【課題を解決するための手段】
【0009】
2つのチャンバを含む吐出ヘッド
本発明は、その態様のうちの第1の態様によれば、製品、特に化粧品、美容製品、またはケア製品を吹き付けるためのデバイスであって、
− 製品を含む容器と、
− 本体と、本体に取り付けられた末端部、特にディフューザとを備える吐出ヘッドとを備え、
本体とディフューザが、製品を末端部の縦軸Yの周りの出口オリフィスを通して、特に少なくとも2つの異なる方向、特に径方向において互いに反対の方向に吹き付けるのを可能にするように構成され、
吐出ヘッドが、少なくとも第1のチャンバおよび第2のチャンバ、特に同心チャンバを備え、それを製品の流れが、出口オリフィスから現れる前に連続的に通過し、第1の同心チャンバと第2の同心チャンバとの間の少なくとも1つの開口部が、出口オリフィスのうちの少なくとも1つに対して角度的にずれることができるデバイスに関する。この角度的なずれは、たとえば、同心チャンバの軸の周りまたはデバイスの軸の周りのずれとして理解すべきである。
【0010】
したがって、ディフューザから現れる製品の流れについては、特に、ディフューザ内の流れの方向が少なくとも2回、場合によっては少なくとも3回変化する。「方向の変化」は、製品の流れが第1の方向から第2の方向に変わり、2つの方向がその間に、好ましくは60°よりも大きく、または90°よりも大きく、好ましくは120°よりも大きく、または150°よりも大きい角度を形成することを意味すると理解すべきである。例示的な一実施形態では、製品の流れは、120°よりも大きく、または150°よりも大きく、好ましくは180°程度である方向の変化を少なくとも1回受ける。
【0011】
本発明によるスプレーデバイスは、たとえば毛根への目標を定めた吐出を可能にし、毛髪の基部における良好な吹付けを可能にする。製品を少なくとも2つの異なる方向に吹き付けると、吐出ヘッドの周りに位置する領域に到達し、かつ吐出の幅を広げるのが可能になる。
【0012】
ディフューザ内の製品の流れの方向を変化させると、製品の流れに乱流を生じさせることができ、それによって製品の滴または小塊のサイズが小さくなるのが促される。より穏やかな噴出を実現し、かつ圧力を降下させて塗布の心地よさを推進することが可能である。
【0013】
本発明によるデバイスは、微粒子を含む粉末を吐出するのに特に適しており、吐出オリフィスが詰まるのを防止することができる。
【0014】
出口オリフィスが第1の内側チャンバ内に直接開放することはない。
【0015】
本体と末端部は、組み立てられたときに、特に少なくとも2つの異なる方向、特に径方向において互いに反対の方向において、末端部の縦軸Yの周りにいくつかの出口を画定することができる。代替的に、吐出オリフィスは、ディフューザ内に直接形成することができる。吐出オリフィスは、ディフューザの湾曲部分、たとえば、半球形状を有する部分内に形成することができる。
【0016】
「末端部」という語を使用するが、末端部が吐出ヘッドの端部を画定する付属の要素を備えることができる可能性は除外されない。
【0017】
吐出ヘッドは、2つの構成要素のみ、すなわち、上述の本体と末端部、特にディフューザの2つのみを備えることができる。吐出ヘッドは、これらから分離した第3の構成要素がなくてもよい。
【0018】
第1のチャンバおよび第2のチャンバは、少なくとも部分的に環状であり、特に円筒形であってもよい。第1の、少なくとも部分的に環状のチャンバは、縦軸Yに沿って延び、デバイスの縦軸Xに対して非ゼロ角度γだけ傾斜することができる。第2の、少なくとも部分的に環状のチャンバは、縦軸Yに沿って延び、デバイスの縦軸Xに対して非ゼロ角度γだけ傾斜することができる。
【0019】
同心チャンバは、少なくとも部分的に環状であってもよく、あるいは全体的に環状であってもよい。吐出ヘッドは、特に第1の内側チャンバと第2の外側チャンバとを備えることができる。内側チャンバと外側チャンバは、分離スカートによって分離することができる。このスカートは、チャンバの漏れ強さを確保することができる。
【0020】
この分離スカートは、少なくとも1つの開口部または少なくとも2つの開口部によって貫通することができ、それによって製品の流れが通過することが可能になる。したがって、製品の流れを少なくとも2つの異なるストリームに分離することができる。分離スカートにおける開口部は、分離スカートの周囲に一様に分散させることができる。たとえば、開口部は、数が2つであるときは径方向において互いに反対とすることができる。開口部の数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。開口部は、分離スカートの高さ全体に沿って延びることもあるいはその一部のみに沿って延びることもできる。分離スカートの高さは、0.2mmから6mmの間、または1mmから5mmの間であってもよく、たとえば、1.9mmまたは4mm程度であってもよい。
【0021】
第2のチャンバを確実に密閉するように、周辺スカートが本体と協働することによって第2のチャンバを囲むことができる。出口オリフィスは、周辺スカートの周囲に一様に分散させることができる。たとえば、出口オリフィスは、数が2つであるときは径方向において互いに反対である。出口オリフィスの数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。出口オリフィスは、それぞれの対において径方向において互いに反対とすることができる。出口オリフィスのそのような配置は、毛髪を持ち上げ、頭皮全体にわたる製品の分散を推進することが可能である場合がある。
【0022】
吐出ヘッドは、出口オリフィスを通して、縦軸Yに直交する少なくとも1つの方向、特に少なくとも2つの異なる方向、特に径方向において互いに反対の方向に、製品を吹き付けるのを可能にするように構成することができる。
【0023】
出口オリフィスは、同一平面上に位置することができ、縦軸Xに対して傾斜した平面内に配置することができる。吐出ヘッドは、特に同一平面上に位置する少なくとも3つの出口オリフィスを備えることができ、吹付け方向は、特に互いに少なくとも30°、または少なくとも60°、または少なくとも90°離して配置される。
【0024】
出口オリフィスは、周辺スカートの高さ全体に沿って延びることもあるいはその一部のみに沿って延びることもできる。周辺スカートの高さは、0.2mmから8mmの間、または1mmから6mmの間であってもよく、たとえば、1.9mmまたは5mm程度であってもよい。
【0025】
出口オリフィスは、分離スカートの開口部に対して、各々が0°から180°の間、好ましくは20°から90°の間、好ましくは30°から80°の間の角度、たとえば、45°程度の角度だけ角度的にずれることができる。
【0026】
本体は、ディフューザの周辺スカートを受けるための環状溝を備えることができる。環状溝は、オリフィスに対する連続的な流れおよび良好な供給を可能にすることができる。
【0027】
本体は、特にディフューザの周辺スカートを間に係合させることができる同心円状で連続的な2つの環状リブを有することができ、周辺スカートに出口オリフィスを形成することができる。したがって、環状溝は、本体の縦軸Yに対して回転対称であり、かつ周辺スカートの各側面上に係合するように構成された、2つの同心リブによって画定することができる。これらのリブはそれぞれ、分離スカートおよび周辺スカート上に存在するショルダーによって支持することができる。たとえば、リブの各々は、厚さe
1およびe
2が0.2mmから2mmの間、または0.5mmから1.5mmの間であり、好ましくは0.6mmから1mmの間である。
【0028】
ディフューザの縦軸Yは、ディフューザの対称軸を構成することができる。
【0029】
ディフューザは、本体にその上部において接合されることが好ましい。
【0030】
ディフューザは、吐出ヘッドの上部軸方向端部を画定することができる。
【0031】
末端部、特にディフューザは、外側へ突き出した全体的に湾曲した形状の上面を備えることができる。この面の曲率半径は概して、0mmから20mmの間、または2mmから10mmの間、好ましくは3mmから9mmの間であってもよく、たとえば、6mm程度であってもよい。
【0032】
ディフューザの上面は、噴射の排出方向を示すマーカーを備えることができる。たとえば、これらのマーカーは、概ね三角形のレリーフであり、三角形の頂点が上面の縁部および周辺スカートの方に向けられる。
【0033】
ディフューザの上面は、円形の輪郭を有する中央凹部を有することができる。中央凹部は、皮膚の負傷を避けるように噴射スプルーを収容することができる。
【0034】
本体とディフューザは、特に溶接、たとえば超音波によって接合することができる。本体とディフューザは、別の方法、たとえば接着結合によって接合することもできる。この場合、本体とディフューザは、接合される前に別々に成形される。代替的に、本体とディフューザは、一体に成形され、たとえば成形の間にフィルムヒンジによって互いに接続される。
【0035】
吐出ヘッドは、容器からの製品用の供給流路を有することができる。この目的で、本体は、製品の流れが容器からディフューザまで移動するのを可能にするための中央流路を備える。本体は、中央流路が内部を延びるカニューレを画定することができ、このカニューレは、容器の縦軸Xに対して傾斜した縦軸を有する。
【0036】
