(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6778826
(24)【登録日】2020年10月14日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 17/08 20060101AFI20201026BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
F25D17/08 306
F25D17/08 314
F25D11/00 101B
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-532667(P2019-532667)
(86)(22)【出願日】2017年12月21日
(65)【公表番号】特表2020-502466(P2020-502466A)
(43)【公表日】2020年1月23日
(86)【国際出願番号】CN2017117606
(87)【国際公開番号】WO2018113713
(87)【国際公開日】20180628
【審査請求日】2019年6月17日
(31)【優先権主張番号】201611200714.2
(32)【優先日】2016年12月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516270865
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール ジョイント ストック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER JOINT STOCK CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー ドンシャオ
(72)【発明者】
【氏名】リゥ チンリン
(72)【発明者】
【氏名】ジャ ジーロン
【審査官】
石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−145082(JP,A)
【文献】
特開昭61−130767(JP,A)
【文献】
米国特許第06318099(US,B1)
【文献】
韓国公開特許第10−2004−0049616(KR,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2009−0043825(KR,A)
【文献】
中国特許出願公開第101153761(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第106679322(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第106679287(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫であって、
第1コンパートメントと第2コンパートメントとが規定される筐体であって、第1コンパートメントと第2コンパートメントとの後部には第1コンパートメントに連通する第1吸気室と、第2コンパートメントに連通する第2吸気室とが設けられた筐体と、
筐体の底部に配置された圧縮機と、
筐体の蒸発器室内に配置され、前記第1コンパートメントと第2コンパートメントとに冷気を供給可能な蒸発器と、
風量調整装置と、
前記圧縮機と前記風量調整装置とに接続されたコントローラとを備え、
前記風量調整装置が前記第1コンパートメントと第2コンパートメントとの後部に配置され、前記風量調整装置が、ファンと、第1吸気室と第2吸気室の間に配置された遮蔽板とを備え、前記ファンが蒸発器からの冷気を前記第1吸気室および第2吸気室へ導入可能であり、前記遮蔽板が複数の位置の間で移動することで前記第1吸気室と第2吸気室とに進入する風量を調整可能であり、
前記風量調整装置は、遮蔽板の前後両側にそれぞれ接続された操作つまみおよびポテンショメータを更に備え、前記操作つまみは、前記第1コンパートメントと第2コンパートメントとの何れか一方の内部に配置され、前記ポテンショメータは、前記コントローラに接続され、前記操作つまみは、前記遮蔽板が移動するように操作可能であり、前記ポテンショメータは、前記遮蔽板の位置に対応する電気信号をコントローラへ伝達し、前記コントローラは、前記遮蔽板の位置にマッチングする前記圧縮機のスタートアップ・シャットダウン点及びファン回転数に基づいて、前記ファンの回転数を制御し、または前記圧縮機のオンとオフを制御することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記操作つまみは、ノブとして構成され、前記ノブは、前記遮蔽板を複数の位置の間で回転させることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第1コンパートメントは、冷蔵室として構成され、前記第2コンパートメントは、冷凍室として構成され、前記風量調整装置は、前記冷凍室の後部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記筐体は、前記冷凍室の後部に配置された前蓋板と、前記前蓋板に接続された後蓋板とを更に備え、前記第1吸気室および前記第2吸気室は、前記前蓋板と前記後蓋板との間に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記ポテンショメータは、前記後蓋板に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記冷蔵庫が少なくとも3つのモードの間で切替可能となるように、前記操作つまみは、前記遮蔽板を少なくとも3つの位置の間で移動させることが可能であり、第1位置では、前記冷蔵室の吸気風量が前記冷凍室の吸気風量に略等しく、前記冷蔵庫が通常モードで運転し、第2位置では、前記冷蔵室の吸気風量が前記冷凍室の吸気風量より小さく、前記冷蔵庫が急速冷却モードで運転し、第3位置では、前記冷蔵室の吸気風量が前記冷凍室の吸気風量より大きく、前記冷蔵庫が冷凍から冷蔵へ切り替えるモードで運転することを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記急速冷却モードにおいて、前記コントローラは、前記ファンの回転数が通常モードよりも10%増加するように制御し、冷凍から冷蔵へ切り替えるモードにおいて、前記コントローラは、ファンの回転数が通常モードよりも10%減少するように制御することを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記風量調整装置は、前記前蓋板と前記後蓋板とを通過する柱状本体を更に備え、前記遮蔽板は、前記柱状本体に固定され、前記操作つまみと前記ポテンショメータは、それぞれ前記柱状本体の両端に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記前蓋板の前部には、前記冷凍室の後板が配置され、前記前蓋板と前記冷凍室の前記後板との間には、前記冷凍室に連通する冷凍通風路が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記前蓋板と前記冷凍室の前記後板との間には、フォーム保温層が配置され、前記冷凍通風路は、前記前蓋板と前記フォーム保温層との間に位置することを特徴とする請求項9に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願日が2016年12月22日であり、出願番号が201611200714.2であり、発明名称が「機械ノブで冷蔵庫の運転を制御する方法」である中国特許出願の優先権を主張し、当該出願の全文が引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、家電分野に関し、特に機械ノブで冷蔵庫の運転を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、冷蔵庫は、片開き、両開き・両温度、3ドア・3温度、床置き形・マルチドア等の冷蔵庫を広く指し、異なる貯蔵温度に応じて別々に収納することが容易になるように、一般的に独立する冷凍室と冷蔵室との外扉を有する。このような冷蔵冷凍庫の冷却原理は、直冷式と空冷式に分けられる。直冷式の冷却システムは、電磁弁を適切に用いて冷媒の流れを制御して各冷蔵(凍)室の蒸発器へ冷媒をそれぞれ供給することにより、各空間を必要な温度まで冷却させる。空冷式の冷蔵冷凍には、各空間へ送風するための対応する通風路が設けられる必要がある。
【0004】
