特許第6779191号(P6779191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6779191開口部および展開可能な底端部に形状保持ストリップを備える保存袋
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6779191
(24)【登録日】2020年10月15日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】開口部および展開可能な底端部に形状保持ストリップを備える保存袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/02 20060101AFI20201026BHJP
   A44B 19/16 20060101ALI20201026BHJP
   B65D 30/08 20060101ALI20201026BHJP
   B65D 30/20 20060101ALI20201026BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   B65D33/02
   A44B19/16
   B65D30/08
   B65D30/20 D
   B65D33/25 A
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-202807(P2017-202807)
(22)【出願日】2017年10月19日
(62)【分割の表示】特願2015-518534(P2015-518534)の分割
【原出願日】2013年6月19日
(65)【公開番号】特開2018-34899(P2018-34899A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2017年11月15日
【審判番号】不服2019-12669(P2019-12669/J1)
【審判請求日】2019年9月24日
(31)【優先権主張番号】13/528,248
(32)【優先日】2012年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100140327
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 千秋
(72)【発明者】
【氏名】ダイス、 ブライアン、 シー
(72)【発明者】
【氏名】アッカーマン、 ブライアン、 エル
(72)【発明者】
【氏名】バーグレン、 キーガン、 イー
【合議体】
【審判長】 間中 耕治
【審判官】 杉山 悟史
【審判官】 石井 孝明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−40290(JP,A)
【文献】 特表2005−506938(JP,A)
【文献】 特開2004−256120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30//00 - 33/38
A44B 19/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保存袋であって、
第1側部表面と、
前記袋の内部をその内部への開口部と共に形成するように前記第1側部表面に接続された第2側部表面であって、前記第1側部表面が、前記袋の第1端部および前記袋の第2端部に沿って前記第2側部表面に直接接続され、前記第1側部表面が、前記袋の底端部において、(i)前記第1側部表面が前記底端部において前記第2側部表面に隣接して配置されるフラット構成と、(ii)前記第1側部表面が前記底端部において前記第2側部表面から離間する展開構成と、の間で変化可能である接続を用いて、前記第2側部表面に接続される、第2側部表面と、
前記開口部に隣接して配置される第1ファスナーストリップであって、(i)少なくとも1つのインターロックプロファイルと、(ii)前記少なくとも1つのインターロックプロファイルの下方にのみ延びるフランジとを備えた、第1ファスナーストリップと、
前記開口部に隣接して配置される第2ファスナーストリップであって、(i)少なくとも1つのインターロックプロファイルと、(ii)前記少なくとも1つのインターロックプロファイルの下方にのみ延びるフランジとを備えた、第2ファスナーストリップと、
前記第1ファスナーストリップの前記フランジと当該袋の第1側部表面との間に設けられた第1形状保持ストリップであって、前記第1ファスナーストリップの前記フランジと当該袋の前記第1側部表面とが、前記第1ファスナーストリップの前記少なくとも1つのインターロックプロファイルよりも下方においてのみ、かつ、当該第1形状保持ストリップの上方および下方においてのみ接続されるように設けられた第1形状保持ストリップと、
