(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記注意喚起部は、上記注意喚起として上記生体に聴覚的に注意を払わせる聴覚的注意喚起部を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の生体情報測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施形態1〕
以下、実施形態1について、
図1〜
図4に基づいて詳細に説明する。はじめに、
図1を参照し、実施形態1の生体情報測定装置1の概要について述べる。
図1は、生体情報測定装置1の要部の構成を示す機能ブロック図である。
【0018】
(生体情報測定装置1)
生体情報測定装置1は、生体の生体情報を測定(取得)する装置である。実施形態1では、生体情報測定装置1が、生体情報を非接触的に測定する場合を主に例示する。但し、以下に述べるように、生体情報測定装置1は、生体情報を接触的に測定してもよい。
【0019】
生体情報測定装置1は、例えば音声会話を行うことが可能なロボット(コミュニケーションロボット)に設けられてよい。但し、生体情報測定装置1が設けられる装置(以下、搭載装置)は、特に限定されない。当該搭載装置は、家電機器、車載機器、情報処理装置、または携帯端末等であってもよい。搭載装置は、ユーザU(生体,人)がある程度の時間(測定時間)に亘って、当該搭載装置に向き合うことが可能であるものであればよい。
【0020】
実施形態1では、生体情報測定装置1がユーザUの生体情報を測定する場合を例示して説明する。但し、生体情報測定装置1の測定対象である生体は、人のみに限定されない。当該測定対象は、後述する生体情報取得部によって、生体情報を取得できる対象であればよい。従って、上記生体は、例えば、犬または猫等の動物であってもよい。
【0021】
なお、生体情報とは、生体の生理状態を示す任意の情報(指標)である。一例として、生体情報は、ユーザUの健康管理に用いられる情報であってよい。実施形態1における生体情報の具体例としては、ユーザUの脈波、心拍数、血圧、呼吸回数、およびストレスレベル等が挙げられる。なお、脈波とは、心臓の血液駆出に伴う血管の拍動を表現する波形を意味する。
【0022】
図1に示されるように、生体情報測定装置1は、制御部10(制御装置)、発話部50(注意喚起部,聴覚的注意喚起部)、測定部51(生体情報取得部)、表示部52、および記憶部90を備えている。制御部10は、生体情報測定装置1の各部を統括的に制御する。制御部10の機能は、記憶部90に記憶されたプログラムを、CPU(Central Processing Unit)が実行することで実現されてよい。制御部10の具体的な動作については、後述する。記憶部90は、制御部10が実行する各種のプログラム、およびプログラムによって使用されるデータを格納する。
【0023】
発話部50は、音声による発話を行う装置であり、例えばスピーカである。より具体的には、発話部50は、所定の発話データを再生して音声を出力する。なお、当該発話データは、記憶部90にあらかじめ格納されていてもよい。あるいは、発話制御部11(後述)において、公知の手法を用いて発話データを自動的に生成してもよい。発話部50が設けられることにより、生体情報測定装置1にユーザUに対する発話機能を付与できる。
【0024】
以下に述べるように、発話部50は、生体情報の測定時に、自身の発話によってユーザUに聴覚的に注意を払わせる注意喚起部(聴覚的注意喚起部)としての役割を果たす。なお、注意喚起部とは、ユーザUに注意を払わせる所定の動作(注意喚起動作,注意喚起)を行う機能部を意味する。実施形態1では、発話部50に注意喚起動作として発話を行わせる例について述べる。
【0025】
なお、準自然状態にあるユーザUの生体情報を測定するためには、上述の発話データの内容(発話部50の発話内容)は、生体情報の測定をユーザUに極力意識させない(示唆しない)ものであることが好ましい。従って、発話データの内容は、例えば、挨拶、ニュース、スケジュールに関する情報等であることが好ましい。
【0026】
但し、発話データの内容が生体情報の測定をユーザUに意識させる(示唆する)ものであったとしても、準自然状態にあるユーザUの生体情報を取得することは可能である。この例については、後述する(
図2の(b)を参照)。
【0027】
測定部51は、ユーザUを測定する。実施形態1では、測定部51がユーザUを非接触的に測定する場合を主に例示する。上述のように、ユーザUを非接触的に測定する測定部51を設けることにより、準自然状態にある当該ユーザUの生体情報を好適に測定できる。但し、以下に述べるように、測定部51は、ユーザを接触的に測定してもよい。
【0028】
実施形態1では、測定部51が、ユーザUを拘束することなく、当該ユーザUの身体の所定の部位(例:顔)を撮像する撮像装置(カメラ)である場合を例示する。この場合、測定部51は、ユーザUの顔を撮像して動画像を得る。そして、測定部51は、当該動画像を測定結果として、制御部10(より具体的には、後述する解析部13(生体情報取得部))に与える。実施形態1では、説明の便宜上、測定部51による測定を、「生体情報の測定」とも称する。
【0029】
表示部52は、例えば液晶ディスプレイである。表示部52は、各種情報を画像として表示する。一例として、表示部52は、制御部10から供給された生体情報(より具体的には、解析部13から供給された解析結果)を、画像として表示してよい。つまり、表示部52を、生体情報を視覚的にユーザUに報知する報知部として機能させてよい。
【0030】
(制御部10)
続いて、制御部10についてより具体的に説明する。制御部10は、発話制御部11、測定制御部12、および解析部13を備えている。発話制御部11は、発話部50の動作を制御する。測定制御部12は、測定部51の動作を制御する。
【0031】
より具体的には、(i)発話制御部11は、発話部50による発話の開始および終了のタイミングを、(ii)測定制御部12は、測定部51による測定の開始および終了のタイミングを、それぞれ設定する。各タイミングの具体例については、後述する。
【0032】
解析部13は、測定部51から取得した測定結果(動画像)を解析することにより、生体情報を取得する。解析部13は、取得した生体情報を、表示部52に与えてよい。あるいは、解析部13は、当該生体情報を、生体情報測定装置1の外部装置(例:生体情報測定装置1と通信可能に接続されたクラウドサーバ)に与えてもよい。
【0033】
なお、測定部51と解析部13とを、総称的に生体情報取得部(ユーザUを測定することにより、当該ユーザUの生体情報を取得する機能部)と称してもよい。実施形態1では、測定部51と解析部13とが別体の機能部として設けられている場合が例示されている。但し、測定部51に解析部13の機能を併有させてもよい。つまり、生体情報取得部は、一体の機能部として設けられてもよい。
【0034】
実施形態1において、解析部13は、測定部51から取得した動画像を解析することにより、脈波(第1生体情報)を取得する。加えて、以下に述べるように、解析部13は、脈波をさらに解析することにより、脈波とは異なる生体情報(第2生体情報)を取得することもできる。以下、解析部13の動作の一例について述べる。
【0035】
