(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技球の狙い先となる遊技領域が異なる第一及び第二の打ち込み操作のうち第一の打ち込み操作を推奨する第一の状態と第二の打ち込み操作を推奨する第二の状態とが存在し得る遊技機であって、
前記第一の状態時に前記第二の打ち込み操作が行われたこと、又は、前記第二の状態時に前記第一の打ち込み操作が行われたことを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された検出回数をカウントするカウント手段と、
前記検出回数が非連続な複数の規定回数のそれぞれに到達する度に、第一の報知を開始する報知処理手段と、
を備え、
非連続な前記複数の規定回数はそれぞれ、第一規定回数未満であり、
前記報知処理手段は、前記第一規定回数以上の検出回数がカウントされた場合に、前記第一の報知とは異なる報知態様の第二の報知を行う、
遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0010】
<遊技機10の概要について>
まず、本実施形態の遊技機10の概要について、
図1、
図4、
図6、
図9、
図10及び
図15を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
図6は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。
図9は、遊技機10のエラー報知制御に係る制御構成を示す機能ブロック図である。
図10は、エラー(異常)状態と、各エラー状態に対応するエラー報知態様とを示す図である。
図15は、右打ちエラー報知の具体例を示すタイムチャートである。
遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であって、検出手段と、カウント手段と、報知処理手段と、を備える。
【0011】
遊技機10には、第一の打ち込み操作を推奨する第一の状態と第二の打ち込み操作を推奨する第二の状態とが存在し得る。
第一及び第二の打ち込み操作は、遊技盤50の前面側に設けられた遊技領域50aにおける遊技球の狙い先となる領域が異なる遊技球の打ち込み操作である。第一及び第二の打ち込み操作としては、例えば、左打ち操作及び右打ち操作が該当する。後述の例では、遊技球が第1流路Xを転動するような回転量で操作ハンドル31を操作することが左打ち操作と表記され、遊技球が第2流路Yを転動するような回転量で操作ハンドル31を操作することが右打ち操作と表記される。
また、後述の例では、第一及び第二の状態として、左打ち操作を推奨する左打ち推奨状態と右打ち操作を推奨する右打ち推奨状態とが設けられている。
【0012】
但し、第一及び第二の打ち込み操作はこのような例に限定されない。例えば、特定領域における遊技球の通過が確変状態を付与する契機とされる遊技機においてその特定領域(例えばV入賞口)を狙う操作が当該第一及び第二の打ち込み操作のいずれか一方とされてもよい。
第一及び第二の打ち込み操作で狙い先とされる遊技領域は、遊技領域50a内の左側又は右側というように或る程度の広さを有する部分領域であってもよいし、より狭い局所領域であってもよい。
【0013】
検出手段は、第一の状態時に第二の打ち込み操作が行われたこと、又は、第二の状態時に第一の打ち込み操作が行われたことを検出する。例えば、検出手段は、遊技領域に打ち込まれた遊技球の転動領域の少なくとも一部におけるその遊技球の存在に基づいて、第一の状態時に第二の打ち込み操作が行われたこと若しくは第二の状態時に第一の打ち込み操作が行われたこと、又はそれら両方を検出することができる。
後述の例では、検出手段の具体例として、エラー制御部170が設けられている。後述のエラー制御部170は、遊技状態制御部140によって管理されている遊技状態の情報を取得することで、左打ち推奨状態であるか否かを判定し、カウントスイッチSW4によりゲート63への遊技球の通過が検出された場合に右打ち操作が行われたと判定する。また、エラー制御部170は、カウントスイッチSW1の検知に基づく第1始動口57への遊技球の入球を以て、左打ち操作が行われたことを判定することもできる。
検出手段による検出手法はこのような例に限定されない。例えば、検出手段は、遊技球の発射速度を測定し、この速度に基づいて判定してもよいし、操作ハンドル31の回転量(回転角度)が閾値以上となっているのが規定時間継続する毎に、右打ち操作を検出してもよい。
【0014】
カウント手段は、検出手段により検出された検出回数をカウントする。
カウント手段の一具体例が後述のエラーカウント部222である。エラーカウント部222では、検出手段による検出結果に対応する非推奨操作通知コマンドの受信回数(非推奨操作回数)がカウントされる。
但し、カウント手段によりカウントされる検出回数は、検出手段による検出回数と必ずしも一致していなくてもよい。例えば、カウント手段によりカウントされる検出回数は、検出手段による検出回数を所定回数間隔で間引いた回数であってもよい。
【0015】
報知処理手段は、カウント手段によりカウントされた検出回数が非連続な各規定回数に到達した場合の少なくとも一部において、特定の報知を行う。
非連続な各規定回数の間隔は、等間隔であってもよいし、異なる間隔であってもよい。
報知処理手段は、非連続な各規定回数に到達した場合の全てにおいて、特定の報知を行ってもよいし、非連続な各規定回数に到達した場合の一部において、特定の報知を行ってもよい。
後述の例では、報知処理手段の具体例として、エラー報知処理部220が設けられている。エラー報知処理部220は、
図10及び
図15に示されるように、非推奨操作回数(検出回数)が各弱報知規定回数(3、6、9及び12回)に到達した場合に、右打ち弱エラー報知を行っている。右打ち弱エラー報知は、液晶表示装置80及びスピーカ33の2つの手段により行われている。
但し、ここでの当該特定の報知は、後述の右打ちエラーの右打ち強エラー報知及び右打ち弱エラー報知のように異なる報知レベルが設けられた報知でなくてもよいし、具体的な報知手段は制限されない。
【0016】
特定の報知は、規定時間以上の出力により遊技者に把握され得る報知内容を有すれば、その具体的な報知態様は制限されない。
規定時間以上の出力により遊技者に把握され得る報知内容は、言い換えれば、規定時間未満の出力では遊技者に把握され難い報知内容である。このような報知内容としては、例えば、意味が把握できる箇所まで再生又は表示されなければ意味の把握が困難な文章読み上げ音声又はロールテロップ表示などがある。例えば、「左打ちをしてください」という文章読み上げ音声の場合、最低限「左打ちをして」まで再生されなければ、その音声の意味を正しく把握することが難しい。この例では、「左打ちをして」までの再生時間が当該規定時間となる。
【0017】
特定報知における当該規定時間は、非連続な各規定回数の間隔に基づいて決められることが好ましい。逆に、非連続な各規定回数の間隔に基づいて、特定報知における当該規定時間が決められてもよい。例えば、特定報知における当該規定時間が、非連続な各規定回数に含まれる隣接する各規定回数に到達するタイミングの平均時間差より短く設定されることで、特定報知の内容を遊技者に適切に把握させることができる。この点の詳細については後述する。
【0018】
このように本実施形態では、推奨されない打ち込み操作の検出回数が非連続な各規定回数到達時にそれぞれ特定の報知を行うことにより、一回一回の報知の出力時間をある程度確保することができる。これにより、報知ごとに報知内容を遊技者に把握させ易くすることができると共に、複数回報知を行うことでも報知内容を遊技者に把握させ易くすることができる。
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより詳しく説明する。
【0019】
<遊技機10の構造について>
図1から
図5を用いて遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す俯瞰図である。
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。大入賞口56の奧方に位置する連通路58を示す図である。
なお、
図1から
図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0020】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
【0021】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0022】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0023】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、遊技中に発生する演出や出力音量を切り替える又は遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができるプッシュボタン37の他、それぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)、玉貸操作を受け付ける玉貸ボタン39a、及び、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bなどが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0024】
入賞口に遊技球が入球した場合、入賞によって付与される賞球は、後述の払出機構70(
図8参照)によって上球受け皿27又は下球受け皿29に払い出される。上球受け皿27が遊技球で満杯状態である場合、払出機構70によって賞球は下球受け皿29に払い出される構成になっており、上球受け皿27に一定量を超える遊技球が貯留されることが防止される。
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0025】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。
また、前枠20の上枠部32は光透過性のカバーにより形成されており、上枠部32の内部には上枠ランプ35aが配設されている。また、前枠20の左右側枠部34a、34bも光透過性のカバーにより形成されており、左右側枠部34a、34bの内部には側枠ランプ35b、35cが配設されている。なお、以下の説明では、上枠ランプ35a及び側枠ランプ35b、35cを総じて照明装置35と呼称する場合がある。
スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。本実施形態では、エラー報知として、後述するように、磁気感知エラー、誘導磁界検知エラー、大入賞口不正入賞エラー、大入賞口過剰入賞エラー、スイッチ断線エラー、右打ちエラー、扉開放エラーのような複数種のエラー報知が設けられている。
【0026】
遊技盤50の略中央には液晶表示装置80が配設されている。液晶表示装置80は固定式の液晶装置である。
なお、
図4には不図示であるが、遊技盤50には液晶表示装置80とは別に可動式の液晶装置が一又は複数設けられてもよい。
【0027】
液晶表示装置80は、第1特図表示装置91又は第2特図表示装置92における図柄変動ゲームに連動して行われる演出図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
液晶表示装置80に表示される演出図柄群の変動表示において、表示される演出図柄群は、一又は複数の列をなす。変動表示されている演出図柄群がなす列の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで奥行き方向とは、実際には液晶表示装置80の表示画面上の平面的な表示変動であるにも関わらず、液晶表示装置80の奧方から手前方向又はその逆方向に演出図柄が変動しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
【0028】
液晶表示装置80は演出図柄の表示の他にも、いわゆる保留表示(図示せず)を表示画面の一部に表示することができる。保留表示が表示される表示領域と、演出図柄が表示される表示領域とは、離間してもよいし重複してもよい。ここで保留表示とは、始動口への入球を契機として取得された乱数のうち、現時点において実行されている図柄変動ゲームに用いられた乱数又は現時点において保留されている乱数を模している演出画像である。保留表示は、その形状や色彩等によって特典(例えば、大当り遊技)が付与される可能性を示唆しうる。
【0029】
更に、液晶表示装置80は上述のようなエラー報知にも利用される。
なお、本実施形態では、表示装置として液晶表示装置80が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を液晶表示装置80の代替構成として採用しうる。
【0030】
液晶表示装置80の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されている。図柄表示装置90は液晶表示装置80よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域は液晶表示装置80の表示領域よりも小さい面積になっている。
【0031】
図柄表示装置90には、第1特図表示装置91、第2特図表示装置92、普図表示装置93、ラウンド表示部94及び賞球残数表示部95が含まれる。
【0032】
