(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリアミド樹脂組成物50〜30質量部と、TEX数が2000〜6000、モノフィラメントの平均繊維径が10〜20μmであり、長さが5〜15mmの範囲内にあるガラス繊維30〜70質量部を含み、
前記ポリアミド樹脂組成物は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂50〜60質量%、臭素系難燃剤30〜35質量%、および酸化アンチモン1〜15質量%を含み、(ただし、ポリアミド樹脂、臭素系難燃剤および酸化アンチモンの合計が100質量%を超えることはない)、
臭素系難燃剤が臭素化ポリスチレンである、ペレット。
請求項1または2に記載のペレット100質量部に対し、高級脂肪酸金属塩0.01〜0.5質量部および着色マスターバッチペレット1〜10質量部の少なくとも一方を含むペレットブレンド物。
ポリアミド樹脂組成物を、TEX数が2000〜6000、モノフィラメントの平均繊維径が10〜20μmである連続ガラス繊維に含浸させ、ストランドとした後、5〜15mmの長さにカットすることを含み、
前記ポリアミド樹脂組成物が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂50〜60質量%、臭素系難燃剤30〜35質量%、および酸化アンチモン1〜15質量%を含み、(ただし、ポリアミド樹脂、臭素系難燃剤および酸化アンチモンの合計が100質量%を超えることはない)、臭素系難燃剤が臭素化ポリスチレンである、
ペレットの製造方法。
請求項1または2に記載のペレット100質量部に対し、高級脂肪酸金属塩0.01〜0.5質量部および着色マスターバッチペレット1〜10質量部の少なくとも一方を添加してドライブレンドすることを含む、ペレットブレンド物の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
【0009】
<ペレット>
本発明のペレットは、ポリアミド樹脂組成物50〜30質量部と、TEX数が2000〜6000、モノフィラメントの平均繊維径が10〜20μmであり、長さが5〜15mmの範囲内にあるガラス繊維30〜70質量部を含み、前記ポリアミド樹脂組成物は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂50〜90質量%、臭素系難燃剤9〜35質量%、および酸化アンチモン1〜15質量%を含むことを特徴とする。
このような構成とすることにより、難燃性に優れ、吸水率が低い成形品を成形可能なペレットが得られる。
【0010】
<<ポリアミド樹脂組成物>>
<<<ポリアミド樹脂>>>
本発明で用いるポリアミド樹脂は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂(以下、「XD系ポリアミド」ということがある)である。XD系ポリアミドは、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
【0011】
XD系ポリアミドは、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上がメタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%、特に好ましくは95モル%以上が、炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来することが好ましい。
【0012】
XD系ポリアミドの原料ジアミン成分として用いることが出来るメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
ジアミン成分として、キシリレンジアミン以外のジアミンを用いる場合は、ジアミン由来の構成単位の50モル%未満であり、30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜25モル%、特に好ましくは5〜20モル%の割合で用いる。
【0013】
XD系ポリアミドの原料ジカルボン酸成分として用いるのに好ましい炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示でき、1種または2種以上を混合して使用できるが、これらの中でもXD系ポリアミドの融点が成形加工するのに適切な範囲となることから、アジピン酸またはセバシン酸が好ましく、アジピン酸がより好ましい。
【0014】
上記炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸といった異性体等のナフタレンジカルボン酸等を例示することができ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
【0015】
