【実施例】
【0109】
本発明は、以下の実施例を参照することによって、より完全に理解されよう。しかしながら、それらは、本発明の範囲を制限するものと解釈してはならない。
略語:
ACN: アセトニトリル
HATU: 3−オキシドヘキサフルオロリン酸1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム
DMAP: 4−ジメチルアミノピリジン
DIPEA: ジイソプロピルエチルアミン
p−TsOH:4−メチルベンゼンスルホン酸
DMSO−d
6:重水素化ジメチルスルホキシド
DCM: ジクロロメタン
FBS: 胎仔ウシ血清
rt: 室温
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
LiAlH(Ot−Bu)
3:水素化リチウムトリtert−ブトキシアルミニウム
v/v: 容量比
SFC: 超臨界流体クロマトグラフィー
MS(ESI):質量分析法(電子スプレーイオン化)
BSA: N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド
obsd.: 実測値
EC
50: アゴニストの可能な最大応答の50%をもたらす、該アゴニストのモル濃度
TEA: トリエチルアミン
TMSCHN
2:トリメチルシリルジアゾメタン
TMSI: ヨウ化トリメチルシリル
CDI: 1,1‘−カルボニルジイミダゾール
TMSCl: 塩化トリメチルシリル
NBS: N−ブロモスクシンイミド
全般的な実験条件
中間体と最終化合物は、以下の機器の1つを使用して、フラッシュクロマトグラフィーによって精製した:i)Biotage SP1 システム及び Quad 12/25 Cartridge モジュール。ii)ISCO combi-フラッシュクロマトグラフィー機器。シリカゲルのブランド及び孔径:i)KP-SIL 60A(オングストローム)、粒径:40〜60μm;ii)CAS登録番号:Silica Gel:63231-67-4、粒径:47〜60ミクロンシリカゲル;iii)ZCX(Qingdao Haiyang Chemical 株式会社製)、空孔:200〜300又は300〜400。
【0110】
中間体と最終化合物は、XBridge
TMPerp C
18(5μm,OBD
TM 30x100mm)カラム又はSunFire
TMPerp C
18(5μm,OBD
TM 30x100mm)カラムを使用する逆相カラムでの分取用HPLCによって精製した。
【0111】
LC/MSスペクトルは、Waters UPLC-SQD Mass を使用して入手した。標準的なLC/MS条件は、以下の通りであった(操作時間:3分):
酸性条件:A:H
2O中0.1%ギ酸及び1%アセトニトリル;B:アセトニトリル中0.1%ギ酸;
塩基性条件:A:H
2O中0.05% NH
3・H
2O;B:アセトニトリル;
質量スペクトル(MS):全般的には、親質量を示すイオンだけを報告して、他に述べなければ、引用される質量イオンは、陽性の質量イオン(M+H)
+である。
【0112】
NMRスペクトルは、Bruker Avance 400 MHz を使用して入手した。
空気感受性の試薬が関わるすべての反応は、アルゴン雰囲気下で実施した。他に述べなければ、試薬は、市販の供給業者より受け取ったままで、さらに精製せずに使用した。
【0113】
製造の実施例
実施例1
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル
【0114】
【化21】
【0115】
2−[2−(ベンゾイルオキシメチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(化合物1a)の製造
【0116】
【化22】
【0117】
ベンゾイルオキシアセトアルデヒド(1.97g,12ミリモル)とメルカプトコハク酸(1.5g,10ミリモル)の混合物をトルエン(50mL)中において触媒量のp−TsOH(0.23g,1.3ミリモル)下に60℃で4時間撹拌した。反応が完了した後で、この混合物を室温へ冷やしてEtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3と塩水(brine)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−[2−(ベンゾイルオキシメチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(化合物1a)(2.5g)を白色の粉末として得た。
【0118】
化合物1a:
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 12.78 (brs, 1H), 7.99 (m, 2H), 7.70 (m, 1H), 7.57 (m, 2H), 5.92 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 4.53-4.65 (m, 2H), 4.42-4.53 (m, 1H), 2.72-3.06 (m, 2H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 297。
【0119】
安息香酸[4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物1b)の製造
【0120】
【化23】
【0121】
2−[2−(ベンゾイルオキシメチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(化合物1a)(1.5g,5.1ミリモル)のDCM(20mL)溶液へCDI(1.23g,7.6ミリモル)を加えた。この混合物を室温で3時間撹拌してから、MeOH(0.62mL,15ミリモル)を加えた。この混合物を室温でさらに16時間撹拌した。反応が完了した後で、この反応混合物を飽和NH
4Clでクエンチし、DCMで抽出した。合わせた有機層を飽和NH
4Clと塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーによって精製して、安息香酸[4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物1b)(0.83g)を黄色がかったオイルとして得た。
【0122】
化合物1b:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm: 8.05 (m, 2H), 7.62 (m, 1H), 7.48 (m, 2H), 5.74-5.86 (m, 1H), 4.60 (m, 2H), 4.30-4.40 (m, 1H), 3.77 (m, 3H), 2.97- 3.24 (m, 2H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 311。
【0123】
安息香酸[5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物1c)の製造
【0124】
【化24】
【0125】
安息香酸[4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物1b)(600mg,1.9ミリモル)の無水THF(10mL)溶液へLiAlH(Ot−Bu)
3(THF中1M,2.9mL,2.9ミリモル)を−78℃で滴下した。室温で2時間撹拌した後で、ピリジン(0.78mL,9.6ミリモル)、無水酢酸(0.91mL,9.6ミリモル)、及びDMAP(0.71g,5.8ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌してから、飽和NH
4Clでクエンチした。この溶液をDCM(50mL)で3回抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して粗生成物を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、安息香酸[5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物1c)(0.34g)を黄色がかったオイルとして得た。
【0126】
化合物1c:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm: 8.08 (m, 2H), 7.59 (m, 1H), 7.47 (m, 2H), 6.42-6.73 (m, 1H), 5.65-5.77 (m, 1H), 4.50-4.70 (m, 1H), 4.34-4.42 (m, 1H), 3.90-4.03 (m, 1H), 3.67-3.78 (m, 3H), 2.58-2.91 (m, 2H), 2.06-2.18 (m, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 355。
【0127】
安息香酸[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物1d)の製造
【0128】
【化25】
【0129】
5−アミノ−7−ヒドロキシ−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(368mg,2.0ミリモル)のACN(15mL)溶液へBSA(1.42g,7.0ミリモル)を加えた。この混合物を、澄明な溶液が生成されるまで60℃で加熱した。溶媒を減圧下に除去した。残渣をDCM(20mL)に溶かした。上記の溶液へ安息香酸[5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物1c)(700mg,2.0ミリモル)とTMSI(0.61mL,4.4ミリモル)を加えた。室温で一晩撹拌した後で、この反応混合物を飽和NaHCO
3溶液でクエンチした。この混合物をDCM(100mL)で3回抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3と塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して粗生成物を得て、これをシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、安息香酸[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物1d)(0.22g)を淡黄色の粉末として得た。MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 479。
【0130】
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル(実施例1)の製造
【0131】
【化26】
【0132】
安息香酸[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物1d)(180mg,0.38ミリモル)のMeOH(10mL)溶液へK
2CO
3(0.21g,1.5ミリモル)を加えた。この混合物を室温で撹拌した。反応が完了した後で、この混合物をHOAcでpH7へ中和してから濃縮して粗生成物を得て、これを分取用HPLCによって精製して、2−[(trans−2,4−trans−4,5)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル(実施例1−P1)(2mg)と2−[(cis−2,4−trans−4,5)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル(実施例1−P2)(4mg)を白色の粉末として得た。実施例1−P1と実施例1−P2の相対配置は、実施例2に類似して決定した。
【0133】
実施例1−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm:5.96 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.29 (dd, J = 5.5, 4.3 Hz, 1H), 4.86 (m, 1H), 3.83 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 2.76 (d, J = 7.3 Hz, 2H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 375。
【0134】
実施例1−P2:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.14 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.78 (dd, J = 5.3, 4.0 Hz, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.75 (m, 2H), 3.61 (s, 3H), 2.82 (m, 2H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 375。
