特許第6779072号(P6779072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6779072
(24)【登録日】2020年10月15日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】搭乗橋アダプタ
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/305 20060101AFI20201026BHJP
【FI】
   B64F1/305
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-177454(P2016-177454)
(22)【出願日】2016年9月12日
(65)【公開番号】特開2018-43532(P2018-43532A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2019年8月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】516274391
【氏名又は名称】ANAウイングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】泉 弘毅
【審査官】 諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−523197(JP,A)
【文献】 特開2010−099200(JP,A)
【文献】 米国特許第05950266(US,A)
【文献】 実開平01−123796(JP,U)
【文献】 特開2003−184249(JP,A)
【文献】 特開平11−318989(JP,A)
【文献】 実開平05−016807(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 27/14
B64F 1/30 − 1/305
E01C 9/08
E01D 15/12 −15/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
降扉が開いて扉開口が開放され航空機と、搭乗橋と、の間に使用される搭乗橋アダプタであって、前記搭乗橋アダプタは、
前方延出部と後方延出部とを備える本体部であって、その後方延出部は前記搭乗橋の床面と接触が可能であり、その前方延出部は前記本体部の前記後方延出部が搭乗橋の前記床面と接触をした状態で、前記前方延出部の先端が前記航空機の前記扉開口の床面に接触可能な本体部と、
前記本体部を回転可能に支持し、前記搭乗橋の前記床面の上で走行する車輪と、
前記本体部の両縁に配置される手すりと、
前方プレート延出部と、前記前方プレート延出部と段差なく接続する後方プレート延出部とを備えるスローププレートであって、前記前方プレート延出部は前記本体部の前記前方延出部上に配置され、前記後方プレート延出部は前記本体部の前記後方延出部上に配置されるスローププレートと、を備え、
前記乗降扉の内面に配置される階段の縁に配置される手すりは、前記搭乗橋アダプタの取り付け状態において、前記搭乗橋アダプタの手すりの前記航空機に最も近い側の前方縁の下端は前記乗降扉が完全に開放された状態では、前記乗降扉の手すりの上縁より上側に位置し、
前記航空機に最も近い側の前記前方縁の前記下端から延在する前記搭乗橋アダプタの手すりの下縁は前記乗降扉の前記手すりの上縁の傾斜角度よりも小さい傾斜角度を有する搭乗橋アダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載の搭乗橋アダプタであって、
前記本体部の前記前方延出部と前記本体部の前記後方延出部とは、段差を有して接続されていて、
前記スローププレートは、前記本体部に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする搭乗橋アダプタ。
【請求項3】
請求項1に記載の搭乗橋アダプタであって、
前記スローププレートは、前記本体部に固定されていることを特徴とする搭乗橋アダプタ。
【請求項4】
請求項2に記載の搭乗橋アダプタであって、
前記後方延出部の面に対して、前記搭乗橋から前記航空機に至る方向に斜め下側に向かって、延在するように固定されているスライド部材とを備える搭乗橋アダプタ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の搭乗橋アダプタであって、
前記本体部の前記前方延出部には、ダンパープレートが回動可能に取り付けられていて、前記スローププレートの前記前方プレート延出部は、前記ダンパープレートを介して、前記航空機の床面に接触する搭乗橋アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空港で旅客用航空機に乗客が搭乗する際に、乗客用搭乗橋と航空機の乗降口との間に使用する渡し板(タラップ)としての乗客用搭乗橋アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
