特許第6779086号(P6779086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6779086
(24)【登録日】2020年10月15日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】ドライブレコーダー
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20201026BHJP
【FI】
   G07C5/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-194522(P2016-194522)
(22)【出願日】2016年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-55630(P2018-55630A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(73)【特許権者】
【識別番号】313003417
【氏名又は名称】株式会社ザクティ
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】末永 俊之
(72)【発明者】
【氏名】品田 康志
(72)【発明者】
【氏名】三浦 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】山崎 智之
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−128610(JP,A)
【文献】 特開2016−091165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の振動を検出する加速度センサーと、
前記車両の車外又は/及び車内を撮影可能なカメラ部と、
外部端末と接続するUSBケーブルが接続可能なUSB I/Fと、
前記USB I/Fを介して入力される前記USBケーブルの信号線のショート又はオープン状態の制御信号に基づいて前記加速度センサーの衝撃感度を変更可能な制御部と、
を有するドライブレコーダー本体を備え
前記ドライブレコーダー本体と前記車両のACCスイッチの間に接続し、
前記ACCスイッチからのACC信号を検出したとき前記信号線のショート又はオープン状態のいずれか一方の制御信号を、前記ACCスイッチからのACC信号を検出しないとき前記信号線のショート又はオープン状態のいずれか他方の制御信号を、前記USB I/Fへ出力する信号線制御部を有する駐車モード装置を備えたことを特徴とするドライブレコーダー。
【請求項2】
前記ドライブレコーダー本体は、前記駐車モード装置からの前記信号線のショート又はオープン状態の制御信号を受信した後から所定時間を計測するタイマーを備え、
前記制御部は、前記タイマーによる所定時間経過後の信号を受けて前記加速度センサーのみ稼働させて、前記加速度センサーが衝撃を検知した後、前記カメラ部の録画を開始させることを特徴とする請求項に記載のドライブレコーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転状況又は駐車状況を録画するドライブレコーダーに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の運転状況又は駐車状況を録画するドライブレコーダーは、事故解析、安全運転の技術確認、防犯などの目的に利用されている。
従来、このようなドライブレコーダーとして、特許文献1には、車両からのACC(アクセサリ)信号によって、運転モードと、駐車モードを切り替えて、それぞれ適切な加速度センサーの検出閾値を設定する技術、また、駐車モードとなるACC信号OFFのときに撮影画像のフレームレートを小さくしたり、あるいは記憶部に記憶させる撮影画像の圧縮率を大きくしたりして長時間録画を可能にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−128610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示のドライブレコーダーは、ACCスイッチとの接続に専用のケーブルを用いている。このため、専用ケーブル以外の例えば汎用性のあるUSBケーブルを用いることができない。また、ドライブレコーダー本体に記録された録画データを外部PC(パーソナルコンピュータ)と前記ドライブレコーダー本体に直接接続し転送するためには別途USB端子が必要となる。
【0005】
また、ACC信号のOFF後の撮影画像のフレームレートや圧縮率の変更だけでは長時間録画に限界がある。
【0006】
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、汎用性のある接続ケーブルで車両のACCスイッチと接続可能なドライブレコーダーを提供することを目的としている。また本発明は、長時間録画が実現できるドライブレコーダーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために第1の手段として、本発明は、車両の振動を検出する加速度センサーと、
