特許第6779959号(P6779959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6779959医療用画像データからの患者固有の整形外科手術計画の生成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6779959
(24)【登録日】2020年10月16日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】医療用画像データからの患者固有の整形外科手術計画の生成
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/00 20180101AFI20201026BHJP
【FI】
   G16H30/00
【請求項の数】17
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2018-209603(P2018-209603)
(22)【出願日】2018年11月7日
(62)【分割の表示】特願2014-50133(P2014-50133)の分割
【原出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2019-21349(P2019-21349A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2018年11月7日
(31)【優先権主張番号】13/828,228
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】スコット・エイ・ゼルナー
(72)【発明者】
【氏名】ジーナ・エム・レオニ
【審査官】 青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−112793(JP,A)
【文献】 特開2002−197200(JP,A)
【文献】 特表2008−531163(JP,A)
【文献】 特開2009−129200(JP,A)
【文献】 特開平03−228755(JP,A)
【文献】 特開2004−254899(JP,A)
【文献】 特開2006−318234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G16H 10/00 − 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用画像データから整形外科手術手順のための手術計画を生成するためのシステムの作動方法であって、前記システムが以下の工程;
ネットワークを介して医療施設のコンピューティング装置から整形外科手術計画要求を受信すること
患者の骨解剖学的構造の医療用画像を受信すること
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する制約データを受信すること
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から、患者固有の解剖学的構造データを判定すること
前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定すること
前記受信された医療用画像及び前記受信された制約データに基づき、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること
(i)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順ではないと判定するのに応えて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための第1の手術計画、又は
(ii)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であると判定するのに応えて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための、前記第1の手術計画とは異なる第2の手術計画、のうちの1つを生成すること
前記ネットワークを介して前記第1の手術計画又は前記第2の手術計画のうちの少なくとも1つを前記医療施設の前記コンピューティング装置に送信すること
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データが、前記基準範囲外であるか、又は前記基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであると判定するのに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること;
を実行し、
前記システムが、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定された前記患者固有の解剖学的構造データから取得される大腿骨回転度を比較すること、を更に実行し、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データから取得される前記大腿骨回転度が、基準閾値の大腿骨回転度を超えるか否かを判定することを含む、方法。
【請求項2】
前記システムが、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データを、解剖学的構造履歴データと比較すること、を更に実行し
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較するのに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記システムが、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定された前記患者固有の解剖学的構造データから取得される脛骨傾斜を比較すること、を更に実行し
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定された前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データから取得される前記脛骨傾斜が、基準閾値の脛骨傾斜を超えるか否かを判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記システムが、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定された前記患者固有の解剖学的構造データに応じて、複雑性があるか否かを判定すること、を更に実行し
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、複雑性があると判定するのに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定された前記患者固有の解剖学的構造データに応じて、複雑性があるか否かを判定することが、(i)前記患者固有の解剖学的構造データに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記整形外科手術手順が実施される手術領域内に、既存の金属が存在するか否か、又は(ii)前記患者固有の解剖学的構造データに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造内に解剖学的構造的変形があるか否か、のうちの少なくとも1つを判定すること、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記システムが、
前記ネットワークを介して前記受信された医療用画像及び前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に対応する前記制約データを遠隔コンピューティング装置に送信することと、
前記ネットワークを介して前記遠隔コンピューティング装置から、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に影響を与える推奨を受信することと、を更に実行し
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための前記第2の手術計画を生成することが、前記遠隔コンピューティング装置から受信された前記推奨に応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための前記第2の手術計画を生成すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記システムが、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であると判定することに応えて、通知を生成することと、
前記生成された通知を前記医療施設の前記コンピューティング装置に送信することと、を更に実行する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像を受信することが、X線画像、磁気共鳴映像法画像、コンピュータ断層撮影画像、又は三次元超音波画像のうちの少なくとも1つを受信すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1及び第2の手術計画が、
(i)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に対応する、複数個の順序付けられた手術ステップ及び指示用画像、
(ii)実施される前記整形外科手術手順の実施中の使用のための推奨される整形外科的インプラント、
(iii)前記医療用画像内の前記患者の前記骨解剖学的構造上に重ね合わせられた前記推奨される整形外科的インプラントのデジタルテンプレートを備える画像、
(iv)実施される前記整形外科手術手順の実施中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される再利用可能な器具、
(v)実施される前記整形外科手術手順の実施中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される患者別の器具、
(vi)実施される前記整形外科手術手順の実施中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される使い捨ての器具、又は
(vii)同様の骨解剖学的構造を有する他の患者に実施された手術手順の1つ又は2つ以上のビデオ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ネットワークを介して前記医療施設の前記コンピューティング装置から前記整形外科手術計画要求を受信することが、前記医療施設の前記コンピューティング装置を介して、外科医から前記整形外科手術計画要求を受信すること、を含み、
前記システムが以下の工程;
前記外科医が手術計画サーバの登録ユーザーであるか否かを判定すること
前記外科医が登録ユーザーではないと判定することに応えて、前記外科医を前記手術計画サーバのユーザーとして登録すること
前記外科医の手術手順嗜好に対応する手術嗜好データを受信すること
前記外科医に対応するプロファイル内の手術嗜好データを更新すること
前記外科医によって実施された手術手順に対応する手術手順履歴データを受信することを更に実行する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記システムが、
前記ネットワークを介して前記医療施設の前記コンピューティング装置から手術手順結果を受信することと、
前記受信された手術手順結果に応じて、解剖学的構造履歴データを更新することと、を更に実行する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
医療用画像データから整形外科手術手順のための手術計画を生成するためのシステムであって、
患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する整形外科手術計画要求を生成する、医療施設のコンピューティング装置と、
(i)ネットワークを介して前記医療施設の前記コンピューティング装置から前記整形外科手術計画要求を受信し、
(ii)前記医療施設の前記コンピューティング装置から、前記整形外科手術手順が実施される前記患者の前記骨解剖学的構造の医療用画像を受信し、
(iii)前記医療施設の前記コンピューティング装置から、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に対応する制約データを受信し、
(iv)前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から患者固有の解剖学的構造データを判定し、
(v)前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定し、
(vi)前記受信された医療用画像及び前記受信された制約データに基づき、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定し、
(vii)(a)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順ではないと判定することに応えて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための第1の手術計画、又は(b)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であると判定することに応えて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための第2の手術計画であって、前記第2の手術計画が、前記第1の手術計画とは異なる手術計画である、第2の手術計画、のうちの1つを生成し、
(viii)前記ネットワークを介して前記第1の手術計画又は第2の手術計画のうちの少なくとも1つを前記医療施設の前記コンピューティング装置に送信する、ベンダーの手術計画サーバと、を備え、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データが、前記基準範囲外である、又は前記基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであると判定することに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することを含
前記手術計画サーバが更に、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データから取得される大腿骨回転度を比較し、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データから取得される前記大腿骨回転度が、基準閾値の大腿骨回転度を超えるか否かを判定することを含む、システム。