本体の中央流路は、容器の上方においてデバイスの縦軸Xに沿って延びる垂直部分と、垂直部分に対して角度γだけ傾斜した斜め部分とを備えることができる。角度γは、0°から90°の間、好ましくは5°から40°の間、または10°から30°の間であってもよく、たとえば、15°程度であってもよい。中央流路の斜め部分は、ディフューザを受けることができる。本体の環状溝および上述のリブは、吐出ヘッドを容器上に固定するための部分と反対側の本体の端部に配置される。
【0037】
中央流路の垂直部分は、容器の吐出弁のステムを受けることを目的として設けられる。
【0038】
ディフューザは、その縦軸の領域において中実であってもよい。末端部、特にディフューザは、特に本体の中央流路に挿入されることによって、それを本体に固定するのを可能にするステムを備えることができる。末端部、特にディフューザは、少なくとも1つの固定レリーフ、たとえば、ハープーンの有無にかかわらず力を加えて挿入することにより、ならびに/あるいはスナップ嵌め係合によって固定することができる。この目的で、ステムは、本体の対応するレリーフと協働するための固定レリーフを備えることができる。例示的な一実施形態では、ステムは、径方向において互いに反対の、部分的に環状の2つのノッチを固定レリーフとして備えることができる。本体は、ステムから突き出る環状固定ビードを受けるための環状溝を備えることができる。ディフューザのステムは、銛の形状を有することができる。
【0039】
ディフューザのステムは、ディフューザを本体上に固定する唯一の手段を構成することができる。ステムは、その上部において、全体的に湾曲した形状の前述の上面を画定するドーム形の壁に取り付けることができる。
【0040】
ディフューザのステムは、流路からディフューザまでの製品用の通路を画定する少なくとも1つの溝、好ましくは、各々が、流路から末端部、特にディフューザまでの製品用の通路を画定する、径方向において互いに反対の2つの溝を備えることができる。断面図において、これらの溝は、円弧の形をした輪郭を有することができる。これらの溝は、上述のノッチ間を延びることができる。上記の1つまたは複数の溝は、ディフューザのステムに沿って延びる補強材によって形成される。溝の数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。
【0041】
代替的に、吐出ヘッドはそのようなステムを有さなくてもよい。たとえば、末端部は、その周囲を介して本体に固定することができる。
【0042】
一変形形態では、デバイスは、製品が本体からディフューザの方へ移動するのを可能にする少なくとも1つのオリフィスを備える。デバイスは、たとえば、数が2つであり、径方向において互いに反対の、少なくとも2つのオリフィスを備えることができる。
【0043】
ディフューザを本体上に指定された方法で取り付けるのを可能にするために割出し手段を使用することができる。
【0044】
デバイスは、渦管を有するノズルを含まなくてもよく、したがって、デバイスの生産が簡略化される。吐出オリフィスは、付属のノズルなしで直接外側まで延びることができることが好ましい。付属のノズルは、少なくとも1つの出口オリフィスを有し、出口オリフィスが形成された平面壁を備え、中央支柱上に取り付けることができる取付けスカートも備える構成要素として理解される。
【0045】
容器は加圧することができる。容器は特に、液化されている場合も液化されていない場合もあるプロペラントガスによって推進され、アルコール溶液または水溶液を含み、たとえば、乾燥時に毛髪間に良好な接続部を形成するポリマー樹脂も含む製品の滴を吐出するエアロゾルシステムであってもよい。製品は、プロペラントガスと混合することができ、あるいはプロペラントガスによって囲まれたフレキシブルバッグに含めることもできる。
【0046】
容器は、補充可能であってもよく、あるいは補充可能でなくてもよい。
【0047】
デバイスは、本体およびディフューザを覆うためのクロージャキャップを備えることができる。
【0048】
吐出ヘッドは、保護キャップを嵌め込むのを可能にするように構成することができ、必要に応じて、吐出ヘッドが容器に対して特定の位置にあるとき、または吐出ヘッドのロッキング要素が容器に対して特定の位置にあるときにデバイスが作動するのを防止するのを可能にするオン/オフシステムを備えることができる。
【0049】
ディフューザから現れる各噴射は、たとえば、デバイスの縦軸に対して10°よりも大きく、好ましくは20°よりも大きく、より好ましくは30°よりも大きい角度だけ傾斜させることによって、概ねデバイスの縦軸Xに対して平行ではない軸に沿うように向きを定め、特に斜めに向けることができる。オリフィスから現れる製品の吐出は、毛髪を持ち上げるのに利用することができ、それによって、他の出口オリフィスを通した頭皮への製品の塗布が推進される。
【0050】
各出口オリフィスから現れる流れは、ディフューザの軸Yに対して垂直に向けることができ、各出口オリフィスは、たとえば同一平面上に位置し、ディフューザの軸Yに対して垂直に向けられた軸を有する。
【0051】
代替的に、各出口オリフィスから現れる噴射は、すべての噴射が結果的に実質的に円錐形状の噴霧を生成するようにこの軸Yの法線に対してある角度を形成することができる。この角度は、5°から180°の間、好ましくは10°から90°の間、または20°から80°の間、好ましくは25°から70°の間であり、たとえば、35°程度の非ゼロ角度であってもよい。
【0052】
デバイスは、好ましくは揃えられない少なくとも3つの出口オリフィスを備えることができる。最も遠い出口オリフィス間の距離は、25mm未満、好ましくは20mm未満、または15mm未満であってもよく、たとえば、12mmまたは10mm程度であってもよい。
【0053】
製品の吐出は、容器に対して本体を傾斜させることによってトリガすることができる。この目的で、本体は、ユーザの指用の支持面を備えることができ、この支持面は、たとえば容器上に固定される部分にヒンジによって接続される壁によって画定される。
【0054】
本発明は、化粧品処理プロセスであって、
− 上述のようにデバイスを利用可能にするステップと、
− 吐出ヘッドの少なくとも一部、特にディフューザを毛髪の下に配置するステップと、
を含むプロセスにさらに関する。
【0055】
本発明は、製品を360°にわたって吹き付けるために上述のようにデバイスを使用することにさらに関する。
【0056】
噴射を分割するために内壁を有する吐出ヘッド
製品、特に化粧品が、加圧された容器内にパッケージングされることが知られている。容器は、製品を噴霧の形で吐出することができる1つまたは複数の吐出オリフィスを画定する吐出ヘッドを備える。噴霧液滴の粒径は、特に製品流量、1つまたは複数の吐出オリフィスの圧力およびサイズによって決まる。
【0057】
通常、付属のノズル、特に渦管を備える吐出ヘッドが使用される。そのようなノズルは壁を備え、壁の中央に、壁を貫通する吐出オリフィスを有し、かつ壁の周辺に管状の取付けスカートを備える。ノズルは、中央支柱とも呼ばれるペグ上に取り付けられ、中央支柱の端部は、概ね上記の壁の内面と接触するように位置付けられる。製品が吐出オリフィスに到達するのを可能にするためにペグの端部上に流路が形成される。ノズルとペグの互いに向かい合う面の間に存在する空間が狭いと仮定すると、顕著な圧力降下を生じさせて圧力を低下させかつ許容できる噴霧を得ることができる。
【0058】
そのような吐出ヘッドの欠点は、吐出ヘッドのコストである。その理由は、1つまたは複数の付属のノズルが、ヘッドの製造を複雑にする補助構成要素を構成するからである。
【0059】
したがって、吐出ヘッドの製造をより容易にし、同時に許容できる噴霧特性を取得する必要がある。
【0060】
本発明は、その態様のうちの別の態様によれば、製品、特に化粧品、美容製品、またはケア製品を吹き付けるためのデバイスであって、
− 製品を含む容器と、
− 容器からの製品用の供給流路を有する本体と、製品用のいくつかの出口オリフィスを画定する末端部、特にディフューザとを備える吐出ヘッドとを備え、
最も遠い出口オリフィス間の距離が、25mm未満、好ましくは20mm未満、または15mm未満であり、
吐出ヘッドが、噴射を分割するための少なくとも1つの内壁を備え、内壁が、末端部内の製品用の供給流路の端部を画定する壁とは異なるデバイスに関する。
【0061】
「内壁」は、吐出ヘッドの内部の壁を示し、この壁は、各側に、吐出ヘッドの内部の空間を画定し、空間は、以下に定義されるチャンバであってもよい。内壁は、吐出ヘッドの内部に位置する2つの互いに向かい合う面を有する。特に、製品用の供給流路、特に吐出ヘッドの中央流路の外部間仕切壁ではない。
【0062】
「末端部」という語を使用するが、末端部が吐出ヘッドの端部を画定する付属の要素を備えることができる可能性は除外されない。本発明の意味の範囲内で、末端部は、デバイスがその縦軸Xに沿って垂直方向に配置されたとき、または吐出ヘッドが、その縦軸Yに沿って垂直方向に配置されたときに、本体の上方において軸方向に配置される。
【0063】
内壁が存在すると、供給流路を少なくとも部分的に密封し、かつディフューザの内側の、内壁から下流側において圧力降下を生じさせることが可能になる。この圧力降下は、出口オリフィスに到達した製品の圧力を低下させ、所望に応じて、製品を吐出するための付属のノズルを省略するのを可能にする。
【0064】