前記車両の車外又は/及び車内を撮影可能なカメラ部と、
外部端末と接続するUSBケーブルが接続可能なUSB I/Fと、
前記USB I/Fを介して入力される前記USBケーブルの信号線のショート又はオープン状態の制御信号に基づいて前記加速度センサーの衝撃感度を変更可能な制御部と、
を有するドライブレコーダー本体を備え
前記ドライブレコーダー本体と前記車両のACCスイッチの間に接続し、
前記ACCスイッチからのACC信号を検出したとき前記信号線のショート又はオープン状態のいずれか一方の制御信号を、前記ACCスイッチからのACC信号を検出しないとき前記信号線のショート又はオープン状態のいずれか他方の制御信号を、前記USB I/Fへ出力する信号線制御部を有する駐車モード装置を備えたことを特徴とするドライブレコーダーを提供することにある。
上記第1の手段によれば、ドライブレコーダー本体が汎用性のあるUSBケーブルを介してACC信号のON/OFF状態を判断することができ、車両が停車中であることなどを判断できる。従って、従来用いられていた車両との接続専用ケーブルなどのコネクタの増設の必要がない。またUSB I/Fを介して、外部PCなどに容易に録画データを出力できる。
【0008】
上記の課題を解決するために第2の手段として、本発明は、前記ドライブレコーダー本体と前記車両のACCスイッチの間に接続し、前記ACCスイッチからのACC信号を検出したとき前記信号線のショート又はオープン状態のいずれか一方の制御信号を、前記ACCスイッチからのACC信号を検出しないとき前記信号線のショート又はオープン状態のいずれか他方の制御信号を、前記USB I/Fへ出力する信号線制御部を有する駐車モード装置を備えたことを特徴とするドライブレコーダーを提供することにある。
上記第2の手段によれば、USBのD−/D+信号を利用して、ACC信号のON/OFF状態の情報をUSB I/Fから出力することができる。これにより、従来用いられていた車両との接続専用ケーブルなどのコネクタの増設の必要がない。
【0009】
上記の課題を解決するために第3の手段として、本発明は、前記ドライブレコーダー本体は、前記駐車モード装置からの前記信号線のショート又はオープン状態の制御信号を受信した後から所定時間を計測するタイマーを備え、前記制御部は、前記タイマーによる所定時間経過後の信号を受けて前記加速度センサーのみ稼働させて、前記加速度センサーが衝撃を検知した後、前記カメラ部の録画を開始させることを特徴とする請求項2に記載のドライブレコーダーを提供することにある。
上記第3の手段によれば、ドライブレコーダー本体の加速度センサー以外の稼働を停止しているので低消費電力モードにおける消費電力を極力低減できる。
【発明の効果】
【0010】
上記構成の本発明によれば、汎用性のあるUSBケーブルの信号線を用いてACC信号のON/OFF状態を判断することができる。このため車両のACCスイッチとの接続に専用ケーブルを用いる必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のドライブレコーダーの構成概略図である。
図2】ドライブレコーダー本体のブロック図である。
図3】駐車モード装置のブロック図である。
図4】本発明のドライブレコーダーの処理フロー図である。
図5】録画データの説明図である。
図6】低消費電力モードの処理フロー図である。
図7】変形例の駐車モード装置の構成概略図である。
図8】変形例の駐車モード装置のブロック図である。
図9】変換アダプターの構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のドライブレコーダーの実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0013】
[ドライブレコーダー10]
図1は本発明のドライブレコーダーの構成概略図である。図2はドライブレコーダー本体のブロック図である。図3は駐車モード装置のブロック図である。図示のように本発明のドライブレコーダー10は、ドライブレコーダー本体20と、駐車モード装置50と、ドライブレコーダー本体20と駐車モード装置50を接続するUSBケーブル16を主な基本構成としている。
【0014】
[ドライブレコーダー本体20]
ドライブレコーダー本体20は、加速度センサー22と、マイク24と、通信部26と、カメラ部28と、撮影制御部30と、RAM32と、制御部34と、メモリ36と、I/F38と、メモリーカード40と、USB I/F42と、電源制御回路44と、D−/D+検出部46と、外部バッテリー48と、タイマー67を有している。
【0015】
加速度センサー22は、車両に作用する衝撃などの振動を検出するセンサーであり、後述する制御部34に測定値を出力可能に構成している。
