【文献】
DOW Personal Care, SUNSPHERESTM Hollow Sphere Technology An SPF Booster for More Aesthetically Pleasing Formulations、2006、pp. 1−14、 [online]、 [2019年11月19日検索]、インターネット<URL:https://nshosting.dow.com/doc−archive/business/pcare/sunspheres/sunspheres_powder/tds/sunspheres_powder.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
鋭意検討の結果、本発明者らは、皮膚、特に顔を、UV光線から保護するための化粧用組成物であって、水中油型エマルジョン形態であり、いくつかの特定の選択された成分を含む化粧用組成物により上記目的が達成可能であることを見出した。
【0026】
したがって、本発明は、水中油型エマルジョン形態の化粧用組成物であって、化粧的に許容される媒体に、
(a)水を含む少なくとも1つの水性相と、
(b)(i)少なくとも1つの極性油、
(ii)少なくとも1つの親油性UVフィルター、及び
(iii)少なくとも1つの脂肪酸
を含む、少なくとも1つの脂肪相と、
(c)少なくとも1つの会合性ポリマーと、
(d)少なくとも1つの中空粒子と
を含む、化粧用組成物に関する。
【0027】
本発明による化粧用組成物は、新鮮な水の様なテクスチャーを備えながら高いUV遮蔽能力を有し、したがって、効果的なUV保護と使用中の良好な感触を同時に実現することができる。
【0028】
更に、本発明による化粧用組成物は、皮膚に均質又は均一な膜を形成して皮膚を透過するUV光線を阻止することができ、したがって、均一で一様なUV保護効果を実現することができる。
【0029】
以下、本発明の化粧用組成物を、より詳細に説明する。
【0030】
[化粧用組成物]
本発明による化粧用組成物は、水中油型(O/W)エマルジョン形態であり、化粧的に許容される媒体に、
(a)水を含む少なくとも1つの水性相と、
(b)(i)少なくとも1つの極性油、
(ii)少なくとも1つの親油性UVフィルター、及び
(iii)少なくとも1つの脂肪酸
を含む、少なくとも1つの脂肪相と、
(c)少なくとも1つの会合性ポリマーと、
(d)少なくとも1つの中空粒子と
を含む。
【0031】
本明細書における「化粧的に許容される媒体」は、毒性がなく、皮膚、唇、髪、頭皮、まつ毛、眉毛、爪又は身体の他の皮膚の部分に塗布することができる媒体であって、「生理学的に許容される媒体」と表してもよい。
【0032】
用語「O/Wエマルジョン」又は「水中油型エマルション」は、連続水性相と、小滴の形態で前述の水性相中に分散した脂肪相とを含む、巨視的に均質な任意の組成物を意味する。
【0033】
(a)〜(d)の各成分を以下に説明する。
【0034】
{水性相}
本発明による化粧用組成物は、少なくとも1つの水性相を含む。本発明による化粧用組成物は水中油型エマルジョンの形態であるため、本発明による化粧用組成物中の水性相は水中油型エマルジョンの連続相であり得る。
【0035】
水性相は水を含む。水の量は、組成物の総質量に対して55質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更により好ましくは80質量%以上であり得る。例えば、水の量は、組成物の総質量に対して55〜90質量%、好ましくは65〜90質量%、より好ましくは75〜85質量%、更により好ましくは80〜85質量%であり得る。
【0036】
水性相は、室温(25℃)で水と混和性の少なくとも1つのポリオール、特に2〜20個の炭素原子、好ましくは2〜10個の炭素原子、優先的には2〜6個の炭素原子を含むポリオール、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、又はジエチレングリコール;グリコールエーテル(特に3〜16個の炭素原子を含むもの)、例えば、モノ、ジ又はトリプロピレングリコール(C
1〜C
4)アルキルエーテル、モノ、ジ又はトリエチレングリコール(C
1〜C
4)アルキルエーテル;及びそれらの混合物から選択されるポリオールを含むことができる。そのようなポリオールは、組成物が塗布される皮膚の表面の保湿化を促進し得る。
【0037】
水性相は、室温(25℃)で水と混和性の少なくも1つのモノアルコール、特に2〜10個の炭素原子、好ましくはエタノール及びイソプロパノール等の2〜6個の炭素原子を有するものから選択されるモノアルコールを含むことができる。
【0038】
水性相のpHは、限定されないが、一般的に、約3〜12、好ましくは約5〜11、更により詳細には6〜8.5である。
【0039】
水性相のpHは、少なくとも1つの酸性化剤及び/又は少なくとも1つの塩基性化剤の存在又は非存在によって制御することができる。
【0040】
酸性化剤としては、例えば、無機又は有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸又は硫酸;カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸及び乳酸;並びにスルホン酸が挙げられ得る。
【0041】
塩基性化剤としては、例として、アンモニア水、アルカリ金属炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ、ジ、若しくはトリエタノールアミン及びその誘導体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム並びに以下の式:
【0043】
(式中、Wは場合に応じてヒドロキシル基又はC
1〜C
4アルキル基で任意選択で置換されたプロピレン残基であり;R
a、R
b、R
c及びR
dは、同一又は異なってよく、水素原子、又はC
1〜C
4アルキル若しくはC
1〜C
4ヒドロキシアルキル基を表す)
の化合物が挙げられ得る。
【0044】
水性相の量は、組成物の総質量に対して60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更により好ましくは85質量%以上であり得る。例えば、水性相の量は、組成物の総質量に対して70〜95質量%、好ましくは75〜93質量%、より好ましくは80〜90質量%、更により好ましくは85〜90質量%であり得る。
【0045】
{脂肪相}
本発明による化粧用組成物は、少なくとも1つの脂肪相を含む。本発明による化粧用組成物は、水中油型エマルジョンの形態であるため、本発明による化粧用組成物中の脂肪相は、水中油型エマルジョンの分散相になり得る。
【0046】
脂肪相の量は、組成物の総質量に対して40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更により好ましくは15質量%以下であり得る。例えば、脂肪相の量は、組成物の総質量に対して5〜30質量%、好ましくは7〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%、更により好ましくは10〜15質量%であり得る。
【0047】
(極性油)
脂肪相は少なくとも1つの極性油を含む。2つ以上の極性油が使用される場合、それらは同一でも異なってもよい。
【0048】
用語「極性油」は、25℃で、分散相互作用に特徴的な溶解度パラメータδ
dが16を超え、極性相互作用に特徴的な溶解度パラメータδ
pが厳密に0を超える任意の親油性化合物を意味する。溶解度パラメータδ
d及びδ
pは、ハンセン(Hansen)分類に従って定義される。例えば、これらの極性油は、エステル、トリグリセリド及びエーテルから選択され得る。
【0049】
ハンセン3次元溶解度空間の溶解度パラメータの定義及び計算は、論文C.M. Hansen: "The three dimensional solubility parameters", J. Paint Technol. 39, 105 (1967)に記載されている。
【0050】
このハンセン空間によれば、
- δ
dは、分子衝撃(molecular impact)中に誘起される双極子の形成から導かれるロンドン分散力を特徴づける;
- δ
pは、永久双極子間のデバイ相互作用力、更には誘起双極子と永久双極子との間のケーソム(Keesom)相互作用力を特徴づける;
- δ
hは、特定の相互作用力(例えば、水素結合、酸/塩基、ドナー/アクセプター等)を特徴づける;及び
- δ
aは、式δ
a=(δ
p2+δ
h2)
1/2によって定義される。パラメータδ
p、δ
h、δ
d及びδ
aは、(J/cm
3)
1/2で表される。
【0051】
極性油は、揮発性又は不揮発性の炭化水素系油であり得る。
【0052】
これらの油は植物、無機物又は合成起源であってよい。
【0053】
用語「極性炭化水素系油」は、炭素原子及び水素原子から実質的に形成されている又はからなる油であって、場合に応じて酸素原子及び窒素原子を含み、ケイ素及びフッ素原子は含まない油を意味する。極性炭化水素系油は、アルコール基、エステル基、エーテル基、カルボン酸基、アミン基及び/又はアミド基を含有し得る。
【0054】
優先的に、本発明による極性油は、25℃大気圧で10mN/mを超える表面張力を有する。
【0055】
表面活性は、デュヌイ(Du Nouy)リング法を使用して、静的な張力測定法によって測定される。
【0056】
測定の原理は、以下の通りである(25℃、大気圧で実施される測定):
【0057】
リングの質量を風袋によって中立化する。評価する液体にリング完全に沈め、その後、力が最大に達するまで、リングをゆっくりと引き出す。この最大力F
maxから、表面張力を式:
σ=F
max/4πR f
corr(r,R,ρ)
(式中、f
corrは、リングと密度ρのジオメトリに依存するリングの補正計数である)
に従って計算する。
【0058】
パラメータr及びRは、それぞれリングの内部半径及び外部半径を表す。
【0059】
第1の実施形態によれば、極性油は不揮発性油であり得る。特に、不揮発性極性油は、下記の油及びそれらの混合物から選択してもよい:
- 炭化水素系極性油、例えばフィトステアリルエステル、例えば、オレイン酸フィトステアリル、イソステアリン酸フィトステアリル、及びグルタミン酸ラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリル(Ajinomoto、Eldew PS203)、グリセロールの脂肪酸エステルからなるトリグリセリド、特にC
4〜C
36、特にC
18〜C
