【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様では、本発明は、注射デバイスに取り付け可能な拡大デバイスに関する。拡大デバイスは、遠位端を有し近位端を有するフレームを含む。遠位端および近位端はフレームの両側の端部にある。したがって、近位端はフレームの遠位端の反対側にある。フレームはさらに、遠位端から近位端に向かって延びるレセプタクルすなわちカップ形の凹部を有する。通常、レセプタクルは細長い形状であり、長手方向すなわち軸方向に、遠位端から近位端に向かって延びる。さらにレセプタクルには、注射デバイスの近位端部を受けるために遠位端からアクセスすることができ、この近位端部は通常、ディスプレイ配置を備える。
【0012】
拡大デバイスはさらに、フレームの近位端に固定され、フレームの近位端の少なくとも一部分にわたって延びる拡大レンズを含む。拡大レンズは、フレームの近位端の一部を形成し、フレームに組み込まれる。拡大レンズはまた、下にある注射デバイスのディスプレイ配置を覆うように、フレームの近位端に固定して取り付けられる。通常、拡大レンズは、近位方向にレセプタクルの範囲を定め、またはレセプタクルを限定する。レセプタクルは通常、近位方向において閉じている。すなわち拡大レンズは、レセプタクルまたはそれぞれのフレームの底部すなわち端部キャップを形成する。
【0013】
注射デバイスの近位端部をレセプタクルに挿入することによって、近位端面に置かれたそのディスプレイ配置は、拡大レンズによって拡大される。加えて、フレームは、注射デバイスの近位端部の外周に取り付け可能であり、この近位端部は、液体薬剤の用量の設定および/または投薬のために、使用者によって回転可能および/または軸方向で変位可能になっている。フレームを注射デバイスの近位端部に配置および取り付けることによって、フレームは、したがって拡大デバイスもまた、デバイスの使用者のための把持補助具および操作補助具になり、またこれらを提供する。
【0014】
注射デバイスの近位端を、拡大デバイスのフレームによって形成されたレセプタクルの内側に配置することによって、注射デバイスの近位端は、拡大デバイスによって操作可能および駆動可能になる。フレームの全体的幾何形状および寸法に応じて、特にフレームの径方向伸張または厚さに応じて、注射デバイスの近位端の総直径は、フレームを取り付けることによって拡大される。
【0015】
したがって、拡大デバイスは二重機能を果たす。第1の態様では、拡大デバイスは、注射デバイスの近位端面に設けられたディスプレイの視覚拡大を提供する。別の態様では、拡大デバイスは、注射デバイスの近位端の駆動部材をダイヤル設定または駆動するための把持補助具または全体の操作補助具としての役割を果たし、この駆動部材は通常、用量セレクタおよび/または用量ボタンもしくは投薬ボタンとして実施される。
【0016】
別の実施形態によれば、拡大レンズは、フレームの近位端面に配置される。通常、フレームの近位端は貫通口を含み、これは拡大レンズによって完全に覆われる。拡大レンズは、フレームの近位端面に組み込まれる。拡大レンズは、フレームの近位貫通口の縁と同一平面上にある。加えて、または別法として、拡大レンズは、フレームの近位端面から軸方向に突き出る。所望の拡大率に応じて、拡大レンズの曲率が変わる。通常、拡大レンズは、フレームの近位端面の径方向中心に配置される。拡大レンズは、フレームの近位端面の中心に置かれる。この構成では、拡大デバイスは特に、注射デバイスの近位端の円対称の用量セレクタに取り付けられるように適用される。
【0017】
拡大デバイスは、円形の幾何形状を有する注射デバイスまたはその構成要素に取り付けることに決して限定されない。拡大デバイスおよびそのレセプタクルは、多種多様な異なる形状の注射デバイスに適合するように広く適用され構成される。たとえば、拡大デバイスのフレームおよびレセプタクルはまた、三角形、方形、長方形または楕円形を特徴とする注射デバイスの近位端を受けるのにも適している。
【0018】
拡大デバイスは通常、注射デバイスに解放可能に取り付け可能である。拡大デバイスは、注射デバイスの近位端にポジティブ連結または摩擦連結するための単独のデバイスとして提供される。このようにして、拡大デバイスは、既存の注射デバイスの追加導入に、結合された視覚拡大手段と操作または把持の補助具とを提供する。
【0019】
別の実施形態では、フレームは、注射デバイスの近位端にある用量セレクタを囲むための側壁構造を含む。この側壁構造は、フレームの近位端から遠位方向に延びる。したがって、側壁構造の遠位端は、拡大デバイスのレセプタクルのアクセス開口部を形成する。側壁構造の近位端は、フレームの近位端に連結される。側壁構造の近位端は通常、拡大レンズが配置されるフレームの近位端に連結される。拡大レンズの光軸は通常、長手方向に延びる。
【0020】
