特許第6779970号(P6779970)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェイディーエス ユニフェイズ コーポレーションの特許一覧

特許6779970パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供する技術
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6779970
(24)【登録日】2020年10月16日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供する技術
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/32 20120101AFI20201026BHJP
【FI】
   G06Q50/32
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-243466(P2018-243466)
(22)【出願日】2018年12月26日
(62)【分割の表示】特願2014-223259(P2014-223259)の分割
【原出願日】2014年10月31日
(65)【公開番号】特開2019-83032(P2019-83032A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2019年1月18日
(31)【優先権主張番号】61/898,819
(32)【優先日】2013年11月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/898,834
(32)【優先日】2013年11月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】リジー エドアルド
(72)【発明者】
【氏名】ヤマニ サメハ
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0157688(US,A1)
【文献】 特表2010−525685(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0161371(US,A1)
【文献】 特表2009−523363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
移動体通信ネットワーク内のマイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントに通信結合された1つ以上のプロセッサとを具えたシステムであって、
前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントは、前記移動体通信ネットワークの単一のネットワーク・ハードウェア要素のトラフィックを監視し、
前記1つ以上のプロセッサは:
前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントと通信して、前記移動体通信ネットワークに関連するネットワーク・パフォーマンスデータを収集し、
前記移動体通信ネットワークに関連するネットワーク・パフォーマンスデータを見るためのユーザ・インタフェースを、モバイル機器に用意し、
前記ユーザ・インタフェースにより前記ネットワーク・パフォーマンスデータを見るための、1つ以上のユーザ選択可能な選択肢を前記モバイル機器に提供し、
前記1つ以上のユーザ選択可能な選択肢に基づいて、前記ネットワーク・パフォーマンスデータを動的にフィルタ処理し、
前記動的にフィルタ処理したネットワーク・パフォーマンスデータに基づいて、可視化を前記モバイル機器に表示して提供し、
信号を、前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントのうちの第1マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントから前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントのうちの第2マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントへリアルタイムで送信して、前記移動体通信ネットワークのアクセス側において分析された1つ以上の他のパケットを無視することの必要性に関して、前記第2マイクロ・ネットワーク・アクセスエージェントに警告する
ように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントの各々は、前記単一のネットワーク・ハードウェア要素の1つ以上のトラフィックポート内に入り込むポートを含む単一のネットワーク・ハードウェア要素またはハードウェア装置上で実行されるソフトウェア・アプリケーションであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザ選択可能な選択肢が、位置情報、日付情報、時刻情報、対象領域情報、パフォーマンスの数値指標情報、サイズ情報、または影響情報のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記可視化が、地図画面、スコープ画面、ズーム画面、クラスタ画面、アクセッシビリティ・リテイナビリティ・インテグリティ・モビリティ(ARIM)画面、ネットワーク・パフォーマンス画面、及び根本原因分析(RCA)画面、またはカスタム画面のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記可視化が、前記移動体通信ネットワークに関連する潜在的問題に関連する少なくとも1つの根本原因を含む1つ以上の追加的な画面を提示することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の追加的な画面が、前記少なくとも1つの根本原因に関連する少なくとも1つのあり得る結論を含み、
前記1つ以上の追加的な画面は、チャート、グラフ、概要、報告、傾向、画像、または地図のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントが、
eノードB要素、
サービス用ゲートウェイ、
パケットデータ・ネットワーク(PDN)ゲートウェイ
のうちの1つのトラフィックを監視することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、移動体通信ネットワーク内のマイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントに通信結合された1つ以上のプロセッサによって実行されると、該1つ以上のプロセッサに:
前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントと通信して、前記移動体通信ネットワークに関連するネットワーク・パフォーマンスデータを収集すること、
前記移動体通信ネットワークに関連するネットワーク・パフォーマンスデータを見るためのユーザ・インタフェースを、モバイル機器に用意すること、
前記ユーザ・インタフェースにより前記ネットワーク・パフォーマンスデータを見るための、1つ以上のユーザ選択可能な選択肢を前記モバイル機器に提供すること、