36の鎖長を有し得る脂肪酸のトリグリセリド、これらの油は直鎖状又は分岐状及び飽和又は不飽和であってよい;これらの油は、特にヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、小麦胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ゴマ油(820.6g/mol)、トウモロコシ油、アプリコット油、ヒマシ油、シア脂、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、ヤシ油、ナタネ油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、パンプキン油、骨髄油、クロフサスグリ油、月見草油、キビ(millet)油、大麦油、キノア油、ライ麦油、サフラワー油、ククイ油、パッションフラワー油、又はマスクローズ油;シアバター;又はカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド[例えばStearineries Dubois社により販売されているもの又はDynamit Nobel社によりMiglyol810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)で販売されているもの]、
- 10〜40個の炭素原子を含有する合成エーテル、例えば、ジカプリリルエーテル、
- 式RCOOR'の炭化水素系エステル、ここでRCOOは、2〜40個の炭素原子を含むカルボン酸残基を表し、R'は1〜40個の炭素原子を含む炭化水素系鎖を表し、例えばオクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸若しくはイソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピル、ヘプタノエート、特にヘプタン酸イソステアリル、アルコール又はポリオールオクタノエート、デカノエート若しくはリシノレート、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、4-ジヘプタン酸2-エチルヘキシル、パルミテート、安息香酸アルキル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、2-ジエチルヘキサン酸プロピレングリコール及びそれらの混合物、C
12〜C
15アルコールベンゾエート、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステル、例えばネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル及びネオペンタン酸2-オクチルドデシル、イソノナン酸エステル、例えばイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル及びイソノナン酸オクチル、エルカ酸オレイル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、ステアリン酸イソセチル、ネオペンタン酸イソデシル、ベヘン酸イソステアリル及びミリスチン酸ミリスチルを表す、
- 不飽和脂肪酸二量体及び/又は三量体とジオール、例えば特許出願FR0853634に記載されているジオールとの縮合によって得られるポリエステル、特にジリノール酸と1,4-ブタンジオールとの縮合によって得られるポリエステル。このポリマーに関して、Biosynthis社により名称Viscoplast 14436H[INCI名:(ジリノール酸/ブタンジオール)コポリマー]で販売されているポリマー、又はポリオールと二量体化二酸とのコポリマー及びそれらのエステル、例えばHailuscent ISDAが言及され得る、
- ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、例えば、ジペンタエリスリチルテトラヒドロキシステアレート/テトライソステアレート、
- 12〜26個の炭素原子を含有する脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール及びオレイルアルコール、
- C
12〜C
22高級脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸並びにそれらの混合物、
- フッ素化油、場合により一部が炭化水素系及び/又はシリコーン系のフッ素化油、
- 12〜26個の炭素原子を含有する脂肪酸、例えばオレイン酸、
- ジアルキルカーボネート、ここで2つのアルキル鎖は同一又は異なってよく、例えばCognis社により名称Cetiol CC(登録商標)で販売されているジカプリリルカーボネート、及び
- 高分子量、例えば400〜10000g/mol、特に650〜10000g/molの非揮発性油、例えば:
i)ビニルピロリドンコポリマー、例えばビニルピロリドン/1-ヘキサデセンコポリマー、ISP社により販売又は製造されているAntaron V-216(MW=7300g/mol)、
ii)エステル、例えば:
a)35〜70個の範囲の全炭素数を有する直鎖状脂肪酸エステル、例えばテトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル(MW=697.05g/mol)、
b)ヒドロキシル化エステル、例えばトリイソステアリン酸ポリグリセリル-2(MW=965.58g/mol)、
c)芳香族エステル、例えばトリメリト酸トリデシル(MW=757.19g/mol)、C
12〜C
15アルコールベンゾエート、安息香酸2-フェニルエチル及びサリチル酸ブチルオクチル、
d)C
24〜C
28分岐状脂肪酸又は脂肪アルコールのエステル、例えば、特許出願EP-A-0955039に記載されているエステル、特に、クエン酸トリイソアラキジル(MW=1033.76g/mol)、テトライソノナン酸ペンタエリスリチル(MW=697.05g/mol)、トリイソステアリン酸グリセリル(MW=891.51g/mol)、トリス(2-デシル)テトラデカン酸グリセリル(MW=1143.98g/mol)、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル(MW=1202.02g/mol)、テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2(MW=1232.04g/mol)又はテトラキス(2-デシル)テトラデカン酸ペンタエリスリチル(MW=1538.66g/mol)、
e)二量体ジオールとモノカルボン酸若しくはジカルボン酸とのエステル及びポリエステル、例えば二量体ジオールと脂肪酸とのエステル及び二量体ジオールと二量体ジカルボン酸とのエステル、例えば日本精化株式会社により販売され、参照によりその内容が本出願に組み込まれる特許出願US2004-175338に記述されたLusplan DD-DA5(登録商標)及びLusplan DD-DA7(登録商標)、
- 並びにそれらの混合物。
【0060】
好ましくは、極性油は、C
12〜C
15アルコールベンゾエート、セバシン酸ジイソプロピル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、炭酸ジカプリリル、安息香酸2-フェニルエチル、サリチル酸ブチルオクチル、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、ジカプリリルエーテル、ステアリン酸イソセチル、ネオペンタン酸イソデシル、イソノナン酸イソノニル(isononyl isononate)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ベヘン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル及びトリメリト酸トリデシルから選択される。
【0061】
好ましくは、極性油は、C
12〜C
15アルコールベンゾエート又はラウロイルサルコシンイソプロピルである。
【0062】
極性油(親油性UVフィルターを除く)の量は、組成物の総質量に対して1〜15質量%、好ましくは2〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%の範囲であり得る。
【0063】
本発明による組成物の「脂肪相」は、更にワックス、無極性油、又はその混合物を含み得る。
【0064】
用語「ワックス」は、室温で固体又は本質的に固体であり、一般的に35℃より大きな融点を有する化合物を意味するとして理解される。
【0065】
化粧用組成物で通常使用される無極性油及びワックスを、本発明による組成物中で使用してもよい。
【0066】
(親油性UVフィルター)
脂肪相は、少なくとも1つの親油性UVフィルターを含む。2種以上の親油性UVフィルターを使用する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
【0067】
用語「親油性UVフィルター」は、290から400nmの間のUV照射を遮蔽することができ、分子形態で溶解できるか、巨視的に均質な相が得られるように脂質相に分散することができる有機分子を意味する。用語「有機分子」は、構造中に1個又は複数の炭素原子を含む任意の分子を意味する。したがって、本発明で使用される親油性UVフィルターは、UV-A及び/又はUV-B領域において活性であり得る。
【0068】
親油性UVフィルターは、固体又は液体であり得る。用語「固体」及び「液体」は、25℃1気圧下でそれぞれ固体及び液体であることを意味する。
【0069】
親油性UVフィルターは、特にケイヒ酸誘導体;アントラニレート;サリチル酸誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体、カンファー誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロネート誘導体、特に特許US5624663に記載されている誘導体;イミダゾリン;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;特許出願EP0832642、EP1027883、EP1300137及びDE10162844に記載されているベンゾキサゾール誘導体;遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン、例えば特に特許出願WO93/04665に記載されているもの;α-アルキルスチレン系二量体、例えば特許出願DE19855649に記載されているもの;4,4-ジアリールブタジエン、例えば特許出願EP0967200、DE19746654、DE19755649、EP-A-1008586、EP1133980及びEP133981に記載されているもの;メロシアニン誘導体、例えば特許出願WO04/006878、WO05/058269、WO06/032741、FR2957249及びFR2957250に記載されているもの、並びにそれらの混合物から選択することができる。
【0070】