まず、解析部13は、上記動画像をフレーム毎に分解し、フレーム画像を生成する。そして、解析部13は、一定のフレーム間隔毎に、当該フレーム画像における顔領域(ユーザUの顔を示す領域)を設定する。なお、顔領域の設定は、公知の顔検出アルゴリズムを用いて行われてよい。
【0036】
続いて、解析部13は、公知の手法を用いて、顔領域における脈波を算出する。例えば、解析部13は、一定のフレーム間隔毎の各フレーム画像に対して、顔領域の各画素における各色(例:RGB(Red,Green,Blue))の輝度を検出する。つまり、解析部13は、所定の時間に亘り、上記輝度の時間的な変化を示す信号を検出する。そして、解析部13は、当該信号に対して公知の数学的処理を施すことにより、脈波を算出する。
【0037】
また、上述のように、解析部13は、公知の手法を用いて脈波をさらに解析することにより、第2生体情報を取得してもよい。一例として、第2生体情報は、心拍数、血圧、およびストレスレベルのいずれかであってよい。この場合、脈波(第1生体情報)は、心拍数、血圧、およびストレスレベルの少なくとも1つに関わる情報(生体情報)であると理解されてよい。
【0038】
(1):例えば、解析部13は、脈波のピークの数をカウントし、当該ピークの数を心拍数として算出できる。
【0039】
(2):あるいは、解析部13は、脈波に2回の時間微分を施して、加速度脈波を算出してもよい。この場合、解析部13は、加速度脈波から公知の特徴量(例:振幅)を取得し、当該特徴量に基づいて血圧を算出できる。
【0040】
(3):あるいは、解析部13は、ユーザUの少なくとも2つの部位から脈波を取得してよい。解析部13は、各部位間の脈波の時間差(脈波伝搬時間)を算出してもよい。この場合、解析部13は、脈波伝搬時間と血圧との関係性を示す既知のデータ(例:計算式)に基づいて、血圧を算出できる。
【0041】
なお、各部位間の距離が既知である場合には、解析部13は、各部位間に脈波が伝わる速度(脈波伝搬速度)を算出してもよい。この場合、解析部13は、脈波伝搬速度と血圧との関係性を示す既知のデータ(例:計算式)に基づいて、血圧を算出できる。
【0042】
(4):あるいは、解析部13は、ある脈波から次の脈波までの時間間隔にFFT(Fast Fourier Transformation,高速フーリエ変換)を施して、パワースペクトルを算出してもよい。そして、解析部13は、公知の手法を用いて当該パワースペクトルを解析することにより、ストレスレベルを算出できる。一般的に、パワースペクトルにおける、低周波成分(約10秒の周期の血圧変化に起因する成分)および高周波成分(約3〜4秒の周期の呼吸に起因する成分)は、ストレスレベルと密接な関係があることが知られているためである。
【0043】
なお、実施形態1における「ストレス」とは、交感神経および副交感神経の活性のバランスを意味する。具体的には、交感神経が副交感神経に比べて活性状態である場合を、「ストレス状態」と称する。他方、副交感神経が交感神経に比べて活性状態である場合を、「リラックス状態」と称する。
【0044】
一例として、解析部13は、パワースペクトルにおいて、0.04Hz〜0.15Hzの周波数領域における積分値LF(低周波領域の積分値)を算出する。LFは、交感神経の活性度を示す指標である。また、解析部13は、パワースペクトルにおいて、0.15〜0.4Hzの周波数領域における積分値HF(高周波領域の積分値)を算出する。HFは、副交感神経の活性度を示す指標である。
【0045】
そして、解析部13は、LF/HFの値をストレスレベルとして算出してよい。LF/HFの値(ストレスレベル)が小さい(低い)ことは、ユーザUがリラックス状態にあることを示す。他方、当該LF/HFの値が大きい(高い)ことは、ユーザUがストレス状態にあることを示す。
【0046】
(発話および生体情報の測定のタイミングの一例)
図2の(a)および(b)はそれぞれ、は、生体情報測定装置1における、発話部50による発話および測定部51による生体情報の測定のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。まず、
図2の(a)の例について説明する。
図2の(b)の例については後述する。なお、
図2のtは、時刻(時点)を表す記号である。
【0047】
図2の(a)に示されるように、発話制御部11は、(i)発話部50による発話の開始時刻を時刻ta1に、(ii)当該発話部50による発話の終了時刻を時刻ta2に、それぞれ設定する。以降、時刻ta1を、発話開始時刻(発話開始時点,注意喚起開始時点,聴覚的注意喚起開始時点)とも称する。また、時刻ta2を、発話終了時刻(発話終了時点,注意喚起終了時点,聴覚的注意喚起終了時点)とも称する。
【0048】
また、測定制御部12は、(i)測定部51による測定(生体情報の測定)の開始時刻を時刻tm1に、(ii)当該測定部51による測定の終了時刻を時刻tm2に、それぞれ設定する。以降、時刻tm1を、測定開始時刻(測定開始時点,取得開始時点)とも称する。また、時刻tm2を、測定終了時刻(測定終了時点,取得終了時点)とも称する。測定開始時刻tm1は、生体情報取得部がユーザUの生体情報の取得を開始する時刻と理解されてよい。同様に、測定終了時刻tm2は、生体情報取得部がユーザUの生体情報の取得を終了する時刻と理解されてよい。
【0049】
さらに、測定制御部12は、測定開始時刻tm1を、発話開始時刻ta1を基準とする所定の時間範囲内に設定する。また、測定制御部12は、当該測定開始時刻tm1を、発話終了時刻ta2よりも前の時刻に設定する。
【0050】
具体的には、
図2の(a)に示されるように、測定制御部12は、以下の式(1)および(2)、すなわち、
tla≦tm1≦tua …(1)
tm1<ta2 …(2)
の関係が満たされるように、測定開始時刻tm1を設定する。
【0051】
なお、式(1)において、tla=ta1−α1である。tlaは、発話開始基準下限時刻(発話開始基準下限時点)と称されてもよい。また、tua=ta1+α2である。tuaは、発話開始基準上限時刻(発話開始基準上限時点)と称されてもよい。
【0052】
なお、本開示の一態様に係る生体情報測定装置では、測定開始時刻tm1は、上述の式(1)を満たすように設定されていればよい。つまり、本開示の一態様に係る生体情報測定装置において、式(2)は必須の条件ではないことに留意されたい。但し、後述するように、測定精度の向上の観点からは、測定開始時刻tm1は、式(2)をも満たすように設定されることが好ましい。実施形態1では、測定開始時刻tm1が、式(1)および(2)の両方を満たすように設定される場合を例示して説明を行う。
【0053】
生体情報測定装置1において、式(1)におけるα1およびα2の値は、あらかじめ設定されていてよい。測定制御部12は、設定されたα1およびα2の値を用いて、発話開始時刻ta1を基準として、tlaおよびtuaを設定する。なお、α2の値は、上述の式(2)を考慮し、tua<ta2となるように設定される必要がある。
【0054】
実施形態1では、簡単のために、α1=α2=Tである場合を例示する。つまり、実施形態1において、測定制御部12は、発話開始時刻ta1から±Tの時間範囲内に、測定開始時刻tm1を設定する。
【0055】
なお、
図2の(a)の例では、ta1<tm1であるように、測定開始時刻tm1が設定されている。また、ta2<tm2であるように、測定終了時刻tm2が設定されている。つまり、生体情報測定装置1において、(i)発話部50に発話を開始させた後に、測定部51に測定を開始させ、かつ、(ii)発話部50に発話を終了させた後に、測定部51に測定を終了させる場合が例示されている。
