、電流/電圧/電磁波330の入出力ポートを有するし、例えば車両構造モデル223間は電流/電圧/電磁波330の情報を入出力し、解析結果判定部230には電流/電圧/電磁波330を出力する。
【0039】
照射モデル240は、例えば電磁界解析空間内に存在するアンテナ、もしくは印加用の電流プローブ等の物理構造を持って電磁波を照射する電磁界解析モデルである。照射モデル240は、電磁界解析モデル単体もしくは等価回路やSパラメータ等の回路モデルでもよく、また、電磁界解析空間のある面における平面波でもよい。照射モデル240は、電流/電圧321もしくは、電流/電圧/電磁波330のポートを有し、上述の通り、各モデルと接続される。照射モデル240は、解析結果判定部230には電流/電圧/電磁波330を出力する。
【0040】
解析結果判定部230は、各モデルから出力された電流/電圧321もしくは、電流/電圧/電磁波330の値が、あらかじめ決めた閾値を超えていないかを判定する。解析結果判定部230は、各モデルから出力された電流/電圧321もしくは、電流/電圧/電磁波330の値が予め定めた閾値を超えている場合にはドライバ操作情報301とともに車両走行制御部101に出力する。
【0041】
本閾値は、電磁干渉が起こると考えられる値に対して安全係数をかけた値に設定することが望ましい。また、閾値を超えていなくても、例えば解析結果判定部230で電磁ノイズ解析部220から出力された電圧/電流/電磁波330の値の積分値を監視し、閾値を超える予兆を検出しても良い。これにより、電磁ノイズの影響が出る前に予防することができる。
【0042】
次に、
図3を用いて、本実施例における制御のフローについて説明する。
図3は、実施例1における制御装置のフローチャートの一例である。本制御は、例えば車両が運転中であれば開始される。
【0043】
車両走行制御部に入力されたドライバ操作情報S301は、車両駆動パラメータに変換されたあとに(S302)、信号変換部210によりノイズパラメータに変換される(S303)。このとき、ドライバ操作情報S301ではなく、実走行パターンを用いてもよい。これにより、実走行パターンをシミュレーションした電磁ノイズ解析が可能になる。
【0044】
変換されたノイズパラメータは、車両モデルデータベース520に格納された車両コンポーネント回路モデル221に入力され、本ノイズパラメータを元に車両コンポーネント回路モデルが駆動され、等価回路解析が実行される(S304)。等価回路解析で求められた電流/電圧は、車両モデルデータベースに格納された車両コンポーネント構造モデル222と車両構造モデル223に入力され、電磁ノイズ解析が実行される(S305)。
【0045】
電磁ノイズ解析の結果、電磁ノイズ量が予め定めた閾値を超える場合には(S306)、ノイズ判定結果を出力し(S307)、車両駆動制御信号を変更するとともに(S309)、センサの通信方式を変更し(S308)、変更された車両駆動制御信号に基づき再度、電磁ノイズ解析が実行される。一方、電磁ノイズ量が閾値を超えない場合には(S306)、一連の制御を終了する。そして、車両がまだ運転中であれば、また一連の制御を開始する。なお、車両が運転中の場合、制御を終了させずにそのまま現在のドライバ操作情報501に基づいて制御のフローを回し続けるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0046】
次に、車両のモータを例に車両コンポーネント回路モデル221と信号変換部210を説明する。車両コンポーネント回路モデル221は、例えば
図5に示すように3相モータの各相のインピーダンスZ
U、ZV、ZWとGNDのインピーダンスZGZ
Gで表される。
図6に示すように各相のインピーダンスは、例えばモータの回転速度ωによって時間的に変化する。信号変換部210ではインピーダンスZを回転速度ωの関数として有し、時間ごとに変化するωに応じて、インピーダンスZを出力する。出力されたZは
図5の各相のインピーダンスに入力される。
【0047】
なお、モータの回転速度は、車両の実走行パターンや運転情報などを車両走行制御部101へ入力することで出力される車両駆動パラメータの一つである。
【0048】
またインバータを例にすると、車両コンポーネント回路モデル221は例えば
図7に示すように3相モータの各相に接続される電流源(IU,IV、IW)と、バッテリに接続される電流源(IPOS、INEG)として表される。
図8に示すように各電流は、例えばモータの回転速度ωによって変化する。信号変換部210では電流Iを回転速度ωの関数として有し、時間ごとに変化するωに応じて、電流Iを出力する。出力された電流Iは
図7の各電流源に入力され、これらの入力された電流により車両コンポーネント回路モデル211が駆動される。
【0049】
車両コンポーネント回路モデル221が駆動されて得られる電流/電圧321は、
図9に示すように車両コンポーネント構造モデル222や車両構造モデル223を用いた解析の入力となる。車両コンポーネント構造モデル222や車両構造モデル223は、上記車両コンポーネント回路モデル221から入力される電流/電圧321によって駆動される。