旅客用航空機には、その側面に、乗客,乗員または作業員(以下、乗客等とよぶ)を機内に導入するための乗降口が配置され、乗降扉により開放または閉鎖される。乗客等が搭乗するために配置される空港ビルディング内の搭乗ゲートから航空機の乗降口までは乗客用搭乗橋(以下、本明細書中では「PBB」とよぶ)が配置される。PBBは、空港ビルディングにロタンダを介して結合されていて、トンネルの航空機側先端部には航空機との接続部となるキャブが配置される。一般に、PBBは、駐機が予定される大型,中型の航空機の主流の型式の航空機の機体形状に対応するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−143295号公報
【特許文献2】特開2008−143296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、予定された型式の航空機以外の小型の航空機にも、主流の型式の航空機の機体形状に合致したPBBを使用する場合がある。このとき、PBBのキャブ先端が、小型のリージョナル機には完全に接合しない場合がある。しかし、PBBとして、リージョナル機専用のPBBを導入すると、そのPBBが配置される搭乗ゲートはリージョナル機にしか使用できなくなり、専用スポットが固定化され新たなPBBの導入および空港建屋の改修など、コストの面で不利が伴う。そこで、従来の大型・中型機用PBBを、リージョナル機にも使用できるようにするため、キャブと航空機の間の媒介装置ができれば、現在の空港建屋の改修を必要とせずに有利である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
航空機の乗降扉が、その乗降扉の下縁を中心に回転して扉開口が開放され、前記乗降扉の内面に配置される階段の縁に配置される手すりとを有する航空機と、搭乗橋と、の間に使用される搭乗橋アダプタであって、前記搭乗橋アダプタは、前方延出部と後方延出部とを備える本体部であって、その後方延出部は前記搭乗橋の床面と接触が可能であり、その前方延出部は前記本体部の前記後方延出部が搭乗橋の前記床面と接触をした状態で、前記前方延出部の先端が前記航空機の前記扉開口の床面に接触可能な本体部と、前記本体部を回転可能に支持する車輪と、前記本体部の両縁に配置される手すりと、前方プレート延出部と、前記前方プレート延出部と段差なく接続する後方プレート延出部とを備えるスローププレートであって、前記前方プレート延出部は前記本体部の前記前方延出部上に配置され、前記後方プレート延出部は前記本体部の前記後方延出部上に配置されるスローププレートと、を備え、前記乗降扉の内面に配置される階段の縁に配置される手すりは、搭乗橋アダプタの取り付け状態において、前記搭乗橋アダプタの手すりの前記航空機に最も近い側の前方縁の下端は前記乗降扉が完全に開放された状態では、前記乗降扉の手すりの上縁より上側に位置し、前記航空機に最も近い側の前記前方縁の前記下端から延在する前記搭乗橋アダプタの手すりの下縁は前記乗降扉の前記手すりの上縁の傾斜角度よりも小さい傾斜角度を有する搭乗橋アダプタにより解決する。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、一種類のキャブで、PBBとリージョナル機との間について、所定の高低差(高低差33cm程度以内)となる全ての種類の航空機においての搭乗を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の搭乗橋アダプタがリージョナル機に使用される状態を航空機前方からみた図である。
図2】本発明の搭乗橋アダプタをリージョナル機と大型・中型機用PBBを適用する際の斜視図である。
図3】本発明の搭乗橋アダプタをリージョナル機と大型・中型機用PBBを適用する際の図であって、搭乗橋アダプタの取り付け前の状態を示した図である。
図4】本発明の搭乗橋アダプタをリージョナル機と大型・中型機用PBBを適用する際の図であって、搭乗橋アダプタの取り付け後の状態を示した図である。
図5】本発明の搭乗橋アダプタのスライド部材の部分を拡大した図であって、搭乗橋アダプタの取り付け前の状態を示した図である。
図6】本発明の搭乗橋アダプタのスライド部材の部分を拡大した図であって、搭乗橋アダプタの取り付け途中の状態を示した図である。
図7】本発明の搭乗橋アダプタのスライド部材の部分を拡大した図であって、搭乗橋アダプタの取り付け後の状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1から図4を参照して本発明の搭乗橋アダプタ1について、搭乗橋アダプタ1が大中型機用PBBとリージョナル機との間に適用される状態から説明する。図1は、本発明におけるPBB40をリージョナル機サイズの航空機30に接合した際に、航空機30の前方から見た図である。図2は、航空機30の扉開口30aに搭乗橋アダプタ1を適用した際の斜視図である。図3および図4は航空機30の扉開口30aに搭乗橋アダプタ1を適用する際の状態を示した図であって、図2の矢視A側から見た図である。図3は、搭乗橋アダプタ1を取り付ける前の状態を示し、図4は搭乗橋アダプタ1を取り付けた後の状態を示している。
【0009】