【0056】
(生体情報測定装置1における生体情報の測定の処理の流れ)
図3は、生体情報測定装置1における生体情報の測定の処理S1〜S4(制御工程)の流れを例示するフローチャートである。
図3では、上述の
図2の(a)の通り、ta1<tm1であり、かつ、ta2<tm2であるように、測定開始時刻tm1および測定終了時刻tm2が設定された場合の処理の流れが例示されている。
【0057】
まず、発話制御部11は、発話開始時刻ta1に、発話部50に発話を開始させる(S1)。続いて、測定制御部12は、測定開始時刻tm1に、測定部51に測定を開始させる(S2)。
【0058】
その後、発話制御部11は、発話終了時刻ta2に、発話部50に発話を終了させる(S3)。続いて、測定制御部12は、測定終了時刻tm2に、測定部51に測定を終了させる(S4)。
【0059】
(発話および生体情報の測定のタイミングの別の例)
なお、発話部50による発話および測定部51による生体情報の測定のタイミングは、上述の
図2の(a)の例に限定されない。
図4の(a)〜(c)はそれぞれ、当該タイミングの別の例を示すタイミングチャートである。
【0060】
(1):上述の
図2の(a)では、ta1<tm1であるように、測定開始時刻tm1が設定されていた。但し、測定開始時刻tm1は、上述の式(1)および(2)が満たされるように設定されていればよい。従って、
図4の(a)に示されるように、tm1<ta1であるように、測定開始時刻tm1が設定されていてもよい。つまり、測定部51に測定を開始させた後に、発話部50に発話を開始させてもよい。
【0061】
(2):また、上述の
図2の(a)では、ta2<tm2であるように、測定終了時刻tm2が設定されていた。但し、
図4の(b)に示されるように、tm2<ta2であるように、測定終了時刻tm2が設定されてもよい。つまり、測定部51に測定を終了させた後に、発話部50に発話を終了させてもよい。
【0062】
(3):また、上述の
図2の(a)では、ta1≦t≦ta2の時間範囲(発話時間帯)に亘って、発話制御部11が発話部50に連続的に発話を行わせている場合が例示されていた。但し、
図4の(c)に示されるように、発話時間帯において、発話制御部11は、発話部50に断続的に発話を行わせてもよい。
【0063】
つまり、発話時間帯には、発話部50による発話(音声出力)が一時的に停止される時間(無音時間)が含まれていてもよい。当該無音時間は、ユーザUが発話部50の発話から注意をそらさない程度の短さであればよい。当該構成によれば、発話時間帯に無音時間が含まれている場合であっても、発話時間帯に亘って、発話部50の発話によってユーザUに注意を払わせることができる。なお、
図4の(a)〜(c)を参照して説明した上述の事項(1)〜(3)は、以下に述べる各実施形態および各変形例の注意喚起部についても同様である。
【0064】
(発話および生体情報の測定のタイミングのさらに別の例)
図2の(b)は、発話部50による発話および測定部51による生体情報の測定のタイミングのさらに別の例を示すタイミングチャートである。
【0065】
図2の(b)の例では、発話時間帯には、測定の開始(生体情報の取得の開始)をユーザUに認識(意識)させる発話(取得発話)(例:「今から測定を開始します」)を、発話部50に行わせる時間帯(取得発話時間帯)が含まれている。取得発話時間帯の開始時刻(取得発話開始時点)をtr1、終了時刻(取得発話終了時点)をtr2とする。
【0066】
取得発話時間帯の前には、発話部50は、ユーザUに測定の準備を促す発話(準備発話)(例:「これから健康状態の測定を行います。準備はよろしいでしょうか?」)を行う。このように、発話部50に、取得発話に先立って準備発話を行わせた場合、ユーザUは時刻tr1が到来するまで、測定は開始されていないものと考える。
【0067】
そこで、
図2の(b)の例では、測定開始時刻tm1は、tr1よりも前の時刻に設定されている。これにより、tm1からtr1までの期間は、ユーザUは測定をあまり意識していない準自然状態となる。それゆえ、測定部51は、準自然状態にあるユーザUの生体情報を好適に取得できる。以上のように、発話部50が生体情報の測定をユーザUに意識させる発話を行う場合にも、準自然状態にあるユーザUの生体情報を取得することが可能である。
【0068】
但し、測定開始時刻tm1を、tr1よりも後の時刻に設定した場合にも、測定部51によって、準自然状態にあるユーザUの生体情報を取得することは可能である。ユーザUは、取得発話が開始されてから、(i)取得発話の全体(例:「今から測定を開始します」)、または、(ii)当該取得発話に含まれる特定の単語(例:「今」または「測定」)を認識するまでは、測定をあまり意識しない準自然状態にあることも考えられるためである。
【0069】
従って、例えば、測定開始時刻tm1は、tr1よりも後かつtr2よりも前の時刻に設定されていてもよい。この場合、ユーザUが取得発話の全体を認識する前に、当該ユーザUに対する測定を開始できる。それゆえ、準自然状態にあるユーザUの生体情報を取得できる。
【0070】
(生体情報測定装置1の効果)
上述のように、生体情報測定装置1では、測定開始時刻tm1は、発話開始時刻ta1を基準とする所定の時間範囲内に(つまり、上述の式(1)を満たすように)設定されている。
【0071】
このため、例えば、上述の
図4の(a)の場合(tm1<ta1の場合)には、ユーザUが発話部50から発せられた音声を聞く前に、測定部51によって生体情報の測定を開始できる。つまり、ユーザUが自然な状態にある時点(ユーザUが測定を意識していない時点)から、生体情報の測定を開始できる。
【0072】
その後、発話部50に発話を開始させることにより、ユーザUは準自然状態へと移行する。そして、発話部50の発話によって、生体情報の測定中にユーザUに注意を払わせ、当該測定中におけるユーザUの体動を低減できる。
【0073】
具体的には、ユーザUが発話部50の発話開始を認識すると、ユーザUは身体を発話部50の方向に向け、発話部50の以降の発話を聞くことに意識を集中させる。このため、上述の発話時間帯に亘り、ユーザUの体動が低減される。このように、測定中におけるユーザUの体動を低減することにより、生体情報の測定誤差を低減できる。それゆえ、準自然状態にあるユーザUの生体情報を高精度に測定することが可能となる。
【0074】
また、上述の
図2の(a)等の場合(ta1<tm1の場合)には、発話部50の発話の開始後に、測定部51によって生体情報の測定を開始できる。つまり、ユーザUを準自然状態に移行させた後の比較的短時間の時点(ユーザUが測定をあまり意識していない時点)から、生体情報の測定を開始できる。
【0075】
この場合にも、上述のように、発話部50の発話によって、生体情報の測定中にユーザUに注意を払わせ、生体情報の測定誤差を低減できる。それゆえ、準自然状態にあるユーザUの生体情報を高精度に測定することが可能となる。
【0076】
また、生体情報測定装置1では、測定開始時刻tm1が、発話終了時刻ta2よりも前の時刻に(つまり、上述の式(2)を満たすように)設定されていることにより、発話部50の発話の終了前に、測定部51によって生体情報の測定を開始できる。このため、ユーザUに注意を払わせている状態のもとで、測定部51によって生体情報の測定を開始できる。それゆえ、ユーザUの体動をより確実に低減できるため、上記測定誤差をさらに効果的に低減できる。