内壁は、供給流路から出る製品用のいくつかの通路を形成するのを可能にすることができる。製品用のいくつかの通路が存在することは、目的がいくつかの出口オリフィスを通して製品を吐出することであるときに特に有用である。その理由は、これによって、流路からの製品の流れを非常に早い時期に分割し、したがって、出口オリフィスまで延び、圧力をさらに低下させるのを可能にする通路を、ディフューザ内部により容易に形成するのが可能になるからである。このようにして、付属のノズルなしで製品を直接出現させることが可能である。
【0065】
吐出ヘッドは、2つの構成要素のみ、すなわち、上述の本体と末端部、特にディフューザの2つのみを備えることができる。吐出ヘッドは、これらから分離した第3の構成要素がなくてもよい。
【0066】
本発明は、加圧された容器が備える吐出ヘッドに特に非常に適している。
【0067】
末端部、特にディフューザは、その縦軸の領域において中実であってもよく、あるいは代替的に、その縦軸の領域において中空であってもよい。
【0068】
吐出ヘッドは、少なくとも第1の少なくとも部分的に環状のチャンバ、特に円筒形のチャンバを備えることができ、それを製品の流れが、出口オリフィスから現れる前に通過する。第1の、少なくとも部分的に環状のチャンバは、縦軸Yに沿って延び、デバイスの縦軸Xに対して非ゼロ角度γだけ傾斜することができる。
【0069】
吐出ヘッドから現れる製品の流れは、特に流れの方向が少なくとも1回変化しているかあるいは流れの方向が少なくとも2回変化している場合がある。
【0070】
「方向の変化」は、製品の流れが第1の方向から第2の方向に変わり、2つの方向がその間に、好ましくは60°よりも大きく、または90°よりも大きく、好ましくは120°よりも大きく、または150°よりも大きい角度を形成することを意味すると理解すべきである。例示的な一実施形態では、製品の流れに対して、120°よりも大きく、または150°よりも大きく、好ましくは180°程度の方向の変化が少なくとも1回生じる。
【0071】
吐出ヘッドは、2つの構成要素のみ、すなわち、上述の本体と末端部、特にディフューザの2つのみを備えることができる。吐出ヘッドは、これらから分離した第3の構成要素がなくてもよい。
【0072】
本発明は、その上記の態様から独立しているかあるいは上記の態様と組み合わされる、本発明の態様のうちの別の態様によれば、製品を吹き付けるためのデバイスであって、
− 製品を含む容器と、
− 容器からの製品用の供給流路を有する本体と、製品用のいくつかの出口オリフィスを画定する末端部、特にディフューザとを備える吐出ヘッドとを備え、
出口オリフィスは、付属のノズルなしで直接外側まで延び、
吐出ヘッドが、噴射を分割するための少なくとも1つの内壁を備え、内壁が、末端部内の製品用の供給流路の端部を画定する壁とは異なるデバイスにさらに関する。
【0073】
本発明は、その上記の態様から独立しているかあるいは上記の態様と組み合わされる、本発明の態様のうちの別の態様によれば、製品を吹き付けるためのデバイスであって、
− 製品を含む容器と、
− 容器からの製品用の供給流路を有する本体と、製品用のいくつかの出口オリフィスを画定する末端部、特にディフューザとを備える吐出ヘッドとを備え、
吐出ヘッドが、噴射を分割するための少なくとも1つの内壁を備え、内壁が、末端部内の製品用の供給流路の端部を画定する壁とは異なり、
本発明の意味の範囲内で、末端部が、デバイスがその縦軸Xに沿って垂直方向に配置されたとき、または吐出ヘッドが、その縦軸Yに沿って垂直方向に配置されたときに、本体の上方において軸方向に配置されるデバイスにさらに関する。
【0074】
本発明は、その上記の態様から独立しているかあるいは上記の態様と組み合わされる、本発明の態様のうちの別の態様によれば、製品を吹き付けるためのデバイスであって、
− 製品を含む容器と、
− 容器からの製品用の供給流路を有する本体と、製品用のいくつかの出口オリフィスを画定する末端部、特にディフューザとを備える吐出ヘッドとを備え、
デバイスが、好ましくは揃えられない少なくとも3つの出口オリフィスを備え、
吐出ヘッドが、噴射を分割するための少なくとも1つの内壁を備え、内壁が、末端部内の製品用の供給流路の端部を画定する壁とは異なるデバイスにさらに関する。
【0075】
末端部、特にディフューザの縦軸Yは、末端部、特にディフューザの対称軸を構成することができる。
【0076】
本体は、上記の流路が内部を延びるカニューレを画定することができ、このカニューレは、容器の縦軸に対して傾斜した縦軸を有する。
【0077】
末端部、特にディフューザは、本体と末端部、特にディフューザが、組み立てられたときに、1つまたは複数の出口オリフィスを画定するように、本体に取り付けることができる。代替的に、出口オリフィスは、末端部、特にディフューザ内に直接形成することができる。出口オリフィスは、末端部、特にディフューザの湾曲部分、たとえば、半球形状を有する部分内に形成することができる。
【0078】
末端部、特にディフューザは、いくつかの出口オリフィスを備えることが好ましい。出口オリフィスは、付属のノズルなしで直接外側まで延びることが好ましい。
【0079】
出口オリフィスは、少なくとも2つの異なる方向、特に径方向において互いに反対の方向において、末端部、特にディフューザの縦軸Yの周りに分散させることができる。
【0080】
出口オリフィスは、同一平面上に位置することができ、縦軸Xに対して傾斜した平面内に配置することができる。吐出ヘッドは、特に同一平面上に位置する少なくとも3つの出口オリフィスを備えることができ、吹付け方向は、特に互いに少なくとも30°、または少なくとも60°、または少なくとも90°離して配置される。
【0081】
吐出ヘッドは、少なくとも第1の少なくとも部分的に環状のチャンバ、特に円筒形のチャンバを備えることができ、それを製品の流れが、出口オリフィスから現れる前に通過する。第1の、少なくとも部分的に環状のチャンバは、縦軸Yに沿って延び、デバイスの縦軸Xに対して非ゼロ角度γだけ傾斜することができる。
【0082】
吐出ヘッドは、少なくとも第1のチャンバおよび第2のチャンバ、特に同心チャンバを備えることができ、それを製品の流れが、出口オリフィスから現れる前に連続的に通過し、第1の同心チャンバと第2の同心チャンバとの間の少なくとも1つの開口部が、出口オリフィスのうちの少なくとも1つに対して角度的にずれることができる。この角度的なずれは、たとえば、同心チャンバの軸の周りまたはデバイスの軸の周りのずれとして理解すべきである。
【0083】
したがって、ディフューザから現れる製品の流れについては、特に、ディフューザ内の流れの方向が少なくとも2回、場合によっては3回変化する。
【0084】
本発明によるスプレーデバイスは、たとえば毛根への目標を定めた吐出を可能にし、毛髪の基部における良好な吹付けを可能にする。製品を少なくとも2つの異なる方向に吹き付けると、吐出ヘッドの周りに位置する領域に到達し、かつ吐出の幅を広げるのが可能になる。
【0085】
ディフューザ内の製品の流れの方向を変化させると、製品の流れに乱流を生じさせることができ、それによって製品の滴または小塊のサイズが小さくなるのが促される。より穏やかな噴出を実現し、かつ圧力を降下させて塗布の心地よさを推進することが可能である。
【0086】
本発明によるデバイスは、微粒子を含む粉末を吐出するのに特に適しており、吐出オリフィスが詰まるのを防止することができる。
【0087】
同心チャンバは、少なくとも部分的に環状であってもよく、あるいは全体的に環状であってもよい。吐出ヘッドは、特に第1の内側チャンバと第2の外側チャンバとを備えることができる。内側チャンバと外側チャンバは、分離スカートによって分離することができる。この分離スカートは、本発明の意味の範囲内の内壁を構成する。チャンバの漏れ強さを確保することができる。
【0088】
この分離スカートは、少なくとも1つの開口部または少なくとも2つの開口部によって貫通することができ、それによって製品の流れが通過することが可能になる。したがって、製品の流れを少なくとも2つの異なるストリームに分離することができる。分離スカートにおける開口部は、分離スカートの周囲に一様に分散させることができる。たとえば、開口部は、数が2つであるときは径方向において互いに反対とすることができる。開口部の数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。開口部は、分離スカートの高さ全体に沿って延びることもあるいはその一部のみに沿って延びることもできる。分離スカートの高さは、0.2mmから6mmの間、または1mmから5mmの間であってもよく、たとえば、1.9mmまたは4mm程度であってもよい。
【0089】
第2のチャンバを確実に密閉するように、周辺スカートが本体と協働することによって第2のチャンバを囲むことができる。出口オリフィスは、周辺スカートの周囲に一様に分散させることができる。たとえば、出口オリフィスは、数が2つであるときは径方向において互いに反対である。出口オリフィスの数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。出口オリフィスは、それぞれの対において径方向において互いに反対とすることができる。出口オリフィスのそのような配置は、毛髪を持ち上げ、頭皮全体にわたる製品の分散を推進することが可能である場合がある。
【0090】
出口オリフィスは、周辺スカートの高さ全体に沿って延びることもあるいはその一部のみに沿って延びることもできる。周辺スカートの高さは、0.2mmから8mmの間、または1mmから6mmの間であってもよく、たとえば、1.9mmまたは5mm程度であってもよい。
