特許第6779462号(P6779462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6779462
(24)【登録日】2020年10月16日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】切込生成刃
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/28 20060101AFI20201026BHJP
   B26D 7/26 20060101ALI20201026BHJP
   B31B 50/22 20170101ALI20201026BHJP
   B31B 100/00 20170101ALN20201026BHJP
   B31B 110/35 20170101ALN20201026BHJP
   B31B 120/10 20170101ALN20201026BHJP
【FI】
   B26D1/28 C
   B26D1/28 B
   B26D7/26
   B31B50/22
   B31B100:00
   B31B110:35
   B31B120:10
【請求項の数】17
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-112827(P2020-112827)
(22)【出願日】2020年6月30日
(62)【分割の表示】特願2020-55496(P2020-55496)の分割
【原出願日】2020年3月26日
【審査請求日】2020年6月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595007035
【氏名又は名称】近畿刃物工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143085
【弁理士】
【氏名又は名称】藤飯 章弘
(72)【発明者】
【氏名】阿形 清信
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6618650(JP,B1)
【文献】 特開平8−267395(JP,A)
【文献】 特開2018−118350(JP,A)
【文献】 特開2005−186261(JP,A)
【文献】 実公平6−1356(JP,Y2)
【文献】 特許第6648912(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/28
B26D 7/26
B31B 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材にスリットを形成するための切断加工用刃物が備える扇形状の刃物本体の一端側に取り付けられ、スリットの端部を形成する切込生成刃であって、
前記刃物本体の一端側に着脱自在に取り付けられる取付部と、前記取付部の一端部に形成される刃先部とを備えており、
前記取付部は、前記刃物本体の一端側に設けられるボルト孔に対応して形成され、前記刃物本体の径方向に沿う長孔状の貫通孔と、前記刃物本体の前記一端側に対向する側の一方面上に形成される取付部係合溝部とを備えており、
前記取付部係合溝部は、前記刃物本体がその前記一端側における前記取付部との接触面上に有する刃物本体係合突部に係合可能に構成されていることを特徴とする切込生成刃。
【請求項2】
前記取付部係合溝部は、前記刃物本体の径方向に延びるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の切込生成刃。
【請求項3】
前記取付部係合溝部に前記刃物本体係合突部が係合した状態で、前記切込生成刃は、前記刃物本体の一端側において、前記刃物本体の径方向に沿う方向に設置位置を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切込生成刃。
【請求項4】
前記取付部は、前記取付部係合溝部を複数備えており、
前記各取付部係合溝部は、前記刃物本体の径方向に対して垂直な方向に延びるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切込生成刃。
【請求項5】
前記各取付部係合溝部は、前記刃物本体の径方向に沿って同一間隔をあけて配置されていることを特徴とする請求項4に記載の切込生成刃。
【請求項6】
シート材にスリットを形成するための切断加工用刃物が備える扇形状の刃物本体の一端側に取り付けられ、スリットの端部を形成する切込生成刃であって、
前記刃物本体の一端側に着脱自在に取り付けられる取付部と、前記取付部の一端部に形成される刃先部とを備えており、
前記取付部は、前記刃物本体の一端側に設けられるボルト孔に対応して形成され、前記刃物本体の径方向に沿う長孔状の貫通孔と、前記刃物本体の前記一端側に対向する側の一方面上に形成される取付部係合突部とを備えており、
前記取付部係合突部は、前記刃物本体がその前記一端側における前記取付部との接触面上に有する刃物本体係合溝部に係合可能に構成されていることを特徴とする切込生成刃。
【請求項7】
前記取付部係合突部は、前記刃物本体の径方向に延びるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の切込生成刃。
【請求項8】
前記刃物本体係合溝部に前記取付部係合突部が係合した状態で、前記切込生成刃は、前記刃物本体の一端側において、前記刃物本体の径方向に沿う方向に設置位置を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の切込生成刃。
【請求項9】
前記取付部係合突部は、前記刃物本体の径方向に対して垂直な方向に延びるように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の切込生成刃。
【請求項10】
前記取付部係合突部は、前記刃物本体の前記一端側に対向する側の一方面上に形成される線状溝に収容配置される線状部材により構成されており、前記線状部材は、その露出部分が、前記刃物本体の前記一端側に対向する側の一方面から突出した状態で配置されていることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の切込生成刃。
【請求項11】
前記線状部材は、金属材料から形成されていることを特徴とする請求項10に記載の切込生成刃。
【請求項12】
シート材にスリットを形成するための切断加工用刃物が備える扇形状の刃物本体の一端側に取り付けられ、スリットの端部を形成する切込生成刃であって、
前記刃物本体の一端側に着脱自在に取り付けられる取付部と、前記取付部の一端部に形成される刃先部とを備えており、
前記取付部が取り付けられる前記刃物本体の前記一端側の接触面には、前記接触面における前記刃物本体の厚み方向の側縁領域を前記刃物本体の径方向に沿って切り欠くことにより刃物本体係合切欠部及び刃物本体係合部が形成されており、
前記取付部は、前記刃物本体の前記一端側の前記接触面に設けられるボルト孔に対応して形成され、前記刃物本体の径方向に沿う長孔状の貫通孔と、前記刃物本体の前記一端側の前記接触面に対向する側の一方面上に形成される取付部係合切欠部及び取付部係合部とを備えており、
前記取付部係合切欠部及び前記取付部係合部は、前記刃物本体の前記一端側に対向する前記取付部の一方面において前記刃物本体係合部に対応する領域を切り欠くことにより形成されており、
前記取付部係合部は、前記刃物本体係合切欠部が有する前記刃物本体の厚み方向に対して垂直な刃物本体切欠底面に当接可能な突出面と、前記刃物本体係合部が有する前記刃物本体切欠底面側を向く刃物本体係合側壁面に当接可能な取付部係合側壁面とを備えており、
前記取付部係合切欠部は、前記刃物本体係合部の突出面に当接可能な取付部切欠底面を備えていることを特徴とする切込生成刃。
