特許第6779162号(P6779162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6779162VoIPゲートウェイ装置および発信制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6779162
(24)【登録日】2020年10月15日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】VoIPゲートウェイ装置および発信制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/00 20060101AFI20201026BHJP
   H04Q 3/58 20060101ALI20201026BHJP
   H04L 12/66 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   H04M3/00 B
   H04Q3/58 101
   H04L12/66 D
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-62534(P2017-62534)
(22)【出願日】2017年3月28日
(65)【公開番号】特開2018-166251(P2018-166251A)
(43)【公開日】2018年10月25日
【審査請求日】2020年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591207574
【氏名又は名称】サクサシステムエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】上山 徳史
(72)【発明者】
【氏名】西村 聡
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−236917(JP,A)
【文献】 特開2016−208135(JP,A)
【文献】 特開2015−043527(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/143856(WO,A1)
【文献】 特開2007−081575(JP,A)
【文献】 特開2006−352456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−12/26
12/50−12/955
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
H04Q 3/58− 3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存電話網対応の電話システムをIP電話網に接続するVoIPゲートウェイ装置であって、
前記IP電話網から割り当てられた契約電話番号を記憶する記憶部と、
前記電話システムからの発信要求に応じて、当該発信要求で指定された発側電話番号を用いた発信要求メッセージを前記IP電話網へ送信する呼制御処理部とを備え、
前記呼制御処理部は、前記発信要求メッセージに応じて前記IP電話網から発信拒否メッセージが返送された場合には、前記記憶部から取得した前記契約電話番号で前記発側電話番号を補完した発信要求メッセージを生成して前記IP電話網へ送信する第1の処理部を有する
ことを特徴とするVoIPゲートウェイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のVoIPゲートウェイ装置において、
前記呼制御処理部は、
前記契約電話番号で補完した前記発側電話番号を誤り発側電話番号として前記記憶部に登録する第2の処理部と、
新たな発信要求メッセージの発側電話番号が前記記憶部に誤り発側電話番号として登録されている場合には、前記契約電話番号で前記発側電話番号を補完した発信要求メッセージを生成して前記IP電話網へ送信する第3の処理部とをさらに備える
ことを特徴とするVoIPゲートウェイ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のVoIPゲートウェイ装置において、
前記呼制御処理部は、前記契約電話番号で前記発側電話番号を補完した発信要求メッセージを生成する際、発番号の通知不可を前記発信要求メッセージで指定することを特徴とするVoIPゲートウェイ装置。
【請求項4】
既存電話網対応の電話システムをIP電話網に接続するVoIPゲートウェイ装置で用いられる発信制御方法であって、
前記IP電話網から割り当てられた契約電話番号を記憶部で記憶するステップと、
呼制御処理部が、前記電話システムからの発信要求に応じて、当該発信要求で指定された発側電話番号を用いた発信要求メッセージを前記IP電話網へ送信する呼制御処理ステップとを備え、
前記呼制御処理ステップは、前記発信要求メッセージに応じて前記IP電話網から発信拒否メッセージが返送された場合には、前記記憶部から取得した前記契約電話番号で前記発側電話番号を補完した発信要求メッセージを生成して前記IP電話網へ送信するステップを含む
ことを特徴とする発信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存電話網対応の電話システムをIP電話網に接続するVoIPゲートウェイ装置で用いられる発信制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
IP電話網の普及に伴い、各種のIP電話サービスが提供されており、その1つに追加番号サービスがある。この追加番号サービスは、1契約で元々の契約電話番号に加えて、使用可能な電話番号を所定数追加できるサービスである(例えば、非特許文献1など参照)。これにより、ビジネスホンやPBXシステムなどの電話システムに収容される電話端末で、これら電話番号を使い分けることができる。例えば、電話システムを複数のテナントで共用する場合には、テナントごとに異なる電話番号を割り当てて使用することが可能となる。
