特許第6778818号(P6778818)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6778818量子ドット分散液、自発光感光性樹脂組成物、これを利用して製造されたカラーフィルターおよび画像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6778818
(24)【登録日】2020年10月14日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】量子ドット分散液、自発光感光性樹脂組成物、これを利用して製造されたカラーフィルターおよび画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20201026BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20201026BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20201026BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   G02B5/20
   G03F7/004 507
   G03F7/004 501
   C08F2/44 A
   G09F9/30 349A
   G02B5/20 101
【請求項の数】9
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2019-525834(P2019-525834)
(86)(22)【出願日】2017年9月20日
(65)【公表番号】特表2020-512570(P2020-512570A)
(43)【公表日】2020年4月23日
(86)【国際出願番号】KR2017010278
(87)【国際公開番号】WO2018093034
(87)【国際公開日】20180524
【審査請求日】2019年5月14日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0151955
(32)【優先日】2016年11月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE−CHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヒュン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュ ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒュン ジュ
【審査官】 井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−009995(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/032630(WO,A1)
【文献】 特開2016−071362(JP,A)
【文献】 K. H. Ibnaouf et. al.,Influence of the solvent environments on the spectral features of CdSe quantum dots with and without ZnS shell,Journal of Luminescence,2014年,149,369-373
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
C08F 2/44
G03F 7/004
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子ドットおよび溶剤を含み、前記溶剤は、下記数式1のハンセン溶解度パラメーター(Hansen solubility parameter)の条件を満たし、
前記溶剤は、tert−ブチルアセテート、sec−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、2−メチルブチルアセテート、2−ペンチルアセテート、ネオペンチルアセテート、3−メチルブタン−2−イルアセテート、イソアミルアセテート、n−ペンチルアセテート、tert−アミルアセテート、3−ペンチルアセテート、2−ヘキシルアセテート、3−メチルペンチル3−アセテート、3−ヘキシルアセテート、2,3−ジメチル−2−ブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2,3−ジメチルブチルアセテート、3−メチル−1−ペンチルアセテート、3,3−ジメチルブチルアセテート、n−ヘキシルアセテート、4−メチル−1−ペンチルアセテート、2−メチル−3−ペンチルアセテート、4−メチル−2−ペンチルアセテート、2−メチルペンタン−2−イルアセテート、1−メチルヘキシルアセテート、1−ヘプチルアセテート、1,1,2,2−テトラメチルプロピルアセテート、5−メチルヘキシルアセテート、エチルイソアミルアセテート、4−ヘプチルアセテート、5−メチルヘキサン−2−イルアセテート、2,4−ジメチル−2−ペンチルアセテート、2−メチル−2−ヘキシルアセテート、4,4−ジメチルペンチルアセテート、4−メチル−3−ヘキシルアセテート、2−オクチルアセテート、1−エチルヘキシルアセテート、1−オクチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、1,1,3,3−テトラメチルブチルアセテート、2,2,4−トリメチルペンチルアセテート、2,2−ジメチルヘキシルアセテート、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピルアセテート、4−エチル−3−ヘキシルアセテートおよびジプロピレングリコールジメチルエーテルよりなる群から選ばれる一つ以上を含み、
ハロゲン化炭化水素系溶剤;芳香族炭化水素系溶剤;および脂肪族炭化水素系溶剤;を含まない量子ドット分散液:
【数1】

(前記数式1で、
δは、分散成分(dispersion component)、δは、極性成分(polar component)、δは、水素結合成分(hydrogen bonding component)を意味する)
【請求項2】
前記量子ドットは、C5〜C20のアルキルカルボン酸、アルケニルカルボン酸、アルキニルカルボン酸;ホスフィン、ホスフィン酸化物乃至チオール基よりなる群から選ばれる一つ以上を含む有機リガンドをさらに含む、請求項1に記載の量子ドット分散液。
【請求項3】
前記量子ドット分散液は、リン酸エステル系化合物をさらに含む、請求項1に記載の量子ドット分散液。
【請求項4】
前記量子ドット分散液の全体100重量%に対して、前記量子ドットが5〜70重量%で含まれる、請求項1に記載の量子ドット分散液。
【請求項5】
前記量子ドット分散液の全体100重量%に対して、前記溶剤が5〜95重量%で含まれる、請求項1に記載の量子ドット分散液。
【請求項6】
請求項1〜のいずれかに記載の量子ドット分散液;およびアルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、追加溶剤および添加剤;よりなる群から選ばれる一つ以上をさらに含む自発光感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記自発光感光性樹脂組成物の全体100重量%に対して前記量子ドット分散液が3〜80重量%で含まれる、請求項に記載の自発光感光性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項に記載の自発光感光性樹脂組成物の硬化物を含むカラーフィルター。
【請求項9】
請求項に記載のカラーフィルターを含む画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散特性に優れており、かつ、人体に無害な量子ドット分散液、自発光感光性樹脂組成物、これを利用して製造されたカラーフィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルターは、白色光から赤色、緑色および青色の三つの色を抽出して微細な画素単位で可能にする薄膜フィルム型光学部品であって、一つの画素のサイズが数十から数百マイクロメートル程度である。このようなカラーフィルターは、それぞれの画素間の境界部分を遮光するために、透明基板上に定められたパターンで形成されたブラックマトリックス層およびそれぞれの画素を形成するために複数の色(通常、赤色R、緑色Gおよび青色B)の三原色を定められた順序で配列した画素部が順に積層された構造を取っている。
【0003】
最近、カラーフィルターを具現する方法の一つとして、顔料分散型の感光性樹脂を利用した顔料分散法が適用されているが、光源から照射された光がカラーフィルターを透過する過程で光の一部がカラーフィルターに吸収されて光効率が低下し、また、色フィルターに含まれている顔料の特性に起因して色再現が低下する問題点が発生している。
【0004】
特に、カラーフィルターが、各種画像表示装置をはじめとする多様な分野に使用されるに伴い、優れたパターン特性だけでなく、高い色再現率と共に、優れた高輝度、高明暗比のような性能が要求されているところ、このような問題を解決するために、量子ドットを含む自発光感光性樹脂組成物を利用したカラーフィルターの製造方法が提案された。
【0005】
韓国特許公開第2006−0084668号は、量子ドット蛍光体に関し、量子ドットおよび前記量子ドットを固定させる固体状態の担持体を含むことによって、優れた発光効率を維持する発光ダイオードに関する内容を開示している。