【請求項13】
前記取付部係合部は、少なくともその一部分が、前記貫通孔よりも前記刃先部側の領域に形成されており、
前記刃物本体の前記一端側に対向する前記取付部の一方面に関し、前記刃先部が上方となるようにして見た平面視において、前記取付部係合部が備える取付部係合側壁面は、左側を向くように形成されていることを特徴とする請求項12に記載の切込生成刃。
【請求項14】
前記取付部係合側壁面が、前記刃物本体係合側壁面に当接した状態で、前記切込生成刃は、前記刃物本体の一端側において、前記刃物本体の径方向に沿う方向に設置位置を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の切込生成刃。
【請求項15】
前記刃先部は、平刃であることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の切込生成刃。
【請求項16】
半円筒状の前記刃先部を備えていることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の切込生成刃。
【請求項17】
前記刃先部の先端に刃先切欠き部を有していることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の切込生成刃。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切込生成刃に関する。特に、ダンボールシート等のシート材にスリットを形成する切断加工用刃物が有する刃物本体に取り付けられ、スリット端部を形成する切込生成刃に関する。
【背景技術】
【0002】
物を保管又は移動等させるための包装箱として、図26に示すような段ボールシート100を組み立てて製造される段ボール箱が知られている。この段ボール箱の上蓋及び底板は、段ボールシート100の一部にスリット101,102を形成して切り離された部分を互いに重なり合うように折り畳んで形成される。
【0003】
このスリット101,102の形成に際して、溝切り装置が用いられるのが一般的であり、この溝切り装置には、図27に示すような切断加工用刃物60がよく用いられる。
【0004】
この切断加工用刃物60は、扇形状に形成された刃物本体61に切込生成刃62と溝切り刃63とが一体形成されている。切込生成刃62は、刃物本体61の外周面の一端から径方向外方に、刃物本体61の端面と面一になるように突出しており、端面の幅方向両側に角部64を備えている。溝切り刃63は、刃物本体61の外周面に沿って、刃物本体61の厚み方向両側にそれぞれ設けられている。
【0005】
切断加工用刃物60は、図28及び図29に示すような溝切り装置70に取り付けられる。図28は溝切り装置の概略構成を示す側面図であり、図29は正面図である。この溝切り装置70には、上述した切断加工用刃物60が2枚取り付けられるが、それぞれの刃物を切断加工用刃物60a,60bとして、溝切り装置70の構成について以下説明する。
【0006】
溝切り装置70は、上側回転軸71及び下側回転軸72を備えている。上側回転軸71及び下側回転軸72は、互いに平行に、シート給送ラインLを挟んで対向するように配置されており、それぞれ円盤状の一対の上側回転ホルダ73,73及び一対の下側回転ホルダ74,74を備えている。
【0007】
一対の上側回転ホルダ73,73には、2枚の切断加工用刃物60a,60bがそれぞれボルト等の締結具(図示せず)により挟持されている。これら切断加工用刃物60a、60bは、一対の回転ホルダ73,73の外周に沿って所定の間隔を空けて、かつ、それぞれの切込生成刃62a,62bが、外周方向に沿って向き合うように取り付けられる。これに対し、一対の下側回転ホルダ74,74のそれぞれの対向面には、2枚の受刃75,75が、切断加工用刃物60a及び60bの厚み寸法に対応した所定間隔をあけて取り付けられる。
【0008】
次に、以上の構成を備えた溝切り装置70を用いて、段ボールシート100にスリットを形成する方法を説明する。図28に示すように、上側回転ホルダ73,73及び下側回転ホルダ74,74を回転させた状態で、溝切り装置70のシート給送ラインL上に沿って、段ボールシート100を図28の右側から溝切り装置70に給送する。これにより、切断加工用刃物60aが、受刃75,75の隙間に挟み込まれて、段ボールシート100が切断され、図27に示すような終端部103を終点とした前方スリット101が形成される。同様に、他方の切断加工用刃物60bが、受刃75,75の隙間に挟み込まれて、段ボールシート100が切断され、始端部104を起点とした後方スリット102が形成される。
【0009】
ここで、図28に示すような切断加工用刃物を用いて段ボールシートを切断する場合、スリット端部(終端部103、始端部104)を形成する切込生成刃62が、スリット側縁を形成する溝切り刃よりも早く摩耗してしまい、溝切り刃63がまだ使用できるにもかかわらず、切込生成刃62の摩耗に起因して、切断加工用刃物60を交換しなければならないという問題があった。
【0010】
このような問題に対応するために、切込生成刃62を刃物本体61に対して着脱自在となるように構成された切断加工用刃物が知られている。具体的には、下記特許文献1には、切込生成刃をボルト等の締結具を介して扇状に形成される刃物本体の一端側に固定されるものが開示されており、また、特許文献2には、刃物本体に取り付けられる切込生成刃に関し、その刃先部の刃物本体からの突出量を調整可能に構成されたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実公平06−001356公報
【特許文献2】特開2005−186261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献1や特許文献2に開示の切断加工用刃物は、摩耗状況の激しい切込生成刃のみを交換可能に構成しているという優れた効果を奏するものではあるが、刃物本体に対して切込生成刃をセッティングする際に、切込生成刃の長手方向と刃物本体の径方向とを精度良く一致させて、切込生成刃を刃物本体の一端側に固定する必要がある。仮に、図30に示すように、切込生成刃の長手方向と刃物本体の径方向とが一致せず、刃物本体の径方向に対して切込生成刃の長手方向が傾いた状態で切込生成刃を刃物本体にセッティングしてしまった場合、下側回転ホルダ74,74のそれぞれの対向面に取り付けられる2枚の受刃75,75のいずれか一方に切込生成刃の先端部が衝突してしまい、切込生成刃が折損してしまうという問題あった。
【0013】
このような問題は、刃物本体の径方向に対して切込生成刃の長手方向が一致した状態で適切に切込生成刃を刃物本体にセッティングした場合であっても、切込生成刃が段ボールシートに差し込まれるときの衝撃によって誘発される場合がある。具体的に説明すると、切込生成刃はボルト等の締結具を介して刃物本体の一端側に固定されているが、切込生成刃が、段ボールシートに差し込まれるとき衝撃によって、刃物本体の径方向に対して切込生成刃の長手方向がずれる方向に切込生成刃が僅かに回転してしまい、受刃75に切込生成刃の先端部が衝突し切込生成刃が折損してしまう。
【0014】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、刃物本体に対する適切な位置にセッティングし、折損を防止することができる切断加工用刃物の切込生成刃を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の前記目的は、シート材にスリットを形成するための切断加工用刃物が備える扇形状の刃物本体の一端側に取り付けられ、スリットの端部を形成する切込生成刃であって、前記刃物本体の一端側に着脱自在に取り付けられる取付部と、前記取付部の一端部に形成される刃先部とを備えており、前記取付部は、前記刃物本体の一端側に設けられるボルト孔に対応して形成され、前記刃物本体の径方向に沿う長孔状の貫通孔と、前記刃物本体の前記一端側に対向する側の一方面上に形成される取付部係合溝部とを備えており、前記取付部係合溝部は、前記刃物本体がその前記一端側における前記取付部との接触面上に有する刃物本体係合突部に係合することを特徴とする切込生成刃により達成される。