前記1つ以上のユーザ選択可能な選択肢に基づいて、前記ネットワーク・パフォーマンスデータを動的にフィルタ処理すること、
前記動的にフィルタ処理したネットワーク・パフォーマンスデータに基づいて、可視化を前記モバイル機器に表示して提供すること、及び
信号を、前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントのうちの第1マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントから前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントのうちの第2マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントへリアルタイムで送信して、前記移動体通信ネットワークのアクセス側において分析された1つ以上の他のパケットを無視することの必要性に関して、前記第2マイクロ・ネットワーク・アクセスエージェントに警告すること
を行わせる1つ以上の命令を含み、
前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントは、前記移動体通信ネットワークの単一のネットワーク・ハードウェア要素のトラフィックを監視することを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントの各々は、前記単一のネットワーク・ハードウェア要素の1つ以上のトラフィックポート内に入り込むポートを含む単一のネットワーク・ハードウェア要素またはハードウェア装置上で実行されるソフトウェア・アプリケーションであることを特徴とする請求項請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
前記1つ以上のユーザ選択可能な選択肢が、位置情報、日付情報、時刻情報、対象領域情報、パフォーマンスの数値指標情報、サイズ情報、及び影響情報のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
前記可視化が、地図画面、スコープ画面、ズーム画面、クラスタ画面、アクセッシビリティ・リテイナビリティ・インテグリティ・モビリティ(ARIM)画面、ネットワーク・パフォーマンス画面、及び根本原因分析(RCA)画面、またはカスタム画面のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記可視化が、前記移動体通信ネットワークに関連する潜在的問題に関連する少なくとも1つの根本原因を含む1つ以上の追加的な画面を提示することを特徴とする請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記1つ以上の追加的な画面が、前記少なくとも1つの根本原因に関連する少なくとも1つのあり得る結論を含み、
前記1つ以上の追加的な画面は、チャート、グラフ、概要、報告、傾向、画像、または地図のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントが、
eノードB要素、
サービス用ゲートウェイ、
パケットデータ・ネットワーク(PDN)ゲートウェイ
のうちの1つのトラフィックを監視することを特徴とする請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
装置によって、マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントと通信して、移動体通信ネットワークに関連するネットワーク・パフォーマンスデータを収集するステップと、
前記装置によって、前記移動体通信ネットワークに関連するネットワーク・パフォーマンスデータを見るためのユーザ・インタフェースを、モバイル機器に用意するステップと、
前記装置によって、前記ユーザ・インタフェースにより前記ネットワーク・パフォーマンスデータを見るための、1つ以上のユーザ選択可能な選択肢を前記モバイル機器に提供するステップと、
前記装置によって、前記1つ以上のユーザ選択可能な選択肢に基づいて、前記ネットワーク・パフォーマンスデータを動的にフィルタ処理するステップと、
前記装置によって、前記動的にフィルタ処理したネットワーク・パフォーマンスデータに基づいて、可視化を前記モバイル機器に表示して提供するステップと、
前記装置によって、信号を、前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントのうちの第1マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントから前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントのうちの第2マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントへリアルタイムで送信して、前記移動体通信ネットワークのアクセス側において分析された1つ以上の他のパケットを無視することの必要性に関して、前記第2マイクロ・ネットワーク・アクセスエージェントに警告するステップと
を含み、
前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントは、前記移動体通信ネットワークの単一のネットワーク・ハードウェア要素のトラフィックを監視することを特徴とする方法。
【請求項16】
前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントの各々は、前記単一のネットワーク・ハードウェア要素の1つ以上のトラフィックポート内に入り込むポートを含む単一のネットワーク・ハードウェア要素またはハードウェア装置上で実行されるソフトウェア・アプリケーションであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ユーザ選択可能な選択肢が、位置情報、日付情報、時刻情報、対象領域情報、パフォーマンスの数値指標情報、サイズ情報、及び影響情報のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記可視化が、前記移動体通信ネットワークに関連する潜在的問題に関連する少なくとも1つの根本原因を含む1つ以上の追加的な画面を提示することを特徴とする請求項15に記載の方法
【請求項19】
前記1つ以上の追加的な画面が、前記少なくとも1つの根本原因に関連する少なくとも1つのあり得る結論を含み、
前記1つ以上の追加的な画面は、チャート、グラフ、概要、報告、傾向、画像、または地図のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法
【請求項20】
前記マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントが、
eノードB要素、
サービス用ゲートウェイ、
パケットデータ・ネットワーク(PDN)ゲートウェイ
のうちの1つのトラフィックを監視することを特徴とする請求項15に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許仮出願第61/898819号、発明の名称”Viewport Explorer”
、2013年11月1日出願、及び米国特許仮出願第61/898834号、発明の名称