【0135】
実施例2
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸
【0136】
【化27】
【0137】
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(実施例2)の製造
粗製の2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル(実施例1)(168mg,0.45ミリモル)のTHF(10mL)溶液へLiOH水溶液(2M,5mL,1.0ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で撹拌した。反応が完了した後で、この混合物をHOAcでpH7へ中和し、濃縮して粗生成物を得て、これを分取用HPLCによって精製して、2−[(trans−2,4−trans−4,5)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(実施例2−P1)(8mg)と2−[(cis−2,4−trans−4,5)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(実施例2−P2)(17mg)を白色の粉末として得た。化合物:実施例2−P1と実施例2−P2の相対配置は、NOESYによって決定した。
【0138】
実施例2−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm:
5.96 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.28 (dd, J = 5.5, 4.0 Hz, 1H), 4.85 (m, 1H), 3.83 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 2.67 (m, 2H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 361。
【0139】
実施例2−P2:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm:
6.13 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.77 (dd, J = 5.5, 4.3 Hz, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.75 (m, 2H), 2.77 (m, 1H), 2.66 (m, 1H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 361。
【0140】
【化28】
【0141】
実施例2−P1では、C1’−HとC4’−H、C1’−HとC6’−HのNOESY相関を観測し、C2’−HとC4’−Hの相関を観測しなかった。実施例2−P2では、C2’−HとC4’−H、C1’−HとC6’−HのNOESY相関を観測し、C1’−HとC4’−Hの相関を観測しなかった。
【0142】
実施例3
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N,N−ジメチル−アセトアミド
【0143】
【化29】
【0144】
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N,N−ジメチル−アセトアミドの製造
粗製の2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(実施例2)(133mg,0.37モル)、ジメチルアミン(0.22mL,0.45モル)、及びDIPEA(0.3mL,1.5ミリモル)のDMF(5mL)溶液へHATU(214mg,0.56ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NH
4Clでクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して粗生成物を得て、これを分取用HPLCによって精製して、2−[(trans−2,4−trans−4,5)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N,N−ジメチル−アセトアミド(実施例3−P1)(6mg)と2−[(cis−2,4−trans−4,5)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N,N−ジメチル−アセトアミド(実施例3−P2)(10mg)を白色の粉末として得た。化合物:実施例3−P1と実施例3−P2の相対配置は、実施例2に類似して決定した。
【0145】
実施例3−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.96 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.28 (dd, J = 5.3, 4.02 Hz, 1H), 4.95 (m, 1H), 3.79 (m, 2H), 3.03 (s, 3H), 2.88 (m, 1H), 2.84 (s, 3H), 2.76 (m, 1H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 388。
【0146】
実施例3−P2:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.13 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.76 (t, J = 4.6 Hz, 1H), 4.86 (m, 1H), 3.75 (m, 2H), 3.05 (s, 3H), 2.95 (m, 1H), 2.86 (s, 3H), 2.83 (m, 1H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 388。
【0147】
実施例4
2−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル
【0148】
【化30】
【0149】
2−[(4S)−2−[(1S)−1−ベンゾイルオキシプロピル]−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(化合物4a)の製造
【0150】
【化31】
【0151】
安息香酸[(1S)−1−ホルミルプロピル](4.6g,24ミリモル)(合成については、J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 3450-3451 を参照のこと)、(S)−2−メルカプトコハク酸(3.59g,24ミリモル)、及びp−TsOH(455mg,2.4ミリモル)のトルエン(200mL)中の混合物を60℃で4時間撹拌した。反応が完了した後で、この混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、飽和NaHCO
3と塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて濃縮した。この残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1:10〜1:3を溶出液とする)によって精製して、2−[(4S)−2−[(1S)−1−ベンゾイルオキシプロピル]−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(化合物4a)(3.9g)を茶褐色のオイルとして得た。
【0152】
化合物4a:
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 12.78 (brs, 1H), 7.98 (m, 2 H), 7.71 (m, 1H), 7.57 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 5.81-5.91 (m, 1H), 5.19-5.39 (m, 1H), 4.21-4.50 (m, 1H), 2.63-3.00 (m, 2H), 1.63-1.88 (m, 2H), 0.93 (t, J = 7.4 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 325。
【0153】
安息香酸[(1S)−1−[(4S)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4b)の製造
【0154】
【化32】
【0155】
2−((4S)−2−((S)−1−(ベンゾイルオキシ)プロピル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル)酢酸(化合物4a)(3.6g,12ミリモル)のEt
2O/MeOH(v/v=4:1,100mL)溶液へTMSCHN
2(ヘキサン中2M,8.3mL,17ミリモル)を室温で加えた。次いで、この反応混合物を室温で2時間撹拌してから、水(50mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1:10〜1:1を溶出液とする)によって精製して、安息香酸[(1S)−1−[(4S)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4b)(3.6g)をcis/trans混合物として得た。安息香酸[(1S)−1−[(4S)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4b)(2.1g,6.2ミリモル)をSFCによってさらに分割して、安息香酸[(1S)−1−[(2S,4S)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4b1)(0.87g)と安息香酸[(1S)−1−[(2R,4S)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4b2)(0.9g)を黄色がかったオイルとして得た。化合物4b1と化合物4b2の絶対配置は、NOESYによって決定した。
【0156】
化合物4b:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 8.05 (m, 2H), 7.66 (m, 1H), 7.52 (m, 2H), 5.81 (m, 1H), 5.26-5.44 (m, 1H), 4.23-4.50 (m, 1H), 3.62-3.77 (m, 3H), 2.79-3.12 (m, 2H), 1.77-1.99 (m, 2H), 0.99-1.09 (m, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 339。
【0157】
化合物4b1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 8.05 (dd, J = 8.3, 1.3 Hz, 2H), 7.67 (m, 1H), 7.53 (m, 2H), 5.80 (dd, J = 4.3, 0.8 Hz, 1H), 5.31 (m, 1H), 4.27 (m, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.06-2.92 (m, 2H), 1.91 (m, 2H), 1.03 (t, J = 7.5 Hz, 3H)。
【0158】
化合物4b2:
1H NMR (400MHz, CD
3OD) δ ppm: 8.06 (dd, J = 1.3, 8.3 Hz, 2H), 7.66 (m, 1H), 7.53 (m, 2H), 5.82 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.39 (td, J = 8.8, 4.4 Hz, 1H), 4.47 (dd, J = 8.5, 4.3 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.07 (dd, J = 17.2, 4.4 Hz, 1H), 2.91-2.80 (m, 1H), 2.00-1.77 (m, 2H), 1.03 (t, J = 7.5 Hz, 3H)。
【0159】
【化33】
【0160】
化合物4b1では、C2’−HとC5’−HのNOESY相関を観測した。化合物4b2では、C2’−HとC4’−HのNOESY相関を観測した。
安息香酸[(1S)−1−[(4S)−5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4c)の製造
【0161】
【化34】
【0162】
安息香酸[(1S)−1−[(4S)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4b)(3.3g,9.8ミリモル)の無水THF(60mL)溶液へLiAlH(Ot−Bu)
3(THF中1M,14.6mL,15ミリモル)を−78℃で滴下した。この反応混合物を温めて、室温で2時間撹拌した。次いで、ピリジン(3.86g,3.9mL,49ミリモル)、無水酢酸(4.98g,4.6mL,49ミリモル)、及びDMAP(3.57g,29ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌してから、飽和NH
4Clでクエンチした。この溶液をDCM(50mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて濃縮した。この残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1:10〜3:1を溶出液とする)によって精製して、安息香酸[(1S)−1−[(4S)−5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4c)(3.7g)を黄色がかったオイルとして得た。
【0163】
化合物4c:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 8.05 (m, 2 H), 7.64 (m, 1H), 7.51 (m, 2H), 6.34-6.50 (m, 1H), 5.42-5.67 (m, 1H), 5.23-5.36 (m, 1H), 3.83-4.16 (m, 1H), 3.64-3.73 (m, 3H), 2.59-2.92 (m, 2H), 2.01-2.38 (m, 3H), 1.57-1.93 (m, 2H), 0.92-1.04 (m, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 383。
【0164】
安息香酸[(1S)−1−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4d)の製造
【0165】
【化35】
【0166】
5−アミノ−7−ヒドロキシチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン(1.4g,7.6ミリモル)の無水CH
3CN(50mL)溶液へBSA(5.71g,28ミリモル)を加えた。この混合物を60℃で、この溶液が澄明になるまで加熱した。溶媒を減圧下に除去した。この残渣を無水DCM(100mL)に再び溶かした。この溶液へ安息香酸[(1S)−1−[(4S)−5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4c)(2.9g,7.6ミリモル)とTMSI(3.34g,2.3mL,17ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌してから、飽和NaHCO
3でクエンチした。この溶液をDCM(100mL)で3回抽出して、飽和NaHCO
3と塩水で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させてから濃縮した。この残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20:1を溶出液とする)によって精製して、安息香酸[(1S)−1−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4d)(1.7g)を黄色がかった固形物として得た。MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 507。
【0167】
2−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル(実施例4)の製造
【0168】
【化36】
【0169】
安息香酸[(1S)−1−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4d)(0.25g,0.49ミリモル)のMeOH(10mL)溶液へK
2CO
3(0.13g,0.94ミリモル)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。反応が完了した後で、この反応混合物をHOAcでpH7へ中和した。この混合物を真空で濃縮した。この残渣を分取用HPLCによって精製して、2−[(2S,4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル(実施例4−P1)(3mg)と2−[(2R,4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル(実施例4−P2)(4mg)を白色の粉末として得た。実施例4−P1と実施例4−P2の絶対配置は、NOESYによって決定した。
【0170】
実施例4−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.94 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.81 (m, 1H), 3.65 (ddd, J = 8.9, 5.1, 3.5 Hz, 1H), 3.60 (s, 3H), 2.76 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 1.64 (m, 1H), 1.50 (m, 1H), 1.02 (t, J = 7.4 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 403。
【0171】
実施例4−P2:
1H NMR (400MHz, CD
3OD) δppm: 6.14 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.67 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.79 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 3.68 (ddd, J = 8.8, 5.2, 3.8 Hz, 1H), 3.61 (s, 3H), 2.81 (m, 2H), 1.66 (m, 1H), 1.41 (m, 1H), 1.01 (t, J = 7.4 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 403。
【0172】
【化37】
【0173】
実施例4−P1では、C2’−HとC5’−H、C1’−HとC4’−HのNOESY相関を観測した。実施例4−P2では、C2’−HとC4’−HのNOESY相関を観測し、C1’−Hは、C4’−Hと相関しなかった。
【0174】
実施例5
2−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸
【0175】
【化38】
【0176】
2−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(実施例5)の製造
THF(10mL)中の粗製の2−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル(実施例4)(400mg,1.0ミリモル)へLiOH水溶液(1M,5mL,5ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌してから、1N HClでpH7へ中和して濃縮して粗生成物を得て、これを分取用HPLCによって精製して、2−[(2S,4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(実施例5−P1)(3mg)と2−[(2R,4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(実施例5−P2)(4mg)を白色の粉末として得た。実施例5−P1と実施例5−P2の絶対配置は、NOESYによって決定した。
【0177】
実施例5−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.93 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.82 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 2.63 (m, 2H), 1.64 (m, 1H), 1.49 (m, 1H), 1.02 (t, J = 7.4 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 389。
【0178】
実施例5−P2:
1H NMR (400MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.13 (d, J = 7.0 Hz, 1 H), 5.66 (d, J = 5.5 Hz, 1 H), 4.79 (m, 1 H), 3.67 (ddd, J = 8.9, 5.3, 3.6 Hz, 1 H), 2.75 (m, 1 H), 2.66 (m, 1 H), 1.68 (m, 1 H), 1.42 (m, 1 H), 1.01 (t, J = 7.4 Hz, 3 H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 389。
【0179】
【化39】
【0180】
実施例5−P1では、C1’−HとC4’−HのNOESY相関を観測し、C2’−Hは、C4’−Hと相関しなかった。実施例5−P2では、C2’−HとC4’−HのNOESY相関を観測し、C1’−Hは、C4’−Hと相関しなかった。
【0181】
実施例6
2−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N−メチル−アセトアミド
【0182】
【化40】
【0183】
2−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N−メチル−アセトアミド(実施例6)の製造
DMF(5mL)中の粗製の2−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(実施例5)(200mg,0.51ミリモル)へ塩酸メチルアミン(70mg,1.03モル)、DIPEA(0.36mL,2.1ミリモル)、及びHATU(294mg,0.77ミリモル)を加えた。この反応物を室温で2時間撹拌してから飽和NH
4Clでクエンチして、EtOAcで抽出した。有機層を濃縮して粗生成物を得て、これを分取用HPLCによってさらに精製して、2−[(2S,4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N−メチル−アセトアミド(実施例6−P1)(2mg)と2−[(2R,4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N−メチル−アセトアミド(実施例6−P2)(5mg)を白色の粉末として得た。絶対配置は、実施例5の帰属決定(assignment)に類似して決定した。
【0184】
実施例6−P1:
1H NMR (400MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.91 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.15 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.84 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 2.62 (s, 3H), 2.55 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 1.64 (m, 1H), 1.50 (m, 1H), 1.02 (t, J = 7.4 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 402。
【0185】
実施例6−P2:
1H NMR (400MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.10 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.69 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.68 (m, 1H), 2.64 (s, 3H), 2.57 (m, 2H), 1.68 (m, 1H), 1.42 (m, 1H), 1.01 (t, J = 7.4 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 402。
