(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
同方向に方向転換した部分を有する軌道は、前記特定のガイドローラにより、前記包装シートの進行方向が逆になるものである請求項3記載のPTP用の包装シートの製造装置。
前記プリンタの後段に、前記包装シートに塗布された前記インキの乾燥を促進させるための熱風乾燥機が設けられている請求項3,4又は5記載のPTP用の包装シートの製造装置。
【背景技術】
【0002】
PTP(press through package)は、
図5に示すPTP10のように、樹脂製の容器シート12に形成された収容部12a内に小形の固形物14を入れ、包装シート16を容器シート12の平面部12bに貼りつけることによって、収容部12aを閉鎖する包装形態であり、従来から、薬用の錠剤やカプセル等を包装する用途に広く用いられている。
【0003】
PTP10は、開封するとき、収容された固形物14を収容部12aの外側から包装シート16内面側へ強く押し当て、包装シート16を突き破って取り出すものであり、包装シート16の基材は、一般にアルミニウム箔が使用される。また、包装シート16を容器シート12に貼り付ける場合、包装シート16の一方の面に設けたヒートシール層を容器シート12の平面部12bに当接させ、包装シート16の他方の面に設けた耐熱コート層の側から加熱し、ヒートシール層を平面部12bに溶着させる方法が用いられる。
【0004】
従来、例えば特許文献1に開示されているように、基材であるアルミニウム箔と、アルミニウム箔の一方の面に設けられた印刷層と、印刷層及びアルミニウム箔の一方の面を覆う耐熱コート層(オーバープリント層)とを備えた包装用シートがあった。この包装用シートは、容器シート(収容シート)にヒートシールして接着された後、包装シートの表面に粗面処理が施され、その上にインクジェット印刷層が設けられる。例えば、印刷層には、内容が頻繁に変わらない情報(品名、価格、用量、効能、効果等)が表示され、インクジェット印刷層には、内容が頻繁に変わる情報(製造年月日、ロット番号、有効期限号等)が表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来から、PTP用の包装シートにもっと多くの情報を表示したいという要請がある。しかしながら、表示可能なスペースが限られているので実現するのは容易ではなかった。この問題は、特許文献1に開示されている包装シート及びその製造方法を用いても解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、一定のスペースにより多くの情報が表示できるPTP用の包装シート及びその製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基材であるアルミニウム箔と、前記アルミニウム箔の一方の面に設けられ
可視光線下で視認可能な事前印刷層と、前記アルミニウム箔の一方の面及び前記事前印刷層を覆う透明又は半透明の層である耐熱コート層と、前記アルミニウム箔の他方の面を覆うヒートシール層とを備え、前記耐熱コート層側の面が加熱されることによって前記ヒートシール層が相手方の容器シートに熱接着され、前記容器シートに形成された収容部の開口を閉鎖するPTP用の包装シートであって、前記耐熱コート層の表面の、前記事前印刷層と重なる位置に、紫外線又は赤外線照射型の蛍光発光インキから成る第一の
インクジェット印刷層が設けられ
、前記事前印刷層の表示と前記第一のインクジェット印刷層の表示とが互いに重なっているPTP用の包装シートである。
【0009】
前記耐熱コート層の表面の、前記第一のインクジェット印刷層と異なる位置に、可視光線下で視認可能なインキから成る第二の
インクジェット印刷層が設けられていても良い。
【0010】
また本発明は、表面にインクジェット印刷層を有したPTP用の包装シートの製造装置であって、前記インクジェット印刷層が形成される前の前記包装シートがロール状に巻かれてセットされる巻き出し部と、前記巻き出し部から送り出された前記包装シートの表面にインキを噴射して前記インクジェット印刷層を形成するプリンタと、前記インクジェット印刷層が形成された前記包装シートをロール状に巻き取る巻き取り部と、前記巻き出し部から送り出された前記包装シートを前記巻き取り部まで案内する複数のガイドローラとを備え、前記プリンタが噴射した前記インキが塗布された後の前記包装シートは、塗布された前記インキが乾燥するまでの間、前記複数のガイドローラの中の一又は複数の特定のガイドローラによって案内され、前記一又は複数の特定のガイドローラは、前記包装シートの、前記インキが塗布された面と反対側の面だけをガイドし、前記包装シートが同方向に180°以上方向転換する軌道を描いて移動するように配置されているPTP用の包装シートの製造装置である。