【0077】
但し、測定開始時刻tm1は、発話終了時刻ta2よりも後の時刻に設定されていてもよいことに留意されたい。一例として、発話終了時刻ta2と測定開始時刻tm1との時間差が比較的小さければ、上記と同様の効果を得ることができるためである。
【0078】
なお、より自然な状態にあるユーザUの生体情報を測定する観点からは、上述の
図4の(a)に示されるように、tm1<ta1であるように、測定開始時刻tm1を設定することが好ましい。上述のように、発話部50の発話によってユーザUに注意を払わせる前に、生体情報の測定を開始できるためである。
【0079】
また、測定部51の測定時間(測定開始時刻tm1から測定終了時刻tm2までの時間)が比較的長い場合にも、上記のように測定開始時刻tm1を設定することが好ましい。当該測定時間が長い場合には、ユーザUに測定を意識させない時間帯を設けることが好ましいと考えられるためである。また、上述の発話時間帯を短く設定することが望ましい場合にも、上記のように測定開始時刻tm1を設定することが好ましい。
【0080】
他方、ユーザUの体動に起因する測定誤差をより効果的に低減する観点からは、上述の
図2の(a)等に示されるように、ta1<tm1であるように、測定開始時刻tm1を設定することが好ましい。上述のように、発話部50の発話によってユーザUに注意を払わせている状態のもとで、生体情報の測定を開始できるためである。また、発話部50の発話の開始後という一定の条件下において生体情報を測定できるため、より安定した生体情報の測定結果を得ることもできる。
【0081】
上記の点を踏まえ、発話開始時刻ta1と測定開始時刻tm1との大小関係(前後関係)をいずれに設定するかは、生体情報測定装置1の使用態様に応じて、測定制御部12において適宜決定されてよい。
【0082】
また、ユーザUの体動に起因する測定誤差をさらに効果的に低減する観点からは、上述の
図4の(b)に示されるように、tm2<ta2であるように、測定終了時刻tm2が設定されてもよい。当該構成によれば、測定終了時刻tm2まで、発話部50の発話によって、生体情報の測定中にユーザUに注意を払わせることができる。このため、ユーザUの体動をより確実に低減できるため、上記測定誤差をさらに効果的に低減できる。
【0083】
〔変形例〕
(1):上述の実施形態1では、測定部51が撮像装置である場合を例示した。但し、ユーザUを非接触的に測定可能な測定部51は、撮像装置に限定されない。測定部51は、解析部13の解析対象となる測定結果を、当該解析部13に供給できるものであればよい。
【0084】
一例として、ユーザUの体表面の振動を非接触的に測定するセンサを、測定部51として用いることができる。具体的には、測定部51は、ドップラー効果を利用してユーザUの体表面の振動を測定するマイクロ波センサまたはミリ波レーダであってもよい。この場合、解析部13は、ユーザUの体表面の振動を解析することにより、心拍数または呼吸数等の生体情報を取得できる。
【0085】
(2):さらに、測定部51として、接触式の測定装置を用いることもできる。つまり、測定部51は、ユーザUを接触的に測定してもよい。一例として、測定部51は、ユーザUが常時装着可能な測定装置であってよい。当該測定装置の例としては、(i)腕時計型の測定装置、または、(ii)ユーザUの所定の部位(例:胸)に貼り付け可能な測定装置が挙げられる。ユーザUが当該測定装置を常時装着している場合には、当該ユーザUに測定をあまり意識させないことができる。
【0086】
あるいは、シート状のセンサを、接触式の測定装置として用いることもできる。シート状のセンサを用いた場合、ユーザUが当該センサの上に座った状態または寝た状態のままで、測定を行うことができる。このため、ユーザUに測定をあまり意識させないことができる。
【0087】
このように、測定部51によってユーザUを接触的に測定する場合にも、測定方法次第では、当該ユーザUに測定をあまり意識させないことが可能である。それゆえ、生体情報測定装置1によれば、ユーザUを接触的に測定する場合にも、当該ユーザUを非接触的に測定する場合と同様に、準自然状態にあるユーザUの生体情報を取得できる。
【0088】
(3):上述の実施形態1では、聴覚的注意喚起部の一例として発話部50を例示したが、当該聴覚的注意喚起部は発話部50のみに限定されない。つまり、ユーザUに聴覚的に注意を払わせる方法は、発話のみに限定されない。
【0089】
例えば、聴覚的注意喚起部は、所定の音声データを再生し、効果音または音楽等の音声を出力してもよい。このように、聴覚的注意喚起部は、上述の注意喚起動作として、ユーザUに聴覚的に注意を払わせる所定の動作(例:音声の出力)を行うものであればよい。
【0090】
但し、ユーザUの体動に起因する測定誤差をさらに効果的に低減する観点からは、聴覚的注意喚起部に発話部50を含めることが好ましい。ユーザUが発話部50を聞いた場合には、発話部50の発話内容を理解することに意識を向けると考えられる。このため、ユーザUに効果音または音楽等の音声を聞かせた場合に比べて、ユーザUにより効果的に注意を払わせることができるので、当該ユーザUの体動をより効果的に低減できる。
【0091】
〔実施形態2〕
実施形態2について、
図5〜
図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0092】
図5は、実施形態2の生体情報測定装置2の要部の構成を示す機能ブロック図である。生体情報測定装置2は、実施形態1の生体情報測定装置1において、(i)制御部10を制御部20(制御装置)に、(ii)発話部50を動作部53(注意喚起部,視覚的注意喚起部)に、それぞれ置き換えた構成である。また、制御部20は、制御部10において、(i)測定制御部12を測定制御部22に、(ii)発話制御部11を動作制御部21に、それぞれ置き換えた構成である。
【0093】
動作部53は、上述の注意喚起動作として、所定の動作(動き、運動)を行う。つまり、動作部53は、注意喚起のための運動を行う。実施形態2では、生体情報測定装置2がロボットに設けられている場合を考える。この場合、動作部53は、不図示の駆動部(例:アクチュエータまたはサーボモータ)によって駆動される、ロボットのパーツ(筐体)の少なくとも一部であってよい。
【0094】
動作部53は、生体情報の測定時に、上記動作によってユーザUに視覚的に注意を払わせる注意喚起部(視覚的注意喚起部)としての役割を果たす。つまり、動作部53は、実施形態1の発話部50(聴覚的注意喚起部)とは異なる態様の注意喚起動作によって、ユーザUに注意を払わせる。
【0095】
なお、発話部50と同様に、準自然状態にあるユーザの生体情報を測定するためには、動作部53の注意喚起動作もまた、生体情報の測定をユーザUに極力意識させない(示唆しない)ものであることが好ましい。一例として、当該注意喚起動作は、ロボットに所定のジェスチャを取らせる動きであってよい。当該注意喚起動作によれば、ユーザUに、ロボットのジェスチャを見ることに意識を向けさせることができる。
【0096】