【請求項13】
前記手術計画サーバが更に、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較し、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較することに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記手術計画サーバが更に、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データから取得される脛骨傾斜を比較し、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データから取得される前記脛骨傾斜が、基準閾値の脛骨傾斜を超えるか否かを判定することを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記手術計画サーバが更に、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データに応じて、複雑性があるか否かを判定し、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、複雑性があると判定するのに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
(i)前記ネットワークを介して前記手術計画サーバから前記医療用画像及び前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に対応する前記制約データを受信し、
(ii)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に影響を与える推奨を生成し、
(iii)前記ネットワークを介して前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に影響を与える前記推奨を前記手術計画サーバに送信する、遠隔コンピューティング装置を更に備え、
前記手術計画サーバが更に、前記遠隔コンピューティング装置から、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に影響を与える前記推奨を受信し、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための前記第2の手術計画を生成することが、前記遠隔コンピューティング装置から受信される前記推奨に応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための前記第2の手術計画を生成することを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記手術計画サーバが更に、
(i)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であると判定することに応えて、通知を生成し、
(ii)前記ネットワークを介して、前記生成された通知を前記医療施設の前記コンピューティング装置に送信し、
前記第1及び第2の手術計画が、
(i)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に対応する、複数個の順序付けられた手術ステップ及び指示用画像、
(ii)実施される前記整形外科手術手順の実施中の使用のための推奨される整形外科的インプラント、
(iii)前記医療用画像内の前記患者の前記骨解剖学的構造上に重ね合わせられた前記推奨される整形外科的インプラントのデジタルテンプレートを備える画像、
(iv)実施される前記整形外科手術手順の実施中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される再利用可能な器具、
(v)実施される前記整形外科手術手順の実施中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される患者別の器具、
(vi)実施される前記整形外科手術手順の実施中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される使い捨ての器具、又は
(vii)同様の骨解剖学的構造を有する他の患者に実施された手術手順の1つ又は2つ以上のビデオ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、整形外科手術手順に関し、より具体的には、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から、患者固有の整形外科手術計画を生成するためのシステム、装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
整形的人工関節は、整形外科医により患者に移植されて、例えば、患者の骨及び/若しくは軟組織の喪失、外傷による損傷、並びに/又は骨の変形を矯正する、又は別の方法で軽減する。整形的人工関節は、患者の関節の一部又は全部を置き換えることができる。例えば、整形的人工関節は、患者の膝、股、肩、足、又は他の関節を置き換えることができる。膝を置換する場合、整形外科的人工膝関節は、脛骨トレー、大腿骨コンポーネント、及び脛骨トレーと大腿骨コンポーネントとの間に位置付けられるポリマー挿入物又はベアリングを備えてもよい。場合によっては、人工膝関節は、人工膝蓋骨コンポーネントも含んでよく、このコンポーネントは、手術により準備された患者の膝蓋骨の後部側に固定される。
【0003】
整形外科手術手順を実施する前に、典型的に、患者の患部の解剖学的構造の医療用画像が撮影される。整形外科医は、典型的に、これらの画像及び実施される手術手順によって決定付けられる他の制約に基づき、患者に最善の結果をもたらすと考えられる整形的人工関節及び対応する手術計画を選択する。しかしながら、整形外科医は、これらの選択を行う際、多くの場合、彼ら自身の個人的知識及び経験に限定される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によると、医療用画像データから整形外科手術手順のための手術計画を生成するための方法は、ネットワークを介して医療施設のコンピューティング装置から整形外科手術計画要求を受信することと、患者の骨解剖学的構造の医療用画像を受信することと、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する制約データを受信することと、受信された医療用画像及び受信された制約データに基づき、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することを含み得る。加えて、本方法は、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第1の手術計画又は第2の手術計画のうちの1つを生成することと、ネットワークを介して第1の手術計画又は第2の手術計画のうちの少なくとも1つを医療施設のコンピューティング装置に送信することと、を含み得る。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第1の手術計画を生成することは、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手順が、困難な整形外科手術手順ではないと判定するのに応えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第1の手術計画を生成すること、を含み得る。加えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成することは、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手順が、困難な整形外科手術手順であると判定することに応えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための、第1の手術計画とは異なる第2の手術計画を生成すること、を含み得る。
【0005】
幾つかの実施形態では、第1の手術計画を生成することは、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手順が、困難な整形外科手術手順ではないと判定するのに応えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第1の手術計画を生成すること、を含み得る。加えて、第2の手術計画を生成することは、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手順が、困難な整形外科手術手順であると判定するのに応えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成すること、を含み得る。幾つかの実施形態では、第2の手術計画は、第1の手術計画とは異なる手術計画である。
【0006】
幾つかの実施形態では、本方法は、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から、患者固有の解剖学的構造データを判定すること、を更に含み得る。加えて、本方法は、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較すること、を含み得る。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較するのに応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること、を含み得る。
【0007】
加えて、又はあるいは、本方法は、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定された患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することを、更に含み得る。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであると判定するのに応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること、を含み得る。
【0008】
幾つかの実施形態では、本方法は、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定された患者固有の解剖学的構造データから取得される大腿骨回転度を比較すること、を更に含み得る。加えて、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データから取得される大腿骨回転度が、基準閾値の大腿骨回転度を超えるか否かを判定すること、を含み得る。加えて、又は代わって、本方法は、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定された患者固有の解剖学的構造データから取得される脛骨傾斜を比較すること、を更に含み得る。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定された患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データから取得される脛骨傾斜が、基準閾値の脛骨傾斜を超えるか否かを判定すること、を含み得る。
【0009】
本方法の幾つかの実施形態は、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定された患者固有の解剖学的構造データに応じて、複雑性があるか否かを判定すること、を含み得る。加えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することは、複雑性があると判定するのに応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること、を含み得る。更に、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定された患者固有の解剖学的構造データに応じて、複雑性があるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データに応じて、患者の骨解剖学的構造の整形外科手術手順が実施される手術領域内に、既存の金属が存在するか否か、又は患者固有の解剖学的構造データに応じて、患者の骨解剖学的構造内に解剖学的構造的変形があるか否か、のうちの少なくとも1つを判定すること、を含み得る。
【0010】
幾つかの実施形態では、本方法は、ネットワークを介して受信された医療用画像及び患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する制約データを遠隔コンピューティング装置に送信することと、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置から患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に影響を与える推奨を受信することとを、更に含み得る。患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成することは、遠隔コンピューティング装置から受信された推奨に応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成すること、を含み得る。
【0011】
本方法は、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であると判定するのに応えて、通知を生成することと、生成された通知を医療施設のコンピューティング装置に送信することと、を更に含み得る。加えて、幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造の医療用画像を受信することは、X線画像、磁気共鳴映像法画像、コンピュータ断層撮影画像、又は三次元超音波画像のうちの少なくとも1つを受信すること、を含み得る。
【0012】
幾つかの実施形態では、第1及び第2の手術計画は、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する、複数個の順序付けられた手術ステップ及び指示用画像を含み得る。加えて、第1及び第2の手術計画は、実施される整形外科手術手順中の使用のための推奨される整形外科的インプラント、及び/又は医療用画像内の患者の骨解剖学的構造上に重ね合わせられた推奨される整形外科的インプラントのデジタルテンプレートを備える画像を含み得る。更に、第1及び第2の手術計画は、実施される整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される再利用可能な器具、実施される整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される患者別の器具、及び/又は実施される整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される使い捨ての器具を含み得、加えて、又はあるいは、幾つかの実施形態では、第1及び第2の手術計画は、同様の骨解剖学的構造を有する他の患者に実施された手術手順の1つ又は2つ以上のビデオを含み得る。