”Viewport Customer Experience Assurance System and User Interface”、2013年
11月1日出願に基づいて優先権を主張し、これらは共にその全文を参照する形で本明細
書に含める。
【0002】
発明の分野
本発明は、通信ネットワークに関するものであり、特に、パフォーマンス(性能)デー
タの可視化及び分析を提供する技術に関するものである。
【背景技術】
【0003】
背景
数が増大する移動体通信装置をサポートするために、ネットワーク上で提供されるサー
ビスが最適な加入者体験のための所定のサービス品質を満足することを通信サービス・プ
ロバイダ(CSP:communication service provider)が保証する、サービス保証または
顧客体験保証(CEA:customer experience assurance)が、ますます重要になりつつ
ある。CEAは、CSPがネットワーク内の欠陥を識別し、これらの問題を適時に解決し
て、サーバーのダウン時間を最小にすることを可能にする。これに加えて、CEAは、サ
ービス品質劣化または装置故障を、加入者が影響を受ける前に積極的に突き止め、診断し
、解決するための実現方策及びプロセスを含むことができる。
【0004】
従来の解決策は、現在ネットワークの規模及びトラフィック分析の需要を満足するリア
ルタイムでスケーラブル(拡大縮小可能)な解決策を提供することに挑戦してきた。一部
の従来プロセスは、サービス及びトラフィックの劣化をより良好に検出することができる
ように、高価で、大型で、複雑なハードウェア・プローブを、集合的なネットワークノー
ドに設置することを含む。さらに、一部の従来の監視技術は、データパケットが到着した
際に、ランダムサンプリング技術に基づいてデータパケットを標本化することができ、従
って、パケットの一部しか検査することができない。こうした取り組みは、有用であるが
、限界があり、そして、ネットワーク及びそのサービス・パフォーマンスと利用法の正確
な検出及び特徴化ができないことがある。これに加えて、一部の従来システムは、現在ト
ラフィック量を測ることが全くできず、従って、主要な傾向及び問題を識別すること、あ
るいはパフォーマンスデータの効率的な分析を可視的に提供するには不適切である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上を考慮すれば、通信ネットワーク及びサービス保証を監視するための、特に、パフ
ォーマンスデータの可視化及び分析を効率的かつ効果的に提供するための、現在の解決策
及び技術に関連する重大な問題及び欠点が存在し得ることは明らかであろう。
【0006】
好適な実施形態のより十分な理解を促進するために、以下、添付した図面を参照し、図
面中では、同様な要素は同様な番号で参照する。これらの図面は本発明を限定するものと
して解釈すべきではなく、例示を意図しているに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するシステム・アーキテクチャを示す図である。
図2】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するモジュールを示す図である。
図3A】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図3B】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図3C】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図3D】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図3E】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図3F】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図4A】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図4B】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図4C】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図4D】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図4E】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図4F】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するためのスクリーンショットを例示する図である。
図5】好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供する方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、好適な実施形態を詳細に参照し、それらの例は添付した図面に示す。なお、図面
全体を通して、同じ参照番号は、同一または同様の部分を参照すべく用いる。また、以下
の詳細な説明は、好適かつ説明上のものであり、限定的なものではない。
【0009】
種々の変更及び代案形態が許容されるが、その特定実施形態を例として図面に示して、
本明細書で詳細に説明する。しかし、本発明を、開示する特定形態に限定する意図はなく
、逆に、本開示は、特許請求の範囲によって規定する本発明の精神及び範囲内に入るすべ
ての変更、等価物、及び代案をカバーすべきものである。図の説明全体を通して、同様の
参照番号は同様の要素を表す。
【0010】
特に断りのない限り、本明細書に記載する要素は複数存在し得る。さらに、「含む」、
「具える」、「含んでいる」、及び/または「具えている」は、本明細書で用いる際に、
記載した特徴、数値、ステップ、動作、要素、及び/または構成要素を指定するが、1つ
以上の他の特徴、数値、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/またはそれらのグルー
プの存在または追加を排除しない。なお、要素を、他の要素に「接続」または「結合」さ
れているものとして参照する際には、当該要素は当該他の要素に直接、接続または結合す
ることができ、あるいは、介在要素が存在し得る。さらに、本明細書で用いる「接続され
ている」または「結合されている」は、無線接続または無線結合されていることを含むこ
とがある。本明細書で用いる「及び/または」は、関連して挙げられた項目の1つ以上の
、あらゆるすべての組合せを含む。
【0011】
好適な実施形態は、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するシステム及び方
法を提供することができる。即ち、好適な実施形態は、とりわけ、パフォーマンスデータ
の可視化及び分析を提供することによって、CEAを改善することができる。本明細書で
説明する実施形態は、ネットワーク分析を生成してCEAを行う方法を変更することによ
って、従来の監視するシステム及び方法から脱却することができる。より大規模なネット
ワークでは、複数の技術が共存することがあり、非常に高い(例えば90〜100%の)