【0006】
しかしながら、前記韓国特許公開第2006−0084668号には、前記量子ドット蛍光体を分散させるための分散溶剤として、分散性に優れたクロロホルム、トルエン、ヘキサン等のような人体に有害な溶剤を使用している。前述した溶剤の場合、高揮発性化合物(Volatile Organic Compound)であるか、または発ガン性、神経毒性を示し、生殖機能の異常に対する高危険性があるので、作業者の取り扱い環境に対する厳格な管理が必要である。
【0007】
したがって、このような量子ドットを使用するためには、乾燥を通じて人体に有害な溶剤を除去したり、分散溶剤を除去した後、高揮発性化合物でなく、発ガン性、神経毒性を示さず、生殖機能の異常に対する危険性がないか、非常に低い溶剤に置換する過程を経るようになるが、このような過程で量子効率が低下する現象が発生し、そのため、製造されるカラーフィルターまたは画像表示装置の発光特性が低下する問題が発生している。
【0008】
したがって、量子ドットに対する優れた分散性を示し、これを利用して製造されるカラーフィルターまたは画像表示装置の発光特性も優れており、人体に有害な成分を含有していない量子ドット分散液の開発が要求されているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国特許公開第2006−0084668号公報(2006.07.25)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、人体に無害であり、かつ、分散性に優れた量子ドット分散液、これを含む自発光感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、前述した量子ドット分散液、自発光感光性樹脂組成物を利用して製造された発光特性に優れたカラーフィルターおよび画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するための本発明による量子ドット分散液は、量子ドットおよび溶剤を含み、前記溶剤は、下記数式1のハンセン溶解度パラメーター(Hansen solubility parameter)の条件を満たし、ハロゲン化炭化水素系溶剤;芳香族炭化水素系溶剤;および脂肪族炭化水素系溶剤;を含まないことを特徴とする。
【0013】
【数1】
【0014】
(前記数式1で、
δは、分散成分(dispersion component)、δは、極性成分(polar component)、δは、水素結合成分(hydrogen bonding component)を意味する。)
【0015】
また、本発明は、前述した量子ドット分散液;およびアルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、追加溶剤および添加剤よりなる群から選ばれる一つ以上をさらに含む自発光感光性樹脂組成物を提供する。
【0016】
また、本発明は、前述した自発光感光性樹脂組成物の硬化物を含むカラーフィルターおよびこれを含む画像表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の量子ドット分散液は、分散特性に優れており、かつ、人体毒性物質を含有しないという利点があり、これを含む自発光感光性樹脂組成物も、上記のような利点がある。
【0018】
また、本発明の自発光感光性樹脂組成物を利用して製造されたカラーフィルターおよびこれを含む画像表示装置は、発光特性に優れているという利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0020】
本発明において任意の部材が他の部材「上に」位置しているというとき、これは、任意の部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0021】
本発明において任意の部分が或る構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くものでなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0022】
<量子ドット分散液>
本発明の一様態は、量子ドット分散液に関する。具体的に、本発明の一様態は、量子ドットおよび溶剤を含み、前記溶剤は、下記数式1のハンセン溶解度パラメーター(Hansen solubility parameter)の条件を満たし、ハロゲン化炭化水素系溶剤;芳香族炭化水素系溶剤;および脂肪族炭化水素系溶剤;を含まない量子ドット分散液に関する。
【0023】
【数2】
【0024】
(前記数式1で、
δは、分散成分(dispersion component)、δは、極性成分(polar component)、δは、水素結合成分(hydrogen bonding component)を意味する。)
【0025】
本発明の一様態による量子ドット分散液は、量子ドットを含む。前記量子ドットは、ナノサイズの半導体物質を称することができる。原子が分子を成し、分子は、クラスターという小さい分子の集合体を構成してナノ粒子を成すようになるが、このようなナノ粒子が半導体特性を帯びているとき、量子ドットという。前記量子ドットは、外部からエネルギーを受けて励起状態になると、前記量子ドットの自体的に該当するエネルギーバンドギャップによるエネルギーを放出するようになる。
【0026】
本発明の一様態による量子ドット分散液を含む自発光感光性樹脂組成物で製造されたカラーフィルターは、前記量子ドットを含むことによって、光照射により発光(光ルミネセンス(luminescence))することができる。
【0027】
カラーフィルターを含む通常の画像表示装置では、白色光が前記カラーフィルターを透過してカラーが具現されるが、この過程で光の一部がカラーフィルターに吸収されるので、光効率が低下する。しかしながら、本発明による自発光感光性樹脂組成物で製造されたカラーフィルターを含む場合には、カラーフィルターが光源の光により自体発光するので、より優れた光効率を具現することができ、また、色相を有する光が放出されるので、さらに色再現性に優れ、光ルミネセンスにより全方向に光が放出されるので、視野角も改善され得るという利点がある。
【0028】
前記量子ドットは、光による刺激で発光できる量子ドット粒子であれば、特に限定されない。例えば、II−VI族半導体化合物;III−V族半導体化合物;IV−VI族半導体化合物;IV族元素またはこれを含む化合物;およびこれらの組合せよりなる群から選ばれ、これらは、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0029】
具体的に、前記II−VI族半導体化合物は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTeおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物;CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTeおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる三元素化合物;およびCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTeおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる四元素化合物よりなる群から選ばれるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
前記III−V族半導体化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSbおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNPおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる三元素化合物;およびGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSbおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる四元素化合物よりなる群から選ばれる。
【0031】
前記IV−VI族半導体化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTeおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTeおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる三元素化合物;およびSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTeおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる四元素化合物よりなる群から選ばれる一つ以上であってもよいが、これらに限定されない。
【0032】
これらに限定されないが、前記前記IV族元素またはこれを含む化合物は、Si、Geおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる元素化合物;およびSiC、SiGeおよびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物よりなる群から選ばれる。