【0011】
前記同方向に方向転換した部分を有する軌道は、渦巻状に形成されているものである。又は、同方向に方向転換した部分を有する軌道は、前記特定のガイドローラにより、前記包装シートの進行方向が逆になるものでもよい。
【0012】
前記プリンタの後段に、前記包装シートに塗布された前記インキの乾燥を促進させるための熱風乾燥機が設けられていても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明のPTP用の包装シートは、事前印刷層と重なる位置に、可視光線下で視認されず、紫外線又は赤外線を照射することによって視認可能になる第一の
インクジェット印刷層が設けられているので、特定の光を照射することによって、それぞれの内容を容易に読み取ることができる。したがって、事前印刷層の内容とともに、従来よりも多くの情報を表示することができる。
【0014】
また、本発明のPTP用の包装シートの製造装置は、1枚の連続シートである包装シートに、効率よくインクジェット印刷層を設けることができる。しかも、プリンタによるインクジェット印刷がされた後、塗布されたインキが乾燥するまでの間、一又は複数の特定のガイドローラがインキに触れない構造になっているので、インクジェット印刷層を綺麗に形成することができる。また、包装シートは、インキが塗布された後、渦巻状等の同方向に方向転換する部分を有する軌道を描くように遠回りして巻き取り部に到達する構造なので、インキが乾燥するのに必要な時間を容易に稼ぐことができ、しかも、装置を大型化させることなくコンパクトに構成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のPTP用の包装シート及びその製造装置の一実施形態について、
図1〜
図3に基づいて説明する。この実施形態の包装シート18は、
図5に示す容器シート12と組み合わせて使用され、上述のPTP10と同様の包装形態を構成するものである。
【0017】
包装シート18は、
図1(a)に示すように、1枚の連続シートとして製造され、この状態で収容物14の包装作業を行う工場等に出荷される。基材であるアルミニウム箔20は、収容部12a内の固形物14を取り出すときに破れやすいように、10〜30μm程度の厚さの硬質又は軟質のアルミニウム材が使用されている。また、アルミニウム箔には、一方の面が光沢面(鏡面)で他方が艶消面(マット面)になっているタイプ、両面とも光沢面(鏡面)になっているタイプ、両面とも艶消面(マット面)になっているタイプの3タイプがあるが、このアルミニウム箔20は、一方の面が光沢面、他方の面が艶消面になっているタイプが選択されている。
【0018】
図1(b)に示すように、アルミニウム箔20の光沢面側は、白濁色印刷層22で覆われている。白濁色印刷層22は、メジウム(顔料を含まない透明なインキ)と白色顔料を含むインキとを混合した液状の塗工樹脂を、アルミニウム箔20の光沢面に塗布し、乾燥させることによって形成することができる。メジウムは、例えば、主剤である塩化ビニル樹脂に分子架橋促進用のアミノ樹脂を配合した固形分を、適量のシンナー等の溶剤で希釈したものを用いる。白色顔料を含むインキは、メジウムの固形分と同様の組成に白色顔料となる酸化チタン等を配合した固形分を、適量のシンナー等の溶剤で希釈したものを用いる。
【0019】
白濁色印刷層22の表面には、事前印刷層24が設けられている。事前印刷層24は、白濁色印刷層22と同様に、主剤が塩化ビニル樹脂で、例えば黒色顔料又は茶色顔料等が配合されたインキをグラビア塗工方式等により印刷し、乾燥させることによって形成される。この事前印刷層24には、
図2(a)に示すように、「SHL製薬株式会社(メーカ名)」、「SHL-01錠(商品名)」、「10mg(用量)」の文字、消費期限の表示欄を示す絵柄、バーコード等が表示されている。
【0020】
白濁色印刷層22及び事前印刷層24の表面は、透明又は半透明の耐熱コート層26で覆われている。耐熱コート層26は、包装シート18が容器シート12に熱接着される際に加熱されるので、例えば、190〜230℃のヒートシールバーで3kg/cm