【0016】
また、上記切込生成刃に関し、前記取付部係合溝部は、前記刃物本体の径方向に延びるように構成されていることが好ましい。
【0017】
また、前記取付部係合溝部に前記刃物本体係合突部が係合した状態で、前記切込生成刃は、前記刃物本体の一端側において、前記刃物本体の径方向に沿う方向に設置位置を変更可能に構成されていることが好ましい。
【0018】
また、前記取付部は、前記取付部係合溝部を複数備えており、前記各取付部係合溝部は、前記刃物本体の径方向に対して垂直な方向に延びるように形成されていることが好ましい。
【0019】
また、前記各取付部係合溝部は、前記刃物本体の径方向に沿って同一間隔をあけて配置されていることが好ましい。
【0020】
また、本発明の前記目的は、シート材にスリットを形成するための切断加工用刃物が備える扇形状の刃物本体の一端側に取り付けられ、スリットの端部を形成する切込生成刃であって、前記刃物本体の一端側に着脱自在に取り付けられる取付部と、前記取付部の一端部に形成される刃先部とを備えており、前記取付部は、前記刃物本体の一端側に設けられるボルト孔に対応して形成され、前記刃物本体の径方向に沿う長孔状の貫通孔と、前記刃物本体の前記一端側に対向する側の一方面上に形成される取付部係合突部とを備えており、前記取付部係合突部は、前記刃物本体がその前記一端側における前記取付部との接触面上に有する刃物本体係合溝部に係合することを特徴とする切込生成刃により達成される。
【0021】
また、上記切込生成刃に関し、前記取付部係合突部は、前記刃物本体の径方向に延びるように構成されていることが好ましい。
【0022】
また、前記刃物本体係合溝部に前記取付部係合突部が係合した状態で、前記切込生成刃は、前記刃物本体の一端側において、前記刃物本体の径方向に沿う方向に設置位置を変更可能に構成されていることが好ましい。
【0023】
また、前記取付部係合突部は、前記刃物本体の径方向に対して垂直な方向に延びるように形成されていることが好ましい。
【0024】
また、前記取付部係合突部は、前記刃物本体の前記一端側に対向する側の一方面上に形成される線状溝に収容配置される線状部材により構成されており、前記線状部材は、その露出部分が、前記刃物本体の前記一端側に対向する側の一方面から突出した状態で配置されていることが好ましい。
【0025】
また、前記線状部材は、金属材料から形成されていることが好ましい。
【0026】
また、本発明の前記目的は、シート材にスリットを形成するための切断加工用刃物が備える扇形状の刃物本体の一端側に取り付けられ、スリットの端部を形成する切込生成刃であって、前記刃物本体の一端側に着脱自在に取り付けられる取付部と、前記取付部の一端部に形成される刃先部とを備えており、前記取付部が取り付けられる前記刃物本体の前記一端側の接触面には、前記接触面における前記刃物本体の厚み方向の側縁領域を前記刃物本体の径方向に沿って切り欠くことにより刃物本体係合切欠部及び刃物本体係合部が形成されており、前記取付部は、前記刃物本体の前記一端側の前記接触面に設けられるボルト孔に対応して形成され、前記刃物本体の径方向に沿う長孔状の貫通孔と、前記刃物本体の前記一端側の前記接触面に対向する側の一方面上に形成される取付部係合切欠部及び取付部係合部とを備えており、前記取付部係合切欠部及び前記取付部係合部は、前記刃物本体の前記一端側に対向する前記取付部の一方面において前記刃物本体係合部に対応する領域を切り欠くことにより形成されており、前記取付部係合部は、前記刃物本体係合切欠部が有する前記刃物本体の厚み方向に対して垂直な刃物本体切欠底面に当接する突出面と、前記刃物本体係合部が有する前記刃物本体切欠底面側を向く刃物本体係合側壁面に当接する取付部係合側壁面とを備えており、前記取付部係合切欠部は、前記刃物本体係合部の突出面に当接する取付部切欠底面を備えていることを特徴とする切込生成刃により達成される。
【0027】
また、上記切込生成刃に関し、前記取付部係合部は、少なくともその一部分が、前記貫通孔よりも前記刃先部側の領域に形成されており、前記刃物本体の前記一端側に対向する前記取付部の一方面に関し、前記刃先部が上方となるようにして見た平面視において、前記取付部係合部が備える取付部係合側壁面は、左側を向くように形成されていることが好ましい。
【0028】
また、前記取付部係合側壁面が、前記刃物本体係合側壁面に当接した状態で、前記切込生成刃は、前記刃物本体の一端側において、前記刃物本体の径方向に沿う方向に設置位置を変更可能に構成されていることが好ましい。
【0029】
また、前記切込生成刃の前記刃先部は、平刃として構成することができる。また、前記切込生成刃は、半円筒状の前記刃先部を備えるように構成することができる。
【0030】
また、前記切込生成刃は、前記刃先部の先端に刃先切欠き部を有するように構成することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、刃物本体に対する適切な位置にセッティングし、折損を防止することができる切断加工用刃物の切込生成刃を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態に係る切断加工用刃物の平面図である。
図2図1のA−A断面における拡大図である。
図3図1に示す切断加工用刃物における溝切り刃の変形例を示す要部拡大平面図である。
図4図1に示す切断加工用刃物における溝切り刃の変形例を示す要部拡大平面図である。
図5】(a)は、図1に示す切断加工用刃物が備える切込生成刃の平面図であり、(b)は、(a)におけるB−B断面を示す断面図であり、(c)は、切込生成刃の裏面図(底面図)である。
図6】切断加工用刃物が備える切込生成刃の変形例を説明するための説明図である。
図7】刃物本体が備える刃物本体係合突部を説明するための説明図である。
図8】刃物本体が備える刃物本体係合突部を説明するための説明図である。
図9】刃物本体係合突部及び取付部係合溝部の変形例を説明するための説明図である。
図10】刃物本体係合突部及び取付部係合溝部の変形例を説明するための説明図である。
図11図1に示す切断加工用刃物が備える切込生成刃の変形例を示す図であり、(a)は、切断加工用刃物が備える切込生成刃の平面図であり、(b)は、(a)における矢視D方向から見た場合の側面図であり、(c)は、(a)における矢視E方向から見た場合の側面図であり、(d)は、(a)における矢視F方向から見た場合の側面図である。
図12】(a)は、図5に示す切込生成刃の変形例を示す平面図であり、(b)は、図11に示す切込生成刃の変形例を示す平面図である。
図13図1に示す切断加工用刃物が備える刃物本体の変形例を示す平面図である。
図14図1に示す切断加工用刃物が備える刃物本体の変形例を示す平面図である。
図15図1に示す切断加工用刃物が備える切込生成刃の変形例を示す図であり、(a)は、切断加工用刃物が備える切込生成刃の平面図であり、(b)は、(a)におけるH−H断面を示す断面図であり、(c)は、切込生成刃の裏面図(底面図)であり、(d)は、(a)におけるI−I断面を示す断面図。
図16図14及び図15にそれぞれ示す刃物本体及び切込生成刃の変形例を示す断面図である。
図17図1に示す切断加工用刃物の変形例を説明するための説明図である。
図18図1に示す切断加工用刃物の変形例を説明するための説明図である。
図19図1に示す切断加工用刃物が備える刃物本体の変形例を示す平面図である。