【0003】
このようなIP電話サービスを、ISDNやPSTNなどの既存の電話網に対応した電話システムで利用する場合、既存電話網に対応した電話システムをIP電話網に接続するためのVoIPゲートウェイ装置が必要となる(例えば、非特許文献2など参照)。
このようなVoIPゲートウェイ装置では、既存電話網のプロトコルと、IP電話網のSIPなどのプロトコルとを相互に変換することになる。例えば、配下の電話システムの電話端末から発信要求があった場合、その発信要求に含まれる発側電話番号と着側電話番号に基づいて、発信要求メッセージを生成し、IP電話網へ送信することになる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「ひかり電話・追加番号サービス」、NTT東日本株式会社、https://flets.com/hikaridenwa/service/mynumber.html
【非特許文献2】「VoIPゲートウェイ」、NTT東日本株式会社、http://www.ntt-east.co.jp/business/service/product/voip/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、IP電話網では、呼制御を行う呼制御サーバにIP電話端末を登録する必要があり、その際、IP電話端末で用いる発側電話番号も登録する。したがって、VoIPゲートウェイ装置では、配下の電話システムを呼制御サーバに登録する際、配下の電話システムで用いる電話番号、例えば追加番号サービスで追加した追加電話番号を登録することになる。また、これら追加電話番号は、配下の電話システムにおいて、対応する電話端末にそれぞれ設定しておく必要がある。
【0006】
しかしながら、配下の電話システムに設定された電話番号に誤りがあった場合、配下の電話システムから誤った発側電話番号が通知され、これをVoIPゲートウェイ装置が発信要求メッセージに格納してIP電話網に送信することになる。このため、呼制御サーバで未登録の発側電話番号として判断されて拒否され、発信できなくなるという問題点があった。また、配下の電話システムの電話番号は、専門の工事者により設定されるため、利用者がこの電話番号を容易に設定変更することは困難であり、工事者が再設定するまで発信できない状況が続くことになる。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、配下の電話システムでの電話番号設定に誤りがある場合でも、応急的に発信可能とする発信制御技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかるVoIPゲートウェイ装置は、既存電話網対応の電話システムをIP電話網に接続するVoIPゲートウェイ装置であって、前記IP電話網から割り当てられた契約電話番号を記憶する記憶部と、前記電話システムからの発信要求に応じて、当該発信要求で指定された発側電話番号を用いた発信要求メッセージを前記IP電話網へ送信する呼制御処理部とを備え、前記呼制御処理部は、前記発信要求メッセージに応じて前記IP電話網から発信拒否メッセージが返送された場合には、前記記憶部から取得した前記契約電話番号で前記発側電話番号を補完した発信要求メッセージを生成して前記IP電話網へ送信する第1の処理部を有している。
【0009】
また、本発明にかかる上記VoIPゲートウェイ装置の一構成は、前記呼制御処理部が、前記契約電話番号で補完した前記発側電話番号を誤り発側電話番号として前記記憶部に登録する第2の処理部と、新たな発信要求メッセージの発側電話番号が前記記憶部に誤り発側電話番号として登録されている場合には、前記契約電話番号で前記発側電話番号を補完した発信要求メッセージを生成して前記IP電話網へ送信する第3の処理部とをさらに備えている。
【0010】
また、本発明にかかる上記VoIPゲートウェイ装置の一構成は、前記呼制御処理部が前記契約電話番号で前記発側電話番号を補完した発信要求メッセージを生成する際、発番号の通知不可を前記発信要求メッセージで指定するようにしたものである。
【0011】
また、本発明にかかる発信制御方法は、既存電話網対応の電話システムをIP電話網に接続するVoIPゲートウェイ装置で用いられる発信制御方法であって、前記IP電話網から割り当てられた契約電話番号を記憶部で記憶するステップと、呼制御処理部が、前記電話システムからの発信要求に応じて、当該発信要求で指定された発側電話番号を用いた発信要求メッセージを前記IP電話網へ送信する呼制御処理ステップとを備え、前記呼制御処理ステップは、前記発信要求メッセージに応じて前記IP電話網から発信拒否メッセージが返送された場合には、前記記憶部から取得した前記契約電話番号で前記発側電話番号を補完した発信要求メッセージを生成して前記IP電話網へ送信するステップを含むものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電話システムで誤って設定された発側電話番号が、VoIPゲートウェイ装置により契約電話番号で自動的に補完された後、発信要求メッセージがIP電話網へ送信されることになる。このため、電話システムで誤った発側電話番号が設定されている場合でも、応急的に発信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】VoIPゲートウェイ装置の構成を示すブロック図である。