ユーザ普及率の権威が存在し得る。こうした高レベルのユーザ・トラフィックは、単一の
呼出し毎のベースで分析することが困難であり得る。
【0012】
上述したように、従来の試験及び測定解決策の販売者は、通信サービス及びトラフィッ
ク分析のための、リアルタイムでスケーラブルな解決策を提供する大きな挑戦に対峙して
いる。例えば、こうした環境では、制御レベルのトラフィック量が4G/LTEの出現と
共に指数関数的に増大しているので、効率的な管理及び監視がより困難になりつつあり、
このことは、ユーザレベルのトラフィックも分析する必要があることを意味する。従来の
監視技術は、次のことを追求するので、スケーリングすることができないことがある:(
1)対象のすべてのトラフィック・パケットを捕捉する:(2)すべてのパケットを個別
の流れと事前に相互に関連付けて、すべての流れについてデータ記録を構築する;(3)
外部データ表現(XDR:external data representation)を用いて、流れ毎のKPI(
key performance indicator:主要パフォーマンス指標)及び関連付けられたメッセージ
を、トランザクション追跡用に計算する。これらのワークフロー(作業の流れ)は非常の
多数のKPIを計算するので、あらゆる主要な傾向及び問題を識別して、これらが該当す
るネットワーク内の箇所についての可視性を持つことは困難であり得る。
【0013】
KPI生成及びプロトコル・トランザクション追跡プロセスは共に、すべての流れにつ
いてデータ記録を事前に構築することに基づき、いくつかの利点を有する。KPI生成に
ついては、各記録内の大量のデータを使用するが、膨大な数の流れの記録と同時に、しか
しより高速に増加する莫大な数のKPIが、すべての流れの記録について存在し得る。N
個のKPIが存在する。すべてのトラフィックを同等に処理することがある。例えば、す
べてのトラフィックを同じ様式で記憶して処理することがあり、有用な洞察を困難にする
と共に、記憶を集約的にする。プロトコル・トランザクション追跡については、呼出し及
びセッションの<0.1%が、それまでに追跡されているので、すべての呼出しまたはセ
ッションを事前に相互に関連付けることは、大量の処理及び記憶を無駄にすることに等し
い。
【0014】
ネットワーク情報を連続的に記録して、個別の流れのレベルで管理する場合、複合の問
題が発生し始めることがある。こうした情報を捕捉することは、時間を要することがあり
、関連する流れ記録及びXDRも同様である。記録を記憶することは、非常に時間及びプ
ロセス集約的になることもあり、最後に、情報を検索する必要がある際に、検索時間が文
字通りに何時間にも及ぶことがある。ネットワークが増大すると共に、このスケーラビリ
ティ(拡大縮小可能性)の問題が複合する。従って、膨れ上がるデータに追い付くために
は、増大するデータベースを記憶して管理するためのハードウェア及び処理能力を追加す
ることも必要になり得る。この問題は、プロバイダが監視能力を追加すると共に、トラフ
ィックが絶えず増大して、さらに多数の監視装置及びより大きなコストを必要とする、と
いうことである。
【0015】
本明細書で説明する実施形態は、全部ではなくても大部分のネットワークに可視性を与
える高レベルの監視方策を可能にし、ネットワーク・プロバイダが、必要に応じて、ある
いは指定により、高レベルの画像をより粒度の細かい画像にすることを可能にするモデル
を含むことができる。従って、収集して提示する情報を、対象領域内で精緻化または抽象
化することができる。
【0016】
卓越した分析性の解決策は、効果的で単純なデータ捕捉から始まる。データ捕捉は、効
率的な監視方法によって可能になる。本明細書で説明する実施形態は、絶えず拡張するネ
ットワーク向けのフレキシブルな解決策を提供することができる。ネットワーク・プロー
ブからデータ収集エージェント及び仮想プローブまで、本明細書で説明する実施形態は、
データソースの、多数の視認及び管理の選択肢を有する単一のプラットフォーム内への統
合を提供することができる。従って、問題分析及び問題の根本原因分析のための、直観的
、論理的、フレキシブル、かつ高速なワークフローを提供するクラウドベースのポータル
(入り口)を、ユーザが、改善されたCEAにとって有益な見識を抽出するために、広範
な特徴の集合から選定することによって、カスタマイズ可能な自分の表示を作成すること
ができる方法で、提供することができる。
【0017】
本明細書で説明する実施形態は、システム、方法、及び/またはコンピュータ製品とし
て、例えば、ハードウェア及び/またはソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェ
ア、マイクロコード、等を含む)の形で具体化することができ、あるいは、命令実行シス
テムによって、または命令実行システムに接続して使用される媒体の形で具体化された、
コンピュータ使用またはコンピュータ可読のプログラムコードを有するコンピュータ使用
またはコンピュータ可読の記憶媒体を具えたコンピュータプログラム製品の形で具体化す
ることができる。本明細書の関係では、コンピュータ使用またはコンピュータ可読媒体は
、命令実行システム、機器、または装置によって使用されるか、これらに接続して使用さ
れるプログラムを、包含し、記憶し、通信し、または輸送することのできるあらゆる媒体
とすることができる。
【0018】
コンピュータ使用またはコンピュータ可読の媒体は、例えば、電子、磁気、光、電磁、
赤外線、または半導体のシステム、機器、装置、または伝搬媒体とすることができるが、
これらに限定されない。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(限定的なリスト)は、
次のものを含む:1つ以上の配線を有する電気接続、携帯型コンピュータ・ディスケット
(登録商標)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去
可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイ
バ、及び携帯型コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)を含む。なお、コ
ンピュータ使用またはコンピュータ可読媒体は、さらに、紙、またはプログラムを印刷す
ることのできる他の適切な媒体とすることができる、というのは、プログラムは、例えば
、紙または他の媒体の光学的スキャン(走査)によって電子的に捕捉して、コンパイルま
たはインタープリット(逐次翻訳)することができ、さもなければ、必要に応じて適切な
方法で処理して、コンピュータメモリに記憶することができるからである。
【0019】
一部の実施形態は、LTE(Long Term Evolution)ネットワーク・トラフィックの急
増の原因となるが、LTEトラフィックのトラフィック及びサービス・パフォーマンスの
完全で正確なリアルタイムの分析を提供することができる。実施形態はLTEを説明する
が、他の種々の通信プロトコルを用いることができる。例えば、本明細書で説明する実施
形態は、種々のサービス・プロバイダ及び/または加入者間のあらゆる通信に適用するこ
とができ、そして、標準的な電気通信プロトコル及び/または標準的なネットワーク・プ
ロトコルを用いた、電気信号、電磁信号、または無線信号、及び/またはデジタルデータ
