(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記指袋の先端には開口部を有し、患者の手指を外に伸ばすことができ、患者の手指の触感を向上させることを特徴とする請求項1に記載の手指関節リハビリ運動補助具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記欠陥に鑑み、本発明の発明者は長期間にわたる研究と実践の結果、本発明に至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術欠陥を解決するために、本発明に係る技術的解決手段によれば、まず手指関節リハビリ運動補助具を提供し、前記手指関節リハビリ運動補助具は、
ゴム部材と、少なくとも1つの
第1支持部と、少なくとも1つの
第2支持部と、少なくとも1つの
第3支持部を含み、前記
第1支持部と、前記
第2支持部と、前記
第3支持部は前記ゴム部材に固定され、前記
第1支持部と、前記
第2支持部と、前記
第3支持部の前記ゴム部材における固定位置はそれぞれ末節骨/中節骨、基節骨と中手骨に対応し、
前記ゴム部材の先端には指袋が設置され、患者の手指を前記指袋に入れることができる。
【0005】
好ましくは、前記
第1支持部と、前記
第2支持部と、前記
第3支持部にはいずれも動力源を固定するための固定穴が設置される。
【0006】
好ましくは、前記指袋の先端には開口部を有し、患者の手指を外に伸ばすことができ、患者の手指の触感を向上させる。
【0007】
好ましくは、前記ゴム部材には少なくとも4つの突出する円柱が設置され、前記
第1支持部と、前記
第2支持部と、前記
第3支持部にはいずれも前記円柱に嵌合される穴が設置される。
【0008】
好ましくは、前記
第1支持部と、前記
第2支持部と、前記
第3支持部は前記ゴム部材に固定される時、前記
第1支持部と前記
第2支持部の間及び/又は前記
第2支持部と前記
第3支持部の間における前記ゴム部材には、前記ゴム部材の可撓性を向上させるためのリング形の穴が設置される。
【0009】
好ましくは、前記ゴム部材の裏面の曲面116の湾曲度は曲面117より大きく、容易に患者の手指にフィットすることができる。
【0010】
好ましくは、前記指袋には手指を支持するための平面が設けられる。
【0011】
好ましくは、前記
第1支持部と、前記
第2支持部と、前記
第3支持部はいずれも軽量な材質で製造される。
【0012】
好ましくは、前記ゴム部材の材質はゴムである。
【発明の効果】
【0013】
従来技術と比較すると、本発明の好適な効果は以下のとおりである。手指関節リハビリ運動補助具はゴム部材を患者の手指に装着し、ゴム部材に固定された
第1支持部と、
第2支持部と、
第3支持部で動力源を固定することによって、動力源によってゴム部材を曲げたり、伸展させたりすると共に、患者の手指を動かして、患者のリハビリトレーニングを支援することである。
【0014】
本発明に係る各実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例を説明するために使用される図面を簡単に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面に合わせ、本発明の上記及び他の技術的特徴及び利点をより詳細に説明する。
【0017】
[骨格構造]
本実施形態に係る関節運動補助装置を説明する前に、まず人体の手部の骨格構造について説明する。
【0018】
図1は手掌側から見た右手の骨格構造である。手部の骨格は、
図1に示すように、手根骨には親指、示指、中指、薬指及び小指の「中手骨」が連結されている。親指の中手骨には「基節骨」と「末節骨」で構成される指骨が連結されている。親指については、指先の末節骨は「第1関節」により基節骨に連結され、該基節骨は「第2関節」により親指の中手骨に連結されている。
【0019】
また、示指、中指、薬指及び小指の中手骨のそれぞれには「基節骨」、「中節骨」及び「末節骨」で構成される指骨が連結されている。示指、中指、薬指及び小指については、指先の末節骨は「第1関節」により中節骨に連結され、該中節骨は「第2関節」により基節骨に連結されている。且つ、該基節骨は「第3関節」により中手骨に連結されている。更に、以下の説明では、末節骨を骨格とする手指の部位は「末節部位」と称され、中節骨を骨格とする手指の部位は「中節部位」と称される。また、基節骨を骨格とする手指の部位は「基節部位」と称される。更に「中手骨」を骨格とする部位は「中手部位」と称される。
【0020】
[手指関節リハビリ運動補助具の構成]
図2は、ゴム部材11と、
第1支持部12と、
第2支持部13と、
第3支持部14を含む手指関節リハビリ運動補助具のブロック図である。
第1支持部12と、
第2支持部13と、