図20図1に示す切断加工用刃物が備える切込生成刃の変形例を示す図であり、(a)は、切断加工用刃物が備える切込生成刃の平面図であり、(b)は、(a)におけるK−K断面を示す断面図であり、(c)は、切込生成刃の裏面図(底面図)であり、(d)は、(a)におけるL−L断面を示す断面図。
図21図19及び図20にそれぞれ示す刃物本体及び切込生成刃の変形例を示す断面図である。
図22図1に示す切断加工用刃物の変形例を説明するための説明図である。
図23図1に示す切断加工用刃物の変形例を説明するための説明図である。
図24図1に示す切断加工用刃物が備える刃物本体の変形例を示す平面図である。
図25図1に示す切断加工用刃物が備える切込生成刃の変形例を示す図であり、(a)は、切断加工用刃物が備える切込生成刃の平面図であり、(b)は、(a)におけるN−N断面を示す断面図であり、(c)は、切込生成刃の裏面図(底面図)であり、(d)は、(a)におけるO−O断面を示す断面図。
図26】スリットが形成された後の段ボールシートの概略平面図である。
図27】従来の切断加工用刃物の平面図である。
図28図27に示す切断加工用刃物が取り付けられた溝切り装置の概略構成を示す側面図である。
図29図27に示す切断加工用刃物が取り付けられた溝切り装置の概略構成を示す正面図である。
図30】従来の切断加工用刃物が有する問題点を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、各図は、構成の理解を容易ならしめるために部分的に拡大・縮小している。図1は、本発明の一実施形態にかかる切断加工用刃物を示す平面図であり、図2は、そのA−A断面における拡大図である。切断加工用刃物1は、回転しながら段ボールシートや合成樹脂製シート等のシート材にスリットを形成するための刃物であり、図1及び図2に示すように、刃物本体2と、溝切り刃3と、切込生成刃4とを備えている。
【0034】
刃物本体2は、ステンレスや鉄、工具鋼等の金属材料により形成されており、図1に示すように、平面視において扇形状に形成されている。この刃物本体2は、その一端側(刃物本体2の一方の側面側)に二つのボルト孔21を備えている。ボルト孔21は、刃物本体2に切込生成刃4をボルト50により取り付けるための孔である。なお、二つのボルト孔21は、刃物本体2の径方向に沿って並んで形成されている。
【0035】
溝切り刃3は、従来の切断加工用刃物60(図28参照)と同様に、刃物本体2の外周部に沿って配置されている。本実施形態における溝切り刃3は、シート材にスリット加工を施すように構成されているため、図2に示すように、刃物本体2の厚み方向両側縁にそれぞれ設けられている。この溝切り刃3の具体的形態は特に限定されず、例えば、図3の要部拡大平面図に示すように、ノコ歯状に形成してもよい。溝切り刃3をノコ歯状に形成する場合、互いに隣接する各ノコ歯3の各頂点3a間距離Sが、例えば、2.0mm〜4.0mmとなるように形成し、各ノコ歯3の最大高さHが、例えば、2.0mm〜3.5mmとなるように形成することが好ましい。また、溝切り刃3をノコ歯状に形成する場合、図3に示すように、各ノコ歯3の各頂点3a間に介在するノコ歯3の輪郭形状3bが平面視V字状となるように形成してもよく、図4(a)に示すように、輪郭形状3bが、平面視湾曲状となるように形成してもよい。更に、図4(b)に示すように、輪郭形状3bが、平面視において一方側に傾斜するV字状となるように形成してもよい。
【0036】
切込生成刃4は、切断加工用刃物1によりスリット加工されるときに出る屑片の一端を段ボールシート等のシート材から切り落とし、スリットの端部を形成するための刃部である。この切込生成刃4は、図1図5(a)〜(c)に示すように、刃物本体2の一端側に着脱自在に取り付けられる平板状の取付部41と、取付部41の一端部に形成される刃先部42とを備えている。刃先部42は、平刃として構成されている。取付部41の厚みは、例えば、2mm〜15mmの範囲に設定される。ここで、図5(a)は、切込生成刃4を上方から見た場合の平面図であり、図5(b)は、図5(a)のB−B断面を示す断面図である。また、図5(c)は、図5(a)の裏面図(切込生成刃4の底面図)である。切込生成刃4は、例えば、図1に示すように、刃物本体2の外周面から径方向外側に、刃先部42が突出するようにして刃物本体2の一端側に固定される。この切込生成刃4の幅は、刃物本体2の厚みと略同一寸法となるように構成することが好ましい。また、取付部41は、刃物本体2の径方向に沿う方向に長尺となるように構成されており、刃物本体2に形成されるボルト孔21に対応して形成される貫通孔43を備えている。本実施形態においては、取付部の輪郭が、平面視矩形状となるように構成している。なお、切込生成刃4は、ボルト50を締め付けることにより、ボルト頭で取付部41を刃物本体2側に押さえ付けることによって、刃物本体2の所定位置に固定される。貫通孔43の周囲の部分が、ボルト50のボルト頭と当接する部分となる。
【0037】
図5における切込生成刃4においては、貫通孔43が、刃物本体2の径方向に沿う長孔状に形成されており、取付部41(切込生成刃4)は、刃先部42を刃物本体2の径方向に位置調整可能に構成されている。つまり、長孔状の貫通孔43の長手方向の寸法が、刃物本体2に形成される二つのボルト孔21間の距離(二つのボルト孔21を含むボルト孔21間の距離)よりも長くなるように構成されている。なお、この貫通孔43の幅寸法(図5(a)においては、上下方向の幅寸法)は、挿通されるボルト50の軸部の径よりも大きくなるように設定されている。
【0038】
また、切込生成刃4が備える取付部41は、刃物本体2の一端側に対向する側の一方面上(刃物本体2の一端側の端面に接触する底面45)に形成される線状の取付部係合溝部46を備えている。本実施形態においては、取付部係合溝部46は、刃物本体2の径方向に延びるように構成されている。取付部係合溝部46の溝幅(刃物本体2の幅方向に沿う方向の幅<取付部41の長手方向に対して垂直な方向の幅>)や、溝深さの寸法は、適宜設定することができるが、例えば、溝幅を0.2mm〜2mm程度、溝深さを0.1mm〜1mm程度に形成する。このような取付部係合溝部46は、例えば、レーザー加工やエッチング処理、切削加工、ワイヤーカット加工等を取付部の一方面に施すことにより形成することができる。
【0039】
また、取付部係合溝部46は、図5(b)(c)に示すように、切込生成刃4の刃先部42と貫通孔43との間の領域に形成している。なお、取付部41の幅方向中央位置に取付部係合溝部46を形成している。ここで、取付部係合溝部46の形成エリアについては、特に限定されず、例えば、図6(a)の裏面図に示すように、刃先部42とは反対側の取付部41の端部と、貫通孔43との間の領域に取付部係合溝部46を形成するように構成してもよく、或いは、図6(b)の裏面図に示すように、取付部41の側縁部と貫通孔43との間の領域に取付部係合溝部46を形成するように構成してもよい。また、取付部係合溝部46の個数についても特に限定されず、図6(c)の裏面図に示すように、複数の取付部係合溝部46を形成するようにして構成してもよい。なお、取付部係合溝部46を複数形成する場合には、各取付部係合溝部46にそれぞれ係合される(挟み込まれる)刃物本体係合突部25(後述)を形成することが好ましい。
【0040】