【0033】
前記量子ドットは、均質な(homogeneous)単一構造;コア−シェル(core−shell)、グラジエント(gradient)構造等のような二重構造;またはこれらの混合構造であってもよい。
【0034】
具体的に、前記コア−シェルの二重構造において、それぞれのコア(core)とシェル(shell)を構成する物質は、前記言及された互いに異なる半導体化合物からなり得る。例えば、前記コアは、CdSe、CdS、ZnS、ZnSe、CdTe、CdSeTe、CdZnS、PbSe、AgInZnSおよびZnOよりなる群から選ばれる一つ以上の物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。前記シェルは、CdSe、ZnSe、ZnS、ZnTe、CdTe、PbS、TiO、SrSeおよびHgSeよりなる群から選択された一つ以上の物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
前記量子ドットは、湿式化学工程(wet chemical process)、有機金属化学蒸着工程(MOCVD、metal organic chemical vapor deposition)または分子線エピタキシー工程(MBE、molecular beam epitaxy)により合成され得るが、これらに限定されるものではない。
【0036】
前記湿式化学工程とは、有機溶剤に前駆体物質を入れて粒子を成長させる方法である。結晶が成長するとき、有機溶剤が自然に量子ドット結晶の表面に配位されて分散剤の役割をして、結晶の成長を調節するようになるので、有機金属化学蒸着工程や分子線エピタキシーのような気相蒸着法よりさらに容易かつ低価格の工程を用いてナノ粒子の成長を制御することができるので、前記湿式化学工程を使用して本発明による前記量子ドットを製造することが好ましい。
【0037】
本発明の一実施形態において、前記量子ドットは、有機リガンドをさらに含むものであってもよい。前記有機リガンドは、前記量子ドットの表面に結合されて、前記量子ドットを安定化させる役割を行うことができる。前記有機リガンドは、本発明で限定するものではないが、例えばC5〜C20のアルキルカルボン酸、アルケニルカルボン酸またはアルキニルカルボン酸;チオール(thiol)、リン酸、ピリジン、メルカプトアルコール、ホスフィン、ホスフィン酸化物等を含むことができ、量子ドットの表面を効果的に保護して安定性を向上させるという側面から、C5〜C20のアルキルカルボン酸、アルケニルカルボン酸またはアルキニルカルボン酸;チオールおよびリン酸よりなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
【0038】
前記有機リガンドは、前記量子ドットの総面積に対して5%以上の表面を覆っていてもよい。
【0039】
前記有機リガンドは、市販されている形態の前記量子ドット分散液内に含まれていてもよく、前記量子ドット分散液内に含まれていない場合は、直接前記量子ドット分散液内に添加してもよく、前記有機リガンドを直接前記量子ドット分散液内に添加する場合、その含量は、量子ドット1モルに対して0.1〜10モルを追加することができる。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、前記量子ドットは、前記量子ドット分散液の全体100重量%に対して、5〜70重量%、好ましくは10〜65重量%、より好ましくは15〜60重量%で含まれ得る。前記量子ドットが前記範囲内に含まれる場合、感光特性に優れた自発光感光性樹脂組成物の提供が可能である。前記量子ドットが前記範囲未満で含まれる場合、感光特性が多少低下し得、前記範囲を超過して含む場合、前記量子ドットに比べて後述する他の構成、例えばアルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物のような構成の含量が相対的に少なくなるので、カラーフィルターの製造が多少困難になり得る問題があるので、前記範囲内に含まれることが好ましい。
【0041】
本発明による量子ドット分散液は、下記数式1のハンセン溶解度パラメーターの条件を満たす溶剤を含むことによって、量子ドットを均一に分散させることができるという利点があり、人体に有害なクロロホルムまたはジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素系溶剤;ベンゼンまたはトルエンのような芳香族炭化水素系溶剤;およびN−ヘキサンのような脂肪族炭化水素系溶剤;を含まないことによって、これを扱う作業者が発ガン性、神経毒性、生殖機能異常誘発等の危険性ある環境に露出するのを防止することができるという利点がある。
【0042】
【数3】
【0043】
(前記数式1で、
δは、分散成分(dispersion component)、δは、極性成分(polar component)、δは、水素結合成分(hydrogen bonding component)を意味する。)
【0044】
本発明の一実施形態によれば、前記溶剤は、具体的に、炭素数が6〜10のエーテルおよびエステルよりなる群から選ばれる一つ以上を含むものであってもよく、この場合、分散性が向上し、これを含む自発光感光性樹脂組成物の発光強度が増加するという利点がある。
【0045】
前記溶剤は、具体的に、メチルイソアミルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチルカーボネート、エチルブチレート、エチルイソブチレート、tert−ブチルアセテート、イソプロピルプロピオネート、メチル−3−メチルブタノエート、プロピルプロピオネート、メチル2−メチルブタノエート、sec−ブチルアセテート、メチルペンタノエート、イソブチルアセテート、ブチルアセテート、メチルピバレート、sec−ブチルプロピオネート、n−ブチルプロピオネート、2−メチルブチルアセテート、エチル2−メチルブチレート、メチル2−メチルペンタノエート、2−ペンチルアセテート、ネオペンチルアセテート、3−メチルブタン−2−イルアセテート、イソプロピルイソブチレート、プロピルイソブチレート、イソ吉草酸エチル、メチル3−メチルペンタノエート、エチルペンタノエート、メチル4−メチルペンタノエート、メチルヘキサノエート、イソアミルアセテート、ペンチルアセテート、イソプロピルブチレート、プロピルブタノエート、イソブチルプロピオネート、2,2−ジメチルブタン酸メチルエステル、エチルピバレート、tert−アミルアセテート、tert−ブチルプロピオネート、メチル3,3−ジメチルブチレート、ジエチル酢酸メチルエステル、3−ペンチルアセテート、2,3−ジメチルブタン酸メチルエステル、プロピル2−メチルブタノエート、エチルヘキサノエート、イソプロピル2−メチルブタノエート、イソブチルイソブタノエート、2−メチルブチルプロピオネート、2−ヘキシルアセテート、1−メチルブチルプロパノエート、メチル2−エチル−3−メチルブチレート、3−メチルペンチル3−アセテート、3−ヘキシルアセテート、2,2−ジメチル−3−アセトキシブタン、エチル2−メチルペンタノエート、sec−ブチルブチレート、エチル3−メチルペンタノエート、エチル2,3−ジメチルブタノエート、2,3−ジメチル−2−ブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、酢酸−(2,2−ジメチル−ブチルエステル)、2,3−ジメチルブチルアセテート、3−メチル−1−ペンチルアセテート、3,3−ジメチルブチルアセテート、n−ブチルイソブチレート、イソプロピルペンタノエート、ブチルブチレート、アミルプロピオネート、ヘキシルアセテート、プロピル3−メチルブタノエート、メチルヘプタノエート、イソプロピル3−メチルブタノエート、イソブチルブチレート、sec−ブチルイソブチレート、プロピルペンタノエート、イソアミルプロピオネート、エチル4−メチルペンタノエート、4−メチル−1−ペンチルアセテート、メチル5−メチルヘキサノエート、メチル2−エチル−2−メチルブチレート、2,2−ジメチル−ペンタン酸メチルエステル、エチル2,2−ジメチルブタノエート、i−プロピルピバレート、プロピル2,2−ジメチルプロパノエート、2,2−ジメチル−1−プロパノールプロパノエート、エチル3,3−ジメチルブタノエート、2−メチル−3−ペンチルアセテート、酢酸−(2−メチル−ペンチルエステル)、4−メチル−2−ペンチルアセテート、tert−ブチル2−メチルプロパノエート、2,3−ジメチル−吉草酸メチルエステル、2−エチル−吉草酸メチルエステル、メチル−2−メチルカプロエート、2−メチルペンタン−2−イルアセテート、tert−ブチルブチレート、3−エチル−吉草酸メチルエステル、エチル2−エチルブタノエート、sec−アミルプロピオネート、メチル2,3,3−トリメチルブタノエート、3,3−ジメチルペンタン酸メチルエステル、tert−アミルプロパノエート、メチル2,4−ジメチルペンタノエート、メチル2,2,3−トリメチルブタノエート、3−メチル−ペンチル−2−アセテート、メチル4,4−ジメチルペンタノエート、メチル3,4−ジメチルペンタノエート、吉草酸イソブチルエステル、2−メチルブチルブタノエート、吉草酸sec−ブチルエステル、2−ペンチルブタノエート、2−メチルプロピル2−メチルブタノエートn−ブチル2−メチルブタノエート、イソペンチルブタノエート、イソブチルイソペンタノエート、1−メチルペンチルプロパノエート、1−メチルヘキシルアセテート、2−メチル−酪酸sec−ブチルエステル、2−メチルプロパン酸2−メチルブチルエステル、エチル3−メチルヘキサノエート、エチル2−メチルヘキサノエート、1−ヘプチルアセテート、メチル3−メチルヘプタノエート、1,1,2,2−テトラメチルプロピルアセテート、1−アセトキシ−2,3,3−トリメチルブタン、酢酸−(2−エチル−2−メチル−ブチルエステル)、酢酸−(3,3−ジメチル−ペンチルエステル)、酢酸−(1,3,3−トリメチル−ブチルエステル)、2,4−ジメチル−3−アセトキシペンタン、酢酸−(2−エチル−3−メチル−ブチルエステル)、酢酸−(3−メチル−ヘキシルエステル)、酢酸−(4−メチル−ヘキシルエステル)、イソ酪酸−(1,2−ジメチル−プロピルエステル)、4−メチル−吉草酸プロピルエステル、4−メチル−ヘキサン酸エチルエステル、メチル5−メチルヘプタノエート、イソ吉草酸sec−ブチルエステル、イソ酪酸イソペンチルエステル、ブチルペンタノエート、プロピルヘキサノエート、ヘキシルプロピオネート、メチルオクタノエート、5−メチルヘキシルアセテート、エチルイソアミルアセテート、ペンチルブチレート、エチルヘプタノエート、イソプロピルヘキサノエート、ブチル3−メチルブタノエート、2−エチル−3−メチル−吉草酸メチルエステル、メチル2−イソプロピル−3−メチルブタノエート、2−エチル−3−メチル−酪酸エチルエステル、2−エチル−吉草酸エチルエステル、メチル2−エチルヘキサノアート、エチル2,4−ジメチルペンタノエート、メチル2,5−ジメチルヘキサノエート、酢酸−(1−エチル−3−メチル−ブチルエステル)、4−ヘプチルアセテート、4−メチル−2−ペンチルプロピオネート、5−メチルヘキサン−2−イルアセテート、2,2−ジエチル−酪酸メチルエステル、酢酸−(1,1−ジエチル−プロピルエステル)、2,3−ジメチル−ヘキサン酸メチルエステル、2−エチル−2−メチル−吉草酸メチルエステル、2−エチル−2−メチル酪酸エチルエステル、エチル2,2−ジメチルペンタノエート、2,2−ジメチル−ヘキサン酸メチルエステル、2,2−ジメチル−酪酸プロピルエステル、ピバル酸tert−ブチルエステル、イソブチルピバレート、ピバル酸ブチルエステル、酢酸−(1,2−ジメチル−ペンチルエステル)、2,4,4−トリメチル−吉草酸メチルエステル、酢酸−(1−エチル−1−メチル−ブチルエステル)、3,3−ジメチル−吉草酸エチルエステル、イソ酪酸tert−ペンチルエステル、tert−アミルブチレート、3−アセトキシ−2,2−ジメチル−ペンタン、プロピオン酸−(3,3−ジメチル−ブチルエステル)、イソプロピル3,3−ジメチルブタノエート、3,3−ジメチル−酪酸プロピルエステル、ネオペンチル2−メチルプロパノエート、ネオペンチルブタノエート、tert−ブチル3−メチルブタノエート、tert−ブチルペンタノエート、3,3,4−トリメチル−吉草酸メチルエステル、4,5−ジメチル−ヘキサン酸メチルエステル、エチル4,4−ジメチルペンタノエート、3,4−ジメチル−ペンタン酸エチルエステル、酢酸−(1−イソプロピル−ブチルエステル)、2−プロピル2−メチルペンタノエート、メチル6−メチルヘプタノエート、イソプロピル2−エチルブチレート、2−アセトキシ−4−メチル−ヘキサン、2,2,3,3−テトラメチルブタノエート、4−メチル−ヘプタン酸メチルエステル、メチル4−エチルヘキサノアート、エチル−2,3,3−トリメチルブタノエート、2,2−ジメチル−ペンタノール−(1)−アセテート、2,4−ジメチル−2−ペンチルアセテート、2−メチル−2−ヘキシルアセテート、4,4−ジメチルペンチルアセテート、ペンチルイソブタノエート、メチル2−メチルヘプタノエート、ブタン−2−イル2,2−ジメチルプロパノエート、メチル4,4−ジメチルヘキサノエート、2−プロピル−ペンタン酸メチルエステル、ヘキサン酸−(2,4−ジメチルメチルエステル)、2,2,3−トリメチルブタン酸エチルエステル、2−メチルヘキシルアセテート、メチル−3,4,4−トリメチルペンタノエート、プロピル−2−エチルブタノエート、イソプロピル2,2−ジメチルブタノエート、3−エチル−4−メチル−ペンタン酸メチルエステル、メチル2,2,4−トリメチルペンタノエート、2,3−ジメチル−3−ペンチルアセテート、ペンタン−3−イル2−メチルプロパノエート、3−エチル−3−メチル−ペンタン酸メチルエステル、メチル3,4−ジメチルヘキサノエート、3,3−ジメチル−1−ペンチン、エチル−3−エチル−ペンタノエート、メチル2,2,3−トリメチルペンタノエート、メチル2−エチル−3,3−ジメチルペンタノエート、ペンタン−3−イルブチレート、4−メチル−3−ヘキシルアセテート、2−メチル−3−メチルブチルプロパン酸エステル、3−メトキシ−1−ペンチルプロピオネート、2−ペンチル2−メチルプロパノエート、tert−ブチル2−メチルブタノエート、メチル5,5−ジメチルヘキサノエート、3,3−ジメチル2−ブチルプロピオネート、1−エチルブチルプロパノエート、2−メチル−1−ペンチルプロパノエート、n−プロピル2−メチルバレレート、sec−アミルバレレート、sec−ブチルヘキサノエート、2−メチルブチルイソバレレート、ペンタン酸2−メチルブチルエステル、2,2,3−トリメチル−吉草酸エチルエステル、1−メチルヘキシルプロパノエート、ヘキシル−2−ブタノエート、2,2−ジメチル−3−ヘキシルアセテート、2−メチル−1−ブチル2−メチルブタノエート、3−メチルブチル2−メチルブタノエート、メチル2,6−ジメチルヘプタノエート、2−オクチルアセテート、1−エチルヘキシルアセテート、酢酸−(1−イソプロピル−2,2−ジメチル−プロピルエステル)、酢酸−(2−エチル−3,3−ジメチル−ブチルエステル)、酢酸−(2,2,3−トリメチル−ペンチルエステル)、酢酸−(2,2,3,3−テトラメチル−ブチルエステル)、酢酸−(1,2,2,3−テトラメチル−ブチルエステル)、酢酸−(2−イソプロピル−3−メチル−ブチルエステル)、酢酸−(4−エチル−ヘキシルエステル)、酢酸−(2,2−ジエチル−ブチルエステル)、3−メチル−吉草酸sec−ブチルエステル、イソペンチル3−メチルブタノエート、イソプロピルヘブタノエート、4−メチル−吉草酸イソブチルエステル、4−メチル−ヘプタン酸エチルエステル、3−メチルブチルペンタノエート、ブチルヘキサノエート、n−ペンチルn−ペンタノエート、n−プロピルヘブタノエート、5−メチル−ヘプタン酸エチルエステル、エチル6−メチルヘプタノエート、ヘキシルブチレート、オクタン酸エチルエステル、メチル6−メチルオクタノエート、ヘプチルプロピオネート、ノナン酸メチルエステル、1−オクチルアセテート、2,2,3,3−テトラメチル−酪酸エチルエステル、酢酸−(1−エチル−2,2−ジメチル−ブチルエステル)、酢酸−(1−イソプロピル−ペンチルエステル)、酢酸−(1,2−ジメチル−ヘキシルエステル)、2−イソ−プロピル−3−メチル−酪酸エチルエステル、プロピオン酸−(3,3−ジメチル−ペンチルエステル)、酢酸−(1−エチル−3−メチル−ペンチルエステル)、2,3,5−トリメチル−ヘキサン酸メチルエステル、酢酸−(1−エチル−2−メチル−ペンチルエステル)、プロピオン酸−(1−エチル−2,2−ジメチル−プロピルエステル)、エチル2,2−ジエチルブタノエート、2,2,3−トリメチル−酪酸イソプロピルエステル、酢酸−(1−エチル−3,3−ジメチル−ブチルエステル)、ブチル2,2−ジメチルブチレート、3−メチル−2−プロピル−吉草酸メチルエステル、2−メチル−ヘプタン酸エチルエステル、メチル2−メチルオクタノエート、酪酸−(1,3−ジメチル−
ブチルエステル)、3−エチル−ヘキサン酸エチルエステル、2−エチル−2−メチル−吉草酸エチルエステル、エチル3,5−ジメチルヘキサノエート、3,3−ジメチル−吉草酸プロピルエステル、2,2,4,4−テトラメチル−ペンタン酸メチルエステル、エチル2,2−ジメチル−ヘキサノエート、酪酸−(2−エチル−ブチルエステル)、2−エチル−4−メチル−吉草酸エチルエステル、エチル2−プロピルペンタノエート、メチル2−プロピルヘキサノエート、エチル2−エチルヘキサノアート、酢酸−(1,1−ジエチル−ブチルエステル)、2,5−ジメチル−ヘキサン酸エチルエステル、エチル4,5−ジメチルヘキサノエート、酢酸−(1−イソブチル−ブチルエステル)、酢酸−(1−エチル−4−メチル−ペンチルエステル)、酢酸−(1−メチル−1−プロピル−ブチルエステル)、イソ吉草酸tert−ペンチルエステル、3−プロピル−ヘキサン酸メチルエステル、3−エチル−ヘプタン酸メチルエステル、酢酸−(1,1,4−トリメチル−ペンチルエステル)、酢酸−(1,5−ジメチル−ヘキシルエステル)、3−メチル−ヘプタン酸エチルエステル、3,3,5−トリメチル−ヘキサン酸メチルエステル、3,3−ジメチル−ヘプタン酸メチルエステル、3,3−ジメチル−吉草酸イソプロピルエステル、2−エチルヘキシルアセテート、エチル2,4,4−トリメチルペンタノエート、ブチルネオペンタノエート、ネオペンチルピバレート、ピバル酸イソペンチルエステル、2−エチル−酪酸tert−ブチルエステル、3,3−ジメチル−酪酸sec−ブチルエステル、酢酸−(1,4−ジメチルブチル)エステル、sec−アミルイソバレレート、3−アセトキシ−2,4−ジメチルヘキサン、3,3−ジエチル−ペンタン酸メチルエステル、メチル−4,4−ジメチルヘプタノエート、メチル3,5,5−トリメチルヘキサノエート、酢酸4オクチルエステル、3,5−ジメチル−ヘプタン酸メチルエステル、1−アセトキシ−4,4−ジメチル−ヘキサン、ペンチル3−メチルブタノエート、7−メチルオクタン酸メチルエステル、2−エチル−ヘプタン酸メチルエステル、メチル2,4−ジメチルヘプタノエート、メチル2,2−ジメチルヘプタノエート、ペンチル2,2