親油性UVフィルターの例として、以下にINCI名で示すものが挙げられる:
【0071】
ジベンゾイルメタン誘導体:
DSM Nutritional Products社により商品名Parsol1789で販売されているブチルメトキシジベンゾイルメタン又はアボベンゾン、
【0072】
パラアミノ安息香酸誘導体:
エチルPABA、
エチルジヒドロキシプロピルPABA、
特にISP社により名称Escalol507で販売されているエチルヘキシルジメチルPABA、
【0073】
サリチル酸誘導体:
Rona/EM Industries社により名称Eusolex HMSで販売されているホモサレート、
Symrise社により名称Neo Heliopan OSの下で販売されているサリチル酸エチルヘキシル、
【0074】
ケイヒ酸誘導体:
DSM Nutritional Products社により商品名Parsol MCXで販売されているメトキシケイヒ酸エチルヘキシル、
メトキシケイヒ酸イソプロピル、
Symrise社により商品名Neo Heliopan E1000で販売されているメトキシケイヒ酸イソアミル、
シノキセート、
メチルケイヒ酸ジイソプロピル、
【0075】
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体:
BASF社により商品名Uvinul N539で販売されているオクトクリレン、
BASF社により商品名Uvinul N35で販売されているエトクリレン、
【0076】
ベンゾフェノン誘導体:
BASF社により商品名Uvinul 400で販売されているベンゾフェノン-1、
BASF社により商品名Uvinul D50で販売されているベンゾフェノン-2、
BASF社により商品名Uvinul M40で販売されているベンゾフェノン-3又はオキシベンゾン、
Norquay社により商品名Helisorb 11で販売されているベンゾフェノン-6、
American Cyanamid社により商品名Spectra-Sorb UV-24で販売されているベンゾフェノン-8、
ベンゾフェノン-12、
BASF社により商品名Uvinul A+で販売されている、又は商品名Uvinul A+Bでメトキシケイヒ酸オクチルとの混合物の形態で販売されている、N-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
【0077】
ベンジリデンカンファー誘導体:
Chimex社により名称Mexoryl SDで製造されている3-ベンジリデンカンファー、
Merck社により名称Eusolex6300で販売されている4-メチルベンジリデンカンファー、
Chimex社により名称Mexoryl SWで製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、
【0078】
フェニルベンゾトリアゾール誘導体:
Rhodia Chimie社により名称Silatrizoleで販売されているドロメトリゾールトリシロキサン、
【0079】
トリアジン誘導体:
BASF社により商品名Tinosorb Sで販売されているビス-(エチルヘキシルオキシフェニル)メトキシフェニルトリアジン、
BASF社により商品名Uvinul T150で特に販売されているエチルヘキシルトリアゾン、
Sigma 3V社により商品名Uvasorb HEBにより販売されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
- EP0841341に記載されている2つのアミノベンゾエート基で置換されているトリアジンシリコーン、特に2,4-ビス-(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、
【0080】
アントラニル酸誘導体:
Symrise社により名称Neo Heliopan MSで販売されているアントラニル酸メンチル、
【0081】
イミダゾリン誘導体:
ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオン酸エチルヘキシル、
【0082】
ベンザルマロネート誘導体:
ジネオペンチル4'-メトキシベンザルマロネート、
ベンザルマロネート官能基含有ポリオルガノシロキサン、例えばDSM社によって商品名Parsol SLXで販売されているポリシリコーン-15、
【0083】
4,4-ジアリールブタジエン誘導体:
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
【0084】
親油性メロシアニン誘導体:
- オクチル5-N,N-ジエチルアミノ-2-フェニルスルホニル-2,4-ペンタジエノエート
並びにそれらの混合物。
【0085】
好ましい親油性UVフィルターは、以下から選択され得る:
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、
サリチル酸エチルヘキシル、
ホモサレート、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
オクトクリレン、
ベンゾフェノン-3、
n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
4-メチルベンジリデンカンファー、
ビス(エチルヘキシルオキシフェニル)メトキシフェニルトリアジン、
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4-ビス-(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ]-ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン-15、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、及び
それらの混合物。
【0086】
より好ましい親油性UVフィルターは、以下から選択され得る:
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、
オクトクリレン、
サリチル酸エチルヘキシル、
n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
ビス(エチルヘキシルオキシフェニル)メトキシフェニルトリアジン、
2,4-ビス-(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ]-ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
ドロメトリゾールトリシロキサン、及び
それらの混合物。
【0087】
本発明による化粧用組成物は、有機UVフィルターを、化粧用組成物の総質量に対して3〜20質量%、好ましくは4〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%の量で含んでよい。
【0088】
(脂肪酸)
脂肪相は少なくとも1つの脂肪酸を含む。2つ以上の脂肪酸が使用される場合、それらは同一であっても異なってもよい。
【0089】
本明細書における脂肪酸は、脂肪族モノカルボン酸、好ましくは長い炭素鎖を有する脂肪族モノカルボン酸を意味する。脂肪酸は、少なくとも6個の炭素原子、好ましくは7個の炭素原子、より好ましくは8個の炭素原子を有することが好ましい。脂肪酸は、好ましくは30個まで、より好ましくは20個までの炭素原子を含み得る。
【0090】
脂肪酸は、飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐状脂肪酸から選択することができる。不飽和の直鎖状若しくは分岐状脂肪酸として、モノ不飽和の直鎖状若しくは分岐状脂肪酸、又はポリ不飽和の直鎖状若しくは分岐状脂肪酸を使用することができる。不飽和の直鎖状若しくは分岐状脂肪酸の不飽和部分として、炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合が言及され得る。
【0091】
脂肪酸として、例えば、C
8〜30飽和の直鎖状又は分岐状脂肪酸を使用してもよい。ラウリン酸以外のC
8〜30飽和の直鎖状又は分岐状脂肪酸として、カプリル酸(C
8)、ペラルゴン酸(C
9)、カプリン酸(C
10)、ラウリン酸(C
12)、ミリスチン酸(C
14)、ペンタデカン酸(C
15)、パルミチン酸(C
16)、ヘプタデカン酸(C
17)、ステアリン酸(C
18)、ノナデカン酸(C
19)、アラキジン酸(C
20)、ベヘン酸(C
22)、及びリグノセリン酸(C
24)が挙げられる。
【0092】
他方、脂肪酸として、例えば、C
8〜30不飽和の直鎖状又は分岐状脂肪酸を使用してもよい。C
8〜30不飽和の直鎖状又は分岐状脂肪酸として、パルミトレイン酸(C
16)、オレイン酸(C
18)、リノール酸(C
18)、リノレン酸(C
18)、アラキドン酸(C
20)及びネルボン酸(C
24)が挙げられる。
【0093】
脂肪酸は、C
10〜30の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪酸、特に飽和脂肪酸であることが好ましい。
【0094】
より好ましくは、脂肪酸は、C
13〜18脂肪酸、好ましくはC
13〜18飽和の直鎖状又は分岐状脂肪酸から選択される。したがって、より好ましい脂肪酸は、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸及びステアリン酸である。ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸が、更により好ましい。
【0095】
脂肪酸は、その遊離酸の形態又はその塩の形態であることができる。脂肪酸の塩としては、無機塩、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)及びアルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)、及び有機塩、例えばアンモニウム塩(第4級アンモニウム塩等)及びアミン塩(トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等)が言及され得る。単一種の脂肪酸塩を使用してもよく、様々な種類の脂肪酸塩の組合せを使用してもよい。更に、遊離酸の形態の1つ又は複数の脂肪酸と、塩の形態の1つ又は複数の脂肪酸との組合せも使用することができ、塩は1種又は複数種の塩を使用することができる。少なくとも一部(好ましくは少なくとも80%、より好ましくは90%)、特に全ての脂肪酸が遊離酸の形態であることが好ましい。
【0096】
本発明による化粧用組成物は、有機UVフィルターを、組成物の総質量に対して0.1〜5質量%、好ましくは0.4〜4質量%、より好ましくは0.7〜3質量%の量で含んでよい。
【0097】
{会合性ポリマー}