前記第2ファスナーストリップの前記フランジと当該袋の第2側部表面との間に設けられた第2形状保持ストリップであって、前記第2ファスナーストリップの前記フランジと当該袋の前記第2側部表面とが、前記第2ファスナーストリップの前記少なくとも1つのインターロックプロファイルよりも下方においてのみ、かつ、当該第2形状保持ストリップの上方および下方においてのみ接続されるように設けられた第2形状保持ストリップと、
を備え、
前記第1形状保持ストリップおよび前記第2形状保持ストリップは、前記開口部における前記第1側部表面と前記第2側部表面との間の距離が、前記袋の前記底端部における前記第1側部表面と前記第2側部表面との間の距離にほぼ等しくなるように、前記袋の前記開口部を維持することが可能である、保存袋。
【請求項2】
前記第1形状保持ストリップおよび前記第2形状保持ストリップがポリオレフィンで形成される、請求項1に記載の保存袋。
【請求項3】
前記第1ファスナーストリップが、第1インターロックプロファイルおよび第2インターロックプロファイルを含み、
前記第2ファスナーストリップが、前記第1ファスナーストリップの前記第1インターロックプロファイルおよび前記第2インターロックプロファイルとインターロックするように構成された、第1インターロックプロファイルおよび第2インターロックプロファイルを含む、請求項1に記載の保存袋。
【請求項4】
前記第1側部表面および前記第2側部表面のそれぞれが多層ラミネート構造を有する、請求項1に記載の保存袋。
【請求項5】
保存袋であって、
第1側部表面と、
前記袋の内部をその内部への開口部と共に形成するように前記第1側部表面に接続された第2側部表面であって、前記第1側部表面が、前記袋の第1端部および前記袋の第2端部に沿って前記第2側部表面に直接接続され、前記第1側部表面が、前記袋の底端部において、(i)前記第1側部表面が前記底端部において前記第2側部表面に隣接して配置されるフラット構成と、(ii)前記第1側部表面が前記底端部において前記第2側部表面から離間する展開構成と、の間で変化可能である接続を用いて、前記第2側部表面に接続される、第2側部表面と、
前記開口部に隣接して配置される第1ファスナーストリップであって、(i)少なくとも1つのインターロックプロファイルと、(ii)前記少なくとも1つのインターロックプロファイルの下方にのみ延びるフランジとを備えた、第1ファスナーストリップと、
前記開口部に隣接して配置される第2ファスナーストリップであって、(i)少なくとも1つのインターロックプロファイルと、(ii)前記少なくとも1つのインターロックプロファイルの下方にのみ延びるフランジとを備えた、第2ファスナーストリップと、
前記第1ファスナーストリップの前記フランジと当該袋の第1側部表面との間に設けられた第1形状保持ストリップであって、前記第1ファスナーストリップの前記フランジと当該袋の前記第1側部表面とが、前記第1ファスナーストリップの前記少なくとも1つのインターロックプロファイルよりも下方においてのみ、かつ、当該第1形状保持ストリップの上方および下方においてのみ接続されるように設けられた第1形状保持ストリップと、
前記第2ファスナーストリップの前記フランジと当該袋の第2側部表面との間に設けられた第2形状保持ストリップであって、前記第2ファスナーストリップの前記フランジと当該袋の前記第2側部表面とが、前記第2ファスナーストリップの前記少なくとも1つのインターロックプロファイルよりも下方においてのみ、かつ、当該第2形状保持ストリップの上方および下方においてのみ接続されるように設けられた第2形状保持ストリップと、
を備え、
前記第1形状保持ストリップおよび第2形状保持ストリップは、外力によって屈曲形状へ変化しその屈曲形状を保持可能な形状保持材料で形成され、
(i)前記第1ファスナーストリップの少なくとも一つのインターロックプロファイルと前記第2ファスナーストリップの少なくとも一つのインターロックプロファイルとが離間し、(ii)前記第1側部表面と前記第2側部表面との接続が前記展開構成であり、かつ、(iii)前記第1形状保持ストリップおよび第2形状保持ストリップが前記屈曲形状である場合、前記第1形状保持ストリップおよび前記第2形状保持ストリップは、前記開口部における前記第1側部表面と前記第2側部表面との間の距離を、前記袋の前記底端部における前記第1側部表面と前記第2側部表面との間の距離にほぼ等しくなるように維持する、保存袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保存袋に関する。より詳細には、本発明は、袋の開口部を維持し、袋の底端部のサイズにほぼ等しいサイズに開口部を維持するための構成を備える保存袋に関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性プラスチック材料で作製された保存袋またはパウチがよく知られている。