【0091】
出口オリフィスは、分離スカートの開口部に対して、各々が0°から180°の間、好ましくは20°から90°の間、好ましくは30°から80°の間の角度、たとえば、45°程度の角度だけ角度的にずれることができる。
【0092】
本体は、ディフューザの周辺スカートを受けるための環状溝を備えることができる。環状溝は、オリフィスに対する連続的な流れおよび良好な供給を可能にすることができる。この環状溝は、本体の縦軸Yに対して回転対称であり、かつ周辺スカートの各側面上に係合するように構成された、2つの同心リブによって画定することができる。これらのリブはそれぞれ、分離スカートおよび周辺スカート上に存在するショルダーによって支持することができる。たとえば、リブの各々は、厚さe
1およびe
2が0.2mmから2mmの間、または0.5mmから1.5mmの間であり、好ましくは0.6mmから1mmの間であり、たとえば、0.7mm程度である。
【0093】
ディフューザの縦軸Yは、ディフューザの対称軸を構成することができる。
【0094】
末端部、特にディフューザは、本体にその上部において接合されることが好ましい。
【0095】
末端部、特にディフューザは、吐出ヘッドの上部軸方向端部を画定することができる。
【0096】
末端部、特にディフューザは、外側へ突き出した全体的に湾曲した形状の上面を備えることができる。この面の曲率半径は概して、0mmから20mmの間、または2mmから10mmの間、好ましくは3mmから9mmの間であってもよく、たとえば、6mm程度であってもよい。
【0097】
末端部、特にディフューザの上面は、噴射の排出方向を示すマーカーを備えることができる。たとえば、これらのマーカーは、概ね三角形のレリーフであり、三角形の頂点が上面の縁部および周辺スカートの方に向けられる。
【0098】
ディフューザの上面は、円形の輪郭を有する中央凹部を有することができる。中央凹部は、皮膚の負傷を避けるように噴射スプルーを収容することができる。
【0099】
本体とディフューザは、特に溶接、たとえば超音波によって接合することができる。本体とディフューザは、別の方法、たとえば接着結合によって接合することもできる。この場合、本体とディフューザは、接合される前に別々に成形される。代替的に、本体とディフューザは、一体に成形され、たとえば成形の間にフィルムヒンジによって互いに接続される。
【0100】
本体は、製品の流れが容器からディフューザまで移動するのを可能にするための中央流路を備える。本体は、中央流路が内部を延びるカニューレを画定することができ、このカニューレは、容器の縦軸Xに対して傾斜した縦軸を有する。
【0101】
本体の中央流路は、容器の上方においてデバイスの縦軸Xに沿って延びる垂直部分と、垂直部分に対して角度γだけ傾斜した斜め部分とを備えることができる。角度γは、0°から90°の間、好ましくは5°から40°の間、または10°から30°の間であってもよく、たとえば、15°程度であってもよい。中央流路の斜め部分は、ディフューザを受けることができる。本体の環状溝および上述のリブは、吐出ヘッドを容器上に固定するための部分と反対側の本体の端部に配置される。
【0102】
中央流路の垂直部分は、容器の吐出弁のステムを受けるようになっている。
【0103】
末端部、特にディフューザは、その縦軸の領域において中実であってもよい。末端部、特にディフューザは、特に本体の中央流路に挿入されることによって、それを本体に固定するのを可能にするステムを備えることができる。末端部、特にディフューザは、少なくとも1つの固定レリーフ、たとえば、ハープーンの有無にかかわらず力を加えて挿入することにより、ならびに/あるいはスナップ嵌め係合によって固定することができる。この目的で、ステムは、本体の対応するレリーフと協働するための固定レリーフを備えることができる。例示的な一実施形態では、ステムは、径方向において互いに反対であり部分的に環状の2つのノッチを固定レリーフとして備えることができる。本体は、ステムから突き出る環状固定ビードを受けるための環状溝を備えることができる。ディフューザのステムは、銛の形状を有することができる。
【0104】
ディフューザのステムは、ディフューザを本体上に固定する唯一の手段を構成することができる。ステムは、その上部において、全体的に湾曲した形状の前述の上面を画定するドーム形の壁に取り付けることができる。
【0105】
ディフューザのステムは、流路からディフューザまでの製品用の通路を画定する少なくとも1つの溝、好ましくは、各々が、流路からディフューザまでの製品用の通路を画定する、径方向において互いに反対の2つの溝を備えることができる。断面図において、これらの溝は、円弧の形をした輪郭を有することができる。これらの溝は、上述のノッチ間を延びることができる。上記の1つまたは複数の溝は、ディフューザのステムに沿って延びる補強材によって形成される。溝の数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。
【0106】
代替的に、デバイスはそのようなステムを有さない。
【0107】
一変形形態では、デバイスは、製品が本体からディフューザの方へ移動するのを可能にする少なくとも1つのオリフィスを備える。デバイスは、たとえば、数が2つであり、径方向において互いに反対の、少なくとも2つのオリフィスを備えることができる。
【0108】
ディフューザを本体上に指定された方法で取り付けるのを可能にするために割出し手段を使用することができる。
【0109】
デバイスは、渦管を有するノズルを含まなくてもよく、したがって、デバイスの生産が簡略化される。出口オリフィスは、付属のノズルなしで直接外側まで延びることができることが好ましい。付属のノズルは、少なくとも1つの出口オリフィスを有し、出口オリフィスが形成された平面壁を備え、中央支柱上に取り付けることができる取付けスカートも備える構成要素として理解される。
【0110】
容器は加圧することができる。容器は特に、液化されている場合も液化されていない場合もあるプロペラントガスによって推進され、アルコール溶液または水溶液を含み、たとえば、乾燥時に毛髪間に良好な接続部を形成するポリマー樹脂も含む製品の滴を吐出するエアロゾルシステムであってもよい。製品は、プロペラントガスと混合することができ、あるいはプロペラントガスによって囲まれたフレキシブルバッグに含めることもできる。
【0111】
容器は、補充可能であってもよく、あるいは補充可能でなくてもよい。
【0112】
デバイスは、本体およびディフューザを覆うためのクロージャキャップを備えることができる。
【0113】
吐出ヘッドは、保護キャップを嵌め込むのを可能にするように配置することができ、必要に応じて、吐出ヘッドが容器に対して特定の位置にあるとき、または吐出ヘッドのロッキング要素が容器に対して特定の位置にあるときにデバイスが作動するのを防止するのを可能にするオン/オフシステムを備えることができる。
【0114】
ディフューザから現れる各噴射は、概ねデバイスの縦軸Xに対して平行ではない軸に沿うように向きを定め、特に斜めに向けることができ、たとえば、デバイスの縦軸に対して20°よりも大きく、より好ましくは30°よりも大きい角度だけ傾斜させることができる。オリフィスから現れる製品の吐出は、毛髪を持ち上げるのに利用することができ、それによって、他の出口オリフィスを通した頭皮への製品の塗布が推進される。
【0115】
各出口オリフィスから現れる流れは、ディフューザの軸Yに対して垂直に向けることができ、各出口オリフィスは、たとえば同一平面上に位置し、ディフューザの軸Yに対して垂直に向けられた軸を有する。
【0116】
代替的に、各出口オリフィスから現れる噴射は、すべての噴射が結果的に実質的に円錐形状の噴霧を生成するようにこの軸Yの法線に対してある角度を形成することができる。この角度は、5°から180°の間、好ましくは10°から90°の間、または20°から80°の間、好ましくは25°から70°の間であってもよく、たとえば、35°程度であってもよい。
【0117】
デバイスは、好ましくは揃えられない少なくとも3つの出口オリフィスを備えることができる。最も遠い出口オリフィス間の距離Eは、25mm未満、好ましくは20mm未満または15mm未満、より好ましくは12mm未満または10mm未満であってもよい。この距離は、たとえば、12mmまたは10mmまたは8mm程度である。この距離Eは、吐出ヘッドの表面の領域内のオリフィスの軸間の最短距離として定義される。
【0118】
製品の吐出は、容器に対して本体を傾斜させることによってトリガすることができる。この目的で、本体は、ユーザの指用の支持面を備えることができ、この支持面は、たとえば容器上に固定される部分にヒンジによって接続される壁によって画定される。
【0119】
組立て時の出口オリフィスを有する吐出ヘッド
本発明は、その態様のうちの別の態様によれば、製品、特に化粧品、美容製品、またはケア製品を吹き付けるためのデバイスであって、
− 製品を含む容器と、
− 容器からの製品用の供給流路を有する本体と、本体に取り付けられた末端部、特にディフューザとを備える吐出ヘッドであって、本体と末端部が、組み立てられたときに、特に少なくとも2つの異なる方向、特に径方向において互いに反対の方向において、末端部の縦軸Yの周りにいくつかの出口オリフィスを画定する吐出ヘッドとを備えるデバイスに関する。
【0120】
「末端部」という語を使用するが、末端部が吐出ヘッドの端部を画定する付属の要素を備えることができる可能性は除外されない。