ストリームを搬送するパケットの伝送によって実現することができる。これらのプロトコ
ルは、セッション・イニシエーション・プロトコル(SIP:Session Initiation Proto
col)、ボイス・オーバーIP(VoIP:Voice over IP)プロトコル、ワイヤレス・ア
プリケーション・プロトコル(WAP:Wireless Application Protocol)、マルチメデ
ィア・メッセージング・サービス(MMS:Multimedia Messaging Service)、エンハン
スト・メッセージング・サービス(EMS:Enhanced Messaging Service)、ショート・
メッセージ・サービス(SMS:Short Message Service)、グローバル・システム・フ
ォー・モバイル・コミュニケーション(GSM:Global System for Mobile Communicati
on)ベースのシステム、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access
)ベースのシステム、時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)ベ
ースのシステム、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMT
S:Universal Mobile Telecommunication System)、伝送制御プロトコル/インターネ
ット・プロトコル(TCP/IP:Transmission Control Protocol/Internet Protocol
)、2G/3G/LTE、映像、等を含むことができる。パケット/信号を介してデータ
を送信及び/または受信するのに適した他のプロトコル及び/またはシステムを用意する
こともできる。例えば、ケーブル・ネットワークまたは電気通信、例えばイーサネット(
登録商標)RJ45/カテゴリ5のイーサネット(登録商標)接続、ファイバ接続、従来
の有線電話接続、ケーブル接続、または他の有線ネットワーク接続も用いることができる
。ネットワーク・プロバイダ及び/または加入者間の通信は、IEEE802.11a、
802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、等を含む標準的
な無線プロトコルを使用することができ、あるいは、IEEEイーサネット(登録商標)
802.3のような有線接続用のプロトコルを介することができる。
【0020】
一部の実施形態は、より小さい処理装置及びエージェントを用いて、パケット分析をネ
ットワーク全体にわたって分散させる実現から生じ、これらは、ハードウェア及び/また
はソフトウェア/ハードウェアでの具体化を含むことができ、サービス提供チェーン内の
種々のアクセスポイントにおけるマイクロ・ネットワーク・アクセスエージェントと称さ
れ、線形的に費用効果的であり、従来のトラフィック監視、試験、測定、及び分析方法で
用いられる処理の一部分を必要とするプローブユニットを提供することができる。
【0021】
マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントは、LTEネットワーク内のネット
ワーク要素のプロセッサ上で実行されるソフトウェア・アプリケーションとして具体化す
ることができ、あるいは、現在のトラフィックポート内に入り込んで、パケットをリアル
タイムで捕捉する1/10/100Gイーサネット(登録商標)ポートを有する小型ハー
ドウェア装置として具体化することができる。この場合。エージェント・ソフトウェアは
、ハードウェアの処理装置上に常駐して、一般に、処理電力及びメモリにおいて共に、小
さいフットプリント(占有量)を用いる。
【0022】
単一のネットワーク要素において処理されるパケット・トラフィックの量は、集約型ノ
ードのトラフィック量に比べて一般に小さいので、これらのアクセスノードに関連するマ
イクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントは、十分なトラフィック及びパケット分
析を実行することができ、そして、LTEサービスの潜在的問題の正確な検出に最終的に
寄与することのできるパケットの予測及びタグ付けを、これらのパケットが実際にネット
ワーク全体中に伝搬する前に、可能にすることができる。マイクロ・ネットワーク・アク
セス・エージェントは、ネットワーク管理システムを用いたリアルタイムの通信メカニズ
ムを有することもでき、ネットワーク管理システムは、LTE内の他のネットワーク要素
に関連する他のマイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェント(即ち、ネットワーク
全体を通した他の集約点)に信号を送信することを促進して、問題のあるアクセスノード
から出た特定パケット(例えば、タグ付きパケット)を分析する必要のあるエージェント
に警告し、他のパケットは、準拠しているものと判定され、それらの分析はアクセス側で
完了しているので、無視することができる。このメカニズムは、より大きな処理装置を集
約型ノードに持つ必要性を軽減し、ネットワークが拡大すると共に、線形に拡大すること
ができる。大きな問題または長引く問題の場合、アクセスノードにおけるすべてのマイク
ロ・ネットワーク・アクセス・エージェントに、大きな不具合が始まることがあり、ネッ
トワーク管理システムは、種々のネットワーク要素(例えば。集約型ノード)において、
マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントにおける分析を、もはや必要ではない
ので遮断することができる。
【0023】
LTEネットワークのオペレータは、ネットワーク管理システムに結合されたサービス
管理システムを通して相互作用して、LTEネットワーク用の「仮想的な」トラフィック
測定兼分析プローブにアクセスすることができる。LTEのオペレータは、トラフィック
の測定及び分析を実行する方法の基になる細部から隠ぺいされるので、このプローブは「
仮想的な」プローブと考えることができる。即ち、LTEのオペレータは、複数のマイク
ロ・ネットワーク・アクセス・エージェントをLTEネットワーク内の方策上有利な位置
で使用するか否か、あるいは、トラフィックが高度に集中する点でトラフィック測定値を
収集して分析を実行するより少数のメガプローブを使用するか否かの詳細から遮蔽される
。実施形態により、複数のマイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェントを用いて具
体化される仮想プローブは、メガプローブと同様の機能を提供することができ、そして、
分散型の分析は、トラフィック・サンプリングを用いるメガプローブによって提供される
分析よりも正確であり得る。さらに、複数のマイクロ・ネットワーク・アクセス・エージ
ェントは、トラフィックが増大すると共に、必然的に、ソフトウェアの観点から拡大する
ことができ、従って、現在のハードウェアの方法による指数関数的な急増を軽減すること
ができる。
【0024】
図1に、好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するシ
ステム・アーキテクチャを示す。図1を参照すれば、システム100は、LTEネットワ