注射デバイスに取り付けられると拡大レンズの光軸は、注射デバイスの長手方向に実質的に平行に延びるか、またはそれと一致する。側壁構造はまた、拡大レンズの光軸に平行に延び、また、注射デバイスに取り付けられると、注射デバイスの長手方向軸に実質的に平行に延びる。あるいは、側壁構造は、注射デバイスの長手方向軸に対して所定の角度で延びることが考えられる。具体的には、側壁構造は円錐形であり、あるいは側壁構造の厚さには、フレームの近位端に向かって、または遠位端に向かってテーパが付いている。
【0021】
別の実施形態では、側壁構造には、フレームの遠位端に向かってテーパが付いている。したがって、側壁構造は、またフレームも、フレームの近位端に向かって径方向外向きに広がる。これには、フレームまたはその側壁構造の外面の外周および/または全体サイズを、その近位端に向かって一定に増大させるという利点がある。したがって、近位端に向かって、拡大デバイスは、用量セレクタの把持および全体的操作を容易かつ簡単にするように、実質的に拡大された外周および直径を特徴として備える。加えて、近位端に向けての外形または直径の径方向広がりにより、拡大レンズの直径もまた増大して、注射デバイスのディスプレイ上に提供される拡大された情報の品質および視認性が向上する。
【0022】
別の実施形態では、側壁構造は、少なくとも1つの径方向内向きに延びるラッチまたはスナップ機能を遠位端に、用量セレクタの遠位端の径方向内向きに延びる張出部と軸方向に係合するために含む。通常、側壁構造の径方向内向きに延びる張出部は、用量セレクタの対応する形状の張出部に、軸方向および径方向で係合する。通常、径方向内向きに延びる張出部において、用量セレクタは遠位方向の終点となる。用量セレクタの張出部は、凹部または段付降下部分を注射デバイスの外周に適正に形成する。径方向内向きに延びる張出部によって、フレームは、したがってその側壁構造は、用量セレクタへのフレームの軸方向係合および軸方向固定を少なくとも提供するために、用量セレクタに留め付けられる。側壁構造の少なくとも径方向内向きに延びる張出部は、用量セレクタの遠位張出部または遠位縁部を越えてカチッと留まるように、特定の可撓性を示す。
【0023】
別の実施形態によれば、フレームはまた、径方向内向きに延びるリム部分をその近位端に含む。リム部分は、用量セレクタの近位端面と軸方向に当接する、遠位に向いた当接面を含む。したがって、当接面と直角の面は、遠位方向に向けられる。リム部分と側壁構造の遠位端の少なくとも1つの径方向内向きに延びる張出部との間の、軸方向すなわち長手方向の距離は通常、用量セレクタの軸方向伸張と一致し通じ合う。このようにして、用量セレクタにフレームをたるみなく取り付けることが提供される。通常は、側壁構造の遠位端の少なくとも1つの張出部は、フレームのリム部分が用量セレクタの近位端面と軸方向に当接すると、用量セレクタの遠位端において、対応する形状の張出部または縁部と径方向および軸方向に係合する。
【0024】
通常は、側壁構造の張出部および遠位端は、用量セレクタの対応する形状の張出部または縁部と可聴係合するラッチまたはスナップ機能を提供する。このようにして、フレームの径方向内向きに延びる張出部が用量セレクタの対応する形状の張出部または縁部と係合すると、可聴および/または触覚フィードバックが使用者に与えられ、それによって、拡大デバイスが用量セレクタに、したがって注射デバイスの近位端に、確実に固定されたことが使用者に示される。
【0025】
別の実施形態によれば、リム部分もまた、拡大レンズと軸方向に当接している、近位に向けられ径方向内向きに延びる当接面を含む。したがって、拡大レンズの遠位向きの支持部が、リム部分の近位向きの当接面と軸方向に当接している。このようにして、拡大レンズはフレームに径方向に固定されるだけでなく、フレームによって軸方向にも支持される。言い換えると、拡大レンズとフレームが軸方向に相互当接することにより、拡大レンズはまた、遠位に向けられた推力または圧力をフレームに向けて、したがって用量セレクタの近位端面と軸方向に当接しているフレームのリム部分に向けて、伝達するようにも動作可能である。
【0026】
さらに、フレームのリム部分は、拡大レンズと用量セレクタの近位端面との間で軸方向に挟まれる。このようにして、拡大レンズは、それぞれの圧力または推力を用量セレクタまで直に変化なく伝達するように、遠位方向に押し下げ可能である。したがって、用量セレクタは投薬または起動ボタンとして機能し、このボタンを押し下げることによって、注射デバイスの投薬または注射処置が少なくとも起動または制御される。
【0027】
別の実施形態では、側壁構造は円筒形または円錐形の側壁を含む。ここでは、側壁構造は、どちらかといえば閉じた幾何形状を含む。遠位端面および円筒形または円錐形の側壁を有するフレームは、カップ形の、どちらかといえば閉じたレセプタクルになり、遠位方向にだけ開いており、側壁構造によって径方向および外周方向には閉じられ限定されている。近位方向に、したがってその近位端においてフレームは、拡大レンズによって、場合により径方向内向きに延びるリム部分と組み合わせて、閉じられ覆われる。