ジカルボン酸成分として、炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸を用いる場合は、成形加工性、バリア性の点から、テレフタル酸、イソフタル酸を用いることが好ましい。テレフタル酸、イソフタル酸の割合は、好ましくはジカルボン酸構成単位の30モル%以下であり、より好ましくは1〜30モル%、特に好ましくは5〜20モル%の範囲である。
【0016】
さらに、ジアミン成分、ジカルボン酸成分以外にも、XD系ポリアミドを構成する成分として、本発明の効果を損なわない範囲でε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類も共重合成分として使用できる。
【0017】
本発明で用いるXD系ポリアミドは、数平均分子量(Mn)が6,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは8,000〜28,000であり、さらに好ましくは9,000〜26,000であり、よりさらに好ましくは10,000〜24,000であり、特に好ましくは11,000〜22,000である。このような範囲であると、耐熱性、弾性率、寸法安定性、成形加工性がより良好となる。
【0018】
なお、ここでいう数平均分子量(Mn)とは、XD系ポリアミドの末端アミノ基濃度[NH
2](μ当量/g)と末端カルボキシル基濃度[COOH](μ当量/g)から、次式で算出される。
数平均分子量(Mn)=2,000,000/([COOH]+[NH
2])
【0019】
本発明で用いるXD系ポリアミドは、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn))が、好ましくは1.8〜3.1である。分子量分布は、より好ましくは1.9〜3.0、さらに好ましくは2.0〜2.9である。分子量分布をこのような範囲とすることにより、機械物性に優れた立体構造物が得られやすい傾向にある。
XD系ポリアミドの分子量分布は、例えば、重合時に使用する開始剤や触媒の種類、量及び反応温度、圧力、時間等の重合反応条件などを適宜選択することにより調整できる。また、異なる重合条件によって得られた平均分子量の異なる複数種のXD系ポリアミドを混合したり、重合後のXD系ポリアミドを分別沈殿させることにより調整することもできる。
【0020】
分子量分布は、GPC測定により求めることができ、具体的には、装置として東ソー社製「HLC−8320GPC」、カラムとして、東ソー社製「TSK gel Super HM−H」2本を使用し、溶離液トリフルオロ酢酸ナトリウム濃度10mmol/lのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、樹脂濃度0.02質量%、カラム温度40℃、流速0.3mL/分、屈折率検出器(RI)の条件で測定し、標準ポリメチルメタクリレート換算の値として求めることができる。また、検量線は6水準のPMMAをHFIPに溶解させて測定し作成する。
【0021】
また、XD系ポリアミドは、末端アミノ基濃度([NH
2])が好ましくは100μ当量/g未満、より好ましくは5〜75μ当量/g、さらに好ましくは10〜60μ当量/gであり、末端カルボキシル基濃度([COOH])は、好ましくは150μ当量/g未満、より好ましくは10〜120μ当量/g、さらに好ましくは10〜100μ当量/gのものが好適に用いられる。このような末端基濃度のXD系ポリアミドを用いることにより、加工適正が向上する傾向にある。
【0022】
また、末端カルボキシル基濃度に対する末端アミノ基濃度の比([NH
2]/[COOH])は、0.7以下であるものが好ましく、0.6以下であるものがより好ましく、特に好ましくは0.5以下である。この比が0.7よりも大きいものは、XD系ポリアミドを重合する際に、分子量の制御が難しくなる場合がある。
【0023】
末端アミノ基濃度は、XD系ポリアミド0.5gを30mLのフェノール/メタノール(4:1)混合溶液に20〜30℃で攪拌溶解し、0.01Nの塩酸で滴定して測定することができる。また、末端カルボキシル基濃度は、XD系ポリアミド0.1gを30mLのベンジルアルコールに200℃で溶解し、160℃〜165℃の範囲でフェノールレッド溶液を0.1mL加える。その溶液を0.132gのKOHをベンジルアルコール200mLに溶解させた滴定液(KOH濃度として0.01mol/L)で滴定を行い、色の変化が黄〜赤となり色の変化がなくなった時点を終点とすることで算出することができる。
XD系ポリアミドの製造方法は、特開2014−173196号公報の段落0052〜0053の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0024】
本発明においては、XD系ポリアミドの融点は、150〜310℃であることが好ましく、180〜300℃であることがより好ましく、180〜250℃であることがさらに好ましい。
また、XD系ポリアミドのガラス転移点は、50〜100℃が好ましく、55〜100℃がより好ましく、特に好ましくは60〜100℃である。この範囲であると、耐熱性がより良好となる傾向にある。