ーク22、サービス管理システム24、及びネットワーク管理システム26を含むことが
でき、ネットワーク管理システム26を用いて、サービス管理システム24をLTEネッ
トワーク22にインタフェース接続することができる。LTEネットワーク22は、種々
の実施形態に応じて種々の方法で具体化することができることは明らかである。図1に示
すように、LTEネットワーク22は、「システム・アーキテクチャ・エボリューション
・ネットワーク」アーキテクチャにより具体化することができる。LTEネットワーク2
2は、eノードB要素30a及び30b、モビリティ(移動性)管理エンティティ(MM
E:Mobility Management Entity)要素32、家庭用加入者サーバー(HSS:Home Sub
scriber Server)34、サービス用ゲートウェイ(SGW:Serving Gateway)36、及
び/またはPDNゲートウェイ(PGW:PDN Gateway)38を含むことができ、これら
は図に示すように通信結合されている。
【0025】
eノードB要素30a及び30bは、ユーザ装置(UE:User Equipment)へのネット
ワーク・アクセスを行うための基地局とすることができる。MME要素32は、LTEア
クセス・ネットワーク用の制御ノードとして機能することができる。MME要素32の役
割は、アイドル(休止)モードのUE追跡及び呼出し手順(再送信を含む)、搬送器の起
動/停止、及び最初の取り付け時及び内部LTE動作時にSGW36をUE用に選定する
ことであるが、これらに限定されない。HSS要素34は、ユーザ関連及び加入者関連情
報を含む中央データベースとすることができる。HSS要素34は、モビリティ管理に関
係する機能、呼出し及びセッション確立のサポート、ユーザ認証、及びアクセス認証を提
供することができる。SGW要素36は、ユーザデータ・パケットを転送するとともに、
eノードB間の動作中のユーザプラン用のモビリティ・アンカーとして、及びLTEと他
の3GPP技術との間のモビリティ用のアンカーとして機能することもできる。PGW要
素38は、UEから外部パケットデータ・ネットワークへの接続を提供するように構成す
ることができる。
【0026】
図1に示すように、マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェント40a、40b
、40c、40d及び40eは、LTEネットワーク22を含む種々のネットワーク要素
に関連することができる。これらのマイクロ・ネットワーク・アクセス・エージェント4
0a、40b、40c、40d及び40eは、それぞれに関連する特定ネットワーク要素
のプロセッサ上で実行されるソフトウェア・アプリケーションとして具体化することがで
き、あるいは、別個のハードウェア要素として具体化することができ、各々が、当該ハー
ドウェア要素上で実行されるソフトウェアを含むことができる。これらのマイクロ・ネッ
トワーク・アクセス・エージェント40a、40b、40c、40d及び40eの各々は
、それぞれに関連する特定ネットワーク要素によって処理されるパケット・トラフィック
の一部または全部を分析するように構成することができる。一部の実施形態によれば、こ
の分析は、ネットワーク要素についての1つ以上のパフォーマンス数値指標、LTEネッ
トワーク22の1つ以上の部分、及び/または、LTEネットワーク22全体を分析する
ことを含む。パフォーマンス数値指標は、トラフィック・スループット(処理量)、トラ
フィック容量、パケット損失、パケット・レイテンシ(待ち時間)、パケット・ジッタ(
時間ゆらぎ)、基地局の動作効率、音声品質、及び映像品質を含むことができるが、これ
らに限定されない。パケット・トラフィック分析は、それぞれのマイクロ・ネットワーク
・アクセス・エージェント40a、40b、40c、40d及び40eで実行することが
でき、あるいは、一部の実施形態では、パケット・トラフィック分析の全部または一部を
、ネットワーク管理システム内で実行することができる。
【0027】
サービス管理システム24及び/またはネットワーク管理システム26は、マイクロ・
ネットワーク・アクセス・エージェント40a、40b、40c、40d及び40eと通
信して、例えば、パフォーマンス、構成、トポロジ、タイミング、及び/またはトラフィ
ックデータを、これらから収集することができる。サービス管理システム24及び/また
はネットワーク管理システム26が収集したデータは、保存場所に記憶して、他のアプリ
ケーションが使用することができる。これらのデータは、LTEネットワーク22上のト
ラフックの生の測定データ、及び/または、マイクロ・ネットワーク・アクセス・エージ
ェント40a、40b、40c、40d及び40eが生成した分析済みパフォーマンス数
値指標データを含む分析済みパフォーマンスデータを含むことができる。一部の実施形態
では、上記保存場所を、ストラクチャード・クエリー・ランゲージ(SQL:structured
query language)をサポートするリレーショナル・データベース管理システム(RDB
MS:relational database management system)として実現することができる。収集し
たデータをSQLデータベースに記憶して、他のアプリケーションによる収集したデータ
へのアクセスを促進することができる。アプリケーションが、基になるRDBMS独自の
インタフェースを知らなければならないことなしに、SQLデータベースにアクセスでき
ることが有利である。
【0028】
クライアント・アプリケーション42は、サービス管理システム24と通信して、上記
収集されたデータの分析に基づいてサービス管理システム24が生成したレポートにアク
セスし、LTEネットワーク22が提供するサービスを管理する(例えば、ネットワーク
22が提供するサービスが、取り決められたサービス品質に適合しているか否かを判定す
る)ことができる。能力計画アプリケーション44は、サービス管理システム24と通信
して、管理者が、LTEネットワーク22のトポロジ/形状を整形/構成すること、及び
/または、LTEネットワーク22が搬送するトラフィックを分配することができる。請
求書発行アプリケーション46は、サービス管理システム24と通信して、LTEネット
ワーク22から収集したデータの分析に基づいて請求書を生成することができる。最後に
、サービス提供アプリケーション48は、サービス管理システム24と通信して、LTE
ネットワーク22内への新たなサービスの導入を促進することができる。
【0029】
一部の実施形態によれば、サービス管理システム24及び/またはクライアント・アプ
リケーション42をサポートするデータ処理システム、能力計画アプリケーション44、
請求書発行アプリケーション46、及びサービス提供アプリケーション48は、サービス
品質を管理するための計算、記憶、及び制御プログラム・リソースで構成することができ
る。従って、サービス管理システム24及びクライアント・アプリケーション42をサポ
ートするデータ処理システム、能力計画アプリケーション44、請求書発行アプリケーシ
ョン46、及びサービス提供アプリケーション48の各々は、単一のプロセッサシステム
、マルチプロセッサシステム、さらにはスタンドアロン(自立型)コンピュータシステム
のネットワークとして実現することができる。これに加えて、ネットワーク管理システム
26は、単一のプロセッサシステム、マルチプロセッサシステム、さらにはスタンドアロ