【0186】
実施例7
2−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N,N−ジメチル−アセトアミド
【0187】
【化41】
【0188】
2−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N,N−ジメチル−アセトアミド(7)の製造
表題化合物は、塩酸メチルアミンの代わりにジメチルアミンを使用することによって、実施例6に類似して製造した。実施例7を分取用HPLCによってさらに精製して、2−[(2S,4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N,N−ジメチル−アセトアミド(実施例7−P1)(4mg)と2−[(2R,4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]−N,N−ジメチル−アセトアミド(実施例7−P2)(9mg)を白色の粉末として得た。実施例7−P1と実施例7−P2の絶対配置は、実施例5の帰属決定に類似して決定した。
【0189】
実施例7−P1:
1H NMR (400MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.93 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.91 (m, 1H), 3.66 (m, 1H), 3.04 (s, 3H), 2.89 (m, 1H), 2.84 (s, 3H), 2.77 (m, 1H), 1.65 (m, 1H), 1.50 (m, 1H), 1.02 (t, J = 7.4 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 416。
【0190】
実施例7−P2:
1H NMR (400MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.14 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.65 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.84 (m, 1H), 3.69 (ddd, J = 8.8, 5.0, 3.8 Hz, 1H), 3.06 (s, 3H), 2.94 (m, 1H), 2.82 (m, 4H), 1.67 (m, 1H), 1.41 (m, 1H), 1.01 (t, J = 7.4 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 416。
【0191】
実施例8
5−アミノ−3−[(4S,5R)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−4−(2−モルホリノ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン
【0192】
【化42】
【0193】
5−アミノ−3−[(4S,5R)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−4−(2−モルホリノ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(化合物8)の製造
表題化合物は、塩酸メチルアミンの代わりにモルホリンを使用することによって、実施例6に類似して製造した。実施例8を分取用HPLCによってさらに精製して、5−アミノ−3−[(2S,4S,5R)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−4−(2−モルホリノ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(実施例8−P1)(4mg)と5−アミノ−3−[(2R,4S,5R)−2−[(1S)−1−ヒドロキシプロピル]−4−(2−モルホリノ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(実施例8−P2)(10mg)を白色の粉末として得た。実施例8−P1と実施例8−P2の絶対配置は、実施例5の帰属決定に類似して決定した。
【0194】
実施例8−P1:
1H NMR (400MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.93 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.94 (m, 1H), 3.65 (m, 3H), 3.59 (m, 2H), 3.48 (m, 4H), 2.84 (m, 2H), 1.65 (m, 1H), 1.50 (m, 1H), 1.02 (t, J = 7.4 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 458。
【0195】
実施例8−P2:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.13 (m, 1H), 5.65 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.93 (m, 1H), 3.68 (m, 3H), 3.60 (m, 2H), 3.52 (m, 2H), 3.48 (m, 2H), 2.92 (m, 1H), 2.86 (m, 1H), 1.67 (m, 1H), 1.41 (m, 1H), 1.01 (m, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 458。
【0196】
実施例9
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル
【0197】
【化43】
【0198】
安息香酸[(1S)−1−メチル−2−オキソ−エチル](化合物9a)の製造
【0199】
【化44】
【0200】
プロピオンアルデヒド(5.0g,86ミリモル)、[ジフェニル−[(2S)−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−トリメチル−シラン(2.8g,8.6ミリモル)、及びヒドロキノン(948mg,8.6ミリモル)のTHF(200mL)中の混合物を0℃で撹拌した。次いで、この混合物へ過酸化ベンジル(22.9g,95ミリモル)を加えた。0℃〜室温で4時間撹拌した後で、この反応混合物を1N HCl水溶液(200mL)へ注いでEtOAcで抽出し、飽和NaHCO
3と塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて濃縮した。この残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1:10〜1:3を溶出液とする)によって精製して、安息香酸[(1S)−1−メチル−2−オキソ−エチル](化合物9a)(4.5g)を黄色がかったオイルとして得た。
【0201】
化合物9a:
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 9.64 (m, 1H), 8.03(m, 2H), 7.71 (m, 1H), 7.62 (m, 2H), 4.99 (m, 1H), 1.48 (m, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 179。
【0202】
2−[2−[(1S)−1−ベンゾイルオキシエチル]−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(化合物9b)の製造
【0203】
【化45】
【0204】
安息香酸[(1S)−1−メチル−2−オキソ−エチル](化合物9a)(3.0g,17ミリモル)、2−メルカプトコハク酸(2.53g,17ミリモル)、及びp−TsOH(320mg,1.7ミリモル)のトルエン(150mL)中の混合物を60℃で4時間撹拌した。反応が完了した後で、この反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3と塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて濃縮した。この残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1:10〜1:3を溶出液とする)によって精製して、2−[2−[(1S)−1−ベンゾイルオキシエチル]−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(化合物9b)(4.7g)を黄色がかったオイルとして得た。
【0205】
化合物9b:
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 12.76 (brs, 1H), 7.95 (m, 2H), 7.70 (m, 1H), 7.56 (t, J = 7.7, 2H), 5.78-5.86 (m, 1H), 5.24-5.40 (m, 1H), 4.28-4.54 (m, 1H), 2.57-3.02 (m, 2H), 1.33-1.42 (m, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 311。
【0206】
安息香酸[(1S)−1−[4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]エチル](化合物9c)の製造
【0207】
【化46】
【0208】
2−[2−[(1S)−1−ベンゾイルオキシエチル]−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(化合物9b)(1.7g,5.5ミリモル)のEt
2O/MeOH(v/v=4:1,50mL)溶液へTMSCHN
2(ヘキサン中2M,4.1mL,8.2ミリモル)を室温で加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌してから水(50mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて濃縮した。この残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1:10〜1:1を溶出液とする)によって精製して、安息香酸[(1S)−1−[4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]エチル](化合物9c)(1.5g)を黄色がかったオイルとして得た。
【0209】
化合物9c:
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 7.96 (m, 2H), 7.71 (m, 1H), 7.57 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 5.77-5.90 (m, 1H), 5.21-5.44 (m, 1H), 4.34-4.59 (m, 1H), 3.55-3.67 (m, 3H), 2.74-3.09 (m, 2H), 1.38 (q, J = 6.4 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 325。
【0210】
安息香酸[(1S)−1−[5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]エチル](化合物9d)の製造
【0211】
【化47】
【0212】
安息香酸[(1S)−1−[4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]エチル](化合物9c)(1.5g,4.6ミリモル)の無水THF(60mL)溶液へLiAlH(Ot−Bu)
3(THF中1M,6.9mL,6.9ミリモル)を−78℃で滴下した。この反応混合物を温めて、室温で2時間撹拌した。次いで、ピリジン(1.87mL,23ミリモル)、無水酢酸(2.2mL,23ミリモル)、及びDMAP(1.69g,14ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌してから、飽和NH
4Clでクエンチした。この溶液をDCM(50mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて濃縮した。この残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1:10〜1:3を溶出液とする)によって精製して、安息香酸[(1S)−1−[5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]エチル](化合物9d)(1.1g)を黄色がかったオイルとして得た。