図2】VoIPゲートウェイ装置の発信制御動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるVoIPゲートウェイ装置10について説明する。図1は、VoIPゲートウェイ装置の構成を示すブロック図である。
このVoIPゲートウェイ装置10は、IP電話網NWとは異なる既存電話網対応の電話システム20をIP電話網NWに接続するゲートウェイ装置である。
【0015】
電話システム20は、ビジネスホンやPBXシステムなどの一般的な電話システムからなり、複数の電話端末22と、これら電話端末22を通信回線L2を介してVoIPゲートウェイ装置10に交換接続する電話制御装置21とから構成されている。
呼制御サーバ30は、IP電話網NWに接続されている一般的な呼制御サーバである。
【0016】
[VoIPゲートウェイ装置]
VoIPゲートウェイ装置10には、主な機能部として、網I/F部11、専用I/F部12、転送処理部13、呼制御処理部14、および記憶部15が設けられている。これら機能部のうち、転送処理部13および呼制御処理部14は、CPUとプログラムとが協働してなる演算処理部により実現されている。
【0017】
網I/F部11は、通信回線L1を介してIP電話網NWとの間で、SIPなどの呼制御プロトコルに基づく各種メッセージや、VoIPに基づく音声データなどをやり取りする機能を有している。
【0018】
専用I/F部12は、通信回線L2を介して電話システム20との間で、ISDNやPSTNなどの既存プロトコルに基づく呼制御メッセージや呼制御信号、音声データや音声信号をやり取りする機能を有している。
【0019】
転送処理部13は、網I/F部11と専用I/F部12との間に接続されて、呼制御メッセージや呼制御信号を相互に転送する機能と、音声データや音声信号を相互に変換して転送する機能とを有している。
【0020】
呼制御処理部14は、転送処理部13で転送する呼制御メッセージや呼制御信号を、それぞれの呼制御プロトコルに基づいて相互に変換する機能と、電話システム20からの発信要求に応じて発信要求メッセージをIP電話網NWに送信した際、発側電話番号誤りによりIP電話網NWで発信拒否された場合には、予め記憶部15に設定されている契約電話番号で発側電話番号を補完した発信要求メッセージをIP電話網NWに再送信する機能(第1の処理部14A)とを有している。
【0021】
記憶部15は、半導体メモリなどの記憶装置からなり、呼制御処理部14での呼制御処理に用いる各種処理情報を記憶する機能を有している。記憶部15で記憶する主な処理情報としては、契約電話番号および追加電話番号などがある。
【0022】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図2を参照して、本実施の形態にかかるVoIPゲートウェイ装置10の発信制御動作について説明する。図2は、VoIPゲートウェイ装置の発信制御動作を示すシーケンス図である。
ここでは、電話番号Naが、追加番号サービスで追加した正しい追加電話番号であり、電話番号Nbが、電話番号Naを誤って設定した電話番号であり、Ncが元々の契約電話番号である場合を例として説明する。
【0023】
呼制御サーバ30には、VoIPゲートウェイ装置10を端末登録した電話番号として、契約電話番号Ncが予め登録されているものとする(ステップ100)。
また、電話システム20の電話制御装置21には、電話番号Nbが任意の電話端末22の電話番号として設定されているものとする(ステップ101)。
【0024】
一方、VoIPゲートウェイ装置10の呼制御処理部14は、電話システム20の各電話端末22を呼制御サーバ30に登録する際、正しい電話番号Naの入力に応じて(ステップ102)、Naを発側電話番号とする登録要求(Register)を、網I/F部11からIP電話網NWへ送信する。
【0025】
呼制御サーバ30は、IP電話網NWから受信したVoIPゲートウェイ装置10からの登録要求に応じて、指定された発側電話番号Naを持つ電話端末を、自己の制御下とする端末登録を行い(ステップ104)、登録成功(200OK)を返送する(ステップ105)。
【0026】
その後、電話端末22から発信要求があった場合(ステップ110)、電話制御装置21は、当該電話端末22に設定されている、誤った電話番号Nbを発側電話番号とする発信要求を、VoIPゲートウェイ装置10へ送信する(ステップ111)。
【0027】
VoIPゲートウェイ装置10の呼制御処理部14は、電話制御装置21からの発信要求を、専用I/F部12を介して受信し、指定された発側電話番号Nbを用いた発信要求メッセージ(Invite)を生成し(ステップ112)、網I/F部11からIP電話網NWへ送信する(ステップ113)。
【0028】
これに応じて、呼制御サーバ30は、IP電話網NWから受信した発信要求メッセージ(Invite)に含まれる発側電話番号Nbが登録されているか確認し、Nbが未登録であるため(ステップ114)、発信拒否メッセージ(403Forbidden)を返送する(ステップ115)。
【0029】
呼制御処理部14は、呼制御サーバ30から返送された発信拒否メッセージ(403Forbidden)に応じて、発側電話番号Nbに誤りがあると判定し、記憶部15から契約電話番号Ncを取得し(ステップ120)、このNcで発側電話番号を補完した発信要求メッセージ(Invite)を生成し(ステップ121)、網I/F部11からIP電話網NWへ送信する(ステップ122)。
【0030】
これに応じて、呼制御サーバ30は、IP電話網NWから受信した発信要求メッセージ(Invite)に含まれる発側電話番号Ncが登録されているか確認し、Ncの登録が確認されたため(ステップ123)、この発信要求メッセージ(Invite)で指定された発信先電話番号に対する発信処理を行った後(ステップ124)、呼出中メッセージ(180Ringing)を返送する(ステップ125)。