本発明の搭乗橋アダプタ1が適用されるPBB40は、従来と同様に、伸縮自在のトンネルと、トンネルの航空機30側にキャブ40aとを、具備している。PBBは、大型機サイズの場合にはほぼ水平に延長するが、リージョナル機サイズに適用する場合には、航空機30の乗降口の高さに併せて前傾するように延長する。キャブ40aの航空機30側にはジャバラが取り付けられていて、航空機30の外壁を傷つけることなく航空機30に接合し、乗客等の雨よけの役割をする。航空機30の乗降扉31はその下縁を中心に外側に向かって回転して扉開口30aが開放される。乗降扉31が完全に開放された状態では、その内面が上方を向いて階段(以下、「エアステア」)32が現れる。エアステア32の両端には、手すり33が配置されている。乗降扉31とエアステア32と手すり33とは、一体として回転する。乗降扉31が完全に開放された状態で、エアステア32は扉開口30aから地面に向かって下がるように段差が連なる。手すり33は、乗降扉31が完全に開放された状態で、手すり33の上縁が、エアステア32の段差が連なる斜め下方向に沿って、水平方向に対して扉開口30aから斜め下方向に向かって延在するように取り付けられている。PBB40の床面41(キャブ部床面)の高さは、航空機30の扉開口30aの床面に対して、高くなっている。
【0010】
搭乗橋アダプタ1は、手すり2と、スローププレート3と、本体部4と、を備えている。手すり2は、搭乗橋アダプタ1の両縁に沿って、本体部4から鉛直方向に起立するように、本体部4の両縁に取り付けられている。本体部4は、前方延出部4aと、前方延出部4aと反対の方向に延在する後方延出部4bとを備える。前方延出部4aは後方延出部4bに対して低くなっていて、段差を形成している。手すり2の間の搭乗橋アダプタ1であって、本体部4の上には、スローププレート3が配置されている。スローププレート3は、本体部4に対して取り外し可能に取り付けられていてもよいし、本体部4に緊締具または溶接等で固定されていてもよい。スローププレート3は、本体部4に対して取り外し可能に取り付けられている場合には、本体部4は歩行用の床面として、スローププレート3は車椅子などのバリアフリーの床面として機能する。スローププレート3は、前方延出プレート部3aと、前方延出プレート部3aと反対の方向に前方延出プレート部3aと段差なく延在するように後方延出プレート部3bと、を備える。前方延出プレート部3aは本体部4の前方延出部4aの上部に、後方延出プレート部3bは本体部4の後方延出部4bの上部に配置される。本体部4の後方延出部4bは、PBB40の床面41(キャブ部床面)に接触する。本体部4の前方延出部4aは、後方延出部4bより、すなわちPBB40の床面41(キャブ部床面)より低い位置(段差を形成する位置)から、航空機30の扉開口30aの床面に向かって、斜面を形成するように延出している。
【0011】
スローププレート3の傾斜(前方延出プレート部3aと後方延出プレート部3bとがなす角度)は、前方延出プレート部3aの先端が航空機30の扉開口30aの床面に設置したときに、後方延出プレート部3bがPBB40の床面41(キャブ部床面)が接触する角度になっている。前方延出プレート部3aは、後方延出プレート部3bから、PBB40の床面41(キャブ部床面)から、航空機30の扉開口30aの床面に向かって、下がるように延出している。スローププレート3の傾斜(前方延出プレート部3aと後方延出プレート部3bとがなす角度)は、前方延出プレート部3aの先端が航空機30の扉開口30aの床面に設置したときに、後方延出プレート部3bがPBB40の床面41(キャブ部床面)が接触する角度になっている。
【0012】
本体部4の下部には、車輪6が取り付けられている。車輪6はPBB40の床面41上を航空機30に向かって走行可能であって、それにより搭乗橋アダプタ1が車輪6に支えられて、PBB40の設置位置まで移動することができる。車輪6は、スローププレート3の下側に位置する。車輪6は、スローププレート3の前方延出プレート部3aと後方延出プレート部3bとが床に接触しない状態で、搭乗橋アダプタ1を前後に移動可能である。車輪6に対して、後方延出プレート部3bの側の本体には、後方延出プレート部3bが延在する方向に対して角度を有するように、取り付けられるスライド部材7を具備している。スライド部材7は、車輪6から後方延出プレート部3bに向かって斜めに延在するように取り付けられている。すなわち、スライド部材7は、後方延出プレート部3bの面に対して、PBB40から航空機30に至る方向の斜め下側に向かって、延在するように固定されている。
【0013】
図5から図7を参照して、車輪6とスライド部材7との位置関係を説明する。図5は車輪6により搭乗橋アダプタ1がPBB40の床面41上を移動している状態の車輪6の近傍を示した図である。図6は、車輪6がPBB40の床面41を超えて、スライド部材7がPBB40の床面41と接触している状態を示した図である。図7は、スライド部材7のスライド終端7aがPBB40の床面41と接触している状態を示した図である。
【0014】