第3支持部14はいずれもゴム部材11に固定され、動力源であるベローズ3は
第1支持部12と、
第2支持部13と、
第3支持部14によって固定される。
【0021】
手指関節リハビリ運動補助具は各手指に装着できるが、各手指の長さと骨格構造が異なるため、各手指に装着されるゴム部材の構造と
第1支持部の数が異なる。各手指の末節骨が短いため、
第1支持部12で動力源(例えば、ベローズ)を固定し、動力源の作用下で手指の末節骨を動かし、
第1支持部12のゴム部材における固定位置は手指の末節骨にある。示指、中指、薬指、小指はいずれも中節骨を有し、中節骨は基節骨より短いため、同様に
第1支持部12で動力源を固定し、動力源がゴム部材から脱出し、ゴム部材を介して手指を動かすことができなくなることを回避し、この時、
第1支持部12のゴム部材における固定位置は手指中節骨中央に位置する。手は、5つの手指にいずれも基節骨があり、中節骨より基節骨が長く、動力源をより手指にフィットするために、親指に装着されるゴム部材における第1関節に近い基節骨の位置に
第2支持部13を設置して動力源を固定し、また、示指、中指、薬指、小指に装着されるゴム部材における第2関節に近い中節骨にいずれも
第2支持部13を設置して動力源を固定する。5つの手指に装着されるゴム部材のそれぞれ基節骨末端と中手骨に対応する位置にいずれも
第3支持部14を設置して動力源を固定する。このようにして、親指に装着されるゴム部材には1つの
第1支持部12と、1つの
第2支持部13と、1つの
第3支持部14が設置され、他の4つの手指にはいずれも2つの
第1支持部12と、1つの
第2支持部13と、1つの
第3支持部14が設置され、これによって親指に装着されるゴム部材は他の4つの手指に装着されるゴム部材と、構造が異なる。
【0022】
[示指、中指、薬指、小指における手指関節リハビリ運動補助具の構成]
図3は、示指、中指、薬指、小指に装着でき、ゴム部材11と、
第1支持部12と、
第2支持部13と、
第3支持部14を含む手指関節リハビリ運動補助具の構成図である。
第1支持部12と、
第2支持部13と、
第3支持部14はいずれもゴム部材11に固定される。
【0023】
ゴム部材11は患者の手指に装着でき、ゴム材料で製造され、特に医療用のシリコーンゴムが好ましく、該材料の可撓性が高く、患者の手指の異なる変形に良好に適することができ、
図4と
図5はそれぞれゴム部材11の正面と裏面であり、ゴム部材11の正面には
第1支持部12と、
第2支持部13と、
第3支持部14をゴム部材11に固定するための複数の突出する円柱111があり、突出する円柱111の数と
第1支持部12と、
第2支持部13と、
第3支持部14の総数が同じである。ゴム部材11の先端は指袋112を有し、指袋の先端が開口し、すなわち、ゴム部材11は開口端113を有し、患者の手指を指袋12に入れて開口端113から外に伸ばし、このようにして、患者の手指は露出され、患者の手指の触感を向上させることができ、患者の手指リハビリテーションに役立つ。指袋112の指腹部と接触する箇所に手指を支持するための平面1121があり、動力源の駆動で、手指を伸展させる時に手指を伸展状態に保持することができる。ゴム部材11において
第1支持部12と
第2支持部13の間及び/又は
第2支持部13と
第3支持部14の間にはリング形の開口部114が設置されることで、リング形の開口部114の周辺ゴム部材の可撓性を向上させ、患者の手指を曲げたり、伸展させたりする時、リング形の開口部114を備えるゴム部材11は患者の手指に緊密にフィットし、更に患者は手指関節リハビリ運動補助具による支援で受動動作をすることに役立ち、患者のリハビリテーションを容易にすることができる。ゴム部材11には更にゴム部材11を他の補助構造に固定する穴115が設置される。ゴム部材11の裏面の手指にフィットする曲面116の湾曲度が曲面117の湾曲度より大きく、容易に患者の手指に緊密にフィットすることができ、ゴム部材11は動力源の駆動によって屈曲や伸展する時に患者の手指は遅れがなくそれと同期に動くことができ、他の補助具に固定連結するのに用いられる曲面117の湾曲度が小さい。
【0024】
図6、
図7と
図8は、それぞれ
第1支持部12と、
第2支持部13と、
第3支持部14の構成図であり、
図6において、
第1支持部12は固定穴121を有し、ゴム部材11を曲げたり、伸展させたりする動力源(例えば、ベローズ)を固定穴121に入れることで動力源を固定し、穴122は円柱111に嵌合し、円柱111は穴122に挿通し、
第1支持部はゴム部材11に固定され、
第2支持部13の構造は
第1支持部12と同じであるが、
第2支持部13と
第1支持部12がゴム部材11に固定される時、手指の長さ方向における
第2支持部13の長さは
第1支持部12の長さより大きく、