−ジメチルプロパノエート、エチル2,3,4−トリメチルバレレート、tert−ブチルヘキサノエート、3−アセトキシ−2,5−ジメチル−ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルアセテート、2,2,4−トリメチルペンチルアセテート、メチル2,2,3,3−テトラメチルペンタノエート、ペンタン酸−(2,2,3,4−テトラメチル−メチルエステル)、2−プロピル−2−メチル−ペンタン酸メチルエステル、1,1−ジメチルエチル3,3−ジメチルブタノエート、tert−ブチル4−メチルペンタノエート、2−イソプロピル−3,3−ジメチル−酪酸メチルエステル、メチル2−エチル−2−メチルヘキサノエート、エチル2−エチル−3,3−ジメチルブタノエート、ヘキシルイソブタノエート、メチル−5,5−ジメチルヘプタノエート、メチル−2,3,4−トリメチルヘキサノエート、メチル2,3−ジメチル−2−エチルペンタノエート、3−メチルオクタン酸メチルエステル、2,2−ジメチルヘキシルアセテート、プロピルネオヘプタノエート、イソプロピル2−メチルヘキサノエート、2−プロピル−ペンチル−アセテート、ブチル2−エチルブチレート、4−メチルオクタン酸メチルエステル、2−メチルペンタン酸−(1−メチルプロピルエステル)、2,2,4−トリメチル−ヘキサン酸メチルエステル、ヘキサン酸−(2,2,5−トリメチル−メチルエステル)、4−メチルペンチルイソブチレート、3−メチルペンチルブチレート、エチル3,3,4−トリメチルペンタノエート、ペンタン酸−(3,4,4−トリメチル−エチルエステル)、tert−アミルピバレート、イソブチル3,3−ジメチルブチレート、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピルアセテート、エチル4−エチルヘキサノアート、メチル2−エチル−3,3−ジメチルペンタノエート、メチル3,6−ジメチルヘプタノエート、イソブチルヘキサノエート、3,3,4,4−テトラメチルペンタン酸メチルエステル、2−メチルバレリックブチルエステル、ペンチル2−メチルブタノエート、ネオペンチル2−メチルブタノエート、エチル3,3−ジメチルヘキサノエート、4−エチル−3−ヘキシルアセテート、2,4−ジメチルペンタン−3−イルプロピオネート、メチルネオノナノエート、メチル4,4,5−トリメチルヘキサノエート、メチルジイソプロピルプロピオネート、1−メチルエチル4−メチルヘキサノエート、ブタン酸1−エチルブチルエステル、1−エチルペンチルプロパノエート、ペンタン−3−イルペンタノエート、メチル4−エチルヘプタノエート、ペンタン−3−イル3−メチルブタノエート、エチル5,5−ジメチルヘキサノエート、2−メチル−3−メチルブチルブタン酸エステル、ネリルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルまたはジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられ、本発明の一実施形態によって、輝度や色再現力に優れているという側面からtert−ブチルアセテート、sec−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、n−ブチルアセテート、2−メチルブチルアセテート、2−ペンチルアセテート、ネオペンチルアセテート、3−メチルブタン−2−イルアセテート、イソアミルアセテート、n−ペンチルアセテート、tert−アミルアセテート、3−ペンチルアセテート、2−ヘキシルアセテート、3−メチルペンチル3−アセテート、3−ヘキシルアセテート、2,3−ジメチル−2−ブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2,3−ジメチルブチルアセテート、3−メチル−1−ペンチルアセテート、3,3−ジメチルブチルアセテート、n−ヘキシルアセテート、4−メチル−1−ペンチルアセテート、2−メチル−3−ペンチルアセテート、4−メチル−2−ペンチルアセテート、2−メチルペンタン−2−イルアセテート、1−メチルヘキシルアセテート、1−ヘプチルアセテート、1,1,2,2−テトラメチルプロピルアセテート、5−メチルヘキシルアセテート、エチルイソアミルアセテート、4−ヘプチルアセテート、5−メチルヘキサン−2−イルアセテート、2,4−ジメチル−2−ペンチルアセテート、2−メチル−2−ヘキシルアセテート、4,4−ジメチルペンチルアセテート、4−メチル−3−ヘキシルアセテート、2−オクチルアセテート、1−エチルヘキシルアセテート、1−オクチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、1,1,3,3−テトラメチルブチルアセテート、2,2,4−トリメチルペンチルアセテート、2,2−ジメチルヘキシルアセテート、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピルアセテート、4−エチル−3−ヘキシルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルまたはジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを使用することが好ましい。
【0046】
前記溶剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0047】
前記溶剤の含量は、量子ドット分散液の全体100重量%に対して5〜95重量%、好ましくは20〜90重量%、より好ましくは30〜80重量%で含まれ得る。前記溶剤が前記範囲未満で含まれる場合、分散性が悪化する問題が発生し得、前記範囲を超過する場合、樹脂組成物の固形分を調節しにくい問題が発生し得る。
【0048】
本発明の量子ドット分散液は、溶剤が全体的に前述した溶剤の条件、すなわち前記数式1のハンセン溶解度パラメーターを満たし、ハロゲン化炭化水素系溶剤;芳香族炭化水素系溶剤;および脂肪族炭化水素系溶剤;を含まない条件を満たす。したがって、本発明の一実施形態によれば、本発明の量子ドット分散液内個別溶剤成分は、前記数式1のハンセン溶解度パラメーターを満たさないとしても、これらからなる溶剤全体は、数式1のハンセン溶解度パラメーターを満たす。
【0049】
本発明の一実施形態において、前記量子ドット分散液は、リン酸エステル系化合物をさらに含むこともできる。前記リン酸エステル系化合物をさらに含む場合、量子ドットと溶剤との分散性が向上して、量子効率に優れているという利点があり、光効率の低下および感光特性の不良を抑制することができるという利点がある。また、これを含む自発光感光性樹脂組成物を構成する他の構成との相溶性に優れているという利点がある。
【0050】
前記リン酸エステル系化合物は、リン酸エステル((HO)PO(OR))またはリン酸(HPO)に存在するヒドロキシ基またはヒドロキシ基の水素原子を他の官能基に置換または非置換した形態を含むことができる。例えば前記リン酸エステル系化合物は、(HPO)の形態で表現され得るが、これらに限定されるものではない。また、本発明で前記「リン酸エステル系」とは、亜リン酸誘導体、リン酸誘導体、ホスホン酸誘導体およびホスフィン酸誘導体よりなる群から選ばれる一つ以上を含むこともできる。
【0051】
前記リン酸エステル系化合物は、一分子内にポリエーテル部分、ポリエステル部分およびリン酸基のうち一つ以上をさらに含むことができる。
【0052】
本発明において「ポリ−」とは、多数の反復単位からなる化合物を称することができるものであって、前記「ポリエーテル部分」、「ポリエステル部分」は、それぞれエーテル基またはエステル基を含む反復単位が1〜20よりなる部分を称することができる。好ましくは、本発明では、反復単位が5〜20、より好ましくは10〜20よりなり得、この場合相溶性に優れているという利点がある。
【0053】
前記リン酸エステル系化合物が一分子内にポリエーテル部分をさらに含む場合、後述するアルカリ可溶性樹脂との相溶性が向上する利点があり、前記リン酸エステル系化合物が一分子内にポリエステル部分をさらに含む場合、アルカリ可溶性樹脂との相溶性およびアルカリ現像液に対する溶解特性が向上する利点がある。前記リン酸エステル系化合物が一分子内にリン酸基をさらに含む場合、量子ドットの表面に吸着を通じて保護層の役割を行うことができ、前記量子ドットを脱凝集させるという利点がある。
【0054】
好ましくは、本発明によるリン酸エステル系化合物は、一分子内にポリエーテル部分、ポリエステル部分およびリン酸基を含むことができ、この場合、量子ドットを脱凝集させて分散粒度を小さくし、アルカリ可溶性樹脂との相溶性およびアルカリ現像液に対する溶解特性があるので、パターン形成に有利な利点があるので最も好ましい。
【0055】
本発明において、「酸価」とは、アクリル系重合体1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であって、後述する自発光感光性樹脂組成物に対する溶解性に関与することができる。前記リン酸エステル系化合物の酸価が10(KOHmg/g)以上、具体的に10〜200(KOHmg/g)の場合、前記表面処理剤を含む自発光感光性樹脂組成物の現像速度の観点から好ましい。前記酸価が前記範囲未満の場合、十分な現象速度を確保する多少困難になり得、前記範囲を超過する場合、基板との密着性が減少してパターンの短絡が発生しやすく、全体的な組成物の貯蔵安定性が低下して粘度が上昇する問題が発生し得るので、前記範囲を満たすことが好ましい。
【0056】
