(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6779540
(24)【登録日】2020年10月16日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】合成砥石
(51)【国際特許分類】
B24D 3/02 20060101AFI20201026BHJP
B24D 3/28 20060101ALI20201026BHJP
B24D 3/00 20060101ALI20201026BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20201026BHJP
C09K 3/14 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
B24D3/02 310C
B24D3/28
B24D3/00 320A
B24D3/02 310A
H01L21/304 622F
H01L21/304 631
C09K3/14 550D
C09K3/14 550J
C09K3/14 550Z
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-120270(P2019-120270)
(22)【出願日】2019年6月27日
【審査請求日】2019年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151357
【氏名又は名称】株式会社東京ダイヤモンド工具製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】京島 快
【審査官】
亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−082127(JP,A)
【文献】
特開2012−206186(JP,A)
【文献】
特表2003−500229(JP,A)
【文献】
特開昭57−021270(JP,A)
【文献】
特表2007−532334(JP,A)
【文献】
特開2004−181575(JP,A)
【文献】
特開2004−087912(JP,A)
【文献】
特開2017−042890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D 3/00 − 99/00
B24B 37/11 − 37/24
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被削材を乾式により化学機械研削する合成砥石において、
前記被削材に対して前記乾式による化学機械研削作用を有し、粒子径が5μmより小さい研磨剤と、
前記被削材と硬軟に関して同質若しくは軟質の材料、または前記被削材の酸化物と硬軟に関して同質若しくは軟質の材料で形成され、前記研磨剤より粒子径が大きい球状充填剤と、
前記研磨剤と前記球状充填剤を一体的に結合する樹脂結合剤と、
を備える合成砥石であって、
前記研磨剤の体積比は、0.2〜50体積%であり、
前記球状充填剤の体積比は、30〜60体積%であり、
前記樹脂結合剤の体積は、3〜25体積%である、
合成砥石。
【請求項2】
前記研磨剤は、前記被削材と硬軟に関して同質若しくは軟質の材料、または前記被削材の酸化物と硬軟に関して同質若しくは軟質の材料である請求項1に記載の合成砥石。
【請求項3】
前記研磨剤は、シリカ、酸化セリウム、酸化クロム、酸化第二鉄、アルミナ、炭化ケイ素のいずれか又は混合物である請求項1に記載の合成砥石。
【請求項4】
前記球状充填剤は、シリカ、カーボン、シリカゲル、活性炭のいずれか又は混合物である請求項1に記載の合成砥石。
【請求項5】
前記樹脂結合剤は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれか又は混合物である請求項1に記載の合成砥石。
【請求項6】
シリコンを主成分とする被削材を乾式により化学機械研削する合成砥石において、
前記被削材に対し前記乾式による化学機械研削作用を有し、粒子径が5μmより小さい研磨剤であるヒュームドシリカと、
前記研磨剤は、前記被削材と硬軟に関して同質若しくは軟質の材料、または前記被削材の酸化物と硬軟に関して同質若しくは軟質の材料で形成され、前記研磨剤より粒子径が大きい球状充填剤である球状シリカゲルと、
前記研磨剤と前記球状充填剤とを一体的に結合する樹脂結合剤であるセルロースと、
を備える合成砥石。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウェーハ等の被削物の表面をグライディング加工するための合成砥石に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造分野では、半導体素子の基板となるシリコンウェーハの表面の加工はシリコン単結晶インゴッドをスライスしたウェーハをラッピング工程、エッチング工程、ポリッシング工程等の数段の工程を経て鏡面に仕上げるのが一般的である。ラッピング工程においては、平行度、平坦度等の寸法精度、形状精度を得る。次いで、エッチング工程においてはラッピング工程でできた加工変質層を除去する。更にポリッシング工程においては、ケミカルメカニカル研磨(以下、「CMP」と称する。)により、良好な形状精度を維持した上で鏡面レベルの面粗さを持ったウェーハを形成する。またこれと同等のポリシング工程は半導体後工程においてバックグラインドと呼ばれる研削加工のダメージを除去する際にも用いられる。