【0028】
フレームは一体化して形成され、ただ1つの部片から成る。フレームは、射出成形部材として構成される。フレームは、射出成形塑性材料を含む。フレームは、熱可塑性材料ならびに熱可塑性エラストマー材料と、これらの混合物および組合せとを含む。拡大レンズは、それぞれの射出成形可能材料によって、オーバモールドまたはインサート成形されることが特に考えられる。このようにして、フレームと拡大レンズの単独の組立ての工程が不必要になる。したがって、インサート成形またはオーバモールドによって拡大デバイスを製造することは、かなり費用対効果が高く、このような拡大デバイスの大量生産に適している。
【0029】
別の実施形態によれば、側壁構造は、遠位方向に延びる、またフレームの近位端の外周に沿って分離している、少なくとも2つの曲げられる脚を含む。曲げられる脚は、一定の外周間隔で配置および分離される。脚は、フレームの近位端の外周に沿って等間隔に配置される。2つの曲げられる脚がある場合、脚は通常、フレームの近位端の外周に幾何学的に向かい合って設けられる。脚は通常、フレームの遠位端に向かって長手方向に延びる。この実施形態では、曲げられる脚の自由端は、フレームの遠位端を形成する。また、脚は径方向内向きに延びる張出部を、対応する形状の張出部と用量セレクタの遠位端において係合するために含む。
【0030】
複数の曲げられる脚、たとえば3本、4本、5本、6本、8本さらにはもっと多い脚をフレームの近位端の外周のまわりに設けることが特に意図される。4本の脚がある場合、脚は通常、フレームの円形の外周に従って90°で隔てられる。6本の脚がある場合、隣り合う脚の間の外周オフセットは約60°に等しく、以下同様である。脚の全体的な幾何学的構造および形状に応じて、脚は通常、曲げられる脚、特にその自由端を径方向内向きに通常は付勢または事前緊張する固有の回復力に抗して、径方向外向きにその自由端と共に曲げられる。
【0031】
少なくも2本、さらにはもっと多い曲げられる脚によって、注射デバイスの近位端にフレームをかなり単純かつ簡単に取り付けることが提供される。閉じた円筒形または円錐形の側壁と比較して、少なくとも2本の曲げられる脚がある側壁構造は、フレームおよび拡大デバイスのかなり堅牢な設計を提供するかなり非弾性の材料で作られる。曲げられる脚の円周または接線方向の寸法は異なる。脚の円周または接線方向のサイズは、実質的に円形の用量セレクタの外周に応じてほんの数度にも小さくすることができる。接線方向のサイズはまた、円周方向に見て180°にも大きくすることもできる。このような極端な構成では、2本の曲げられる脚は、側壁構造の円筒形または円錐形の側壁の長手方向スリットによって単に分離される。
【0032】
あるいは、円筒形または円錐形の側壁は、側壁の遠位端の径方向の曲げやすさを増すように、長手方向または軸方向に延びる単一のスリットを単に含むこともまた考えられる。
【0033】
別の実施形態によれば、側壁構造は、その径方向外向きの部分の少なくとも1つの上に、または少なくとも径方向内向きの部分の上に、軸方向に延びる把持リブを含む。通常、軸方向に延びる、かつ径方向外向きに突き出る把持リブは、その間にあるそれぞれの溝によって分けられる。このようにして、側壁構造の外周は、使用者の少なくとも2つの指による良好で有利な把持を本質的に提供する、いくぶん波状または波形の面を含む。
【0034】
径方向内向きに延びる把持リブによって、用量セレクタへのフレームの機械的連結が改善される。把持リブは通常、側壁構造の内側向き部分に、したがって円筒形または円錐形の側壁の内側向き部分にあるか、または側壁構造の曲げられる脚の内側向き部分にある。これらは、拡大デバイスおよび用量セレクタのポジティブ係合(positive engagement)または圧入係合を支持することさえできる。
【0035】
別の実施形態によれば、側壁構造は、トルクに影響されないようにして用量セレクタに係合可能である。このようなトルクに影響されない係合は、用量セレクタ上に設けられた対応する形状の径方向外向きに延びる把持リブと係合する、フレームの側壁構造の径方向内向きに延びる把持リブによって得られる。さらに、用量セレクタの外周、およびフレームの側壁構造の内周が、対応する形状の径方向突起と嵌合および係合する少なくとも1対の径方向溝などの、相互に対応するインターロック機能を含むことも考えられる。
【0036】
別の実施形態によれば、フレーム、その側壁構造、またはその少なくとも一部分は、エラストマー材料を含む。フレーム全体がただ1つのエラストマー材料で作られることが考えられる。あるいは、フレームは、むしろ非弾性の材料を含み、また、側壁構造の径方向内向き面または側壁構造の径方向外向き面の少なくとも1つにエラストマー材料を少なくとも断面で含む。エラストマー材料によって、フレームと用量セレクタとの間の摩擦係数が、拡大デバイスを用量セレクタに、トルクに影響されずたるみなく取り付けること、および相互係合することを提供するように、増大される。