【0121】
吐出ヘッドは、少なくとも第1の少なくとも部分的に環状のチャンバ、特に円筒形のチャンバを備えることができ、それを製品の流れが、出口オリフィスから現れる前に通過する。第1の、少なくとも部分的に環状のチャンバは、縦軸Yに沿って延び、デバイスの縦軸Xに対して非ゼロ角度γだけ傾斜することができる。
【0122】
吐出ヘッドから現れる製品の流れは、特に流れの方向が少なくとも1回変化しているかあるいは流れの方向が少なくとも2回変化している場合がある。
【0123】
「方向の変化」は、製品の流れが第1の方向から第2の方向に変わり、2つの方向がその間に、好ましくは60°よりも大きく、または90°よりも大きく、好ましくは120°よりも大きく、または150°よりも大きい角度を形成することを意味すると理解すべきである。例示的な一実施形態では、製品の流れは、120°よりも大きく、または150°よりも大きく、好ましくは180°程度である方向の変化を少なくとも1回受ける。
【0124】
吐出ヘッドは、2つの構成要素のみ、すなわち、上述の本体と末端部、特にディフューザの2つのみを備えることができる。吐出ヘッドは、これらから分離した第3の構成要素がなくてもよい。
【0125】
本発明は、その上記の態様から独立しているかあるいは上記の態様と組み合わされる、本発明の態様のうちの別の態様によれば、製品を吹き付けるためのデバイスであって、
− 製品を含む容器と、
− 容器上の吐出ヘッドであって、容器上に配置され、ディフューザと協働する本体を備える吐出ヘッドと、
を備え、
本体とディフューザが、製品を出口オリフィスを通して、少なくとも2つの異なる方向、特に径方向において互いに反対の方向に吹き付けるのを可能にするように構成され、
吐出ヘッドが、少なくとも第1のチャンバおよび第2のチャンバ、特に同心チャンバを備え、それを製品の流れが、出口オリフィスから現れる前に連続的に通過し、第1の同心チャンバと第2の同心チャンバとの間の少なくとも1つの開口部が、出口オリフィスのうちの少なくとも1つに対して角度的にずれることができるデバイスに関する。この角度的なずれは、たとえば、同心チャンバの軸の周りまたはデバイスの軸の周りのずれとして理解すべきである。
【0126】
したがって、ディフューザから現れる製品の流れについては、特に、ディフューザ内の流れの方向が少なくとも2回、場合によっては少なくとも3回変化する。
【0127】
本発明によるスプレーデバイスは、たとえば毛根への目標を定めた吐出を可能にし、毛髪の基部における良好な吹付けを可能にする。製品を少なくとも2つの異なる方向に吹き付けると、吐出ヘッドの周りに位置する領域に到達し、かつ吐出の幅を広げるのが可能になる。
【0128】
ディフューザ内の製品の流れの方向を変化させると、製品の流れに乱流を生じさせることができ、それによって製品の滴または小塊のサイズが小さくなるのが促される。より穏やかな噴出を実現し、かつ圧力を降下させて塗布の心地よさを推進することが可能である。
【0129】
本発明によるデバイスは、微粒子を含む粉末を吐出するのに特に適しており、吐出オリフィスが詰まるのを防止することができる。
【0130】
本発明は、その上記の態様から独立しているかあるいは上記の態様と組み合わされる、本発明の態様のうちの別の態様によれば、縦軸Xに沿って容器上に配置されることを目的として設けられた本体を備え、かつ製品用の供給流路を有する製品吐出ヘッドであって、
吐出ヘッドが、出口オリフィスを通して、縦軸Yに直交する少なくとも1つの方向、特に少なくとも2つの異なる方向、特に径方向において互いに反対の方向に、製品を吹き付けるのを可能にするように構成され、
縦軸Yが、縦軸Xに対して非ゼロ角度だけ傾斜する製品吐出ヘッドにさらに関する。
【0131】
本発明は、その上記の態様から独立しているかあるいは上記の態様と組み合わされる、本発明の態様のうちの別の態様によれば、縦軸Xを有する本体を有する製品吐出デバイスであって、
吐出ヘッドが、出口オリフィスを通して、少なくとも2つの異なる方向、または少なくとも3つの異なる方向、特に径方向において互いに反対の方向に、製品を吹き付けるのを可能にするように構成され、
出口オリフィスが、同一平面上に位置し、縦軸Xに対して傾斜した平面内に配置され、
吐出ヘッドが特に、同一平面上に位置する少なくとも3つの出口オリフィスを備え、吹付け方向が特に、互いに少なくとも30°、または少なくとも60°、または少なくとも90°離して配置される製品吐出デバイスにさらに関する。
【0132】
同心チャンバは、少なくとも部分的に環状であってもよく、あるいは全体的に環状であってもよい。吐出ヘッドは、特に第1の内側チャンバと第2の外側チャンバとを備えることができる。内側チャンバと外側チャンバは、分離スカートによって分離することができる。このスカートは、チャンバの漏れ強さを確保することができる。
【0133】
この分離スカートは、少なくとも1つの開口部または少なくとも2つの開口部によって貫通することができ、それによって製品の流れが通過することが可能になる。したがって、製品の流れを少なくとも2つの異なるストリームに分離することができる。分離スカートにおける開口部は、分離スカートの周囲に一様に分散させることができる。たとえば、開口部は、数が2つであるときは径方向において互いに反対とすることができる。開口部の数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。開口部は、分離スカートの高さ全体に沿って延びることもあるいはその一部のみに沿って延びることもできる。分離スカートの高さは、0.2mmから6mmの間、または1mmから5mmの間であってもよく、たとえば、1.9mmまたは4mm程度であってもよい。
【0134】
第2のチャンバを確実に密閉するように、周辺スカートが本体と協働することによって第2のチャンバを囲むことができる。出口オリフィスは、周辺スカートの周囲に一様に分散させることができる。たとえば、出口オリフィスは、数が2つであるときは径方向において互いに反対である。出口オリフィスの数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。出口オリフィスは、それぞれの対において径方向において互いに反対とすることができる。出口オリフィスのそのような配置は、毛髪を持ち上げ、頭皮全体にわたる製品の分散を推進することが可能である場合がある。
【0135】
出口オリフィスは、周辺スカートの高さ全体に沿って延びることもあるいはその一部のみに沿って延びることもできる。周辺スカートの高さは、0.2mmから8mmの間、または1mmから6mmの間であってもよく、たとえば、1.9mmまたは5mm程度であってもよい。
【0136】
出口オリフィスは、分離スカートの開口部に対して、各々が0°から180°の間、好ましくは20°から90°の間、好ましくは30°から80°の間の角度、たとえば、45°程度の角度だけ角度的にずれることができる。
【0137】
本体は、ディフューザの周辺スカートを受けるための環状溝を備えることができる。環状溝は、オリフィスに対する連続的な流れおよび良好な供給を可能にすることができる。この環状溝は、本体の縦軸Yに対して回転対称であり、かつ周辺スカートの各側面上に係合するように構成された、2つの同心リブによって画定することができる。これらのリブはそれぞれ、分離スカートおよび周辺スカート上に存在するショルダーによって支持することができる。たとえば、リブの各々は、厚さe
1およびe
2が0.2mmから2mmの間、または0.5mmから1.5mmの間であり、好ましくは0.6mmから1mmの間である。
【0138】
ディフューザの縦軸Yは、ディフューザの対称軸を構成することができる。
【0139】
ディフューザは、本体にその上部において接合されることが好ましい。
【0140】
ディフューザは、吐出ヘッドの上部軸方向端部を画定することができる。
【0141】
ディフューザは、外側へ突き出した全体的に湾曲した形状の上面を備えることができる。この面の曲率半径は概して、2mmから10mmの間または3mmから9mmの間であってもよく、たとえば、6mm程度であってもよい。
【0142】
ディフューザの上面は、噴射の排出方向を示すマーカーを備えることができる。たとえば、これらのマーカーは、概ね三角形のレリーフであり、三角形の頂点が上面の縁部および周辺スカートの方に向けられる。
【0143】
ディフューザの上面は、円形の輪郭を有する中央凹部を有することができる。中央凹部は、皮膚の負傷を避けるように噴射スプルーを収容することができる。
【0144】
本体とディフューザは、特に溶接、たとえば超音波によって接合することができる。本体とディフューザは、別の方法、たとえば接着結合によって接合することもできる。この場合、本体とディフューザは、接合される前に別々に成形される。代替的に、本体とディフューザは、一体に成形され、たとえば成形の間にフィルムヒンジによって互いに接続される。
【0145】
本体は、製品の流れが容器からディフューザに移動するのを可能にするための中央流路を備える。本体は、中央流路が内部を延びるカニューレを画定することができ、このカニューレは、容器の縦軸Xに対して傾斜した縦軸を有する。
【0146】
本体の中央流路は、容器の上方においてデバイスの縦軸Xに沿って延びる垂直部分と、垂直部分に対して角度γだけ傾斜した斜め部分とを備えることができる。角度γは、0°から90°の間、好ましくは5°から40°の間、または10°から30°の間であってもよく、たとえば、15°程度であってもよい。中央流路の斜め部分は、ディフューザを受けることができる。本体の環状溝および上述のリブは、本体を容器上に固定するための部分と反対側の本体の端部に配置される。
