特許第6779306号(P6779306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6779306
(24)【登録日】2020年10月15日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】スマートカードの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20201026BHJP
   G06K 19/02 20060101ALI20201026BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20201026BHJP
   H01L 21/607 20060101ALI20201026BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   G06K19/077 192
   G06K19/077 188
   G06K19/02 020
   H01L23/12 501F
   H01L21/607 A
   H01L21/60 311Q
【請求項の数】24
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-549823(P2018-549823)
(86)(22)【出願日】2016年9月12日
(65)【公表番号】特表2019-516165(P2019-516165A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】EP2016071438
(87)【国際公開番号】WO2017162313
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2019年8月9日
(31)【優先権主張番号】62/312,773
(32)【優先日】2016年3月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】1607029.4
(32)【優先日】2016年4月22日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517124778
【氏名又は名称】ズワイプ アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スネル, デヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィン, ホセ イグナシオ ヴィンターゲルスト
【審査官】 松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/078810(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0271467(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02034429(EP,A1)
【文献】 国際公開第2008/035883(WO,A1)
【文献】 特開2007−047850(JP,A)
【文献】 特開2009−116647(JP,A)
【文献】 特開2009−031956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/00−19/18
H01L 23/12−23/15
21/60−21/607
B42D 25/00−25/485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル回路を囲むカード本体であって、導電性の延長部材は前記フレキシブル回路から離れるように延び、前記延長部材は少なくとも200μmの高さを有し、前記延長部材を形成する材料の溶融温度は、前記カード本体を形成する材料の前記溶融温度よりも高いカード本体と、
前記カード本体に形成され、前記延長部材を露出させるキャビティと、
前記キャビティ内に収容され、電気的接続によって前記延長部材に接続された接触パッドであって、前記電気的接続は、前記カード本体を形成する材料の前記溶融温度よりも低い温度で形成される接触パッドとを備える、スマートカード。
【請求項2】
前記電気的接続が、150℃未満、好ましくは140℃未満の形成温度を有する、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項3】
前記電気的接続がはんだ接続を含み、前記はんだ接続を形成するはんだ材料が、前記カード本体を形成する前記材料の前記溶融よりも低いリフロー温度を有する、請求項1または2に記載のスマートカード。
【請求項4】
前記はんだ材料がスズ−ビスマスはんだである、請求項3に記載のスマートカード。
【請求項5】
前記電気的接続が、前記カード本体を形成する前記材料の前記溶融温度よりも低い硬化温度を有する導電性接着剤を含む、請求項1または2に記載のスマートカード。