【0013】
幾つかの実施形態では、ネットワークを介して医療施設のコンピューティング装置から整形外科手術計画要求を受信することは、医療施設のコンピューティング装置を介して、外科医から手術計画要求を受信すること、を含み得る。加えて、本方法は、外科医が手術計画サーバの登録ユーザーであるか否かを判定することと、外科医が登録ユーザーではないと判定することに応えて、外科医を手術計画サーバのユーザーとして登録することと、外科医の手術手順嗜好に対応する手術嗜好データを受信することと、外科医に対応するプロファイル内の手術嗜好データを更新することと、を更に含み得る。更に、本方法は、外科医によって実施された手術手順に対応する手術手順履歴データを受信すること、を更に含み得る。加えて、幾つかの実施形態では、本方法は、ネットワークを介して医療施設のコンピューティング装置から手術手順結果を受信することと、受信された手術手順結果に応じて、解剖学的構造履歴データを更新することと、を更に含み得る。
【0014】
別の態様によると、機械可読媒体は、機械可読媒体に記憶される複数個の命令を含み得る。複数個の命令は、実行されるのに応えて、手術計画サーバに、ネットワークを介して医療施設のコンピューティング装置から整形外科手術計画要求を受信させ、患者の骨解剖学的構造の医療用画像を受信させ、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する制約データを受信させ、受信された医療用画像及び受信された制約データに基づき、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定させてもよい。複数個の命令は更に、手術計画サーバに、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第1の手術計画又は第2の手術計画のうちの1つを生成させ、ネットワークを介して、第1の手術計画又は第2の手術計画のうちの少なくとも1つを医療施設のコンピューティング装置に送信させてもよい。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第1の手術計画を生成することは、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手順が、困難な整形外科手術手順ではないと判定するのに応えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第1の手術計画を生成すること、を含み得る。加えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成することは、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手順が、困難な整形外科手術手順であると判定するのに応えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成すること、を含み得る。幾つかの実施形態では、第2の手術計画は、第1の手術計画とは異なる、カスタマイズされた計画である。
【0015】
幾つかの実施形態では、複数個の命令は更に、手術計画サーバに、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から患者固有の解剖学的構造データを判定させてもよい。加えて、複数個の命令は更に、手術計画サーバに、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較させてもよい。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較するのに応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること、を含み得る。
【0016】
加えて、又はあるいは、複数個の命令は更に、手術計画サーバに、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定させてもよい。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであると判定するのに応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること、を含み得る。
【0017】
幾つかの実施形態では、複数個の命令は更に、手術計画サーバに、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データから取得される大腿骨回転度を比較させてもよい。加えて、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データから取得される大腿骨回転度が、基準閾値の大腿骨回転度を超えるか否かを判定すること、を含み得る。加えて、又はあるいは、複数個の命令は更に、手術計画サーバに、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データから取得される脛骨傾斜を比較させてもよい。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データから取得される脛骨傾斜が、基準閾値の脛骨傾斜を超えるか否かを判定すること、を含み得る。
【0018】
幾つかの実施形態では、複数個の命令は更に、手術計画サーバに、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データに応じて、複雑性があるか否かを判定させてもよい。加えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定する工程は、複雑性があると判定するのに応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定する工程を含み得る。更に、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データに応じて、複雑性があるか否かを判定する工程は、患者固有の解剖学的構造データに応じて、患者の骨解剖学的構造の整形外科手術手順が実施される手術領域内に、既存の金属が存在するか否か、又は患者固有の解剖学的構造データに応じて、患者の骨解剖学的構造内に解剖学的構造的変形があるか否か、のうちの少なくとも1つを判定する工程を含み得る。
【0019】
幾つかの実施形態では、複数個の命令は更に、手術計画サーバに、ネットワークを介して、受信される医療用画像及び患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する制約データを遠隔コンピューティング装置に送信させ、ネットワークを介して、遠隔コンピューティング装置から患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に影響を与える推奨を受信させてもよい。患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成する工程は、遠隔コンピューティング装置から受信される推奨に応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成する工程を含み得る。
【0020】
複数個の命令は更に、手術計画サーバに、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であると判定するのに応えて、通知を生成させ、生成される通知を医療施設のコンピューティング装置に送信させてもよい。加えて、幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造の医療用画像を受信する工程は、X線画像、磁気共鳴映像法画像、コンピュータ断層撮影画像、又は三次元超音波画像のうちの少なくとも1つを受信する工程を含み得る。
【0021】
幾つかの実施形態では、第1及び第2の手術計画は、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する、複数個の順序付けられた手術ステップ及び指示用画像を含み得る。加えて、第1及び第2の手術計画は、実施される整形外科手術手順中の使用に推奨される整形的インプラント、及び/又は医療用画像内の患者の骨解剖学的構造上に重ね合わせられた推奨される整形的インプラントのデジタルテンプレートを含む画像を含み得る。更に、第1及び第2の手術計画は、実施される整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される再利用可能な器具、実施される整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される患者固有の器具、及び/又は実施される整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される使い捨ての器具を含んでもよく、加えて、又はあるいは、幾つかの実施形態では、第1及び第2の手術計画は、類似する骨解剖学的構造を有する他の患者に実施された手術手順の1つ又は2つ以上のビデオを含み得る。
【0022】
幾つかの実施形態では、ネットワークを介して、医療施設のコンピューティング装置から整形外科手術計画要求を受信する工程は、医療施設のコンピューティング装置を介して、外科医から手術計画要求を受信する工程を含み得る。加えて、複数個の命令は更に、手術計画サーバに、外科医が手術計画サーバの登録ユーザーであるか否かを判定させ、外科医が登録ユーザーではないと判定するのに応えて、外科医を手術計画サーバのユーザーとして登録させ、外科医の手術手順嗜好に対応する手術嗜好データを受信させ、外科医に対応するプロファイル内の手術嗜好データを更新させてもよい。更に、複数個の命令はまた、手術計画サーバに、外科医によって実施された手術手順に対応する手術手順履歴データを受信させてもよい。加えて、幾つかの実施形態では、複数個の命令は更に、手術計画サーバに、ネットワークを介して、医療施設のコンピューティング装置から手術手順結果を受信させ、受信される手術手順結果に応じて、解剖学的構造履歴データを更新させてもよい。
【0023】
更なる態様によると、医療用画像データから整形外科手術手順のための手術計画を生成するためのシステムは、医療施設のコンピューティング装置と、ベンダーの手術計画サーバとを含み得る。医療施設のコンピューティング装置は、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する整形外科手術計画要求を生成するように構成されてもよい。ベンダーの手術計画サーバは、ネットワークを介して、医療施設のコンピューティング装置から整形外科手術計画要求を受信し、医療施設のコンピューティング装置から、整形外科手術手順が実施される患者の骨解剖学的構造の医療用画像を受信し、医療施設のコンピューティング装置から、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する制約データを受信し、受信される医療用画像及び受信される制約データに基づき、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定するように構成されてもよい。手術計画サーバは、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第1の手術計画又は第2の手術計画のうちの1つを生成し、ネットワークを介して、第1の手術計画又は第2の手術計画のうちの少なくとも1つを医療施設のコンピューティング装置に送信するように更に構成されてもよい。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第1の手術計画を生成することは、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手順が、困難な整形外科手術手順ではないと判定するのに応えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第1の手術計画を生成することを含み得る。加えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成することは、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手順が、困難な整形外科手術手順であると判定するのに応えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成することを含み得る。幾つかの実施形態では、第2の手術計画は、第1の手術計画とは異なる手術計画である。
【0024】
幾つかの実施形態では、手術計画サーバは、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から患者固有の解剖学的構造データを判定するように更に構成されてもよい。加えて、手術計画サーバは、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較するように更に構成されてもよい。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較するのに応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することを含み得る。
【0025】
加えて、又は代わって、手術計画サーバは、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定するように更に構成されてもよい。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであると判定するのに応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することを含み得る。
【0026】
幾つかの実施形態では、手術計画サーバは、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データから取得される大腿骨回転度を比較するように更に構成されてもよい。加えて、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データから取得される大腿骨回転度が、基準閾値の大腿骨回転度を超えるか否かを判定することを含み得る。加えて、又はあるいは、手術計画サーバは、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データから取得される脛骨傾斜を比較するように更に構成されてもよい。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することは、患者固有の解剖学的構造データから取得される脛骨傾斜が、基準閾値の脛骨傾斜を超えるか否かを判定することを含み得る。