【0003】
近年、ポリッシング工程の代わりに、乾式のケミカルメカニカル研削(以下、「CMG」と称する。)による表面加工を行う方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。CMG工程では、研磨剤(砥粒)を硬質樹脂等の樹脂結合剤で固定化した合成砥石を用いる。そして、ウェーハ及び合成砥石を回転させながら合成砥石をウェーハに押圧させる(例えば、特許文献2参照)。ウェーハ表面の凸部は、合成砥石との摩擦により加熱・酸化されて脆くなって剥がれ落ちる。このようにして、ウェーハの凸部だけが研削され、平坦化される。
【0004】
合成砥石の主成分は、例えば、被削物がシリコンウェーハの場合は、研磨剤として酸化セリウムやシリカといった酸化物が用いられる。また、樹脂結合剤としてはフェノール樹脂やエポキシ樹脂といった熱硬化性樹脂のほか耐熱性の高い熱可塑性樹脂も用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4573492号公報
【特許文献2】特開2004−87912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した合成砥石は、次のような問題があった。すなわち、CMG工程が進むと、合成砥石の被削物に対する研磨作用面から研磨剤が少しずつ脱落し、研磨作用面が平滑になってゆく。このため、研磨作用面においては樹脂結合剤と被削物との接触機会が増え、その結果、研磨剤と被削材との間の接触圧が低下し加工能率が著しく低下する一方、特に加工レートの向上を狙って乾式加工行う際は摩擦熱が過大となり、焼けや研磨スラッジの巻き込みによるスクラッチを生じるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、加工が進行しても研磨剤と被削物との接触圧を十分に維持して加工能率を維持し、しかも樹脂結合剤と被削物との接触面積を一定以下に抑制することで被削物面の品質低下及びスクラッチの発生を防止できる合成砥石を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係る合成砥石は、前記被削材に対し化学機械研削作用を有し、平均粒子径が5μmより小さい研磨剤と、前記研磨剤より平均粒子径が大きい球状充填剤と、前記研磨剤と前記球状充填剤を一体的に結合する樹脂結合剤とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
加工が進行しても研磨剤と被削物との接触圧を十分に維持して加工能率を維持し、しかも樹脂結合剤と被削物との接触面積を一定以下に抑制することで被削物面の品質低下及びスクラッチの発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る合成砥石が組み込まれたCMG装置を示す斜視図。
【
図4】同合成砥石を電子顕微鏡で拡大して示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜
図4は、本発明の一実施の形態を示す図である。なお、これらの図においてWは研削対象となるシリコンウェーハ(被削物)を示している。
図1に示すように、CMG装置10は、ウェーハWを支持する回転テーブル機構20と、後述する合成砥石100を支持する砥石支持機構30とを備えている。CMG装置10は、ウェーハ処理装置の一部を構成している。CMG装置10には、搬送ロボット等によりウェーハWが搬入・搬出される。
【0012】
回転テーブル機構20は、床面に配置されるテーブルモータ21と、このテーブルモータ21から上方に突出して配置されたテーブル軸22と、このテーブル軸22の上端に取り付けられたテーブル23を備えている。テーブル23は、研削対象であるウェーハWを着脱自在に保持する機構を有している。保持する機構としては、例えば真空吸着機構がある。
【0013】
砥石支持機構30は、床面に配置されると共に内部にモータが収容された架台31と、この架台31に支持され、架台31内のモータによって
図1中矢印方向に揺動する鉛直方向の揺動軸32と、この揺動軸32の上端に設けられ、水平方向に延設されるアーム33と、このアーム33の先端側に設けられた砥石駆動機構40を備えている。
【0014】
砥石駆動機構40は、回転モータ部41を備えている。回転モータ部41は、下方に突出した回転軸42を備えている。回転軸42の先端部には円環状のホイール保持部材43が取り付けられている。ホイール保持部材43には、
図2に示すように、円環状の合成砥石100が着脱自在に取り付けられている。合成砥石100の装着には、合成砥石100に設けられたネジ孔に、ホイール保持部材43側からボルトをねじ込んで装着する。
【0015】