ここで特別図柄とは、特別電動役物(例えば、特別電動役物65及び特別電動役物66)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における特別図柄には、第1特図表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特図表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
第1特別図柄は、「特
図1」と略称される場合があり、第2特別図柄は、「特
図2」と略称される場合がある。また、特別図柄は、「特図」と略称される場合がある。
【0033】
ここで普通図柄とは、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における普通図柄は、普図表示装置93に表示される。
なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。
【0034】
以下の説明において、第1特図表示装置91又は第2特図表示装置92を変動表示させた後に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
また、以下の説明において、普図表示装置93を変動表示させた後に普通図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
或いは、以下の説明において、上述の液晶表示装置80に表示される演出図柄の変動表示は、「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」や「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と区別して「演出図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
なお、以下の説明において、単に「図柄変動ゲーム」と称した場合には、特段の説明がない限り「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」を意味する。
【0035】
ラウンド表示部94は、大当り遊技の実行期間において、その時点におけるラウンド遊技の実行回数を、8個のLEDの表示パターンによって表示する。
賞球残数表示部95は、賞球が付与された場合に、未だ払い出されていない賞球の残数を、7つのセグメントに分かれているLED群(7セグメント方式)によって示される最大3桁のアラビア数字で表示する。
【0036】
図柄表示装置90は、上記の表示に使用しないLED群によって、保留されている乱数の個数を表示したり、確変状態であるか否かを表示したり、変短状態であるか否かを表示したり、後述するいわゆる右打ちが推奨される状態であるか否かを表示したりしてもよい。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一具体例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0037】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0038】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。本明細書において、遊技球が第1流路Xを転動するような回転量で操作ハンドル31を操作することを左打ち操作と表記し、遊技球が第2流路Yを転動するような回転量で操作ハンドル31を操作することを右打ち操作と表記する。
【0039】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、大入賞口56、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、普通入賞口67(67a、67b、67c)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0040】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57にはカウントスイッチSW1が付設されており、カウントスイッチSW1の検知に応じて第1始動口57に係る入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた賞球が付与される。
第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第1特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0041】
第2始動口59は、遊技領域50aの右側に配置されている。第2始動口59にはカウントスイッチSW2が付設されており、カウントスイッチSW2の検知を契機として第2始動口59に係る入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第2特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0042】
第2始動口59には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL4の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
【0043】
ゲート63は、第2始動口59の上方に配置されている。即ち、第2流路Yを転動する遊技球の多くがゲート63を通過することになる。ゲート63の後方には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配設されている。遊技球の通過がカウントスイッチSW4で検知された場合の少なくとも一部において、普通図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
カウントスイッチSW4による遊技球の通過検知は、賞球の払出条件とされてもよいし、されなくてもよい。
ゲート63は、通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよいし、そうでなくてもよい。ゲート63を通過することも、本明細書では「入球」と称する場合がある。
【0044】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部であって、大入賞口56より第2流路Yの下流側に配置されている。大入賞口55にはカウントスイッチSW61が付設されており、カウントスイッチSW61の検知を契機として大入賞口55に係る入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた賞球が付与される。
大入賞口55には特別電動役物65が付設されている。特別電動役物65は、大入賞口55に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL1の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
【0045】
大入賞口56は遊技領域50aの右下部であって、大入賞口55より第2流路Yの上流側に配置されている。
大入賞口56には特別電動役物66が付設されている。特別電動役物65は、大入賞口55に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL2の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
【0046】
大入賞口56の奧方には連通路58が設けられており、連通路58には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW62、カウントスイッチSW7が配置されている。なお、
図5(a)または
図5(b)における上流側の白抜き矢印は、大入賞口56から流下してきた遊技球が連通路58(通過経路58a)を通過する方向を示している。
カウントスイッチSW62による遊技球の検知は、大入賞口56に係る入賞の条件であり、その検知に基づいて大入賞口56に対応付けられた賞球が付与される。
カウントスイッチSW7による遊技球の検知は、後述する確変状態の付与条件であり、その検知に基づいて確変状態が付与される。
【0047】
連通路58は、上流側から下流側に向かって、通過経路58aが通過経路58bと通過経路58cとに分かれる形状を有しており、通過経路58bと通過経路58cとの分岐部に振分部材68が設けられている。振分部材68は、通過する遊技球を通過経路58b又は通過経路58cのいずれか一方に振り分ける。
より詳細には、振分部材68は、基端部を軸にして回動可能に当該分岐部に支持されており、その回動位置に応じて、
図5(a)に示す状態と
図5(b)に示す状態とが切り替えられる。
図5(a)の状態においては、振分部材68が通過経路58bへの遊技球の流下を規制することで、通過経路58aを通過した遊技球は、通過経路58cへと流下する。一方、
図5(b)の状態においては、振分部材68が通過経路58cへの遊技球の流下を規制することで、通過経路58aを通過した遊技球は、通過経路58bへと流下する。
【0048】
振分部材68は、後述の大当り制御部141によって制御されるソレノイドコイルSOL3の作動に応じて回動し、その位置が切り替えられる。
連通路58(通過経路58bまたは通過経路58c)から排出された遊技球は、遊技機10の外部に設置されている貯留タンク(図示せず)に蓄えられる。当該貯留タンクについては詳細な説明は省略する。
なお、
図5(a)または
図5(b)における下流側の白抜き矢印は、遊技球が連通路58(通過経路58bまたは通過経路58c)から排出される方向を示している。
【0049】
特別電動役物65及び特別電動役物66は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55又は大入賞口56への遊技球の入球が許容される。なお、本実施形態における特別電動役物65及び特別電動役物66は、第1始動口57への入球及び第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技においても開放状態になりうるように構成されている。
特別電動役物65又は特別電動役物66が開放状態である場合には、大入賞口55又は大入賞口56への遊技球の入球が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55及び大入賞口56に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0050】
普通入賞口67(67a、67b、67c)は、遊技領域50aの左下部に配置されている。普通入賞口67aには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW51が付設されており、カウントスイッチSW51の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。普通入賞口67bには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW52が付設されており、カウントスイッチSW52の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。普通入賞口67cには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW53が付設されており、カウントスイッチSW53の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が普通入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0051】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0052】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0053】
<遊技機10の制御構成について>
続いて、
図6から
図9を用いて遊技機10の制御構成について説明する。なお、上述した
図1から
図5に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図6は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。
図7は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
図8は、遊技機10の払出制御に係る制御構成を示す機能ブロック図である。
図9は、遊技機10のエラー報知制御に係る制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、
図5から
図9で図示される各構成要素は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な構成要素を挙げたものであり、ここに図示しない構成要素を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成要素の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成要素が省かれても良い。
【0054】