また、刃物本体2は、図7(a)や、そのC−C断面図である図7(b)に示すように、その一端側に配置される取付部41との接触面上に形成される線状の刃物本体係合突部25を備えている。本実施形態においては、刃物本体係合突部25は、刃物本体2の径方向に延びるように構成されている。この線状の刃物本体係合突部25は、上述の取付部41に形成される取付部係合溝部46と係合する機能を有している。また、刃物本体係合突部25の幅(刃物本体2の幅方向に沿う方向の幅)や、高さの寸法は、適宜設定することができるが、例えば、幅を0.2mm〜2mm程度、高さを0.1mm〜1mm程度に形成する。このような刃物本体係合突部25は、例えば、刃物本体2の一端側に配置される取付部41との接触面26に対して、切削加工やエッチング処理を行うことにより形成することができる。また、例えば、レーザー加工やエッチング処理、切削加工、ワイヤーカット加工等によって線状溝を形成し、この線状溝に線状部材を収容配置することにより形成することができる。なお、線状溝内に収容される線状部材は、その露出部分が、刃物本体の一端側における取付部との接触面26から突出した状態で配置する。ここで、線状部材は、例えば、金属ワイヤー等の金属材料から形成されていることが好ましい。また、線状部材は、線状溝内において樹脂等により接着固定されることが好ましい。
【0041】
また、刃物本体係合突部25は、図7(a)に示すように、刃物本体の一端側に配置される取付部41との接触面26上であって、刃物本体2の径方向外側における端縁とボルト孔21(2つのボルト孔21の内、刃物本体径方向外側に配置されるボルト孔21)との間の領域に形成している。ここで、刃物本体係合突部25は、上述の取付部係合溝部46に係合するものであり、取付部係合溝部46の形成位置に対応させて形成することができる。従って、刃物本体係合突部25の形成位置については特に限定されない。また、刃物本体係合突部25の個数についても、取付部係合溝部46の個数に対応させることができる。
【0042】
ここで、切込生成刃4は、刃物本体2の一端側において、刃物本体2の径方向に沿う方向に位置調整できるものであることから、刃物本体係合突部25が、取付部係合溝部46に係合した状態で、切込生成刃4は、刃物本体2の一端側において、刃物本体2の径方向に沿う方向に設置位置を変更可能に構成されている。つまり取付部係合溝部46の長さ及び刃物本体係合突部25の長さは、刃物本体係合突部25が取付部係合溝部46に係合された状態で、切込生成刃4が、刃物本体2の一端側の端面上を刃物本体2の径方向に沿う方向に移動できる寸法として構成される。例えば、本実施形態において、図8(a)(b)に示すように、切込生成刃4の刃先を刃物本体2の上端から0mm〜5mmの範囲で突出させることができるように構成する場合には、取付部係合溝部46の長さ及び刃物本体係合突部25の長さの差が5mm以上となるように構成する。より具体的には、取付部係合溝部46の長さが刃物本体係合突部25の長さよりも5mm以上長くなるように構成する。なお、図8(a)においては、取付部係合溝部46の刃先部42側の端部と、刃物本体係合突部25の刃物本体2の外周縁部側の端部とが、当接している状態において、切込生成刃4の刃先が刃物本体2の上端と面一(突出量が0mm)となっている状況を示している。
【0043】
以上の構成を備えた切断加工用刃物1は、例えば図28及び図29に示すような溝切り装置70に取り付けられて使用される。段ボールシート等のシート材にスリットを形成する方法は、上記背景技術で説明した方法と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0044】
本実施形態に係る切断用加工刃物1においては、刃物本体2が、その一端側における取付部41との接触面26上に形成される線状の刃物本体係合突部25を備えており、取付部41が、刃物本体2の一端側に対向する側の一方面上に形成される線状の取付部係合溝部46を備えており、刃物本体係合突部25が、取付部係合溝部46に係合するように構成されている。このような構成を備えることにより、刃物本体2に対して切込生成刃4をセッティングする際に、切込生成刃4の長手方向と刃物本体の径方向とを精度良く一致させて、切込生成刃4を刃物本体2の一端側に固定することができる。つまり、従来のように、切込生成刃4の長手方向と刃物本体2の径方向とが一致せず、刃物本体2の径方向に対して切込生成刃4の長手方向が傾いた状態で切込生成刃4を刃物本体2にセッティングしてしまうような事態が発生することを効果的に防止し、下側回転ホルダ74,74のそれぞれの対向面に取り付けられる2枚の受刃75,75のいずれか一方に切込生成刃4の先端部が衝突し、切込生成刃4が折損してしまうことを極めて効果的に抑制することが可能となる。
【0045】
また、線状の刃物本体係合突部25が、線状の取付部係合溝部46に係合しているため、段ボールシートにスリット加工を施す加工を継続していっても、切込生成刃4が段ボールシートに差し込まれるとき衝撃によって、刃物本体2の径方向に対して切込生成刃4の長手方向がずれる方向に僅かに回転することを効果的に防止することができ、受刃75に切込生成刃4の先端部が衝突し、切込生成刃4が折損してしまうことを極めて効果的に抑制することが可能となる。
【0046】
以上、本発明の一実施形態に係る切断加工用刃物1について説明したが、切断加工用刃物1の具体的構成は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態においては、刃物本体係合突部25が、刃物本体2の径方向に延びるように構成されており、また、取付部係合溝部46は、刃物本体2の径方向に延びるように構成されているが、例えば、図9に示すように、刃物本体係合突部25が、刃物本体2の径方向に対して垂直な方向に延びるように形成し、取付部41が、刃物本体2の径方向に対して垂直な方向に延びる取付部係合溝部46を複数備えるように構成してもよい。なお、各取付部係合溝部46は、刃物本体2の径方向に沿って同一間隔をあけて配置されていることが好ましい。
【0047】
この図9に示すような構成であっても、線状の刃物本体係合突部25が、線状の取付部係合溝部46に係合しているため、上述した効果、つまり、刃物本体2に対して切込生成刃4をセッティングする際に、切込生成刃4の長手方向と刃物本体2の径方向とを精度良く一致させて、切込生成刃4を刃物本体2の一端側に固定することができるという効果等を発揮することができる。
【0048】
なお、取付部41が、刃物本体2の径方向に対して垂直な方向に延びる取付部係合溝部46を複数備えるように構成しているため、図10(a)(b)に示すように、取付部係合溝部46と刃物本体係合突部25との係合位置を変化させることにより、刃物本体2の上端(外周縁)からの切込生成刃4の刃先の突出量を段階的に変更することができる。なお、図10(a)においては、複数の取付部係合溝部46の内、最も刃先部42側に配置される取付部係合溝部46と刃物本体係合突部25とが係合している状態おいて、切込生成刃4の刃先が刃物本体2の上端と面一(突出量が0mm)となっている状況を示している。
【0049】
また、図9に示すような構成により切断加工用刃物1を構成する場合、切込生成刃4が段ボールシートとの当接・突き破り時の衝撃によって、刃物本体2の径方向内側に該切込生成刃4を移動させるような力が作用しても、互いに係合している刃物本体係合突部25と取付部係合溝部46との作用により、切込生成刃4が、刃物本体2の径方向内側に移動することを防止することができる。つまり、図9に示す構成を採用する場合、切込生成刃4が段ボールシートに差し込まれるとき衝撃によって、刃物本体2の径方向に対して切込生成刃4の長手方向がずれる方向に僅かに回転することを効果的に防止しつつ、切込生成刃4が、刃物本体2の径方向内側に移動することも防止することが可能となる。
【0050】
また、図9に示すように、刃物本体2の径方向に対して垂直な方向に延びるように各取付部係合溝部46を構成する場合であっても、各取付部係合溝部46の形成位置は特に限定されず、切込生成刃4の刃先部42と貫通孔43との間の領域に各取付部係合溝部を形成してもよく、刃先部42とは反対側の取付部41の端部と、貫通孔42との間の領域に各取付部係合溝部46を形成するように構成してもよい。なお、刃物本体2の径方向に対して垂直な方向に延びるように構成される刃物本体係合突部25は、切込生成刃4に形成される取付部係合溝部46に係合されるものであるため、その形成位置は、取付部係合溝部46の形成位置に対応させて形成する。