図5に示すように、車輪6は、PBB40の床面41上を航空機30に向かって走行した後に、PBB40の床面41との接触をもってPBB40の床面41と離れる。この段階までは、搭乗橋アダプタ1は車輪6により支持される(図5)。さらに、車輪6が前進して搭乗橋アダプタ1がPBB40の床面41を超えると、車輪6はPBB40の床面41から離れて、スライド部材7がPBB40の床面41の端部上縁41aと接触し、スライド部材7と端部上縁41aとの接触点はスライド部材7のスライド終端7aまで滑る(図6)。その接触点がスライド終端7aに至った段階で、スローププレート3の後方延出プレート部3bがPBB40の床面41と接触をして、搭乗橋アダプタ1が支持される(図7)。
【0015】
搭乗橋アダプタ1は、本体部4の後方延出部4bがPBB40の床面41と接触をした段階で、本体部4の前方延出部4aの先端縁が扉開口30aの床面と、直接、線接触になることを防ぐためのダンパープレート5を具備している。ダンパープレート5は回転軸5a周りに回転可能に取り付けられている。ダンパープレート5は、回転軸5aを中心に、ダンパープレートの先端5bとダンパープレートの後端5cとが搖動し、搭乗橋アダプタ1の傾斜角にかかわらず、ダンパープレート5が航空機30の扉開口30aの床面と接触をするようになっている。そして、スローププレート3の前方延出プレート部3aの先端3cと、扉開口30aの床面との間にはダンパープレート5が位置し、ダンパープレート5を介して、スローププレート3の前方延出プレート部3aの先端が航空機30の扉開口30aの床面に接触する。また、ダンパープレート5を配置せずに、ダンパープレート5を介することなく、スローププレート3の前方延出プレート部3aの先端3cが航空機30の扉開口30aの床面に直接接触するようにしてもよい。
【0016】
ダンパープレート5を配置した場合には、リージョナル機のように、航空機30の乗降扉31が、その下縁を中心に外側に向かって開いたときにおいて、搭乗橋アダプタ1がPBB40の床面41に車輪6を接触させながら移動している状態(図3に示す状態)では、ダンパープレート5は、任意の傾斜角となっている。たとえば、ダンパープレート5は、スローププレート3の傾斜に近い傾斜角になっている。搭乗橋アダプタ1がPBB40の床面41の所定の位置に取り付けられるとき、まず、ダンパープレート5の先端5bが航空機30の扉開口30aの床面に接触する。搭乗橋アダプタ1の所定位置への設置のために、搭乗橋アダプタ1の角度を変更すると、ダンパープレート5の先端5bが押されて、ダンパープレート5が回転し、ダンパープレート5の後端5cが、航空機30の扉開口30aの床面に向かって、降りてくる。そして、搭乗橋アダプタ1の所定位置へ完全に設置された状態では、ダンパープレート5の全体の面が、航空機30の扉開口30aの床面に接触する。スローププレート3の前方延出プレート部3aの先端3cは、ダンパープレート5に接触し、ダンパープレート5を介して、スローププレート3の前方延出プレート部3aの先端3cが、航空機30の扉開口30aの床面に接触する。
【0017】
リージョナル機のように、航空機30の乗降扉31が、その下縁を中心に外側に向かって回転して扉開口30aが開放されるような航空機30では、乗降扉31が完全に開放された状態では、エアステア32の手すり33の上縁は、エアステア32の段差が連なる斜め下方向に沿って、水平方向に対して扉開口30aから斜め下方向に向かって延在するように取り付けられている。搭乗橋アダプタ1の手すり2は、本体部4の長手方向に沿って、PBB40から航空機30の方向に延出している。ここで、搭乗橋アダプタ1が、PBB40に取り付けられた状態、すなわち本体部4の後方延出部4bがPBB40の床面41と接触をし、本体部4の前方延出部4aの先端(ダンパープレート5が配置される場合にはダンパープレート5)が航空機30の扉開口30aの床面に接触している状態を、「取付状態」と定義する。
【0018】
搭乗橋アダプタ1の取り付け状態において、搭乗橋アダプタ1の手すり2は、リージョナル機のエアステア32の上側に配置されるようになっている。すなわち、搭乗橋アダプタ1の手すり2は、取り付け状態において、搭乗橋アダプタ1の手すり2の最も航空機に近い側の前方縁2aの下端2cは、乗降扉31が完全に開放された状態では、エアステア32の手すり33の上縁より上側に位置する。そして、搭乗橋アダプタ1の手すり2は、搭乗橋アダプタ1の手すり2の航空機に最も近い側の前方縁2aの下端2cから延在する搭乗橋アダプタ1の手すり2の下縁の傾斜角(水平方向に対して下側に向かった傾斜角)は、エアステア32の手すり33の上縁の傾斜角度(水平方向に対して下側に向かった傾斜角)よりも小さくなっている。これにより、搭乗橋アダプタ1の「取付状態」であっても、リージョナル機のエアステア32の手すり33と干渉しない。すなわち、機体のエアステア32の手すり33の幅に関係なく、エアステア32の手すり33を取り外さなくても搭乗橋アダプタ1を取り付けることが可能となる。
【符号の説明】
【0019】
1 搭乗橋アダプタ
2 手すり
3 スローププレート
4 本体部
5 ダンパープレート
6 車輪
7 スライド部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7