遊技機10は、メイン制御基板100、サブ制御基板200などの制御基板を自機の内部に備えており、種々の機能を各基板と当該各基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図5では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板で形成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板で形成される場合、メイン制御基板100に複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、
図5に示される基板に限定されるものではなく、メイン制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
【0055】
メイン制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。メイン制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
【0056】
図6には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、始動口入球時処理部110、特図遊技制御部120、普図遊技制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、情報伝送部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210が例示されている。
【0057】
始動口入球時処理部110は、第1始動口57又は第2始動口59に遊技球が入球した時に大当り遊技の当否判定に用いる乱数を取得すると共に所定の処理を実行する。
特図遊技制御部120は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
普図遊技制御部130は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技を制御する機能、確変状態や変短状態を管理し、これらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、又は、普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
情報伝送部190は、メイン制御基板100で実現される各機能構成にて生成された制御情報(コマンド)をサブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210等)に伝送する。情報伝送部190によって伝送されるコマンドには、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
【0058】
演出制御部210は、情報伝送部190を介してメイン制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、液晶表示装置80に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄を液晶表示装置80に変動表示又は停止表示させる。
演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、プッシュボタン37やカーソルボタン38によって受け付けられた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。例えば、演出制御部210は、プッシュボタン37及びカーソルボタン38に対する遊技者の操作に基づいて出力音量を設定することもできる。これにより、大当り遊技等の演出音声は、その設定された出力音量でスピーカ33から出力される。このため、スピーカ33は音声出力手段に相当し、演出制御部210は音量設定手段と呼ぶこともできる。
【0059】
<始動口の入球時処理について>
以下、始動口の入球時処理を制御する始動口入球時処理部110について詳述する。
始動口入球時処理部110は、特図保留制御部111と、事前判定部112と、を有する。
【0060】
特図保留制御部111は、第1始動口57に遊技球が入球した時、即ち第1始動口57に入賞した時に、保留されている乱数M1の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M1を取得して保留させる。
また、特図保留制御部111は、第2始動口59に遊技球が入球した時、即ち第2始動口59に入賞した時に、保留されている乱数M2の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M2を取得して保留させる。
特図保留制御部111は、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留する。なお、乱数M1及び乱数M2は、後述する当否判定部121による判定に用いられる。
【0061】
特図保留制御部111は、保留されている乱数の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150を要求してもよいし、液晶表示装置80に表示させるように情報伝送部190を介して演出制御部210にコマンドを出してもよい。
このとき、図柄表示制御部150は、特図保留制御部111の要求に応じて、保留されている乱数の数をLEDの発光パターンによって図柄表示装置90に表示させてもよい。
また、演出制御部210は、情報伝送部190を介して入力したコマンドに応じて、保留されている乱数の個数に等しい数の保留表示を、液晶表示装置80に表示させてもよい。
【0062】
事前判定部112は、特図保留制御部111が乱数M1又は乱数M2を保留させた場合の少なくとも一部において、保留させた乱数M1又は乱数M2が当否判定部121によって当選と判定されるか否かを、当否判定部121による判定の事前に判定する事前判定を実行する。
また、事前判定部112は、事前判定の他に、事前判定の結果に基づく演出に関する処理を実行してもよい。ここで「事前判定の結果に基づく演出」とは、例えば、事前判定の対象となった乱数を表す保留表示の色彩や形態等を変化させる演出や、事前判定の対象となった乱数を表す保留表示が表示されている期間(いわゆる先読みゾーン)にわたって実行される演出等が挙げられる。
なお、「事前判定の結果に基づく演出」は、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有する構成になっていることがあり、当該構成である場合には後述する連続演出に該当する。
【0063】
<特別図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する特図遊技制御部120について詳述する。
特図遊技制御部120は、当否判定部121と、特図選択部122と、リーチ抽選部123と、変動パターン決定部124と、を有する。
【0064】
当否判定部121は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御又は大当り遊技に係る制御が行われていないとき、保留されている乱数M1又は乱数M2を所定の周期で読み出す。このとき、当否判定部121は、乱数M2の読み出しを優先的に実行し、乱数M2が読み出せなかった場合(保留されている乱数M2が零個である場合)に乱数M1を読み出す。このような制御によって、乱数M2が乱数M1より優先的に読み出される。その結果、当否判定部121は、乱数M1よりも乱数M2を優先的に判定することになる。
【0065】
特図選択部122は、当否判定部121による当否判定の結果に基づいて特別図柄を選択する。
より具体的には、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は乱数抽選を行うことによって当選を示す特別図柄(当選図柄)を選択する。即ち、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は、予め複数とおりに用意されている当選図柄のうちいずれか一つを選択する。
或いは、当否判定部121によって落選が判定された場合、特図選択部122はハズレを示す特別図柄(ハズレ図柄)を一意に決定する。
【0066】
当否判定部121によって乱数M1が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151によって第1特図表示装置91に表示される。
当否判定部121によって乱数M2が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第2特別図柄表示制御部152によって第2特図表示装置92に表示される。
【0067】
リーチ抽選部123は、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定結果を示す特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に、リーチ演出をするか否かを乱数抽選で選択する。ここでリーチ演出とは、液晶表示装置80における演出図柄の変動表示において、最後に仮停止する列を除く複数の列に演出図柄が仮停止しており、仮停止している各々の演出図柄が同種である状態に行われる演出をいう。なお、当該状態について、本実施形態においてはリーチ状態と称する場合がある。
なお、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果はハズレであるため、当該図柄変動ゲームでリーチ演出を実行したとしても最後に仮停止する列の演出図柄は他の列の演出図柄と異なる種別になる。
また、当否判定部121によって当選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果は当選であるため、リーチ抽選部123による抽選が行われずとも、当該図絵の実行中には原則として液晶表示装置80においてリーチ演出が行われ、さらに最後に仮停止する列の演出図柄が他の列の演出図柄と同種になる。
【0068】
変動パターン決定部124は、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。なお、変動パターン決定部124によって決定される変動パターンは、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行期間とも換言できる。
変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152に対する制御情報として出力され、当該制御情報を入力した第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152は当該制御情報が示す時間にわたって特別図柄に係る図柄変動ゲームを実行する。
また、変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、情報伝送部190を介して伝送されるコマンドとして演出制御部210に出力され、当該コマンドを入力した演出制御部210は当該コマンドに含まれる変動パターンを用いて演出(リーチ演出等)を制御する。より具体的には、演出制御部210は、入力した変動パターン(変動時間情報)が示す時間に合わせて、当該変動パターンに基づく演出図柄に係る図柄変動ゲームを終了させるように演出図柄の変動態様及びそれに付随する演出態様を決定して実行する。
これにより、演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行時間に合わせて、当該図柄変動ゲームに対する演出を実行することができる。
【0069】
なお、リーチ演出を実行する場合は、リーチ演出が非実行である場合に比べて長い時間を要するので、変動パターン決定部124は、リーチ抽選部123によってリーチ演出の実行が選択された場合には、リーチ演出の非実行が選択された場合に比べて、長い時間を示す変動パターン(変動時間情報)を決定する割合が高くなるように構成されている。
【0070】
<普通図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する普図遊技制御部130について詳述する。
普図遊技制御部130は、普図保留制御部131と、普図抽選部132と、普通電役制御部133と、を有する。
【0071】
普図保留制御部131は、ゲート63に遊技球が入球した時に、保留されている乱数M3の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M3を取得して保留させる。
【0072】
普図抽選部132は、普通図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出し、読み出された乱数M3を用いて普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの抽選を行う。なお、普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、後述する変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
【0073】
普図抽選部132による抽選結果は、後述する普通図柄表示制御部153に伝送される。普図表示装置93に対応している二つのLEDは一方が当選、他方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は伝送された抽選結果に応じていずれかのLEDを発光させる。
【0074】
普通電役制御部133は、普図抽選部132による抽選に当選したとき、ソレノイドコイルSOL4を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。ここで所定の開放条件には、普図抽選部132による一回の当選に応じて普通電動役物61が開放される時間(以下、開放時間と称する)や開放される回数(以下、開放回数と称する)等が含まれる。