【請求項6】
前記電気的接続が異方導電性フィルムを含む、請求項5に記載のスマートカード。
【請求項7】
前記電気的接続が機械的接続を含む、請求項1または2に記載のスマートカード。
【請求項8】
前記延長部材が、金属材料で形成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項9】
前記金属材料がはんだ材料である、請求項8に記載のスマートカード。
【請求項10】
前記延長部材が、少なくとも300μmの高さを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項11】
前記フレキシブル回路に接続されたセキュア要素をさらに備え、前記セキュア要素が前記接触パッドと重ならないように前記回路が配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項12】
前記スマートカードがバイオメトリック認証モジュールをさらに備え、前記バイオメトリック認証モジュールが、前記スマートカードの所有者の身元を認証し、かつ前記カードの前記所有者の認証に応答して、データを送信するように前記スマートカードの前記セキュア要素に命令するように構成される、請求項11に記載のスマートカード。
【請求項13】
前記スマートカードが、前記セキュア要素と通信するように構成されたアンテナを備える、請求項11または12に記載のスマートカード。
【請求項14】
前記カード本体がプラスチック材料から形成され、好ましくはポリ塩化ビニル(PVC)および/またはポリウレタン(PU)を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項15】
フレキシブル回路を囲むカード本体を提供するステップであって、導電性延長部材は前記フレキシブル回路から離れて延び、前記延長部材は少なくとも200μmの高さを有し、前記延長部材を形成する材料の溶融温度は、前記カード本体を形成する材料の前記溶融温度よりも高く、前記延長部材を露出させるキャビティは前記カード本体内に形成される、カード本体を提供するステップと、
前記キャビティ内に接触パッドを挿入するステップと、
前記カード本体を形成する前記材料の前記溶融温度より低い温度で前記接触パッドを前記延長部材に電気的に接続するステップとを含む、スマートカードを製造する方法。
【請求項16】
前記接触パッドを前記延長部材に電気的に接続する前記ステップが、150℃未満、好ましくは140℃未満の温度で行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電気的接続が金属はんだ接続を含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記金属はんだ接続がスズ−ビスマスはんだから形成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記接触パッドを前記延長部材に電気的に接続する前記ステップが、超音波はんだ付けを使用する、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記電気的接続が機械的接続または導電性接着剤接続を含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項21】
前記カード本体を提供する前記ステップが、前記カード本体から材料を除去して前記キャビティを形成し、前記延長部材を露出させるステップを含む、請求項15から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記材料を除去する前記ステップが、前記延長部材から材料を除去して、前記接触パッドとの接続のための平らな接触面を形成するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記カード本体を提供する前記ステップが、熱積層プロセスによって前記カード本体を形成するステップを含む、請求項15から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記延長部材を形成する前記材料の前記溶融温度が、前記熱積層の前記温度よりも高い、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートカードおよびその製造方法に関し、より詳細には、スマートカードから露出される構成要素が、製造中にスマートカードの埋め込み回路基板に取り付けられる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートカードという用語は、一般に、1つ以上の集積回路が埋め込まれたあらゆるポケットサイズのカードを指す。一般的なスマートカードアプリケーションの例は、支払いカード、アクセスカードなどを含む。