【0213】
化合物9d:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 8.03 (m, 2H), 7.63 (m, 1H), 7.50 (m, 2H), 6.36-6.54 (m, 1H), 5.43-5.60 (m, 1H), 5.22-5.42 (m, 1H), 3.85-4.16 (m, 1H), 3.67-3.75 (m, 3H), 2.58-2.95 (m, 2H), 1.94-2.15 (m, 3H), 1.29-1.47 (m, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 369。
【0214】
安息香酸[(1S)−1−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]エチル](化合物9e)の製造
【0215】
【化48】
【0216】
5−アミノ−7−ヒドロキシチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2(3H)−オン(550mg,3.0ミリモル)の無水ACN(50mL)溶液へBSA(2.7mL,11ミリモル)を加えた。この混合物を、この溶液が澄明になるまで60℃で加熱した。溶媒を除去して、残渣を無水DCM(100mL)に再び溶かした。この溶液へ安息香酸[(1S)−1−[5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]エチル](化合物9d)(1.1g,3.0ミリモル)とTMSI(0.91mL,6.6ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌してから飽和NaHCO
3でクエンチした。この溶液をDCM(100mL)で3回抽出して、飽和NaHCO
3と塩水で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させて濃縮した。この残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/メタノール=20:1を溶出液とする)によって精製して、安息香酸[(1S)−1−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]エチル](化合物9e)(600mg)を黄色がかった固形物として得た。MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 493。 2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル(実施例9)の製造
【0217】
【化49】
【0218】
安息香酸[(1S)−1−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]エチル](化合物9e)(0.6g,1.2ミリモル)のMeOH(10mL)溶液へK
2CO
3(253mg,1.8ミリモル)を加えた。室温で一晩撹拌した後で、この反応混合物を1N HCl水溶液でpH7へクエンチしてから濃縮して粗生成物を得て、これを分取用HPLCによってさらに精製して、実施例9−P1(trans−1’,2’−ジアステレオマー1)(8mg)、実施例9−P2(trans−1’,2’−ジアステレオマー2)(5mg)、実施例9−P3(trans−1’,2’−ジアステレオマー3)(2mg)、及び実施例9−P4(trans−1’,2’−ジアステレオマー4)(2.5mg)を白色の粉末として得た。
【0219】
実施例9−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.14 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.62 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.80 (q, J = 7.3 Hz, 1H), 3.92 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 2.82 (m, 2H), 1.23 (d, J = 6.3 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 389。
【0220】
実施例9−P2:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.14 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.60 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.83 (q, J = 7.3 Hz, 1H), 3.89 (quin, J = 6.3 Hz, 1H), 3.61 (s, 3H), 2.81 (m, 2H), 1.21 (d, J = 6.5 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 389。
【0221】
実施例9−P3:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.94 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.11 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.98 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 2.76 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 1.23 (d, J = 6.3 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 389。
【0222】
実施例9−P4:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.95 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 4.75 (m, 1H), 4.02 (dd, J = 6.4, 4.1 Hz, 1H), 3.60 (s, 3H), 2.75 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 1.21 (d, J = 6.5 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 389。
【0223】
実施例10
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸
【0224】
【化50】
【0225】
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(実施例10)の製造
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル(実施例9,280mg,0.72ミリモル)のTHF(10mL)中の粗製混合物へLiOH水溶液(1M,5mL,5.0ミリモル)を加えた。室温で2時間撹拌した後で、この反応混合物をHCl水溶液でpH6〜7へクエンチしてから、濃縮した。この残渣を分取用HPLCによって精製して、実施例10−P1(trans−1’,2’−ジアステレオマー1)(23mg)、実施例10−P2(trans−1’,2’−ジアステレオマー2)(20mg)、実施例10−P3(trans−1’,2’−ジアステレオマー3)(9mg)、及び実施例10−P4(trans−1’,2’−ジアステレオマー4)(9mg)を白色の粉末として得た。
【0226】
【化51】
【0227】
実施例10−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.12 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.57 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.88 (quin, J = 6.3 Hz, 1H), 2.73 (m, 1H), 2.61 (m, 1H), 1.20 (d, J = 6.3 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 375。
【0228】
実施例10−P2:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.13 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.60 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.80 (m, 1H), 3.91 (m, 1H), 2.74 (m, 1H), 2.65 (m, 1H), 1.24 (d, J = 6.5 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 375。
【0229】
実施例10−P3:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.94 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.10 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.97 (quin, J = 6.3 Hz, 1H), 2.68 (m, 2H), 1.23 (d, J = 6.3 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 375。
【0230】
実施例10−P4:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.95 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 4.74 (m, 1H), 4.02 (m, 1H), 2.67 (m, 2H), 1.21 (d, J = 6.3 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 375。
【0231】
実施例11
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシペンチル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸
【0232】
【化52】
【0233】
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシペンチル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(実施例11)の製造
表題化合物は、プロピオンアルデヒドの代わりにヘキサンアルデヒドを使用することによって、実施例10に類似して製造した。実施例11を分取用HPLCによってさらに精製して、実施例11−P1(trans−1’,2’−ジアステレオマー1)(13mg)、実施例11−P2(trans−1’,2’−ジアステレオマー2)(21mg)、実施例11−P3(trans−1’,2’−ジアステレオマー3)(10mg)、及び実施例11−P4(trans−1’,2’−ジアステレオマー4)(18mg)を白色の粉末として得た。
【0234】
【化53】
【0235】
実施例11−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.10 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.61 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 4.84 (m, 1H), 3.66 (m, 1H), 2.65 (dd, J = 15.1, 5.8 Hz, 1H), 2.48 (dd, J = 15.3, 9.3 Hz, 1H), 1.50 (m, 3H), 1.39 (m, 3H), 0.94 (t, J = 7.2 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 417。
【0236】