本発明による化粧用組成物は、少なくとも1つの会合性ポリマーを含む。2つ以上の会合性ポリマーが使用される場合、それらは同一であっても異なってもよい。
【0098】
会合性ポリマーは、水性媒体中で、互いに又は他の分子と可逆的に結合することが可能な水溶性ポリマーである。
【0099】
その化学構造には、1つ又は複数の親水性領域と、少なくとも1つのC
8〜C
30脂肪鎖の存在により特徴づけられる1つ又は複数の疎水性領域とが含まれる。
【0100】
アニオン性会合性ポリマーとして以下が挙げられる:
- (I)少なくとも1つの親水性単位と少なくとも1つの脂肪鎖アリルエーテル単位とを含むポリマー、特にその親水性単位が、エチレン性不飽和アニオン性モノマー、より詳細には、ビニルカルボン酸、最も好ましくは、アクリル酸若しくはメタクリル酸又はその混合物からなるポリマーであり、その脂肪鎖アリルエーテル単位は、下記式(XXI)のモノマー:
CH
2=CR'CH
2OB
nR (XXI)
(式中、R'はH又はCH
3を表し、Bはエチレンオキシ基を表し、nは0又は1〜100の範囲の整数を表し、Rは8〜30個の炭素原子、好ましくは10〜24個、より好ましくは12〜18個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキル、アリール、アルキルアリール及びシクロアルキル基から選択される炭化水素系基を表す)に相当する。特に好ましい式(XXI)の単位は、R'がHを表し、nが10に等しく、Rがステアリル基(C
18)を表す単位である。
【0101】
この種のアニオン性会合性ポリマーは、特許EP-0216479に記載されており、乳化重合方法によって調製することができる。
【0102】
このアニオン性会合性ポリマーにおいて、本発明に従って特に好ましいものは、20〜60質量%のアクリル酸及び/又はメタクリル酸、5〜60質量%の低級アルキル(メタ)アクリレート、2〜50質量%の式(XXI)の脂肪鎖アリルエーテル、及び0〜1質量%の架橋剤とから形成されるポリマーであり、前記架橋剤は、周知の共重合性不飽和ポリエチレン性モノマー、例えばフタル酸ジアリル、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート又はメチレンビスアクリルアミドである。
【0103】
後者のポリマー中で、特に最も好ましいものは、メタクリル酸と、アクリル酸エチルと、ポリエチレングリコール(10EO)ステアリルアルコールエーテル(Steareth-10)との架橋ターポリマーであり、特にAllied Colloids社から名称Salcare SC80(登録商標)及びSalcare SC90(登録商標)で販売されている、水性30%エマルジョンのメタクリル酸とアクリル酸エチルとsteareth-10アリルエーテル(40/50/10)の架橋ターポリマーである。
【0104】
- (II)不飽和オレフィンカルボン酸型の少なくとも1つの親水性単位と、不飽和カルボン酸の(C
10〜C
30)アルキルエステル等の型の少なくとも1つの疎水性単位とを含むポリマー。
【0105】
これらのポリマーは、その不飽和オレフィン性カルボン酸型の親水性単位が、下記式(XXII)のモノマー:
【0107】
(式中、R
1はH、CH
3又はC
2H
5を表し、つまりアクリル酸、メタクリル酸又はエタクリル酸単位を表す)に相当し、その不飽和カルボン酸の(C
10〜C
30)アルキルエステル等の型の疎水性単位が、下記式(XXIII)のモノマー:
【0109】
(式中、R
2は、H、又はCH
3若しくはC
2H
5{つまり、アクリレート、メタクリレート又はエタクリレート単位}、好ましくはH{アクリレート単位}又はCH
3{メタクリレート単位}を表し、R
3はC
10〜C
30、好ましくはC
12〜C
22アルキル基を表す)
に相当するポリマーから好ましくは選択される。
【0110】
本発明による不飽和カルボン酸の(C
10〜C
30)アルキルエステルは、例えば、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル及びアクリル酸ドデシル、及びその対応メタクリレートであるメタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル及びメタクリル酸ドデシルが挙げられる。
【0111】
この種のアニオン性ポリマーは、特許US3915921及びUS4509949に従って説明及び調製される。
【0112】
好ましい実施形態によれば、これらのポリマーは架橋されている。
【0113】
より詳細な使用し得るこの種のアニオン性会合性ポリマーとしては、
(i)本質的にアクリル酸、
(ii)上記式(XXIII)(式中、R
2がH又はCH
3を表し、R
3が12〜22個の炭素原子を含有するアルキル基を表す)のエステル、及び
(iii)架橋剤である周知の共重合性不飽和ポリエチレン性モノマー、例えばフタル酸ジアリル、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート及びメチレンビスアクリルアミド
を含むモノマー混合物から形成されるポリマーが挙げられる。
【0114】
この種のアニオン性会合性ポリマーとして、より詳細には、95〜60質量%のアクリル酸(親水性単位)と、4〜40質量%のアクリル酸C
10〜C
30アルキル(疎水性単位)と、0〜6質量%の架橋重合性モノマーとから形成されるポリマー、又は98〜96質量%のアクリル酸(親水性単位)と、1〜4質量%のアクリル酸C
10〜C
30アルキル(疎水性単位)と、0.1〜0.6質量%の上記のような架橋重合性モノマーとから形成されるポリマーが使用され得る。
【0115】
上述のポリマーの中で、本発明に従って最も好ましいポリマーとしては、アクリレート/アクリル酸C
10〜30アルキルコポリマー[INCI名: (アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C
10〜30アルキル))クロスポリマー]、例えば、Lubrizol社により商品名Pemulen TR1(登録商標)、Pemulen TR2(登録商標)、Carbopol1382(登録商標)、及びCarbopol EDT2020(登録商標)、より優先的にはPemulen TR2(登録商標)で販売されている製品が挙げられる。
【0116】
- (III)無水マレイン酸/C
30〜C
38α-オレフィン/マレイン酸アルキルターポリマー、例えば、New Phase Technologies社により名称Performa V1608(登録商標)で販売されている製品(無水マレイン酸/C
30〜C
38α-オレフィン/マレイン酸イソプロピル)。
【0117】
- (IV)以下を含むアクリル酸ターポリマー:
(a)α,β-モノエチレン性不飽和を含有する約20〜70質量%のカルボン酸、
(b)(a)以外のα,β-モノエチレン性不飽和を含有する約20〜80質量%の非界面活性剤モノマー、及び
(c)一水素性界面活性剤と、モノエチレン性不飽和を含有するモノイソシアネートとの反応生成物である約0.5〜60質量%の非イオン性モノウレタン、
例えば、特許出願EP-A-0173109に記載されているもの、より詳細には実施例3に記載のターポリマー、つまり、メタクリル酸/アクリル酸メチル/ベヘニルアルコールジメチル-メタ-イソプロペニルベンジルイソシアネートエトキシル化(40EO)ターポリマーの25%水溶性分散液。
【0118】
- (V)モノマーの中でも特にα,β-モノエチレン性不飽和含有カルボン酸、及びα,β-モノエチレン性不飽和含有カルボン酸とオキシアルキル化アルコールとのエステルを含むコポリマー。
【0119】
優先的には、これらの化合物は、モノマーとして、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とC
1〜C
4アルコールとのエステルを含む。
【0120】
この種の化合物の例として、Rohm & Haas社により販売されているメタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシアルキレン化ステアリルメタクリレートターポリマーのAculyn22(登録商標)が挙げられる。
【0121】
カチオン性会合性ポリマーとして以下が挙げられる。
- (I)カチオン性会合性ポリウレタン、そのファミリーは本出願人の仏国特許出願第00/09609号に記載されている;これらは、下記一般式(XXIV)によって表すことができる:
R-X-(P)n-[L-(Y)m]r-L'-(P')p-X'-R' (XXIV)
(式中、
R及びR'は、同一又は異なってよく、疎水性基又は水素原子を表し、
X及びX'は、同一又は異なってよく、場合により疎水性基又はL''基を有するアミン官能基を含む基を表し、
L、L'及びL''は、同一又は異なってよく、ジイソシアネート由来の基を表し、
P及びP'は、同一又は異なってよく、場合により疎水性基を有するアミン官能基を含む基を表し、
Yは、親水性基を表し、
rは、1から100、好ましくは1から50、特に1から25の間の整数であり、
n、m及びpは、互いに独立して、それぞれ0〜1000の範囲であり、
分子は、少なくとも1つのプロトン又は第4級アミン官能基と、少なくとも1つの疎水性基を含有する。
【0122】
これらのポリウレタンの1つの好ましい実施形態においては、疎水性基のみが、R及びR'基の鎖末端にある。
【0123】
カチオン性会合性ポリウレタンの好ましい1つのファミリーは、上述の式(XXIV)に対応するものであり、式中、
R及びR'は、両方が独立して疎水性基を表し、
X及びX'は、各々L''基を表し、
n及びpは、1から1000であり、
L、L'、L''、P、P'、Y及びmは、上記で示した意味を有する。
【0124】
カチオン性会合性ポリウレタンの別の好ましいファミリーは、上述の式(XXIV)
(式中、
R及びR'は、両方が独立して疎水性基を表し、X及びX'は、各々L''基を表し、n及びpは0であり、L、L'、L''、Y及びmは上記で示した意味を有する)
に対応するものである。
【0125】
n及びpが0であることは、これらのポリマーが、重縮合中にポリマーに組み込まれるアミン官能基を含有するモノマーから誘導される単位を含まないことを意味する。これらのポリウレタンのプロトン化アミン官能基は、過剰のイソシアネート官能基が鎖末端で加水分解され、次いで形成された第1級アミン官能基が、疎水性基含有アルキル化剤、つまりRQ又はR'Q型(式中、R及びR'は上記で定義した通りであり、Qは脱離基、例えば、ハライド、スルフェート等を表す)化合物でアルキル化されることにより生じる。
【0126】
更に別のカチオン性会合性ポリウレタンの別の好ましいファミリーは、上述の式(XXIV)
(式中、
R及びR'は、両方が独立して疎水性基を表し、
X及びX'は、両方が独立して第4級アミンを含む基を表し、
n及びpは0であり、
