(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受光手段は、常時、前記光学的情報からの反射光を前記第1の読取口及び前記第2の読取口を介して受光可能に制御されることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
前記延出部は、前記延出端部の前記把持部側が前記受光手段の受光範囲の外縁のうち前記把持部から最も離れた縁に沿うように形成されることを特徴とする請求項6に記載の光学的情報読取装置。
前記第1の読取口は、当該第1の読取口を介した前記受光手段の受光範囲が前記第2の読取口を介した前記受光手段の受光範囲よりも大きくなるように形成されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
前記受光手段は、受光範囲が、前記載置部にて載置されたときの上下方向の長さが左右方向の長さよりも長くなるように設定されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した光学読取装置のようにヘッド部の前面に2つの読取口(第一の読取窓及び第二の読取窓)が形成される構成では、第一の読取窓が作業者に向くように載置型として利用している状態から第二の読取窓を情報コードに向けるように携帯型として利用する場合がある。このような場合、載置状態の把持部を単に把持すると第一の読取窓だけでなく第二の読取窓も作業者に向かう状態になるため、把持したそのままの状態で情報コードに第二の読取窓に向けにくいという問題がある。そうすると、把持したそのままの状態で情報コードを読み取るためには、作業者は、載置状態の把持部を後面側(背面側)から把持するように手をまわして把持する必要があり、この把持のための動作が煩わしくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、載置型及び携帯型を兼用する場合でも把持のための動作の煩わしさを低減し得る構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の光学的情報読取装置(10)は、
第1面(21)に第1の読取口(23a)が形成され、前記第1面に対して反対側となる第2面(22)に第2の読取口(23b)が形成され、把持部(30)及び載置部(40)が形成される筐体(11)と、
光学的情報(C)からの反射光を前記第1の読取口又は前記第2の読取口を介して受光する受光手段(63a,63b)と、
を備え、
前記把持部は、前記第1の読取口及び前記第2の読取口を有する読取部と前記載置部との間に配置されて、前記第1の読取口側の作業者から見て前記読取部に近づくほど前記作業者から遠ざかるように、前記載置部に対して傾斜するように形成され
、
前記第1の読取口は、前記載置部にて載置された載置型の読取状態で利用する読取口として構成され、
前記第2の読取口は、前記把持部が把持された携帯型の読取状態で利用する読取口として構成されることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、筐体の第1面に第1の読取口が形成され、この第1面に対して反対側となる筐体の第2面に第2の読取口が形成されている。そして、受光手段により、光学的情報からの反射光が第1の読取口又は第2の読取口を介して受光される。
【0009】
これにより
、第1の読取口が作業者に向くように載置型として利用している状態から把持部を把持して携帯型として利用する場合、把持部をつかんだ状態での第2の読取口が作業者に対して前方向に向くことになる
。このため、載置用に利用していた読取口と異なる読取口を、把持部を把持したそのままの把持状態で情報コードに向けやすくなるので、載置型及び携帯型を兼用する場合でも把持のための動作の煩わしさを低減することができる。
【0010】
特に、把持部は、第1の読取口及び第2の読取口を有する読取部と載置部との間に配置されて、載置部に対して傾斜するように形成される。通常、載置状態の把持部は、作業者から見て斜め下方向に位置するので、斜め上方向から把持部を把持する際、把持部が載置部に対して垂直となるように形成される場合と比較して、把持部を把持しやすくなり、把持のための動作の煩わしさをさらに低減することができる。
【0011】
請求項2の発明では、把持部には、受光手段にて第1の読取口を介して受光する状態
から第2の読取口を介して受光する状態
に切り替える際に操作されるトリガボタンが配置される。これにより、把持部を把持した時にトリガボタンを操作しやすくなるので、把持状態時に載置用の受光状態から携帯用の受光状態に円滑に切り替えることができる。
【0012】
請求項
3の発明では、受光手段は、常時、光学的情報からの反射光を第1の読取口及び第2の読取口を介して受光可能に制御されることで、特別な操作等を行うことなく、いつでもどちらの読取口を利用しても所望の情報コードからの反射光を受光手段にて受光することができる。