ン・コンピュータシステムのネットワークとして実現することができる。
【0030】
図1は、好適なサービス/ネットワーク・アーキテクチャを例示しているが、本明細書
で説明する実施形態は、こうした構成に限定されず、本明細書で説明する動作を実行する
ことができるあらゆる構成を包含することを意図していることは明らかである。
【0031】
図2に、好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供するモ
ジュール200を示す。以下の説明は、ネットワークを最適化して、1つ以上のモジュー
ルを含むことのできるジオロケーション(地理位置情報)及びハンドオーバ(引き継ぎ)
管理を用いて、ネットワーク・リソースの改善された割り付けを提供するための、ネット
ワーク要素、コンピュータ、及び/またはシステム及び方法の構成要素について述べる。
本明細書で用いる「モジュール」とは、コンピュータ・ソフトウェア、ファームウェア、
ハードウェア、及び/またはそれらの種々の組合せを称するものと理解することができる
。しかし、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上で実現されない、あるいは、
プロセッサ可読の記憶媒体上に記録されないソフトウェアとして解釈すべきではない(即
ち、モジュールはソフトウェア自体ではない)。なお、これらのモジュールは例示的なも
のである。これらのモジュールは、組み合わせ、統合し、分離し、及び/または複製して
、種々のアプリケーションをサポートすることができる。また、本明細書において、特定
のモジュールで実行されるものとして説明する機能は、1つ以上の他のモジュールで実行
することができ、及び/または、特定のモジュールで実行される機能の代わりに、あるい
はこうした機能に加えて、他の装置によって実行することができる。さらに、これらのモ
ジュールは、複数の装置、及び/または、互いに対してローカルまたはリモートな他の構
成要素にわたって実現することができる。これに加えて、これらのモジュールは、1つの
装置から移動して他の装置に追加すること、及び/または、両方の装置に含めることがで
きる。
【0032】
図2を参照すれば、モジュール200はネットワーク管理システム26として実現する
ことができ、ネットワーク管理システム26は、データ処理システム52として具体化す
ることができる。データ処理システム52は、キーボードまたはキーパッドのような入力
装置54、ディスプレイ56、及びプロセッサ62と通信することのできるメモリ58を
含むことができる。データ処理システム52は、さらに、記憶システム64、スピーカ6
6、及び入力/出力(I/O)データポート68を含むことができ、I/Oデータポート
68もプロセッサ62と通信することができる。記憶システム64は、フロッピー(登録
商標)ディスク、ZIP(登録商標)ドライブ、ハードディスク、等のようなリムーバブ
ル(着脱可能)及び/または固定媒体、並びにRAMディスクのような仮想記憶装置とす
ることができる。I/Oデータポート68を用いて、データ処理システム52と他のコン
ピュータシステムまたはネットワーク(例えば、インターネット)との間で情報を転送す
ることができる。これらの構成要素は、本明細書で説明するように動作すべく構成するこ
とのできる多数の従来型コンピュータ装置内で使用されるもののような、従来の構成要素
とすることができる。
【0033】
プロセッサ62は、アドレス/データバスを介してメモリ58と通信することができる
。プロセッサ62は、例えば、市販の、またはカスタム(特注)のマイクロプロセッサと
することができる。本発明の一部の実施形態によれば、メモリ58は、ネットワークを管
理するために使用されるソフトウェア及びデータを含むメモリデバイスの階層全体を代表
する。メモリ58は、次の種類のデバイスを含むことができるが、これらに限定されない
:キャッシュ(メモリ)、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュ(
メモリ)、SRAM、及びDRAM。
【0034】
図2に示すように、メモリ58は、次の3つ以上の主要なソフトウェア及びデータのカ
テゴリを保持することができる:オペレーティングシステム72、仮想LTEプローブ・
モジュール74、及びトラフィック/パケット分析データモジュール76。オペレーティ
ングシステム72は、ネットワーク管理システム26の動作を制御する。特に、オペレー
ティングシステム72は、ネットワーク管理システムのリソースを管理することができ、
そして、プロセッサ62によるプログラムの実行を管理することができる。オペレーティ
ングシステム72は、メモリ58内のソフトウェア・モジュールをオブジェクト指向シス
テムとして実現することを可能にするように構成することができ、そして、種々のソフト
ウェア・オブジェクト間の通信を促進することができる。仮想LTEプローブ・モジュー
ル74を、クライアント・アプリケーション、例えばLTEネットワーク22のオペレー
タによるネットワーク管理システム26へのアクセスを促進するために使用されるアプリ
ケーションへのアクセスを促進するように構成して、このアプリケーションが、マイクロ
・ネットワーク・アクセス・エージェント40a、40b、40c、40d及び40e及
び/またはネットワーク管理システム26によって生成されるパケット・トラフィックデ
ータ及びパフォーマンス数値指標データにアクセスして、これらのデータを検討すること
を可能にすることができる。トラフィック・パケット/分析データモジュール76は、マ
イクロ・ネットワーク・アクセス・エージェント40a、40b、40c、40d及び4
0e及び/またはネットワーク管理システム26によって生成されるパケット・トラフィ
ックデータ及びパフォーマンス数値指標データを表現する。
【0035】
図1及び2に関して上述したネットワーク管理システム26及び/またはデータ処理シ
ステム52の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、開発の利便性のた
めに、Java(登録商標)、C、及び/またはC++のような高級プログラミング言語
で書くことができる。これに加えて、本発明の動作を実行するためのコンピュータプログ
ラムコードは、これに限定されないがインタプリタ言語のような他のプログラミング言語
で書くこともできる。一部のモジュールまたはルーチンは、アセンブリ言語で、さらには
マイクロコードで書いて、パフォーマンス及び/またはメモリ使用量を向上させることが
できる。一部の実施形態では、コンピュータプログラムコードが、市販のアプリケーショ
ン及び/またはサードパーティによって提供されるコンポーネントを含むことができる。
さらに、上記プログラムモジュールのいずれか、あるいはすべての機能は、ディスクリー
トな(個別の)ハードウェア構成要素、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC:ap
plication specific integrated circuit)、あるいはプログラムされたデジタル信号プ
ロセッサまたはマイクロコントローラを用いて実現することもできる。
【0036】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ使用またはコンピュータ可読メ