普通電役制御部133は、変短制御部144によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。即ち、普通電役制御部133の制御は、後述する変短制御部144による変短状態の付与に起因して変動する。
【0075】
<遊技状態制御について>
以下、大当り遊技、確変状態、及び変短状態を制御する遊技状態制御部140について詳述する。
遊技状態制御部140は、大当り制御部141と、確変制御部143と、変短制御部144と、を有している。
【0076】
ここで大当り遊技とは、特別電動役物65を連続して作動させることができる特別の遊技状態をいう。ここで「特別電動役物を連続して作動」とは、後述のラウンド遊技の回数(ラウンド回数)が複数回であることをいう。
ここで確変状態とは、当否判定部121による当否判定の当選確率が通常遊技状態より高確率になる遊技状態をいう。
ここで変短状態とは、以下の少なくとも一つが行われる遊技状態をいう。
(i)普図抽選部132による抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる。
(ii)普通電動役物61の開放時間が通常遊技状態より延長される。
(iii)普通電動役物61の開放回数が通常遊技状態より増加される。
(iv)普図表示装置93における一回あたりの変動表示時間が通常遊技状態より短縮される。
なお、(i)において言及した普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、通常遊技状態において零であっても良いし、零でなくても良い。
【0077】
確変制御部143は、上述のカウントスイッチSW7による遊技球の検知を契機として、その検知時において行われている大当り遊技の終了時に確変状態を付与する。本実施形態のように、特定領域における遊技球の通過(カウントスイッチによる遊技球の検知)を契機として確変状態を付与する方式の遊技機を、V確変機と称する場合がある。
なお、本実施形態に係る確変状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、特図選択部122によって選択された特別図柄(当選図柄)の種別に基づいて確変状態を付与してもよい。
【0078】
確変制御部143は、確変状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、確変状態を解除する。
なお、本実施形態に係る確変状態の解除条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の解除条件はこの例に限られない。例えば、特別図柄に係る図柄変動ゲームの回数に関わらず大当り遊技に当選することのみを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。或いは、確変状態を解除するか否かを決定する抽選(転落抽選)に当選することを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。
【0079】
変短制御部144は、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合のすべてを契機として、変短状態を付与する。
なお、本実施形態に係る変短状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合の一部を契機として、変短制御部144は変短状態を付与してもよい。
【0080】
変短制御部144は、変短状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、変短状態を解除する。
なお、変短制御部144による変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と同一の条件であってもよいし、異なる条件であってもよい。本実施形態に即していえば、変短状態の解除に係る所定回数は、確変状態の解除に係る所定回数と同一の回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。
【0081】
大当り制御部141は、当否判定部121によって当選が判定された場合に、大当り遊技を実行する。本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
まず、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122によって特別図柄が選択され、選択された特別図柄が第1特図表示装置91又は第2特図表示装置92に停止表示された後に、大当り制御部141は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部141は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は当該コマンドに従いオープニング時間にわたってオープニング演出を実行する。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55又は大入賞口56のいずれか一方が開放されるラウンド遊技が予め定めたラウンド回数を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55又は大入賞口56が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55又は大入賞口56に規定個数の遊技球が入球した後、又は規定のラウンド遊技時間が経過した後に、大入賞口55又は大入賞口56が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55又は大入賞口56がインターバル時間だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55又は大入賞口56が開放される。
【0082】
大当り制御部141は、上記のラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を含む制御情報に従って、特別電動役物65を開放させる。
大当り制御部141は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW61の検知に基づいて監視している。そして、大当り制御部141は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL1を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。また、大当り制御部141は、所定回のラウンド遊技中にソレノイドコイルSOL3を作動させて振分部材68の位置を切り替えることで、遊技球の通過経路58bへの流下を規制する状態(
図5(a)の状態)と規制しない状態(
図5(b)の状態)とを適宜切り替える。
【0083】
大当り制御部141は、ラウンド遊技中に係る演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従ってラウンド演出を実行する。
ラウンド遊技中には、ラウンド表示制御部154によって制御されて、その大当り遊技において実行されたラウンド遊技の回数がラウンド表示部94に表示される。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部141は情報伝送部190を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関するコマンドを出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従いエンディング時間にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部141は大当り遊技を終了させる。
【0084】
本実施形態では、遊技状態制御部140により制御される遊技状態において、少なくとも、左打ち操作を推奨する左打ち推奨状態と、右打ち操作を推奨する右打ち推奨状態とが設けられている。例えば、大当り遊技が実行されているとき及び変短状態が付与されているときは、右打ち推奨状態とされ、それ以外の遊技状態のときは左打ち推奨状態とされる。但し、推奨操作の割り当てはこのような例に限定されない。大当り遊技時においてもラウンド回数や確変状態か否かなどによって左打ち推奨状態と右打ち推奨状態とが切り替えられてもよいし、推奨する操作が設定されていない(どの打ち方をしてもよい)状態が設けられていてもよい。
【0085】
遊技状態制御部140は、このような推奨される操作の情報を管理してもよいし、特に管理しなくてもよい。後者の場合であっても、推奨操作は遊技状態から導出可能である。
例えば、演出制御部210は、メイン制御基板100から受信されるコマンドで示される遊技状態に関する情報に基づいて、大当り遊技終了後の右打ち推奨状態から左打ち推奨状態への遷移を判定し、その遷移時に、「左打ちをしてください」といった左打ち操作を促す案内(ガイダンス)音声をスピーカ33から出力させることができる。
この場合の「大当り遊技終了後の右打ち推奨状態から左打ち推奨状態への遷移」には、大当り遊技時に右打ち推奨状態で大当り遊技終了直後に左打ち推奨状態へ遷移する場合だけでなく、大当り遊技終了後の特定遊技状態(例えば変短状態)付与時に右打ち推奨状態でその特定遊技状態解除後に左打ち推奨状態へ遷移する場合も含まれる。
また、同様に、演出制御部210は、左打ち推奨状態から右打ち推奨状態への遷移を判定し、その遷移時に、「右打ちをしてください」といった右打ち操作を促す案内(ガイダンス)音声をスピーカ33から出力させることもできる。このような案内音声を含む報知は案内報知と呼ぶこともできる。
【0086】
<払出制御について>
払出制御部160は、賞球の付与条件が成立した場合、即ち、上記のカウントスイッチSW1、カウントスイッチSW2、カウントスイッチSW51、カウントスイッチSW52、カウントスイッチSW53、カウントスイッチSW61及びカウントスイッチSW62による検知に応じて規定数の賞球を付与する。
払出機構70は、払出制御部160によって付与された賞球に相当する遊技球を、不図示の貯留タンクから上球受け皿27又は下球受け皿29に賞球を払い出させる。
【0087】
払出制御部160によって付与された賞球のうち未だ払い出されていない賞球(賞球残数)は、賞球残数カウンタ155によって計数される。
換言すれば、賞球残数カウンタ155は、上に列挙した各種カウントスイッチが遊技球を検知するごとに各々に規定されている賞球数に相当する値を加算し、払出機構70による払出がカウントスイッチSW9によって検知されるごとに検知した遊技球に相当する値を減算する。
賞球残数カウンタ155によって計数された賞球残数は、賞球残数表示部95に表示されて遊技者に報知される。
ここでカウントスイッチSW9は、上球受け皿27又は下球受け皿29に連通している賞球払出通路(不図示)に設けられている検知手段であり、賞球払出通路を通過する遊技球を検知することができる。
【0088】
<エラー報知制御について>
遊技機10は、エラー制御部170、エラー報知処理部220、及びエラーカウント部222を有しており、遊技機10自体の異常や遊技者による不正行為、推奨されない操作などといったエラー状態を検知し、エラー報知を行う。
ここで「エラー状態」とは、正常ではない状態を意味し、例えば、遊技機10自体に何等かのハードウェア障害又はソフトウェア障害が生じている状態、遊技機10の遊技者が不正操作(いわゆるゴト)を行っている状態、推奨されない操作(非推奨操作)が行われている状態などを含む。本明細書において「エラー」及び「異常」は、特に区別することなく同意の文言として用いる。
本明細書では、推奨されない操作が行われている状態についても異常状態(エラー状態)として扱うが、その状態は、異常状態又はエラー状態と区別されて扱われてもよい。
【0089】
本実施形態では、メイン制御基板100においてエラー制御部170が実現され、サブ制御基板200においてエラー報知処理部220及びエラーカウント部222が実現される例を挙げる。但し、エラー報知制御を実現するこのような構成は、変形例として後述するように、各種変形可能である。
【0090】
エラー制御部170は、各種スイッチSW及び各種センサSENによる検知、又はこれらの検知と遊技状態制御部140によって管理されている遊技状態との組み合わせに基づいて、異常状態又は異常状態からの復帰を判定し、この判定結果を示すコマンドを生成して、情報伝送部190を介してサブ制御基板200に送信する。本実施形態において、エラー制御部170は複数種の異常状態を判定可能であるため、当該コマンドには、その判定結果に対応する異常種別を識別可能な情報(指定情報)が設定される。
ここで各種スイッチSWには、上記のカウントスイッチの一部又は全部が含まれてもよいし、言及していないカウントスイッチが含まれてもよい。
ここで各種センサSENには、図示されない扉開放検知センサ、磁気センサ、誘導磁界センサ等の各種センサが含まれ、その種別は特に制限されない。
【0091】
エラーカウント部222は、エラー制御部170による判定結果を示すコマンドを受信した場合に、異常回数をカウントする。但し、異常種別によってはカウントが不要なものも存在するため、エラーカウント部222は、カウントが必要な異常種別のコマンドを受信した際に、異常種別ごとに異常回数をそれぞれカウントする。本実施形態では、エラーカウント部222は、異常種別の指定情報を含むコマンドの受信回数を当該異常回数としてカウントするため、当該異常回数は受信回数と表記される場合もある。但し、エラーカウント部222によりカウントされる異常回数は、当該コマンドの受信回数と等しくならない形態が採用されてもよい。