【0013】
請求項
4の発明では、載置部が載置面から離されたことを検出する検出手段が設けられており、この検出手段の検出結果に応じて、受光手段にて第1の読取口を介して受光する状態と第2の読取口を介して受光する状態とが切り替えられる。これにより、把持部を把持して持ち上げるだけで載置用の受光状態から携帯用の受光状態に切り替えたり、載置部を載置面に載置するだけで携帯用の受光状態から載置用の受光状態に切り替えたりすることができる。
【0014】
請求項
5の発明では、筐体には、第1の読取口の周囲の少なくとも一部から光学的情報に向かうように延出する延出部が設けられており、この延出部は、その延出端部が第1の読取口を介した受光手段による受光範囲の外縁を覆うように形成される。これにより、延出部の延出端部にて囲われるように情報コードを位置させることで、その情報コードが第1の読取口を介した受光手段による受光範囲内に確実に位置するので、所望の情報コードに対して第1の読取口を向けやすくすることができる。
【0015】
請求項
6の発明では、延出部は、第1の読取口の周囲のうち把持部側の部位を除いて延出するように形成される。これにより、延出部の把持部側の部位のために把持部が把持し難くなることから把持部を長手方向に長くするような必要もないので、所望の情報コードに対して第1の読取口を向けやすくしつつ、把持部の小型化、即ち、光学的情報読取装置の小型化を図ることができる。
【0016】
請求項
7の発明では、延出部は、延出端部の把持部側が受光手段の受光範囲の外縁のうち把持部から最も離れた縁に沿うように形成される。これにより、延出端部の把持部側を情報コードの上縁にあわせるだけで、その情報コードが受光手段による受光範囲内に確実に位置するので、小型化を図りつつ、所望の情報コードに対して第1の読取口をより向けやすくすることができる。
【0017】
請求項
8の発明では、第1の読取口は、当該第1の読取口を介した受光手段の受光範囲が第2の読取口を介した受光手段の受光範囲よりも大きくなるように形成される。これにより、近くの情報コードは第1の読取口を介して読み取り、遠くの情報コードは第2の読取口を介して読み取るなど、読取環境に応じて第1の読取口と第2の読取口とを使い分けることができるので、読取作業に関して利便性を向上させることができる。
【0018】
請求項
9の発明では、受光手段は、受光範囲が、載置部にて載置されたときの上下方向の長さが左右方向の長さよりも長くなるように設定される。情報コードが付された物品等を読取口にかざすとき、その物品等は読取口に対して左右方向からかざされる場合が多いために、その物品等が読取口に対して上下方向にずれる場合が多い。このような場合であっても、受光範囲の上下方向の長さが左右方向の長さよりも長くなるように設定されるため、情報コードの読取口に対する上下方向のずれの影響を抑制でき、情報コードからの反射光を第1の読取口又は第2の読取口を介して確実に受光することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1〜
図6に示す光学的情報読取装置10は、1又は2以上の情報コード(一次元コードや二次元コード等)を光学的に読み取るコードリーダとして構成されるものであり、異なる方向に位置する情報コードを読みやすくするための読取装置である。本実施形態に係る光学的情報読取装置10は、例えば、店舗内のレジカウンタ上に載置されて、読取口にかざされる購入商品に付されたバーコード等を読み取るだけでなく、作業者が把持して読取口を向けたバーコード等を読み取るように構成されている。
【0021】
光学的情報読取装置10は、ABS樹脂等の合成樹脂からなる筐体11により外郭が構成されている。筐体11は、載置型及び携帯型を兼用するため、読取部20と把持部30と載置部40とを備えるように構成されている。
【0022】
読取部20は、後述する受光センサ63a,63b等の電子部品をその内部に収容するように構成され、前面21に読取口23aが設けられるとともに前面21に対して反対側となる後面22に読取口23bが設けられるように形成されている。読取口23aは、当該読取口23aを介した受光センサ63aの受光範囲Saが読取口23bを介した受光センサ63bの受光範囲Sbよりも大きくなるように形成されている。
【0023】
前面21には、読取口23aの周囲のうち把持部30側の部位を除き上側から情報コードに向かうように前方へ延出する延出部24が設けられている。この延出部24は、その延出端部25が読取口23aを介した受光センサ63aによる受光範囲Saの外縁を覆うように形成されている。より具体的には、
図3に示すように、延出部24は、延出端部25の把持部側(下側)が受光センサ63aの受光範囲Saの外縁のうち把持部30から最も離れた縁(上縁)に沿うように形成されている。なお、前面21は、「第1面」の一例に相当し、読取口23aは、「第1の読取口」の一例に相当し得る。また、後面22は、「第2面」の一例に相当し、読取口23bは、「第2の読取口」の一例に相当し得る。