【0025】
なお、本発明における融点とは、DSC(示差走査熱量測定)法により観測される昇温時の吸熱ピークのピークトップの温度をいう。ガラス転移点とは、試料を一度加熱溶融させ熱履歴による結晶性への影響をなくした後、再度昇温して測定されるガラス転移点をいう。
測定には、DSC測定器を用い、試料量は約1mgとし、雰囲気ガスとしては窒素を30mL/分で流し、昇温速度は10℃/分の条件で室温から予想される融点以上の温度まで加熱し溶融させた際に観測される吸熱ピークのピークトップの温度から融点を求めることができる。次いで、溶融したXD系ポリアミドを、ドライアイスで急冷し、10℃/分の速度で融点以上の温度まで再度昇温し、ガラス転移点、融点を求めることができる。DSC測定器としては、島津製作所(SHIMADZU CORPORATION)社製、DSC−60を用いることができる。
【0026】
本発明におけるポリアミド樹脂組成物では、上記XD系ポリアミド以外の他のポリアミド樹脂を1種または2種以上含んでいてもよい。他のポリアミド樹脂としては、具体的には、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリアミド66/6T、ポリアミド9T、ポリアミド9MT、ポリアミド6I/6T等が挙げられる。
他のポリアミド樹脂の配合量は、配合する場合、XD系ポリアミドの5〜20質量%が好ましい。また、本発明では、ポリアミド樹脂組成物に実質的に他のポリアミド樹脂を配合しない構成とすることもできる。実質的に配合しないとは、XD系ポリアミドの5質量%未満であり、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
【0027】
<<<臭素系難燃剤>>>
本発明で用いる臭素系難燃剤は、特に限定されるものではないが、例えば、臭素化ポリスチレン、臭素化スチレン無水マレイン酸重合体、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ樹脂、臭素化架橋芳香族重合体、臭素化フェノキシ樹脂等が挙げられ、耐熱性、非ブリードアウト性の観点から、特に臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルが好ましい。臭素系難燃剤は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
【0028】
<<<酸化アンチモン>>>
本発明で用いる酸化アンチモンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、三酸化二アンチモン、四酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等の酸化アンチモン類が挙げられる。酸化アンチモンは、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
前酸化アンチモンの平均粒子径は、成形時の繊維折損を抑え、優れた機械強度と難燃性とを有するペレットを得る観点から、0.01〜50μmの範囲が好ましい。より好ましくは、0.1〜30μm、さらに好ましくは、1〜18μmである。
酸化アンチモンの平均粒子径の測定方法としては、走査型電子顕微鏡にて解析し、その粒子径を100〜200個測定し、その測定値から平均粒子径を求める方法を挙げることができる。
【0029】
<<<配合割合>>>
ポリアミド樹脂組成物において、ポリアミド樹脂(XD系ポリアミド)、臭素系難燃剤、および、酸化アンチモンの配合割合は、これらの合計100質量%に対して、ポリアミド樹脂(XD系ポリアミド)50〜90質量%、臭素系難燃剤9〜35質量%、酸化アンチモン1〜15質量%であり、好ましくはポリアミド樹脂(XD系ポリアミド)55〜85質量%、臭素系難燃剤12〜33質量%、酸化アンチモン3〜13質量%である。
ポリアミド樹脂(XD系ポリアミド)、臭素系難燃剤、および、酸化アンチモンの配合割合を前記範囲内とすることにより、連続生産性に優れるだけでなく、難燃性に優れ、さらに臭素系難燃剤から発生するガスによる成形品の焼けを少なくでき、表面外観に優れた成形品を得ることができる。
【0030】
<<<その他の添加剤>>>
本発明で用いるポリアミド樹脂組成物は、上記成分以外に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の添加剤を配合してもよい。添加剤は、1種のみ配合してもよいし、2種以上配合してもよい。配合量は、配合する場合、添加剤の合計で、XD系ポリアミドの1〜20質量%の範囲が好ましい。また、本発明で用いるポリアミド樹脂組成物にその他の添加剤を実質的に配合しない構成とすることもできる。実質的に配合しないとは、XD系ポリアミドの1質量%未満であることをいう。
その他の添加剤としては、ポリアミド樹脂と臭素系難燃剤との間に作用する混和剤などが例示される。混和剤としては、酸無水物構造を置換基の一部に有するポリフェニレンエーテル樹脂や、スチレンと無水マレイン酸との共重合体が特に好ましい。混和剤を配合することにより、射出成形品のウエルド部においてより高い強度が得られる。さらに、臭素系難燃剤の分散粒径を小さく制御することができ、より高い靭性を有する成形品が得られる。