【0147】
ステムを有する吐出ヘッド
製品、特に化粧品が、加圧された容器内にパッケージングされることが知られている。容器は、製品を噴霧の形で吐出することができる1つまたは複数の吐出オリフィスを画定する吐出ヘッドを備える。噴霧液滴の粒径は、特に製品流量、1つまたは複数の吐出オリフィスの圧力およびサイズによって決まる。
【0148】
通常、付属のノズル、特に渦管を備える吐出ヘッドが使用される。そのようなノズルは壁を備え、壁の中央に、壁を貫通する吐出オリフィスを有し、かつ壁の周辺に管状の取付けスカートを備える。ノズルは、中央支柱とも呼ばれるペグ上に取り付けられ、中央支柱の端部は、概ね上記の壁の内面と接触するように位置付けられる。製品が吐出オリフィスに到達するのを可能にするためにペグの端部上に流路が形成される。ノズルとペグの互いに向かい合う面の間に存在する空間が狭いと仮定すると、顕著な圧力降下を生じさせて圧力を低下させかつ許容できる噴霧を得ることができる。
【0149】
そのような吐出ヘッドの欠点は、吐出ヘッドのコストである。その理由は、1つまたは複数の付属のノズルが、ヘッドの製造を複雑にする補助構成要素を構成することである。
【0150】
したがって、吐出ヘッドの製造をより容易にし、同時に許容できる噴霧特性を取得する必要がある。
【0151】
本発明は、その態様のうちの別の態様によれば、製品、特に化粧品、美容製品、またはケア製品用のパッケージングおよび吐出デバイス、特に製品を吹き付けるためのデバイスであって、
− 吐出すべき製品を含む容器と、
− 製品用の供給流路を画定する本体と、製品を吐出するための少なくとも1つのオリフィスを少なくとも部分的に画定するディフューザとを備え、ディフューザが、供給流路内に係合され、供給流路からディフューザまでの製品用の少なくとも1つの通路を供給流路とともに画定するステムを備える吐出ヘッドとを備えるデバイスによって上記の要件を満たす。
【0152】
ステムが存在すると、供給流路を少なくとも部分的に密封し、かつディフューザの内側の、ステムから下流側において圧力降下を生じさせることが可能になる。この圧力降下は、吐出オリフィスに到達した製品の圧力を低下させ、所望に応じて、製品を吐出するための付属のノズルを省略するのを可能にする。
【0153】
ステムは、流路から出る製品用のいくつかの通路、特に、径方向において互いに反対の2つの通路を形成するのを可能にすることができる。製品用のいくつかの通路が存在することは、目的がいくつかの出口オリフィスを通して製品を吐出することであるときに特に有用である。その理由は、これによって、流路からの製品の流れを非常に早い時期に分割し、したがって、吐出オリフィスまで延び、圧力をさらに低下させるのを可能にする通路を、ディフューザ内部により容易に形成するのが可能になるからである。このようにして、付属のノズルなしで製品を直接出現させることが可能である。
【0154】
吐出ヘッドは、2つの構成要素のみ、すなわち、上述の本体と末端部、特にディフューザの2つのみを備えることができる。吐出ヘッドは、これらから分離した第3の構成要素がなくてもよい。
【0155】
本発明は、加圧された容器が備える吐出ヘッドに特に非常に適している。
【0156】
ディフューザは、その縦軸の領域において中実であってもよい。
【0157】
ステムは、ディフューザを本体上に固定する働きをすることが好ましい。ステムは、ディフューザを本体上に固定する唯一の手段を構成することができる。
【0158】
ステムは、少なくとも1つの固定レリーフ、たとえば、ハープーンの有無にかかわらず力を加えて挿入することにより、ならびに/あるいはスナップ嵌め係合によって固定することができる。この目的で、ステムは、本体の対応するレリーフと協働するための固定レリーフを備えることができる。ステムは、特にスナップ嵌め係合部によって流路内に固定される少なくとも1つのレリーフを備えることができる。ステムは特に、径方向において互いに反対の、部分的に環状の2つのノッチを固定レリーフとして備えることができる。本体は、ステムから突き出る環状固定ビードを受けるための環状溝を備えることができる。ディフューザのステムは、銛の形状を有することができる。
【0159】
ステムは、その上部において、全体的に湾曲した形状の上面を画定するドーム形の壁に取り付けることができる。
【0160】
ディフューザのステムは、流路からディフューザまでの製品用の通路を画定する少なくとも1つの溝、好ましくは、各々が、流路からディフューザまでの製品用の通路を画定する、径方向において互いに反対の2つの溝を備えることができる。断面図において、これらの溝は、円弧の形をした輪郭を有することができる。これらの溝は、上述のノッチ間を延びることができる。上記の1つまたは複数の溝は、ディフューザのステムに沿って延びる補強材によって形成される。溝の数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。
【0161】
ディフューザは、いくつかの吐出オリフィスを備えることが好ましい。吐出オリフィスは、付属のノズルなしで直接外側まで延びることが好ましい。
【0162】
出口オリフィスは、特に少なくとも2つの異なる方向、特に径方向において互いに反対の方向において、ディフューザの縦軸Yの周りに分散させることができる。
【0163】
ディフューザの縦軸Yは、ディフューザの対称軸を構成することができる。
【0164】
本体は、上記の流路が内部を延びるカニューレを画定することができ、このカニューレは、容器の縦軸に対して傾斜した縦軸を有する。
【0165】
ディフューザは、本体とディフューザが、組み立てられたときに、1つまたは複数の出口オリフィスを画定するように、本体に取り付けることができる。代替的に、吐出オリフィスは、ディフューザ内に直接形成することができる。吐出オリフィスは、ディフューザの湾曲部分、たとえば、半球形状を有する部分内に形成することができる。
【0166】
ディフューザは、本体の対応する溝内に係合する周辺スカート、特に環状スカートを備えることが好ましい。
【0167】
吐出ヘッドは、少なくとも第1の少なくとも部分的に環状のチャンバ、特に円筒形のチャンバを備えることができ、それを製品の流れが、出口オリフィスから現れる前に通過する。第1の、少なくとも部分的に環状のチャンバは、縦軸Yに沿って延び、デバイスの縦軸Xに対して非ゼロ角度γだけ傾斜することができる。
【0168】
吐出ヘッドから現れる製品の流れは、特に流れの方向が少なくとも1回変化しているかあるいは流れの方向が少なくとも2回変化している場合がある。
【0169】
「方向の変化」は、製品の流れが第1の方向から第2の方向に変わり、2つの方向がその間に、好ましくは60°よりも大きく、または90°よりも大きく、好ましくは120°よりも大きく、または150°よりも大きい角度を形成することを意味すると理解すべきである。例示的な一実施形態では、製品の流れは、120°よりも大きく、または150°よりも大きく、好ましくは180°程度である方向の変化を少なくとも1回受ける。
【0170】
吐出ヘッドは、少なくとも第1のチャンバおよび第2のチャンバ、特に同心チャンバを備えることができ、それを製品の流れが、出口オリフィスから現れる前に連続的に通過し、第1の同心チャンバと第2の同心チャンバとの間の少なくとも1つの開口部が、出口オリフィスのうちの少なくとも1つに対して角度的にずれることができる。この角度的なずれは、たとえば、同心チャンバの軸の周りまたはデバイスの軸の周りのずれとして理解すべきである。
【0171】
例示的な一実施形態では、本体は、ディフューザと共に、流路からの製品が1つまたは複数の通路を通過した後で流れる2つの同心チャンバを画定することができ、2つのチャンバは、チャンバの軸の周りにおいて少なくとも1つの吐出オリフィスに対して角度的にずれた少なくとも1つの開口部を備える環状壁、特に内側分離スカートによって分離される。
【0172】
本体とディフューザは、製品を出口オリフィスを通して、少なくとも2つの異なる方向、特に径方向において互いに反対の方向に吹き付けるのを可能にするように構成することができる。したがって、ディフューザから現れる製品の流れについては、特に、ディフューザ内の流れの方向が少なくとも2回、場合によっては少なくとも3回変化する。
【0173】
本発明によるスプレーデバイスは、たとえば毛根への目標を定めた吐出を可能にし、毛髪の基部における良好な吹付けを可能にする。製品を少なくとも2つの異なる方向に吹き付けると、吐出ヘッドの周りに位置する領域に到達し、かつ吐出の幅を広げるのが可能になる。
【0174】
ディフューザ内の製品の流れの方向を変化させると、製品の流れに乱流を生じさせることができ、それによって製品の滴または小塊のサイズが小さくなるのが促される。より穏やかな噴出を実現し、かつ圧力を降下させて塗布の心地よさを推進することが可能である。
【0175】
本発明によるデバイスは、微粒子を含む粉末を吐出するのに特に適しており、吐出オリフィスが詰まるのを防止することができる。
【0176】
出口オリフィスは、同一平面上に位置することができ、縦軸Xに対して傾斜した平面内に配置することができる。吐出ヘッドは、特に同一平面上に位置する少なくとも3つの出口オリフィスを備えることができ、吹付け方向は、特に互いに少なくとも30°、または少なくとも60°、または少なくとも90°離して配置される。