合成砥石100は、
図3に示すように、0.2〜50体積%の研磨剤101と、20〜60体積%の球状充填剤102と、3〜25体積%の樹脂結合剤103を下記の体積比率により形成されている。なお、球状充填剤102の形状は、必ずしも球体に限られず、塊状のものであれば多少の凹凸や変形は含まれる。
【0016】
研磨剤101としては、例えば粒子径20nm以下のヒュームドシリカを用いる。なお、粒子径とは、球相当径におけるメディアン径D50を指す。また、研磨剤101の粒子径は5μm未満であることが好ましい。
【0017】
ここで、粒子径20nm以下のヒュームドシリカを用いているにも関わらず、研磨剤101の粒子径の上限値を5μm未満とした規定した理由について説明する。すなわち、微粒子は、液中に分散した状態における一次粒子と、大気中や固体中で凝集した状態における二次粒子とでは、大きくその粒子径が異なる。例えば、上述したヒュームドシリカの場合、一次粒子は10〜20nm程度であるものの、二次粒子では0.1〜0.5μm程度となる。このため、研磨剤の粒子径の上限値を規定する場合は、一次粒子と二次粒子の両者が混在していることを考慮し、二次粒子の粒子径の上限値で規定することが好ましい。一方、微粒子はヒュームドシリカの他、後述するように様々な種類(酸化セリウム、酸化クロム、酸化第二鉄、アルミナ・炭化ケイ素等)が有り、その二次粒子の粒子径に基づいて、上限値を定めた。
【0018】
また、粒子径が1μm以下となるサブミクロン粒子の場合は、研磨剤101の体積比率は0.2〜1%程度でも良い。球状充填剤102としては、粒子径20μmの球状シリカゲルを用いる。なお、球状シリカゲルはシリカの多孔質体である。樹脂結合剤103としては、例えば、フェノール樹脂やエチルセルロースを用いる。このように形成された合成砥石100を電子顕微鏡で拡大して示すと
図4に示すようなものとなる。
【0019】
合成砥石100は、上述した比率の研磨剤101、球状充填剤102、樹脂結合剤103をMEK(メチルエチルケトン)溶媒で溶き、撹拌した後に大気中で乾燥する。乾燥したものを粉砕して粉体とし、この粉体を金型に充填して、180℃で加圧成型して形成する。研磨剤101及び樹脂結合剤103は母材Mを形成し、球状充填剤102がその母材M内に分散されている状態となる。なお、樹脂結合剤103の結合度を調整したり、組織分散性を向上させるために研磨剤101より更に細かな粒子や線径の小さな繊維質を加えたりしてもよい。
【0020】
また、シリコンを主成分とするウェーハWに対して、ヒュームドシリカからなる研磨剤101はウェーハまたはその酸化物と同等か又は軟質である。また、研磨剤101に対して、球状シリカゲルからなる球状充填剤102はウェーハまたはその酸化物と同質又は軟質である。さらに、研磨剤101に対して、セルロースからなる樹脂結合剤103は同質又は軟質である。
【0021】
なお、上述した合成砥石100における体積比率は次のようにして決定した。すなわち、研磨剤101は0.2体積%未満となると加工能率が低下し、50体積%を超えると砥石の成型が困難になる。したがって、研磨剤101の体積比は0.2〜50%であることが好ましい。
【0022】
また、球状充填剤102は20体積%未満の場合、砥面の平滑化を防ぐ効果が薄れるという問題がある。球状充填剤102の体積比率が大きくなると加工能率を高く維持できると共に、ウェーハWの品質低下及びスクラッチの発生を防止できる効果が大きくため、30体積%以上が好ましい。しかし60体積%を超えると砥石成型が困難となる。したがって、球状充填剤102の体積比は20〜60%であることが好ましく、50〜60%であるとさらに好ましい。
【0023】
さらに、樹脂結合剤103はその比率が少なくなると加工能率は向上するが、3体積%未満では成型が困難になり、合成砥石100の摩耗速度が速くなる。樹脂結合剤103が25体積%を超えると砥石結合度が大幅に上昇し加工中の摩耗が無くなるため前記球状充填剤があっても砥面平滑化を生じやすい。したがって、樹脂結合剤103の体積比は3〜25体積%であることが好ましい。
【0024】
このように構成された合成砥石100は、CMG装置10に取り付けられて、次のようにしてウェーハWを研削する。すなわち、合成砥石100をホイール保持部材43に取り付ける。次に、搬送ロボットによりウェーハWをテーブル23に取り付ける。
【0025】
次に、テーブルモータ21を駆動して、テーブル23を
図1中矢印方向に回転させる。また、回転モータ部41を駆動して、ホイール保持部材43及び合成砥石100を
図1中矢印方向に回転させる。合成砥石100の周速を例えば、600m/minで回転させると共に、加工圧力300g/cm
2でウェーハW側に押圧する。さらに、揺動軸32を
図1中矢印方向に揺動させる。これらが連動することで、合成砥石100とウェーハWとが摺動する。
【0026】
この時の合成砥石100とウェーハWとの関係を
図3に示す。球状充填剤102は研磨剤101よりも平均粒径が大きいため、加工中の合成砥石100とウェーハWとはほとんど球状充填剤102の頂点を介して接触することになる。すなわち、合成砥石100の母材MとウェーハWとの間には、球状充填剤102が存在していることから、母材MとウェーハWとは直接接触せず、一定の隙間Sが生じる。