混和剤を配合する場合、その配合量は、臭素系難燃剤の0.1〜30質量%の範囲で適宜定めることができる。混和剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
混和剤以外の添加剤の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、銅化合物およびリン化合物等のポリアミド用熱安定剤、ヒンダードフェノールおよびヒンダードアミン等の酸化劣化防止剤、マンガン化合物等の光安定剤、タルク、ボロンナイトライド等の核剤、炭酸カルシウム、ウオラストナイト、カオリン、焼成カオリンおよびマイカ等のミネラルフィラー、可塑剤、帯電防止剤、ポリアミド以外の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
これらの添加剤は、XD系ポリアミドの合成時に添加することや、単軸または二軸押出機により、ポリアミド樹脂組成物の調整の際に添加してもよい。
【0031】
<<ポリアミド樹脂組成物の製造>>
本発明において、ポリアミド樹脂組成物は、上記ポリアミド樹脂、臭素系難燃剤、および酸化アンチモン、その他必要に応じて配合される他の添加剤を押出機で溶融混練することにより得られる。
【0032】
<<ペレットにおけるガラス繊維Bの配合割合>>
本発明のペレット中のガラス繊維Bの配合割合は、機械強度と成形品外観との観点から、ポリアミド樹脂組成物と後述するガラス繊維Bとの合計100質量部に対して、30〜70質量部であり、好ましくは35〜60質量部であり、より好ましくは40〜55質量部である。
【0033】
<<ガラス繊維>>
本発明のペレットは、TEX数が2000〜6000、モノフィラメントの平均繊維径が10〜20μmであり、長さが5〜15mmの範囲内にあるガラス繊維(本明細書において、「ガラス繊維B」ということがある)を含有する。
【0034】
ガラス繊維Bは、モノフィラメントの平均繊維径が10〜20μmであり、好ましくは15〜18μmであり、より好ましくは16〜18μmであり、さらに好ましくは17〜18μmである。ガラス繊維Bのモノフィラメントの平均繊維径は、走査型電子顕微鏡や光学顕微鏡を用いて任意に100本のモノフィラメントの繊維径を測定し、得られた各測定値を平均することにより算出することができる。
【0035】
ガラス繊維Bは、TEX数が2000〜6000であり、好ましくは2000〜5000であり、さらに2400〜4800であることが好ましい。このような範囲とすることにより、機械強度に優れ、含浸性に優れた押出時の操業性に優れたペレットを得ることが可能になる。
なお、TEX数とは、ガラス繊維Bの1000mあたりの質量で、単位は「g/1000m」で表される。ガラス繊維BのTEX数は、JIS R3911に準拠して求めることができる。
具体的には、下記式に従い、(m/l)を算出し、JIS Z8401によって小数点以下1桁に丸め、これを1000倍することにより番手(t)を求める。
t=(m/l)×1000
m:試験片の質量(g)、l:試験片の長さ(m)
【0036】
本発明では、ガラス繊維Bの長さは5〜15mmの範囲内にある。通常、本発明のペレットに含まれるガラス繊維Bの長さは、ペレットの長さとほぼ同一の長さを有する。ペレットの長さとほぼ同一とは、ペレットの長さの90〜102%の長さであることをいい、99〜101%であることが好ましい。また、ここでいうガラス繊維Bの長さは、走査型電子顕微鏡や光学顕微鏡を用いて任意に100本のモノフィラメントの長さを測定し、得られた各測定値を平均することにより算出することができる。但し、製造不良等により発生してしまった割れたガラス繊維などは、ガラス繊維Bに含めないものとする。
ペレットの長さについても、ペレットの最も長い部分の長さを走査型電子顕微鏡や光学顕微鏡を用いて任意に100個について測定し、得られた各測定値を平均することにより算出することができる。
ガラス繊維Bの長さは、好ましくは6〜13mm、より好ましくは8〜12mmである。また、ペレットの長さは、好ましくは5〜15mm、より好ましくは6〜13mm、さらに好ましくは8〜12mmである。
【0037】
<<<集束剤>>>
ガラス繊維Bは、集束剤で表面処理されていることが好ましい。集束剤は、サイジングを目的とした集束成分とポリアミド樹脂との接着性を目的とした表面処理成分を含んでいるものが好ましい。
ガラス繊維の集束剤の構成成分は、特に限定されるものではない。好ましい集束剤は、機械的特性向上の観点から無水マレイン酸と不飽和単量体との共重合体と、シラン系カップリング剤とを主たる構成成分とするものが挙げられる。