【0003】
接触パッドは、外部装置との電気的接触を可能にする、スマートカードの指定された表面領域である。スマートカードが支払いカードなどの場合のように機密データを含む場合、データを格納するためにセキュア要素が使用される。セキュア要素は、アプリケーションコードおよびアプリケーションデータを安全に保存および管理できる安全なメモリおよび実行環境を提供するタンパー防止チップである。セキュア要素は、許可された場合にのみカードに格納されたデータへのアクセスが提供されることを保証する。従来のスマートカードでは、接触パッドおよびセキュア要素が単一のユニットを形成するように、セキュア要素は接触パッドの後ろに取り付けられている。接触パッドおよびセキュア要素の両方を含む結合ユニットは、しばしば接触モジュールと呼ばれる。
【0004】
最近のスマートカード技術の進展により、指紋センサなどのバイオメトリックセンサをスマートカードに組み込むことが可能になり、セキュリティが向上した。バイオメトリックセンサは、検出されたバイオメトリックデータを読み取り、これをユーザ検証のためにマイクロコントローラに供給し、検証されると、マイクロコントローラは、セキュア要素が接触パッドを介して支払い端末などと通信するように命令あるいは許可する。これには、バイオメトリックモジュールがセキュア要素と直接通信することが必要となる。しかし、従来の接触モジュールのセキュア要素は完全に閉じられており、相互作用する容易な方法はない。
【0005】
したがって、スマートカードが、上述したバイオメトリック認証などの追加のセキュリティ手段を含む場合、スマートカード内に接触パッドおよびセキュア要素を別々に、すなわち、各構成要素がスマートカードの回路基板上でそれ自身の「不動産」を占有するように構成するのが有効であると判明している。この構成により、バイオメトリック認証モジュールによるセキュア要素の制御がより簡単になる。例えば、安全性の低いアプリケーションでは、バイオメトリック認証モジュールによって制御される単純なスイッチをセキュア要素と接触パッドとの間に設け、通信を許可または禁止することができる。しかし、この構成は、製造上の困難を生じさせもする。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、フレキシブル回路を囲むカード本体であって、導電性の延長部材はフレキシブル回路から離れるように延び、延長部材を形成する材料の溶融温度はカード本体を形成する材料の溶融温度よりも高いカード本体と、カード本体に形成され、延長部材を露出させるキャビティと、キャビティ内に収容され、電気的接続によって延長部材に接続された接触パッドであって、電気的接続は、カード本体を形成する材料の溶融温度よりも低い温度で形成される接触パッドとを備えるスマートカードを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
このスマートカードでは、接触パッドは、カード本体から正しい高さで露出されるようにフレキシブル回路から持ち上げられるが、依然として延長部材によって接触パッドと回路を電気的に接続している。この構成により、セキュア要素を接触パッドのすぐ後ろ以外の場所に配置することができる。
【0008】
カードの十分な寿命を確保するために、伝統的なはんだ付けができないスマートカードに一般的に使用される材料の温度感度に注意する必要がある。例えば、最も一般的なはんだは、溶融するには約240℃超の温度に加熱しなければならないが、積層カードを製造するのに使用される最も一般的な材料であるポリ塩化ビニル(PVC)の溶融温度はわずか160℃(およびガラス転移温度はわずか80℃)である。同じく積層カード用の充填材として一般的に使用されるポリウレタン(PU)は、240℃付近の温度にさらされると損傷を受ける。
【0009】
カード本体材料の過熱を避けるために、上記のスマートカードは、積層プロセスなどに耐える融点の高い材料を使用してフレキシブル回路上に延長部材を形成し、その後、低温接続を使用して接触パッドを導電的に延長部材に接合する。低温電気接続を使用すると、カード材料のあらゆる物理的変形が回避できる。
【0010】
上記の実施形態はセキュア要素に関するものであるが、同じ構成が、フレキシブル回路に接続され、スマートカードの本体から露出されることが要求される他の要素にも採用されてもよいことが理解されよう。
【0011】
様々な形態の電気的接続を使用することができる。例えば、電気的接続は、機械的接続、導電性接着剤接続、および金属はんだ接続のうちのいずれか1つであり得る。上述したように、電気的接続の形成温度(例えば、硬化温度、または溶融温度、またはリフロー温度)は、カード本体の材料の溶融温度よりも低い。したがって、電気的接続を形成しても、カードの変形は生じない。一実施形態では、電気的接続は、150℃未満、好ましくは140℃未満の形成温度を有してもよい。
【0012】