L、L'、Y及びmは、上記で示した意味を有する)
に対応するものである。
【0127】
カチオン性会合性ポリウレタンの数平均分子量は、好ましくは400〜500000、特に1000〜400000、理想的には1000〜300000である。
【0128】
表現「疎水性基」は、飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐状で、1つ又は複数のヘテロ原子、例えばP、O、N又はSを含有してもよい、炭化水素鎖を含有する基若しくはポリマー、又はパーフルオロ若しくはシリコーン鎖を含有する基を意味する。疎水性基は、炭化水素系基を表すとき、少なくとも10個の炭素原子、好ましくは10〜30個の炭素原子、特に12〜30個の炭素原子、より好ましくは18〜30個の炭素原子を含む。
【0129】
優先的には、炭化水素系基は、単官能性化合物から誘導される。
【0130】
例として、疎水性基は、脂肪アルコール、例えばステアリルアルコール、ドデシルアルコール又はデシルアルコールから誘導することができる。更に、疎水性系基は、炭化水素系ポリマー、例えばポリブタジエンも表し得る。
【0131】
X及び/又はX'が第3級又は第4級アミンを含む基を表すとき、X及び/又はX'は下記式の1つを表し得る:
【0133】
(式中、
R
2は、1〜20個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状アルキレン基を表し、場合に応じて、飽和又は不飽和の環又はアリーレン基を含み、その1つ又は複数の炭素原子が、N、S、O及びPから選択されるヘテロ原子で置き換えられていてもよく、
R
1及びR
3は、同一又は異なってよく、C
1〜C
30アルキル又はアルケニル基、又はアリール基を表し、その炭素原子の少なくとも1つが、N、S、O及びPから選択されるヘテロ原子で置き換えられていてもよく、
A
-は生理学的に許容される対イオンである)。
【0134】
L、L'及びL''基は、次式の基を表す:
【0136】
(式中、
Zは、-O-、-S-又は-NH-を表し、
R
4は、1〜20個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状アルキレン基を表し、場合に応じて、飽和又は不飽和の環、又はアリーレン基を含み、その1つ又は複数の炭素原子がN、S、O及びPから選択されるヘテロ原子で置き換えられていてもよい)。
【0137】
アミン官能基を含むP及びP'基は、以下の少なくとも1つを表し得る:
【0139】
(式中、
R
5及びR
7は、上記で定義したR
2と同じ意味を有し、
R
6、R
8及びR
9は、上記で定義したR
1及びR
3と同じ意味を有し、
R
10は、直鎖状又は分岐状の、場合により不飽和のアルキレン基を表し、N、O、S及びPから選択される1又は複数のヘテロ原子を含有することができ、
A
-は生理学的に許容される対イオンである)。
【0140】
Yの意味に関して、用語「親水性基」は、重合体又は非重合体の水溶性基を意味する。
【0141】
ポリマーでないときの例として、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びプロピレングリコールが挙げられる。
【0142】
ポリマーが親水性ポリマーであるとき、1つの好ましい実施形態では、例えば、ポリエーテル、スルホン化ポリエステル、スルホン化ポリアミド、又はこれらのポリマーの混合物が言及され得る。親水性化合物は、優先的には、ポリエーテル、特にポリ(エチレンオキシド)又はポリ(プロピレンオキシド)である。
【0143】
本発明に従って使用され得る式(XXIV)のカチオン性会合性ポリウレタンは、ジイソシアネートと不安定水素を含有する官能基を有する様々な化合物とから形成される。不安定水素を含有する官能基としては、ジイソシアネート官能基との反応後に、ポリウレタン、ポリウレア及びポリウレタンをそれぞれ与え得るアルコール、第1級若しくは第2級アミン、又はチオール官能基が挙げられる。本発明によって使用され得る表現「ポリウレタン」は、これらの3種類のポリマー、つまりポリウレタン、ポリウレア及びポリチオウレア、並びにそれらのコポリマーを包含する。
【0144】
式(XXIV)のポリウレタンの調製に関与する第1の種類の化合物は、アミン官能基を含有する少なくとも1つの単位を含む化合物である。この化合物は、多官能性であってもよいが、優先的には二官能性であり、つまり、優先的な一実施形態によれば、この化合物は、2つの不安定水素原子発生基、例えば、ヒドロキシル基、第1級アミン、第2級アミン又はチオール官能基を含む。多官能性と二官能性化合物との混合物であって多官能性化合物の割合が少ない混合物も使用できる。
【0145】
上述のように、この化合物は、アミン官能基を含有する単位を2つ以上含んでもよい。この場合、その化合物は、アミン官能基を含有する単位の繰り返しを含むポリマーである。
【0146】
この種の化合物は、以下の式の1つによって表されてもよい:
HZ-(P)n-ZH
又は
HZ-(P')p-ZH
(式中、Z、P、P'、n及びpは、上記で定義した通りである)。
【0147】
アミン官能基を含有する化合物の例としては、N-メチルジエタノールアミン、N-tert-ブチルジエタノールアミン、及びN-スルホエチルジエタノールアミンが挙げられる。
【0148】
式(XVIII)のポリウレタンの調製に含まれる第2の化合物は、次式に対応するジイソシアネートである:
O=C=N-R
4-N=C=O
(式中、R
4は、上記で定義した通りである)。
【0149】
例として、メチレンジフェニルジイソシアネート、メチレンシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート及びヘキサンジイソシアネートが挙げられる。
【0150】
式(XXIV)のポリウレタンの調製に関与する第3の化合物は、式(XXIV)のポリマーの末端疎水性基を形成することが意図される疎水性化合物である。
【0151】
この化合物は、疎水性基と、不安定水素を含有する官能基、例えばヒドロキシル基、第1級若しくは第2級アミン、又はチオール官能基とからなる。
【0152】
例として、この化合物は、脂肪アルコール、例えば、特にステアリルアルコール、ドデシルアルコール又はデシルアルコールであり得る。この化合物は、ポリマー性の鎖を含むとき、例えばα-ヒドロキシル化水素化ポリブタジエンであってもよい。
【0153】
式(XXIV)のポリウレタンの疎水性基は、少なくとも1つの第3級アミン単位を含むこの化合物の第3級アミンが4級化した結果によるものであってもよい。したがって、疎水性基は4級化剤により導入される。この4級化剤は、RQ又はR'Q型の化合物であり、ここで、R及びR'は上述の通りであり、Qは脱離基、例えば、ハライド、スルフェート等を表す。
【0154】
カチオン性会合性ポリウレタンは更に親水性ブロックを含んでもよい。このブロックは、ポリマーの調製に関与する第4の種類の化合物によって提供される。この化合物は多官能性であってもよい。好ましくは二官能性である。更に、多官能化合物のパーセンテージが低い混合物とすることもできる。
【0155】
不安定水素を含有する官能基は、アルコール、第1級若しくは第2級アミン、又はチオール基である。この化合物は、不安定水素を含有するこれらの官能基の1つで鎖末端が終了したポリマーでもよい。
【0156】
ポリマーでないときの例として、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びプロピレングリコールが挙げられる。
【0157】
親水性ポリマーであるとき、例えば、ポリエーテル、スルホン化ポリエステル、スルホン化ポリアミド、又はこれらのポリマーの混合物が言及され得る。親水性化合物は、優先的には、ポリエーテル、特にポリ(エチレンオキシド)又はポリ(プロピレンオキシド)である。
【0158】
式(XXIV)においてYと称される親水性基は任意選択である。詳細には、第4級アミン又はプロトン化官能基を含有する単位は十分にこの種のポリマー水溶液に必要とされる水溶性又は水分散性を提供することができる。
【0159】
親水性基Yの存在は任意選択であるが、そのような基を含むカチオン性会合性ポリウレタンが好ましい。
【0160】
- (II)第4級セルロース誘導体及び非環状アミン側基を含むポリアクリレート。
【0161】
第4級セルロース誘導体は、特に以下である:
- 少なくとも1つの脂肪鎖、例えば少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基又はそれらの混合物を含む基で改変された第4級セルロース、
- 少なくとも1つの脂肪鎖、例えば少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基又はそれらの混合物を含む基で改変された第4級ヒドロキシエチルセルロース。
【0162】
上記第4級セルロース又はヒドロキシエチルセルロースに含まれるアルキル基は、好ましくは、8〜30個の炭素原子を含有する。アリール基は、好ましくは、フェニル、ベンジル、ナフチル又はアントリル基を表す。
【0163】
言及され得るC
8〜C
30脂肪鎖を含有する第4級アルキルヒドロキシエチルセルロースの例としては、Amerchol社により販売されている製品Quatrisoft LM200(登録商標)、Quatrisoft LM-X 529-18-A(登録商標)、Quatrisoft LM-X 529-18B(登録商標)(C
12アルキル)及びQuatrisoft LM-X 529-8(C
18アルキル)、並びにCroda社により販売されている製品Crodacel QM(登録商標)、Crodacel QL(登録商標)(C
12アルキル)及びCrodacel QS(登録商標)(C
18アルキル)が挙げられる。
【0164】
両性会合性ポリマーは、少なくとも1つの非環状カチオン性単位を含むものから選択されることが好ましい。更により詳細には、好ましいポリマーは、モノマーの全モル数に対して、1〜20mol%、好ましくは1.5〜15mol%、より好ましくは1.5〜6mol%の脂肪鎖モノマーから調製される又は含んで調製されるポリマーである。
【0165】
本発明において好ましい両性会合性ポリマーは、下記のモノマーを含む又は共重合することにより得られる:
1)式(XXV)又は(XXVI)の少なくとも1つのモノマー:
【0167】
(式中、R
1及びR
2は、同一又は異なってよく、水素原子又はメチル基を表し、R
3、R
4及びR
5は同一又は異なってよく、1〜30個の炭素原子の直鎖状又は分岐状アルキル基を表し、
Zは、NH基又は酸素原子を表し、
nは、2〜5の整数であり、
A
-は、有機酸又は無機酸から誘導されるアニオン、例えばメタスルフェートアニオン、又はハライド、例えば塩化物又は臭化物である)、
2)式(XXVII)の少なくとも1つのモノマー:
【0169】
(式中、R
6及びR