一般的な2ドアおよびそれ以上のドアの冷蔵庫は、少なくとも1つの冷凍室および幾つかの冷蔵室を備える。異なる需要を有するユーザにとって、冷蔵庫コンパートメントが冷凍機能とソフト冷凍機能と冷蔵機能とでの自在な切替を実現できることが期待されている。従来のファン式冷蔵庫の風量制御は、2種の方式しか有さない。1種は、機械的な制御である。つまり、通風路内のストッパ片の吹き出し断面積を調整して風量の大きさを制御することにより、冷蔵庫の各機能の調整を実施する。もう1種は、電子的な制御である。つまり、パネルの指令を受信して電子ダンパの開放または閉鎖をさせて風量の大きさを制御することにより、冷蔵庫の機能を調整する。従来の第1種の機械調整案は、単に大まかな風量制御案であり、ファン、圧縮機、制御ボード等の電気部品と連携していないため、制御効率が低く、制御ストロークが長い。即ち、温度変動が比較的遅く、温度と機能とに対する制御の精度が足りない。第2種の電子制御案は、制御指令が制御パネルから入力され、センサが温度を感知してから始めて、ダンパの開放または閉鎖が制御される。それは、効率が低く、ダンパが完全に開放されても速やかな冷却が不可能であるときに、圧縮機の運転時間を長くすることしかできないため、消費電力が向上し、全体のコストパフォーマンスが低く、また全体構造が複雑であり、コストが高価であり、メンテナンスが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、
風量調整装置を備えた冷蔵庫を提供することにある。当該風量調整装置は、コストが低いながら冷蔵庫のマルチコンパートメント機能の自在な切替を実現可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記発明目的を果すべく、本発明は、
以下のような冷蔵庫を提供する。前記冷蔵庫は、第1コンパートメントと第2コンパートメントとが規定される筐体であって、第1コンパートメントと第2コンパートメントとの後部には第1コンパートメントに連通する第1吸気室と、第2コンパートメントに連通する第2吸気室とが設けられる筐体と、筐体の底部に配置された圧縮機と、筐体の蒸発器室内に配置され、前記第1コンパートメントと第2コンパートメントとに冷気を供給可能な蒸発器と、
風量調整装置と、前記圧縮機と前記風量調整装置とに接続されたコントローラとを備える。前記風量調整装置は、前記第1コンパートメントと第2コンパートメントとの後部に配置され、前記風量調整装置は、ファンと、第1吸気室と第2吸気室の間に配置された遮蔽板とを備える。前記ファンは、蒸発器からの冷気を前記第1吸気室および第2吸気室へ導入可能である。前記遮蔽板は、複数の位置の間で移動することで、前記第1吸気室と第2吸気室とに進入する風量を調整可能である
。前記風量調整装置は、遮蔽板の前後両側にそれぞれ接続された操作つまみおよびポテンショメータを更に備える。前記操作つまみは、前記第1コンパートメントと第2コンパートメントとの何れか一方の内部に配置され、前記ポテンショメータは、前記コントローラに接続され、前記操作つまみは、前記遮蔽板が移動するように操作可能であり、前記ポテンショメータは、遮蔽板の位置に対応する電気信号をコントローラへ伝達し、前記コントローラは、
前記遮蔽板の位置にマッチングする前記圧縮機のスタートアップ・シャットダウン点及びファン回転数に基づいて、ファンの回転数を制御し、または圧縮機のオンとオフを制御する。
【発明の効果】
【0007】
従来技術よりも、本発明は、以下の有利な作用効果を有する。本発明の冷蔵庫では、機械ノブとストッパ片とポテンショメータとの一体化構造により、冷蔵庫のマルチコンパートメント機能の自在な切替を実現し、コンパートメントの異なる機能に対するユーザの需要を満たし、ユーザの冷蔵庫の最大貯蔵需要を満たす。本発明は、以下のように全体制御案を創造的に提出した。ノブが回動するときに、冷気配分器は、機械構造として割合に応じて風量を配分する。同時に、この機械構造は、コンピュータボードに接続され、角度の回動とともに、コンピュータボードの出力信号は、変化して全機のUIの入力とし、圧縮機とファンとセンサとが同時に連携し、冷却効率が大幅に向上し、消費電力が低減され、コストが低下する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の好適な実施形態における冷蔵庫の通風路ユニットの斜視図であり、通風路ユニットの前面が示されている。
【
図2】
図1における通風路ユニットの斜視図であり、通風路ユニットの後面が示されている。
【
図3】
図2における通風路ユニットの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、図面に示す具体的な実施形態を組み合わせて本発明を詳細に記述する。しかし、これらの実施形態は、本発明に限定されず、当業者がこれらの実施形態に基づいてなした構造、方法または機能上の変換は、何れも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0010】