電気的接続が導電性接着剤を含む場合、導電性接着剤は、好ましくは、カード本体を形成する材料の溶融温度より低い硬化温度を有する。例示的な導電性接着剤には導電性エポキシが含まれ、1つの好ましい実施形態では、接続は異方導電性フィルム(ACF)を含む。しかし、導電性樹脂のような他の接着剤を用いて電気的接続を提供することもできる。
【0013】
機械的接続は、通常、加熱を必要としない。これは、熱的または物理化学的プロセスを必要としないという利点を有し、準備または待機時間なしで室温製造を可能にする。1つの例示的な機械的接続は、弾性コネクタ(Zebraコネクタ(登録商標)としても知られる)である。弾性コネクタは、対応する端子のそれぞれの段に係合する交代型の導電性および非導電性の段をそれぞれ有する、結合されたオス型端子およびメス型端子を備える。別の例では、機械的接続は、不均一な表面に適合するよう変形するように構成された埋め込み導電性スタブを含んでいてもよい。スタブは、炭素または銀または銅で作ることができる。
【0014】
電気的接続がはんだ接続を含む場合、はんだ接続を形成するはんだ材料は、好ましくは、カード本体を形成する材料の溶融よりも低いリフロー温度を有し、様々な実施形態では、はんだ材料の溶融温度は、カード本体を形成する材料の溶融よりも低い。
【0015】
はんだ材料を使用する場合、はんだ材料はスズ−ビスマスはんだであってもよい。このようなはんだは、一般的には約139℃の溶融温度を有する。これは、上述の一般的な積層温度よりも低く、特にPVCの溶融温度の160℃よりも低い。
【0016】
好ましくは、延長部材を形成する材料の溶融温度は、カード本体を形成する材料の溶融温度より少なくとも10℃高い。これにより、カード本体を熱的に積層できる、すなわち延長部材を損傷することなく回路の周りにカード本体を形成するために材料の層を溶融し結合することができる明確な範囲が与えられる。好ましくは、延長部材を形成する材料は、200℃より高い、好ましくは210℃より高い溶融温度を有する。
【0017】
延長部材は、任意の適切な材料から形成することができるが、好ましくは金属材料から形成される。金属材料を使用することにより、カードにおいて接触パッドとフレキシブル回路との間に金属−金属接続を使用することができ、スマートカード、例えば、最低3年間の寿命がなければならない一般的な支払いカードに最大限の寿命を与える高い耐久性を提供する。
【0018】
一実施形態では、導電性延長部材を形成する材料ははんだ材料である。このはんだ材料は、任意の適切な導電性はんだを含むことができ、好ましくは、スズ系はんだまたは銅系はんだなどのRoHS準拠の鉛フリーはんだが使用される。好ましい実施形態では、はんだ材料はSn-Ag-Cuはんだで、三元共晶反応(217℃)を有し、これはSn-3.5Ag(重量%)共晶の221℃およびSn-0.7Cu共晶の227℃よりも低い。
【0019】
様々な構成において、延長部材は、少なくとも200μm、好ましくは少なくとも300μmの高さを有することができる。延長部材は、好ましくは762μm未満、すなわちISO7816スマートカードの厚さ未満の高さ、、好ましくは500μm未満の高さを有する。
【0020】
接触パッドに加えて1つ以上の構成要素をフレキシブル回路に接続することもできる。これらの構成要素は、カード本体内に埋め込まれてもよく(例えば、積層プロセス前に取り付けられてもよい)、カード本体から露出されてもよい。
【0021】
例えば、セキュア要素をフレキシブル回路に接続することができる。セキュア要素は、好ましくは、カード本体内に埋め込まれる。フレキシブル回路は、延長部材を介してセキュア要素と接触パッドとの間の通信を可能にするように配置することができる。回路は、好ましくは、セキュア要素が延長部材に接続された接触パッドと重ならないように(すなわち、スマートカードの正面に垂直な方向から見て)配置される。
【0022】
別の例では、セキュア要素の有無にかかわらず、バイオメトリック認証モジュールをフレキシブル回路に接続することができる。バイオメトリック認証モジュールは、カードの所有者のバイオメトリック特性を検出し、かつ記憶されたバイオメトリックデータに基づいてその身元を認証するように構成することができる。バイオメトリック認証モジュールは、カードの所有者の認証に応答して、データを送信するようスマートカードのセキュア要素(存在する場合)に命令するように構成することができる。1つの特定の実施形態では、バイオメトリックは指紋である。
【0023】
バイオメトリック認証モジュールは、積層の前または後に、またはその2つの組み合わせで取り付けられてもよい。例えば、バイオメトリック認証モジュールは、処理ユニットおよびバイオメトリックセンサを含むことができる。バイオメトリック認証モジュールの処理ユニットは、カード本体内に埋め込まれていてもよく(すなわち、積層処理などの前に回路に接続される)、バイオメトリック認証モジュールのセンサは、カード本体から露出していてもよい。この配置は、積層または他の製造技術の間に経験する高い圧力および温度に起因する、センサ内の傷つきやすい構成要素の損傷を防止する。