そのような袋は、様々な物品を保存するために使用することができ、最も一般的な使用法のうちの1つは、生鮮食品の保存である。効果的に食品を保存するために、かつ、保存袋の中から食品または他の物品が漏出することを防止するために、保存袋は、しばしば、袋の開口部を閉じるための封止機構を含む。ファスナーアセンブリまたはジッパーとしばしば呼ばれる封止機構のうちの1つの一般的なタイプは、袋の頂端部にインターロッククロージャプロファイルを含む。袋の頂端部の両端間で移動可能であるスライダーによって、インターロッククロージャプロファイルをプレスし、引き離すことによって、袋の開口部を封止し、開封する。そのような封止機構を含む保存袋の例は、本出願の譲受人により、ZIPLOC(登録商標)という商標で販売されている。
【0003】
保存袋を充填する際には、物質を、袋の内部に開口部を通して通過させる。保存袋が通常のサイズであると仮定すると、いくつかの物質を扱うことの固有の難しさに関連して、物質を袋へと導きながら袋の開口部を開いた状態に維持することが困難である場合がある。したがって、袋の開口部を開いたまま維持するための構造をもつ保存袋を提供することが有利である。さらに、袋が充填動作中に直立するように袋を構成することが有利である。
【0004】
保存袋の開口部を開いたまま維持するための構造の1つの例は、その開示の全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,364,361号に示されている。この特許において、保存袋は、開口部を閉じる封止機構を含む。封止されていないときには、バイアスレールが袋の開口部を開いたまま維持する。したがって、袋が封止されていないときはいつでも、袋の開口部は非フラット形状である。
【0005】
袋の開口部の形状を維持する一例は、特開2005−88893号公報に示されている。この公報において、袋の口を任意の形状に維持することができるように、形状保持テープが袋の口に隣接して設けられる。開口部を異なる形状にすることを可能にするために、また、袋を折り畳んで異なる形状にすることを可能にするために、特開2005−88893号公報に記載された袋は封止機構を含んでいないことが明らかである。さらに袋を折り畳んで異なる形状にする、また、異なる形状に形成することを可能にするために、この公報に記載された袋は、識別可能な側部または底部を有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,364,361号明細書
【特許文献2】特開2005−88893号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明の1つの態様による保存袋が提供される。本保存袋は、第1側部表面と、袋の内部をその内部への開口部と共に形成するように第1側部表面に接続された第2側部表面とを含む。袋の開口部に隣接して、第1ファスナーストリップが配置され、第1ファスナーストリップは、少なくとも1つのインターロックプロファイル、およびその少なくとも1つのインターロックプロファイルの下方に延びるフランジを含む。このフランジの一部分は、第1側部表面に接続される。袋の開口部に隣接して、第2ファスナーストリップが配置され、第2ファスナーストリップは、少なくとも1つのインターロックプロファイル、およびその少なくとも1つのインターロックプロファイルの下方に延びるフランジを含む。このフランジの一部分は、第2側部表面に接続される。スライダーは、スライダーが袋の第1端部から第2端部に移動するにつれて、第1ファスナーストリップの少なくとも1つのインターロックプロファイルと第2ファスナーストリップの少なくとも1つのインターロックプロファイルとを一緒にプレスするように構成される。スライダーはまた、スライダーが袋の第2端部から第1端部に移動するにつれて、第1ファスナーストリップの少なくとも1つのインターロックプロファイルと第2ファスナーストリップの少なくとも1つのインターロックプロファイルとを離隔させるように構成される。第1ファスナーストリップのフランジと袋の第1側部表面との間に、形状保持材料から形成される第1形状保持ストリップが設けられ、第2ファスナーストリップのフランジと袋の第2側部表面との間に、形状保持材料から形成される第2形状保持ストリップが設けられる。
【0008】