本発明の好適な冷蔵庫は、筐体を備え、筐体には、2つの冷却コンパートメントが規定され、それぞれ冷蔵室と冷凍室である。一般的に、冷蔵室と冷凍室が上から下へ設けられるが、無論、上から下へ設けられる3つの冷却コンパートメントまたは他の構造態様であってもよい。本実施例では、冷蔵室と冷凍室とが上から下へ配列される方向は、冷蔵庫の高さ方向と定義され、ユーザが冷蔵庫を開く際に冷蔵庫の扉に対向する方向と冷蔵庫の扉に背向する方向は、冷蔵庫の前後方向と定義され、高さ方向と厚さ方向とに直交する方向は、冷蔵庫の幅方向と定義される。
【0011】
冷蔵庫は、圧縮機と蒸発器を更に備え、圧縮機は、筐体の底部に配置され、蒸発器は、筐体冷凍室上部の蒸発器室内に配置され、冷凍室と冷蔵室とに冷気を供給する。蒸発器の下部には、除霜機が配置され、圧縮機は、冷蔵庫底部の後側に配置されている。蒸発器は、既知の何れか一種の蒸発器、例えば、フィン蒸発器、ワイヤーチューブ蒸発器、インフレーション蒸発器及びプレートチューブ蒸発器のうちの一種であってもよい。本実施形態では、冷蔵庫は、圧縮機と凝縮器(図示せず)と蒸発器とによって圧縮冷却循環システムを構成する。
【0012】
図1〜
図5を参照すると、本実施例では、冷蔵庫は、冷蔵室と冷凍室との後部に配置された通風路ユニット100を更に備える。通風路ユニット100は、冷凍室の後部に配置された後板20と、後板に接続された前蓋板40および後蓋板50とを備え、前蓋板40と後蓋板50の間には、ファンを収容するファン収容キャビティ51が形成され、ファンの排気口には、冷蔵室に連通する第1吸気室41と、冷凍室に連通する第2吸気室42と(即ち、冷蔵吸気室と冷凍吸気室)が形成されている。前蓋板40と冷凍室の後板20の間には、冷凍通風路22が設けられ、冷凍室の後板20には、通気口21が更に設けられ、前蓋板40には、冷凍通風路22に連通する冷凍通風路吸気口43が設けられ、第2吸気室42に進入した冷気は、冷凍通風路吸気口43を介して冷凍通風路22に進入してから、通気口21を介して冷凍室内に進入してもよい。前蓋板40と冷凍室の後板20の間には、保温層30が更に配置されてもよい。こうして、冷気損失が低減され、保温効果が向上する。保温層は、フォーム保温層であることが好ましい。後蓋板50と保温層30の間には、冷蔵吸気路52が設けられ、第1吸気室41に進入した冷気は、冷蔵吸気路52を介して冷蔵室内に進入してもよい。
【0013】
通風路ユニット100は、風量調整装置を備え、風量調整装置は、ファン(図示せず)と、ファンの一方側に配置された遮蔽板64とを備え、ファンは、蒸発器からの冷気を第1吸気室41と第2吸気室42とへ導入可能である。遮蔽板64は、第1吸気室41と第2吸気室42の間に位置する。遮蔽板64は、複数の位置の間で移動することにより、第1吸気室41と第2吸気室42とに進入する風量を調整可能である。これにより、冷蔵室と冷凍室とに進入する風量は、制御可能である。
【0014】
具体的に、遮蔽板64の前後両側は、それぞれ操作つまみ61とポテンショメータ63とに接続され、操作つまみ61は、冷凍室内部に配置され、ポテンショメータ63は、後蓋板50に配置され、操作つまみ61は、遮蔽板64を回転させることが可能であり、ポテンショメータ63は、遮蔽板64の回転により、遮蔽板64の位置に対応する信号を冷蔵庫のコントローラへ出力可能であり、冷蔵庫のコントローラは、ファンの回転数を制御し、または圧縮機のオンとオフを制御する。風量調整装置は、前蓋板40と後蓋板50とを通過する柱状本体62を更に備え、遮蔽板64は、柱状本体62に固定され、操作つまみ61とポテンショメータ63とは、それぞれ柱状本体62の両端に接続されている。
【0015】
好ましくは、操作つまみ61は、ノブとして構成され、ノブは、遮蔽板64を複数の位置の間で回転させる。冷凍室の後板20には、レンジ目盛のシルク印刷がプリントされてもよく、レンジ名称がマークされてもよく、または、ノブに数字がプリントされてもよい。これらのシルク印刷により、ユーザは、調整のレンジを把握可能である。
【0016】
冷蔵庫のマルチコンパートメント機能の自在な切替を実現するには、遮蔽板64の位置を調整することで冷蔵室と冷凍室の吸気風量を制御可能であり、ポテンショメータ63の電気抵抗が小さいほうから大きいほうまで無段調整できるという特徴を利用して、ノブは、遮蔽板を異なるレンジに移動させることで異なる信号をコントローラへ出力可能であり、コントローラは、その時点でのユーザによって設定されたレンジ位置を知ってから、設定された制御規則に従って制御ファンの回転数を制御し、または圧縮機のオンとオフを制御し、それによって冷蔵庫の機能をユーザの要求に合致させる。
【0017】
具体的に、制御論理は、
図5に示すようになる。ノブによって冷蔵庫の運転を制御する手順は、以下のステップを含む。
【0019】
S2では、コントローラは、選定されたレンジをポテンショメータを介して認識する。
【0020】