7は、同一又は異なってよく、水素原子又はメチル基を表す)、及び
3)式(XXVIII)の少なくとも1つのモノマー:
【0171】
(式中、R
6及びR
7は、同一又は異なってよく、水素原子又はメチル基を表し、Xは酸素原子又は窒素原子を表し、R
8は1〜30個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状アルキル基を表す)、
少なくとも1つの脂肪鎖を含む、式(XXV)、(XXVI)又は(XXVIII)の少なくとも1つのモノマー。
【0172】
本発明の式(XXV)及び式(XXVI)のモノマーは、好ましくは以下からなる群から選択される:
- メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、
- メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、
- メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、及び
- ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、
これらのモノマーは、場合に応じて、例えばC
1〜C
4アルキルハライド、又はC
1〜C
4ジアルキルスルフェートにより4級化されている。
【0173】
より詳細には、式(XXV)のモノマーは、塩化アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム及び塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムから選択される。
【0174】
本発明の式(XXVII)のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及び2-メチルクロトン酸からなる群から選択されることが好ましい。より詳細には、式(XXI)のモノマーは、アクリル酸である。
【0175】
本発明の式(XXVIII)のモノマーは、好ましくはC
12〜C
22、より詳細にはアクリル酸又はメタクリル酸C
16〜C
18アルキルから形成される群から選択されることが好ましい。
【0176】
本発明の脂肪鎖両性のポリマーを構成するモノマーは、好ましくは既に中和されている及び/又は4級化されている。
【0177】
カチオン電荷/アニオン電荷の数の比率は、約1に等しいことが好ましい。
【0178】
本発明による両性会合性ポリマーは、1〜10mol%、好ましくは1.5〜6mol%の脂肪鎖含有モノマー[式(XXV)、(XXVI)又は(XXVIII)のモノマー]を含むことが好ましい。
【0179】
本発明による両性会合性ポリマーの質量平均分子量は、500〜50000000、好ましくは10000〜5000000の範囲であり得る。
【0180】
本発明による両性会合性ポリマーは、非イオン性モノマー、特にアクリル酸又はメタクリル酸C
1〜C
4アルキル等の他のモノマーを含んでもよい。
【0181】
本発明による両性会合性ポリマーは、例えば、特許出願WO98/44012において記載及び調製されている。
【0182】
本発明による両性会合性ポリマーの中で好ましいものは、アクリル酸/(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/メタクリル酸ステアリルターポリマーである。
【0183】
本発明に従って使用され得る非イオン性会合性ポリマーは、好ましくは下記から選択される:
- (1)少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で改変されたセルロース、
例として以下のものが挙げられる:
- 少なくとも1つの脂肪鎖を含む基、例えばアルキル基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基又はその混合物であり、好ましくはC
8〜C
22であるアルキル基で改変されているヒドロキシエチルセルロース、例えばAqualon社により販売されている製品Natrosol Plus Grade 330CS(登録商標)(C
16アルキル)、又はBerol Nobel社により販売されている製品Bermocoll EHM100(登録商標)、
- アルキルフェニルポリアルキレングリコールエーテル基で改変されたヒドロキシエチルセルロース、例えばAmerchol社によって販売されている製品Amercell Polymer HM-1500(登録商標)(ノニルフェニルポリエチレングリコール(15)エーテル)。
【0184】
- (2)少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で改変されたヒドロキシプロピルグアー、例えば、Lamberti社により販売されている製品Esaflor HM22(登録商標)(C
22アルキル鎖)及びRhone-Poulenc社により販売されている製品RE210-18(登録商標)(C
14アルキル鎖)及びRE205-1(登録商標)(C
20アルキル鎖)。
【0185】
- (3)ビニルピロリドンと脂肪鎖疎水性モノマーとのコポリマー:
例として以下のものが挙げられる:
- ISP社により販売されている製品Antaron V216(登録商標)又はGanex V216(登録商標)(ビニルピロリドン/ヘキサデセンコポリマー)、
- ISP社により販売されている製品Antaron V220(登録商標)又はGanex V220(登録商標)(ビニルピロリドン/エイコセンコポリマー)。
【0186】
- (4)アクリル酸又はメタクリル酸C
1〜C
6アルキルと、少なくとも1つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマーとのコポリマー、例えば、Goldschmidt社により名称Antil208(登録商標)で販売されているオキシエチレン化アクリル酸メチル/アクリル酸ステアリルコポリマー。
【0187】
- (5)親水性メタクリレート又はアクリレートと、少なくとも1つの脂肪族鎖を含む疎水性モノマーとのコポリマー、例えばポリエチレングリコールメタクリレート/メタクリル酸ラウリルコポリマー。
【0188】
- (6)親水性の通常ポリオキシエチレン性のブロックと、疎水性ブロックとの両方を鎖中に含み、脂肪族配列単独及び/又は脂環族及び/又は芳香族配列であり得る、ポリウレタンポリエーテル。
【0189】
- (7)Sud-Chemie社により販売されているPure Thix(登録商標)化合物等の少なくとも1つの脂肪鎖を含有するアミノプラストエーテル骨格を有するポリマー。
【0190】
好ましくは、ポリウレタンポリエーテルは、親水性ブロックにより分離された6〜30個の炭素原子を含有する少なくとも2つの炭化水素系親油性鎖と、親水性ブロックの末端ペンダント鎖であってもよい炭化水素系鎖とを含む。特に1つ又は複数のペンダント鎖を含めてもよい。更にポリマーは、炭化水素系鎖を親水性ブロックの1方の端又は両方の端に含んでもよい。
【0191】
ポリウレタンポリエーテルは、多ブロック、特にトリブロック形態であってもよい。疎水性ブロックは、鎖の各端に存在してもよく(例えば、親水性ブロックを中央に含むトリブロックコポリマー)又は端及び鎖の間の両方に分布してもよい(例えば多ブロックコポリマー)。これらの同様のポリマーはグラフトポリマー又は星形ポリマーでもよい。
【0192】
非イオン性脂肪鎖ポリウレタンポリエーテルは、親水性ブロックが50〜1000のオキシエチレン基を含むポリオキシエチレン鎖であるトリブロックコポリマーでもよい。非イオン性ポリウレタンポリエーテルは、その名称が由来するように、親水性ブロック間にウレタン結合を含む。
【0193】
更に拡張すれば、非イオン性脂肪鎖ポリウレタンポリエーテルの例としては、親水性ブロックが他の化学結合を介して親油性ブロックに結合しているものも含まれる。
【0194】
本発明で使用し得る非イオン性脂肪鎖ポリウレタンポリエーテルとしては、Rheox社より販売されているウレア官能基を含有するRheolate205(登録商標)、Rheolate(登録商標)208、204若しくは212、及びAcrysol RM184(登録商標)も使用可能である。
【0195】
Akzo社のC
12〜14アルキル鎖を含有する製品Elfacos T210(登録商標)及びC
18アルキル鎖を含有する製品Elfacos T212(登録商標)で作られたものも挙げられる。
【0196】
C
20アルキル鎖及びウレタン結合を含有し、固形分20%の水溶液で販売されているRohm & Haas社の製品DW1206B(登録商標)も使用することができる。
【0197】
更にこれらのポリマーの特に水又はアルコール水溶液を媒体とする溶液又は分散物を使用することも可能である。そのようなポリマーの例としては、Rheox社により販売されているRheolate(登録商標)255、Rheolate(登録商標)278、及びRheolate(登録商標)244が挙げられる。Rohm & Haas社によって販売されている製品DW1206F及びDW1206Jも使用できる。
【0198】
本発明に従って使用し得るポリウレタンポリエーテルは、特に文献G. Fonnum, J. Bakke, and Fk. Hansen - Colloid Polym. Sci 271, 380.389 (1993)に記載されたものである。
【0199】
更に詳細には、(i)150〜180molのエチレンオキシドを含む少なくとも1つのポリエチレングリコール、(ii)ステアリルアルコール又はデシルアルコール、及び(iii)少なくとも1つのジイソシアネートを含む少なくとも3つの化合物の重縮合によって得られ得るポリウレタンポリエーテルを使用することが特に好ましい。
【0200】
そのようなポリウレタンポリエーテルは、Rohm & Haas社から名称Aculyn46(登録商標)及びAculyn44(登録商標)で販売されている[Aculyn46(登録商標)は、150又は180molのエチレンオキシドと、ステアリルアルコールと、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)を、15質量%で、マルトデキストリン(4%)と水(81%)とのマトリックスに含むポリエチレングリコールのポリ濃縮物である;Aculyn44(登録商標)は、150又は180molのエチレンオキシドと、デシルアルコールと、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)を、35質量%で、プロピレングリコール(39%)と水(26%)とのマトリックスに含むポリエチレングリコールのポリ濃縮物である]。
【0201】
上述の会合性ポリマーの中で、本発明に従って最も好ましいポリマーとしては、アクリレート/C
10〜30アルキルアクリレートコポリマー[INCI名:(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C