【0031】
呼制御処理部14は、呼制御サーバ30から返送された呼出中メッセージ(180Ringing)に応じて、電話制御装置21に呼出中メッセージ(180Ringing)を送信する(ステップ126)。
この後、相手電話端末(図示せず)での応答操作に応じた呼制御サーバ30からの応答メッセージに応じて、IP電話網NWおよびVoIPゲートウェイ装置10を介した、相手電話端末と電話端末22との間の音声通話が開始される。
【0032】
この後、呼制御処理部14が、契約電話番号Ncによる発側電話番号の補完を実行した旨をログデータとして記録し、あるいは補完を実行した旨のメッセージを予め設定されている管理者へ送信することにより、管理者が発側電話番号の設定誤りを訂正することになる。
【0033】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、呼制御処理部14が、電話システム20からの発信要求に応じて、当該発信要求で指定された発側電話番号Nbを用いた発信要求メッセージをIP電話網NWへ送信し、この発信要求メッセージに応じてIP電話網NWから発信拒否メッセージが返送された場合には、記憶部15から取得した契約電話番号Ncで発側電話番号Nbを補完した発信要求メッセージを生成してIP電話網NWへ送信するようにしたものである。
【0034】
これにより、電話システム20で誤って設定された発側電話番号Nbが、VoIPゲートウェイ装置10により契約電話番号Ncで自動的に補完された後、発信要求メッセージがIP電話網NWへ送信さることになる。このため、電話システム20で誤った発側電話番号Nbが設定されている場合でも、応急的に発信することが可能となる。
【0035】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるVoIPゲートウェイ装置10について説明する。
第1の実施の形態では、IP電話網NWから発信拒否メッセージが返送されるごとに、契約電話番号Ncで発側電話番号Nbを補完した発信要求メッセージを生成してIP電話網NWへ送信する場合について説明した。本実施の形態では、一度補完した発側電話番号Nbは自動的に補完する場合について説明する。
【0036】
本実施の形態において、呼制御処理部14は、契約電話番号Ncで補完した発側電話番号Nbを誤り発側電話番号として記憶部15に登録する機能(第2の処理部14B)と、新たな発信要求メッセージの発側電話番号Nbが記憶部15に誤り発側電話番号として登録されている場合には、契約電話番号Ncで発側電話番号Nbを補完した発信要求メッセージを生成してIP電話網NWへ送信する機能(第3の処理部14C)とを有している。
【0037】
これにより、記憶部15に登録された誤り発側電話番号が発信要求メッセージで使用されている場合には、契約電話番号Ncで発側電話番号Nbを補完した発信要求メッセージが生成されてIP電話網NWへ送信される。
したがって、IP電話網NWから発信拒否メッセージを待つことなく、誤り発側電話番号が契約電話番号Ncで自動補完されることになり、迅速に応急処置を行うことができる。
【0038】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態にかかるVoIPゲートウェイ装置10について説明する。
本実施の形態では、契約電話番号で誤り発側電話番号を補完した際における、発番号の通知拒否について説明する。
【0039】
契約電話番号で誤り発側電話番号を補完した場合、契約電話番号が発側電話番号として相手電話端末に通知されることになるが、実際には発信要求元の電話端末22と契約電話番号とが対応しているわけではない。このため、相手電話端末において、着信履歴として記録された契約電話番号に対する発信操作が行われても、発信要求元の電話端末22に着信が通知されることはない。
【0040】
本実施の形態において、呼制御処理部14は、契約電話番号で誤り発側電話番号を補完した発信要求メッセージを生成する際、発番号の通知不可を発信要求メッセージで指定する機能を有している。
これにより、契約電話番号で誤り発側電話番号を補完した場合には、相手電話端末に契約電話番号が発番号として通知されなくなるため、契約電話番号が相手電話端末の着信履歴として記録されることはない。これにより、相手電話端末での着信履歴発信に起因する上記不具合を回避することができる。
【0041】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【0042】
以上で説明した各実施の形態において、誤り発側電話番号の補完を適用するか否かを示す設定情報を、記憶部15に登録するようにしてもよく、第2の実施の形態において、自動補完を適用するか否かを示す設定情報を、記憶部15に登録するようにしてもよく、さらには、第3の実施の形態において、発番号の通知可否を示す設定情報を、記憶部15に登録するようにしてもよい。これにより、電話システム20の利用者の意図に応じた発信制御を実現することができる。
【0043】
また、第2の実施の形態において、誤り発側電話番号を記憶部15に登録する際、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリに登録するようにしてもよい。これにより、VoIPゲートウェイ装置10が再起動された場合でも、それまでに対応した誤り発側電話番号に対して自動補完することができる。
【符号の説明】
【0044】
10…VoIPゲートウェイ装置、11…網I/F部、12…専用I/F部、13…転送処理部、14…呼制御処理部、15…記憶部、20…電話システム、21…電話制御装置、22…電話端末、30…呼制御サーバ、NW…IP電話網、L1,L2…通信回線。
図1
図2