【0024】
回路は、好ましくは、バイオメトリック認証モジュール(特に、その処理ユニット)と
セキュア要素および/または接触パッドとの間の通信を可能にするように構成される。別の実施形態では、回路は、セキュア要素と外部デバイスとの間の通信を許可または防止するためのスイッチを含むことができる(例えば、スイッチは、セキュア要素と接触パッドとの間に配置され得る)。次いで、回路は、好ましくは、バイオメトリック認証モジュール(および、特に、その処理ユニット)にスイッチの制御を許可するように構成される。
【0025】
接触パッドに加えて、スマートカードは、アンテナをさらに備えることができる。アンテナは、好ましくは、セキュア要素と通信するように構成される。したがって、スマートカードは、接触トランザクションおよび非接触トランザクションの両方が可能であってもよい。
【0026】
スマートカードは、アンテナに接続された近距離通信(NFC)トランスポンダを含むことができ、例えば同じまたは異なるリーダとの追加/二次通信用に使用される。スマートカードトランスポンダは、受信したRF信号を整流し、かつスマートカード内のエネルギー蓄積構成要素を使用してエネルギーを蓄積するように構成されたエネルギー収穫回路を含むことができる。
【0027】
好ましくは、キャビティはフレキシブル回路を露出させない。したがって、フレキシブル回路は完全に閉じたままであり、回路と接触パッドとの間のカード本体の材料もまた、接触パッドをさらに支持する。
【0028】
カード本体は、プラスチック材料、好ましくはPVCおよび/またはPUから形成することができる。例えば、カード本体は、フレキシブル回路の両面にPVC層を含むことができ、PVC層の間には中間層がある。中間層は、PVCまたはPUなどのプラスチック材料を含むことができる。様々な実施形態において、フレキシブル回路は、好ましくはプラスチック材料上に印刷されるフレキシブルプリント回路基板である。プラスチック材料は、好ましくは、積層温度より高い温度を有し、および/または積層によって損傷されない。例示的なプラスチック材料には、ポリイミド、ポリエステルおよびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が含まれる。
【0029】
スマートカードは、アクセスカード、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、ロイヤリティカード、IDカード、暗号カードなどのいずれかであってもよい。
【0030】
第2の態様から見ると、本発明は、スマートカードを製造する方法を提供し、フレキシブル回路を囲むカード本体を提供するステップであって、導電性延長部材はフレキシブル回路から離れて延び、延長部材を形成する材料の溶融温度は、カード本体を形成する材料の溶融温度よりも高く、延長部材を露出させるキャビティはカード本体内に形成されるカード本体を提供するステップと、キャビティ内に接触パッドを挿入するステップと、カード本体を形成する材料の溶融温度より低い温度で接触パッドを延長部材と電気的に接続するステップとを含む。
【0031】
様々な実施形態では、スマートカードは第1の態様で説明したスマートカードであり、その好ましい特徴のいずれか1つ以上またはすべてをこの方法にも適用することができる。
【0032】
上述したように、様々な形態の電気的接続を使用することができる。例えば、電気的接続は、機械的接続、導電性接着剤接続、および金属はんだ接続のうちのいずれか1つであり得る。一実施形態では、接触パッドと延長部材を電気的に接続するステップは、150℃未満、好ましくは140℃未満の温度で行うことができる。
【0033】
電気的接続が導電性接着剤を使用する場合、この方法は、導電性接着剤を接触パッドおよび/または延長部材に塗布するステップを含んでもよい。このステップは、接触パッドをキャビティ内に挿入する前に行うことが好ましい。この方法は、好ましくは、カード本体を形成する材料の溶融温度より低い温度で導電性接着剤を硬化させるステップをさらに含む。導電性接着剤は導電性エポキシを含むことができ、一例では、電気的接続は異方導電性フィルム(ACF)を含む。
【0034】
電気的接続が機械的接続を使用する場合、延長部材および/または接触パッドは、機械的接続を備えることが好ましい。したがって、電気的に接続するステップは、好ましくは、接触パッドを延長部材と機械的に電気的に接続するステップを含む。ステップは、好ましくは、ほぼ環境温度で行われる。
【0035】
電気的接続がはんだ接続を含む場合、電気的接続は、はんだ材料を加熱してリフローさせ、延長部材と接触パッドとの間の電気的接続を形成するステップを含むことが好ましい。加熱は、カード本体を形成する材料の溶融温度より低い温度までが好ましい。接触パッドを延長部材と電気的に接続するステップは、超音波はんだ付けを使用することができ、すなわち、はんだ材料を溶融するために超音波エネルギーが使用される。超音波加熱プロセスを使用すると、熱のみを加える場合よりも低い温度ではんだがリフローすることになる。