集束剤を構成する無水マレイン酸と不飽和単量体との共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエン等の不飽和単量体と無水マレイン酸との共重合体が挙げられる。その中でも、ブタジエン又はスチレンと、無水マレイン酸との共重合体が特に好ましい。これらの単量体は2種以上併用してもよい。
前記集束剤を構成する無水マレイン酸と不飽和単量体との共重合体は、平均分子量が2,000以上であることが好ましい。また、無水マレイン酸と不飽和単量体との割合は特に制限されない。さらに無水マレイン酸共重合体に加えてアクリル酸系共重合体やウレタン系ポリマーを併用してもよい。
【0038】
前記集束剤を構成するもう一つの成分である前記シラン系カップリング剤としては、通常、ガラス繊維の表面処理に用いられるシラン系カップリング剤が使用できる。シラン系カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤;γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤;γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン系カップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン系カップリング剤;等が挙げられる。
これらシラン系カップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用することもできる。
これらの中で特にXD系ポリアミドとの親和性からアミノシラン系カップリング剤が好ましく、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシランがより好ましい。
【0039】
前記無水マレイン酸共重合体とシラン系カップリング剤との使用割合は、無水マレイン酸共重合体100質量部に対してシラン系カップリング剤0.01〜20質量部の割合が好ましく、より好ましくは5〜20質量部、さらに好ましくは10〜20質量部の割合である。
通常、無水マレイン酸共重合体とシラン系カップリング剤とは水溶媒中で混和し、集束剤として用いられる。なお必要に応じて界面活性剤、滑剤、柔軟剤、帯電防止剤等を加えてもよい。
【0040】
ガラス繊維Bの配合量は機械強度と成形品の表面外観との観点から、ポリアミド樹脂組成物30〜50質量部に対して、ガラス繊維Bが30〜70質量部であり、好ましくは、50〜70質量部であり、より好ましくは50〜65質量部であり、さらに好ましくは50〜60質量部である。ガラス繊維Bは1種でも2種以上でもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0041】
<ペレットの製造方法>
本発明のペレットの製造方法は、ポリアミド樹脂組成物を、TEX数が2000〜6000、モノフィラメントの平均繊維径が10〜20μmである連続ガラス繊維に含浸させ、ストランドとした後、5〜15mmの長さにカットすることを含み、前記ポリアミド樹脂組成物が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂50〜90質量%、臭素系難燃剤9〜35質量%、および酸化アンチモン1〜15質量%を含むことを特徴とする。
このような構成とすることにより、難燃性に優れ、吸水率が低い成形品を成形可能なペレットが得られる。
【0042】
本発明のペレットの製造方法では、ポリアミド樹脂組成物をTEX数が2000〜6000、モノフィラメントの平均繊維径が10〜20μmである連続ガラス繊維(以下、「連続ガラス繊維C」ということがある)に含浸させる。連続ガラス繊維CのTEX数の好ましい範囲は、ガラス繊維Bと同様であり、モノフィラメントの平均繊維径の好ましい範囲もガラス繊維Bと同様である。
連続ガラス繊維Cは、通常、ガラス繊維ロービング束として知られるものを広く用いることができる。連続ガラス繊維Cの表面は、集束剤で処理されていることが好ましく、これらの詳細は、ガラス繊維Bの所で述べた集束剤と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0043】
本発明のペレットの製造方法では、通常、ポリアミド樹脂組成物を含浸させる。
前記含浸させる際のポリアミド樹脂組成物の樹脂温度は、優れた含浸性とポリアミド樹脂の分解を抑制する観点から、ポリアミド樹脂の融点+10℃〜300℃であることが好ましい。より好ましい範囲は融点+15℃〜295℃、さらに好ましくは融点+20℃〜290℃である。ここで言うポリアミド樹脂組成物の樹脂温度とは押出機の含浸ダイに最も近いバレルの温度と定義する。
ポリアミド樹脂組成物の熱滞留時間は、XD系ポリアミドおよび臭素系難燃剤の分解を抑制する観点から7分以内とすることが好ましい。より好ましい範囲としては6分以内であり、さらに好ましい範囲としては5分以内である。
ここで言うポリアミド樹脂組成物の熱滞留時間とは、連続ガラス繊維Cにポリアミド樹脂組成物を含浸させる含浸ダイでの熱滞留時間と定義し、下記式(1)にて求められる。
【0045】