2、2secの加圧を行って、表面状態に変色、炭化、粘り等の変化が生じない等の条件を満たす耐熱性が求められる。従って、耐熱コート層26は、エポキシ樹脂、ニトロセルロース、又はアクリル系樹脂を主剤とするコート剤を用いて印刷形成されている。
【0021】
事前印刷層24の表示は、耐熱コート層26を通じて可視光線下で視認することができる。白濁色印刷層22は、アルミニウム箔20の光沢面の反射を抑え、事前印刷層24に形成された文字やバーコード等の視認性を向上させる働きをする層であり、必ずしも濁った白色である必要はなく、綺麗な白色でも良い。また、耐熱コート層26は透明又は半透明であればよく、デザイン性を考慮して赤色、黄色、茶色、青色、紫色、緑色又は金色系の顔料が混合されていても良い。
【0022】
耐熱コート層26の表面の、事前印刷層24と重なる位置には、第一及び第二の
インクジェット印刷層28,30が設けられている。第一のインクジェット印刷層28は、紫外線又は赤外線照射型の蛍光発光インキ28aをインクジェット印刷した層であり、
図1(a)に示すように、例えば「No.12345(ロット番号)」の文字が表示されている。この表示は、可視光線下で視認されず、紫外線又は赤外線を照射することによって視認することができる。
【0023】
第二のインクジェット印刷層30は、可視光線下で視認可能なインキ30aをインクジェット印刷した層であり、例えば試作サンプルであることを示す「見本」の文字や、「2017.9.25(消費期限)」の文字が表示されている。「見本」の文字は、事前印刷層24のバーコードの色とは異なる目立つ色が使用され、バーコードと重なる位置に表示することによってバーコードを読み取り不能にしている。また、「2017.9.25(消費期限)」の文字は、消費期限の表示欄の中の、事前印刷層24と重ならない位置に表示され、クリアに視認することができる。
【0024】
アルミニウム箔20の反対側の表面は、ヒートシール層32で覆われている。ヒートシール層32は、包装シート18が容器シート12に熱接着される際、平面部12bに当接して溶着する層であり、容器シート12とアルミニウム箔20を良好に接着できる材料が選択される。この実施形態で良好な接着とは、140〜160℃のヒートシールバーを用いて2〜3kg/cm2、1secの加圧を行って熱接着したとき、0.6〜1kg/m
2以上の剥離強度が得られる場合を指す。例えば、容器シート12の材質がポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)の場合、ヒートシール層32の材料はポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)とポリエステル樹脂との混合物が好適である。容器シート12の材質がポリプロピレン樹脂(PP樹脂)の場合、ヒートシール層32の材料もポリプロピレン樹脂(PP樹脂)であることが好ましい。容器シート12の材質がポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)の場合、ヒートシール層32の材料もポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)であることが好ましい。
【0025】
以上説明したように、包装シート18は、耐熱コート層26の内側に事前印刷層24が設けられ、耐熱コート層26の表面の、事前印刷層24と重なる位置に、可視光線下で視認されず、紫外線又は赤外線を照射することによって視認可能になる第一の
インクジェット印刷層28が設けられている。事前印刷層24の表示と第一のインクジェット印刷層28の表示は互いに重なっているが、特定の光を照射することによって、それぞれの内容を容易に読み取ることができる。したがって、事前印刷層24と第一のインクジェット印刷層28を設けることによって、従来よりも多くの情報を表示することができる。
【0026】
また、耐熱コート層26の表面に、可視光線下で視認可能なインキから成る第二の
インクジェット印刷層30を設けることによって、内容が頻繁に変わらない情報及び内容が頻繁に変わる情報を、事前印刷層24と第二のインクジェット印刷層20(又は第一のインクジェット印刷層28)に適宜振り分けて効率よく表示することができる。
【0027】
次に、包装シート18の製造装置の第一の実施形態について、
図3に基づいて説明する。この実施形態の製造装置34は、第一及び第二のインクジェット印刷層28,30が形成される前の包装シート18に第一及び第二のインクジェット印刷層28,30を形成し、完成した包装シート18をロール状に巻き取る装置である。
【0028】