実施例11−P2:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.10 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.64 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.80 (dt, J = 8.8, 6.5 Hz, 1H), 3.73 (m, 1H), 2.64 (dd, J = 14.9, 5.6 Hz, 1H), 2.47 (dd, J = 14.8, 9.0 Hz, 1H), 1.65 (m, 1H), 1.51 (m, 1H), 1.38 (m, 4H), 0.94 (t, J = 7.2 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 417。
【0237】
実施例11−P3:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.90 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.09 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.72 (m, 1H), 2.58 (m, 1H), 2.45 (dd, J = 15.6, 9.3 Hz, 1H), 1.59 (m, 1H) ,1.51 (m, 1H), 1.38 (m, 4H), 0.94 (t, J = 7.2 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 417。
【0238】
実施例11−P4:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.91 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 4.75 (td, J = 9.0, 5.1 Hz, 1H), 3.85 (m, 1H), 2.55 (m, 1H), 2.41 (dd, J = 15.1, 9.0 Hz, 1H), 1.46 (m, 6 H), 0.94 (t, J = 7.2 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 417。
【0239】
実施例12
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシブタ−3−エニル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸
【0240】
【化54】
【0241】
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(1S)−1−ヒドロキシブタ−3−エニル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(12)の製造
表題化合物は、プロピオンアルデヒドの代わりに4−メチルヘキサ−5−エナールを使用することによって、実施例10に類似して製造した。実施例12を分取用HPLCによってさらに精製して、実施例12−P1(trans−1’,2’−ジアステレオマー1)(23mg)、実施例12−P2(trans−1’,2’−ジアステレオマー2)(22mg)、実施例12−P3(trans−1’,2’−ジアステレオマー3)(16mg)、及び実施例12−P4(trans−1’,2’−ジアステレオマー4)(28mg)を白色の粉末として得た。
【0242】
【化55】
【0243】
実施例12−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.13 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.91 (ddt, J = 17.0, 10.1, 7.0 Hz, 1H), 5.65 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.10 (m, 2H), 4.83 (m, 1H), 3.74 (m, 1H), 2.73 (m, 1H), 2.63 (m, 1H), 2.31 (m, 2H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 401。
【0244】
実施例12−P2:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.11 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.90 (ddt, J = 17.2, 10.1, 6.9 Hz, 1H), 5.65 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.10 (m, 2H), 4.80 (m, 1H), 3.78 (m, 1H), 2.64 (dd, J = 14.7, 5.6 Hz, 1H), 2.44 (m, 2H), 2.22 (m, 1H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 401。
【0245】
実施例12−P3:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.93 (m, 2H), 5.10 (m, 3H), 4.83 (m, 1H), 3.81 (m, 1H), 2.56 (m, 1H), 2.42 (m, 2H), 2.30 (m, 1H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 401。
【0246】
実施例12−P4:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.89 (m, 2H), 5.17 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 5.04-5.16 (m, 2H), 4.75 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 2.56 (m, 2H), 2.31 (m, 2H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 401。
【0247】
実施例13
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(S)−シクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル
【0248】
【化56】
【0249】
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(S)−シクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸メチル(実施例13)の製造
表題化合物は、プロピオンアルデヒドの代わりに2−シクロプロピルアセトアルデヒドを使用することによって、実施例9に類似して製造した。実施例13を分取用HPLCによってさらに精製して、実施例13−P1(trans−1’,2’−ジアステレオマー1)(11mg)、実施例13−P2(trans−1’,2’−ジアステレオマー2)(8mg)、実施例13−P3(trans−1’,2’−ジアステレオマー3)(7mg)、及び実施例13−P4(trans−1’,2’−ジアステレオマー4)(6mg)を白色の粉末として得た。
【0250】
【化57】
【0251】
実施例13−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.17 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.76 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.80 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.27 (dd, J = 7.5, 4.8 Hz, 1H), 2.83 (dd, J = 7.3, 1.0 Hz, 2H), 0.90 (m, 1H), 0.52 (m, 2H), 0.39 (m, 2H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 415。
【0252】
実施例13−P2:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.15 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.77 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.02 (dd, J = 8.5, 6.3 Hz, 1H), 2.81 (m, 2H), 0.98 (m, 1H), 0.56 (m, 2H), 0.42 (m, 2H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 415。
【0253】
実施例13−P3:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.95 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.26 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.15 (dd, J = 8.0, 5.5 Hz, 1H), 2.78 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 0.96 (m, 1H), 0.54 (m, 2H), 0.46 (m, 1H), 0.39 (m, 1H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 415。
【0254】
実施例13−P4:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.96 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.33 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.74 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.27 (dd, J = 8.0, 3.8 Hz, 1H), 2.76 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 0.92 (m, 1H), 0.52 (m, 2H), 0.42 (m, 1H), 0.35 (m, 1H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 415。
【0255】
実施例14
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(S)−シクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸
【0256】
【化58】
【0257】
2−[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−[(S)−シクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]−1,3−オキサチオラン−4−イル]酢酸(実施例14)の製造
表題化合物は、プロピオンアルデヒドの代わりに2−シクロプロピルアセトアルデヒドを使用することによって、実施例10に類似して製造した。実施例14を分取用HPLCによってさらに精製して、実施例14−P1(trans−1’,2’−ジアステレオマー1)(49mg)、実施例14−P2(trans−1’,2’−ジアステレオマー2)(38mg)、実施例14−P3(trans−1’,2’−ジアステレオマー3)(12mg)、及び実施例14−P4(trans−1’,2’−ジアステレオマー4)(15mg)を白色の粉末として得た。
【0258】
【化59】
【0259】
実施例14−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.16 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.75 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.02 (dd, J = 8.5, 6.3 Hz, 1H), 2.75 (m, 2H), 0.99 (m, 1H), 0.56 (m, 2H), 0.41 (m, 2H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 401。