本発明の別の態様による保存袋が提供される。本保存袋は、第1側部表面と、袋の内部をその内部への開口部と共に形成するように第1側部表面に接続された第2側部表面とを含む。袋の開口部に隣接して、第1ファスナーストリップが配置され、第1ファスナーストリップは、少なくとも1つのインターロックプロファイルを含む。袋の開口部に隣接して、第2ファスナーストリップが配置され、第2ファスナーストリップは、少なくとも1つのインターロックプロファイルを含む。スライダーは、スライダーが袋の第1端部から第2端部に移動するにつれて、第1ファスナーストリップの少なくとも1つのインターロックプロファイルと第2ファスナーストリップの少なくとも1つのインターロックプロファイルとを一緒にプレスするように構成される。スライダーはまた、スライダーが袋の第2端部から第1端部に移動するにつれて、第1ファスナーストリップの少なくとも1つのインターロックプロファイルと第2ファスナーストリップの少なくとも1つのインターロックプロファイルとを離隔させるよう構成される。第1ファスナーストリップに隣接して、第1形状保持ストリップが配置される。第1形状および第2形状保持ストリップは、第1ファスナーストリップと第2ファスナーストリップとが互いに隣接して配置される状態の、袋の開口部が実質的に閉じている第1位置を維持することが可能である。第1形状および第2形状保持ストリップはまた、第1ファスナーストリップと第2ファスナーストリップとが互いに離隔した状態の、袋の開口部が実質的に開いている第2位置を維持することが可能である。
【0009】
本発明のさらに別の態様による保存袋が提供される。本保存袋は、第1側部表面と、袋の内部をその内部への開口部と共に形成するように第1側部表面に接続された第2側部表面とを含む。第1側部表面は、袋の第1端部および袋の第2端部に沿って第2側部表面に直接接続され、第1側部表面は、袋の底端部において、(i)第1側部表面が底端部において第2側部表面に隣接して配置されるフラット構成と、(ii)第1側部表面が底端部において第2側部表面から離間する展開構成との間で変化可能であるkシール接続を用いて、第2側部表面に接続される。開口部に隣接して第1ファスナーストリップが配置され、第1ファスナーストリップは、少なくとも1つのインターロックプロファイルを含む。開口部に隣接して第2ファスナーストリップが配置され、第2ファスナーストリップは、少なくとも1つのインターロックプロファイルを含む。第1ファスナーストリップに隣接して第1形状保持ストリップが配置され、第2ファスナーストリップに隣接して第2形状保持ストリップが配置される。第1形状保持ストリップおよび第2形状保持ストリップは、開口部における第1側部表面から前記第2側部表面まで距離が、袋の底端部における第1側部表面から前記第2側部表面まで距離にほぼ等しくなるように、袋の開口部を維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による袋の側部表面の図である。
図2】閉じたフラット構成における図1に示した袋の立面図である。
図3】開いた展開構成における図1に示した袋の立面図である。
図4】展開構成における図1に示した袋の底端部の図である。
図5】本発明の一実施形態によるファスナーストリップおよび形状保持材料の図である。
図6】本発明の代替実施形態によるファスナーストリップおよび形状保持材料の図である。
図7】本発明のさらに別の代替実施形態によるファスナーストリップおよび形状保持材料の図である。
図8】本発明のさらなる代替実施形態によるファスナーストリップおよび形状保持材料の図である。
図9】本発明による袋のファスナーアセンブリの立面図である。
図10】本発明による、スライダーによって閉じられたファスナーアセンブリの断面図である。
図11】本発明による、スライダーによって開かれたファスナーアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、封止されていない開口部を袋の内部に対して開いたまま維持するための構成を含む保存袋に関する。袋は、フラット構成と展開構成との間で変化可能な底端部をさらに有することができ、開口部は、袋の展開可能な底部のサイズに実質的に等しいサイズで維持される。
【0012】
本明細書の記載から明らかなように、「袋」という用語は、パウチ、封筒、包みなどのような、物品を収容するように設計された広範囲の構造を包含する。一般に、本明細書で使用される場合「袋」という用語は、単に、開口部を備えるやや可撓性の容器を意味し、袋は、任意の数の物品を持ち運ぶために使用可能である。
【0013】
図1図3は、本発明の一実施形態による袋100の図である。袋100は、第1側部表面102および第2側部表面104を含む。第1側部表面102と第2側部表面104とは、袋100の端部106および108に沿って直接接続される。第1側部表面102と第2側部表面104とはまた、袋100の底端部110においても接続される。袋100の底端部110は、以下に記載するように、側部表面102と側部表面104との間にガセット表面118および120を含む。袋100の内部101への開口部103が頂端部112に形成される。また、以下に記載するように、開口部103は、ファスナーアセンブリ114およびスライダー116を用いて封止可能である。