S3では、選定されたレンジの制御プログラムを呼び出して、選定されたレンジのスタートアップ・シャットダウン点を確認する。
【0021】
S4では、選定されたレンジのスタートアップ・シャットダウン点に基づいて、冷蔵庫が現在スタートアップ条件を満たすか否かを判断し、満たさない場合に、シャットダウンし、満たす場合に、S5ステップに進む。
【0022】
S5では、呼び出された制御プログラムに応じて、選定されたレンジのスタートアップ・シャットダウン点およびファン回転数に合わせて稼動する。
【0023】
S6では、選定されたレンジのシャットダウン点に達したか否かを判断し、達さなかった場合に、ステップS5を繰り返し、達した場合にシャットダウンする。
【0024】
本実施例では、ノブに4つのレンジ、即ち、急速冷却、通常、省エネ、冷凍から冷蔵へ切り替える機能がある。ここでのスタートアップ・シャットダウン点とは、圧縮機のスタートアップ・シャットダウン条件を指し、時点、冷蔵庫の扉開関回数、冷蔵庫の冷蔵室または冷凍室の温度等であってもよい。
【0025】
遮蔽板64がa、b、c、d、e、fという6つの位置を有すると設定されると、これらの6つの位置にマッチングする圧縮機スタートアップ・シャットダウン点およびファン回転数が、それぞれA、B、C、D、E、Fと設定される。遮蔽板がa位置のレンジに存在するとユーザによって選択されると、コントローラは、a位置に対応する遮蔽板64の角度に基づいて、対応するスタートアップ・シャットダウン点を分析して、スタートアップが必要であるか否かを確認する。必要でない場合に、シャットダウンを行い、必要である場合に、マッチングするシャットダウン点とファン回転数とは、Aと設定する。即ち、Aプログラムに基づいて圧縮機のオンオフとファンの回転数を制御し、Aプログラムにおけるシャットダウン点の要求を満たしてからシャットダウンを行なう。
【0026】
以下では、4つのレンジである、急速冷却、通常、省エネ、冷凍から冷蔵へ切り替える機能について具体的に説明する。
【0027】
急速冷却機能が冷凍室急速製氷である。制御方法は、下記のようになる。ノブがこのレンジまで調整され、接続されたストッパ片構造が回動し、その際、遮蔽板と鉛直方向の冷蔵通風路へ向かう方向との夾角が60度であり、図に示すように、ファンから吹き出した風量は、一部が実線で示され、冷凍通風路吸気口43に直接進入し、一部が点線で示され、ストッパ片によって押し返された後で冷凍通風路に進入する。その際、冷蔵が依然として正常な制御を必要とするため、僅かな切欠が残っておく。その際、冷凍風量:冷蔵風量=6:4を満たし、冷凍の機能要求が急速製氷であり、ノブがレンジまで調整されると、ファン回転数が10%アップしつつ、冷凍センサが起動して冷蔵センサとデータをやり取りして比較する。これにより、急速冷却過程において、冷凍室がレンジの要求に速やかに応じつつ、冷蔵室の温度が0℃より低くないことも、確保される。
【0028】
遮蔽板が第1位置にあるとき、冷蔵室の吸気風量が冷凍室の吸気風量に略等しく、冷蔵室の吸気風量と冷凍室の吸気風量との比率が1:1程度であり、通常モードと設定されてもよい。遮蔽板が第2位置にあるとき、冷蔵室の吸気風量が冷凍室の吸気風量より小さく、冷蔵室の吸気風量と冷凍室の吸気風量との比率が2:8〜4:6であり、急速冷却モードと設定されてもよい。遮蔽板が第3位置にあるとき、冷蔵室の吸気風量が冷凍室の吸気風量より大きく、冷蔵室の吸気風量と冷凍室の吸気風量との比率が6:4〜8:2であり、冷凍から冷蔵へ切り替えるモードと設定されてもよい。それ相応に、急速冷却モードの時にファンの回転数を増加させてもよい。例えば、ファンの回転数が通常モードよりも10%程度増加するようにする。冷凍から冷蔵へ切り替えるモードの時にファンの回転数を減少させてもよい。例えば、ファンの回転数が通常モードよりも10%程度減少するようにする。
【0029】
理解できるように、本明細書が実施形態に応じて記述されたが、各実施形態が1つのみの独立した技術案を含むとは限らず、明細書のこのような記述が単に明瞭のためである。当業者は、明細書を1つの全体として見なすべきである。各実施形態における技術案は、適宜組み合わせられて当業者に理解され得る他の実施形態を形成することもできる。
【0030】
上述した一連の詳細な説明は、単に本発明に対する実行可能実施形態の具体的な説明に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。本発明の要旨及び精神を逸脱せずになした等価な実施形態や変更は、何れも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。