【0260】
実施例14−P2:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.18 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.75 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.80 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 3.27 (dd, J = 7.5, 4.8 Hz, 1H), 2.77 (m, 2H), 0.90 (m, 1H), 0.52 (m, 2H), 0.39(m, 2H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 401。
【0261】
実施例14−P3:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.95 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.26 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.82 (m, 1H), 3.15 (dd, J = 8.0, 5.8 Hz, 1H), 2.71 (m, 2H), 0.96 (m, 1H), 0.53 (m, 2H), 0.46 (m, 1H), 0.40 (m, 1H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 401。
【0262】
実施例14−P4:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 5.97 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.33 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.73 (m, 1H), 3.27 (dd, J = 8.0, 3.8 Hz, 1H), 2.71 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 0.93 (m, 1H), 0.53 (m, 2H), 0.43 (m, 1H), 0.35 (m, 1H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 401。
【0263】
実施例15
安息香酸[(1S)−1−[(2S,4S,5R)−5−(5−アミノ−2−オキソ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル]
【0264】
【化60】
【0265】
安息香酸[(1S)−1−[(2S,4S,5R)−5−(5−アミノ−2−オキソ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](実施例15)の製造
表題化合物(400mg)は、安息香酸[(1S)−1−[(4S)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4b)と5−アミノ−3,7a−ジヒドロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオンの代わりに安息香酸[(1S)−1−[(2S,4S)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4b1)と5−アミノ−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンを使用することによって、安息香酸[(1S)−1−[(4S,5R)−5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]プロピル](化合物4d)に類似して、白色の粉末として製造した。
【0266】
実施例15:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 8.22 (s, 1H), 8.08 (m, 2H), 7.63 (m, 1H), 7.50 (m, 2H), 6.07 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.55 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.33 (dt, J = 8.8, 4.4 Hz, 1H), 4.95 (q, J = 7.3 Hz, 1H), 3.55 (s, 3H), 2.79 (m, 2H), 1.93 (m, 2H), 1.00 (t, J = 7.4 Hz, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 491。
【0267】
実施例16
2−[5−(5−アミノ−7−ヒドロキシ−2−オキソ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]−2−メチル−プロパン酸
【0268】
【化61】
【0269】
2,2−ジメチルブタン二酸ジメチル(化合物16a)の製造
【0270】
【化62】
【0271】
2,2−ジメチルコハク酸(15.0g,0.10モル)のMeOH(200mL)溶液へ塩化アセチル(7.1mL,0.10モル)を0℃で加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下に除去して、粗製の2,2−ジメチルブタン二酸ジメチル(化合物16a)(18.0g)を無色のオイルとして得た。
【0272】
化合物16a:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm: 3.72 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 2.62 (s, 2H), 1.29 (s, 6H)。
3−ブロモ−2,2−ジメチル−ブタン二酸ジメチル(化合物16b)の製造
【0273】
【化63】
【0274】
ジイソプロピルアミン(8.3mL,59ミリモル)のTHF(200mL)溶液へn−BuLi(ヘキサン中1.6M,37mL,59ミリモル)をアルゴン下に−78℃で加えた。−78℃で30分間撹拌した後で、THF(50mL)中の2,2−ジメチルブタン二酸ジメチル(化合物16a)(8.0g,45ミリモル)を滴下した。さらに30分間撹拌した後で、TMSCl(10.4mL,82ミリモル)を滴下した。この反応混合物を−78℃で30分間撹拌し続けてから、NBS(9.7g,54ミリモル)を加えた。この反応混合物を−78℃でさらに2時間撹拌し続けてから、飽和NH
4Clでクエンチした。この反応混合物をEtOAc(100mL)で3回抽出した。合わせた有機層を飽和NH
4Cl、H
2O、及び塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して粗製の3−ブロモ−2,2−ジメチル−ブタン二酸ジメチル(化合物16b)(11.0g)を黄色がかったオイルとして得た。
【0275】
化合物16b:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm: 4.74 (s, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 1.44 (s, 3H), 1.42 (s, 3H)。
3−アセチルスルファニル−2,2−ジメチル−ブタン二酸ジメチル(化合物16c)の製造
【0276】
【化64】
【0277】
3−ブロモ−2,2−ジメチル−ブタン二酸ジメチル(化合物16b)(11.0g,62ミリモル)のDMF(100mL)溶液へチオ酢酸カリウム(8.54g,75ミリモル)を加えた。この反応混合物を60℃で16時間撹拌した。室温へ冷やした後で、この反応物を飽和NH
4Clでクエンチしてから、EtOAc(300mL)で希釈した。有機層を飽和NH
4Cl、H
2O、及び塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して、粗製の3−アセチルスルファニル−2,2−ジメチル−ブタン二酸ジメチル(化合物16c)(11.0g)を茶褐色のオイルとして得た。
【0278】
化合物16c:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm: 4.66 (s, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.70 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 1.31 (s, 3H), 1.27 (s, 3H)。
2,2−ジメチル−3−スルファニル−ブタン二酸(化合物16d)の製造
【0279】
【化65】
【0280】
3−アセチルスルファニル−2,2−ジメチル−ブタン二酸ジメチル(化合物16c)(5.0g,20ミリモル)を6N HCl/ジオキサン(v/v=1:1,40mL)に溶かした。この反応混合物を90℃で16時間加熱してから、溶媒を減圧下に除去して、粗製の2,2−ジメチル−3−スルファニル−ブタン二酸(化合物16d)(4.5g)を茶褐色のオイルとして得た。
【0281】
化合物16d:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm: 3.76 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 1.43 (s, 3H), 1.41 (s, 3H)。
2−[2−(ベンゾイルオキシメチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル]−2−メチル−プロパン酸(16e)の製造
【0282】
【化66】
【0283】
ベンゾイルオキシアセトアルデヒド(3.4g,20ミリモル)と2,2−ジメチル−3−スルファニル−ブタン二酸(化合物16d)(3.6g,20ミリモル)の混合物をトルエン(50mL)中において触媒量のp−TsOH(300mg,1.7ミリモル)の下に60℃で4時間撹拌した。反応が完了した後で、この混合物を室温へ冷やしてEtOAc(100mL)で希釈し、飽和NaHCO
3と塩水で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−[2−(ベンゾイルオキシメチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル]−2−メチル−プロパン酸(化合物16e)(4.0g)を無色のオイルとして得た。
【0284】
化合物16e:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm: 8.08 (m, 2H), 7.62 (m, 1H), 7.49 (m, 2H), 5.72 (m, 1H), 4.58 (m, 3H), 1.39-1.49 (m, 6H)。
安息香酸[4−(2−メトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物16f)の製造
【0285】
【化67】
【0286】
2−[2−(ベンゾイルオキシメチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−4−イル]−2−メチル−プロパン酸(化合物16e)(1.8g,5.5ミリモル)のDMF(30mL)溶液へCDI(1.8g,11ミリモル)と触媒量のDMAP(180mg,1.5ミリモル)を加えた。この混合物を55℃で1.5時間撹拌してから、MeOH(0.88mL,22ミリモル)を加えた。この混合物を55℃で3時間撹拌した。反応が完了した後で、この反応物を飽和NH
4Clでクエンチして、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を飽和NH
4Cl、H
2O、及び塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーによって精製して、安息香酸[4−(2−メトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物16f)(1.0g)を無色のオイルとして得た。
【0287】
化合物16f:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm: 8.07 (m, 2H), 7.61 (m, 1H), 7.49 (m, 2H), 5.71 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 4.51-4.61 (m, 3H), 3.77 (m, 3H), 1.36-1.45 ppm (m, 6H)。