以下、製造装置34を説明する中で、第一及び第二のインクジェット印刷層28,30が形成される前の包装シートを包装シート18xとし、完成した包装シート18と区別する。また、包装シート18x,18の、耐熱コート層26側の表面を印刷面36a、ヒートシール層32側の表面を非印刷面36bと称する。
【0029】
製造装置34は、
図3に示すように、巻き出し部38、プリンタ40、巻き取り部42、及び複数のガイドローラ44を備えている。巻き出し部38は、ロール状に巻かれた包装シート18xがセットされる部分である。
【0030】
プリンタ40は、巻き出し部38の近傍に配置され、巻き出し部38から送り出された包装シート18xの印刷面36aにインクジェット印刷を行う装置である。プリンタ40は、可視光線下で視認できない蛍光発光インキ28aを噴射する第一のヘッド40aと、可視光線下で視認可能なインキ30aを噴射する第二のヘッド40bとを有し、包装シート18xが送られてくると、第一のヘッド40aで第一のインクジェット印刷層28の表示「No.12345(ロット番号)」を印刷し、第二のヘッド40bで第二のインクジェット印刷層30の表示「見本」及び「2017.9.25(消費期限)」を印刷する。
【0031】
巻き取り部42は、第一及び第二のインクジェット印刷層28,30が形成されて完成した包装シート18をロール状に巻き取る部分で、包装シート18x,18を送るための送りニップローラ42aを備えている。
【0032】
ガイドローラ44は、ここでは16個設けられている(巻き出し部38の側から順番に44(1)〜44(16))。ガイドローラ44(1)〜44(3)は、巻き出し部38から送り出された包装シート18xをプリンタ40が設置された位置まで案内し、印刷面36aを第一及び第二のヘッド40a,40bに近接対向させる。
【0033】
ガイドローラ44(3)〜44(15)は、プリンタ40によってインクジェット印刷がされた後、塗布されたインキ28a,30aが乾燥するまでの間、包装シート18を案内する特定のガイドローラであり、未乾燥のインキ28a,30aに触れないように包装シート18の非印刷面36bだけをガイドし、包装シート18が同方向に方向転換を繰り返し、進行方向が540°程度回動する渦巻状の軌道を描いて進行するように配置されている。したがって、特定のガイドローラ44(3)〜44(15)により方向転換した部分が方向転換部であり、包装シート18が、インキ28a,30aが乾燥した後で巻き取り部38に到達するように、包装シート18をわざと遠回りさせ、インキ28a,30aが乾燥するのに必要な時間を稼ぐ働きをする。
【0034】
ガイドローラ44(16)は、インキ28a,30aが乾燥した包装シート18を巻き取り部42の方向に案内する働きをする。上記の送りニップローラ42aは、ガイドローラ44(15)と44(16)の間に設置され、印刷面36aのインキ28a.30aに触れることになるが、既に乾燥しているので問題ない。
【0035】
製造装置34によれば、1枚の連続シートである包装シート18xに、非常に効率よくインクジェット印刷層28,30を形成することができる。しかも、プリンタ40によるインクジェット印刷がされた後、塗布されたインキ28a,30aが乾燥するまでの間、特定のガイドローラ44(3)〜(15)がインキ28a,30aに触れない構造になっているので、インクジェット印刷層28,30を綺麗に形成することができる。また、包装シート18は、インキ28a,30aが塗布された後、渦巻状の軌道を描くように遠回りして巻き取り部42に到達する構造なので、インキ28a,30aが乾燥するのに必要な時間を容易に稼ぐことができ、しかも、装置を大型化させることなくコンパクトに構成することができる。
【0036】
次に、包装シート18の製造装置の第二の実施形態について、
図4に基づいて説明する。ここで、上記の製造装置34と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
この実施形態の製造装置46は、上記の製造装置34の構成の一部を変更したものであり、プリンタ40の後段に、包装シート18xに塗布されたインキ28a,30aに熱風を吹きつけ熱風乾燥機48が付設されている点と、プリンタ40の後段のガイドローラ44(3)〜44(16)の配置が変更されているという点に特徴がある。
【0038】