前記リン酸エステル系化合物は、前記量子ドットの固形分の全体100重量部に対して1〜300重量部で含まれ得、好ましくは3〜250重量部、より好ましくは5〜200重量部で含まれ得る。前記表面処理剤が前記範囲内に含まれる場合、前記量子ドットの脱凝集効果に優れており、本発明による量子ドット分散液およびこれを含む自発光感光性樹脂組成物内の極性の差異による析出現象の抑制が可能であり、カラーフィルターの製造工程時に量子ドットの保護層の役割を行うことができるので好ましい。
【0057】
前記リン酸エステル系化合物が前記範囲未満で含まれる場合、前記量子ドットの脱凝集効果が多少低下し得、前記範囲を超過して含まれる場合、前記量子ドット分散液を含む自発光感光性樹脂組成物の現象特性が多少低下し得るので、前記範囲内に含まれることが好ましい。
【0058】
<自発光感光性樹脂組成物>
本発明の他の様態は、前述した量子ドット分散液;およびアルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、追加溶剤および添加剤よりなる群から選ばれる一つ以上をさらに含む自発光感光性樹脂組成物に関する。
【0059】
本発明による自発光感光性樹脂組成物は、前述した量子ドット分散液を前記自発光感光性樹脂組成物の全体100重量%に対して3〜80重量%、好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜60重量%で含むことができる。本発明による自発光感光性樹脂組成物が前述した量子ドット分散液を前記範囲内に含む場合、発光特性に優れたカラーフィルターの製造が可能であるという利点がある。前記量子ドット分散液が前記範囲未満で含まれる場合、発光特性が多少低下し得、前記量子ドット分散液が前記範囲を超過して含まれる場合、相対的に他の構成の含量が減少するに伴って、パターンの形成が多少困難になり得、信頼性が低下し得るので、前記範囲内に含まれることが好ましい。
【0060】
本発明による自発光感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂をさらに含むことができる。
【0061】
前記アルカリ可溶性樹脂は、前記自発光感光性樹脂組成物で製造するカラーフィルターの非露光部をアルカリ可溶性に作って除去可能にし、露光領域を残留させる役割を行うことができる。また、前記自発光感光性樹脂組成物が前記アルカリ可溶性樹脂を含む場合、前記量子ドットが組成物内に均一に分散され得、工程中に前記量子ドットを保護して輝度を維持するようにする役割を行うことができる。
【0062】
本発明による前記アルカリ可溶性樹脂は、50〜200(KOHmg/g)の酸価を有するものを選定して使用することができる。前記「酸価」とは、アクリル系重合体1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であって、溶解性に関与する。前記アルカリ可溶性樹脂の酸価が前記範囲未満の場合、十分な現象速度を確保しにくいことがあり、前記範囲を超過すると、基板との密着性が減少してパターンの短絡が発生しやすく、全体組成物の貯蔵安定性が低下して粘度が上昇する問題が発生し得る。
【0063】
また、前記アルカリ可溶性樹脂は、カラーフィルターに使用するための表面硬度の向上のために、分子量および分子量分布度(Mw/Mn)の限定を考慮することができる。好ましくは、重量平均分子量が3,000〜30,000、好ましくは5,000〜20,000になるようにし、分子量分布度は、1.5〜6.0、好ましくは1.8〜4.0の範囲を有するように、直接重合したり購入して使用する。前記範囲の分子量および分子量分布度を有するアルカリ可溶性樹脂は、すでに言及した硬度が向上することができ、高い残膜率だけでなく、現像液中の非露出部の溶解性が卓越し、解像度を向上させることができる。
【0064】
前記アルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基含有不飽和単量体の重合体、またはこれと共重合可能な不飽和結合を有する単量体との共重合体およびこれらの組合せよりなる群から選ばれる1種以上を含む。
【0065】
この際、カルボキシル基含有不飽和単量体は、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸等が可能である。具体的に、不飽和モノカルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、シンナム酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等が挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、酸無水物であってもよく、具体的には、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物等が挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2−メタクリロイルオキシアルキル)エステルであってもよく、例えばスクシン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、スクシン酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等が挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシ重合体のモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート等が挙げられる。これらのカルボキシル基含有単量体は、それぞれ、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0066】
また、カルボキシル基含有不飽和単量体と共重合が可能な単量体は、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物、不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物、カルボン酸ビニルエステル化合物、不飽和エーテル類化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和イミド類化合物、脂肪族共役ジエン類化合物、分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有する巨大単量体、バルキー性単量体およびこれらの組合せよりなる群から選ばれる1種が可能である。
【0067】
より具体的に、前記共重合可能な単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデン等の芳香族ビニル化合物;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエチルメタクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステル;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル化合物;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド等の不飽和アミド類;マレイミド、ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド化合物;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;およびポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有する巨大単量体類;非誘電定数値を低減することができるノルボニル骨格を有する単量体、アダマンタン骨格を有する単量体、ロジン骨格を有する単量体等のバルキー性単量体が使用可能である。
【0068】
前記アルカリ可溶性樹脂は、前記自発光感光性樹脂組成物の固形分の全体100重量%に対して5〜80重量%、具体的に10〜70重量%、より具体的に15〜60重量%で含まれ得る。前記アルカリ可溶性樹脂が前記範囲内に含まれる場合、現像液での溶解性が十分であるので、パターン形成が容易であり、現像時に露光部の画素部分の膜減少が防止されて、非画素部分の欠落性が良好になるので好ましい。前記アルカリ可溶性樹脂が前記範囲未満で含まれる場合、非画素部分が多少欠落し得、前記アルカリ可溶性樹脂が前記範囲を超過して含まれる場合、現像液における溶解性が多少低下して、パターン形成が多少困難になり得る。
【0069】
本発明の自発光感光性樹脂組成物にさらに含まれ得る光重合性化合物は、光および後述する光重合開始剤の作用により重合し得る化合物であって、単官能単量体、二官能単量体、その他の多官能単量体等が挙げられる。
【0070】
前記単官能単量体の種類は、特に限定されず、例えばノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0071】
前記二官能単量体の種類は、特に限定されず、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0072】
前記多官能単量体の種類は、特に限定されず、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち二官能以上の多官能単量体が好ましく使用される。
【0073】