【0027】
幾つかの実施形態では、手術計画サーバは、患者の骨解剖学的構造の医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データに応じて、複雑性があるか否かを判定するように更に構成されてもよい。加えて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することは、複雑性があると判定するのに応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することを含み得る。
【0028】
幾つかの実施形態では、システムは、遠隔コンピューティング装置を更に含み得る。遠隔コンピューティング装置は、ネットワークを介して手術計画サーバから医療用画像及び患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する制約データを受信し、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に影響を与える推奨を生成し、ネットワークを介して患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に影響を与える推奨を手術計画サーバに送信するように構成されてもよい。加えて、幾つかの実施形態では、手術計画サーバは、遠隔コンピューティング装置から、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に影響を与える推奨を受信するように更に構成されてもよい。幾つかの実施形態では、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成することは、遠隔コンピューティング装置から受信される推奨に応じて、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順のための第2の手術計画を生成することを含み得る。更に、幾つかの実施形態では、手術計画サーバは、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であると判定するのに応えて、通知を生成し、ネットワークを介して、生成された通知を医療施設のコンピューティング装置に送信するように更に構成されてもよい。
【0029】
幾つかの実施形態では、第1及び第2の手術計画は、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する、複数個の順序付けられた手術ステップ及び指示用画像を含み得る。加えて、第1及び第2の手術計画は、実施される整形外科手術手順中の使用のために推奨される整形外科的インプラント、及び/又は医療用画像内の患者の骨解剖学的構造上に重ね合わせられた推奨される整形外科的インプラントのデジタルテンプレートを含む画像を含み得る。更に、第1及び第2の手術計画は、実施される整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される再利用可能な器具、実施される整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される患者別の器具、及び/又は実施される整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される使い捨ての器具を含み得、加えて、又は代わって、幾つかの実施形態では、第1及び第2の手術計画は、同様の骨解剖学的構造を有する他の患者に実施された手術手順の1つ又は2つ以上のビデオを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
発明を実施するための形態においては特に以下の図面を参照する。
図1】医療用画像データから整形外科手術計画を生成するためのシステムの一実施形態の簡略図である。
図2】医療用画像データから整形外科手術計画を生成するための、図1の手術計画サーバによって実行されてもよい、方法の一実施形態の簡略フローチャートである。
図3】患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定するための、図1の手術計画サーバによって実行されてもよい、方法の一実施形態の簡略フローチャートである。
図4】手術手順履歴データを更新するための、図1の手術計画サーバによって実行されてもよい、方法の一実施形態の簡略フローチャートである。
図5】新規のユーザーを登録するための、図1の手術計画サーバによって実行されてもよい、方法の一実施形態の簡略フローチャートである。
図6】医療用画像上に重ね合わせられた整形外科的インプラントのデジタルテンプレートを有する医療用画像を示す、簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の代表的な実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に述べる。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含される全ての改変物、均等物及び代替物を網羅することを意図するものである点は理解されるべきである。
【0032】
解剖学的参照を表す前側、後側、内側、外側、上、下等の用語は、本開示全体にて、本明細書に記載する整形外科的インプラントと、患者の固有の解剖学的構造との両方に関して使用され得る。これらの用語は、解剖学的構造の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に言及しない限り、それらの十分理解された意味と一致することが意図される。
【0033】
ここで、図1を参照すると、一実施形態では、医療用画像データから整形外科手術計画を生成するためのシステム100は、ベンダー10と、医療施設50と、ベンダー10と医療施設50とを通信可能に接続するネットワーク40とを含む。幾つかの実施形態では、例示的システム100は、1つ又は2つ以上の遠隔コンピューティング装置42を更に含む。以下により詳細に記載されるように、ベンダー10は、少なくとも一部において、ネットワーク40を介して医療施設50から受信される医療用画像及び制約データに基づき、又はそうでなければそれに応じて、実施される整形外科手術手順のための患者固有の手術計画を生成してもよい、手術計画サーバ12を含み得る。
【0034】
ネットワーク40は、任意の数の様々な有線及び/又は無線通信ネットワークとして具現化されてもよい。例えば、ネットワーク40は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、移動体ネットワーク、若しくはインターネット等の公的にアクセス可能なグローバルネットワークとして、又はそうでなければそれを含んで具現化されてもよい。加えて、ネットワーク40は、手術計画サーバ12、コンピューティング装置52、遠隔コンピューティング装置42、及び/又は他のコンピューティング装置との間の通信を促進するように、任意の数の追加の装置を含み得る。
【0035】
医療施設50は、病院、保健提供者の診療所、外来患者施設、あるいは医療サービスが実施若しくは提供される他の企業又は場所等の任意の種類の医療施設として具現化されてもよい。例示的医療施設50は、ネットワーク60、コンピューティング装置52、及びデータベース54を含む。ネットワーク40と同様に、医療施設ネットワーク60は、任意の数の様々な有線及び/又は無線通信ネットワークとして具現化されてもよい。例えば、医療施設ネットワーク60は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、移動体ネットワーク、若しくはインターネット等の公的にアクセス可能なグローバルネットワークとして、又はそうでなければそれを含んで具現化されてもよい。加えて、医療施設ネットワーク60は、コンピューティング装置52、データベース54、及び/又は医療施設50の他のコンピューティング装置との間の通信を促進するように、任意の数の追加の装置を含み得る。
【0036】
コンピューティング装置52は、データを表示し、例えば、医師、看護師、麻酔専門医、及び外科医等の医療施設50の介護士から入力を受信してもよい。以下により詳細に記載されるように、例えば、外科医等の介護士は、コンピューティング装置52を介して、患者固有の手術計画を生成するよう要求してもよい。コンピューティング装置52は、例えば、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピューティング装置、ラップトップコンピュータ、手持ち式コンピュータ、個人用データ補助装置、携帯電話、サーバ、及び/又は他のコンピューティング装置等の種々の異なるコンピューティング装置のうちの1つとして具現化されてもよい。もちろん、医療施設は、他の実施形態では、追加の、及び/又は他のコンピューティング装置52を含み得る。加えて、例示的実施形態では、コンピューティング装置52は、医療施設50内に物理的に位置するように図1に示されているが、他の実施形態では、コンピューティング装置52はまた、医療施設50の外部に位置してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、コンピューティング装置52は、医療施設50の外部に位置してもよく、医療施設ネットワーク60に遠隔アクセスするように構成されてもよい。そのように、外科医又は他の介護士は、医療施設50内に物理的に位置するもの以外の場所から、患者固有の手術計画の生成を要求してもよい。
【0037】
医療施設50のデータベース54は、医療施設50の患者及び/又は介護士に対応する様々な種類のデータを記憶してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、データベース54は、電子医療記録、医療用画像、請求書情報、及び/又は医療施設50の患者に対応する他の種類の情報を維持する。加えて、データベース54は、医療施設50の1人以上の外科医に対応する手術嗜好を記憶してもよい。もちろん、データベース54は、医療施設50及び/又はその患者の治療に対応する任意の他の種類の情報を記憶してもよい。
【0038】
ベンダー10は、整形外科的コンポーネント及び/若しくは手術用ツールを製造する、並びに/又は流通させる、任意の種類の整形外科ベンダーとして具現化されてもよい。例示的ベンダー10は、手術計画サーバ12、ベンダーネットワーク30、手術手順データベース20、手術嗜好データベース22、及び手順ビデオライブラリ24を含む。ネットワーク40と同様に、ベンダーネットワーク30は、任意の数の様々な有線及び/又は無線通信ネットワークとして具現化されてもよい。例えば、ベンダーネットワーク30は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、移動体ネットワーク、若しくはインターネット等の公的にアクセス可能なグローバルネットワークとして、又はそうでなければそれを含んで具現化されてもよい。加えて、ベンダーネットワーク30は、手術計画サーバ12、手術手順データベース20、手術嗜好データベース22、手順ビデオライブラリ24、及び/又はベンダー10の他のコンピューティング装置との間の通信を促進するように、任意の数の追加の装置を含み得る。
【0039】
幾つかの実施形態では、手術手順データベース20は、手術手順履歴データを維持してもよい。そのような実施形態では、手術手順履歴データは、他の外科医によって以前に実施された手術手順に対応するデータ(例えば、手術メモ、必要とされた整形外科的インプラントサイズ、要求された改訂、医療用画像、手術患者、患者固有の解剖学的構造データ、手術成果、手順時間計量等)を含み得る。加えて、幾つかの実施形態では、手術手順データベース20は、特定の外科医、医療施設、大学、及び/又は別の個人若しくは施設にブランド化された、又はそうでなければそれと関連付けられた、1つ又は2つ以上の手術手順計画を含み得る。そのように、1つ又は2つ以上の手術手順計画は、他の外科医及び/又は施設によって大成された技法を含み得る。もちろん、手術手順データベース20は、以前に実施された手術手順に対応する任意の他の種類の情報を維持してもよいことを理解されたい。
【0040】
手術嗜好データベース22は、1人以上の外科医の手術嗜好データを維持してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、手術嗜好データベース22は、1つ又は2つ以上の手術用器具嗜好、手術用テンプレート嗜好、手術手順嗜好、整形的インプラント嗜好、整形的インプラント材料嗜好、及び/又は任意の他の種類の手術嗜好に対応する情報を含み得る。もちろん、手術嗜好データベース22は、以前に実施された手術手順に対応する任意の他の種類の情報を維持してもよいことを理解されたい。幾つかの実施形態では、手術嗜好データベース22は、手術計画サーバ12を利用して、それぞれの外科医の別個のプロファイル内に手術嗜好データを維持してもよい。加えて、幾つかの実施形態では、手術嗜好データベース22は、1つ又は2つ以上の解剖学的基準閾値及び/又は解剖学的基準範囲を含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、手術嗜好データベース22は、基準閾値の大腿骨回転度若しくは他の量、及び/又は大腿骨回転度の基準範囲を含み得る。加えて、又はあるいは、手術嗜好データベース22は、脛骨傾斜度の基準範囲に若しくは他の量、及び/又は脛骨傾斜度の基準範囲を含み得る。例示的実施形態では、手術嗜好データベース22は、大腿骨及び脛骨に対応する基準閾値及び/又は基準範囲を含むが、手術嗜好データベース22は、患者の任意の他の解剖学的態様に対応する基準閾値及び/又は基準範囲を含み得る。以下により詳細に記載されるように、手術嗜好データベース22によって維持される1つ又は2つ以上の閾値及び/又は範囲は、特定の患者に対して実施される整形外科手術手順が、実施するのが困難な(例えば、複雑な、面倒な等)手術手順であるか否かを判定するのを促進するために使用されてもよい。
【0041】
手順ビデオライブラリ24は、1人以上の外科医によって実施された過去の手術手順のビデオ録画を維持してもよい。幾つかの実施形態では、手順ビデオライブラリ24は、データベースとして具現化されてもよい。加えて、又はあるいは、手順ビデオライブラリ24はまた、大容量記憶装置として具現化されてもよい。
【0042】