【0051】
また、上記実施形態においては、切込生成刃4の刃先部4は、平刃として構成しているが、例えば、図11に示すように、半円筒状の形態として構成され、その裏面側の一端部が図11(a)及び(b)の破線で示すように切り欠かれることにより、一端外周縁に半円形状の刃先が形成されるように構成してもよい。なお、切込生成刃4は、刃先部42の外周曲面を刃物本体2の一端側に露出させる向きにて刃物本体2の一端側に取り付けられる。ここで、図11(a)は、切込生成刃4を上方から見た場合の平面図であり、図11(b)は、図11(a)において示される矢視D方向から見た場合の側面図である。また、図11(c)は、図11(a)において示される矢視E方向から見た場合の側面図であり、図11(d)は、図11(a)において示される矢視F方向から見た場合の側面図である。
【0052】
また、上記実施形態においては、平板状に切込生成刃4を形成し、その一端部に平刃としての刃先部42を備えるように構成しているが、図12(a)に示すように、この刃先部42に、一又は複数の刃先切欠き部421を形成するようにしてもよい。また、上記図11に示すような半円筒状の形態として切込生成刃を構成し、その一端外周縁に半円形状の刃先を形成する場合であっても、当該刃先(刃先部42の先端)に、図12(b)に示すように、一又は複数の刃先切欠き部421を形成するようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態においては、切込生成刃4の刃先部42を刃物本体2の径方向に位置調整可能に構成しつつ、二つのボルト50によって刃物本体2に固定される切込生成刃4の構成について説明したが、このような構成に特に限定されず、単一のボルト50によって、刃物本体2の径方向に位置調整可能に切込生成刃4を刃物本体2に固定される構成を採用してもよい。
【0054】
また、上記実施形態において、刃物本体2は、扇形状の形態を有するように構成されているが、例えば、図13に示すように、刃物本体2の一端側を平面視において略三角形状に切り欠かれて形成される本体切欠き部を構成し、刃物本体2の端面25に対して角度θの傾斜を有する支持面27を備えるように構成してもよい。角度θは、5°〜30°の範囲が好ましく、特に10°〜20°の範囲が好適であり、本実施形態では15°としている。なお、切込生成刃4を固定する際に用いられるボルト孔21は、支持面27に形成されており、切込生成刃4は、当該支持面27に取り付けられる。
【0055】
また、上記実施形態においては、刃物本体係合突部25及び取付部係合溝部46は、比較的細い幅を有する線状となるように構成されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、図14(a)や、そのG−G断面図である図14(b)に示すように、刃物本体係合突部25が幅寸法2mm以上の幅広の形態を有するように構成し、図15(a)〜(d)に示すように、取付部係合溝部46が、刃物本体係合突部25と係合しつつも、切込生成刃4が、刃物本体2の一端側において、刃物本体2の径方向に沿う方向に設置位置を変更可能となるように構成してもよい。図14においては、刃物本体2の一端部における両側縁部の一部を刃物本体2の径方向に沿って切り欠くと共に、刃物本体2の径方向外側端部部分を切り欠くことにより刃物本体係合突部25を形成している。なお、刃物本体係合突部25の幅は、刃物本体2の径方向に沿って同一の幅となるように構成されている。また、各ボルト孔21は、刃物本体係合突部25の端面上に形成されている。また、図15においては、切込生成刃4の取付部41の一方面上(刃物本体2の一端側の端面に接触する底面45)に形成される取付部係合溝部46は、刃先部42の刃先との間に間隔をあけた状態で形成されている。ここで、図15(a)は、切込生成刃4を上方から見た場合の平面図であり、図15(b)は、図15(a)において示されるH−H断面を示す断面図である。また、図15(c)は、切込生成刃4の裏面図であり、図15(d)は、図15(a)において示されるI−I断面を示す断面図である。
【0056】
これら図14図15に示すような構成であっても、刃物本体係合突部25が、取付部係合溝部46に係合しているため、上述した効果、つまり、刃物本体2に対して切込生成刃4をセッティングする際に、切込生成刃4の長手方向と刃物本体2の径方向とを精度良く一致させて、切込生成刃4を刃物本体2の一端側に固定することができるという効果等を発揮することができる。
【0057】
なお、図14図15に示す構成においては、刃物本体係合突部25及び取付部係合溝部46の形態として、図14(b)や図15(d)に示すように、断面視矩形状となるように形成しているが、このような構成に特に限定されず、図16(a)や図16(b)の断面図に示すように、刃物本体係合突部25及び取付部係合溝部46の形状を断面視円弧状となるように構成してもよい。
【0058】
また、上記実施形態においては、刃物本体側に線状の突部(刃物本体係合突部25)を形成し、切込生成刃側に線状の溝部(取付部係合溝部46)を形成する構成を備えているが、このような構成に限定されず、図17に示すように、刃物本体2が、その一端側における取付部との接触面26上に形成される線状の刃物本体係合溝部27を備えるように構成すると共に、取付部41が、刃物本体2の一端側に対向する側の一方面上(刃物本体2の一端側の端面に接触する底面45)に形成される線状の取付部係合突部48とを備えるように構成し、取付部係合突部48が、刃物本体係合溝部27に係合するように構成してもよい。図17に示す構成においては、刃物本体係合溝部27は、刃物本体2の径方向に延びるように構成されており、取付部係合突部48は、刃物本体2の径方向に延びるように構成されている。
【0059】
刃物本体係合溝部27の溝幅(刃物本体2の幅方向に沿う方向の幅)や、溝深さの寸法は、適宜設定することができるが、例えば、溝幅を0.2mm〜2mm程度、溝深さを0.1mm〜1mm程度に形成する。このような刃物本体係合溝部27は、例えば、レーザー加工やエッチング処理、切削加工、ワイヤーカット加工等を刃物本体2の一端側に配置される取付部41との接触面に施すことにより形成することができる。
【0060】
取付部係合突部48の幅(刃物本体2の幅方向に沿う方向の幅<取付部41の長手方向に対して垂直な方向の幅>)や、高さの寸法は、適宜設定することができるが、例えば、幅を0.2mm〜2mm程度、高さを0.1mm〜1mm程度に形成する。このような取付部係合突部48は、例えば、取付部41の一方面に対して、切削加工やエッチング処理を行うことにより形成することができる。また、例えば、レーザー加工やエッチング処理、切削加工、ワイヤーカット加工等によって線状溝を形成し、この線状溝に線状部材を収容配置することにより形成することができる。なお、線状溝内に収容される線状部材は、その露出部分が、取付部41の一方面から突出した状態で配置する。ここで、線状部材は、例えば、金属ワイヤー等の金属材料から形成されていることが好ましい。また、線状部材は、線状溝内において樹脂等により接着固定されることが好ましい。
【0061】
また、取付部係合突部48は、図17(b)に示すように、切込生成刃4の刃先部42と貫通孔43との間の領域に形成している。なお、取付部41の幅方向中央位置に取付部係合突部48を形成している。ここで、取付部係合突部48の形成エリアについては、特に限定されず、例えば、刃先部42とは反対側の取付部41の端部と、貫通孔43との間の領域に取付部係合突部48を形成するように構成してもよく、或いは、取付部41の側縁部と貫通孔43との間の領域に取付部係合突部48を形成するように構成してもよい。また、取付部係合突部48の個数についても特に限定されず、複数の取付部係合突部48を形成するようにして構成してもよい。なお、取付部係合突部48を複数形成する場合には、各取付部係合突部48がそれぞれ係合される(挟み込まれる)刃物本体係合溝部27を形成することが好ましい。