10〜30アルキル))クロスポリマー]、例えば、Lubrizol社により商品名Pemulen TR1(登録商標)、Pemulen TR2(登録商標)、Carbopol1382(登録商標)、及びCarbopol EDT2020(登録商標)、より詳細にPemulen TR2(登録商標)で販売されている製品が挙げられる。
【0202】
本発明による化粧用組成物は、会合性ポリマーを、化粧用組成物の総質量に対して0.01〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%、より好ましくは0.1〜1質量%の量で含むことができる。
【0203】
{中空粒子}
本発明による化粧用組成物は、少なくとも1つの中空粒子を含む。2つ以上の中空粒子が使用される場合、それらは同一であっても異なってもよい。
【0204】
本発明による中空粒子は、Brookhaven BI-90光子相関性分光計で測定される粒径で、一般に100〜380nm、好ましくは150〜375nm、より好ましくは190〜350nm、及びより特には251〜325nmの粒径を有し得る。
【0205】
本発明による中空粒子は、少なくとも1つの中空を含む。
【0206】
所与の粒径について、本発明による中空粒子は、一般に、最大中空率を有する。中空粒子は、好ましくは0.1〜50%、より好ましくは5〜50%の空隙率(void fraction)を有する。空隙率は、同じ組成物の空隙のない粒子の体積に対して、遠心分離後の希釈分散液から圧縮された後の中空粒子の占める体積を比較することによって決定される。
【0207】
本発明による中空粒子は、コア用の少なくとも1つのポリマーと、シェル用の少なくとも1つのポリマーとを含む粒子から得ることができる。コアポリマーとシェルポリマーは、単一の重合工程又は一連の重合工程により得ることができる。
【0208】
本発明による中空粒子は、従来の乳化重合技術によって調製することができる。そのような方法は、特に特許US4,427,836、US4,469,825、US4,594,363、US4,677,003、US4,920,160及びUS4,970,241に記載されており、又は以下の特許及び特許出願:EP267726、EP331421、US490,229及びUS5,157,084に記載されるような従来の重合技術に従う。
【0209】
中空粒子のシェルに使用されるモノマーは、1つ又は複数の不飽和非イオン性エチレン単位で構成されることが好ましい。場合により、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する1つ又は複数のモノエチレン性不飽和モノマーをシェルで重合してもよい。
【0210】
シェルを構成するモノマーは、中空粒子の空隙に耐えるに十分に高いガラス転移温度(Tg)を示すように選択されてもよい。好ましくは、ガラス転移温度は、50℃超、より好ましくは60℃超、更により好ましくは70℃超である。この温度Tgは、DSC(示差走査熱量測定)によって決定することができる。
【0211】
本発明の中空粒子のコアポリマーについて乳化重合で使用されるモノマーは、少なくとも1つのカルボン酸基を含む1つ又は複数のモノエチレン性不飽和モノマーで構成されていることが好ましい。好ましくは、コアは、コアモノマーの総質量に対して、少なくとも1つのカルボン酸基を含むモノエチレン性不飽和モノマーを少なくとも5質量%含む。
【0212】
コアポリマーは、例えば、少なくとも1つの酸性基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーの乳化ホモ重合によって又は少なくとも1つの酸性基を含有する2つ又は3つのモノエチレン性不飽和モノマーの共重合によって得ることができる。好ましくは、少なくとも1つの酸性基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーは、1つ又は複数のエチレン性不飽和非イオン性モノマーと共重合される。
【0213】
コアポリマー又はシェルポリマーは、コアモノマーの総質量に対して、0.1〜20質量%、好ましくは0.1〜3質量%のポリエチレン性不飽和モノマー、例えばジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸アリル、ジ(メタ)アクリル酸1,3-ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、又はジビニルベンゼンを含有し得る。代替的にコアポリマー又はシェルポリマーは、場合によりコアモノマーの総質量に対して0.1〜60質量%のブタジエンを含むことができる。
【0214】
少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリロイルオキシプロピオン酸、(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸又は無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル及びイタコン酸モノメチルが挙げられる。
【0215】
アクリル酸及びメタクリル酸から選択されるモノマーが特に好ましく使用される。
【0216】
モノエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、
スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸のC
1〜C
20アルキルエステル、(メタ)アクリル酸の(C
3〜C
20)アルケニルエステル、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチル及び(メタ)アクリル酸ステアリルが挙げられる。本発明によれば、用語(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸とアクリル酸の両方を包含する一般的表現を表す。用語(メタ)アクリレートは、メタクリレートとアクリレートの両方を包含する一般的表現を表す。
【0217】
中空粒子のコアの空隙部分は、好ましくは、1つ又は複数の揮発性化合物を含む膨張剤を用いてコアを膨張させることにより作製される。膨張剤は、コアを膨張させるために、シェルを貫通する。続いて、膨張剤の揮発性化合物が、中空粒子を乾燥させることにより除去され、それにより前記粒子内に空隙が形成され得る。膨張剤は、好ましくは水溶性塩基である。例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、及び揮発性アミン、例えばトリメチルアミン又はトリエチルアミンの膨張剤が挙げられる。
【0218】
中空粒子は、膨張剤を用いて本発明の組成物に導入してもよい。その場合、揮発性化合物は、組成物が乾燥されたときに除去される。中空粒子は、膨張剤の揮発性化合物が除去された後に組成物に添加されてもよい。
【0219】
本発明に従って使用することができる中空粒子は、特許US5,663,213及び特許出願EP1092421に記載されている粒子である。
【0220】
典型的には、中空粒子は、少なくとも1つの乳化剤で全体的に安定化されている水性分散液の一部として提供される。したがって、中空粒子は、ラテックスの形態であり得る。
【0221】
本発明の1つの特定の実施形態によれば、使用された中空粒子は、スチレンと、(メタ)アクリル酸又はC
1〜C
20アルキルエステルとのコポリマー[INCI名:(スチレン/アクリレーツ)コポリマー]から構成される粒子、例えばRohm & Haas社により商品名Sunspheres Powderで販売されている製品である。この製品は、11%のラウリン酸PEG-8と、2.5%の水と、0.5%のドデシルベンゼン硫酸ナトリウムとの混合物中に86%の(スチレン/アクリレーツ)コポリマーを含む水性分散液である。
【0222】
本発明による化粧用組成物は、中空粒子を、組成物の総質量に対して0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜4質量%、より好ましくは1〜3質量%の量で含むことができる。
【0223】
(ガレヌス形態)
本発明による組成物は水中油型エマルジョンを調製するための当業者に周知の技術に従って調製することができる。組成物は、ミルク、クリーム又はクリームゲルの形態であってもよい。組成物は、場合に応じてエアロゾル形態で包装してもよく、スプレーの形態であってもよい。
【0224】
使用し得る乳化プロセスは、パドル又はインペラ、動静翼及び高圧ホモジナイザー(HPH)型によるプロセスである。
【0225】
乳化化合物が低含量(油/乳化剤の比率>25)の安定したエマルジョンを得るために、濃縮相で分散液を作製し、得られた分散液を残りの水相で希釈してもよい。
【0226】
更にHPH(50本から800本のバー)を介して、100nmまでに入り得る液滴サイズの安定した分散液を得ることも可能である。
【0227】
エマルジョンは、一般に、両性、アニオン性、カチオン性又は非イオン性乳化剤から選択される単独で又は混合物で使用される少なくとも1つの乳化剤を含む。乳化剤は、水中油型となるようにエマルジョンに応じて適切に選択される。エマルジョンは、更に、他の型の安定化剤、例えば、充填剤、又はゲル化剤若しくは増粘ポリマーを含んでもよい。
【0228】
水中油型エマルジョンに関して、乳化剤の例としては、非イオン性乳化剤、例えば、脂肪酸とグリセリンとのオキシアルキレン(より詳細にはポリオキシエチレン)化エステル、脂肪酸とソルビタンとのオキシアルキレン化エステル、脂肪酸のオキシアルキレン(オキシエチレン及び/又はオキシプロピレン)化エステル、例えば、PEG-100ステアリン酸/ステアリン酸グリセリル混合物、例えば、ICI社より名称Arlacel165で販売されているもの;脂肪アルコールのオキシアルキレン(オキシエチレン及び/又はオキシプロピレン)化エーテル;糖のエステル、例えばステアリン酸スクロース;又は脂肪アルコールと糖のエーテル、特にアルキルポリグルコシド(APG)、例えば、Henkel社より名称Plantaren2000及びPlantaren1200でそれぞれ販売されているデシルグルコシド及びラウリルグルコシド;セトステアリルグルコシド、場合によりセトステアリルアルコールとの混合物で、例えば、SEPPIC社により名称Montanov68で、Goldschmidt社により名称Tegocare CG90で、及びHenkel社により名称Emulgade KE3302で販売されている製品、並びにアラキジルグリコシド、例えば、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール及びアラキジルグリコシドとの混合物の形態で、SEPPIC社により名称Montanov202で販売されているものが挙げられる。本発明の特定の実施形態によれば、上記で定義したアルキルポリグルコシドの対応する脂肪アルコールとの混合物は、自己乳化組成物、例えば文献WO-A-92/06778に記載されるような自己乳化組成物の形態であり得る。