次に、得られた樹脂が含浸した連続ガラス繊維を、紡口から連続的に引き取り、ストランドを得る。得られたストランドをカットしペレットを得る。この時のカット長がペレット長となる。ペレット長の好ましい範囲は、上記ガラス繊維Bの所で述べた値と同様である。また、紡口の直径がペレットの直径に相当する。紡口の直およびペレットの直径は、例えば、0.5〜5mmとすることができ、1〜3mmが好ましい。
【0046】
本発明のペレットの製造方法で用いるポリアミド樹脂組成物は、上記本発明のペレットの所で述べたポリアミド樹脂組成物同様である。
【0047】
<ペレットブレンド物>
本発明のペレットブレンド物は、ペレット100質量部に対し、高級脂肪酸金属塩0.01〜0.5質量部および着色マスターバッチペレット1〜10質量部の少なくとも一方を含むことを特徴とし、高級脂肪酸金属塩0.01〜0.5質量部および着色マスターバッチペレット1〜10質量部の両方を含むことが好ましい。
【0048】
<<高級脂肪酸金属塩>>
本発明で用いる高級脂肪酸金属塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、エルカ酸等の炭素数9以上の高級脂肪族カルボン酸のナトリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩等が挙げられるが、成形時の可塑化性、離型性、成形品のガス焼け防止の観点から、モンタン酸金属塩、具体的にはモンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウムが好ましい。
高級脂肪酸金属塩の配合量は、成形時の可塑化性、離型性の観点から、上述したポリアミド樹脂組成物100質量部に対して、0.01〜0.5質量部であり、好ましくは0.02〜0.4質量部、より好ましくは0.03〜0.3質量部である。高級脂肪酸金属塩は1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0049】
<<着色マスターバッチペレット>>
本発明に用いる着色マスターバッチペレットは、着色剤として有機染料および/又は無機顔料を含有するポリアミド樹脂ペレットである。
着色剤の種類および含有量については、特に制限はないが、得られるペレットブレンド物の機械的物性や成形品の表面外観を損なわない範囲で選択することが好ましい。
有機染料の場合は、以下に限定されるものではないが、例えば、ニグロシン、アジン系ブラック、ペリノンレッド、ペリノンオレンジ、アントラキノンブルー、アントラキノンレッドなどが挙げられ、無機顔料の場合は、以下に限定されるものではないが、例えば、硫化亜鉛、フタロシアニン、カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。
着色マスターバッチペレットにおける着色剤の量は、着色マスターバッチの0.1〜10質量%であることが好ましい。
着色マスターバッチペレットを構成するベース樹脂であるポリアミド樹脂としては、特に制限はないが、XD系ポリアミドが好ましい。XD系ポリアミドを用いることにより、成形時の可塑化性および成形品の表面外観が向上する傾向にある。
着色マスターバッチペレットにおけるベース樹脂の量は、着色マスターバッチの90〜99.90質量%であることが好ましい。
着色マスターバッチペレットの配合量は、ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して、1〜10質量部であり、好ましくは1.5〜8質量部、より好ましくは1.5〜5質量部である。着色マスターバッチは1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0050】
<ペレットブレンド物の製造方法>
本発明のペレットブレンド物の製造方法は、上記本発明のペレット100質量部に対し、高級脂肪酸金属塩0.01〜0.5質量部および着色マスターバッチペレット1〜10質量部の少なくとも一方を添加してドライブレンドすることを含むことを特徴とする。
高級脂肪酸金属塩および着色マスターバッチペレットの添加方法としては、ポリアミド樹脂組成物の成形機への食い込み性を改良し、可塑化性を安定させ、少量の添加量で優れた離型性を示し、表面外観に優れた成形品が得られるという観点から、上述したペレットに外部添加する方法が好ましい。
外部添加の方法としては、特に制限は無く、例えば、ペレットと、高級脂肪酸金属塩および着色マスターバッチペレットとをドライブレンドする方法、ペレット表面と着色マスターバッチペレット表面に、高級脂肪酸金属塩をコーティングする方法等が挙げられる。
また、高級脂肪酸金属塩は必要に応じて、内部添加、すなわち、ポリアミド樹脂組成物に配合してもよい。
さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、上記ポリアミド樹脂組成物の所で述べた他の添加剤が例示される。他の添加剤の配合は、着色マスターバッチペレットを得る際に配合して溶融混練してもよい。また、添加剤をマスターバッチブレンドにして、配合してもよい。