【0036】
カード本体を提供するステップは、カード本体から材料を除去してキャビティを形成し、延長部材を露出させるステップを含んでもよい。好ましくは、材料を除去するステップは、接触パッドがカード本体に収容されたときに接触パッドがカード本体の表面を越えて突出しないように十分に除去するステップを含む。
【0037】
材料を除去するステップは、延長部材から材料を除去して、接触パッドとの接続のための平坦な接触表面を形成するステップを含んでもよい。これは、延長部材と接触パッドとの間にはんだ付けまたは接着剤接続が行われる場合、良好な電気的接続を保証するために特に有用である。
【0038】
材料を除去するステップは、フレキシブル回路を露出させないことが好ましい。したがって、カード本体の残りの材料は、接触パッドをさらに支持する。
【0039】
材料の除去は、フライス加工などの任意の適切なプロセスによって行うことができる。
【0040】
材料を除去するステップは、カードが積層された後に、または、例えば構成要素がすでに配置されている場合、積層の前に行われてもよい。代替の実施形態では、カード本体は、キャビティを形成するために材料の除去が必要とされないように形成されてもよい。例えば、キャビティは、カードの積層前に削られてもよく、または積層プロセス中に成形されてもよい。例えば、積層シートは、フライス加工プロセスが長引くのを避けるために、積層前にダイカットされてもよい。
【0041】
カード本体を提供するステップは、カード本体を形成するステップを含んでもよい。一実施形態では、カード本体は熱積層プロセスによって形成される。熱積層プロセスは、約150℃より高い温度で行うことができる。一般的な積層温度は、200℃未満であることが多い。例えば、一実施形態では、積層は、160℃〜190℃の温度で行うことができる。
【0042】
延長部材を形成する材料の溶融温度は、熱積層の温度よりも高いことが好ましい。一部の実施形態では、積層は、異なる温度の2つ以上の段階を含むことができる。そのような状況では、「熱積層の温度」への言及は、積層プロセスの間維持されるピーク温度を指す
と理解されるべきである。このように、延長部材は、積層プロセス中に加えられる熱によって変形されない。
【0043】
カード本体は、熱積層に適したプラスチック材料から形成することができる。例えば、カード本体は、PVCおよび/またはPUの1つ以上の層を含むことができる。一実施形態では、カード本体は、フレキシブル回路のいずれかの側に外側層(例えば、PVC層)を備え、外側層の間には中間層がある。中間層は、PVCまたはPUなどのプラスチック材料、あるいはシリコンなどの他の材料を含むことができる。中間層は、液体または半固体/ペレット化材料を含むことができる。
【0044】
フレキシブル回路は、あらかじめ延長部材を含んで設けることができるが、一部の実施形態では、追加する必要がある。このように、本方法は、導電性金属材料を溶融させ、溶融した導電性金属材料をフレキシブル回路上に堆積させることによって、延長部材を形成するステップを含んでもよい。
【0045】
一部の実施形態では、セキュア要素をフレキシブル回路に接続することができる。この場合、セキュア要素は、積層プロセスの前に、すなわちカード本体内に封入されるように接続されることが好ましい。
【0046】
一部の実施形態では、バイオメトリック認証モジュールをフレキシブル回路に接続することができる。バイオメトリック認証モジュールは、積層プロセスの前または後に、またはその2つの組み合わせで取り付けられてもよい。例えば、バイオメトリック認証モジュールは、処理ユニットおよびバイオメトリックセンサを含むことができる。バイオメトリック認証モジュールの処理ユニットは積層前に回路に接続され、センサは積層後に設置されてもよい。
【0047】
本発明の特定の好ましい実施形態は、単なる例として、添付の図面を参照して、より詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】スマートカードのフレキシブルプリント回路基板アセンブリに接触パッドを取り付ける方法のステップを示す。
図2】スマートカードのフレキシブルプリント回路基板アセンブリに接触パッドを取り付ける方法のステップを示す。
図3】スマートカードのフレキシブルプリント回路基板アセンブリに接触パッドを取り付ける方法のステップを示す。
図4】スマートカードのフレキシブルプリント回路基板アセンブリに接触パッドを取り付ける方法のステップを示す。
図5】スマートカードのフレキシブルプリント回路基板アセンブリに接触パッドを取り付ける方法のステップを示す。
図6】この方法によって製造されたスマートカードを示す。