【0092】
エラー報知処理部221は、エラー制御部170による判定結果を示すコマンドやエラーカウント部222によりカウントされる異常回数などを参照しながら、異常種別ごとの報知条件及び報知態様に従って、エラー報知を行う。
本実施形態におけるエラー報知は、液晶表示装置80への表示出力、上枠ランプ35a、側枠ランプ35b及び35cなどの照明装置35の照明出力、及びスピーカ33への音声出力の少なくとも一つを用いて行われる。但し、エラー報知の手段は、このような手段のみに限定されず、装飾体の可動などで実現することも可能である。
【0093】
図10は、本実施形態に係るエラー(異常)状態と、各エラー状態に対応するエラー報知態様とを示す図である。
図10に図示されるエラー状態は、上段に表記されているものほど優先的に報知されるものである。従って、二種のエラー状態が同時に発生した場合、上段のエラー状態に対応するエラー報知がそれよりも下段のエラー状態に対応するエラー報知よりも優先的に実行される。
本実施形態では、パターン背景で区切られた行よりも上段の各エラー状態はそのような優先度が付されるが、その行よりも下段のエラー状態は、優先度が付されない。
図10の例では、当該下段のエラー状態として右打ち弱エラー状態が示されている。但し、すべてのエラー状態に優先度が付されてもよい。
なお、
図10に示すエラー状態は具体例であって、遊技機10は、ここで図示しないエラー状態を報知可能に構成されてもよいし、ここで図示しているエラー状態の一部を報知不能に構成されてもよい。また、
図10に示すエラー報知内容は具体例であって、遊技機10は、同様のエラー状態を他の報知態様によって報知してもよい。
【0094】
以下、
図10に示される各エラー状態のエラー報知制御についてそれぞれ説明する。但し、以下のエラー報知制御は、あくまで一例であり、以下の説明の内容に限定されない。
磁気感知エラーは、いわゆる磁石ゴトが行われていると判定された場合に生起されるエラー状態である。例えば、エラー制御部170は、各種センサSENの一つである磁気センサからの出力信号に基づいて、所定強度の磁気が規定時間連続で検知された場合に、磁気感知エラーと判定する。エラー制御部170は、磁気感知エラーと判定すると、磁気感知エラーの指定情報を含むコマンドを情報伝送部190を介してサブ制御基板200へ送信する。
磁気感知エラーの指定情報を含むコマンドがサブ制御基板200で受信されると、エラー報知処理部221は、
図10に示される報知態様で磁気感知エラーの報知を行う。即ち、エラー報知処理部221は、遊技機10の電源がオフになるまで以下の報知が行われるように処理を実行する。
(イ)液晶表示装置80の全画面に磁気感知エラーが発生した旨を表示させる。
(ロ)「磁気センサーが反応しました」との音声をエラー用音声チャネルでスピーカ33から出力させ、その際に他の音声チャネルを消音させる。
(ハ)上枠ランプ35aを黄色に点滅させ、側枠ランプ35b及び35cを赤色に点滅させる。
また、磁気感知エラーの指定情報を含むコマンド送信したメイン制御基板100は、異常が発生したことを示すセキュリティ信号を外部装置300に出力する。
【0095】
誘導磁界検知エラーは、高周波電波の発生源が近接していると判定された場合に生起されるエラー状態である。これは、遊技機10が備える電子機器の動作に高周波電波が悪影響を与えるのを防ぐために設けられたエラー状態である。例えば、エラー制御部170は、各種センサSENの一つである電波センサ(誘導磁界センサ)からの検知信号に基づいて高周波電波が規定回数検知された場合に、誘導磁界検知エラーと判定する。エラー制御部170は、誘導磁界検知エラーと判定すると、誘導磁界検知エラーの指定情報を含むコマンドを情報伝送部190を介してサブ制御基板200へ送信する。
誘導磁界検知エラーの指定情報を含むコマンドがサブ制御基板200で受信されると、エラー報知処理部221は、
図10に示される報知態様で誘導磁界検知エラーの報知を行う。即ち、エラー報知処理部221は、遊技機10の電源がオフになるまで以下の報知が行われるように処理を実行する。
(イ)液晶表示装置80の全画面に誘導磁界検知エラーが発生した旨を表示させる。
(ロ)「異常を検知しました」との音声をエラー用音声チャネルでスピーカ33から出力させ、その際に他の音声チャネルを消音させる。
(ハ)上枠ランプ35aを黄色に点滅させ、側枠ランプ35b及び35cを赤色に点滅させる。
また、誘導磁界検知エラーの指定情報を含むコマンドを送信したメイン制御基板100は、異常が発生したことを示すセキュリティ信号を外部装置300に出力する。
【0096】
大入賞口不正入賞エラーは、特別電動役物65が未作動であるにも関わらず大入賞口55に入賞したことにより生起されるエラー状態、又は、特別電動役物66が未作動であるにも関わらず大入賞口56に入賞したことにより生起されるエラー状態である。例えば、エラー制御部170は、特別電動役物65が未作動であるにも関わらずカウントスイッチSW61による検知が規定回数以上行われた場合、又は、特別電動役物66が未作動であるにも関わらずカウントスイッチSW62による検知が規定回数以上行われた場合に、大入賞口不正入賞エラーと判定する。エラー制御部170は、大入賞口不正入賞エラーと判定すると、大入賞口不正入賞エラーの指定情報を含むコマンドを情報伝送部190を介してサブ制御基板200に送信する。エラー制御部170は、特別電動役物65又は66の未作動状態を遊技状態制御部140からの情報により判定してもよいし、特別電動役物65又は特別電動役物66の位置を検知するセンサ(フォトセンサなど)からの情報により判定してもよい。
大入賞口不正入賞エラーの指定情報を含むコマンドがサブ制御基板200で受信されると、エラーカウント部222は、そのコマンドの受信回数を大入賞口不正入賞エラーの回数(異常回数)としてカウントする。このカウントされる受信回数が規定回数以上となった場合、エラー報知処理部221は、
図10に示される報知態様で大入賞口不正入賞エラーの報知を行う。即ち、エラー報知処理部221は、以下の報知が30秒間行われるように処理を実行する。
(イ)液晶表示装置80に大入賞口不正入賞エラーが発生した旨を帯状に表示させる。
(ロ)連続的なエラー音をエラー用音声チャネルでスピーカ33から出力させ、その際に他の音声チャネルを消音させる。
(ハ)上枠ランプ35aを青色に点滅させ、側枠ランプ35b及び35cを赤色に点滅させる。
また、大入賞口不正入賞エラーの指定情報を含むコマンドを送信したメイン制御基板100は、異常が発生したことを示すセキュリティ信号を外部装置300に出力する。
【0097】
大入賞口過剰入賞エラーは、特別電動役物65の一回の作動中に最大入賞数を超えて過剰に大入賞口55へ入賞したことにより生起されるエラー状態、又は、特別電動役物66の一回の作動中に最大入賞数を超えて過剰に大入賞口56へ入賞したことにより生起されるエラー状態である。例えば、エラー制御部170は、特別電動役物65の一回の作動中にカウントスイッチSW61による検知が規定回数(例えば、最大入賞数+規定超過数)以上行われることが規定回数(例えば、2回)以上発生した場合に、大入賞口過剰入賞エラーと判定する。加えて、エラー制御部170は、特別電動役物66の一回の作動中にカウントスイッチSW62による検知が規定回数(例えば、最大入賞数+規定超過数)以上行われることが規定回数(例えば、2回)以上発生した場合に、大入賞口過剰入賞エラーと判定する。エラー制御部170は、大入賞口過剰入賞エラーと判定すると、大入賞口過剰入賞エラーの指定情報を含むコマンドを情報伝送部190を介してサブ制御基板200に送信する。エラー制御部170は、特別電動役物65又は66の一回の作動を遊技状態制御部140からの情報により判定してもよいし、特別電動役物65又は特別電動役物66の位置を検知するセンサ(フォトセンサなど)からの情報により判定してもよい。
大入賞口過剰入賞エラーの指定情報を含むコマンドがサブ制御基板200で受信されると、エラー報知処理部221は、
図10に示される報知態様で大入賞口過剰入賞エラーの報知を行う。即ち、エラー報知処理部221は、以下の報知が30秒間行われるように処理を実行する。
(イ)液晶表示装置80に大入賞口過剰入賞エラーが発生した旨を帯状に表示させる。
(ロ)連続的なエラー音をエラー用音声チャネルでスピーカ33から出力させ、その際に他の音声チャネルを消音させる。
(ロ)上枠ランプ35aを青色に点滅させ、側枠ランプ35b及び35cを赤色に点滅させる。
また、大入賞口過剰入賞エラーの指定情報を含むコマンドを送信したメイン制御基板100は、異常が発生したことを示すセキュリティ信号を外部装置300に出力する。
【0098】
本実施形態では、上述のように、磁気感知エラー及び誘導磁界検知エラーの報知態様は共通しており、大入賞口不正入賞エラー及び大入賞口過剰入賞エラーの報知態様は共通している。これは、エラー状態の各ペアの優先度は同位に設定されており、同じ態様で報知されることが好ましいからである。
【0099】
ラウンド遊技の実行期間において大入賞口55及び大入賞口56に係る入賞に応じて払い出される賞球に関する賞球残数表示部95の表示は、上記の大入賞口過剰入賞エラーに係るエラー報知の実行時にも増加するように構成してもよい。
しかしながら、上記の大入賞口過剰入賞エラーはエラー状態であり、不正に入賞回数を増加させていることが懸念されるため、該エラー状態の発生時には払出制御部160は入賞の判定を制限してもよく、賞球残数表示部95の表示は変化しなくてもよい。
【0100】
スイッチ断線エラーは、少なくとも一つのカウントスイッチからの信号受信に異常が検知された場合に生起されるエラー状態である。エラー制御部170は、少なくとも一つのカウントスイッチからの信号受信に異常が検知されると、スイッチ断線エラーと判定し、その異常が復帰したことが検知されると、スイッチ断線エラーからの復帰と判定する。エラー制御部170は、スイッチ断線エラーと判定した場合には、スイッチ断線エラーの指定情報を含むコマンドを情報伝送部190を介してサブ制御基板200に送信し、スイッチ断線エラーからの復帰と判定した場合には、スイッチ断線エラー解除の指定情報を含むコマンドを情報伝送部190を介してサブ制御基板200に送信する。
スイッチ断線エラーの指定情報を含むコマンドがサブ制御基板200で受信されると、エラー報知処理部221は、
図10に示される報知態様でスイッチ断線エラーの報知を行う。即ち、エラー報知処理部221は、スイッチ断線エラー解除の指定情報を含むコマンドが受信されるまで、以下の報知が行われるように処理を実行する。
(イ)液晶表示装置80にスイッチ断線エラーが発生した旨を帯状に表示させる。
(ロ)「スイッチに異常を検知しました」との音声をエラー用音声チャネルでスピーカ33から出力させ、その際に他の音声チャネルを消音させる。
(ハ)上枠ランプ35aを青色に点滅させ、側枠ランプ35b及び35cを赤色に点滅させる。
また、スイッチ断線エラーの指定情報を含むコマンド送信したメイン制御基板100は、異常が発生したことを示すセキュリティ信号を外部装置300に出力する。
【0101】
扉開放エラーは、前枠20が開放されていることが検知された場合に生起されるエラー状態である。エラー制御部170は、前枠20の開放を検知すると、扉開放エラーと判定し、その後前枠20が閉じたことを検知すると、扉開放エラーからの復帰と判定する。エラー制御部170は、扉開放エラーと判定すると、扉開放エラーの指定情報を含むコマンドを情報伝送部190を介してサブ制御基板200に送信し、扉開放エラーからの復帰と判定すると、扉開放エラー解除の指定情報を含むコマンドを情報伝送部190を介してサブ制御基板200に送信する。
扉開放エラーの指定情報を含むコマンドがサブ制御基板200で受信された場合、エラー報知処理部221は、
図10に示される報知態様で扉開放エラーの報知を行う。即ち、エラー報知処理部221は、以下のような報知が行われるように処理を実行する。
(イ)「扉が開いています」との音声をスピーカ33から出力させる。
(ロ)上枠ランプ35aを赤色に点滅させ、側枠ランプ35b及び35cを白色に点滅させる。
エラー報知処理部221は、上記音声については、扉開放エラー解除の指定情報を含むコマンドの受信及び30秒間のいずれか早く到達する方までの期間、出力を行い、上記照明については、30秒間出力を行う。扉開放エラーに係る音声報知では、その音声は、演出制御部210により制御される各種演出に係る音声を消音することなく出力される。
なお、メイン制御基板100は、扉開放エラーの指定情報を含むコマンドを送信しても、外部装置300にセキュリティ信号を出力しない。扉開放エラーは、遊技機10が設置されているホールのスタッフ等によって意図的に発生する場合がほとんどであり、その都度に外部装置300にセキュリティ信号を送信すると却って煩雑になるからである。
【0102】
右打ち強エラーは、左打ち推奨状態のときの右打ち操作の検出回数が強報知規定回数(例えば、15回)以上となった場合に生起されるエラー状態である。左打ち推奨状態のときに右打ち操作が行われたとしても、遊技者が知らないで或いは誤操作で行われた可能性がある。しかしながら、左打ち推奨状態のときに右打ち操作が長く行われている場合、遊技者による不正行為(ゴト)の可能性が高まる。そこで、本実施形態では、左打ち推奨状態のときの右打ち操作の検出回数が強報知規定回数以上か否かにより、単なる誤操作か不正行為かの可能性を区別し、当該検出回数が強報知規定回数未満であれば、後述の右打ち弱エラー状態とし、当該検出回数が強報知規定回数以上となると、エラー状態を格上げして、右打ち強エラー状態とする。