【0024】
把持部30は、把持しやすいように略円柱状に形成されて、読取部20の下面と載置部40の上面とを一体に連結するように読取部20と載置部40との間に配置されている。この把持部30は、斜め上方向等からの把持性を高めるため、読取部20が背面側(
図4の右側)にずれるように載置部40に対して傾斜して形成されている(
図4等参照)。この把持部30の背面側のうち読取部20の近傍には、後述するトリガボタン54aが配置されている。
【0025】
載置部40は、その上面中央にて把持部30の下端に一体に連結するように配置されている。この載置部40は、光学的情報読取装置10をレジカウンタ等の載置面に載置したときの安定性を確保するため、その底部41が、載置時に読取部20を垂直投影した範囲よりも広くなるように形成されている。載置部40の背面側には、外部に引き出される図略の通信ケーブルを固定するための固定部(図示略)が設けられている。
【0026】
ここで、読取部20の延出部24の役割等について、以下に説明する。
延出部24は、その延出端部25の把持部側が受光センサ63aの受光範囲の上縁(外縁のうち把持部から最も離れた縁)に沿うように形成される。これにより、延出端部25の把持部側(下側)を情報コードの上縁にあわせるだけで、その情報コードが受光センサ63aによる受光範囲Sa内に確実に位置するので、所望の情報コードに対して読取口23aをより向けやすくすることができる。
【0027】
特に、延出部24は、読取口23aの周囲のうち把持部側の部位を除いて延出するように形成されるため、光学的情報読取装置10の小型化を図ることができる。
すなわち、仮に、
図10に示す光学的情報読取装置100のように、読取口の周囲の全てを囲うように延出部101が形成される場合、この延出部101が邪魔になり短い把持部では把持し難くなることから、長手方向により長くした把持部102を設ける必要がある。このため、光学的情報読取装置100の載置面からの高さが高くなり、光学的情報読取装置100が大型化してしまう。
【0028】
これに対して、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、延出部24は、読取口23aの周囲のうち把持部側の部位を除いて延出するように形成されるため、
図9に示すように、延出部24が邪魔になることなく把持部30が把持しやすくなる。これにより、延出部の把持部側の部位のために把持部が把持し難くなることから把持部を長手方向に長くするような必要もないので、把持部30の小型化、即ち、光学的情報読取装置10の小型化を図ることができる。
【0029】
次に、光学的情報読取装置10の電気的構成について、図面を参照して説明する。
光学的情報読取装置10は、装置全体を制御する制御部51を備えている。この制御部51は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ52とともに情報処理装置を構成している。また、制御部51には、
図7に示すように、発光部53、操作部54、バイブレータ55、スピーカ56、外部インタフェース57、光学ユニット60などが接続されている。
【0030】
操作部54は、トリガボタン54a等を備えてその操作に応じた操作信号を制御部51に対して与える構成をなしており、制御部51は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。発光部53は、例えばLEDであって、制御部51による制御に応じて点灯・点滅するように構成されている。バイブレータ55は、携帯機器に搭載される公知のバイブレータによって構成されており、制御部51による制御に応じて振動を発生させるように構成されている。スピーカ56は、公知のスピーカによって構成されており、制御部51による制御に応じて予め設定された音声やアラーム音等の所定の音を放音(発音)するように構成されている。外部インタフェース57は、通信ケーブル等を介して外部機器等との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部51と協働して通信処理を行う構成をなしている。
【0031】
光学ユニット60は、制御部51と協働して情報コード等の光学的情報を光学的に読み取るように機能するもので、
図8に示すように、読取口23a側に配置される照明光源61a、結像レンズ62a及び受光センサ63aと、読取口23b側に配置される照明光源61b、結像レンズ62b及び受光センサ63bとを備えている。
【0032】
照明光源61aは、照明光Lfaを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズ等から構成されており、読取口23aを介して照明光Lfaを照射するように配置されている。受光センサ63aは、例えば受光素子を二次元に配列したエリアセンサであって、読取口23aを介して筐体11内に入射する情報コード等からの反射光Lraを結像レンズ62a等を介して受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。読取口23aと受光センサ63aとの間に配される結像レンズ62aは、情報コードCの像を受光センサ63a上に結像させるように構成されている。なお、