マイク24は、車両の音声を録音するものであり、録音データを後述する制御部34へ出力可能に構成している。
通信部26は、外部通信端末(例えばスマートフォン、携帯端末など)と無線通信を介して通信可能に構成している。
【0016】
カメラ部28は、車両の内部又は/及び外部の様子を撮影するものであり、映像信号を後述する撮影制御部30へ出力可能に構成している。
撮影制御部30は、カメラ部28から出力された映像信号を受信して所定の画像処理を行って制御部34へ出力するものである。
RAM32は、画像処理後の映像信号を循環的に記録するものである。
【0017】
制御部34は、ACC(アクセサリ)スイッチ12からのACC信号を検出したとき駐車モード装置50から出力されるD−/D+信号線のショート状態の制御信号に基づいて、後述するドライブレコードモードを実行するものである。ここで本実施形態のオープン状態及びショート状態とは、例えばD−/D+間のインピーダンスが閾値200Ω以下かどうかを判断した結果の状態である。
またACCスイッチ12からのACC信号を検出しないときD−/D+信号線のオープン状態の制御信号に基づいて、後述する駐車モードを実行するものである。
メモリ36は、加速度センサー22の測定値と比較するために用いる判定閾値(衝突などの衝撃が生じたときの値、駐車時に振動が生じたときの値など)を格納している。
【0018】
メモリーカード40は、記録が必要な映像信号又は音声信号をI/F38を介して保存するものである。
USB I/F42は、例えばUSBケーブルを接続可能なソケットなどのインターフェースである。
電源制御回路44は、USB I/F42から供給される電力を所定電圧に調整するものである。
【0019】
D−/D+検出部46は、ACC(アクセサリ)スイッチ12からのACC信号を検出したとき駐車モード装置50から出力されるD−/D+信号線のショート状態の制御信号を、ACCスイッチ12からのACC信号を検出しないとき駐車モード装置50から出力されるD−/D+信号線のオープン状態の制御信号を検出するものである。
外部バッテリー48は、外部からドライブレコーダー本体20へ電力を供給するものである。
【0020】
タイマー67は、後述する駐車モード装置50からの信号線のオープン状態の制御信号を受信したとき、受信後から所定時間を計測するものである。このタイマー67により、車両停車中の駐車モードから低消費電力モードへ移行させる時間を任意に設定変更できる。
なお、タイマー67は、駐車モード装置50からの信号線のショート状態の制御信号を受信したとき、受信後から所定時間を計測するものとし、車両停車中の駐車モードから低消費電力モードへ移行させる時間を任意に設定変更できるように構成してもよい。
【0021】
[駐車モード装置50]
駐車モード装置50は、車両のACCスイッチとドライブレコーダー本体20の間に接続して、車両のACCのON/OFF状態を監視する装置である。
駐車モード装置50は、電圧検出部52と、設定スイッチ54と、遅延制御部56と、入力制御部58と、電圧変換部60と、D−/D+制御部62と、USBI/F64と、ON/OFFスイッチ66を有している。
【0022】
電圧検出部52は、車両バッテリー14から供給される車両バッテリー電圧を検出するものである。
設定スイッチ54は、車両バッテリー電圧の所定の閾値を設定するものである。
遅延制御部56は、ACC信号のOFF後からあらかじめ設定した時間の経過後信号を出力するものである。
【0023】
ON/OFFスイッチ66は、手動による駐車モード装置50本体の駐車モードのみをON/OFFする切換えスイッチである。
入力制御部58は、遅延制御部56又はON/OFFスイッチ66からの信号に基づいて車両バッテリー電圧の入力を制御するものである。
電圧変換部60は、車両バッテリー電圧を所定電圧に変換するものである。
【0024】
信号線制御部となるD−/D+制御部62は、ACCスイッチ12からのACC信号を検出したときD−/D+信号線のショート状態の制御信号を、前記ACCスイッチ12からのACC信号を検出しないときD−/D+信号線のオープン状態の制御信号を、USB I/F64へ出力するものである。
USB I/F64は、例えばUSBケーブルを接続可能なソケットなどのインターフェースである。
【0025】
バッテリー14は、駐車モード装置50を車両のバッテリーから電力供給及びバッテリー電圧が検出可能な配線に接続するための電源線である。
ACCスイッチ12は、車両のACCが検出可能な配線に接続するための検出線である。
【0026】
[USBケーブル16]
USB(Universal Serial Bus;ユニバーサル シリアル バス)ケーブル16は、汎用性のあるケーブルである。本実施形態の汎用性のUSBケーブル16は、ドライブレコーダー本体20と駐車モード装置50を接続する他、ドライブレコーダー本体20と外部端末、例えば外部PCなどと接続することができる。
【0027】
[作用]
上記構成による本発明のドライブレコーダーの作用について以下説明する。図4は本発明のドライブレコーダーの処理フロー図である。図5は録画データの説明図である。