【0103】
エラー制御部170は、左打ち推奨状態のときに右打ち操作が行われたことを当該異常状態として検出する。以降、左打ち推奨状態のときに行われる右打ち操作のことを非推奨右打ち操作と表記する場合がある。例えば、エラー制御部170は、遊技状態制御部140によって管理されている遊技状態の情報を取得することで、左打ち推奨状態であるか否かを判定することができる。加えて、エラー制御部170は、カウントスイッチSW4からの信号に基づいて、ゲート63を遊技球が通過したことを検知することができる。ゲート63は第2流路Yに設けられているため、ゲート63を遊技球が通過する場合には、右打ち操作が行われている可能性が高い。そこで、本実施形態では、カウントスイッチSW4によりゲート63への遊技球の通過が検出された場合に、右打ち操作が行われたと判定される。但し、エラー制御部170による右打ち操作の検出手法はこのような例に限定されない。エラー制御部170は、第2流路Yに設けられた各種センサにより第2流路Yの遊技球の通過を検出することで右打ち操作を検出してもよいし、発射された遊技球の速度に基づいて右打ち操作を検出してもよい。更に言えば、エラー制御部170は、操作ハンドル31の回転量(回転角度)に基づいて右打ち操作を検出することもできる。この場合、エラー制御部170は、閾値以上の回転量が規定時間継続する毎に、右打ち操作を検出してもよい。
【0104】
エラー制御部170は、非推奨右打ち操作が異常状態として検出されると、その異常種別の指定情報を含むコマンド(以降、非推奨操作通知コマンドと表記される)を生成して、情報伝送部190を介してサブ制御基板200に送信する。これにより、本実施形態では、左打ち推奨状態時においてゲート63への遊技球の通過が検知される度に、非推奨操作通知コマンドがメイン制御基板100からサブ制御基板200へ送信されることになる。
本実施形態では言及しないが、エラー制御部170は、右打ち推奨状態のときに左打ち操作が行われたことを異常状態として検出してもよい。右打ち推奨状態は、遊技状態制御部140によって管理される遊技状態の情報から判定可能であり、左打ち操作は、例えば、カウントスイッチSW1の検知に基づく第1始動口57への遊技球の入球を以て判定されてもよい。
【0105】
エラーカウント部222は、非推奨操作通知コマンドの受信回数をカウントする。本実施形態では、エラー制御部170により非推奨右打ち操作が検出される度に非推奨操作通知コマンドが送信されるため、カウントされる受信回数は、エラー制御部170による非推奨右打ち操作の検出回数と呼ぶこともできる。以降、エラーカウント部222によりカウントされる当該受信回数を非推奨操作回数と表記する場合もある。
エラーカウント部222は、非推奨操作通知コマンドを最後に受信したときから規定時間(例えば、3分間)経過すると、非推奨操作回数をクリア(ゼロ設定)する。また、エラーカウント部222は、サブ制御基板200で受信されたコマンドにより右打ち推奨状態となる遊技状態(例えば、大当り遊技や変短状態など)へ移行したことを検出した場合にも、非推奨操作回数をクリアする。
【0106】
エラー報知処理部221は、エラーカウント部222によりカウントされている非推奨操作回数が強報知規定回数以上となった場合に、
図10に示される報知態様で右打ち強エラー報知を行う。即ち、エラー報知処理部221は、以下の報知が行われるように処理する。
(イ)液晶表示装置80に左打ちに戻すべき旨を帯状に表示させる。
(ロ)エラー音をエラー用音声チャネルでスピーカ33から出力させ、その際に他の音声チャネルを消音させる。
(ハ)上枠ランプ35aを青色に点滅させ、側枠ランプ35b及び35cを赤色に点滅させる。
【0107】
エラー報知処理部221は、強報知規定回数到達以降、非推奨操作通知コマンドが受信される度に上述の表示を規定時間(例えば10秒間)表示させる。このため、当該表示は、非推奨操作回数が強報知規定回数に到達した際に開始され、強報知規定回数到達以降の非推奨右打ち操作の検出間隔が当該規定時間を超えるまで継続される。
また、エラー報知処理部221は、強報知規定回数到達以降、非推奨操作通知コマンドを最後に受信してから規定時間(例えば30秒)経過するまで、上述のエラー音を繰り返し再生し、当該規定時間を経過後にエラー音を停止させる。このため、当該エラー音は、非推奨操作回数が強報知規定回数に到達した場合に再生開始され、強報知規定回数到達以降の非推奨右打ち操作の検出間隔が上述の規定時間を超えるまで継続的に出力される。
これにより、右打ち強エラー報知の当該表示及びエラー音は、右打ち強エラー報知後に遊技者が短い間だけ右打ち操作を止めた場合でも途切れ難いため、右打ち強エラー状態であることを確実に遊技者に知らせることができる。
【0108】
また、右打ち強エラー報知のエラー音は、上述のようにエラー用音声チャネルで出力されるため、演出制御部210により設定された出力音量には依存しない音量で出力されることになる。
これにより、右打ち強エラー報知のエラー音は、遊技者が勝手に音量を下げることができないため、異常状態であることを強制的に遊技者に知らせることができる。
【0109】
また、演出制御部210の制御により出力される演出音声や上述した左打ち操作を促す案内(ガイダンス)音声が出力されている最中に、右打ち強エラー報知のエラー音が出力される際には、その演出音声や案内音声は規制される。
ここでの音声の規制には、音声を停止すること、音声を消音すること、音声の音量を減らすことなどを含む。本実施形態では、当該演出音声や案内音声は消音される。
このように演出音声や案内音声が規制されてエラー音が出力されるため、エラー音の遊技者へ与える印象を強めることができる。
【0110】
なお、メイン制御基板100は、非推奨操作通知コマンドを送信しても、外部装置300にセキュリティ信号を出力しない。非推奨右打ち操作は、推奨操作を知らない或いは誤操作によっても行われ得るため、その都度に外部装置300にセキュリティ信号を送信すると却って煩雑になるからである。
【0111】
右打ち弱エラー状態は、上述の右打ち強エラー状態と同様に左打ち推奨状態のときに右打ち操作が行われたことに伴い生起されるエラー状態であるが、右打ち強エラー状態よりも異常度合の低いエラー状態である。このため、右打ち弱エラー状態は、エラー状態に位置付けられなくてもよい。
エラー報知処理部220は、非推奨操作回数が強報知規定回数未満の非連続な各弱報知規定回数に到達した場合に、
図10に示される報知態様で右打ち弱エラー報知を行う。例えば、当該強報知規定回数が15回に設定された場合、当該各弱報知規定回数は、3、6、9、及び12回に設定される。但し、当該各弱報知規定回数は、等回数間隔に設定されなくてもよい。当該各規定回数に含まれる隣接する二つの規定回数の差(回数間隔)は、右打ち弱エラー報知の報知内容に基づいて設定されてもよい。この点の詳細については後述する。
具体的には、エラー報知処理部220は、右打ち弱エラー報知において以下の報知が行われるように処理する。
(イ)液晶表示装置80に左打ちに戻すべき旨を帯状に表示させる。
(ロ)左打ちを示唆する音声(ボイス)をスピーカ33から出力させる。
なお、右打ち強エラー状態と同様の理由により、右打ち弱エラー状態においてもセキュリティ信号は出力されない。
【0112】
エラー報知処理部220は、非推奨操作回数が当該各弱報知規定回数に到達した際に、上述の表示を規定時間(例えば10秒間)表示させる。このため、当該表示は、非連続な各弱報知規定回数のいずれかに到達することで開始され、隣接する二つの弱報知規定回数に到達する時間間隔が当該規定時間(例えば10秒)よりも大きい場合に終了され、小さい場合に継続される。なお、本実施形態では、この規定時間は、右打ち強エラー報知の表示における当該規定時間と共通とされる。
また、エラー報知処理部220は、非推奨操作回数が当該各弱報知規定回数に到達した際に、上述の音声を単発再生する。ここでの「単発再生」とは、左打ちを示唆する音声をその音声の長さで一回再生することを意味する。例えば、「左打ちに戻してください」という文章を読み上げる音声である場合には、その音声を最初から最後まで一度流すことが単発再生である。このため、隣接する他の弱報知規定回数に到達するまでに当該音声の再生が終了した場合には、当該音声は途切れることになる。
【0113】
上述の内容を鑑みると、右打ち強エラー報知は、再生時間が規定時間を超えるまで繰り返し再生される音声(エラー音)を含み、右打ち弱エラー報知は、当該規定時間よりも短い再生時間で単発再生される音声を含むということもできる。
このように、右打ち弱エラー報知の当該表示及び音声は、遊技者の操作によっては途切れる可能性があるため、右打ち強エラー報知のそれらに比べて、報知レベルが小さい(弱い)といえる。ここでの「報知レベル」とは、知らせようとする(訴える)パワー(力)と表現することもできる。
【0114】
また、右打ち弱エラー報知の当該音声は、演出制御部210により制御される演出音声や左打ちを促す案内(ガイダンス)音声などで利用される通常の音声チャネルで出力されればよい。これにより、右打ち弱エラー報知の当該音声は、遊技者の操作で設定された出力音量により出力されるため、遊技者が望む音量で遊技者に報知することができる。
【0115】
また、右打ち弱エラー報知の当該音声は、演出制御部210の制御により出力される上述した左打ち操作を促す案内(ガイダンス)音声と同一とされてもよい。言い換えれば、左打ち弱エラー報知は、大当り遊技終了後又は大当り遊技終了後に付与される特定遊技状態の解除後に行われる案内報知と少なくとも一部が同一の報知態様で行われてもよい。
この場合、大当り遊技終了後又は大当り遊技終了後に付与される特定遊技状態の解除後の案内音声が出力されている最中に、右打ち弱エラー報知が行われる際には、出力中の案内音声が途切れて右打ち弱エラー報知としての同一の案内音声が頭出しで再生される。
このようすれば、同一の案内音声が利用されているところ、大当り遊技終了後に出力されるものと、右打ち弱エラー報知として出力されるものとの違いを出すことができるため、遊技者に非推奨操作を行っていることを的確に知らせることができる。
【0116】
図10に例示される報知態様によれば、右打ち弱エラー報知は、規定時間(以降、規定把握時間と表記される)以上の出力により遊技者に把握され得る報知内容を有し、右打ち強エラー報知は、当該規定時間未満の出力でも遊技者に把握され得る報知内容を有するということもできる。
文章を読み上げる音声は、最低限、意味が把握できる箇所まで再生される必要があるため、或る程度の出力時間が必要となる。この出力時間が上述の規定把握時間である。「左打ちをしてください」という音声の場合、最低限「左打ちをして」まで再生されなければ、その音声の意味を正しく把握することが難しい。この例では、「左打ちをして」までの再生時間が上述の規定把握時間となる。
一方、擬音などで形成されるエラー音は、再生時間が短くともエラーを意味することは把握可能である。
このため、右打ち弱エラー報知の当該音声は、規定把握時間以上の出力により遊技者に把握され得る報知内容であるといえ、右打ち強エラー報知の当該音声は、エラー音であるため、規定把握時間未満の出力でも遊技者に把握され得る報知内容であるといえる。
【0117】
また、文字が画面上を流れることで表示される文章(ロールテロップ表示)も、最低限、意味が把握できる箇所まで表示される必要があるため、或る程度の出力時間が必要となる。この出力時間が上述の規定把握時間である。一方で、短文や画像のように一度に出力可能な表示は、一見して把握可能である。
このため、右打ち弱エラー報知の当該表示は、規定把握時間以上の出力により遊技者に報知内容を把握させることができる、文字が画面上を流れる表示であってもよく、右打ち弱エラー報知の当該表示は、一見して把握容易な短文或いは画像の表示とされてもよい。なお、本実施形態では、右打ち弱エラー報知と右打ち強エラー報知との各表示は同一とされている。
このように、非推奨右打ち操作が長く行われた場合には、出力時間が短くても報知内容を把握させ得る右打ち強エラー報知を行うことで、右打ち操作が非推奨操作である旨を的確に遊技者に知らせることができる。
【0118】
当該弱報知規定回数の回数間隔は、ゲート63を通過する遊技球の個数に対応し、時間に換算すると、平均的には、その個数の遊技球が発射されるのに要する時間に対応すると考えることができる。
右打ち弱エラー報知は、最短でこのような時間間隔で行われることになるため、報知内容を遊技者に把握させるのにこの時間間隔よりも長い時間を要するものである場合、適切にその報知内容を遊技者に把握させることができない場合があり得る。
そこで、右打ち弱エラー報知における上述の規定把握時間は、各弱報知規定回数に含まれる隣接する二つの規定回数の差(回数間隔)に対応する個数の遊技球が発射されるのに要する時間よりも短く設定されることが好ましい。例えば、弱報知規定回数の回数間隔が3回とされる場合、右打ち弱エラー報知は、3個の遊技球が発射されるのに要する時間(例えば、約2秒)よりも短い規定把握時間(例えば、約1.5秒)以上の出力で遊技者に把握され得る報知内容を有することが好ましい。言い換えれば、各弱報知規定回数に含まれる隣接する二つの規定回数の差(回数間隔)は、右打ち弱エラー報知における規定把握時間で発射可能な遊技球の個数以上の値に設定されることが好ましい。
このようにすることで、非推奨操作回数が各弱報知規定回数に連続して到達する場合であっても、個々の右打ち弱エラー報知の報知内容を遊技者に的確に把握させることができる。
【0119】
上述の右打ち強エラー報知及び右打ち弱エラー報知が行われているときに、左打ち推奨状態から右打ち推奨状態へ遷移して、非推奨右打ち操作が推奨される操作となる場合がある。