【0050】
車両構造モデルが駆動することによって計算される電流/電圧、電磁界330は解析結果判定部230に出力され、解析結果判定部230では例えば
図10のようにある特定の周波数の時間波形に対して設けられた閾値によってノイズ強度を判断する。これにより、電磁ノイズ量が閾値を超えるタイミングを正確に把握することができる。また、
図11のようにある時間でのノイズ強度を周波数軸上で閾値を超えたかどうか判断してもよい。これにより、電磁ノイズの周波数毎に最適な閾値を設定することができ、周波数毎の対策ができるようになる。
【0051】
また、例えば車両内にある周辺状況把握センサ105や駆動部センサ103等の装置を被害機器モデル250で表し、これら機器に対する電磁ノイズ影響を解析結果判定部230で判定してもよい。これにより、電磁ノイズの影響を特に与えたくない機器を考慮して電磁ノイズ量を算出することができる。
【0052】
また、更に例えば外部から車両に向けて電磁ノイズが照射された場合を想定し、照射モデル240を用いても良い。これは、例えばアンテナや規格試験用いられる電流プローブであり、例えば物理的な形状と等価回路を有し、規格等で決められたエネルギの印加状態を保っている。これにより車両走行中に、車両や被害機器に、外部から電磁波などのエネルギーの照射がある場合にもどの程度影響が出るかを判定することが可能となり、より車両走行の安全性を向上することができる。
【0053】
図1に示した制御装置の他に、
図2に示す構成を電磁ノイズ解析装置として、電磁ノイズ解析のみを行うことも可能である。仮想のドライバ操作情報301や実走行パターンを入力として、先述の通り解析を行う。仮想のドライバ操作情報301に合わせて電磁ノイズ解析結果を得ることで、電磁ノイズ上昇の原因解析や、被害機器への影響、照射耐性の解析を行うことが可能である。
【0054】
なお、車両の実走行パターンや運転情報、車両駆動パラメータ、ノイズパラメータ、車両コンポーネント回路モデル、車両コンポーネント構造モデル、車両構造モデルなどの電磁ノイズ解析に用いる情報やその電磁ノイズ解析の解析結果などは、車両または電磁ノイズ解析装置、制御装置に設けた表示部(図示しない)に表示するようにしてもよい。これにより、ドライバはリアルタイムで電磁ノイズの解析結果を知ることができ、どのタイミングで閾値以上の電磁ノイズが発生したか容易に把握できるようになる。表示部には、例えば
図12に示すような形で、走行パターンとノイズ量を同時に表示し、ノイズが閾値を超えた場合には走行パターンとノイズ解析結果の双方を例えばハイライトで表示するとよい。これにより、どのような走行パターンで走行すれば電磁ノイズが発生するか簡単に確認できるようになる。
【0055】
以上、本実施例によれば、操作部からのドライバ操作情報や周辺状況センサ信号制御部のセンサ信号から車両走行の駆動制御を行う際に、電磁ノイズの影響の有無を車両走行の駆動制御にフィードバックをかけることができる。これにより、電磁ノイズの影響を減らして車両の走行を駆動制御することができる。
【実施例2】
【0056】
本実施例では、
図13〜15を用い、車両だけでなく家庭や建物の電力網の駆動を制御する充放電制御装置の例を説明する。特に、充放電制御装置を用いて車両に充電する場合の例について説明する。なお、説明が実施例1と重複する部分については省略する。
図13は、本実施例の充放電制御装置の構成を示す一例である。なお、
図13では、実施例1におけるドライバ運転情報301、車両走行制御部101、走行駆動部102、駆動部センサ103、駆動部センサ信号制御部104が、それぞれ機器操作情報401、機器制御部401、機器駆動部402、機器駆動部センサ403、機器駆動部センサ信号制御部404に置き換わっているが、技術的な思想としては実施例1と同様である。
【0057】
充放電制御装置400は、機器制御部401、機器駆動部402、機器駆動部センサ402、機器駆動部センサ信号制御部404、周辺状況把握センサ105、周辺状況把握センサ信号制御部106、信号変換部210、電磁ノイズ解析部220、解析結果判定部230と、を有する。
【0058】
機器制御部401は、機器操作信号501を元に、各機器を駆動制御するための制御信号302と、機器動作特性を示す物理量である充放電率や機器動作信号を機器動作特性パラメータ411として出力する。機器動作特性パラメータ411は、信号変換部210で機器特性を表す物理パラメータから、電圧、電流、周波数、インピーダンス、伝達関数などの電磁ノイズに関連する電気的なパラメータであるノイズパラメータ320に変換される。
【0059】
機器駆動部402は、機器制御部401からの制御信号302を受けて駆動する。機器駆動部402は、例えば太陽光パネル、インバータなどである。
【0060】
機器駆動部センサ403は、機器駆動部402の駆動状態を検出する。機器駆動部402の駆動状態とは、例えば太陽光の出力電圧、インバータの電流値などである。