【0037】
側壁構造の外周にエラストマー材料があることは、用量セレクタの滑りのない快適な操作をもたらす。さらに、フレームの近位端がエラストマー材料を備える、またはエラストマー材料で構成されることさえ考えられる。エラストマー材料はまた、用量セレクタおよびその中にあるディスプレイに一種の緩衝器を提供する。フレームの近位端が、拡大レンズが中にある軸方向の凹部を含むこともまた考えられる。拡大レンズがこのような近位凹部から軸方向に突き出ない場合、レンズはフレームの近位端の外周によって、破損または他の機械的損傷から効果的に保護される。
【0038】
このこと、および上述の特定の実施形態とは別に、フレームおよび拡大レンズを有する拡大デバイスは一般に、注射デバイスの近位端部に取り付けられた場合には機械的緩衝器としての役割を果たす。
【0039】
別の態様では、本発明はまた、投与のための、したがって液体薬剤の用量の投薬および注射のための注射デバイスに関する。注射デバイスは、送達予定の薬剤が少なくとも部分的に充填されたカートリッジを受けるための、細長いハウジングを含む。カートリッジは通常、管形のバレルを含む。バレルの内部は、バレルの内側に摺動可能に配置されたピストンによって近位方向に封止される。バレルの近位端は通常、穿孔可能な封止材によって封止され、この封止材は、両頭注射針によって貫通される。バレル内側のピストンを通常は遠位方向に変位させることによって、バレル内側の内部流体圧力が上昇し、それによって、所定の量の薬剤が注射針を経由して排出される。
【0040】
注射デバイスは、使い捨て型または再使用型である。使い捨てデバイスでは、カートリッジはハウジングの内側に容易に取り付けられる。カートリッジの内部にある薬剤の消費後または使用後に、デバイス全体が破棄されることが意図されている。再使用可能デバイスでは、カートリッジは、空になると新しいものと交換可能である。再使用可能デバイスでは、ハウジングは、通常は駆動機構を受けるための近位ハウジング部、およびカートリッジを収容するための遠位ハウジング部である、2つのハウジング部を含む。
【0041】
注射デバイスはさらに、カートリッジのピストンに動作可能に係合するためのピストンロッドを有する駆動機構を含む。この駆動機構は、様々なサイズの用量を設定し、続いて投薬できるようにする、多数の機械的に相互作用する部材を含む。通常、用量設定中にピストンロッドは動かず、ハウジングに対して位置が固定される。ピストンロッドは、その後に続く用量投薬処置中に遠位方向にもっぱら変位可能であり、それによって、所定の量の薬剤を排出するようにカートリッジのピストンがそれだけ変位する。
【0042】
注射デバイスはさらに、ハウジングの近位端部に用量セレクタを含む。用量セレクタは通常、可変サイズの用量を設定するために、ハウジングの上または内側に回転可能に支持される。用量セレクタは、ハウジングに対して回転可能に支持されるだけでなく、ハウジングに対して軸方向に変位可能でもある。用量セレクタは、ハウジングと何らかの形でねじ係合され、それにより、用量を設定することが目的の用量セレクタの回転に、ハウジングに対する用量セレクタの、通常は近位方向の軸方向変位が伴うことが考えられる。
【0043】
用量セレクタはまた、注射デバイスの用量投薬動作を少なくとも起動するために、用量を投薬するように動作可能である。したがって、用量セレクタは、用量投薬過程を誘導、起動または制御するように遠位方向に押し下げ可能である。注射デバイスはさらに、少なくとも用量情報を視覚化するために、ディスプレイ配置を用量セレクタの近位端面に含む。
【0044】
注射デバイスはさらに、上述した拡大デバイスを含み、この拡大デバイスは用量セレクタに取り付けられる。用量セレクタに取り付けられた拡大デバイスによって、ディスプレイ配置上に視覚化された用量情報が視覚的に拡大される。さらに、用量セレクタの外周を少なくとも部分的に囲むフレームは、用量セレクタを操作するための、具体的には薬剤の用量の設定を目的とする用量セレクタのダイヤル設定のための、把持補助具としての役割を果たす。
【0045】
別の実施形態によれば、用量セレクタは、少なくとも用量の設定のためにハウジングに対して回転可能である。拡大デバイスはさらに、トルクに影響されないようにして用量セレクタと係合している。用量セレクタと拡大デバイスとの、具体的には用量セレクタと拡大デバイスのフレームとのトルクに影響されない係合によって、拡大デバイスと用量セレクタの、たるみがなく滑りがない取り付けがもたらされる。拡大デバイスと用量セレクタのトルクに影響されずたるみがない取り付けにより、かなり正確で改善された用量セレクタの操作が、具体的には用量のダイヤル設定が、身体および/または視覚に障害のある使用者にさえも提供される。