手術計画サーバ12は、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピューティング装置、及び/又は任意の他の種類のコンピューティング装置を含むが、これらに限定されない、本明細書に記載される機能を実施することができる、任意の種類のコンピューティング装置として具現化されてもよい。例示的手術計画サーバ12は、プロセッサ14、メモリ16、及びデータストレージ18を含む。もちろん、他の実施形態では、手術計画サーバ12は、コンピューティング装置に一般的に見られるもの(例えば、入力/出力サブシステム、通信回路、周辺装置、ディスプレイ等)等の他の、又は追加の構成要素を含み得る。加えて、幾つかの実施形態では、例示的構成要素の1つ又は2つ以上は、別の構成要素に組み込まれてもよい、又はそうでなければその一部であってもよい。
【0043】
プロセッサ14は、本明細書に記載される機能を実施することができる、任意の種類のプロセッサとして具現化されてもよい。例えば、プロセッサ14は、シングル若しくはマルチコアプロセッサ(単数又は複数)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、又は他のプロセッサ若しくは処理/制御回路として具現化されてもよい。同様に、メモリ16は、本明細書に記載される機能を実施することができる、任意の種類の揮発性若しくは不揮発性メモリ又はデータ記憶として具現化されてもよい。動作中、メモリ16は、様々なデータ、並びに手術計画サーバ12の動作中に使用されるオペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、及びドライバ等のソフトウェアを記憶してもよい。
【0044】
データ記憶18は、例えば、メモリ装置及び回路、メモリカード、ハードディスクドライブ、半導体ドライブ、若しくは他のデータ記憶装置等、データの短期間又は長期間記憶のために構成される任意の種類の装置(単数又は複数)として具現化されてもよい。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、プロセッサ14が近い将来に処理するとは予期されない、及び/若しくは長期にわたって保持することが望ましい、様々な種類のデータ並びに/又はソフトウェアを記憶してもよい。
【0045】
幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、ネットワーク40上で、1つ又は2つ以上の遠隔コンピューティング装置42と通信してもよい。遠隔コンピューティング装置42は、本明細書に記載される機能を実施することができる、任意の種類のコンピューティング装置として具現化されてもよい。そのように、遠隔コンピューティング装置42は、説明の明確化のために図1には示されていない、プロセッサ、メモリ装置、通信回路、及びデータ記憶等のコンピューティング装置に一般的に見られる装置並びに構造を含み得る。幾つかの実施形態では、以下により詳細に記載されるように、遠隔コンピューティング装置42は、手術計画サーバ12から、実施するのが複雑な(例えば、困難な、面倒な等)手順であると判定された、近々行われる整形外科手術手順中に施術される患者の骨解剖学的構造の領域の医療用画像を受信するように構成される。つまり、遠隔コンピューティング装置42は、施術される患者の関連する骨(単数又は複数)(及び所望により軟組織)の医療用画像を受信してもよい。幾つかの実施形態では、遠隔コンピューティング装置42はまた、手術計画サーバ12から、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する制約データも受信してもよい。
【0046】
遠隔コンピューティング装置42のそれぞれは、整形外科手術手順を実施する外科医以外の1人以上の外科医によって操作されてもよい、ないしは別の方法でアクセスされてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、整形外科手術手順を実施する外科医以外の外科医団が、遠隔コンピューティング装置42の1つ又は2つ以上を操作してもよい、ないしは別の方法でそれにアクセスしてもよい。以下により詳細に記載されるように、1人以上の他の外科医及び/又は他の外科医団は、手術計画サーバ12から受信される医療用画像及び/又は制約データを検討するために、遠隔コンピューティング装置(単数又は複数)42を利用してもよく、また、彼らの集合的(又は個々の)専門知識に基づき、近々行われる整形外科手術手順に関する、若しくは影響を与える、推奨及び/又は提案を提供してもよい。例えば、1人以上の他の外科医及び/又は他の外科医団は、近々行われる整形外科手術手順がどのように対して実施されるべきかに関する、及び/若しくは影響を与える、1つ又は2つ以上の推奨並びに/又は提案(例えば、整形的インプラントサイズ、手術用テンプレート、手術用器具、手術計画修正等)を提供してもよい。1人以上の他の外科医及び/又は他の外科医団が、近々行われる整形外科手術手順に関する、若しくは影響を与える、推奨及び/又は提案を提供する実施形態では、遠隔コンピューティング装置(単数又は複数)42は、そのような推奨及び/又は提案を、更なる処理のために手術計画サーバ12に送信するように構成されてもよい。
【0047】
加えて、又はあるいは、幾つかの実施形態では、遠隔コンピューティング装置42は、近々行われる整形外科手術手順に関する、若しくは影響を与える、1つ又は2つ以上の推奨及び/又は提案を生成するために、手術計画サーバ12から受信される医療用画像及び/又は制約データを解析してもよい。例えば、遠隔コンピューティング装置42によって生成される推奨及び/又は提案は、患者の骨解剖学的構造の受信された医療用画像上の推奨される場所及び位置に重ね合わせられた、推奨される整形的インプラントを描写する1つ又は2つ以上のデジタルテンプレートとして具現化されてもよい。また、遠隔コンピューティング装置42によって生成される推奨及び/又は提案は、整形外科手術手順に使用するための整形外科的インプラント及び/若しくは手術用器具の特定の種類、サイズ、並びに/又は構成についての1つ又は2つ以上の推奨として具現化されてもよい。加えて、又は代わって、推奨及び/又は提案は、整形外科手術手順中に使用するための患者固有の(例えば、カスタマイズされた)手術用器具(再利用可能な、使い捨ての等)を製造するための、遠隔コンピューティング装置42によって生成される仕様書を含み得る。もちろん、遠隔コンピューティング装置42は、整形外科手術手順がどのように対して実施されるべきかに関する任意の他の種類の推奨又は提案を生成してもよい。とにかく、遠隔コンピューティング装置(単数又は複数)42は、そのような推奨及び/又は提案を、更なる処理のために手術計画サーバ12に送信するように構成されてもよい。
【0048】
記載されるように、手術計画サーバ12は、医療施設50のコンピューティング装置52から受信される要求に応えて、患者に対して実施される、患者固有の整形外科手術手順のための手術計画を生成してもよい。幾つかの実施形態では、患者固有の手術計画は、少なくとも一部において、施術される患者の関連する骨(単数又は複数)(及び所望により軟組織)に対応する医療用画像及び制約データに基づいて生成されてもよい。例えば、以下により詳細に記載されるように、手術計画サーバ12は、近々行われる整形外科手術手順が実施される、患部の解剖学的構造(例えば、関連する骨(単数又は複数))の患者固有の解剖学的構造データを判定するために、医療用画像を解析してもよい。患部の解剖学的構造の患者固有の解剖学的構造データ、制約データ、及び手術手順履歴データに基づき、手術計画サーバ12は、実施される整形外科手術手順が、実施するのが困難な手術手順であるか否かを判定してもよい。幾つかの実施形態では、実施される整形外科手術手順は、実施するのが困難な手順ではないと判定するのに応えて、手術計画サーバ12は、実施される特定の種類の手術手順に対応する、一般的に認められる手術手順及び/又は標準に一致する、手術計画を生成してもよい。しかしながら、代わりに、実施される整形外科手術手順が、実施するのが困難な手順であると判定される場合、手術計画サーバ12は、潜在的困難性を外科医に通知してもよい。以下に記載されるように、幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、少なくとも一部において、1人以上の他の外科医から受信される推奨に基づき、困難な手術手順のためのカスタマイズされた患者固有の手術計画を生成してもよい。そのような実施形態では、困難な手術手順のために生成されるカスタマイズされた患者固有の手術計画は、面倒ではない手順のために生成される手術計画とは異なってもよい。つまり、直面する複雑性のため、困難な手術手順のために生成されるカスタマイズされた患者固有の手術計画は、面倒ではない手順のために生成される手術計画と比較して、追加の、及び/又は修正されたステップを含み得る。
【0049】
ここで、図2を参照すると、使用中、手術計画サーバ12は、医療施設50から受信される医療用画像データから患者固有の整形外科手術計画を生成するための方法200を実行してもよい。方法200は、手術計画サーバ12が、医療施設50による患者固有の手術計画の生成要求が受信されたか否かを判定する、ブロック202で開始する。幾つかの実施形態では、患者固有の手術計画の生成要求は、ネットワーク40を介して、医療施設50のコンピューティング装置52から受信されてもよい。要求は、要求される手術計画に関する任意のデータ、実施される整形外科手術手順に関連する任意のデータ、整形外科手術手順が実施される患者に関連する任意のデータ、及び/又は整形外科手術手順を患者向けにカスタマイズするのに有用な任意の他のデータを含み得る。例えば、要求データは、実施される整形外科手術手順の種類、使用される整形外科的インプラントの種類、患者の解剖学的関連部分のレンダリング画像、整形的インプラント及び/若しくは計画される切除線のデジタルテンプレート、術前メモ、図表、患者の病歴データ、X線写真、医療用画像、患者の医療記録、患者の識別データ、及び/又は整形外科手術手順を患者向けにカスタマイズするのに有用な任意の他のデータを含み得るが、これらに限定されない。ブロック202で、手術計画サーバ12が、患者固有の手術計画要求が受信されたと判定する場合、方法200は、ブロック204に進む。ブロック202で、手術計画サーバ12が、代わりに患者固有の手術計画要求が受信されていないと判定する場合、方法200は、ブロック202に戻り、患者固有の手術計画の生成要求の受信の監視を継続する。
【0050】
ブロック204で、手術計画サーバ12は、医療施設50から患者の患部の解剖学的構造の医療用画像を受信する。典型的に、そのような医療用画像は、整形外科手術手順の準備において、術前に生成される。医療用画像は、様々な種類の任意の数の医療用画像を含み得る。例えば、医療用画像は、患者の身体の矢状面に沿って撮影された関連骨(単数又は複数)の医療用画像、及び患者の身体の冠状面に沿って撮影された関連骨(単数又は複数)の医療用画像を含み得る。医療用画像は、X線写真画像、磁気共鳴映像法(MRI)画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、及び/又は関連骨(単数又は複数)の指示を提供することができる任意の他の種類の画像を含み得る。そのような画像化装置は、医療施設50内に位置してもよく、又はそれから遠隔に位置してもよい。画像化装置は、医療施設50に通信可能に接続されてもされなくてもよい。医療施設50から患者の患部の解剖学的構造の医療用画像を受信した後、方法200は、ブロック206に進む。
【0051】
ブロック206で、手術計画サーバ12は、実施される整形外科手術手順に対応する制約データを受信してもよい。制約データは、患者のための手術計画の生成を限定する、制限する、又はそうでなければそれに影響を与えてもよい。幾つかの実施形態では、ブロック208で、手術計画サーバ12は、患者固有の制約データを受信してもよい。患者固有の制約データは、1つ又は2つ以上の患者の医療記録、計画される切除線、患者の病歴データ、患者の識別データ(例えば、年齢、性別、活動レベル等)、及び/又は患者に対応する任意の他のデータを含み得る。加えて、又はあるいは、ブロック210で、手術計画サーバ12は、外科医の制約データを受信してもよい。外科医の制約データは、外科医の整形的インプラント種類の嗜好、外科医のインプラントの特定部分の嗜好、許容可能な整形的インプラントサイズの程度(例えば、推奨され得るインプラントサイズの範囲の制限)、切除される骨の量、外科医の好ましい手術計画の種類、整形外科的インプラントの計画される位置及び/又は配向、固定の種類(例えば、セメント若しくはセメント無し)、材料の種類、仕上げ、並びに頭部サイズ等の他の特徴及び金属対金属、金属対セラミック、セラミック対セラミック、金属対ポリ等の他の嗜好を含み得る。実施される整形外科手術手順に対応する制約データを受信した後、方法200は、ブロック214に進む。
【0052】
ブロック214で、手術計画サーバ12は、実施される整形外科手術手順が、実施するのが困難な整形外科手術手順であるか否かを判定する。そうするために、手術計画サーバ12は、患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順が、実施するのが困難な整形外科手術手順であるか否かを判定するための、図3に示される方法300を実行してもよい。方法300は、手術計画サーバ12が、患者の骨解剖学的構造の患部(例えば、整形外科手術手順が実施される関連骨(単数又は複数))を描写する、医療施設50から受信される医療用画像から、患者固有の解剖学的構造データを判定する、ないしは別の方法で取得する、ブロック302で開始する。そうするために、手術計画サーバ12は、医療用画像から、患者の骨又は骨解剖学的構造の関連外観を判定してもよい。例えば、手術計画サーバ12は、関連骨の1つ又は2つ以上の機能軸を判定するため、関連骨の1つ又は2つ以上の切除計画を判定するため、関連骨の特定の特徴を位置特定するため、大腿骨回転度を判定するため、脛骨傾斜度を判定するため、患者の骨解剖学的構造の患部内に既存の金属若しくは他の異物が存在するか否かを判定するため、及び/又は患者の骨解剖学的構造の患部内に解剖学的変形があるか否かを判定するため等のために、医療用画像を解析してもよい。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、関心物体若しくは領域を検出するため、及び/又は患者の骨若しくは骨解剖学的構造の関連外観を判定するために、医療用画像に画像解析手順(例えば、特徴検出、エッジ検出、コンピュータ・ビジョン、マシン・ビジョン等)を実施してもよい。もちろん、手術計画サーバ12は、医療用画像から患者の骨若しくは骨解剖学的構造の関連外観を取得する、判定する、ないしは別の方法で抽出するのに好適な任意の他の手順を使用してもよいことを理解されたい。医療用画像から患者固有の解剖学的構造データを判定した後、方法300は、ブロック304に進む。
【0053】