そこで、エラー報知処理部220は、右打ち強エラー報知又は右打ち弱エラー報知を行っている際に、メイン制御基板100から受信されるコマンドで示される遊技状態に関する情報に基づいて左打ち推奨状態から右打ち推奨状態への遷移を随時判定するようにしてもよい。そして、エラー報知処理部220は、右打ち弱エラー報知を行っている際に現打ち込み操作(右打ち操作)が推奨される状態となった場合には、右打ち弱エラー報知を終了し、右打ち強エラー報知を行っている際に現打ち込み操作(右打ち操作)が推奨される状態となった場合には、右打ち強エラー報知の少なくとも一部を継続させるようにしてもよい。
このようにすれば、右打ち強エラー報知は、大当り当選などにより推奨される操作が変わったとしても継続され得るため、非推奨右打ち操作を長くおこなっていた遊技者には強くその旨を伝えることができる。
【0120】
図10の例では、右打ち強エラーは、扉開放エラーよりも報知優先度の高いエラーであり、磁気感知エラー、誘導磁界検知エラー、大入賞口不正入賞エラー、大入賞口過剰入賞エラー及びスイッチ断線エラーよりも報知優先度の低いエラーとされている。
磁気感知エラー及び誘導磁界検知エラーは、不正行為(ゴト行為)に直結するエラーであり、大入賞口不正入賞エラー及び大入賞口過剰入賞エラーは、明らかに推奨以上に出玉が増えるエラーである。これらエラーは、遊技に支障が生じる状態であることから、エラー発生時には遊技を止めるように制御されてもよい。
スイッチ断線エラーは、カウントスイッチの故障などによるエラーであり、故障箇所によっては遊技に支障が生じる場合や全く支障のない場合があり得る。扉開放エラーは、ホール関係者による扉開放により頻繁に生じ得るエラーである。このため、これらエラーは、遊技への影響が比較的に低い状態とも考えられるため、エラー発生時には遊技を止めないで継続可能となるように制御されてもよい。
ここで、右打ち強エラー状態は、上述したように、不正行為(ゴト)の可能性がありつつ必ずしもそうとは言い切れない状態であるため、スイッチ断線エラーに近いエラー状態である。このため、右打ち強エラー及びスイッチ断線エラーよりも報知優先度の高いエラー(磁気感知エラー等)が発生した場合には、遊技を止めるように制御され、それらのエラー及びそれらよりも報知優先度が低いエラー(右打ち弱エラー等)が発生した場合には、遊技を止めないで継続可能となるように制御されてもよい。
【0121】
<各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について>
以下、各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について詳述する。
【0122】
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果である特別図柄、又は普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果である普通図柄を図柄表示装置90に表示させる。
図柄表示制御部150は、第1特別図柄表示制御部151と、第2特別図柄表示制御部152と、普通図柄表示制御部153と、を有する。
第1特別図柄表示制御部151は、第1特図表示装置91における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
第2特別図柄表示制御部152は、第2特図表示装置92における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
普通図柄表示制御部153は、普図表示装置93における普通図柄の変動表示と停止表示を制御する。
【0123】
演出制御部210は、予告演出を実行する。ここで予告演出とは、その実行時より後の遊技展開を示唆する演出であり、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出である。
演出制御部210は、予告演出を実行する場合、予告演出に係る演出表示を液晶表示装置80に表示させる。特に特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、複数列の演出図柄群がスクロールした後に確定停止した演出図柄の組合せによって、大当り遊技に当選したか否かを、液晶表示装置80に報知させる。
演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中において、図柄表示装置90による特別図柄の変動時間に合わせて、液晶表示装置80による演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)を実行させている。換言すれば、演出制御部210は、図柄表示装置90における一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームと、液晶表示装置80における一回の演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している予告演出が実行される場合や、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームに対して複数回の演出図柄の変動表示を含む予告演出が実行される場合もある。前者の代表例は連続演出と称される予告演出であり、後者の代表例は擬似連演出と称される予告演出である。
ここで連続演出とは、数回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)にわたって連続性を有する演出である。また、ここで擬似連演出とは、遊技者に認識可能な区切りから区切りまでの期間である変動サイクルにおいて一連の演出図柄群をスクロールさせ、一回の遊技において複数回の変動サイクルを含める演出である。
【0124】
なお、上記の説明において、演出制御部210は、液晶表示装置80の演出表示を制御する旨を説明したが、演出制御部210の制御対象はこれに限られない。その他にも、演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、プッシュボタン37及びカーソルボタン38にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
また、演出制御部210は、不図示の装飾可動体の移動制御を実行することができてもよい。
【0125】
<各種処理の処理手順について>
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、
図11から
図14を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図10に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
【0126】
図11は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図12は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13は、右打ちエラー報知の処理手順を示すフローチャートである。
図14は、推奨操作の切り替わりに伴う右打ちエラー報知の停止処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部又は全部が互いに重複していてもよい。
また、
図11又は
図12に図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
【0127】
まず、始動口入球時処理について
図11の記載に沿って説明する。ここで「始動口入球時処理」とは、第1始動口57又は第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口57又は第2始動口59への入球がカウントスイッチSW1又はカウントスイッチSW2で検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部111による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
【0128】
第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部111による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部111による保留数が加算される(ステップS106)。また、特図保留制御部111によって乱数M1又は乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS108)。
【0129】
事前判定部112が事前判定を行う場合(ステップS110のYES)、事前判定部112は、ステップS108において保留記憶された乱数M1又は乱数M2が当否判定部121によって当選と判定されるか否かを判定する(ステップS112)。
また、事前判定部112が事前判定を行わない場合(ステップS110のNO)、ステップS112の処理は行われないままステップS114の処理に移行する。
【0130】
ステップS102からステップS112までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200へ送信されて(ステップS114)、その始動口入球時処理は終了となる。
【0131】
続いて、図柄変動開始処理の処理手順について
図12の記載に沿って説明する。ここで「図柄変動開始処理」とは、特別図柄に係る図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図遊技制御部120は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで「変動開始条件」とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
【0132】
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留されている乱数M1又は乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留記憶されている順番で乱数M1又は乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0133】
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否判定部121による当否判定や特図選択部122による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
【0134】
そして、特図保留制御部111は、そのとき保留されている乱数M1又は乱数M2の数を特定する(ステップS208)。これにより、本処理手順で実行される図柄変動ゲームで読み出された乱数を除いた残りの乱数の数が保留数として特定される。
変動パターン決定部124は、ステップS206の処理結果及びステップS208で特定された保留数を用いて変動パターンを決定する(ステップS210)。
【0135】
ステップS202からステップS210までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200に対して送信されて(ステップS212)、その図柄変動開始処理は終了となる。当該コマンドには、図柄変動ゲームの実行の有無や遊技状態などをサブ制御基板200で判断可能とするための各種情報、例えば、変動パターンを示す情報、保留数、確変状態の有無、変短状態の有無などが含まれる。
【0136】
続いて、右打ちエラー報知の処理手順について
図13の記載に沿って説明する。
メイン制御基板100のエラー制御部170は、非推奨右打ち操作を検出する度に、非推奨操作通知コマンドを情報伝送部190を介してサブ制御基板200へ送信する。これにより、左打ち推奨状態時においてゲート63への遊技球の通過が検知される度に、非推奨操作通知コマンドがメイン制御基板100からサブ制御基板200へ送信される。
【0137】
エラーカウント部222は、非推奨操作通知コマンドが受信されると(ステップS302のYES)、非推奨操作回数を1加算する(ステップS304)。これにより、非推奨操作通知コマンドの受信回数が非推奨操作回数としてカウントされることになる。
エラーカウント部222は、非推奨操作回数が1回の場合(ステップS306のYES)、クリアタイマを起動する(ステップS308)。なお、非推奨操作回数が1回でない場合(ステップS306のNO)、何もせず、ステップS320へ移行する。
【0138】
続いて、エラー報知処理部220は、非推奨操作回数が強報知規定回数(例えば、15回)以上となっているか否かを判定し(ステップS320)、強報知規定回数以上となっている場合(ステップS320のYES)、右打ち強エラー報知を指示する(ステップS326)。
一方で、非推奨操作回数が強報知規定回数未満であり(ステップS320のNO)、かつ、弱報知規定回数(例えば、3、6、9及び12回)である場合(ステップS322のYES)、右打ち弱エラー報知を指示する(ステップS324)。
【0139】
右打ち強エラー報知が指示されると、液晶表示装置80、スピーカ33及び照明装置35により
図10に示される報知態様でエラー報知が行われる。具体的には、液晶表示装置80は、指示を受けてから規定時間(例えば、10秒間)、左打ちに戻すべき旨の表示を行い、最後に指示を受けてから規定時間経過すると、その表示が消去される。照明装置35による照明出力も当該表示と同様である。スピーカ33から出力されるエラー音は、非推奨操作通知コマンドを最後に受信してから規定時間(例えば30秒)経過するまで繰り返し再生され、その規定時間を経過後に停止する。