前記光重合性化合物は、前記自発光感光性樹脂組成物固形分の全体100重量%に対して5〜70重量%、具体的に10〜60重量%、より具体的に15〜50重量%で含まれ得る。前記光重合性化合物が前記範囲内に含まれる場合、画素部の強度や平滑性の側面から好ましい利点がある。前記光重合性化合物が前記範囲未満で含まれる場合、画素部の強度が多少低下し得、前記光重合性化合物が前記範囲を超過して含まれる場合、平滑性が多少低下し得るので、前記範囲内に含まれることが好ましい。
【0074】
本発明による自発光感光性樹脂組成物は、光重合開始剤をさらに含むことができ、前記光重合開始剤は、前記光重合性化合物を重合させることができるものであれば、その種類を特に制限せずに使用することができる。特に、前記光重合開始剤は、重合特性、開始効率、吸収波長、入手性、価格等の観点からアセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ビイミダゾール系化合物、オキシム化合物およびチオキサントン系化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物を使用することが好ましい。
【0075】
前記アセトフェノン系化合物の具体的な例では、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタル、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等が挙げられる。
【0076】
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等がある。
【0077】
前記トリアジン系化合物の具体的な例としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0078】
前記ビイミダゾール化合物の具体的な例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4’5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールまたは4,4’,5,5’位置のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物等が挙げられる。これらのうち2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4’5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましく使用される。
【0079】
前記オキシム化合物の具体的な例としては、o−エトキシカルボニル−α−オキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられ、市販品としてバスフ社のIrgacure OXE 01、OXE 02が代表的である。
【0080】
前記チオキサントン系化合物としては、例えば2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等がある。
【0081】
前記光重合開始剤は、前記自発光感光性樹脂組成物固形分の全体100重量%に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%で含まれ得る。前記光重合開始剤が前記範囲内に含まれる場合、前記自発光感光性樹脂組成物が高感度化されて露光時間が短縮されるので、生産性が向上し、高い解像度を維持できるので好ましい。また、本発明による自発光感光性樹脂組成物を使用して形成した画素部の強度と前記画素部の表面での平滑性が良好になる利点がある。
【0082】
前記光重合開始剤は、本発明による自発光感光性樹脂組成物の感度を向上させるために、光重合開始補助剤をさらに含むことができる。前記光重合開始補助剤が含まれる場合、感度がより高くなって、生産性が向上する利点がある。
【0083】
前記光重合開始補助剤は、例えば、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール基を有する有機硫黄化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく使用され得るが、これに限定されない。
【0084】
前記アミン化合物としては、芳香族アミン化合物を使用することが好ましく、具体的にトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の脂肪族アミン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称:ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を使用することができる。
【0085】
前記カルボン酸化合物は、芳香族ヘテロ酢酸類であることが好ましく、具体的にフェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等が挙げられる。
【0086】
前記チオール基を有する有機硫黄化合物の具体的な例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H、5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチルレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。
【0087】
前記光重合開始補助剤は、本発明の範囲を害しない範囲で適切に追加して使用することができる。
【0088】
本発明の自発光感光性樹脂組成物にさらに含まれ得る追加溶剤は、特に限定されず、当該分野において通常的に使用される有機溶剤を含むことができ、これは、本発明の量子ドット分散液に含まれる溶剤と同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0089】
前記追加溶剤は、具体的にエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエテール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル等のアルキレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート等のアルコキシアルキルアセテート類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類等が挙げられる。
【0090】
前記の追加溶剤は、塗布性および乾燥性の観点から好ましくは前記追加溶剤のうち沸点が100℃〜200℃である有機溶剤が挙げられ、より好ましくはアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、3−エトキシプロピオン酸エチルや、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル類が挙げられ、より好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等が挙げられる。これらの追加溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上混合して使用することができる。
【0091】
本発明の自発光感光性樹脂組成物内に含まれる全体溶剤(量子ドット分散液内溶剤および追加溶剤)は、前記自発光感光性樹脂組成物の全体100重量%に対して20〜90重量%、好ましく25〜85重量%、より好ましく30〜80重量%で含まれ得る。前記全体溶剤の含量が前記範囲以内に含まれる場合には、ロールコーター、スピンコーター、スリットアンドスピンコーター、スリットコーター(ダイコーターともいう場合がある)、インクジェット等の塗布装置で塗布したとき、塗布性が良好になり得るので好ましい。前記全体溶剤の含量が前記範囲未満で含まれる場合、塗布性が多少低下するにつれて工程が多少困難になり得、前記範囲を超過する場合、前記自発光感光性樹脂組成物で形成されたカラーフィルターの性能が多少低下し得る問題が発生し得る。
【0092】
本発明による自発光感光性樹脂組成物は、コーティング性または密着性を増進させるために、密着促進剤、界面活性剤のような添加剤を追加に含むことができる。
【0093】
前記密着促進剤は、基板との密着性を高めるために添加され得るものであって、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基およびこれらの組合せよりなる群から選ばれる反応性置換基を有するシランカップリング剤を含むことができるが、これらに限定されるものではない。例えば、前記シランカップリング剤は、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられ、これは、単独および2種以上組み合わせて使用することができる。
【0094】
本発明による自発光感光性樹脂組成物が前記界面活性剤を含む場合、コーティング性が向上することができるという利点がある。例えば前記界面活性剤は、BM−1000,BM−1100(BM Chemie社)、フロライドFC−135/FC−170C/FC−430(住友スリーエム社)、SH−28PA/−190/SZ−6032(東レ・シリコーン社)等のフッ素系界面活性剤を使用することができるが、これらに限定されない。
【0095】
その他にも、本発明による自発光感光性樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤のような添加剤をさらに含むこともでき、前記添加剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で当業者が適切に追加して使用が可能である。例えば前記添加剤は、前記自発光感光性樹脂組成物の全体重量を基準として0.05〜10重量部、具体的に0.1〜10重量部、より具体的に0.1〜5重量部で使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0096】