動作制御部21は、動作部53の動作を制御する。一例として、動作制御部21は、上記駆動部を制御することにより、動作部53の動作を制御してよい。動作制御部21は、動作部53の動作の開始および終了のタイミングを、それぞれ設定する。以下、各タイミングについてより具体的に述べる。
【0097】
(動作部の動作および生体情報の測定のタイミングの一例)
図6は、生体情報測定装置2における、動作部53の動作および測定部51による生体情報の測定のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図6に示されるように、動作制御部21は、(i)動作部53の動作の開始時刻を時刻tb1に、(ii)当該動作部53の動作の終了時刻を時刻tb2に、それぞれ設定する。以降、時刻tb1を、動作開始時刻(動作開始時点,注意喚起開始時点,視覚的注意喚起開始時点)とも称する。また、時刻tb2を、動作終了時刻(動作終了時点,注意喚起終了時点,視覚的注意喚起終了時点)とも称する。
【0098】
測定制御部22は、測定開始時刻tm1を、動作開始時刻tb1を基準とする所定の時間範囲内に設定する。また、測定制御部22は、当該測定開始時刻tm1を、動作終了時刻tb2よりも前の時刻に設定する。具体的には、
図6に示されるように、測定制御部22は、以下の式(3)および(4)、すなわち、
tlb≦tm1≦tub …(3)
tm1<tb2 …(4)
の関係が満たされるように、測定開始時刻tm1を設定する。
【0099】
式(3)において、tlb=tb1−β1である。tlbは、動作開始基準下限時刻(動作開始基準下限時点)と称されてもよい。また、tub=tb1+β2である。tubは、動作開始基準上限時刻(動作開始基準上限時点)と称されてもよい。
【0100】
なお、実施形態1において上述した式(2)と同様に、実施形態2の式(4)もまた、本開示の一態様に係る生体情報測定装置における必須の条件ではないことに留意されたい。実施形態2では、測定開始時刻tm1が、式(3)および(4)の両方を満たすように設定される場合を例示して説明を行う。
【0101】
生体情報測定装置2において、式(3)のβ1およびβ2の値は、上述の式(1)のα1およびα2の値と同様に、あらかじめ設定されていてよい。測定制御部22は、設定されたβ1およびβ2の値を用いて、動作開始時刻tb1を基準として、tlbおよびtubを設定する。なお、β2の値は、上述の式(4)を考慮し、tub<tb2となるように設定される必要がある。
【0102】
実施形態2では、簡単のために、β1=β2=T2である場合を例示する。つまり、実施形態2において、測定制御部22は、動作開始時刻tb1から±T2の時間範囲内に、測定開始時刻tm1を設定する。
【0103】
なお、
図6の例では、tb1<tm1であるように、測定開始時刻tm1が設定されている。また、tb2<tm2であるように、測定終了時刻tm2が設定されている。つまり、生体情報測定装置2において、(i)動作部53に動作を開始させた後に、測定部51に測定を開始させ、かつ、(ii)動作部53に動作を終了させた後に、測定部51に測定を終了させる場合が例示されている。
【0104】
但し、上述の実施形態1と同様に、動作部53による動作および測定部51による生体情報の測定のタイミングは、
図6の例に限定されない。実施形態2において、測定開始時刻tm1は、上述の式(3)および(4)が満たされるように設定されていればよい。
【0105】
(生体情報測定装置2における生体情報の測定の処理の流れ)
図7は、生体情報測定装置2における生体情報の測定の処理S11〜S14(制御工程)の流れを例示するフローチャートである。
図7では、上述の
図6の通り、tb1<tm1であり、かつ、tb2<tm2であるように、測定開始時刻tm1および測定終了時刻tm2が設定された場合の処理の流れが例示されている。
【0106】
なお、S12およびS14はそれぞれ、上述のS2およびS4と同様であるため、説明を省略する。
図7に示されるように、動作制御部21は、動作開始時刻tb1に、動作部53に動作を開始させる(S11)。そして、S12の後、動作制御部21は、動作終了時刻tb2に、動作部53に動作を終了させる(S13)。
【0107】
以上のように、生体情報測定装置2では、上述の発話部50(聴覚的注意喚起部)に替えて、動作部53(視覚的注意喚起部)によって、ユーザUに注意を払わせている。生体情報測定装置2によっても、上述の実施形態1と同様の効果を奏する。
【0108】
〔変形例〕
(1):上述の実施形態2では、視覚的注意喚起部の一例として動作部53を例示したが、当該視覚的注意喚起部は動作部53のみに限定されない。つまり、ユーザUに視覚的に注意を払わせる方法は、機械的なパーツを運動させることのみに限定されない。視覚的注意喚起部は、上述の注意喚起動作として、ユーザUに視覚的に注意を払わせる所定の動作を行うものであればよい。
【0109】
例えば、生体情報測定装置2にLED(Light Emitting Diode,発光ダイオード)等の光源を設け、当該光源を視覚的注意喚起部として用いてもよい。この場合、光源の点滅によって、ユーザUに視覚的に注意を払わせることができる。あるいは、表示部52を視覚的注意喚起部として用いてもよい。この場合、表示部52に所定の動画像を表示させることにより、ユーザUに視覚的に注意を払わせることができる。
【0110】
(2):また、本開示の一態様に係る注意喚起部は、聴覚的注意喚起部または視覚的注意喚起部のみに限定されない。例えば、注意喚起部は、ユーザUに嗅覚的に注意を払わせる嗅覚的注意喚起部であってもよい。一例として、生体情報測定装置2に、所定の匂いのガスを発生させるアロマ発生器(匂い発生器)を設けてもよい。この場合、当該アロマ発生器を、注意喚起動作(上記匂いの発生)を行う嗅覚的注意喚起部として利用できる。
【0111】
以上のように、本開示の一態様に係る注意喚起部は、注意喚起動作(注意喚起)によってユーザUに注意を払わせることができるものであればよく、注意喚起動作の態様は特に限定されない。また、上述した個々の注意喚起部(例:聴覚的注意喚起部、視覚的注意喚起部、または嗅覚的注意喚起部)を組み合わせて、全体として1つの注意喚起部を構成してもよい。つまり、本開示の一態様に係る注意喚起部は、上述した個々の注意喚起部の少なくとも1つを含んでいてよい。以下の実施形態3では、その一例について述べる。
【0112】
〔実施形態3〕
実施形態3について、
図8および
図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図8は、実施形態3の生体情報測定装置3の要部の構成を示す機能ブロック図である。生体情報測定装置3は、実施形態1の生体情報測定装置1において、(i)制御部10を制御部30(制御装置)に置き換えるとともに、(ii)実施形態2の動作部53を付加した構成である。
【0113】
また、制御部30は、制御部10において、(i)測定制御部12を測定制御部32に置き換えるとともに、(ii)実施形態2の動作制御部21を付加した構成である。このように、生体情報測定装置3は、生体情報測定装置1の構成と生体情報測定装置2の構成とを組み合わせたものである。つまり、生体情報測定装置3では、発話部50と動作部53とを組み合わせて、注意喚起部が構成されている。
【0114】
(動作部の動作、発話、および生体情報の測定のタイミングの一例)