【0062】
また、刃物本体係合溝部27は、図17(a)に示すように、刃物本体2の一端側に配置される取付部41との接触面上であって、刃物本体2の径方向外側における端縁とボルト孔21(2つのボルト孔21の内、刃物本体径方向外側に配置されるボルト孔21)との間の領域に形成している。ここで、刃物本体係合溝部27は、上述の取付部係合突部48が係合するものであり、取付部係合突部48の形成位置に対応させて形成される。従って、刃物本体係合溝部27の形成位置については特に限定されない。また、刃物本体係合溝部27の個数についても、取付部係合突部48の個数に対応させることができる。
【0063】
ここで、切込生成刃4は、刃物本体2の一端側において、刃物本体2の径方向に沿う方向に位置調整できるものであることから、取付部係合突部48が、刃物本体係合溝部27に係合した状態で、切込生成刃4は、刃物本体2の一端側において、刃物本体2の径方向に沿う方向に設置位置を変更可能に構成されている。つまり刃物本体係合溝部27の長さ及び取付部係合突部48の長さは、取付部係合突部48が刃物本体係合溝部27に係合された状態で、切込生成刃4が、刃物本体2の一端側の端面上を刃物本体2の径方向に沿う方向に移動できる寸法として構成される。例えば、本実施形態において、図18(a)(b)に示すように、切込生成刃4の刃先を刃物本体2の上端から0mm〜5mmの範囲で突出させることができるように構成する場合には、刃物本体係合溝部27の長さ及び取付部係合突部48の長さの差が5mm以上となるように構成する。より具体的には、刃物本体係合溝部27の長さが取付部係合突部48の長さよりも5mm以上長くなるように構成する。なお、図18(a)においては、刃先部42とは反対側の取付部係合突部48の端部と、刃物本体係合溝部27の刃物本体2の外周縁部とは反対側の端部とが、当接している状態において、切込生成刃4の刃先が刃物本体2の上端と面一(突出量が0mm)となっている状況を示している。
【0064】
この図17図18に示すような構成であっても、刃物本体2が、その一端側における取付部41との接触面上に形成される線状の刃物本体係合溝部27を備えており、取付部41が、刃物本体2の一端側に対向する側の一方面上に形成される線状の取付部係合突部48を備えており、取付部係合突部48が、刃物本体係合溝部27に係合するように構成されている。このような構成を備えることにより、刃物本体2に対して切込生成刃4をセッティングする際に、切込生成刃4の長手方向と刃物本体2の径方向とを精度良く一致させて、切込生成刃4を刃物本体2の一端側に固定することができる。つまり、従来のように、切込生成刃4の長手方向と刃物本体2の径方向とが一致せず、刃物本体2の径方向に対して切込生成刃4の長手方向が傾いた状態で切込生成刃4を刃物本体2にセッティングしてしまうような事態が発生することを効果的に防止し、下側回転ホルダ74,74のそれぞれの対向面に取り付けられる2枚の受刃75,75のいずれか一方に切込生成刃4の先端部が衝突し、切込生成刃4が折損してしまうことを極めて効果的に抑制することが可能となる。
【0065】
また、線状の取付部係合突部48が、線状の刃物本体係合溝部27に係合しているため、段ボールシートにスリット加工を施す加工を継続していっても、切込生成刃4が段ボールシートに差し込まれるとき衝撃によって、刃物本体2の径方向に対して切込生成刃4の長手方向がずれる方向に僅かに回転することを効果的に防止することができ、受刃75に切込生成刃4の先端部が衝突し、切込生成刃4が折損してしまうことを極めて効果的に抑制することが可能となる。
【0066】
また、図17図18に示す切断加工用刃物においては、刃物本体係合溝部27及び取付部係合突部48は、比較的細い幅を有する線状となるように構成されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、図19(a)や、そのJ−J断面図である図19(b)に示すように、刃物本体係合溝部27が幅寸法2mm以上の幅広の形態を有するように構成し、図20(a)〜(d)に示すように、取付部係合突部48が、刃物本体係合溝部27と係合しつつも、切込生成刃4が、刃物本体2の一端側において、刃物本体2の径方向に沿う方向に設置位置を変更可能となるように構成してもよい。図20においては、切込生成刃4の取付部41の一方面側(刃物本体2の一端側の端面に接触する底面45側)において、刃物本体2の径方向に沿う取付部41の両側縁部を刃物本体2の径方向に沿って切り欠くと共に、刃先部42の裏面側も切り欠くことにより取付部係合突部48を形成している。なお、取付部係合突部48の幅は、刃物本体2の径方向に沿って同一の幅となるように構成されている。また、貫通孔43は、取付部係合突部48上に開口するように形成されている。また、刃物本体係合溝部27は、刃物本体2の一端側における取付部41との接触面上において、ボルト孔21を含む領域に形成されている。ここで、図20(a)は、切込生成刃4を上方から見た場合の平面図であり、図20(b)は、図20(a)において示されるK−K断面を示す断面図である。また、図20(c)は、切込生成刃4の裏面図であり、図20(d)は、図20(a)において示されるL−L断面を示す断面図である。
【0067】
これら図19図20に示すような構成であっても、取付部係合突部48が、刃物本体係合溝部27に係合しているため、上述した効果、つまり、刃物本体2に対して切込生成刃4をセッティングする際に、切込生成刃4の長手方向と刃物本体2の径方向とを精度良く一致させて、切込生成刃4を刃物本体2の一端側に固定することができるという効果等を発揮することができる。
【0068】
なお、図19図20に示す構成においては、刃物本体係合溝部27及び取付部係合突部48の形態として、図19(b)や図20(d)に示すように、断面視矩形状となるように形成しているが、このような構成に特に限定されず、図21(a)や図21(b)の断面図に示すように、刃物本体係合溝部27及び取付部係合突部48の形状を断面視円弧状となるように構成してもよい。
【0069】
また、図17図18に示す切断加工用刃物においては、刃物本体係合溝部27が、刃物本体2の径方向に延びるように構成されており、また、取付部係合突部48は、刃物本体2の径方向に延びるように構成されているが、例えば、図22に示すように、取付部係合突部48が、刃物本体2の径方向に対して垂直な方向に延びるように形成し、刃物本体2が、刃物本体2の径方向に対して垂直な方向に延びる刃物本体係合溝部27を複数備えるように構成してもよい。なお、各刃物本体係合溝部27は、刃物本体2の一端側に配置される取付部41との接触面上に形成されている。また、各刃物本体係合溝部27は、刃物本体2の径方向に沿って同一間隔をあけて配置されていることが好ましい。
【0070】
この図22に示すような構成であっても、線状の取付部係合突部48が、線状の刃物本体係合溝部27に係合するため、上述した効果、つまり、刃物本体2に対して切込生成刃4をセッティングする際に、切込生成刃4の長手方向と刃物本体2の径方向とを精度良く一致させて、切込生成刃4を刃物本体2の一端側に固定することができるという効果等を発揮することができる。
【0071】