【0046】
別の実施形態によれば、ディスプレイ配置は、以前に注射された最後の用量のサイズを視覚化するための、また最後の用量が投薬または注射された以降の時間間隔を視覚化するための電子ディスプレイ配置である。加えて、または別法として、電子ディスプレイ配置は、最後の用量送達の時点を視覚化するように、さらにはデバイスが初めて使用された時刻または日付、薬剤の使用期限、および/または処方スケジュールもしくはそれぞれの日記、または他の注射関連情報を視覚化するように動作可能である。ディスプレイ配置はまた、実際に設定された用量のサイズを視覚化するように、かつ/または最後に送達された注射の用量のサイズを視覚化するように構成された機械的ディスプレイとしても実施される。したがって、ディスプレイ配置は、薬剤の量と、用量の最後の送達が行われた以降の時期または時間間隔である時間とを視覚化するように構成される。
【0047】
最後の用量以降の時間間隔は、円形セグメントを表す記号によって表すこともできる。このような記号を接線方向に隣同士で配置することによって、各記号は、1時間などの個別の時間間隔を表すことができる。その場合、いくつかの記号の配列は、アナログ時計の表示のように容易に数えられる。このような記号に加えて、またはその別法として、電子ディスプレイはさらにいくつかの数字を示して、最後の用量のサイズを表す。
【0048】
本明細書では、遠位方向は投薬およびデバイスの方向を指し、ニードルアセンブリが通常、薬剤の送達のために生物組織または患者の皮膚に挿入される両頭注射針を備える。
【0049】
近位端または近位方向は、デバイスまたはその構成要素の、投薬端から最も遠い端部を示す。通常、用量セレクタまたはいくつかの他の駆動部材は、注射デバイスの近位端にあり、用量を設定するために回されるように使用者が直接操作可能であり、また用量を投薬するために遠位方向に押し下げられるように、さらに操作可能である。
【0050】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0051】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0052】
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0053】
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0054】
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0055】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0056】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0057】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0058】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0059】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0060】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0061】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0062】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0063】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0064】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0065】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0066】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
【0067】
さらに、当業者には、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく様々な修正および変形を本発明に加えることができることが明らかであろう。さらに、添付の特許請求の範囲において使用されるいかなる参照数字も、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでないことに留意されたい。
【0068】
以下では、拡大デバイス、および注射デバイスへのその取付けのいくつかの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。