【0014】
以下に記載するように、袋100の側部表面102および104は、様々なプラスチック材料で形成することができる。したがって、側部表面102と側部表面104とを、袋100の端部106および108において一緒に直接ラミネートすることができる。ただし、他の実施形態では、袋100の端部106および108において第1側部表面102と第2側部表面104とを接続するために、追加の表面を提供してもよい。たとえば、端部106および108において第1側部102と第2側部104との間にガセット型接続を形成することができ、それにより、(以下で説明する)底端部110と同様に、端部106および110において側部表面102および104を展開することが可能になる。当業者には、本明細書で説明するようなファスナーアセンブリを含む再封止可能な袋を形成するための多くの構成が認識されよう。また、上述の議論から、本明細書で使用される場合「接続する(される)」という用語は、概略的なものであり、直接取り付けられた接続または介在構造を用いた接続のいずれも許容される。
【0015】
袋100は、様々な材料で形成することができる。本発明の実施形態において、袋100は、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびポリプロピレン(PP)などの熱可塑性プラスチックで形成される。使用され得る他の材料には、スチレンブロックコポリマー、ポリオレフィンブレンド、エラストマー合金、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミド、ポリ塩化ビニル(PVC)のポリマーおよびコポリマー、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、サランポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、イオノマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、スチレンアクリロニトリル、芳香族ポリエステル、鎖状ポリエステルおよび熱可塑性ポリビニルアルコールが含まれる。
【0016】
本発明の1つの実施形態では、袋100の側部102および104は、5.5ミルLDPE/LLDPE封止材層にラミネートされた60ゲージナイロン層を含む多層ラミネート構造として形成される。ラミネート構造を備える他の実施形態は、LDPE/LLDPE封止材層にラミネートされたPET層を含む。さらに他の実施形態は、LDPE/LLDPEブレンドを含む。そのような多層ラミネート構成は、袋100に、他の単一の薄い層の袋よりも高い剛性を与える。このように剛性が追加されると、以下により十分に記載するように、充填動作中に袋100を直立して置くのに役立つ。
【0017】
また、ファスナーアセンブリ114は、袋100の側部102および104を形成することが可能であると上述したもののように、様々な材料で製造することができる。さらに、以下により十分に記載するファスナーアセンブリのスライダー116は、たとえば、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、アセタール、ポリケトン、高密度ポリエチレン、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレンなどのような任意の好適な材料で形成することができる。当業者には、袋の要素を構築することが可能な多数の他の材料が認識されよう。
【0018】
袋100は、様々なプロセスおよび技法を使用して構築することができる。いくつかの実施形態において、第1側部表面102および第2側部表面104は、底端部110にガセット表面118および120を作成するように折り畳まれるプラスチック材料の単一のシートで形成される。この実施形態では、第1側部表面102および第2側部表面104は、たとえば、端部106および108において側部表面102と側部表面104とをラミネートすることによって、端部106および108に沿って直接接続される。他の実施形態では、側部表面102および104の各々ならびにガセット表面118および120は別個の部品として形成され、それらと付着させて最終袋構造を作成する。当業者には、袋構造を作成するための多数の他の方法が認識されよう。
【0019】