【0177】
本体は、ディフューザの周辺スカートを受けるための環状溝を備えることができる。環状溝は、オリフィスに対する連続的な流れおよび良好な供給を可能にすることができる。この環状溝は、本体の縦軸Yに対して回転対称であり、かつ周辺スカートの各側面上に係合するように構成された、2つの同心リブによって画定することができる。これらのリブはそれぞれ、分離スカートおよび周辺スカート上に存在するショルダーによって支持することができる。たとえば、リブの各々は、厚さe
1およびe
2が0.2mmから2mmの間、または0.5mmから1.5mmの間であり、好ましくは0.6mmから1mmの間であり、たとえば、0.7mm程度である。
【0178】
斜めの進路を有する吐出ヘッド
ヘアケア製品を含み、この製品を毛髪に対して吐出することができるカニューレを備える吐出ヘッドが設けられた、加圧された容器が知られている。弁は従来、中空のバルブステムを備え、バルブステムが移動すると、製品の吐出がトリガされる。弁は、ステムを押し下げることによってトリガすることができ、あるいは傾斜させることによってトリガすることもできる。
【0179】
複数の出口オリフィスがカニューレの端部に存在するディフューザを介して製品を吐出すると有利であることが証明されている。オリフィスは、カニューレの縦軸に対して対称に分散させることができる。
【0180】
ユーザが手を正確にかつ容易に動かせるようにした状態で、毛髪内での製品の最適な吐出を可能にする必要がある。
【0181】
本発明の態様のうちの別の態様によれば、本発明の目的は、製品、特に化粧品、美容製品、またはケア製品をパッケージングし吐出するためのデバイスであって、
− 吐出すべき製品を含む加圧された容器と、
− 中空のステムを備える弁であって、ステムを通って製品が現れ、ステムを変位させることによって、容器からの製品の吐出をトリガするのが可能になる弁と、
− 所与の斜めの進路によって枢動された後製品の吐出をトリガするように容器に対して枢動することができる可動部を備える吐出ヘッドであって、この可動部が、休止時に、容器の縦軸Xに対して上記の斜めの進路に実質的に対応する角度だけ傾斜した縦軸Yに沿って延びる吐出カニューレを備え、それによって、可動部のカニューレの縦軸Yが製品の吐出時に容器の縦軸Xに対して実質的に平行になる吐出ヘッドと、
を備えるデバイスによって上記の要件を満たすことである。
【0182】
本発明によるデバイスは、吐出の瞬間に、カニューレを容器の縦軸Xに対して実質的に平行に向けるのを可能にする。これによって、カニューレが毛髪に係合されてもはや見えなくなったときに、ユーザが頭皮に対してカニューレの向きを定めるのが容易になる。ユーザは、カニューレを所望の処理に最適な向きにするうえで容器の向きを基準にすることができる。この利点は、カニューレが複数の吐出オリフィスを有するときにさらに重要になる。その理由は、この場合、吐出オリフィスの各々による毛根に対する製品の吐出を最適化するうえで、カニューレを頭皮に対してより正確に実質的に垂直に向けることが可能になるからである。
【0183】
可動部は、容器上に固定的に取り付けられた基部に接続されることが好ましい。具体的には、可動部と基部は、一体に成形することができ、一緒に吐出ヘッドの本体を形成することができる。
【0184】
斜めの進路は、好ましくは5°から20°の間または10°から15°の間であり、好ましくは12°から14°の間である。
【0185】
弁は、中空のバルブステムを押し下げることによってトリガされることが好ましい。ただし、一変形形態では、弁は、中空のバルブステムを傾斜させることによってトリガされる。
【0186】
本発明は、整髪製品またはヘアケア製品を塗布するのに特に適している。したがって、容器はヘアケア製品を含むことができる。
【0187】
可動部のカニューレは、その端部の所に、複数の出口オリフィスを有するディフューザを備えることが好ましい。このディフューザは、可動部に取り付けることができる。ディフューザは、ドーム形であってもよく、実質的に半球状であることが好ましい。
【0188】
ディフューザは、たとえば、カニューレの縦軸の周りに一定の角度間隔で分散された2個から12個の間の吐出オリフィスを備えることができる。
【0189】
可動部は、中空のバルブステムが係合されるスタブを備えることができ、このスタブは、可動部の管状の密閉スカートの内側に位置する。この密閉スカートは、フィルムヒンジによって基部に接続することができる。したがって、可動部は特に、フィルムヒンジによって基部に接続することができる。
【0190】
容器の縦軸と可動部の縦軸は、同一平面上に位置することが好ましい。具体的には、容器の縦軸と可動部のカニューレの縦軸は、実質的に可動部のカニューレの基部において交差することができる。
【0191】
吐出ヘッドは、2つの構成要素のみ、すなわち、上記で説明した、可動部と基部とを備える本体とディフューザの2つのみを備えることができる。吐出ヘッドは、これらから分離した第3の構成要素がなくてもよい。
【0192】
本体とディフューザは、組み立てられたときに、出口オリフィスを画定することができる。代替的に、出口オリフィスは、ディフューザ内に直接形成することができる。出口オリフィスは、ディフューザの湾曲部分、たとえば、半球形状を有する部分内に形成することができる。
【0193】
出口オリフィスは、特に少なくとも2つの異なる方向、特に径方向において互いに反対の方向において、ディフューザの縦軸Yの周りに分散させることができる。
【0194】
出口オリフィスは、同一平面上に位置することができ、縦軸Xに対して傾斜した平面内に配置することができる。吐出ヘッドは、特に同一平面上に位置する少なくとも3つの出口オリフィスを備えることができ、吹付け方向は、特に互いに少なくとも30°、または少なくとも60°、または少なくとも90°離して配置される。
【0195】
吐出ヘッドは、少なくとも第1の少なくとも部分的に環状のチャンバ、特に円筒形のチャンバを備えることができ、それを製品の流れが、出口オリフィスから現れる前に通過する。第1の、少なくとも部分的に環状のチャンバは、縦軸Yに沿って延び、デバイスの縦軸Xに対して非ゼロ角度γだけ傾斜することができる。
【0196】
吐出ヘッドから現れる製品の流れは、特に流れの方向が少なくとも1回変化しているかあるいは流れの方向が少なくとも2回変化している場合がある。
【0197】
「方向の変化」は、製品の流れが第1の方向から第2の方向に変わり、2つの方向がその間に、好ましくは60°よりも大きく、または90°よりも大きく、好ましくは120°よりも大きく、または150°よりも大きい角度を形成することを意味すると理解すべきである。例示的な一実施形態では、製品の流れは、120°よりも大きく、または150°よりも大きく、好ましくは180°程度である方向の変化を少なくとも1回受ける。
【0198】
吐出ヘッドは、少なくとも第1および第2のチャンバ、特に同心チャンバを備えることができ、それを製品の流れが、出口オリフィスから現れる前に連続的に通過し、第1の同心チャンバと第2の同心チャンバとの間の少なくとも1つの開口部が、出口オリフィスのうちの少なくとも1つに対して角度的にずれることができる。この角度的なずれは、たとえば、同心チャンバの軸の周りまたはデバイスの軸の周りのずれとして理解すべきである。
【0199】
したがって、ディフューザから現れる製品の流れについては、特に、ディフューザ内の流れの方向が少なくとも2回、場合によっては少なくとも3回変化する。
【0200】
本発明によるスプレーデバイスは、たとえば毛根への目標を定めた吐出を可能にし、毛髪の基部における良好な吹付けを可能にする。製品を少なくとも2つの異なる方向に吹き付けると、吐出ヘッドの周りに位置する領域に到達し、かつ吐出の幅を広げるのが可能になる。
【0201】
ディフューザ内の製品の流れの方向を変化させると、製品の流れに乱流を生じさせることができ、それによって製品の滴または小塊のサイズが小さくなるのが促される。より穏やかな噴出を実現し、かつ圧力を降下させて塗布の心地よさを推進することが可能である。
【0202】
本発明によるデバイスは、微粒子を含む粉末を吐出するのに特に適しており、吐出オリフィスが詰まるのを防止することができる。
【0203】
同心チャンバは、少なくとも部分的に環状であってもよく、あるいは全体的に環状であってもよい。吐出ヘッドは、特に第1の内側チャンバと第2の外側チャンバとを備えることができる。内側チャンバと外側チャンバは、分離スカートによって分離することができる。このスカートは、チャンバの漏れ強さを確保することができる。
【0204】
この分離スカートは、少なくとも1つの開口部または少なくとも2つの開口部によって貫通することができ、それによって製品の流れが通過することが可能になる。したがって、製品の流れを少なくとも2つの異なるストリームに分離することができる。分離スカートにおける開口部は、分離スカートの周囲に一様に分散させることができる。たとえば、開口部は、数が2つであるときは径方向において互いに反対とすることができる。開口部の数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。開口部は、分離スカートの高さ全体に沿って延びることもあるいはその一部のみに沿って延びることもできる。分離スカートの高さは、0.2mmから6mmの間、または1mmから5mmの間であってもよく、たとえば、1.9mmまたは4mm程度であってもよい。
【0205】