【0051】
<用途>
本発明のペレットやペレットブレンド物は、安定した難燃性を有し、高い耐衝撃性、優れた成形品外観を有する。したがって、本発明のペレットやペレットブレンド物から形成される成形品は、電磁開閉器部品やブレーカー部品において好適に利用できる。
【実施例】
【0052】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
【0053】
<原料>
MXD6:メタキシリレンアジパミド樹脂、三菱ガス化学社製、S6001、融点237℃、数平均分子量16800
ポリアミド66/6I:特開2014−1336号公報の段落0038に記載の方法に従って、合成した(融点245℃)。
臭素系難燃剤:臭素化ポリスチレン(商品名:SAYTEX HP−3010、アルベマール日本社製)
酸化アンチモン:三酸化二アンチモン(商品名:AN−800(T)、第一工業製薬社製)
ガラス繊維:ガラス繊維ロービング束(商品名:ER4301H、重慶国際複合材料有限公司製、モノフィラメントの平均繊維径:17μm、TEX数:1200TEX)
【0054】
なお、前記モノフィラメントの平均繊維径は、走査型電子顕微鏡を用いて任意に100本のモノフィラメントの繊維径を測定し、得られた各測定値を平均することにより算出した。
TEX数は、JIS R3911に準拠して求めた。
具体的には、下記式に従い、(ml)を算出し、JIS Z8401によって小数点以下1桁に丸め、これを1000倍することにより番手(t)を求めた。
t=(m/l)×1000
m:試験片の質量(g)、l:試験片の長さ(m)
【0055】
高級脂肪酸金属塩:モンタン酸カルシウム(商品名:Licomont CaV 102、クラリアントジャパン社製)
着色マスターバッチペレット:黒着色MB(商品名:NYLONBLACK 7698、大日本インキ化学社製)
【0056】
<実施例1>
二軸押出機(商品名:ZSK25、Coperion社製)におけるトップフィード口より、下記表1に示す割合(単位:質量部)で、ポリアミド樹脂、臭素化ポリスチレン、および三酸化二アンチモンを供給し、シリンダー設定温度をポリアミド樹脂の融点+40℃、スクリュー回転数300rpmで、溶融混練して、ポリアミド樹脂組成物を得た。
得られたポリアミド樹脂組成物を、長繊維強化樹脂製造装置(KOSLFP−212、神戸製鋼所社製)における樹脂含浸用ローラーを供えた含浸ダイ(容積:375mL)に供給した。3本のガラス繊維ロービング束(合計TEX数:3600(TEX))として、ロービング台より、下記表1に示す割合で、上述の溶融状態のポリアミド樹脂組成物が充填されている含浸ダイのクロスヘッドに導入して、含浸ダイ内でポリアミド樹脂組成物をガラス繊維ロービング束に含浸させて、ポリアミド樹脂組成物が含侵したガラス繊維ロービング束を得た。
得られたポリアミド樹脂組成物が含浸したガラス繊維ロービング束を、紡口(直径2.2mm)より連続的に引き取り、1本のストランドを得た。
得られたストランドを、水冷バス中で冷却固化した。冷却固化したストランドを、ペレタイザーを用いて10mmの長さのペレットにカットした(直径2.2mm)。得られたペレット中のガラス繊維の長さは10mmであった。
得られたペレットにモンタン酸カルシウムと黒着色MBを下記表1に示す割合で外部添加し、ドライブレンドすることにより、ペレットブレンド物を得た。評価結果を表1に示す。
【0057】
<難燃性試験>
上記で得られたペレットを、射出成形機(FN−3000、スクリュー径40mm、日精樹脂工業社製)を用いて、シリンダー温度をポリアミド樹脂の融点+50℃、金型温度を80℃、射出圧力65MPa、射出時間5秒、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpmの成形条件で、長さ125mm、幅13mm、厚み0.80mmの試験片に成形した。
前記試験片の燃焼性を、UL94(米国Under Writers Laboratories Incで定められた規格)の方法に従い測定した。
【0058】
<吸水率>
上記で得られたペレットを、射出成形機(FN−3000、スクリュー径40mm、日精樹脂工業社製)を用いて、シリンダー温度をポリアミド樹脂の融点+50℃、金型温度を130℃(比較例は80℃)、射出圧力65MPa、射出時間5秒、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpmの成形条件で、試験片(幅127mm、厚さ3.2mm、長さ127mm)を成形した。
上記成形条件で得られた試験片を用い、20℃の水に浸漬し、飽和吸水率を測定した。
【0059】
<比較例1>
実施例1において、ポリアミド樹脂を表1に示す通り変更し、他は同様に行った。
【0060】
【表1】
上記結果から明らかなとおり、ポリアミド樹脂として、MXD6を用いた場合、高い難燃性を維持しつつ、吸水率を低く維持できた。これに対し、ポリアミド66/6Iを用いた場合、難燃性には優れていたが、吸水率が高かった。