上記第一の実施形態の製造装置34は、熱風乾燥機48を備えておらず、包装シート18xに塗布されたインキ28a,30aが乾燥するのに必要な時間が相対的に長くなるので、インキ28a,30aの乾燥時間を稼ぐため、特定のガイドローラで案内される軌道を相対的に長くする必要がある。そのため、製造装置34の場合、特定のガイドローラの数が13個(44(3)〜44(15))であり、包装シート18は、非印刷面36bが特定のガイドローラ44(3)〜44(15)でガイドされ、方向転換を同方向で繰り返す渦巻状の長い軌道を描いて進行し、その間にインキ28a,30aが乾燥する。
【0039】
これに対して、製造装置46は、熱風乾燥機48が設けられており、包装シート18xに塗布されたインキ28a,30aが乾燥するまでの時間が短縮されるので、特定のガイドローラによって案内される軌道を相対的に短くすることができる。そのため、製造装置46の場合、包装シート18は、非印刷面36bが8個の特定のガイドローラ44(3)〜44(10)にガイドされ、特に2箇所の特定のガイドローラ44(7),44(8)による方向転換部で、包装シート18xの進行方向を180°転換して、一往復の短い軌道でインキ28a,30aを乾燥させることができる。
【0040】
製造装置46のガイドローラ44(11)〜44(16)と送りニップローラ42aは、インキ28a,30aが乾燥した包装シート18を、巻き取り部42の方向に案内する。ガイドローラ44(11),44(12)及び送りニップローラ42aは、印刷面36aのインキ28a.30aに触れることになるが、既に乾燥しているので問題ない。
【0041】
なお、条件が合えば、巻き取り部42をガイドローラ44(12)の近傍に配置し、ガイドローラ44(13)〜44(15)を省略することができる。ただし、包装シート18は、温度が高い状態でロール状に巻き取られると皺が発生しやすいので、製造装置46では、包装シート18の温度が低下するまでの時間を稼ぐため、ガイドローラ44(13)〜44(15)に案内される部分を設けている。また、ローラ44(13)〜44(15)に案内される部分は、例えば、検査装置で包装シート18の仕上がりを検査するために利用しても良い。
【0042】
この実施形態の製造装置46においても、上記の製造装置34と同様の効果を得ることができ、装置をさらにコンパクトに構成することができる。
【0043】
なお、本発明のPTP用の包装シートは、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第一のインクジェット印刷層は、紫外線又は赤外線照射型の蛍光発光インキが印刷されたものであればよく、表示内容は用途に合わせて自由に変更できる。また、蛍光発光インキは、所定の耐熱性を有したもの、つまり、包装シートを容器シートに接着する時の熱で変形したり流れたりしないものであれば、特に種類は限定されない。
【0044】
第二のインクジェット印刷層は、可視光線下で視認可能なインキが印刷されたものであればよく、表示内容は用途に合わせて自由に変更でき、必要がなければ省略しても良い。また、このインキも、所定の耐熱性を有したもの、つまり、包装シートを容器シートに接着する時の熱で変形したり流れたりしないものであれば、特に種類は限定されない。
【0045】
その他、上記実施形態の白濁色印刷層22は、必要に応じて省略することができる。また、容器シート12及びヒートシール層32が透明であれば、アルミニウム箔20の反対側の表面(ヒートシール層32の内側)にも装飾用の絵柄等を表した事前印刷層24を設け、PTP10の容器シート12の側から視認できるようにしても良い。
【0046】
本発明のPTP用の包装シートの製造装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、複数の特定のガイドローラは、インクジェット印刷がされた後、塗布されたインキが乾燥するまでの間、包装シートを案内するものであって、インキが塗布された面と反対側の面だけをガイドするものであれば良く、包装シートが渦巻状やループ状の部分、円弧状の部分を有して、同方向に180°以上方向転換する軌道を描いて進行するよう配置されていれば良い。したがって、塗布されたインキが乾燥するのに必要な時間に合わせて、特定のガイドローラの数や配置を変更し、軌道の長さ(渦巻きの巻数や大きさ、ループや円弧の形や大きさを含む)を調節することができる。また、同方向に方向転換する軌道とは、往路と復路が交差せずに連続する軌道のことであり、装置の小型化に寄与できる形状であれば、例えばコ形、C形、U形、V形にしても良い。
【0047】
その他、巻き出し部、巻き取り部及び巻き取り部の配置は、プリンタやガイドローラのレイアウトに合わせて適宜変更することができる。