<カラーフィルター>
本発明のさらに他の様態は、前述した自発光感光性樹脂組成物を利用して製造されたカラーフィルターに関する。
【0097】
本発明によるカラーフィルターは、本発明の量子ドット分散液を含む自発光感光性樹脂組成物の硬化物を含むので、量子ドット粒子が均一に分散して発光特性に優れているという利点がある。
【0098】
前記カラーフィルターは、基板および前記基板の上部に形成されたパターン層を含む。
【0099】
前記基板は、前記カラーフィルター自体基板であってもよく、またはディスプレイ装置等にカラーフィルターが位置する部位であってもよく、特に制限されない。前記基板は、ガラス、シリコン(Si)、シリコン酸化物(SiOx)または高分子基板であってもよく、前記高分子基板は、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone、PES)またはポリカーボネート(polycarbonate、PC)等であってもよい。
【0100】
前記パターン層は、本発明の自発光感光性樹脂組成物を含む層であって、前記自発光感光性樹脂組成物を塗布し、所定のパターンで露光、現像および熱硬化して形成された層であってもよい。前記パターン層は、当業界において通常的に知られている方法を行うことによって形成することができる。
【0101】
前記のような基板およびパターン層を含むカラーフィルターは、各パターンの間に形成された隔壁をさらに含むことができ、ブラックマトリックスをさらに含むことができるが、これに限定されない。
【0102】
また、前記カラーフィルターのパターン層の上部に形成された保護膜をさらに含むこともできる。
【0103】
前記カラーフィルターは、赤色パターン層、緑色パターン層および青色パターン層よりなる群から選ばれる1以上を含むことができる。具体的に、前記カラーフィルターは、本発明による赤色量子ドットを含む赤色パターン層、緑色量子ドットを含む緑色パターン層および青色量子ドットを含む青色パターン層よりなる群から選ばれる1以上を含むことができる。前記赤色パターン層、緑色パターン層、青色パターン層は、それぞれ、光の照射時に赤色光、緑色光、青色光を放出することができ、この際、前記光源の放出光は、特に限定されないが、さらに優れた色再現性の側面から青色光を放出する光源を使用することができる。
【0104】
前記カラーフィルターは、赤色パターン層、緑色パターン層および青色パターン層のうち2種の色相のパターン層だけを具備することもできるが、これに限定されない。ただし、前記カラーフィルターが2種の色相のパターン層だけを具備する場合、前記パターン層は、前記量子ドット粒子を含有しない透明パターン層をさらに具備することができる。
【0105】
前記カラーフィルターが前記2種の色相のパターン層だけを具備する場合には、前記2種の色相以外の色相を示す波長の光を放出する光源を使用することができる。例えば、前記カラーフィルターが赤色パターン層および緑色パターン層を含む場合には、青色光を放出する光源を使用することができ、この場合、赤色量子ドットは、赤色光を、緑色量子ドットは、緑色光を放出し、前記透明パターン層は、前記光源による青色光がそのまま透過するにつれて青色を帯びることができる。
【0106】
<画像表示装置>
また、本発明の他の様態は、前述したカラーフィルターを含む画像表示装置に関する。
【0107】
本発明のカラーフィルターは、通常の液晶表示装置だけでなく、電界発光表示装置、プラズマ表示装置、電界放出表示装置等の各種画像表示装置に適用が可能である。
【0108】
本発明による画像表示装置は、本発明の量子ドット分散液を含む自発光感光性樹脂組成物の硬化物で製造されたカラーフィルターを含むことによって、発光特性に優れているという効果がある。
【0109】
前記画像表示装置は、青色光を放出する光源および透明パターン層をさらに含むことができ、前記青色光を放出する光源、前記透明パターン層は、前述した内容を適用することができる。
【0110】
以下、本明細書を具体的に説明するために、実施例により詳細に説明する。しかしながら、本明細書による実施例は、様々な他の形態に変形され得、本明細書の範囲が以下で詳述する実施例に限定されるものと解されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。また、以下で含有量を示す「%」および「部」は、特に言及しない限り、重量基準である。
【0111】
製造例1〜2
製造例1:量子ドット分散液の製造
下記表1に記載された各成分(量子ドットおよび溶剤)および含量で混合して量子ドット分散液を製造し、各製造例(製造例1−1〜1−11)のハンセン溶解度パラメーターも、下記表1に記載した。
【0112】
【表1】
【0113】
製造例2:アルカリ可溶性樹脂の製造
撹拌器、温度計, 還流冷却管、滴下漏斗および窒素導入管を具備したフラスコを準備し、N−ベンジルマレイミド45重量部、メタクリル酸45重量部、トリシクロデシルメタクリレート10重量部、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート4重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」という)40重量部を投入後、撹拌混合して、モノマー滴下漏斗を準備し、n−ドデカンチオール6重量部およびPGMEA24重量部を入れて撹拌混合して、連鎖移動剤滴下漏斗を準備した。
【0114】
以後、フラスコにPGMEA395重量部を導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素に交換した後、撹拌しつつ、フラスコの温度を90℃まで昇温させた。次に、モノマーおよび連鎖移動剤を滴下漏斗から滴下を開始した。滴下は、90℃を維持しつつ、それぞれ2時間の間進め、1時間後に110℃に昇温して3時間の間維持した後、ガス導入管を導入させて、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。
【0115】
次に、グリシジルメタクリレート10重量部、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4重量部およびトリエチルアミン0.8重量部をフラスコ内に投入して110℃で8時間反応を継続し、その後、室温まで冷却しつつ、固形分29.1重量%、重量平均分子量32,000、酸価が114mgKOH/gであるアルカリ可溶性樹脂を得た。
【0116】
製造例3:カラーフィルターの製造
下記実施例1〜7および比較例1〜4で製造された自発光感光性樹脂組成物を利用してカラーフィルターを製造した。具体的に、前記それぞれの自発光感光性樹脂組成物をスピンコーティング法でガラス基板の上に塗布した後、加熱板の上に載置し、100℃の温度で3分間維持して薄膜を形成させた。次に、前記薄膜の上に20mm×20mmのサイズの正四角形の透過パターンと1μm〜100μmのライン/スペースパターンを有する試験フォトマスクを載置し、試験フォトマスクとの間隔を100μmとして紫外線を照射した。
【0117】
この際、紫外線光源は、ウシオ電機社製の超高圧水銀ランプ(商品名USH−250D)を利用して大気雰囲気下で200mJ/cmの露光量(365nm)で光照射し、特別な光学フィルターは使用しなかった。前記で紫外線が照射された薄膜をpH10.5のKOH水溶液現像溶液に80秒間浸漬して現像した。この薄膜が施されたガラス板を蒸留水を使用して洗浄した後、窒素ガスを吹いて乾燥させ、150℃の加熱オーブンで10分間加熱してカラーフィルターパターンを製造した。前記製造された自発光カラーフィルターパターンのフィルム厚さは、3μmであった。
【0118】
実施例1〜7および比較例1〜4
下記表2に記載された各成分および含量で自発光感光性樹脂組成物を製造した。
【0119】
【表2】
【0120】
実験例
実験例1:量子ドット分散液および自発光感光性樹脂組成物の分散粒度の測定
ELSZ−2000ZS(大塚社製)を利用して、分散粒度を測定して、下記表3に記載した。量子ドット粒子が凝集するほど分散粒度は大きくなる。
【0121】
実験例2:発光強度(Intensity)の測定
前記製造例3で製造されたカラーフィルターに対して550nmの領域での発光強度を分光器(Ocean Optics社製造)を利用して測定して、下記表3に記載した。測定された発光強度が大きいほど優れた自発光特性を発揮するものと判断する。
【0122】
【表3】
【0123】
前記表3を参照すると、本発明の量子ドット分散液およびこれを含む自発光感光性樹脂組成物(実施例1〜7)の場合、本発明の量子ドット分散液およびこれを含む自発光感光性樹脂組成物でない場合(比較例1〜3)より分散粒度が小さいことを確認することができる。また、本発明の自発光感光性樹脂組成物の硬化物を含むカラーフィルターの場合(実施例1〜7)、本発明の自発光感光性樹脂組成物の硬化物を含まない場合(比較例1〜3)より発光強度に優れていることを確認することができる。
【0124】
特に、本発明の量子ドット分散液、自発光感光性樹脂およびこれを利用して製造されたカラーフィルターの場合(実施例1〜7)、人体に有害な成分(クロロホルム等)を含有しないにもかかわらず、従来のクロロホルムを使用した場合(比較例4)と類似した効果が現れることを確認することができる。