【0229】
他の乳化安定剤の中で、イソフタル酸又はスルホイソフタル酸性ポリマー、特にフタル酸/スルホイソフタル酸/グリコールコポリマー、例えば、Eastman Chemical社により名称Eastman AQ Polymer(AQ35S、AQ38S、AQ55S及びAQ48 Ultra)で販売されているジエチレングリコール/フタル酸/イソフタル酸/1,4-シクロヘキサンジメタノールコポリマー(INCI名:ポリエステル-5)も使用し得る。
【0230】
他の乳化安定剤として、疎水的に改変された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー、例えば特許出願EP1069142に記載のポリマーも挙げられる。
【0231】
後者の水性相としては、既知のプロセスに従って調製された非イオン性小胞分散液(Bangham, Standish and Watkins, J. Mol. Biol., 13, 238 (1965)、FR2315991及びFR2416008)も含まれ得る。
【0232】
(任意選択の成分)
本発明による組成物は、更に油、ワックス、有機溶媒、親水性UV遮蔽剤、イオン性若しくは非イオン性の親水性若しくは親油性増粘剤、柔軟剤、湿潤剤、乳白剤、安定化剤、皮膚軟化剤、シリコーン、抑泡剤、芳香剤、保存剤、界面活性剤、活性化剤、充填剤、着色剤、ポリマー、推進薬、酸性化剤若しくは塩基性化剤、又は化粧品及び/若しくは皮膚科学的に通常使用される任意の他の添加剤を含んでもよい。
【0233】
言うまでもなく、当業者は、本発明による組成物に添加する場合に応じたアジュバントを、本発明による組成物に伴う固有の有利な特性に、予定される添加によって有害な影響が及ばない又は実質的に及ばないように留意しながら選択するであろう。
【0234】
有機溶媒としては、低級アルコール及びポリオールが挙げられる。後者は、グリコール及びグリコールエーテル、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレンエチレングリコール又はジエチレングリコールから選択することができる。
【0235】
言及され得る親水性増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、例えばCarbopol製品(カルボマー)及びPemulen製品(アクリレート/アクリル酸C10〜C30アルキルコポリマー);ポリアクリルアミド、例えばSEPPIC社により名称Sepigel305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13〜C14イソパラフィン/ラウレス7)又はSimulgel600(CTFA名:アクリルアミド/(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)で販売されている架橋コポリマー;2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマー、場合により架橋及び/又は中和されているポリマー、例えばClariant社により商品名Hostacerin AMPSで販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム)又はSEPPIC社によりSimulgel800で販売されているもの(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリンNa/ポリソルベート80/オレイン酸ソルビタン);2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとのコポリマー、例えば、SEPPIC社により販売されているSimulgel NS及びSepinov EMT10;セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース;多糖、特にガム、例えばキサンタンガム;並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0236】
親油性増粘剤としては、例えば、Landec社によって名称Intelimer IPA 13-1及びIntelimer IPA 13-6で販売されているポリ(アクリル酸C10〜C30アルキル)の合成ポリマー、又は改変クレー、例えば名称Bentoneで販売されているヘクトライト及びその誘導体が挙げられる。
【0237】
本発明による組成物は、更に付加的な化粧的及び皮膚科学的活性剤を含んでもよい。
【0238】
活性剤の中で言及され得るものとしては:
- ビタミン(A、C、E、K、PP等)及びそれらの誘導体又は前駆体の単剤又は混合物、
- 酸化防止剤、
- フリーラジカル捕捉剤、
- 抗糖化剤、
- 無痛化剤、
- NO-シンターゼ阻害剤、
- 真皮又は表皮の高分子の合成を促進する及び/又はそれらの分解を防止する薬剤、
- 線維芽細胞増殖促進剤、
- 角化細胞増殖促進剤、
- 筋弛緩剤、
- 張力調整剤、
- マット感付与剤、
- 角質溶解剤、
- 落屑剤、
- 保湿剤、例えばグリセリン、ブチレングリコール若しくはプロピレングリコール等のポリオール、
- 抗炎症剤、
- 細胞のエネルギー代謝に作用する薬剤、
- 防虫剤、
- サブスタンスPアンタゴニスト又はCGRPアンタゴニスト、
- 脱毛抑制及び/又は発毛促進剤、
- シワ防止剤、
- 追加的無機又は有機UV遮蔽剤、例えば先に言及されている遮蔽剤。
【0239】
言うまでもなく、当業者は、上記の任意選択の更なる化合物及び/又はその量について、本発明による組成物に伴う固有の有利な特性に、予定される添加によって有害な影響が及ばない又は実質的に及ばないように留意して選択するであろう。
【0240】
当業者であれば、皮膚、髪、まつ毛、眉毛、又は爪に対する所望の効果に応じた前記活性剤を選択する。
【0241】
[化粧方法又はプロセス]
本発明による化粧用組成物は、皮膚、唇並びに髪及び頭皮に関する多くの処置、特に化粧的処置において塗布される。
【0242】
本発明の別の主題は、上記に定義される本発明の組成物の、皮膚、唇、爪、髪、まつ毛、眉及び/又は頭皮の化粧的処置のための製品、特に、ケア製品、日焼け防止製品又はメーキャップ製品の製造における使用で構成される。
【0243】
本発明による化粧用組成物は、例えば、メーキャップ製品として使用することができる。
【0244】
本発明による化粧用組成物は、例えば、顔及び/又は体用の、液体から半液体の粘稠度の、例えば、ミルク、大体はリッチなクリーム、クリームゲル及びペースト状のケア製品及び/又は日焼け防止製品として使用することができる。化粧用組成物は、場合に応じてエアロゾル形態で包装してもよく、又はムース若しくはスプレーの形態であってもよい。
【0245】
本発明の組成物は、本発明に従った揮発性流動ローション形態で、気圧調節装置を用いた微粒子の形態で皮膚又は毛髪に塗布される。本発明に従った装置は当業者にとって周知であり、エアロゾルポンプを含まないか、又は「アトマイザー」と推進薬を含むエアロゾル容器と推進薬として圧縮空気を使用するエアロゾルポンプとを含む。これらの装置は、特許US4077441及びUS4850517に記載されている。
【0246】
本発明に従ってエアロゾルとして包装される組成物は、一般に、従来の推進薬、例えばジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパン又はトリクロロフルオロメタン等を含む。それらは、好ましくは、組成物の総質量に対して15〜50質量%の範囲の量で存在する。
【0247】
更に本発明は、皮膚のケア及び/若しくはメーキャップのための、又は皮膚に実質的に均一な膜を形成するための非治療的化粧方法に関する。可能な非治療的化粧方法はそれぞれ、本発明による化粧用組成物を皮膚に塗布することを含む。
【0248】
本発明による化粧方法は、本発明で使用される化粧用組成物の(b)-(ii)親油性UV遮蔽剤から与えられるUV遮蔽効果によって、皮膚、例えば顔の皮膚に化粧的効果をもたらすことができる。UV遮蔽効果は、皮膚のケア及び/又はメーキャップの基礎となり得る。皮膚に実質的に均一又は均質な膜を形成することにより、均一又は統一したUV遮蔽効果が提供され得る。化粧的効果としては、皮膚の黒化の抑制、色の改善、肌艶(complexion)の均一化及び/又は皮膚の老化の処置が挙げられる。
【実施例】
【0249】
本発明を実施例に更により詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0250】
(実施例1及び比較例1〜3)
[調製]
表1に示される実施例1及び比較例1〜3に従った水中油型エマルジョン形態の以下の化粧用組成物を、 表1に示される成分を混合して調製した。表に示される成分の量に関する数値は全て、活性原料としての「質量%」に基づくものである。
【0251】
[評価]
(膜スコア)
実施例1及び比較例1〜3による各組成物を、厚さ10μmのPP(ポリプロピレン)プレート上に塗布し、膜の均一性を以下のスコア基準に従って視覚的に評価した。
1:非常に粗悪
2:粗悪
3:可
4:良好
5:非常に良好
【0252】
実施例1及び比較例1〜3の平均スコアを表1に示す。
【0253】
(インビトロSPF)
実施例1及び比較例1〜3の各組成物を1.0mg/cm
2の量でPMMAプレートに塗布し、SPF値をSPFアナライザーUV2000によって測定した。
【0254】
実施例1及び比較例1〜3についてのインビトロSPF測定値を表1に示す。
【0255】
【表1】
【0256】
実施例1及び比較例1〜3は、油中水型エマルジョン形態であり、その連続水性相により、新鮮な水の様なテクスチャーと使用中の良好な感触を得ることができた。
【0257】
実施例1は、極性油(ラウロイルサルコシンイソプロピル)と、親油性UVフィルター[メトキシケイヒ酸エチルヘキシル及びビス(エチルヘキシルオキシフェニル)メトキシフェニルトリアジン]と、脂肪酸(ステアリン酸)と、会合性ポリマー[(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C
10〜30アルキル))クロスポリマー]と、中空粒子[(スチレン/アクリレーツ)コポリマー]との組合せにより、皮膚上の均質又は均一な膜と高いUV遮蔽能力との両方が得られたことを示している。
【0258】
脂肪酸、極性油又は中空粒子をそれぞれ欠いている比較例1〜3では、皮膚上の均質又は均一な膜と高いUV遮蔽能力との両方を得ることはできなかった。
【0259】
したがって、実施例1及び比較例1〜3の中で、実施例1のみが、効果的なUV保護と使用中の良好な感触の両方を得ることができた。