ブロック304で、手術計画サーバ12は、患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較する。例えば、幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データを、手術手順データベース20内に維持される解剖学的構造履歴データと比較してもよい。手術手順データベース20内に維持される解剖学的構造履歴データは、実施される、及び/又は既に実施された他の整形外科手術手順と関連して受信される医療用画像から取得される、他の患者の骨解剖学的構造の関連外観を含み得る。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、整形外科手術手順が実施される患者の骨解剖学的構造が、別の患者(例えば、現在又は過去の患者)の骨解剖学的構造と同様であるか否かを判定するために、患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較してもよい。もちろん、手術計画サーバ12は、整形外科手術手順が実施される患者に対応する患者固有の解剖学的構造データと他の患者に対応する解剖学的構造履歴データとの間の任意の他の種類の比較を実施してもよい。
【0054】
ブロック306で、手術計画サーバ12は、患者固有の解剖学的構造データが、1つ又は2つ以上の基準閾値を満たす、若しくは超えるか否か、及び/又は1つ又は2つ以上の基準範囲外に含まれるか否かを判定してもよい。そうするために、手術計画サーバ12は、医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データを、手術嗜好データベース22内に維持される1つ又は2つ以上の基準閾値及び/又は基準範囲と比較してもよい。幾つかの実施形態では、例えば、手術計画サーバ12は、ブロック308で、医療用画像から判定される大腿骨回転度を大腿骨回転基準度と比較してもよい。そのような実施形態では、手術計画サーバ12は、その後、医療用画像から判定される大腿骨回転度が、基準大腿骨回転度を超えるか否かを判定してもよい。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、ブロック310で、医療用画像から判定される脛骨傾斜度を基準脛骨傾斜度と比較してもよい。そのような実施形態では、手術計画サーバ12は、その後、医療用画像から判定される脛骨傾斜度が、基準脛骨傾斜度を超えるか否かを判定してもよい。
【0055】
ブロック312で、手術計画サーバ12は、医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データ内にいずれかの複雑性があるか否かを判定してもよい。記載されるように、手術計画サーバ12は、いずれかの既存の金属及び/又は他の異物が、患者の骨解剖学的構造の患部内に存在するか否かを、医療用画像から判定してもよい。加えて、手術計画サーバ12は、対応する患者の骨解剖学的構造の患部内に、解剖学的変形があるか否かを、医療用画像から判定してもよい。そのような実施形態では、手術計画サーバ12は、ブロック312で、患者固有の解剖学的構造データから、複雑性があると判定してもよい。例示的実施形態の手術計画サーバ12は、患者固有の解剖学的構造データから、既存の金属、異物、及び/又は変形があると判定するのに応えて、複雑性があると判定するが、他の実施形態では、手術計画サーバ12は、任意の他の種類の患者固有の解剖学的構造データから、複雑性がある判定してもよいことを理解されたい。
【0056】
ブロック314で、手術計画サーバ12は、事前解析に基づき、実施される手術手順が、実施するのが困難な手術手順であるか否かを判定してもよい。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、上述されるように、少なくとも一部において、医療用画像から判定される患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較するのに基づき、又はそうでなければそれに応じて、実施される手術手順が、困難な手順であると判定してもよい。例えば、手術計画サーバ12が、整形外科手術手順が実施される患者の骨解剖学的構造が、以前の同様の整形外科手術手順を受けた別の患者の骨解剖学的構造と同様であると判定する実施形態では、手術計画サーバ12は、以前の整形外科手術手順が困難であったと判定するのに基づき、実施される整形外科手術手順が、実施するのが困難な手術手順であると判定してもよい。加えて、又はあるいは、手術計画サーバ12は、ブロック314で、少なくとも一部において、患者固有の解剖学的構造データ(例えば、大腿骨回転度、脛骨傾斜度等)が、基準閾値(例えば、基準大腿骨回転度及び/又は基準脛骨傾斜度)を超える、及び/又は基準範囲外であると判定するのに基づき、実施される手術手順が、実施するのが困難な手術手順であると判定してもよい。ブロック314で、また、手術計画サーバ12は、少なくとも一部において、患者の骨解剖学的構造の患部(又は計画される手術領域)内に既存の金属、異物、及び/又は変形があると判定するのに基づき、実施される手術手順が、実施するのが困難な手術手順であると判定してもよい。もちろん、手術計画サーバ12は、実施される整形外科手術手順が、実施するのが困難な(例えば、複雑な、面倒な等)手術手順であるか否かを判定するために、任意の他の判定基準を使用してもよい。
【0057】
ここで、図2の参照に戻ると、ブロック216で、手術計画サーバ12が、実施される整形外科手術手順が、実施するのが困難な整形外科手術手順であると判定する場合、方法200は、以下に記載されるブロック224に進む。しかしながら、手術計画サーバ12が、ブロック216で、代わりに、実施される整形外科手術手順が、実施するのが困難な整形外科手術手順ではないと判定する場合、方法200は、ブロック218に進む。
【0058】
ブロック218で、手術計画サーバ12は、医療施設50から受信される医療用画像及び制約データに基づき、手術計画を生成する。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12によって生成される手術計画は、整形外科手術手順中に外科医によって実施されるべき個々の手術ステップを説明及び/又は描写する、1つ又は2つ以上の指示又は手順を含み得る。手術計画サーバ12は、少なくとも一部において、医療施設50から受信される医療用画像及び制約データ、整形外科手術手順を実施する特定の外科医、特定の種類の実施される整形外科手術手順、及び/又は特定の種類の実施される整形外科手術手順のための他の外科医によって完成された手術手順若しくは技法に基づき、又はそうでなければそれに応じて、外科医によって実施される個々の手術ステップを説明及び/若しくは描写する、1つ又は2つ以上の指示又は手順を選択してもよい。手術計画が、特定の種類の実施される整形外科手術手順のための他の外科医によって完成された手術手順及び/又は技法を含む実施形態では、手術計画サーバ12は、手術手順データベース20から、他の外科医によって勘sネイ大成された手術手順及び/又は技法を取り出してもよい。幾つかの実施形態では、また、手術計画サーバ12によって生成される手術計画は、他の外科医によって実施された同様の手術手順の1つ又は2つ以上のビデオ及び/又は画像も含み得る。手術計画が、類似する手術手順のビデオを含む実施形態では、手術計画サーバ12は、手順ビデオライブラリ24から1つ又は2つ以上のビデオを取り出してもよい。
【0059】
加えて、幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12によって生成される手術計画は、実施される整形外科手術手順の全て又は一部分が完了するのに必要とされる推定時間量を含み得る。そのような実施形態では、手術計画サーバ12は、少なくとも一部において、手術手順データベース20内に維持される手術手順履歴データに基づき、又はそうでなければそれに応じて、特定の実施される整形外科手術手順の全て又は一部分を完了するのに必要とされる量を推定するように構成されてもよい。記載されるように、手術手順データベース20内に維持される手術手順履歴データは、以前に実施された整形外科手術手順(又はその一部分)が完了するのにかかった時間量を具現化し得る、手順時間計量を含み得る。そのような実施形態では、手術計画サーバ12は、少なくとも一部において、以前に実施された実質的に類似する整形外科手術手順に対応する手順時間計量に基づき、実施される整形外科手術手順の推定時間量を判定してもよい。
【0060】
幾つかの実施形態では、また、手術計画サーバ12によって生成される手術計画は、患者の関連骨(単数又は複数)で使用するための整形的インプラント種類及びサイズの推奨も含み得る。そうするために、手術計画サーバ12は、患者の関連骨(単数又は複数)で使用するための整形外科的インプラントを判定して、外科医又は医療施設50に推奨するために、医療施設50から受信される医療用画像にデジタルテンプレート化手順を実施してもよい。例えば、手術計画サーバ12によって医療用画像に対して実施されるデジタルテンプレート化手順は、全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2009/0089081号に記載される、デジタルテンプレート化手順と同様であってよい。加えて、又はあるいは、手術計画サーバ12は、医療施設50から受信される制約データを満足する、適切な整形外科的インプラントの種類及びサイズを選択してもよい。
【0061】
幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12によって生成される手術計画は、デジタルテンプレート化手順に基づいて推奨される整形的インプラントに加えて、医療施設50から受信された医療用画像に実施されたデジタルテンプレート化を実施するために使用された、結果としてもたらされる画像の複製を含み得る。例えば、例示的一実施形態では、図6に図示されるように、手術計画サーバ12は、患者の骨の医療用画像602上に重ね合わせられた、推奨される整形的インプラントのデジタルテンプレート600を含む、手術計画を生成してもよい。例示的デジタルテンプレート600は、二次元テンプレートとして図示されるが、他の実施形態では、デジタルテンプレートは、推奨される整形外科的インプラントの任意の数の二次元及び/又は三次元電子レンダリングを含み得る。
【0062】
加えて、幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12によって生成される手術計画は、整形外科手術手順を実施するために必要とされる整形外科手術用具、製品、及び/又は器具の一覧を含み得る。例えば、生成される手術計画は、整形外科手術手順を完了するために必要とされる1つ又は2つ以上の整形外科手術用インプラント、ドリル/ピンガイド、脛骨切断ガイドブロック、大腿骨切断ガイドブロック、整合ガイド、及び/又はテンプレートを示す、用具一覧を含み得る。もちろん、用具一覧は、整形外科手術手順を実施するために必要とされる任意の整形外科手術用具、製品、及び/又は器具を含み得ることを理解されたい。
【0063】
加えて、又はあるいは、幾つかの実施形態では、手術計画は、整形外科手術手順中に使用するための、ベンダー10によって提供されてもよい、使い捨てのキットを示す情報を含み得る。そのような実施形態では、使い捨てのキットは、整形外科手術手順を完了するために必要とされるが、整形外科手術手順の後に廃棄されてもよい、1つ又は2つ以上の使い捨て(例えば、1回、単一手順、単一患者等)の用具、製品、及び/又は器具を含み得る。例えば、使い捨てのキットは、特定の患者への整形外科手術手順を完了するために必要とされる、特定の患者で使用するために判定される特異的な整形的インプラント、並びに1つ又は2つ以上の患者固有の使い捨ての整形外科手術用インプラント、使い捨てのドリル/ピンガイド、使い捨ての脛骨切断ガイドブロック、使い捨ての大腿骨切断ガイドブロック、使い捨ての整合ガイド、及び/又は使い捨てのテンプレートを含み得る。もちろん、使い捨てのキットは、整形外科手術手順を実施するために必要とされる任意の他の種類の使い捨ての整形外科手術用具、製品、及び/又は器具を含み得ることを理解されたい。使い捨てのキット内に含まれる使い捨ての手術用具、製品、及び/又は器具は、患者に固有のものであり、結果として、特定の患者用にカスタマイズされることを更に理解されたい。
【0064】
図2の参照に戻ると、手術計画の具体的なコンテンツに関わらず、手術計画サーバ12は、ブロック220で、ネットワーク40を介して、生成された手術計画を医療施設50に送信してもよい。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、外科医による検討のために、生成された手術計画を、医療施設50内に位置するコンピューティング装置52に送信してもよい。
【0065】
ブロック216の参照に戻り、実施される整形外科手術手順が、実施するのが困難な整形外科手術手順であると判定するのに応えて、方法200は、手術計画サーバ12が、実施される整形外科手術手順が困難であることを外科医に知らせる通知メッセージを生成する、ブロック224に進む。かかる実施形態では、手術計画サーバ12は、ネットワーク40を介して、通知メッセージを医療施設50に送信してもよい。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、外科医に表示されるように、通知メッセージを、医療施設50内に位置するコンピューティング装置52に送信してもよい。
【0066】
幾つかの実施形態では、ブロック226で、また、手術計画サーバ12は、実施される整形外科手術手順が、実施するのが困難な整形外科手術手順であると判定するのに応えて、医療用画像及び制約データも遠隔コンピューティング装置(単数又は複数)42に送信してもよい。かかる形態では、近々行われる整形外科手術手順を実施する外科医以外の1人又は2人以上の外科医が、手術計画サーバ12から受信される医療用画像及び/又は制約データに基づき、近々行われる整形外科手術手順に関する、若しくは影響を与える、1つ又は2つ以上の推奨及び/又は提案を提供してもよい。例えば、1人又は2人以上の外科医(例えば、外科医団)は、手術計画サーバ12から受信される医療用画像及び/又は制約データを検討してもよく、彼らの専門知識に基づき、患者の関連骨(単数又は複数)(及び/又は軟組織)に対して実施される整形外科手術手順に関する推奨及び/又は提案(例えば、推奨される手順、推奨される整形外科的インプラント、使用する整形外科的インプラントのサイズ若しくはサイズ範囲、推奨される手術用器具、推奨される使用するガイド若しくはテンプレート、切除されるべき骨量、推奨される切除されるべき骨の位置及び/若しくは配向、推奨される整形外科的インプラントの位置及び/若しくは配向、整形的インプラントの固定種類、警告等)を提供してもよい。もちろん、他の外科医によって提供される推奨及び/又は提案は、実施される整形外科手術手順に対応する、及び/若しくは影響を与える、任意の他の種類の推奨、提案、並びに/又は情報を含み得ることを理解されたい。加えて、実施される整形外科手術手順に影響を与える1つ又は2つ以上の推奨及び/又は提案は、遠隔コンピューティング装置42自体によって生成されてもよい。幾つかの実施形態では、遠隔コンピューティング装置42は、ネットワーク40を介して、他の外科医(及び/又は他の外科医団)によって提供される1つ又は2つ以上の推奨及び/又は提案を手術計画サーバ12に送信してもよい。