【0288】
安息香酸[5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物16g)の製造
【0289】
【化68】
【0290】
安息香酸[4−(2−メトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物16f)(600mg,1.8ミリモル)の無水THF(10mL)溶液へLiAlH(Ot−Bu)
3(THF中1M,2.7mL,2.7ミリモル)を−78℃で滴下した。室温で2時間撹拌した後で、ピリジン(0.7mL,8.7ミリモル)、無水酢酸(0.85mL,8.7ミリモル)、及びDMAP(0.66g,5.1ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で5時間撹拌してから、飽和NH
4Clでクエンチした。この溶液をDCM(30mL)で3回抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して粗生成物を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、安息香酸[5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物16g)(630mg)を黄色がかったオイルとして得た。MS obsd. (ESI
+) [(M+ H)
+]: 383。
【0291】
安息香酸[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物16h)の製造
【0292】
【化69】
【0293】
5−アミノ−7−ヒドロキシ−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(470mg,2.6ミリモル)のACN(20mL)懸濁液へBSA(1.82g,2.2mL,8.9ミリモル)を加えた。この混合物をアルゴン下に70℃で0.5時間撹拌すると、澄明な溶液を生成した。次いで、この溶液を減圧下に濃縮すると白色の固形物を生成して、この固形物をDCM(20mL)に溶かした。このDCM溶液へ安息香酸[5−アセトキシ−4−(2−メトキシ−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物16g)(650mg,1.7ミリモル)とTMSI(680mg,472μL,3.4ミリモル)を加えてから、この反応混合物を室温で14時間撹拌した。反応が完了した後で、この混合物を濃縮して、その残渣をEtOAc(50mL)と飽和NaHCO
3溶液(15mL)の間に分配した。有機層を分離して、水相をEtOAc(25mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄して、NaSO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して、粗製の安息香酸[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物16h)(860mg)を茶褐色の固形物として得た。MS obsd. (ESI
+) [(M+ H)
+]: 507。
【0294】
2−[5−(5−アミノ−7−ヒドロキシ−2−オキソ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]−2−メチル−プロパン酸(実施例16)の製造
【0295】
【化70】
【0296】
安息香酸[5−(5−アミノ−2,7−ジオキソ−6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチル(化合物16h)(400mg,790μモル)のTHF(10mL)溶液へ水(10mL)中のLiOH(227mg,9.5ミリモル)を加えた。次いで、この混合物を室温で一晩撹拌した。反応が完了した後で、この混合物をHOAcでpH7へ調整した。この混合物を濃縮して分取用HPLCによって精製して、2−[(cis−2,4−trans−4,5)−5−(5−アミノ−7−ヒドロキシ−2−オキソ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]−2−メチル−プロパン酸(実施例16−P1、ジアステレオマー1)(12mg)と2−[(trans−2,4−trans−4,5)−5−(5−アミノ−7−ヒドロキシ−2−オキソ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−4−イル]−2−メチル−プロパン酸(実施例16−P2、ジアステレオマー2)(8mg)を白色の粉末として得た。実施例16−P1と実施例16−P2の相対配置は、NOESYによって決定した。
【0297】
実施例16−P1:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.28 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.22 (m, 1H), 5.00 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 3.83 (m, 1H), 3.74 (m, 1H), 1.31 (m, 6H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 389。
【0298】
実施例16−P2:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm: 6.42 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.76 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 4.96 (m, 1H), 3.77 (m, 1H), 3.70 (m, 1H), 1.31 (s, 3H), 1.29 (s, 3H). MS obsd. (ESI
+) [(M+H)
+]: 389。
【0299】
【化71】
【0300】
実施例16−P1では、C4’−HとC1’−HのNOESY相関を観測し、C4’−HとC6’−HとC6’’−Hの相関を観測した。実施例16−P2では、C4’−HとC2’−Hの相関を観測し、C5’−HとC1’−Hの相関を観測した。
【0301】
実施例17
HEK293−Blue−hTLR−7細胞アッセイ:
Invivogen(カタログ番号:hkb−htlr7,カリフォルニア州サンディエゴ、アメリカ)より、安定したHEK293−Blue−hTLR−7細胞系を購入した。これらの細胞は、NF−κBの活性化をモニターすることによってヒトTLR7の刺激について検討するために設計された。5つのNF−κB及びAP−1結合部位へ融合したIFN−β最小プロモーターの制御下にSEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子を置いた。HEK−Blue hTLR7細胞をTLR7リガンドで刺激することを介してNF−κBとAP−1を活性化することによって、SEAPを誘導した。故に、そのレポーターの発現は、ヒトTLR7の刺激時のNF−κBプロモーターによって調節された。アルカリホスファターゼの存在下で紫色〜青色になる検出媒体である、QUANTI−Blue
TMキット(カタログ番号:rep−qb1,Invivogen,カリフォルニア州サンディエゴ、アメリカ)を640nmの波長で使用して、細胞培養上清のSEAPレポーター活性を定量した。
【0302】
HEK293−Blue−hTLR7細胞を、96ウェルプレートにおいて、4.5g/l グルコース、50U/ml ペニシリン、50mg/ml ストレプトマイシン、100mg/ml ノルモシン(Normocin)、2mM L−グルタミン、10%(v/v)熱不活性化胎仔ウシ血清を含有するダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)中180μLの容量において250,000〜450,000個の細胞/mLの密度で24時間インキュベートした。次いで、このHEK293−Blue−hTLR−7細胞を、最終DMSOが1%で存在する系列希釈液中20μLの試験化合物を加えてインキュベートし、CO
2インキュベーターにおいて37℃で20時間のインキュベーションを実施した。次いで、各ウェルからの上清の20μLを180μLのQuanti−blue基質溶液とともに37℃で1〜3時間インキュベートして、分光光度計を使用して620〜655nmで吸光度を読み取った。TLR7活性化が下流のNF−κB活性化をもたらすシグナル伝達経路については広く受け入れられているので、TLR7アゴニストについて評価するために類似のレポーターアッセイも広く使用されてきた(Tsuneyasu Kaisho and Takashi Tanaka, Trends in Immunology, Volume 29, Issue 7, July 2008, Pages 329.sci; Hiroaki Hemmi et al, Nature Immunology 3, 196-200 (2002))。
【0303】
本明細書に記載のように、本発明の化合物について、そのTLR7アゴニズム活性を上記のアッセイにおいて試験して、結果を表1に収載する。本実施例は、約3μM〜約470μMのEC
50を有することがわかった。特別な式(I)又は(Ia)の化合物は、約3μM〜約42μMのEC
50を有することがわかった。
【0304】
表1:HEK293−hTLR−7アッセイにおける化合物の活性
【0305】
【表1】
【0306】
実施例18
プロドラッグ:式(II)の化合物の代謝
ある試験を行って、プロドラッグである式(II)又は(IIa)の化合物の、本発明の式(I)又は(Ia)の化合物への代謝変換について評価した。プロドラッグである式(II)又は(IIa)の化合物は、それらがプロドラッグとして供される場合、身体中で本発明の式(I)又は(Ia)の活性化合物や他の化合物へ代謝され得る。動物又はヒトの身体中でのプロドラッグの代謝変換の度合いについて評価するには、肝細胞がしばしば使用される。
【0307】
ある試験を行って、ヒト肝細胞の存在下での、プロドラッグの実施例15の対応する活性型、実施例5−P1への代謝変換について評価した。この試験では、活性型、実施例5−P1の生成をモニターした。比較用に、ファンシクロビルからペンシクロビルへの代謝変換についても評価した。
【0308】
肝細胞懸濁液
RILD Research Institute for Liver Diseases(上海)社より、凍結保存された肝細胞播種培地(カタログ番号:PY−HMD−03)を購入した。BioreclamationIVT(メリーランド州ボルチモア)より、凍結保存されたヒト肝細胞(カタログ番号:X008005,ロット番号:VRR)を購入した。
【0309】
播種培地中の凍結保存肝細胞より、ストック肝細胞懸濁液を1.8x10
6個の細胞/mLの濃度で調製した。
化合物の希釈標準溶液(working solutions)
化合物をDMSOに溶かして、10mMのストック溶液を作製した。このストック溶液の10μLを990μLの播種培地へ希釈して、100μMの希釈標準溶液を得た。
【0310】
インキュベーション
24ウェル細胞培養プレートにおいて、200μLの肝細胞懸濁液(ヒト)と200μLの希釈標準溶液を混合することによって、反応懸濁液を調製した。この最終インキュベーション液は、0.9x10
6個の細胞/mLと50μMの化合物を含有した。上記の混合物を加湿した5% CO
2の雰囲気において、900rpmで振り混ぜながら、37℃でインキュベートした。
【0311】
分析用試料の調製
180分のインキュベーションの後で、このインキュベーション混合物の200μLを1.5mL試験管へ移して、400μLの停止溶液(内部標準として0.2μMのトルブタミドを含む、氷冷アセトニトリル)でクエンチした。この試料を14000rpmで10分間遠心分離させて、生じる上清をLC−MS/MS分析へ処した。
【0312】
検量線は、以下のやり方で作成した。200μLの細胞懸濁液(180万個の細胞/mLの細胞密度)へ198μLの肝細胞播種培地と2μLの適切な濃度の化合物のDMSO溶液を加えた。試料を徹底的に混合して、この混合物の200μLを400μLの停止溶液(上記参照)へ移した。この標準曲線の範囲は、1μM〜25μMである。
【0313】
生物分析
化合物は、API5500 LC−MC/MC機器においてESI−ポジティブMRMモードで定量した。プロドラッグ変換と代謝物産生の結果を表2に要約する。
【0314】
表2:50μMのプロドラッグの3時間のインキュベーション後にヒト肝細胞において生成した代謝産物の濃度
【0315】
【表2】
【0316】
ヒト肝細胞において、実施例15の化合物、並びにファンシクロビルは、代謝されて、対応する活性代謝産物、実施例5−P1とペンシクロビルをそれぞれ生じた。