図9は、生体情報測定装置3における、動作部53の動作、発話部50による発話、および、測定部51による生体情報の測定のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。測定制御部32は、上述の式(1)〜(4)の関係が満たされるように、測定開始時刻tm1を設定する。
【0115】
なお、
図9の例では、tb1<ta1<tm1であるように、測定開始時刻tm1が設定されている。また、tb2<ta2<tm2であるように、測定終了時刻tm2が設定されている。つまり、生体情報測定装置3において、(i)動作部53→発話部50→測定部51の順に動作を開始させ、かつ、(ii)動作部53→発話部50→測定部51の順に動作を終了させる場合が例示されている。
【0116】
但し、上述のように、動作部53による動作、発話部50による発話、および測定部51による生体情報の測定のタイミングは、
図9の例に限定されない。実施形態3において、測定開始時刻tm1は、上述の式(1)〜(4)が満たされるように設定されていればよい。
【0117】
なお、
図9の例において、動作開始時刻tb1は、実施形態3の注意喚起部(発話部50と動作部53とを組み合わせた注意喚起部)において、注意喚起動作が開始される最も早い時刻である。このため、動作開始時刻tb1を、当該注意喚起部の注意喚起開始時点と見なすことができる。また、発話終了時刻ta2は、当該注意喚起部において、注意喚起動作が終了する最も遅い時刻である。このため、発話終了時刻ta2を、当該注意喚起部の注意喚起終了時点と見なすことができる。
【0118】
以上のように、生体情報測定装置3では、発話部50と動作部53とを組み合わせた注意喚起部によって、ユーザUに聴覚的かつ視覚的に注意を払わせている。それゆえ、ユーザUにより確実に注意を払わせることができる。
【0119】
(発話開始時刻ta1と動作開始時刻tb1との関係)
上述の
図9の例では、tb1<ta1として、発話部50による発話の開始に先立ち、動作部53に動作を開始させている。この場合、まず動作部53の動作によってユーザに視覚的に注意を払わせて、ユーザUを生体情報測定装置3に向かわせることができる。続いて、発話部50による発話によって、ユーザUにさらに注意を払わせることができる。
【0120】
一例として、発話部50の発話の態様によっては、ユーザUが発話音声の発生源の位置および方向を速やかに認知することが難しい場合も考えられる。このような場合には、
図9の例のように、tb1<ta1として設定することが好ましいと言える。
【0121】
但し、ta1<tb1として、動作部53の動作に先立ち、発話部50による発話を開始させてもよい。この場合には、発話部50による発話の開始を契機として、ユーザUに周囲を視覚的に探索させることができる。続いて、動作部53の動作によって、ユーザUを生体情報測定装置3により確実に向かわせることができる。
【0122】
〔実施形態4〕
実施形態4について、
図9〜
図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図9は、実施形態4の生体情報測定装置4の要部の構成を示す機能ブロック図である。生体情報測定装置4は、実施形態1の生体情報測定装置1において、(i)制御部10を制御部40(制御装置)に置き換えるとともに、(ii)サブカメラ54(体動取得部)を付加した構成である。
【0123】
また、制御部40は、制御部10において、(i)測定制御部12を測定制御部42に置き換えるとともに、(ii)体動検出部44(体動取得部)を付加した構成である。また、測定制御部42は、判定部420をさらに備えている点において、測定制御部12とは異なる。
【0124】
サブカメラ54は、測定部51(撮像装置)とは別体の撮像装置である。サブカメラ54は、ユーザUを拘束することなく、ユーザUの身体の全体を撮像して動画像を得る。サブカメラ54は、当該像画像を検出結果として体動検出部44に与える。なお、便宜上、サブカメラ54による動画像の撮像を、「体動の検出」とも称する。サブカメラ54の動作(より具体的には、撮像の開始および終了のタイミング)は、制御部40によって制御される。例えば、サブカメラ54の動作は、測定制御部42によって制御されてよい。
【0125】
体動検出部44は、サブカメラ54から取得した検出結果(動画像)を解析することにより、ユーザUの体動の大きさを検出(算出)する。なお、体動検出部44とサブカメラ54とを、総称的に体動取得部(ユーザUの体動の大きさを取得する機能部)と称してもよい。実施形態4では、体動検出部44とサブカメラ54とが別体の機能部として設けられている場合が例示されている。但し、後述するように、体動取得部は一体の機能部として設けられてもよい。
【0126】
一例として、体動検出部44は、公知の動き検出アルゴリズムを用いて上記動画像を解析し、ユーザUの体動の大きさを示す物理量を算出してよい。なお、ユーザUの体動の大きさを示す物理量の一例としては、変位、速度、加速度、および角速度等が挙げられる。実施形態4では、ユーザUの体動の大きさを示す物理量が、ユーザUの変位である場合を例示する。以下、体動検出部44が検出したユーザUの変位を、変位Duとして表す。
【0127】
判定部420は、体動検出部44から変位Duを取得し、当該変位Duと所定の閾値DTとの大小を比較する。つまり、判定部420は、Du<DTであるか否かを判定する。このように、判定部420は、ユーザUの体動の大きさが、所定の大きさよりも小さいか否かを判定する。なお、閾値DTは、所定の大きさのユーザの体動を示す物理量であり、判定部420において適宜設定されてよい。
【0128】
判定部420は、Du<DTである場合(ユーザUの体動の大きさが所定の大きさよりも小さい場合:以下、測定許可条件とも称する)に、測定部51に測定を許可する。つまり、判定部420は、測定許可条件が満たされている場合に、生体情報取得部に生体情報の取得を許可する。
【0129】
他方、判定部420は、Du≧DTである場合(ユーザUの体動の大きさが所定の大きさ以上である場合:以下、測定不許可条件とも称する)には、測定部51に測定を許可しない。つまり、判定部420は、測定不許可条件が満たされている場合には、生体情報取得部に生体情報の取得を許可しない。以下、判定部420の動作の具体例について述べる。
【0130】
(体動の検出、発話および生体情報の測定のタイミングの一例)
図11は、生体情報測定装置4における、サブカメラ54による体動の検出(動画像の撮像)、発話部50による発話、および測定部51による生体情報の測定のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【0131】
図11に示されるように、測定制御部42は、(i)サブカメラ54による体動の検出の開始時刻を時刻tc1に、(ii)当該サブカメラ54による体動の検出の終了時刻を時刻tc2に、それぞれ設定する。以降、時刻tc1を、体動検出開始時刻(または体動検出開始時点)とも称する。また、時刻tc2を、体動検出終了時刻(または体動検出終了時点)とも称する。
【0132】
なお、
図11の例では、tc1<ta1<tm1であるように、体動検出開始時刻tc1が設定されている。また、ta2<tm2<tc2であるように、体動検出終了時刻tc2が設定されている。つまり、生体情報測定装置4において、(i)発話開始時刻ta1および測定開始時刻tm1に先立ち、サブカメラ54による体動の検出を開始させ、かつ、(ii)発話終了時刻ta2および測定終了時刻tm2の後に、サブカメラ54による体動の検出を終了させる場合が例示されている。以下、