第2支持部13にも固定穴131を有し、ゴム部材11を曲げたり、伸展させたりする動力源(例えば、ベローズ)を大きい穴131に入れることで動力源を固定し、穴132は円柱111に嵌合し、
第2支持部はゴム部材11に固定され、
第3支持部14と
第1支持部12と
第2支持部13は構造が異なり、
第3支持部14の長さが長く、そには2つの円柱111に嵌合される穴141があり、
第3支持部14をゴム部材11に容易に固定することができる。それに更に固定穴142が設置され、ゴム部材11を曲げたり、伸展させたりする動力源(例えば、ベローズ)を大きい穴142に入れることで動力源を固定し、穴143を介して
第3支持部14、ゴム部材11と他の補助具を一体に固定する。
【0025】
第1支持部12と、
第2支持部13と、
第3支持部14を長時間に装着する必要があるため、その材質はいずれも軽量な材料、例えば、プラスチックである。
【0026】
示指、中指、薬指、小指における手指関節リハビリ運動補助具の構造が同じであるが、この4つの手指の長さが異なるため、ゴム部材の長さも異なり、対応する円柱111の間の距離を調整することがある。
【0027】
該手指関節リハビリ運動補助具を動力源の作用下で曲げたり、伸展させたりすると共に、患者の手指を曲げたり、伸展させたりして、患者のリハビリトレーニングを支援する。
【0028】
[親指における手指関節リハビリ運動補助具の構成]
親指に装着される手指関節リハビリ運動補助具と他の手指における手指関節リハビリ運動補助具との差異として、親指に装着されるゴム部材に1つの
第1支持部が固定されており、他の手指に装着されるゴム部材に2つの
第1支持部が固定されているため、親指に装着されるゴム部材は他の手指に装着されるゴム部材と技術的特徴が異なる。
【0029】
図9は、ゴム部材21と、
第1支持部22と、
第2支持部23と、
第3支持部24を含む親指に装着される手指関節リハビリ運動補助具であり、前記
第1支持部22と、
第2支持部23と、
第3支持部24はゴム部材21に固定され、動力源であるベローズ3は
第1支持部22と、
第2支持部23と、
第3支持部24によって固定される。
【0030】
図10は親指に装着されるゴム部材21であり、親指は、末節骨、基節骨と中手骨という3つの関節しか有せず、末節骨が短いので、ゴム部材21には
第1支持部22で動力源(ベローズ)を固定する。基節骨と中手骨が比較的長いので、親指の第1関節に近い基節骨に対応するゴム部材の位置に
第2支持部23を設置して動力源(ベローズ)を固定し、基節骨末端と中手骨に対応するゴム部材21の位置に
第3支持部24を設置して動力源(ベローズ)を固定する。親指に装着されるゴム部材21には4つの突出する円柱211(円柱111と同じである)が設けられ、それぞれ
第1支持部22と、
第2支持部23と、
第3支持部24を固定するのに用いられ、このようにして短い末節骨に対応するゴム部材には長さが小さい
第1支持部を設置し、長い基節骨と中手骨に対応するゴム部材の位置にはそれぞれ
第2支持部23と、
第3支持部24が設置され、動力源をゴム部材に更にフィットさせ、更にゴム部材の変形を制御することに役立ち、ゴム部材は手指にフィットし、よって動力源(ベローズ)で手指の屈曲と伸展を制御する。ゴム部材21において
第1支持部22と
第2支持部23の間及び/又は
第2支持部23と
第3支持部24の間にはリング形の穴214(リング形の穴114と同じである)が設置され、他の手指に装着されるゴム部材11には、ゴム部材を患者の手指にフィットさせるために、3つのリング形の穴が開設される。ゴム部材21にも、先端に開口部213を備える指袋212が設けられ、患者の手指を指袋212に入れ、指先を開口部213から外に伸ばし、手指は露出され患者の手指の触感を向上させることに役立ち、患者の回復に有益である。同様に、ゴム部材21には穴215が設けられ、穴215を介してゴム部材21は他の補助具に一体に固定される。親指に装着される
第1支持部と、
第2支持部と、
第3支持部の構造及び大きさはいずれも他の手指に装着されるものと同じである。
【0031】
このようにして、親指に装着される手指関節リハビリ運動補助具は動力源の作用下で曲げたり、伸展させたりすると共に、患者の手指を曲げたり、伸展させたりするように駆動して、患者のリハビリトレーニングを支援する。
【0032】
ベローズ内の空気圧を制御する装置は吸気、圧縮と排気を完了可能なすべての装置、例えば、電動エアポンプ、手動エアポンプ、足動エアポンプなどである。
【0033】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明に対して例示的なものに過ぎず、限定するためのものではない。本発明の請求項に限定される趣旨と範囲内において多くの変形や修正、更に等価物による置換を行うことができるが、いずれも本発明の保護範囲に含まれることは、当業者に理解されたい。