【0067】
ブロック228で、手術計画サーバ12は、遠隔コンピューティング装置(単数又は複数)42から、実施される困難な整形外科手術手順に関する1つ又は2つ以上の推奨及び/又は提案を受信する。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、ネットワーク40を介して、遠隔コンピューティング装置(単数又は複数)42から1つ又は2つ以上の提案及び/又は推奨を受信する。実施される困難な整形外科手術手順に関する提案及び/又は推奨を受信した後、方法200は、ブロック230に進む。
【0068】
ブロック230で、手術計画サーバ12は、医療施設50から受信される医療用画像及び制約データ、並びに遠隔コンピューティング装置42を介して他の外科医から提供される1つ又は2つ以上の提案及び/又は推奨に基づき、患者の関連骨解剖学的構造(例えば、関連骨(単数又は複数))に対して実施される困難な整形外科手術手順のためのカスタマイズされた患者固有の手術計画を生成する。そうするために、手術計画サーバ12は、実施するのが困難であると判定されない整形外科手術手順のための手術計画を生成するための、ブロック218に関して上述される手順と類似する手順を使用して、実施される困難な整形外科手術手順のためのカスタマイズされた患者固有の手術計画を生成してもよい。しかしながら、実施される困難な整形外科手術手順のためのカスタマイズされた患者固有の手術計画の生成において、手術計画サーバ12は、遠隔コンピューティング装置42を介して他の外科医によって提供される1つ又は2つ以上の推奨及び/又は提案を考慮してもよい。そのように、手術計画サーバ12は、実施される困難な整形外科手術手順のためのカスタマイズされた患者固有の手術計画を生成する。実施される困難な整形外科手術手順のためのカスタマイズされた患者固有の手術計画を生成した後、方法200は、手術計画サーバ12が、ネットワーク40を介して、生成されたカスタマイズされた患者固有の手術計画を医療施設50に送信する、ブロック232に進む。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、近々行われる整形外科手術手順を実施する外科医による検討のために、カスタマイズされた患者固有の手術計画を、医療施設50内に位置するコンピューティング装置52に送信してもよい。
【0069】
ここで、図4を参照すると、使用中、手術計画サーバ12は、手術手順履歴データを更新する、方法400を実行してもよい。方法400は、手術計画サーバ12が、患者固有の手術計画及び/又はカスタマイズされた患者固有の手術計画(例えば、困難な整形外科手術手順のための)を、医療施設50及び/又は医療施設50のコンピューティング装置52に送信する、ブロック402で開始する。
【0070】
続いて、ブロック404で、手術計画サーバ12は、外科医によって実施された整形外科手術手順の1つ又は2つ以上の手術結果及び/又は成果を受信する。幾つかの実施形態では、整形外科手術手順の手術結果及び/又は成果は、手術メモ(術前、術後等)、必要な手術計画からの逸脱に対応する情報、整形外科手術手順中に撮影された画像、整形外科手術手順中に記録されたビデオ、整形外科手術手順中に撮られた録音、整形外科手術手順中に撮影された医療用画像、及び/又は整形外科手術手順の実施を説明若しくは図示する任意の他の種類の情報を含み得る。外科医によって実施された整形外科手術手順の手術手順結果及び/又は成果を受信した後、方法400は、ブロック406に進む。
【0071】
ブロック406で、手術計画サーバ12は、外科医によって実施された整形外科手術手順の受信された1つ又は2つ以上の手術結果及び/又は成果を用いて、手術手順履歴データ及び/又は手術嗜好データを更新してもよい。そうするために、手術計画サーバ12は、1つ又は2つ以上の手術結果及び/又は成果を含むように、手術手順データベース20及び/又は手術嗜好データベース22を更新してもよい。そのように、1つ又は2つ以上の手術結果及び/又は成果は、他の患者に対して実施される、続く整形外科手術手順(又は同一の患者に対して実施される続く手順)の手術計画の生成及び/又は困難性のレベルの判定を促進するために使用されてもよい。
【0072】
ここで、図5を参照すると、使用中、手術計画サーバ12は、新規のユーザーを登録するための方法500を実行してもよい。方法500は、手術計画サーバ12が、手術計画サーバ12の外科医(例えば、ユーザー)が、新規の外科医(例えば、新規のユーザー)であるか否かを判定する、ブロック502で開始する。そうするために、手術計画サーバ12は、新規の患者固有の手術計画の生成を要求する外科医が、手術計画サーバ12の新規のユーザーであるか、又は既存のユーザーであるかを判定してもよい。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、コンピューティング装置52を介して外科医から受信されるユーザーログイン情報(例えば、ユーザー名、パスワード、及び/又は任意の他の種類の認証情報)に基づき、又はそうでなければそれに応じて、外科医が新規のユーザーであるか否かを判定してもよい。ブロック502で、手術計画サーバ12が、外科医が新規の外科医(例えば、新規のユーザー)であると判定する場合、方法500は、ブロック504に進む。しかしながら、手術計画サーバ12が、外科医が既存の外科医(例えば、既存のユーザー)であると判定する場合、方法500は、新規の外科医ユーザーを監視するブロック502に戻る。
【0073】
ブロック504で、手術計画サーバ12は、新規の外科医をユーザーとして登録する。そうするために、手術計画サーバ12は、外科医の新規のアカウントを生成してもよい。加えて、幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、外科医のプロファイルを生成してもよい。かかる実施形態では、外科医の生成されるプロファイルは、手術嗜好データベース22によって維持されてもよい。もちろん、手術計画サーバ12は、新規のユーザーをシステムに登録するのに典型的な任意の他の手順及び/又は動作を実施してもよいことを理解されたい。
【0074】
ブロック506で、手術計画サーバ12は、新規の外科医から手術嗜好データを受信してもよい。受信される手術嗜好データは、1つ又は2つ以上の外科医の整形外科的インプラント種類の嗜好、外科医のインプラント又は手術手順の特定の部分の嗜好、許容可能な整形外科的インプラントサイズの程度(例えば、推奨され得るインプラントサイズの範囲に関する制限)、外科医の固定種類の嗜好(例えば、セメント又はセメント無し)、材料種類、仕上げ、並びに頭部サイズ等の他の特徴及び金属対金属、金属対セラミック、セラミック対セラミック、金属対ポリ等の他の嗜好を含み得る。
【0075】
ブロック508で、手術計画サーバ12は、新規の外科医から受信される手術嗜好データを含むように、新規の外科医の作成されたプロファイルを更新してもよい。そうするために、手術計画サーバ12は、手術嗜好データベース22内の新規の外科医に対応するプロファイルを更新してもよい。
【0076】
幾つかの実施形態では、ブロック510で、手術計画サーバ12は、新規に登録された外科医から手術手順履歴データを受信してもよい。新規に登録された外科医から受信される手術手順履歴データは、外科医によって以前に実施された整形外科手術手順に対応する1つ又は2つ以上の手術結果及び/又は成果を含み得る。例えば、新規に登録された外科医から受信される1つ又は2つ以上の手術結果及び/又は成果は、1つ又は2つ以上の手術メモ(術前、術後等)、必要な以前の手術計画からの逸脱に対応する情報、以前の整形外科手術手順中に撮影された画像、以前の整形外科手術手順中に記録されたビデオ、以前の整形外科手術手順中に撮られた録音、以前の整形外科手術手順中に撮影された医療用画像、及び/又は外科医によって以前に実施された整形外科手術手順を説明若しくは図示する任意の他の種類の情報を含み得る。幾つかの実施形態では、手術計画サーバ12は、新規に登録された外科医から受信される1つ又は2つ以上の手術結果及び/又は成果を用いて、手術手順データベース20内の手術手順履歴データを更新してもよい。そのように、1つ又は2つ以上の手術結果及び/又は成果は、患者に対して実施される続く整形外科手術手順の手術計画の生成及び/又は困難性の判定を促進するために使用されてもよい。
【0077】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したにすぎないのであって、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更並びに改変は全て保護されることが望ましい点は理解されよう。
【0078】
本明細書に記載の装置、システム、及び方法の様々な特性から本開示の複数の利点が生ずることに留意する。本開示の装置、システム、及び方法の代替実施形態は、記載された特性の全てを含んでいない場合もあるが、それでも依然としてこのような特性の利点の少なくともいくらかから恩恵を享受していることが留意される。当業者であれば、本発明の1つ又は2つ以上の特徴を取り入れた、「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される装置、システム、及び方法を独自に実施することが容易に可能であろう。
【0079】
〔実施の態様〕
(1) 医療用画像データから整形外科手術手順のための手術計画を生成するための方法であって、
ネットワークを介して医療施設のコンピューティング装置から整形外科手術計画要求を受信することと、
患者の骨解剖学的構造の医療用画像を受信することと、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する制約データを受信することと、
前記受信された医療用画像及び前記受信された制約データに基づき、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することと、
(i)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手順が、困難な整形外科手術手順ではないと判定するのに応えて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための第1の手術計画、又は(ii)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手順が、困難な整形外科手術手順であると判定するのに応えて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための、前記第1の手術計画とは異なる第2の手術計画、のうちの1つを生成することと、
前記ネットワークを介して前記第1の手術計画又は前記第2の手術計画のうちの少なくとも1つを前記医療施設の前記コンピューティング装置に送信することと、を含む、方法。
(2) 前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から、患者固有の解剖学的構造データを判定すること、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データを、解剖学的構造履歴データと比較すること、を更に含み、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較するのに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること、を含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定された前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定すること、を更に含み、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データが、前記基準範囲外であるか、又は前記基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであると判定するのに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること、を含む、実施態様2に記載の方法。
(5) 前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定された前記患者固有の解剖学的構造データから取得される大腿骨回転度を比較すること、を更に含み、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データから取得される前記大腿骨回転度が、基準閾値の大腿骨回転度(reference threshold degree of femoral rotation)を超えるか否かを判定することを含む、実施態様4に記載の方法。
【0080】
(6) 前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定された前記患者固有の解剖学的構造データから取得される脛骨傾斜を比較すること、を更に含み、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定された前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データから取得される前記脛骨傾斜が、基準閾値の脛骨傾斜(reference threshold tibial slope)を超えるか否かを判定することを含む、実施態様4に記載の方法。
(7) 前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定された前記患者固有の解剖学的構造データに応じて、複雑性があるか否かを判定すること、を更に含み、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、複雑性があると判定するのに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること、を含む、実施態様2に記載の方法。