第2のチャンバを確実に密閉するように、周辺スカートが本体と協働することによって第2のチャンバを囲むことができる。出口オリフィスは、周辺スカートの周囲に一様に分散させることができる。たとえば、出口オリフィスは、数が2つであるときは径方向において互いに反対である。出口オリフィスの数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。出口オリフィスは、それぞれの対において径方向において互いに反対とすることができる。出口オリフィスのそのような配置は、毛髪を持ち上げ、頭皮全体にわたる製品の分散を推進することが可能である場合がある。
【0206】
出口オリフィスは、周辺スカートの高さ全体に沿って延びることもあるいはその一部のみに沿って延びることもできる。周辺スカートの高さは、0.2mmから8mmの間、または1mmから6mmの間であってもよく、たとえば、1.9mmまたは5mm程度であってもよい。
【0207】
出口オリフィスは、分離スカートの開口部に対して、各々が0°から180°の間、好ましくは20°から90°の間、好ましくは30°から80°の間の角度、たとえば、45°程度の角度だけ角度的にずれることができる。
【0208】
本体は、ディフューザの周辺スカートを受けるための環状溝を備えることができる。環状溝は、オリフィスに対する連続的な流れおよび良好な供給を可能にすることができる。この環状溝は、本体の縦軸Yに対して回転対称であり、かつ周辺スカートの各側面上に係合するように構成された、2つの同心リブによって画定することができる。これらのリブはそれぞれ、分離スカートおよび周辺スカート上に存在するショルダーによって支持することができる。たとえば、リブの各々は、厚さe
1およびe
2が0.2mmから2mmの間、または0.5mmから1.5mmの間であり、好ましくは0.6mmから1mmの間であり、たとえば、0.7mm程度である。
【0209】
ディフューザの縦軸Yは、ディフューザの対称軸を構成することができる。
【0210】
ディフューザは、本体にその上部において接合されることが好ましい。
【0211】
ディフューザは、吐出ヘッドの上部軸方向端部を画定することができる。
【0212】
ディフューザは、外側へ突き出した全体的に湾曲した形状の上面を備えることができる。この面の曲率半径は概して、0mmから20mmの間、または2mmから10mmの間、好ましくは3mmから9mmの間であってもよく、たとえば、6mm程度であってもよい。
【0213】
ディフューザの上面は、噴射の排出方向を示すマーカーを備えることができる。たとえば、これらのマーカーは、概ね三角形のレリーフであり、三角形の頂点が上面の縁部および周辺スカートの方に向けられる。
【0214】
ディフューザの上面は、円形の輪郭を有する中央凹部を有することができる。中央凹部は、皮膚の負傷を避けるように噴射スプルーを収容することができる。
【0215】
本体とディフューザは、特に溶接、たとえば超音波によって接合することができる。本体とディフューザは、別の方法、たとえば接着結合によって接合することもできる。この場合、本体とディフューザは、接合される前に別々に成形される。代替的に、本体とディフューザは、一体に成形され、たとえば成形の間にフィルムヒンジによって互いに接続される。
【0216】
本体は、製品の流れが容器から、カニューレ内に形成されたディフューザまで移動するのを可能にするための中央流路を備えることができる。本体の中央流路は、容器の上方においてデバイスの縦軸Xに沿って延びる垂直部分と、垂直部分に対して角度γだけ傾斜した斜め部分とを備えることができる。角度γは、0°から90°の間、好ましくは5°から40°の間、または10°から30°の間であってもよく、たとえば、15°程度であってもよい。中央流路の斜め部分は、ディフューザを受けることができる。本体の環状溝および上述のリブは、吐出ヘッドを容器上に固定するための基部と反対側の本体の端部に配置される。
【0217】
中央流路の垂直部分は、容器の吐出弁のステムを受けることを目的として設けられる。
【0218】
ディフューザは、その縦軸の領域において中実であってもよい。ディフューザは、特に本体の中央流路に挿入されることによって、それを本体に固定するのを可能にするステムを備えることができる。ディフューザは、少なくとも1つの固定レリーフ、たとえば、ハープーンの有無にかかわらず力を加えて挿入することにより、ならびに/あるいはスナップ嵌め係合によって固定することができる。この目的で、ステムは、本体の対応するレリーフと協働するための固定レリーフを備えることができる。例示的な一実施形態では、ステムは、径方向において互いに反対で部分的に環状の2つのノッチを固定レリーフとして備えることができる。本体は、ステムから突き出る環状固定ビードを受けるための環状溝を備えることができる。ディフューザのステムは、銛の形状を有することができる。
【0219】
ディフューザのステムは、ディフューザを本体上に固定する唯一の手段を構成することができる。ステムは、その上部において、全体的に湾曲した形状の前述の上面を画定するドーム形の壁に取り付けることができる。
【0220】
ディフューザのステムは、流路からディフューザまでの製品用の通路を画定する少なくとも1つの溝、好ましくは、各々が、流路からディフューザまでの製品用の通路を画定する、径方向において互いに反対の2つの溝を備えることができる。断面図において、これらの溝は、円弧の形をした輪郭を有することができる。これらの溝は、上述のノッチ間を延びることができる。上記の1つまたは複数の溝は、ディフューザのステムに沿って延びる補強材によって形成される。溝の数は、偶数個、特に2個から10個の間であってもよく、たとえば、2個、4個、6個、または8個であってもよい。
【0221】
代替的に、デバイスはそのようなステムを有さない。
【0222】
一変形形態では、デバイスは、製品が本体からディフューザの方へ移動するのを可能にする少なくとも1つのオリフィスを備える。デバイスは、たとえば、数が2つであり、径方向において互いに反対の、少なくとも2つのオリフィスを備えることができる。
【0223】
ディフューザを本体上に指定された方法で取り付けるのを可能にするために割出し手段を使用することができる。
【0224】
デバイスは、渦管を有するノズルを含まなくてもよく、したがって、デバイスの生産が簡略化される。吐出オリフィスは、付属のノズルなしで直接外側まで延びることができることが好ましい。付属のノズルは、少なくとも1つの出口オリフィスを有し、出口オリフィスが形成された平面壁を備え、中央支柱上に取り付けることができる取付けスカートも備える構成要素として理解される。
【0225】
容器は加圧される。容器は特に、液化されている場合も液化されていない場合もあるプロペラントガスによって推進され、アルコール溶液または水溶液を含み、たとえば、乾燥時に毛髪間に良好な接続部を形成するポリマー樹脂も含む製品の滴を吐出するエアロゾルシステムであってもよい。製品は、プロペラントガスと混合することができ、あるいはプロペラントガスによって囲まれたフレキシブルバッグに含めることもできる。
【0226】
容器は、補充可能であってもよく、あるいは補充可能でなくてもよい。
【0227】
デバイスは、本体およびディフューザを覆うためのクロージャキャップを備えることができる。
【0228】
吐出ヘッドは、保護キャップを嵌め込むのを可能にするように配置することができ、必要に応じて、吐出ヘッドが容器に対して特定の位置にあるとき、または吐出ヘッドのロッキング要素が容器に対して特定の位置にあるときにデバイスが作動するのを防止するのを可能にするオン/オフシステムを備えることができる。
【0229】
ディフューザから現れる各噴射は、たとえば、デバイスの縦軸に対して10°よりも大きく、好ましくは20°よりも大きく、より好ましくは30°よりも大きい角度だけ傾斜させることによって、概ねデバイスの縦軸Xに対して平行ではない軸に沿うように向きを定め、特に斜めに向けることができる。オリフィスから現れる製品の吐出は、毛髪を持ち上げるのに利用することができ、それによって、他の出口オリフィスを通した頭皮への製品の塗布が推進される。
【0230】
各出口オリフィスから現れる流れは、ディフューザの軸Yに対して垂直に向けることができ、各出口オリフィスは、たとえば同一平面上に位置し、ディフューザの軸Yに対して垂直に向けられた軸を有する。
【0231】
代替的に、各出口オリフィスから現れる噴射は、すべての噴射が結果的に実質的に円錐形状の噴霧を生成するようにこの軸Yの法線に対してある角度を形成することができる。この角度は、5°から180°の間、好ましくは10°から90°の間、または20°から80°の間、好ましくは25°から70°の間であり、たとえば、35°程度の非ゼロ角度であってもよい。
【0232】
デバイスは、好ましくは揃えられない少なくとも3つの出口オリフィスを備えることができる。最も遠い出口オリフィス間の距離は、25mm未満、好ましくは20mm未満、または15mm未満であってもよく、たとえば、12mmまたは10mm程度であってもよい。
【0233】
製品の吐出は、容器に対して本体を傾斜させることによってトリガすることができる。この目的で、本体は、ユーザの指用の可動部上の支持面を備えることができ、この支持面は、たとえば容器上に固定される基部にヒンジによって接続される壁によって画定される。
【0234】
本発明は、非限定的な例示的実施形態の以下の詳細な説明を読み、添付の図面を確認したときに、より良く理解されよう。