図11の例における生体情報測定装置4の動作の一例について述べる。
【0133】
体動検出部44は、tc1≦t≦tc2の時間範囲(体動検出時間帯)に亘って、サブカメラ54から取得した動画像に基づいて、ユーザUの変位Duを算出する。そして、判定部420は、当該体動検出時間帯に亘って、体動検出部44から変位Duを取得し、測定許可条件(Du<DT)または測定不許可条件(Du≧DT)のいずれの条件が満たされているかを判定する。
【0134】
上述のように、判定部420は、測定許可条件が満たされている場合には、測定部51に測定を許可する。例えば、判定部420は、測定開始時刻tm1において、測定許可条件が満たされている場合には、測定部51に測定を開始させる。その後、判定部420は、tm1<t<tm2の時間範囲において、測定許可条件が満たされている場合には、測定部51に測定を継続させる。そして、判定部420は、測定終了時刻tm2において、測定部51に測定を終了させる。
【0135】
他方、判定部420は、測定不許可条件が満たされている場合には、測定部51に測定を許可しない。例えば、判定部420は、測定開始時刻tm1において、測定不許可条件が満たされている場合には、測定部51に測定を開始させない(測定部51の動作を停止させたままとする)。この場合、判定部420は、上述の測定許可条件が初めて満たされた時刻tにおいて、測定部51に測定を開始させる。
【0136】
また、測定部51が測定開始時刻tm1に測定を開始した場合(例:測定開始時刻tm1において測定許可条件が満たされていた場合)であっても、判定部420は、tm1<t<tm2の時間範囲において、測定不許可条件が満たされた場合には、測定許可条件が再び満たされるまで、測定部51の動作(測定)を停止させる。
【0137】
なお、生体情報測定装置4における、サブカメラ54による体動の検出、発話部50による発話、および測定部51による生体情報の測定のタイミングは、上述の
図11の例に限定されない。例えば、体動検出開始時刻tc1が、発話開始時刻ta1および測定開始時刻tm1の少なくとも一方の後に設定されてもよい。上述の通り、式(1)および(2)を満たすように測定開始時刻tm1が設定されている限り、各タイミングは任意に設定されてよい。
【0138】
(生体情報測定装置4の効果)
生体情報測定装置4によれば、上述の測定許可条件が満たされている場合(つまり、ユーザUの体動が比較的小さい場合)にのみ、測定部51に測定を許可できる。他方、上述の測定不許可条件が満たされている場合(つまり、ユーザUの体動が比較的大きい場合)には、測定部51に測定を許可しない。
【0139】
すなわち、ユーザUの体動に起因する測定誤差が比較的小さい場合にのみ、生体情報取得部に生体情報を取得させることができる。つまり、上記測定誤差が比較的大きくなる場合を除外して、選択的に生体情報を取得できる。それゆえ、生体情報をより高精度に測定することが可能となる。
【0140】
〔変形例〕
上述の実施形態4では、サブカメラ54が撮像した動画像を解析することにより、体動検出部44においてユーザUの体動の大きさを示す物理量を検出(算出)する例を説明したが、ユーザUの体動の大きさを検出する方法は、これに限定されない。例えば、当該物理量を検出するセンサを、体動取得部として用いてもよい。
【0141】
体動取得部として用いられるセンサは、例えば、変位センサ、速度センサ、加速度センサ、または角速度センサ等であってよい。当該センサは、接触式のセンサであってもよいし、非接触式のセンサであってもよい。但し、ユーザUに測定をあまり意識させないためには、非接触式のセンサを使用することが好ましい。
【0142】
〔ソフトウェアによる実現例〕
生体情報測定装置1〜4の制御ブロック(特に制御部10〜40)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0143】
後者の場合、生体情報測定装置1〜4は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本開示の一態様の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0144】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る生体情報測定装置(1)は、生体(ユーザU)を測定することにより、当該生体の生体情報を取得する生体情報取得部(測定部51,解析部13)と、上記生体に注意を払わせる注意喚起を行う注意喚起部(例:発話部50)と、上記生体情報取得部および上記注意喚起部を制御する制御部(例:測定制御部12,発話制御部11)と、を備えており、上記注意喚起部が上記注意喚起を開始する時点および終了する時点をそれぞれ、注意喚起開始時点(例:発話開始時刻ta1)および注意喚起終了時点(例:発話終了時刻ta2)として、上記生体情報取得部が上記生体情報の取得を開始する時点を取得開始時点(測定開始時刻tm1)として、上記制御部は、上記取得開始時点を、上記注意喚起開始時点を基準とする所定の時間範囲内に設定する。
【0145】
上記の構成によれば、上述のように、(i)生体が注意喚起部の注意喚起によって注意を払う前、または、(ii)生体が上記注意喚起によって注意を払ってから比較的短時間後から、生体情報取得部に生体情報の取得(測定)を開始させることができる。つまり、生体が自然な状態または上述の準自然状態にある時点から、生体情報の取得を開始できる。
【0146】
加えて、生体情報の取得時に、上記注意喚起によって生体に注意を払わせることにより、生体の体動を低減できる。このため、生体の体動に起因する測定誤差を低減できるので、準自然状態にある生体の生体情報をより高精度に測定できる。それゆえ、生体を測定した場合に、当該生体の生体情報を高精度に測定することが可能となる。なお、生体の測定は、非接触的に行われてもよいし、接触的に行われてもよい。
【0147】
本開示の態様2に係る生体情報測定装置では、上記態様1において、上記生体情報取得部は、上記生体を非接触的に測定することにより、上記生体情報を取得してよい。
【0148】
上記の構成によれば、準自然状態にある生体の生体情報の測定がより容易となる。
【0149】
本開示の態様3に係る生体情報測定装置では、上記態様1または2において、上記注意喚起部が、上記注意喚起として上記生体に聴覚的に注意を払わせる聴覚的注意喚起部(例:発話部50)を含んでいてもよい。
【0150】
上記の構成によれば、生体に聴覚的に注意を払わせることが可能となる。
【0151】
本開示の態様4に係る生体情報測定装置では、上記態様3において、上記聴覚的注意喚起部が、上記注意喚起として発話を行う発話部(50)を含んでいることが好ましい。
【0152】
上記の構成によれば、発話によって生体により効果的に注意を払わせることができるので、当該生体の体動をさらに効果的に低減することが可能となる。
【0153】
本開示の態様5に係る生体情報測定装置では、上記態様4において、上記発話部が、上記生体に対して、上記生体情報の取得の開始を認識させる発話を開始する時点を取得発話開始時点(tr1)として、上記取得開始時点は、上記取得発話開始時点よりも前の時点であってよい。
【0154】