【0049】
明確にするために、図1図5に示す様々な部品の厚さは著しく誇張されていることに留意されたい。図に示したタイプのスマートカードの実装では、カードの幅は7cmであり、カードの厚みは1mm未満である。外面間の全厚さは、762μmが一般的である。
【0050】
図1は、スマートカード用のフレキシブルプリント回路基板アセンブリ(FPCBA)10を示す。回路基板アセンブリ10は、スマートカード内に埋め込まれる様々な構成要素が搭載されるフレキシブルプリント回路基板12を含む。これらの構成要素は、それぞれ、後述するような熱積層プロセス中に生じる温度および圧力に耐えられるものでなければならない。
【0051】
図1には、いずれもフレキシブル回路基板12に接続されたセキュア要素14および指紋処理ユニット16が示されている。しかし、様々な実施形態では、これらのうちの一方または他方が存在しなくてもよく、および/またはさらなる構成要素が存在してもよい。
【0052】
指紋処理ユニット16は、図6に示すエリア指紋読取装置130のような指紋センサ130に接続されると、指紋認証モジュールの一部を形成する。処理ユニット16は、妥当な時間でバイオメトリック一致判定を行うことができるように、非常に低電力かつ非常に高速であるように選択されたマイクロプロセッサを備える。
【0053】
指紋認証エンジンは、指紋読取装置130に示された指または親指をスキャンし、処理ユニット16を使用して、スキャンされた指または親指の指紋を予め格納された指紋データと比較するように構成される。次いで、スキャンされた指紋が予め記憶された指紋データと一致するかどうかの判定が行われる。
【0054】
一致すると判定された場合、指紋認証エンジンはセキュア要素14に、カードからのデータを(図1に破線で示す)接触パッド20を介して送信することを許可する。FPCBA10には、接触パッドが接続される複数の導電性延長部材18が形成されている。延長部材18は、スマートカードの正面に対してほぼ垂直に、フレキシブル回路基板12から離れる方向に延びる。延長部材18は、接触パッド20と回路基板12とが通信するように、接触パッド20との接続のために形成されている。
【0055】
延長部材18は、積層プロセスに耐えることができる金属はんだ材料から形成されている。例示的なはんだ材料には、(積層に耐えるように)約200℃超であるが(依然としてはんだ付けしやすいように)300℃未満の溶融温度を有するスズ系または銅系のはんだが含まれる。延長部材18は、回路基板12の表面に対して実質的に垂直な方向に延びるように、フレキシブル回路基板12の適切な接点上にはんだブロブとして形成される。延長部材は、高さは約300μm〜400μmであり、積層後に平坦な表面にフライス加工されるので、完全に均一である必要はない。
【0056】
スマートカードの本体22を形成するために、FPCBA10は、ポリウレタン(PU)充填材24で包まれ、2つのポリ塩化ビニル(PVC)シート26、28の間に挟まれている。2枚のPVCシート26、28はそれぞれ約80μmの厚さを有し、FPCBA10およびPU充填材24によって形成される中間層は約540μmの厚さを有する。次いで、予め積層されたカード本体を圧縮し、160℃〜190℃の温度に加熱して、単一の積層カード本体22を形成する。積層されたカード本体22を図2に示す。
【0057】
次に、積層されたカード本体22にキャビティ30をフライス加工する。キャビティ30は、接触パッド20の表面がカード本体22の表面と同一平面となるように、接触パッド20を収容するのに十分な深さにフライス加工される。フライス加工はまた、はんだバンプが平らになって、接触パッド20が取り付けられ得る均一で平坦な表面32を形成するように、延長部材18を削る。キャビティ30は、図3に示されている。
【0058】
接触パッド20をスマートカードに取り付けるために、スズ−ビスマスはんだを使用して、接触パッド20の後部接点上にはんだブロブ34を形成する。次に、図4に示すように、接触パッド20の接触部が延長部材18の表面32と整列するように、接触パッド20をキャビティ30内に挿入する。
【0059】
接触パッド20と延長部材18との間に恒久的な接続を形成するために、超音波エネルギーを使用してスズ−ビスマスはんだブロブ34をその溶融温度(約139℃)超に加熱する。ス
ズ−ビスマスはんだを使用することにより、カード本体22の材料を損傷させない低温で部品をリフローさせることができる。スズ−ビスマスはんだは、接触パッド20がFPCBA10のセキュア要素16および他の構成要素14と通信するのに必要な接続を提供するのに十分に役立つ。
【0060】
図5および図6は、接触パッド20がスズ−ビスマスはんだ34および延長部材18を介してフレキシブル回路基板12に恒久的に接続されている組み立て済カード102を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6