ファスナーアセンブリ114は、開口部103に隣接して袋100の頂端部112に設けられる。図8図10に、ファスナーアセンブリの詳細を示す。ファスナーアセンブリ114は、第1ファスナーストリップ118および第2ファスナーストリップ120とともに動作して開口部103を封止し、開封するスライダー116を含む。第1ファスナーストリップ118は、インターロックプロファイル122および126を含み、第2ファスナーストリップ120は、インターロックプロファイル124および128を含む。図4に示すように、インターロックプロファイル122は、インターロックプロファイル124に隣接して配置され、インターロックプロファイル126は、インターロックプロファイル128に隣接して配置される。
【0020】
インターロックプロファイル122、124、126および128は、袋100の頂端部112に沿ってスライダー116を移動させることによって、一緒にプレスされ、また、離隔される。スライダー116は、第1側壁130および第2側壁132を含み、第1側壁130および第2側壁132は、スライダー116の全長にわたって延びている。頂部壁134は、第1側壁130と第2側壁132とを接続する。図9に示すように、第1プレス脚部136は、第1側壁130および頂部壁134の内側表面から延び、第2プレス脚部138は、第2側壁132および頂部壁134の内側表面から延びる。隣接して配置される第1プレス脚部136および第2プレス脚部138は、ファスナーストリップ116および120に沿って袋100の端部106から他方の端部108の方向にスライダー116が移動するにつれて、第1ファスナーストリップ118および第2ファスナーストリップ120を一緒にプレスするように構成される。このようにして、インターロックプロファイル122は、インターロックプロファイル124とインターロックする。さらに、インターロックプロファイル122がインターロックプロファイル124とともにプレスされると、インターロックプロファイル126および128もまたインターロック位置へとプレスされる。
【0021】
図8および図10に示すように、離隔脚部140は、第1プレス脚部136および第2プレス脚部138を有する頂部壁132の端部に対向する頂部壁132の端部から延びる。離隔脚部140は、クロージャプロファイル122とクロージャプロファイル124との間に延びるようにスライダー116上に配置され、それにより、離隔脚部140は、ファスナーストリップ118および120に沿って袋100の端部108から端部106の方向にスライダー116を移動させるにつれて、クロージャプロファイル122とクロージャプロファイル124とを離隔させる。したがって、袋100の端部106から端部108の方向に移動させると、スライダー116は、第1ファスナーストリップ118と第2ファスナーストリップ120とを封止し、袋100端部108からの端部106に移動させると、スライダー116は、第1ファスナーストリップ118と第2ファスナーストリップ120とを開封する。
【0022】
最初に、第1ファスナーストリップ118および第2ファスナーストリップ120を袋100の他の部分とは別個に形成することができる。次いで、ラミネートプロセスのような様々な技法を用いて、第1ファスナーストリップ118および第2ファスナーストリップ120を袋の第1側部表面102および第2側部表面104に接続することができる。第1ファスナーストリップ118および第2ファスナーストリップ120と第1側部表面102および第2側部表面104との間の接続の詳細について、以下により十分に記載する。
【0023】
形状保持ストリップ105は、第1ファスナーストリップ118に隣接して設けられ、形状保持ストリップ107は、第2ファスナーストリップ120に隣接して設けられる。形状保持ストリップ105および107は、容易に屈曲させることができるが屈曲させた形状を保持する材料で作製される。したがって、第1ファスナーストリップ118および第2ファスナーストリップ120を開封し、離隔させることによって開口部103が形成されたとき、形状保持ストリップ105および107は、第1ファスナーストリップ118および第2ファスナーストリップ120を離隔した状態に保つことによって開口部の形状を維持する。本発明の実施形態では、形状保持ストリップ105および107は、樹脂材料で形成される。そのような樹脂の例には、ポリエチレンまたはポリプロピレンのような延伸ポリオレフィン樹脂が含まれる。形状記憶ストリップ105および107を形成するために使用され得る樹脂のより具体的な例には、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンプロピレンコポリマー、エチレンペンテンコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレン(メタ)アクリル酸エステルコポリマー、エチレン塩化ビニルコポリマー、エチレンプロイレンブテンコポリマーおよび高密度ポリエチレンで作製された樹脂のストリップが含まれる。当業者には了解されるように、そのようなポリオレフィン樹脂を成形プロセスにおいて伸張すると、得られた樹脂ストリップは、形状保持特性を備えることができ、すなわち、容易に屈曲されるが屈曲させた形状を依然として保持することが可能である。同様に当業者には了解されるように、上述の特性を有する形状保持ストリップを形成するために、多くの可能な代替樹脂ならびに他の材料が使用され得る。さらに、形状保持ストリップのさらなる詳細は、上述の特開2005−88893号公報を見ると分かる。