上記の構成によれば、発話部が生体情報の測定を生体に意識させる発話を行う場合であっても、準自然状態にあるユーザUの生体情報を好適に測定できる。
【0155】
本開示の態様6に係る生体情報測定装置では、上記態様1から5のいずれか1つにおいて、上記注意喚起部は、上記注意喚起として上記生体に視覚的に注意を払わせる視覚的注意喚起部(例:動作部53)を含んでいてもよい。
【0156】
上記の構成によれば、生体に視覚的に注意を払わせることが可能となる。
【0157】
本開示の態様7に係る生体情報測定装置では、上記態様6において、上記視覚的注意喚起部は、注意喚起のための運動を行う動作部(53)を含んでいてもよい。
【0158】
上記の構成によれば、上記運動によって生体に視覚的に注意を払わせることが可能となる。
【0159】
本開示の態様8に係る生体情報測定装置は、上記態様1から7のいずれか1つにおいて、上記生体の体動の大きさを取得する体動取得部(体動検出部44,サブカメラ54)をさらに備えており、上記制御部(判定部420)は、上記体動取得部が取得した上記体動の大きさが、所定の大きさよりも小さい場合に、上記生体情報取得部に上記生体情報の取得を許可することが好ましい。
【0160】
上記の構成によれば、生体の体動が比較的小さい場合(つまり、当該体動に起因する測定誤差が比較的小さい場合)にのみ、生体情報取得部に生体情報を取得させることができる。それゆえ、生体情報をより高精度に測定することが可能となる。
【0161】
本開示の態様9に係る生体情報測定装置では、上記態様1から8のいずれか1つにおいて、上記取得開始時点が、上記注意喚起終了時点よりも前の時点であってもよい。
【0162】
上記の構成によれば、注意喚起によって生体に注意を払わせている状態のもとで、生体情報の取得を開始できるので、当該生体の体動をより効果的に低減することが可能となる。
【0163】
本開示の態様10に係る生体情報測定装置では、上記態様1から9のいずれか1つにおいて、上記取得開始時点が、上記注意喚起開始時点よりも前の時点であってもよい。
【0164】
上記の構成によれば、注意喚起によって生体に注意を払わせる前に、生体情報の取得を開始できるので、より自然な状態にある生体の生体情報を取得することが可能となる。
【0165】
本開示の態様11に係る生体情報測定装置では、上記態様1から9のいずれか1つにおいて、上記取得開始時点が、上記注意喚起開始時点よりも後の時点であってもよい。
【0166】
上記の構成によっても、注意喚起によって生体に注意を払わせている状態のもとで、生体情報の取得を開始できるので、当該生体の体動をより効果的に低減することが可能となる。
【0167】
本開示の態様12に係る生体情報測定装置では、上記態様1から11のいずれか1つにおいて、上記生体情報取得部が上記生体情報の取得を終了する時点を取得終了時点(測定終了時刻tm2)として、上記制御部は、上記取得終了時点を、上記注意喚起終了時点よりも前の時点に設定してもよい。
【0168】
上記の構成によれば、測定終了時点まで、注意喚起によって生体に注意を払わせることができるので、当該生体の体動をさらに効果的に低減することが可能となる。
【0169】
本開示の態様13に係る生体情報測定装置では、上記態様1から12のいずれか1つにおいて、上記制御部が、上記注意喚起開始時点から上記注意喚起終了時点までの時間に亘り、上記注意喚起部に上記注意喚起を断続的に行わせてもよい。
【0170】
上記の構成のように、注意喚起部に注意喚起を断続的に行わせた場合であっても、生体に注意を払わせることができる。
【0171】
本開示の態様14に係る生体情報測定装置の制御方法は、生体を測定することにより、当該生体の生体情報を取得する生体情報取得部と、上記生体に注意を払わせる注意喚起を行う注意喚起部と、を備えた生体情報測定装置の制御方法であって、上記生体情報取得部および上記注意喚起部を制御する制御工程を含んでおり、上記注意喚起部が上記注意喚起を開始する時点および終了する時点をそれぞれ、注意喚起開始時点および注意喚起終了時点として、上記生体情報取得部が上記生体情報の取得を開始する時点を取得開始時点として、上記制御工程は、上記取得開始時点を、上記注意喚起開始時点を基準とする所定の時間範囲内に設定する工程をさらに含んでいる。
【0172】
上記の構成によれば、本開示の一態様に係る生体情報測定装置と同様の効果を奏する。
【0173】
本開示の態様15に係る制御装置(制御部10)は、生体を測定することにより、当該生体の生体情報を取得する生体情報取得部と、上記生体に注意を払わせる注意喚起を行う注意喚起部と、を備えた生体情報測定装置を制御する制御装置であって、上記生体情報取得部および上記注意喚起部を制御する制御部を備えており、上記注意喚起部が上記注意喚起を開始する時点および終了する時点をそれぞれ、注意喚起開始時点および注意喚起終了時点として、上記生体情報取得部が上記生体情報の取得を開始する時点を取得開始時点として、上記制御部は、上記取得開始時点を、上記注意喚起開始時点を基準とする所定の時間範囲内に設定する。
【0174】
上記の構成によれば、本開示の一態様に係る生体情報測定装置と同様の効果を奏する。
【0175】
本開示の各態様に係る制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記制御装置をコンピュータにて実現させる制御装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本開示の一態様の範疇に入る。
【0176】
〔付記事項〕
本開示の一態様は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の一態様の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成できる。
【0177】
〔本開示の一態様の別の表現〕
なお、本開示の一態様は、以下のようにも表現できる。
【0178】
すなわち、本開示の一態様に係る生体情報測定装置は、ユーザの生体情報を測定する測定部と、音声発話を行う発話部とを備え、該発話部が、ユーザに対して音声発話を行う所定時間前、または、音声発話を行っている途中から、該測定部が、ユーザの生体情報の測定を開始する。
【0179】
また、本開示の一態様に係る生体情報測定装置は、動作を発生させる動作部をさらに備え、該動作部が、ユーザに対して動作を発生させる所定時間前、または、動作を発生させている途中から、該測定部が、ユーザの生体情報の測定を開始する。
【0180】
また、本開示の一態様に係る生体情報測定装置は、ユーザの体動を検出する体動検出部をさらに備え、該体動検出部にて検出された体動の大きさが所定よりも小さい場合に、前記測定部がユーザの生体情報の測定を開始する。
【0181】
また、本開示の一態様に係る生体情報測定装置は、ユーザの顔領域を特定する画像処理部をさらに備え、該画像処理部にて特定された顔領域内から、前記測定部が生体情報を測定する。
【0182】
また、本開示の一態様に係る生体情報測定装置において、前記生体情報とは、心拍数、血圧、およびストレスレベルの少なくとも1つに関わる情報である。
【0183】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年11月7日に出願された日本国特許出願:特願2016-217488に対して優先権の利益を主張するものであり、それを参照することにより、その内容の全てが本書に含まれる。