【0061】
機器駆動部センサ信号制御部404は、機器駆動部センサ403が検出した駆動状態をセンサ信号として機器制御部401に出力する。
【0062】
図14は、実施例2における電磁ノイズ解析部の構成の一例を示す図である。
【0063】
機器コンポーネント回路モデル421は、例えば家庭内の太陽光発電機器のインバータ等のコンポーネントの回路モデルである。車両コンポーネント回路モデル221と同じ入出力ポートを有する。またm機器コンポーネント構造モデル422は、車両コンポーネント構造モデル222と同様の入出力ポートを有する。更に、設備内機器構造モデル423は、車両構造モデル223と同様の入出力ポートを有する。
【0064】
設備構造モデル424は、例えば車両の給電設備を備えた家全体を表す電磁界解析モデルである。設備構造モデル424は、電流/電圧、電磁波330の入出力ポートを有し、この入出力ポートを介して情報のやりとりをする。例えば、車両構造モデル223、設備内機器構造モデル423間、被害機器モデル250間、照射モデル240間は電流/電圧/電磁波330の情報をそれぞれ入出力し、解析結果判定部230には電流/電圧/電磁波330を出力する。
【0065】
電磁ノイズ解析部220は、ノイズパラメータ320を入力とし例えば家全体の電磁ノイズ量を解析し、解析結果判定部230に電磁ノイズ量の解析結果を出力する。解析結果判定部230は、あらかじめ決めた閾値をもって電磁ノイズ量の解析結果を判定する。解析結果判定部230は、電磁ノイズ量の解析結果が閾値を超える場合には閾値を超えた際の家庭内の機器動作特性パラメータ411と電磁ノイズ判定結果340を機器動作制御部401に出力する。
【0066】
機器動作制御部401では、電磁ノイズ判定結果340と問題となる機器動作特性パラメータ411から、制御信号302を電磁ノイズが減少するように変更し、機器駆動部402を制御する。これにより、電磁ノイズの影響を減らして各機器を駆動制御できる。
【0067】
また、電磁ノイズ情報341を機器駆動部センサ信号制御部404と周辺状況把握センサ信号制御部106に出力し、センサ信号303および304の通信方式を変更する。また駆動部センサ信号制御部104と周辺状況センサ信号制御部106では、電磁ノイズ情報340に基づき、駆動部センサ103および周辺状況把握センサ106のセンサ情報から電磁ノイズを減算し、ノイズ影響を低減してもよい。これにより、電磁ノイズの影響が一定期間だけ強くなったとしても、最適な通信方式になり安定した通信を行うことができる。
【0068】
図15は、実施例2における充放電制御装置の制御フローチャートの一例である。本制御は、例えば機器が動作中の場合に開始される。
【0069】
機器操作情報S1511は、機器制御部401によって機器動作特性パラメータに変換されたあとに(S1512)、信号変換部210によりノイズパラメータに変換される(S1513)。ノイズパラメータは、機器モデルデータベース1520に格納された機器コンポーネント回路モデル422および車両コンポーネント回路モデル221に入力され、本パラメータを元に等価回路モデルが駆動され、等価回路解析が実行される(S1514)。等価回路解析で求められた電流/電圧は、機器モデルデータベースに格納された機器コンポーネント構造モデル422、車両コンポーネント構造モデル222、設備内危機構造モデル423、車両構造モデル223および設備構造モデル424に入力され、電磁ノイズ解析が実行される(S1515)。電磁ノイズ解析の結果、電磁ノイズ量が予め定めた閾値を超える場合には(S1516)ノイズ判定結果を出力し(S1517)、機器制御信号を変更するとともに(S1519)、センサの通信方式を変更し(S1518)、変更された機器制御信号に基づき再度、電磁ノイズ解析が実行される。
【0070】
一方、電磁ノイズ量が閾値を超えない場合には、制御のフローを終了する。そして、機器がまだ動作中であれば、再度制御フローを開始する。なお、車両が運転中の場合、制御を終了させずにそのまま現在のドライバ操作情報1511に基づいて制御のフローを回し続けるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0071】
以上、本実施例によれば、車両だけでなく充放電制御装置まで電磁ノイズの影響を検出し、それに応じた制御をすることで、例えば車両を充電する際であっても電磁ノイズの影響を低減することができる。なお、電磁ノイズ低減の効果は、車両を充電していない状態で充放電の設備が稼働している場合にも得ることができるのは言うまでもない。
【0072】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0073】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0074】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。