右打ち弱エラー報知が指示されると、液晶表示装置80及びスピーカ33により
図10に示される報知態様でエラー報知が行われる。具体的には、液晶表示装置80は、右打ち強エラー報知と同様に左打ちに戻すべき旨の表示を行う。スピーカ33からは、左打ちを示唆する音声(ボイス)が単発再生される。
【0140】
非推奨操作通知コマンドが受信されていない場合(ステップS302のNO)、エラーカウント部222は、クリアタイマが規定時間(例えば、3分)を経過しているか否かを判定する。エラーカウント部222は、クリアタイマが規定時間を経過している場合(ステップS310のYES)、非推奨操作回数を初期化(0に設定)する(ステップS312)。このように、クリアタイマは、非推奨操作回数のリセットのタイミングを測る。即ち、非推奨右打ち操作がこの規定時間(例えば、3分間)行われなかった場合には、非推奨操作回数がリセットされて、カウントし直されることになる。
【0141】
エラー報知処理部220は、
図13に示される処理に加えて、
図14に示される処理も行う。以下、
図14に沿って、推奨操作の切り替わりに伴う右打ちエラー報知の停止処理について説明する。
エラー報知処理部220は、
図13に示される処理と並行に、メイン制御基板100から受信されるコマンドで示される遊技状態に関する情報に基づいて左打ち推奨状態から右打ち推奨状態への遷移を随時判定している(ステップS402)。
左打ち推奨状態から右打ち推奨状態へ遷移した場合(ステップS402のYES)、エラー報知処理部220は、クリアタイマを停止し(ステップS404)、非推奨操作回数を初期化する(ステップS406)。
【0142】
続いて、エラー報知処理部220は、そのときに右打ち強エラー報知中であれば(ステップS408のYES)、右打ち強エラー報知の表示を停止させ(ステップS410)、照明出力を停止させる(ステップS412)。但し、エラー報知処理部220は、エラー音については停止させない。このため、右打ち強エラー報知のエラー音は、左打ち推奨状態から右打ち推奨状態へ遷移した場合であっても、強報知規定回数到達以降の非推奨操作通知コマンドの最後の受信時から規定時間(例えば30秒)まで継続される。
一方、そのときに右打ち強エラー報知中でなく(ステップS408のNO)、右打ち弱エラー報知中である場合(ステップS420のYES)、エラー報知処理部220は、右打ち弱エラー報知の表示を終了させ(ステップS422)、左打ちを示唆する音声(ボイス)を停止させる(ステップS424)。
【0143】
このように、右打ち弱エラー報知を行っている際に現打ち込み操作(右打ち操作)が推奨される状態となった場合には、右打ち弱エラー報知は終了され、右打ち強エラー報知を行っている際に現打ち込み操作(右打ち操作)が推奨される状態となった場合には、右打ち強エラー報知の少なくとも一部は継続される。これにより、右打ち強エラー報知は、大当り当選などにより推奨される操作が変わったとしても継続され得るため、非推奨右打ち操作を長くおこなっていた遊技者には強くその旨を伝えることができる。
【0144】
<右打ちエラー報知の具体例>
続いて、右打ちエラー報知について複数の具体例を挙げ更に詳細に説明する。以下の説明では、
図15及び
図16に示されるタイムチャートが用いられる。
以下に挙げる各具体例では、強報知規定回数が15回とされ、弱報知規定回数が3、6、9及び12回とされ、右打ち弱エラー報知及び右打ち強エラー報知の表示の最短出力時間が10秒とされ、右打ち強エラー報知のエラー音の最短出力時間が30秒とされているものとする。
【0145】
図15は、右打ちエラー報知の具体例を示すタイムチャートである。
図15では、左打ち推奨状態時におけるカウントスイッチSW4の出力が最上部に示されている。カウントスイッチSW4によりゲート63への遊技球の通過が検出されると、カウントスイッチSW4からON(図面の上方)が出力される。
そして、カウントスイッチSW4の出力がONとなると、非推奨操作通知コマンドがメイン制御基板100からサブ制御基板200へ送信される。
【0146】
サブ制御基板200ではこの非推奨操作通知コマンドが受信される度に、非推奨操作回数が1回、2回、3回とカウントされる。
非推奨操作回数が3回になったとき、エラー報知処理部220からの指示により、右打ち弱エラー報知として、左打ち示唆表示が開始されると共に、左打ち示唆音声(ボイス)が単発再生される。
次に、非推奨操作回数が6回になると、同様に、エラー報知処理部220から右打ち弱エラー報知の指示が行われる。このとき、左打ち示唆表示は、開始時から10秒経過していないため終了されることなく、その指示で更に継続される。一方で、単発再生された左打ち示唆音声は、非推奨操作回数が6回になる時点より前に終了しており、今回の指示により再度、単発再生される。
非推奨操作回数が9回になったときも、3回及び6回になったときと同様に、右打ち弱エラー報知が行われる。
【0147】
ここで、本具体例では、非推奨操作回数が10回となったときから11回になるまでに時間間隔が空いている。このため、非推奨操作回数が9回になったときから12回になるまでの間が10秒間を超えてしまい、非推奨操作回数が9回になったときから10秒経過時点で左打ち示唆表示が終了されている。
これにより、非推奨操作回数が12回になったときには、左打ち示唆表示が再度開始され、左打ち示唆音声はまた単発再生される。
【0148】
その後、非推奨操作回数が強報知規定回数である15回に到達すると、右打ち強エラー報知の指示が出される。右打ち強エラー報知の左打ち示唆表示は、右打ち弱エラー報知と同一表示態様であるため、右打ち弱エラー報知の左打ち示唆表示からそのまま継続される。右打ち強エラー報知のエラー音声は、エラー用音声チャネルにより出力され、他の音声チャネルで出力される音声は消音される。更に、右打ち強エラー報知の照明も出力される。
非推奨操作回数が15回以降19回になるまで、非推奨操作通知コマンドの受信間隔が10秒及び30秒を超えないため、右打ち強エラー報知としての左打ち示唆音声、エラー音及び照明出力は継続される。
【0149】
本具体例では、非推奨操作回数が19回になった後、非推奨右打ち操作が検出されなくなっている。結果、右打ち強エラー報知としての左打ち示唆表示及び照明出力は、最後に非推奨操作通知コマンドが受信された時点(非推奨操作回数が19回になった時点)から10秒経過後に終了している。右打ち強エラー報知としてのエラー音は、最後に非推奨操作通知コマンドが受信された時点(非推奨操作回数が19回になった時点)から30秒後に終了している。
【0150】
このように、本実施形態では、非推奨操作回数が非連続の各弱報知規定回数に到達した時点で、右打ち弱エラー報知の左打ち示唆音声が単発再生される。そして、弱報知規定回数の回数間隔が3回とされているため、左打ち示唆音声は、おおよそ遊技者に意味を把握させ得る長さで出力されることになる。従って、右打ち弱エラー報知においても、報知ごとに報知内容を遊技者に把握させ易くすることができると共に、4回報知を行うことで報知内容を遊技者に把握させ易くすることができる。
更に、本実施形態では、非推奨操作回数が強報知規定回数(15回)に到達すると、右打ち強エラー報知として報知レベルが格上げされ、左打ち示唆音声から短い時間でも報知内容を遊技者に把握させることができるエラー音に変わり、照明でのエラー報知も加わる。これにより、非推奨右打ち操作を長く行っている遊技者に対しては、高い報知レベルで非推奨操作を行っていることを確実に知らせることができる。
【0151】
次に、右打ちエラー報知時に左打ち推奨状態から右打ち推奨状態へ遷移した場合の具体例について
図16を用いて説明する。
図16(a)は、右打ち弱エラー報知時に左打ち推奨状態から右打ち推奨状態へ移行する具体例を示すタイムチャートであり、
図16(b)は、右打ち強エラー報知時に左打ち推奨状態から右打ち推奨状態へ移行する具体例を示すタイムチャートである。
【0152】
図16(a)の例では、非推奨操作回数が9回になった後に、左打ち推奨状態から右打ち推奨状態に遷移している。
このとき、右打ち弱エラー報知の左打ち示唆表示が継続されており、非推奨操作回数が9回となったときに単発再生された左打ち示唆音声が出力されている状態である。
エラー報知処理部220は、メイン制御基板100から受信されるコマンドにより当該遷移を知ることにより、右打ち弱エラー報知を停止させる。これにより、左打ち示唆表示は終了され、左打ち示唆音声も終了される。
【0153】
図16(b)の例では、非推奨操作回数が強報知規定回数(15回)を超えた19回となった後に、左打ち推奨状態から右打ち推奨状態に遷移している。
このとき、右打ち強エラー報知の左打ち示唆表示、エラー音及び照明出力が継続されている状態である。
エラー報知処理部220は、メイン制御基板100から受信されるコマンドにより当該遷移を知ることにより、右打ち強エラー報知の停止を指示する。これにより、左打ち示唆表示及び照明出力は直ちに終了されるが、エラー音は、最後に非推奨操作通知コマンドが受信された(非推奨操作回数が19回とされた)ときから30秒経過するまで継続されて、その後、終了される。
【0154】
このように、本実施形態では、右打ち弱エラー報知中に現打ち込み操作が推奨される操作となった場合には、右打ち弱エラー報知が直ちに終了されるが、右打ち強エラー報知中に現打ち込み操作が推奨される操作となった場合には、エラー音のみが継続される。これにより、非推奨右打ち操作を長く行っていた遊技者に対しては、右打ち推奨状態となった後もエラー音が継続して出力されるため、当該行為に対して強く注意喚起することができる。
【0155】
<本実施形態の変形例について>
上述の実施形態は、概要で述べた趣旨を逸脱しない範囲で変形可能である。
例えば、エラー報知処理部220の一部及びエラーカウント部222は、メイン制御基板100上で実現されてもよい。この場合、情報伝送部190によりメイン制御基板100からサブ制御基板200へ送信されるコマンドとしてではなく、メイン制御基板100上でのデータの受け渡しにより、エラー報知処理部220及びエラーカウント部222は、エラー制御部170によるエラー判定又は正常状態への復帰判定を知ることができる。
エラー報知処理部220による処理のうち、右打ち弱エラー報知及び右打ち強エラー報知の条件判定は、メイン制御基板100で実施され、右打ち弱エラー報知又は右打ち強エラー報知を行う旨の指示情報を含むコマンドがメイン制御基板100からサブ制御基板200へ送信されてもよい。
このような構成によれば、右打ち弱エラー報知及び右打ち強エラー報知の条件判定が、メイン制御基板100で実施されるため、右打ち強エラー報知の条件が満たされた場合、遊技に影響を与える処理(例えば、遊技を停止させる処理等)を更に実行することもできる。
【0156】
上述の実施形態においてフローチャートやタイムチャートを用いて説明した処理手順は、本発明の実施に係る一具体例であって、その一部を省いたり前後に入れ替えたり、或いは記載されていない処理を処理手順の一部に含める等の変更を許容する。
【0157】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)遊技球の狙い先となる遊技領域が異なる第一及び第二の打ち込み操作のうち第一の打ち込み操作を推奨する第一の状態と第二の打ち込み操作を推奨する第二の状態とが存在し得る遊技機であって、
前記第一の状態時に前記第二の打ち込み操作が行われたこと、又は、前記第二の状態時に前記第一の打ち込み操作が行われたことを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された検出回数をカウントするカウント手段と、
前記検出回数が非連続な各規定回数に到達した場合の少なくとも一部において、第一の報知を行う報知処理手段と、
を備え、
前記第一の報知は、規定時間以上の出力により遊技者に把握され得る報知内容を有する、
遊技機。
(2)非連続な前記各規定回数は、第一規定回数未満であり、
前記報知処理手段は、前記第一規定回数以上の検出回数がカウントされた場合の少なくとも一部で、前記規定時間未満の出力でも遊技者に把握され得る報知内容を有する第二の報知を行う、
(1)に記載の遊技機。
(3)前記第一の報知は、前記規定時間以上の時間長を有する第一の音声を含み、
前記第二の報知は、前記規定時間以上又は前記規定時間未満の時間長を有する第二の音声を含み、
前記第一の報知の前記第一の音声は、前記検出回数が非連続な前記各規定回数に到達した場合にそれぞれ単発再生され、
前記第二の報知の前記第二の音声は、前記検出回数が前記第一規定回数に到達した場合に再生開始され、前記第一規定回数到達以降の検出間隔が所定時間を超えるまで継続的に出力される、
(2)に記載の遊技機。
(4)前記第一の報知は、第一の表示を含み、
前記第二の報知は、第二の表示を含み、
前記第一の報知の前記第一の表示は、非連続な前記各規定回数のいずれかに到達することで開始され、非連続な前記規定回数に含まれる隣接する二つの規定回数に到達する時間間隔が所定時間よりも大きい場合に終了され、小さい場合に継続され、
前記第二の報知の前記第二の表示は、前記検出回数が前記第一規定回数に到達した場合に開始され、前記第一規定回数到達以降の検出間隔が所定時間を超えるまで継続される、
(2)又は(3)に記載の遊技機。
(5)前記規定時間は、非連続な前記各規定回数に含まれる隣接する二つの規定回数の差に対応する個数の遊技球が発射されるのに要する時間よりも短く設定される、
(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。