【0024】
袋100が2つの形状保持ストリップ105および107とともに示されているが、代替実施形態では、形状保持ストリップ105および107のうちの1つのみを使用することができる。さらに、図示の袋100の形状保持ストリップ105および107は、1つの端部106から他方の端部108まで連続して延びているが、他の実施形態では、形状保持ストリップ105および107の一方または両方を、端部106と端部108との間の全長の一部分上にのみ設けることができる。さらに他の実施形態では、端部105と端部107との間の全長にわたって、複数の断続的な形状保持ストリップが設けられる。当業者には、本明細書に記載する機能を達成する形状保持ストリップ105および107の多数の他の構成が認識されよう。
【0025】
形状保持ストリップ105および107は、様々な方法で、袋100の他の部分に取り付けることができる。袋100に形状保持ストリップ105および107を取り付ける1つの実施形態を図5に示す。第1ファスナーストリップ118および第2ファスナーストリップ120は、ストリップ118および120のインターロッククロージャプロファイル122、124、126および128を備える部分の下方に延びたフランジ119および121を有する。この実施形態では、形状保持ストリップ105は、ファスナーストリップ118のフランジ119と袋100の第1側部表面102との間に配置され、形状保持ストリップ107は、ファスナーストリップ120のフランジ121と第2側部表面104との間に配置される。フランジ119および121は、フランジ119および121と側部表面とが点Sにおいて付着するように、側部表面102および104にラミネートされる。形状保持ストリップ105および107が接続点Sの間に配置されると仮定すると、形状保持ストリップ105および107は袋100に固定される。袋に形状保持ストリップ105および107をさらに固定するために、形状保持ストリップ105および107をフランジ119および121にラミネートすることができる。代替的には、形状保持ストリップ105および107を側部表面102および104にラミネートすることができる。さらなる代替は、形状保持ストリップ105および107をフランジ119および121と側部表面102および104の両方にラミネートすることである。上記で論じたように、袋100は、多層ラミネート構造を有することができる。側部表面102および104を多層ラミネートとして形成する場合、側部表面102および104の内側表面を形成する層は、そこへの形状保持ストリップ105および107のラミネートに貢献する溶融温度を有するように選択することができる。
【0026】
図5に示した構成の場合、形状保持ストリップ105および107は、袋100の構造に容易に一体化される。なお、形状保持ストリップ105および107は、ストリップの機能部分に熱を加えることなく、袋100の構造と一体化される。これは、形状保持ストリップ105および107に熱を加えるとそれらの形状保持特性に影響が生じ得るので有利である。また、形状保持ストリップ105および107は袋100の内部表面から離隔し、したがって、袋に入れられる物質には接触しない。さらに、形状保持ストリップ105および107は、依然として開口部103に隣接して配置され、それにより、上述したように、開いた形状を保持することが可能である。
【0027】
図6図8に、本発明の代替実施形態における形状保持ストリップ105および107の付着を示す。図6に示した実施形態では、形状保持ストリップ105および107は、フランジ119および121の内側表面にラミネートされている。図7に示した実施形態では、形状保持ストリップ105および107は、第1側部表面102および第2側部表面104の内側表面にラミネートされている。この実施形態では、側部表面102および104を形成するために多層ラミネート構造を使用することは、側部表面102および104の内側表面を形成する層に対して伝熱性のある溶融温度で、利用することができる。図8に示した実施形態では、形状保持ストリップ105および107は、ファスナーストリップ118および120の外側表面に設けられ、側部表面102および104は、形状保持ストリップ105および107の下方でファスナーストリップ118および120に接続されている。