ドライブレコーダー10の駐車モード装置50を車両のACCスイッチ12及び車両バッテリー14に接続させる。駐車モード装置50のUSB I/F64とドライブレコーダー本体20のUSB I/F42をUSBケーブル16で接続する。
【0028】
駐車モード装置50に車両バッテリー14から車両バッテリー電圧が供給される。車両のACCスイッチ12からACC信号のON/OFFの検出を行う(S1)。
ACC信号のONの場合は、D−/D+検出部62によりD−/D+ショート信号がUSB I/F64に出力される(S2)。次に電圧変換部60を介してUSB I/F64に電力を出力する。
【0029】
ACC信号のOFFの場合は、ACC信号のOFFを検出した時点から、遅延制御部56を介して規定時間の経過判断(S3)後に、車両バッテリー電圧があらかじめ設定した閾値よりも高いか否かの判断を行う(S4)。閾値よりも車両バッテリー電圧が低い場合は、駐車モード装置50は電力を供給しない(S5)。
一方、閾値よりも車両バッテリー電圧が高い場合には、D−/D+検出部62によりD−/D+オープン信号がUSB I/F64に出力される(S6)。
次に電圧変換部60を介してUSB I/F64に電力を供給する。
【0030】
ドライブレコーダー本体20では、USBケーブル16を介して、D−/D+ショート(接続)信号を検出すると、ドライブレコーダーモード(運転モード)で動作する(S7)。
制御部34によりドライブモードの加速度センサー22の設定値に切り替わる(S8)。ドライブモードの加速度センサー22の設定値は、運転中における衝突などの振動を検出可能な値であり、例えば、0.1〜2.0Gに設定することができる。
【0031】
加速度センサー22の設定閾値の反応の有無を検出する(S9)。
設定閾値よりも加速度センサー22の測定値が大きい場合には、ドライブレコーダーモードの録画を行う(S10)。ドライブレコーダーモードでは、常に一定時間録画データをメモリ36にバッファーとして保持している。そして加速度センサー22が衝撃などを検出するなど、あらかじめ定めた設定値を超えた場合、メモリ36のバッファーの録画データ(衝撃前)と、衝撃検知後に撮影した録画データ(衝撃後)を合わせて1つの録画データとしてメモリーカード40に記録する。
【0032】
また、USBケーブル16を介して、D−/D+オープン信号を受信すると、駐車モードに切り替わる(S11)。
制御部34により駐車モードの加速度センサー22の設定値に切り替わる(S12)。駐車モードの加速度センサー22の設定値は、駐車中における振動を検出可能な値であり、ドライブモードの値よりは小さな値であり、例えば、0.01〜1.0Gに設定することができる。
加速度センサー22の設定閾値の反応の有無を検出する(S13)。
【0033】
設定閾値よりも加速度センサー22の測定値が大きい場合には、駐車モードの録画を行う(S14)。駐車モードでは、ドライブレコーダーモードと同様に、常に一定時間録画データをメモリ36にバッファーとして保持している。そして加速度センサー22が当て逃げなどの衝撃を検出するなど、あらかじめ定めた設定値を超えた場合、メモリ36のバッファーの録画データ(衝撃前)と、衝撃検知後に撮影した録画データを合わせて1つの録画データとしてメモリーカード40に記録する。
このようなドライブレコーダー10によれば、ドライブレコーダー本体20が汎用性のあるUSBケーブル16の信号線を介してACC信号のON/OFF状態を判断することができ、車両の運転中又は停車中であることを容易に判断できる。
【0034】
次に低消費電力モードの作用について、以下説明する。図6は低消費電力モードの処理フロー図である。
車両を駐車するなど、車両のACCスイッチ12からのACC信号がONからOFFに切り替わった時(S20)、駐車モード装置の動作遅延部56がACC信号のOFF後から所定時間経過後に動作して(S21)、USB I/FのD−/D+オープン信号を出力する(S22)。
【0035】
ドライブレコーダー本体12は、駐車モード装置からのD−/D+オープン信号を受信後、駐車モードに切り替わり(S23)、タイマー67による所定時間が経過したか否かの判断を行う(S24)。
前記所定時間が経過した後(YES)、低消費電力モードに移行するか否かの判断を行う(S25)。
【0036】
低消費電力モードに移行すると、加速度センサー22のみ稼働し、これ以外はスリープ(待機)状態となる(S26)。そして稼働中の加速度センサー22が駐車中の車両に盗難や接触事故などの振動を検出すると、測定値が制御部34に出力され、スリープ状態から稼働状態に移行して、振動の検出後からの撮影を開始する。
一方、低消費電力モードに移行しない場合(NO)、例えば駐車中の録画を行わない場合など、装置の動作を停止する(S27)。
【0037】
このようなドライブレコーダーの低消費電力モードによれば、駐車中の車両の盗難、接触事故などの振動を検知するまで、加速度センサーのみを稼働させて、それ以外をスリープ(待機)状態にしているので、装置全体の消費電力が少なく、車両のバッテリーへの負荷を軽減することが可能となる。