(8) 前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定された前記患者固有の解剖学的構造データに応じて、複雑性があるか否かを判定することが、(i)前記患者固有の解剖学的構造データに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記整形外科手術手順が実施される手術領域内に、既存の金属が存在するか否か、又は(ii)前記患者固有の解剖学的構造データに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造内に解剖学的構造的変形があるか否か、のうちの少なくとも1つを判定すること、を含む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記ネットワークを介して前記受信された医療用画像及び前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に対応する前記制約データを遠隔コンピューティング装置に送信することと、
前記ネットワークを介して前記遠隔コンピューティング装置から、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に影響を与える推奨を受信することと、を更に含み、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための前記第2の手術計画を生成することが、前記遠隔コンピューティング装置から受信された前記推奨に応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための前記第2の手術計画を生成すること、を含む、実施態様2に記載の方法。
(10) 前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であると判定することに応えて、通知を生成することと、
前記生成された通知を前記医療施設の前記コンピューティング装置に送信することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0081】
(11) 患者の骨解剖学的構造の医療用画像を受信することが、X線画像、磁気共鳴映像法画像、コンピュータ断層撮影画像、又は三次元超音波画像のうちの少なくとも1つを受信すること、を含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記第1及び第2の手術計画が、(i)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に対応する、複数個の順序付けられた手術ステップ及び指示用画像、(ii)実施される前記整形外科手術手順中の使用のための推奨される整形外科的インプラント、(iii)前記医療用画像内の前記患者の前記骨解剖学的構造上に重ね合わせられた前記推奨される整形外科的インプラントのデジタルテンプレートを備える画像、(iv)実施される前記整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される再利用可能な器具、(v)実施される前記整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される患者別の器具、(vi)実施される前記整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される使い捨ての器具、又は(vii)同様の骨解剖学的構造を有する他の患者に実施された手術手順の1つ又は2つ以上のビデオ、のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記ネットワークを介して前記医療施設の前記コンピューティング装置から前記整形外科手術計画要求を受信することが、前記医療施設の前記コンピューティング装置を介して、外科医から前記手術計画要求を受信すること、を含み、
前記方法が、
前記外科医が前記手術計画サーバの登録ユーザーであるか否かを判定することと、
前記外科医が登録ユーザーではないと判定することに応えて、前記外科医を前記手術計画サーバのユーザーとして登録することと、
前記外科医の手術手順嗜好に対応する手術嗜好データを受信することと、
前記外科医に対応するプロファイル内の手術嗜好データを更新することと、
前記外科医によって実施された手術手順に対応する手術手順履歴データを受信することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記ネットワークを介して前記医療施設の前記コンピューティング装置から手術手順結果を受信することと、
前記受信された手術手順結果に応じて、解剖学的構造履歴データを更新することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(15) 機械可読媒体であって、前記機械可読媒体に記憶される複数個の命令を含み、前記複数個の命令が、実行されるのに応えて、手術計画サーバに、
ネットワークを介して医療施設のコンピューティング装置から整形外科手術計画要求を受信させ、
患者の骨解剖学的構造の医療用画像を受信させ、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する制約データを受信させ、
前記受信された医療用画像及び前記受信された制約データに基づき、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定させ、
(i)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手順が、困難な整形外科手術手順ではないと判定することに応えて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための第1の手術計画、又は(ii)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手順が、困難な整形外科手術手順であると判定することに応えて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための第2の手術計画であって、前記第1の手術計画とは異なる、カスタマイズされた計画である、第2の手術計画、のうちの1つを生成させ、
前記ネットワークを介して前記第1の手術計画又は第2の手術計画のうちの少なくとも1つを前記医療施設の前記コンピューティング装置に送信させる、機械可読媒体。
【0082】
(16) 前記複数個の命令が、実行されるのに応えて、更に、前記手術計画サーバに、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から患者固有の解剖学的構造データを判定させ、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定させ、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データが、前記基準範囲外であるか、又は前記基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであると判定することに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定すること、を含む、実施態様15に記載の機械可読媒体。
(17) 医療用画像データから整形外科手術手順のための手術計画を生成するためのシステムであって、
患者の骨解剖学的構造に対して実施される整形外科手術手順に対応する整形外科手術計画要求を生成する、医療施設のコンピューティング装置と、
(i)ネットワークを介して前記医療施設の前記コンピューティング装置から前記整形外科手術計画要求を受信し、(ii)前記医療施設の前記コンピューティング装置から、前記整形外科手術手順が実施される前記患者の前記骨解剖学的構造の医療用画像を受信し、(iii)前記医療施設の前記コンピューティング装置から、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に対応する制約データを受信し、(iv)前記受信された医療用画像及び前記受信された制約データに基づき、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定し、(v)(a)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手順が、困難な整形外科手術手順ではないと判定することに応えて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための第1の手術計画、又は(b)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手順が、困難な整形外科手術手順であると判定することに応えて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための第2の手術計画であって、前記第2の手術計画が、前記第1の手術計画とは異なる手術計画である、第2の手術計画、のうちの1つを生成し、(vi)前記ネットワークを介して前記第1の手術計画又は第2の手術計画のうちの少なくとも1つを前記医療施設の前記コンピューティング装置に送信する、ベンダーの手術計画サーバと、を備える、システム。
(18) 前記手術計画サーバが更に、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から患者固有の解剖学的構造データを判定する、実施態様17に記載のシステム。
(19) 前記手術計画サーバが更に、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較し、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データを解剖学的構造履歴データと比較することに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することを含む、実施態様18に記載のシステム。
(20) 前記手術計画サーバが更に、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定し、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データが、前記基準範囲外である、又は前記基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであると判定することに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することを含む、実施態様18に記載のシステム。
【0083】
(21) 前記手術計画サーバが更に、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データから取得される大腿骨回転度を比較し、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外である、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データから取得される前記大腿骨回転度が、基準閾値の大腿骨回転度を超えるか否かを判定することを含む、実施態様20に記載のシステム。
(22) 前記手術計画サーバが更に、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データから取得される脛骨傾斜を比較し、
前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データが、基準範囲外であるか、又は基準閾値を超える、のうちの少なくとも1つであるか否かを判定することが、前記患者固有の解剖学的構造データから取得される前記脛骨傾斜が、基準閾値の脛骨傾斜を超えるか否かを判定することを含む、実施態様20に記載のシステム。
(23) 前記手術計画サーバが更に、前記患者の前記骨解剖学的構造の前記医療用画像から判定される前記患者固有の解剖学的構造データに応じて、複雑性があるか否かを判定し、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することが、複雑性があると判定するのに応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であるか否かを判定することを含む、実施態様22に記載のシステム。
(24) (i)前記ネットワークを介して前記手術計画サーバから前記医療用画像及び前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に対応する前記制約データを受信し、(ii)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に影響を与える推奨を生成し、(iii)前記ネットワークを介して前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に影響を与える前記推奨を前記手術計画サーバに送信する、遠隔コンピューティング装置を更に備え、
前記手術計画サーバが更に、前記遠隔コンピューティング装置から、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に影響を与える前記推奨を受信し、
前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための前記第2の手術計画を生成することが、前記遠隔コンピューティング装置から受信される前記推奨に応じて、前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順のための前記第2の手術計画を生成することを含む、実施態様22に記載のシステム。
(25) 前記手術計画サーバが更に、(i)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順が、困難な整形外科手術手順であると判定することに応えて、通知を生成し、(ii)前記ネットワークを介して、前記生成された通知を前記医療施設の前記コンピューティング装置に送信し、
前記第1及び第2の手術計画が、(i)前記患者の前記骨解剖学的構造に対して実施される前記整形外科手術手順に対応する、複数個の順序付けられた手術ステップ及び指示用画像、(ii)実施される前記整形外科手術手順中の使用のための推奨される整形外科的インプラント、(iii)前記医療用画像内の前記患者の前記骨解剖学的構造上に重ね合わせられた前記推奨される整形外科的インプラントのデジタルテンプレートを備える画像、(iv)実施される前記整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される再利用可能な器具、(v)実施される前記整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される患者別の器具、(vi)実施される前記整形外科手術手順中に使用する1つ又は2つ以上の推奨される使い捨ての器具、又は(vii)同様の骨解剖学的構造を有する他の患者に実施された手術手順の1つ又は2つ以上のビデオ、のうちの少なくとも1つを含む、実施態様17に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6