図8では、読取口23a側において、情報コードCが付された読取対象Rに対して照明光Lfaが照射される状態を例示している。
【0033】
また、照明光源61bは、照明光Lfbを発光可能な照明光源として機能するもので、照明光源61aと同様に赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズ等から構成されており、読取口23bを介して照明光Lfbを照射するように配置されている。受光センサ63bは、例えば受光素子を一次元に配列したラインセンサであって、読取口23bを介して筐体11内に入射する情報コード等からの反射光Lrbを結像レンズ62b等を介して受光可能にプリント配線板に実装されている。読取口23bと受光センサ63bとの間に配される結像レンズ62bは、情報コードCの像を受光センサ63b上に結像させるように構成されている。なお、
図8では、読取口23b側において、情報コードCが付された読取対象Rに対して照明光Lfbが照射される状態を例示している。また、光学ユニット60には、受光センサ63aや受光センサ63bからの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。なお、受光センサ63aや受光センサ63bは、「受光手段」の一例に相当し得る。
【0034】
このように構成される光学的情報読取装置10では、読取口23aを利用した読み取りと読取口23bを利用した読み取りとが可能となる。特に、トリガボタン54aが操作されない状態では、読取口23aを利用した読み取りが可能となり、トリガボタン54aが操作されている状態では、読取口23bを利用した読み取りが可能とされている。すなわち、トリガボタン54aは、読取口23aを介して受光する状態と読取口23bを介して受光する状態とを切り替える際に操作される操作部として機能する。
【0035】
例えば、トリガボタン54aが操作されていないことから読取口23aを利用して読み取りを行う場合、まず、制御部51によって指令を受けた照明光源61aから照明光Lfaが出射され、この照明光Lfaが読取口23aを通って照射される。そして、照明光Lfaが情報コードCにて反射すると、この反射光Lraは読取口23aを通って筐体11内に取り込まれ、結像レンズ62aを通って受光センサ63aに受光される。受光センサ63aは、この情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。制御部51は、受光センサ63aから出力された受光信号に応じて、情報コードCを解読するためのデコード処理を行う。
【0036】
このため、例えば、光学的情報読取装置10をレジカウンタ上に載置して商品に付された情報コードCを読み取る載置型の読取状態では、情報コードCをその上縁が延出端部25の把持部側に沿うように読取口23aにかざすことで、その情報コードCからの反射光Lraが受光センサ63aにて受光される。これにより、光学的情報読取装置10を載置型として利用する場合でも情報コードCを円滑に読み取ることができる。
【0037】
また、トリガボタン54aが操作されていることから読取口23bを利用して読み取りを行う場合、まず、制御部51によって指令を受けた照明光源61bから照明光Lfbが出射され、この照明光Lfbが読取口23bを通って照射される。そして、照明光Lfbが情報コードCにて反射すると、この反射光Lrbは読取口23bを通って筐体11内に取り込まれ、結像レンズ62bを通って受光センサ63bに受光される。受光センサ63bは、この情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。制御部51は、受光センサ63bから出力された受光信号に応じて、情報コードCを解読するためのデコード処理を行う。
【0038】
このため、例えば、光学的情報読取装置10の把持部30を把持してレジカウンタ上に持ち上げにくい大きな商品に付された情報コードCを読み取る携帯型の読取状態では、把持部30を把持する際にトリガボタン54aを操作することで、読取口23bを利用した読み取りが可能な状態になる。このとき、把持部30をつかんだ状態での読取口23bが作業者に対して前方向に向いているので、その読取口23bを、把持部30を把持したそのままの把持状態で情報コードに向けやすくなる。そして、読取口23bを情報コードCに向けることで、その情報コードCからの反射光Lrbが受光センサ63bにて受光される。これにより、光学的情報読取装置10を携帯型として利用する場合でも情報コードCを円滑に読み取ることができる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、筐体11の読取部20の前面21に第1の読取口として読取口23aが形成され、この前面21に対して反対側となる筐体11の後面22に第2の読取口として読取口23bが形成されている。そして、情報コード(光学的情報)からの反射光が読取口23aを介して受光センサ63aにて受光されるか、読取口23bを介して受光センサ63bにて受光される。