【0027】
球状充填剤102がウェーハWと接触した状態で、加工が開始されると、母材Mに外力が作用する。この外力が連続して作用することで樹脂結合剤103が緩み、母材Mから研磨剤101が脱落する。遊離した研磨剤101は、合成砥石100とウェーハWとの隙間において、球状充填剤102に吸着した状態で加工界面に存在する。このため、加工中の研磨剤101とウェーハWとはほとんど球状充填剤102の頂点を介して接触することになる。このため、研磨剤101とウェーハWとの実接触面積は大幅に小さくなり、加工点での作用圧力は高まる。したがって、高い加工能率で研削加工が進む。
【0028】
一方、隙間Sによって、ウェーハWの表面付近の空気は外気との循環が促進され、加工面は冷却される。また、研磨剤101によって生じたスラッジは隙間Sを介してウェーハWから外部に排出され、ウェーハWの表面が傷つくことを防止できる。この結果、摩擦熱によるウェーハWの表面の焼けやスクラッチを防止できる。
【0029】
このようにして、合成砥石100により、ウェーハWの表面を平坦、かつ、所定の表面粗さに研削してゆく。
【0030】
上述したように本実施の形態に係る合成砥石100によれば、加工が進行しても研磨剤101とウェーハWとの接触圧を十分に維持して加工能率を維持し、しかも樹脂結合剤103とウェーハWとの直接的な接触を抑制することでウェーハWの品質低下及びスクラッチの発生を防止できる。
【0031】
なお、合成砥石100を構成する材料は、上述したものに限られない。すなわち、研磨剤101としては、被削材がシリコンの場合には、シリカ又は酸化セリウム、被削材がサファイヤの場合には、酸化クロム・酸化第二鉄が適用可能である。この他、適用可能性のある研磨剤としてアルミナ・炭化ケイ素も被削材の種類に応じて用いることができる。
【0032】
球状充填剤102としては、シリカ、カーボンとそれらの多孔質体であるシリカゲル、活性炭等が適用可能である。なお、気孔形成剤として用いられる中空体バルーンは加工中に割れてスクラッチの原因となるため不適である。
【0033】
樹脂結合剤103としては、フェノール樹脂・エポキシ樹脂といった熱硬化性樹脂の他、エチルセルロースのような熱可塑性樹脂も適用可能である。熱可塑性樹脂の場合は、軟化点が120℃以上と比較的高く、伸びの少ないものであれば使用できる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された事項を付記する。
[1]被削材を化学機械研削する合成砥石において、
前記被削材に対し化学機械研削作用を有し、粒子径が5μmより小さい研磨剤と、
前記被削材またその酸化物と同質又は軟質の材料で形成され、前記研磨剤より粒子径が大きい球状充填剤と、
前記研磨剤と前記球状充填剤を一体的に結合する樹脂結合剤とを備えている合成砥石。
[2]前記研磨剤は、前記被削材またはその酸化物と同質又は軟質の材料である[1]に記載の合成砥石。
[3]前記研磨剤の体積比は、0.2〜50%、
前記球状充填剤の体積比は、20〜60%、
前記樹脂結合剤の体積は、3〜25体積%である[1]に記載の合成砥石。
[4]前記球状充填剤の体積比は、30〜60%である[3]に記載の合成砥石。
[5]前記研磨剤は、シリカ、酸化セリウム、酸化クロム、酸化第二鉄、アルミナ、炭化ケイ素のいずれか又は混合物である[1]に記載の合成砥石。
[6]前記球状充填剤は、シリカ、カーボン、シリカゲル、活性炭のいずれか又は混合物である[1]に記載の合成砥石。
[7]前記樹脂結合剤は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれか又は混合物である[1]に記載の合成砥石。
[8]前記被削材はシリコンを主成分とし、
前記研磨剤はヒュームドシリカであり、
前記球状充填剤は球状シリカゲルであり、
前記樹脂結合剤はセルロースである[1]に記載の合成砥石。
【符号の説明】
【0035】
10…CMG装置、20…回転テーブル機構、21…テーブルモータ、22…テーブル軸、23…テーブル、30…砥石支持機構、31…架台、32…揺動軸、33…アーム、40…砥石駆動機構、41…回転モータ部、42…回転軸、43…ホイール保持部材、100…合成砥石、101…研磨剤、102…球状充填剤、103…樹脂結合剤、M…母材、S…隙間、W…ウェーハ。
【要約】
【課題】加工が進行しても研磨剤と被削物との接触圧を十分に維持して加工能率を維持し、しかも樹脂結合剤と被削物との接触面積を一定以下に抑制することで被削物面の品質低下及びスクラッチの発生を防止すること。
【解決手段】ウェーハWを化学機械研削する合成砥石100において、ウェーハWに対し化学機械研削作用を有し、粒子径が5μmより小さいヒュームドシリカを主成分とする研磨剤101と、ウェーハWと同質又は軟質の材料で形成され、研磨剤101より粒子径が大きい球状シリカゲルを主成分とする球状充填剤102と、研磨剤101と球状充填剤102を一体的に結合するセルロースを主成分とする樹脂結合剤103とを備えている。
【選択図】
図3