なお、刃物本体2が、その径方向に対して垂直な方向に延びる刃物本体係合溝部27を複数備えるように構成しているため、図23に示すように、刃物本体係合溝部27と取付部係合突部48との係合位置を変化させることにより、刃物本体2の上端(外周縁)からの切込生成刃4の刃先の突出量を段階的に変更することができる。なお、図23(a)においては、複数の刃物本体係合溝部27の内、最も刃物本体2の径方向内側に配置される刃物本体係合溝部27と取付部係合突部48とが係合している状態おいて、切込生成刃4の刃先が刃物本体2の上端と面一(突出量が0mm)となっている状況を示している。
【0072】
また、図22に示すような構成により切断加工用刃物1を構成する場合、切込生成刃4が段ボールシートとの当接・突き破り時の衝撃によって、刃物本体2の径方向内側に該切込生成刃4を移動させるような力が作用しても、互いに係合している取付部係合突部48と刃物本体係合溝部27との作用により、切込生成刃4が、刃物本体2の径方向内側に移動することを防止することができる。つまり、図22に示す構成を採用する場合、切込生成刃4が段ボールシートに差し込まれるとき衝撃によって、刃物本体2の径方向に対して切込生成刃4の長手方向がずれる方向に僅かに回転することを効果的に防止しつつ、切込生成刃4が、刃物本体2の径方向内側に移動することも防止することが可能となる。
【0073】
また、図22に示すように、刃物本体2の径方向に対して垂直な方向に延びるように各刃物本体係合溝部27を構成する場合であっても、各刃物本体係合溝部27の形成位置は特に限定されず、切込生成刃4の刃先部42と貫通孔43との間の領域に各刃物本体係合溝部27を形成してもよく、刃先部42とは反対側の取付部41の端部と、貫通孔43との間の領域に各刃物本体係合溝部27を形成するように構成してもよい。なお、刃物本体2の径方向に対して垂直な方向に延びるように構成される取付部係合突部48は、刃物本体2に形成される刃物本体係合溝部27に係合されるものであるため、その形成位置は、刃物本体係合溝部27の形成位置に対応させて形成する。
【0074】
また、上記実施形態においては、刃物本体側に線状の突部(刃物本体係合突部25)を形成し、切込生成刃側に線状の溝部(取付部係合溝部46)を形成する構成を備えているが、例えば、図24(a)や、そのM−M断面図である図24(b)に示すように、刃物本体2が、その一端側における取付部41との接触面上に形成される刃物本体係合部28及び刃物本体係合切欠部29を備えるように構成し、図25(a)〜(d)に示すように、取付部41が、刃物本体2の一端側に対向する側の一方面上に形成される取付部係合切欠部49及び取付部係合部51を備えるように構成してもよい。刃物本体係合切欠部29及び刃物本体係合部28は、刃物本体2の一端側における取付部41との接触面における刃物本体2の厚み方向の一の側縁領域を含むように接触面を刃物本体2の径方向に沿って切り欠くと共に、刃物本体2の径方向外側端部部分の接触面を切り欠くことにより形成されている。また、取付部係合切欠部49及び取付部係合部51は、刃物本体2の一端側に対向する取付部41の一方面において刃物本体係合部28に対応する領域を切り欠くことにより形成されている。なお、取付部係合切欠部49は、取付部41の刃物本体2径方向内側の端部まで伸びるように形成されている。また、刃物本体係合部28の幅寸法と、取付部係合切欠部49の幅寸法は、同一寸法となるように構成されており、刃物本体係合部28の高さ寸法と、取付部係合切欠部49の深さ寸法も同一寸法となるように構成されている。いる。ここで、図25(a)は、切込生成刃4を上方から見た場合の平面図であり、図25(b)は、図25(a)において示されるN−N断面を示す断面図である。また、図25(c)は、切込生成刃4の裏面図であり、図25(d)は、図25(a)において示されるO−O断面を示す断面図である。
【0075】
刃物本体係合切欠部29は、刃物本体2の厚み方向に対して垂直な刃物本体切欠底面29aを備えており、刃物本体係合部28は、刃物本体切欠底面29a側を向く刃物本体係合側壁面28aを備えており、取付部係合部51は、刃物本体切欠底面29aに当接する突出面51aと、刃物本体係合側壁面28aに当接する取付部係合側壁面51bとを備えている。また、取付部係合切欠部49は、刃物本体係合部28の突出面28bに当接する取付部切欠底面49aを備えている。
【0076】
また、取付部係合側壁面51bが、刃物本体係合側壁面28aに当接した状態で、切込生成刃4は、刃物本体2の一端側において、刃物本体2の径方向に沿う方向に設置位置を変更可能に構成されている。
【0077】
ここで、刃物本体係合部28は、少なくともその一部分が、ボルト孔21よりも刃物本体2の径方向外側の領域に形成されており、刃物本体2の一端側における取付部41との接触面に関し、図24(a)に示すように、刃物本体2の径方向外側部分が上方に、刃物本体2の径方向内側部分が下方となるようにして見た平面視において、刃物本体係合部28が備える刃物本体係合側壁面28aは、左側を向くように形成されていることが好ましい。
【0078】
これら図24図25に示すような構成であっても、取付部係合側壁面48bが、刃物本体係合側壁面25aに当接(係合)しているため、上述した効果、つまり、刃物本体2に対して切込生成刃4をセッティングする際に、切込生成刃4の長手方向と刃物本体2の径方向とを精度良く一致させて、切込生成刃4を刃物本体2の一端側に固定することができるという効果等を発揮することができる。
【0079】
また、特に、刃物本体係合部28の少なくとも一部分が、ボルト孔21よりも刃物本体2の径方向外側の領域に形成されており、刃物本体2の一端側における取付部41との接触面に関して、図24(a)に示すように、刃物本体2の径方向外側部分が上方に、刃物本体2の径方向内側部分が下方となるようにして見た平面視において、刃物本体係合部25が有する刃物本体係合側壁面28aが、左側を向くように形成されていることにより、刃物本体2の一端部上に切込生成刃4を設置し、ボルト50をボルト孔21に螺合して、切込生成刃4を固定する際に、ボルト50のボルト頭と切込生成刃4とが接触して、切込生成刃4がボルト50と供回りしてしまい、図30に示すように、切込生成刃4の長手方向と刃物本体2の径方向とが一致せず、刃物本体2の径方向に対して切込生成刃4の長手方向が傾いた状態で切込生成刃4を刃物本体2にセッティングしてしまうような事態が発生することを効果的に抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0080】
1 切断加工用刃物
2 刃物本体
21 ボルト孔
25 刃物本体係合突部
27 刃物本体係合溝部
28 刃物本体係合部
28a 刃物本体係合側壁面
28b 突出面
29 刃物本体係合切欠部
29a 刃物本体切欠底面
3 溝切り刃
4 切込生成刃
41 取付部
42 刃先部
43 貫通孔
45 取付部の底面
46 取付部係合溝部
48 取付部係合突部
49 取付部係合切欠部
49a 取付部切欠底面
51 取付部係合部
51a 突出面
51b 取付部係合側壁面
50 ボルト
70 溝切り装置
【要約】
【課題】刃物本体に対する適切な位置にセッティングし、折損を防止することができる切断加工用刃物の切込生成刃を提供する。
【解決手段】シート材にスリットを形成するための切断加工用刃物が備える扇形状の刃物本体の一端側に取り付けられ、スリットの端部を形成する切込生成刃であって、前記刃物本体の一端側に着脱自在に取り付けられる取付部と、前記取付部の一端部に形成される刃先部とを備えており、前記取付部は、前記刃物本体の一端側に設けられるボルト孔に対応して形成され、前記刃物本体の径方向に沿う長孔状の貫通孔と、前記刃物本体の前記一端側に対向する側の一方面上に形成される取付部係合溝部とを備えており、前記取付部係合溝部は、前記刃物本体がその前記一端側における前記取付部との接触面上に有する刃物本体係合突部に係合することを特徴とする切込生成刃。
【選択図】図8
図1
図2
図3
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