【0040】
これにより、上述したように読取口23aが作業者に向くように載置型として利用している状態から把持部30を把持して携帯型として利用する場合には、把持部30をつかんだ状態での読取口23bが作業者に対して前方向に向くことになり、読取口23bを、把持部30を把持したそのままの把持状態で情報コードに向けやすくなる。したがって、載置型及び携帯型を兼用する場合でも把持のための動作の煩わしさを低減することができる。
【0041】
また、把持部30は、読取口23a及び読取口23bを有する読取部20と載置部40との間に配置されて、載置部40に対して傾斜するように形成される。通常、載置状態の把持部30は、作業者から見て斜め下方向に位置するので、斜め上方向から把持部30を把持する際、把持部が載置部に対して垂直となるように形成される場合と比較して、把持部30を把持しやすくなり、把持のための動作の煩わしさをさらに低減することができる。
【0042】
さらに、把持部30には、読取口23aを介して受光する状態と読取口23bを介して受光する状態とを切り替える際に操作されるトリガボタン54aが配置される。これにより、把持部30を把持した時にトリガボタン54aを操作しやすくなるので、把持状態時に載置用の受光状態から携帯用の受光状態に円滑に切り替えることができる。
【0043】
特に、延出部24は、読取口23aの周囲のうち把持部側の部位を除いて延出するように形成される。これにより、延出部の把持部側の部位のために把持部が把持し難くなることから把持部を長手方向に長くするような必要もないので、所望の情報コードに対して読取口23aを向けやすくしつつ、把持部30の小型化、即ち、光学的情報読取装置10の小型化を図ることができる。
【0044】
さらに、延出部24は、延出端部25の把持部側が受光センサ63aの受光範囲Saの外縁のうち把持部から最も離れた縁(上縁)に沿うように形成される。これにより、延出端部25の把持部側を情報コードCの上縁にあわせるだけで、その情報コードCが受光センサ63aによる受光範囲Sa内に確実に位置するので、小型化を図りつつ、所望の情報コードに対して読取口23aをより向けやすくすることができる。
【0045】
なお、延出部24は、延出端部25の把持部側が受光センサ63aの受光範囲Saの上縁に沿うように形成されることに限らず、読取口23aの周囲のうち把持部側の部位を除いて延出するように形成されてもよい。例えば、
図11及び
図12に例示する延出部24aのように、延出端部25aが、読取口23aの周囲のうち把持部側の部位を除き受光範囲Saの上縁と左右の側縁の少なくとも一部とを囲うように延出して形成されてもよい。このようにしても、延出部の把持部側の部位のために把持部が把持し難くなることから把持部を長手方向に長くするような必要もないので、所望の情報コードに対して読取口23aを向けやすくしつつ、把持部30の小型化、即ち、光学的情報読取装置10の小型化を図ることができる。
【0046】
また、把持部30等の小型化よりも読取作業性を重視する場合には、延出部24は、読取口23aの周囲の少なくとも一部、例えば、
図10の延出部101のように読取口23aの周囲全てから延出して、その延出端部25が読取口23aを介した受光センサ63aによる受光範囲Saの外縁を覆うように形成されてもよい。これにより、延出部24の延出端部25にて囲われるように情報コードを位置させることで、その情報コードが読取口23aを介した受光センサ63aによる受光範囲Sa内に確実に位置するので、所望の情報コードに対して読取口23aを向けやすくすることができる。
【0047】
図13は、読取口の開口サイズXと読取作業時間との関係を示すグラフである。なお、読取作業時間は、その開口サイズXの読取口を用いて情報コードを読み取る作業を行う際に、読み取り完了するまでの作業時間を示している。また、
図13の符号F1,F2,F3は、それぞれシャッタ速度1/250、1/500、1/1000での場合を示しており、符号Fbは、把持部を把持して読み取る場合を示している。
【0048】
図13からわかるように、所定の開口サイズXa(例えば、70×70mm)程度までは開口サイズXを大きくするほど読取作業時間が短くなる一方で、開口サイズXaを超えると読取作業時間の変化が小さくなる。このように、その読取作業環境等に応じて、小さくても読取作業時間を短くできる開口サイズがあり、このような開口サイズを採用することで、光学的情報読取装置10の小型化と読取作業性の向上との双方を図ることができる。
【0049】