【0038】
駐車モード装置50の換わりに変換アダプター70を用いることもできる。図9は変換アダプターの構成概略図である。図示のように変換アダプター70は、USB I/F72と、電力変換/制御部74と、D−/D+ショート部76を備え、ACCスイッチ12と接続可能に構成している。
USB I/F72は、例えばUSBケーブル16を接続可能なソケットなどのインターフェースである。
電力変換/制御部74は、ACCスイッチ12からの電力を変換制御してUSB I/F72を介して電力を出力するものである。
D−/D+ショート部76は、D−/D+ショート信号をUSB I/F72を介して出力するものである。
【0039】
このような構成の変換アダプター70のUSB I/F72のD−/D+は、あらかじめショート状態になっている。変換アダプター70のUSB I/F72にドライブレコーダー本体20を接続すると、ACCスイッチ12から電力を供給している時のみ、電力及びショート状態の出力を行うため、ドライブレコーダー本体20は、ドライブレコーダーモードとして図4に示すS7〜S10と同様の動作を行うことができる。
【0040】
[変形例]
図7は変形例の駐車モード装置の構成概略図である。図8は変形例の駐車モード装置のブロック図である。図示のように変形例の駐車モード装置50Aは、車両バッテリーと接続しないで、本体に1次電池もしくは2次電池を設置・内蔵可能な構造である。
遅延制御部56は、ACC信号のOFF後からあらかじめ設定した時間の経過後信号を出力するものである。
ON/OFFスイッチ66は、手動による駐車モード装置50本体の駐車モードのみをON/OFFする切換えスイッチである。
【0041】
入力制御部58は、遅延制御部56又はON/OFFスイッチ66又はACCスイッチ12からの信号に基づいて電圧変換部60を制御するものである。
ACCスイッチ12がONのときは、電圧変換部60により所定電圧に変換してUSB I/F64に入力されるものである。
ACCスイッチ12がOFFのときは、1次/2次電池57を電圧変換部60により、電圧を所定電圧に変換してUSB I/F64に入力されるものである。
【0042】
信号線制御部となるD−/D+制御部62は、入力制御部58からのACC信号を検出したときD−/D+信号線のショート状態の制御信号を、前記ACCスイッチ12からのACC信号を検出しないときD−/D+信号線のオープン状態の制御信号を、USB I/F64へ出力するものである。
USB I/F64は、例えばUSBケーブルを接続可能なソケットなどのインターフェースである。
このような構成の駐車モード装置50Aは、車両のACCスイッチ12からのACC信号の検出のON/OFFの判断により、前述と同様のUSB I/F64のD−/D+の制御を行っている。このとき、USB I/F64から出力される電力は、前述の本体に設置・内蔵された1次/2次電池57から電圧変換部60を介して出力される。
【0043】
なお上記実施形態では、ACC(アクセサリ)スイッチ12からのACC信号を検出したとき駐車モード装置50から出力されるD−/D+信号線のショート状態の制御信号に基づいて、ドライブレコードモードを実行し、またACCスイッチ12からのACC信号を検出しないときD−/D+信号線のオープン状態の制御信号に基づいて、駐車モードを実行する構成で説明したが、この他、駐車モード装置50から出力されるD−/D+信号線のオープン状態の制御信号に基づいて、ドライブレコードモードを実行する構成とし、またACCスイッチ12からのACC信号を検出しないときD−/D+信号線のショート状態の制御信号に基づいて、駐車モードを実行する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のドライブレコーダーは、車両関連製造分野、運輸分野において産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0045】
10,10A………ドライブレコーダー、12………ACCスイッチ、14………車両バッテリー、16………USBケーブル、20………ドライブレコーダー本体、22………加速度センサー、24………マイク、26………通信部、28………カメラ部、30………撮影制御部、32………RAM、34………制御部、36………メモリ、38………I/F、40………メモリーカード、42………USB I/F、44………電源制御回路、46………D−/D+検出部、48………外部バッテリー、50………駐車モード装置、52………電圧検出部、54………設定スイッチ、56………遅延制御部、58………入力制御部、60………電圧変換部、62………D−/D+制御部、64………USBI/F、66………ON/OFFスイッチ、67………タイマー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9