【0028】
図2図4を見ると分かるように、袋100の底端部110は、フラット構成(図2)から展開構成(図3および図4)へと移動させることができる。そのように展開させるために、袋100の底端部110は、「kシール」としばしば呼ばれるものを用いて形成される。より詳細には、展開している底端部110は、側部表面102と側部表面104との間に設けられたガセット表面118および120を含む。ガセット表面118および120は、折り目線122によって離隔しており、フラット構成では、それを中心としてガセット表面118および120が折り畳まれている。ガセット表面118および120を折り畳む場合、側部表面102および104は、底端部110で互いに隣接するように移動し、それにより、袋100がフラット構成になる。一方、ガセット表面118とガセット表面120とが折り目線118の両側で互いから遠位に配置されている場合、側部表面102および104は、袋100の底端部110で離隔しており、それにより、展開構成になる。
【0029】
図3の袋100は、開口部103が封止されておらず、底端部110が展開構成である状態で示されている。形状保持ストリップ105および107は開口部103に隣接して配置され設けられているので、ファスナーストリップ118とファスナーストリップ120が頂端部112で離隔しているときには、形状保持ストリップ105および107が、袋100の開口部103を維持する。それにより、第1側部表面102と第2側部表面104とは、袋100の頂端部112の開口部101において、距離D1だけ離隔される。底端部110では、ガセット表面118および120が折り目線122の両側に配置された状態では、第1表面102と第2表面および104とは、距離D2だけ離隔している。なお、頂端部112で袋100が展開している距離D1は、袋100が底端部110において展開する距離D1にほぼ等しい。したがって、袋100は、底端部110および頂端部114において、実質的に対称構成で配置されることができる。この構成は、袋100に物質を充填するプロセス中に袋100を直立させ、開いておくことができるので有利である。
【0030】
上記の説明から明らかなように、袋100は、フラット構成または展開構成で提供することができる。フラット構成では、袋100が占める空間量は最小となる。したがって、フラット構成は、たとえば、袋100が使用されておらず、保管されているときに都合が良い。なお、フラット構成では、ファスナーアセンブリ114を用いて袋100を封止していても、あるいは封止していなくてもよい。形状保持ストリップ105および107は、第1ファスナーストリップ118および第2ファスナーストリップ120が封止されていない場合であっても、開口部を閉鎖位置に維持することができる。したがって、形状保持ストリップ105および107は、袋のフラット構成を維持するのに役立つ。
【0031】
また、前述の説明から明らかなように、展開構成では、ガセット表面118とガセット表面120は、折り目線122を中心として互いから離隔しており、第1側部表面102と第2側部表面104とは、底端部110において互いから離隔させることができる。このようにすると、袋100は、底端部110で直立することができる。上述の100のより強固な多層構成は、さらに、袋100を直立姿勢で維持するのに役立ち得る。また、ファスナーアセンブリ114を用いて、袋100を展開した直立姿勢で封止していても、あるいは封止していなくてもよい。封止されていないときには、開口部103を異なる形状に維持するために、形状保持ストリップ105および107を使用することができる。このようにすると、袋100を、充填しやすい姿勢へと操作することができる。さらに、袋100を物質で充填した後であっても、袋100を封止し、依然として直立姿勢に維持することができる。
【0032】
ある特定の具体的な例示的実施形態において本発明について記載してきたが、当業者には、本開示に照らして、多くの追加の修正形態および変更形態が明らかであろう。したがって、具体的に記載したもの以外に本発明を実施し得ることを理解されたい。したがって、本発明の例示的な実施形態は、すべての点において例示的なものであり、限定的なものではないと考えるべきであり、本発明の範囲は、上記の記載によってではなく、本発明によってサポート可能な任意の請求項およびその均等物によって判断すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本明細書に記載した発明は、保存袋の商業生産において使用することができる。当該保存袋は、食品、薬品または他の物質を保存するために利用するなど、多種多様な用途を有する。
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