このため、延出部24は、読取口23aを囲うように延出して形成される場合には、延出端部25により囲われることで構成される開口サイズが上述のようにその読取作業環境等に応じて小さくても読取作業時間を短くできるサイズに設定されることで、読取口23aを利用した読取作業に関して作業性を向上させることができる。
【0050】
また、読取口23aは、当該読取口23aを介した受光センサ63aの受光範囲Saが読取口23bを介した受光センサ63bの受光範囲Sbよりも大きくなるように形成されている。これにより、近くの情報コードは読取口23aを介して読み取り、遠くの情報コードは読取口23bを介して読み取るなど、載置時と携帯時との区別だけでなく、読取環境に応じて読取口23aと読取口23bとを使い分けることができるので、読取作業に関して利便性を向上させることができる。
【0051】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る光学的情報読取装置について、
図14を参照して説明する。
本第2実施形態では、読取口23aを介して受光する状態と読取口23bを介して受光する状態とを自動的に切り替える点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
図14に示すように、載置部40が載置面から離されたことを検出する検出手段としてスイッチ70が載置部40の底部41に設けられている。このスイッチ70は、底部41が載置面から離されると、所定の信号を制御部51に出力するように構成されている。制御部51は、このスイッチ70からの信号(検出結果)に応じて、読取口23aを介して受光センサ63aにて受光する状態と、読取口23bを介して受光センサ63bにて受光する状態とを切り替える。なお、本実施形態では、トリガボタン54aを廃止することができる。
【0053】
これにより、トリガボタン54a等を操作することなく、把持部30を把持して持ち上げるだけで載置用の受光状態から携帯用の受光状態に切り替えたり、載置部40を載置面に載置するだけで携帯用の受光状態から載置用の受光状態に切り替えたりすることができる。
【0054】
なお、載置部40が載置面から離されたことを検出する検出手段として、底部41に設けられるスイッチ70を採用することに限らず、例えば、加速度センサや静電容量センサ、地磁気センサ等を採用してもよい。このようにしても、制御部51は、検出手段の検出結果に応じて、読取口23aを介して受光センサ63aにて受光する状態と、読取口23bを介して受光センサ63bにて受光する状態とを切り替えることができる。
【0055】
なお、本発明は上記各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)光学ユニット60は、読取口23aを介して情報コードからの反射光を受光する受光センサ63aと読取口23bを介して情報コードからの反射光を受光する受光センサ63bとをそれぞれ有するように構成されることに限らず、反射ミラー等を利用することで、両反射光を受光可能な1つの受光センサ(受光手段)を有するように構成されてもよい。
【0056】
(2)また、トリガボタン54aやスイッチ70を廃止し、受光センサ63a及び受光センサ63bが、常時、情報コードからの反射光を読取口23a及び読取口23bを介して受光可能に制御されてもよい。また、上記(1)では、両反射光を受光可能な1つの受光センサが、常時、情報コードからの反射光を読取口23a及び読取口23bを介して受光可能に制御されてもよい。これにより、特別な操作等を行うことなく、いつでもどちらの読取口を利用しても所望の情報コードからの反射光を受光センサにて受光することができる。
【0057】
(3)受光センサ63aは、その受光範囲Saが、載置部40にて載置されたときの上下方向の長さが左右方向の長さよりも長くなるように設定されてもよい。情報コードが付された物品等を読取口23aにかざすとき、その物品等は読取口23aに対して左右方向からかざされる場合が多いために、その物品等が読取口23aに対して上下方向にずれる場合が多い。このような場合であっても、受光範囲Saの上下方向の長さが左右方向の長さよりも長くなるように設定されるため、情報コードの読取口23aに対する上下方向のずれの影響を抑制でき、情報コードからの反射光を読取口23aを介して確実に受光することができる。
【0058】
(4)受光センサ63bは、上述したようにラインセンサとして構成されることに限らず、受光センサ63aのようにエリアセンサとして構成されてもよい。
【0059】
(5)筐体11は、読取部20が延出部24を有するように形成されることに限らず、読取部20が第1面に第1の読取口が設けられるとともに第1面に対して反対側となる第2面に第2の読取口が設けられるように形成されればよい。例えば、読取部20は、平坦な前面に第1の読取口が設けられ平坦な後面に第2の読取口が設けられるように形成されてもよい。
【0060】
(6)光学的情報読取装置10が読み取る情報は、情報コードに限らず、例えば、文字情報など、光学的に読み取り可能な光学的情報であってもよい。