モリに記憶することもでき、このメモリは、コンピュータまたは他のプログラマブルなデ
ータ処理装置に、特定の方法で機能するように指示し、これにより、コンピュータ使用ま
たはコンピュータ可読メモリに記憶された命令が、フローチャート及び/またはブロック
図のブロック内に指定された機能を実現する命令を含む製品を生み出すことができる。
【0037】
上記コンピュータプログラム命令を、コンピュータまたは他のプログラマブルなデータ
処理装置にロードして、当該コンピュータまたは他のプログラマブルなデータ処理装置上
で、一連の動作ステップを実行して、コンピュータで実現されるプロセスを生成すること
もでき、これにより、当該コンピュータまたは他のプログラマブルなデータ処理装置上で
実行される命令が、上記フローチャート及び/またはブロック図のブロック内に指定され
た機能を実現するためのステップを提供する。
【0038】
図示していないが、ログ(記録)、レポート(報告)、またはサービス保証及びネット
ワーク管理を改善することに関連する他の情報を生成するエラーロギング(エラー記録)
兼報告モジュールを含むこともできる。これらの構成要素のいずれか、あるいはすべてを
、1つ以上のデータベースまたは記憶/メモリ装置(図示せず)に、ローカルに、または
リモートで通信結合し、これにより、情報を記憶して後に使用または処理することができ
る。
【0039】
図3A〜3Gに、好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提
供するための例示的なスクリーンショット(表示画面例)を示す。
【0040】
図3Aを参照すれば、組合せ画面300Aを提示することができる。この組合せ画面で
は、顧客(例えば、VIPまたはVIPグループ)、サービス、装置、及び/またはアク
セスポイント名(APN:access point name)についての可視化を提供することができ
る。さらに、この組合せ画面300Aでは、地図を画面の一部として提供することができ
、これにより、位置に基づく(例えば、セルの位置に基づく)顧客体験の見え方を提供す
ることができる。ユーザは、地図画面、及びズームイン/ズームアウト、パン、等のよう
な地図関係の特徴機能の実行ホストと相互作用することができる。ユーザは、対象の時間
窓を選択すること、及び、さらに調べたい対照領域を選択することもできる。
【0041】
この組合せ画面の目的は、職員が、業務に関係するすべての情勢を積極的に注視するこ
とができるようにすることにある。これらの画面中のタイルの大きさは、人数及び人的問
題の数に比例する。この画面は種々の色を有することができ、これらの色は、さらに、顧
客体験が所望レベルを満足する度合いを例示することができる。こうした画面を提供し調
整して、出入りする人についても顧客体験を表現することができることは明らかである。
【0042】
ユーザが対象領域を選択すると、例えば、基になるデータを、異なる、設定可能な観点
から提示して、ユーザが、地図上で明らかにされた数値指標またはパフォーマンス指標の
挙動と、関連する情勢との相互関係を見出すことを可能にすることができる。このことに
基づいて、ユーザは、ネットワーク内のあらゆる出来事及び問題に関係する主な領域及び
様相を、効率的かつ効果的に識別することができる。
【0043】
例えば、ユーザは、対象のタイルのうち1つをクリックして、さらに、動的なフィルタ
機能の使用によって提示されたデータを調査することができる。この機能を通して、ユー
ザは、データ中の関連する相互関係を見出して、さらに調査を必要とする顧客体験問題の
主要要素を明るみにすることができる。例えば、図3Bの組合せ画面300Bを参照すれ
ば、ユーザは、「データ」サービスの問題の度合いを、この問題と、他の情勢、即ち、顧
客のVIP、装置、APN、または位置との間に主要な相互関係が存在するか否かの意味
で理解したいことがある。動的なフィルタ機能を用いて、ユーザはサービス範囲を「デー
タ」上にロックすることができ、自動的に、他のすべての範囲は、問題の「データ」画面
を提供するように調整される。この例では、データサービス問題と一部の装置及びAPN
との間に、特定レベルの相互関係が存在することは明らかである。ユーザは、特定の装置
またはAPNを選択して、データサービス上に設定されたフィルタ、及び選択した装置ま
たはAPNにより、問題の調査を継続することができる。その代わりに、ユーザは、デー
タサービス上に設定されたフィルタのみにより、単に調査を次のステップに進めることが
できる。一部の実施形態では、ユーザが、サービス範囲上に設定された動的なフィルタを
除去したい場合、ユーザはそうすることができ、そして、顧客体験画面を自動的に調整す
ることができる。
【0044】
図3Cを参照すれば、ARIM画面300Cを提供することができる。ここでは、顧客
体験KPIを作り上げる基になるKPIを、この画面中に表示することができる。ネット
ワーク及びサービス・パフォーマンスの数値指標及びKPIを表示することができ、これ
らは、主要数値指標及びKPIとも称される。一旦、問題を優先順位付けすると、システ
ムは、追加的な数値指標及びパフォーマンス指標を検索することによって、問題の調査を
継続する能力を提供することができる。これらの数値指標及びパフォーマンス指標は、レ
ベル1の数値指標とすることができ、ARIM画面中のチャート内に表示することができ
、これらは、アクセス性、保全性、完全性、及び移動性である。この画面は、観測される
パフォーマンス挙動と最も相互関係を持ちやすい挙動を有する、あらゆる数値指標または
パフォーマンス指標を、即時に、容易に、かつ正確に特定することを可能にする。ここで
も、ARIM画面は、ユーザが、自分の次回以降のステップを、管理者によって取り決め
られた所望の方策上の得点表に合った方法で優先順位付けすることを可能にする。ARI
Mチャートは、より上位の管理者、あるいは他のネットワーク・パフォーマンス関係機能
に報告するために使用することのできる非常に強力なダッシュボードを表現することもで
きる。この目的で、以下のように表示されることに加えて、データを、例えば市場毎、あ
るいは対象の副領域毎に表形式で表示することができ、市場及び副領域は共に設定するこ
とができる。
【0045】
図3Dを参照すれば、ネットワーク・パフォーマンス画面300Eを提示することがで
きる。期待されるパフォーマンス挙動からの逸脱を調査する責任のあるチーム向けに、シ
ステムは、対象の数値指標またはパフォーマンス指標をARIMチャート上で選択して、
掘り下げを開始する能力を提供することができる。このことを行う際に、システムは、レ
ベル2の数値指標及びパフォーマンス指標とも称される、基になる数値指標及びパフォー
マンス指標の新たな集合を提示することができ、これらは、レベル2の数値指標またはパ
フォーマンス指標が失効した際に、この失効が、因果関係で、並びに統計的に関係する様
式で、ARIM数値指標またはパフォーマンス指標に伝搬し得る意味で、ARIM数値指
標またはパフォーマンス指標とリンクすることができる。この新たな表現は、レベル2の
数値指標またはパフォーマンス指標の意味での、パフォーマンスのネットワーク・トポロ
ジ画面を提供することができ、そして、何かが機能停止しているか実行していない箇所を
識別することを、より容易にすることができる。なお、この画面300Eは、新たなパフ
ォーマンス指標を、画面の複雑性を増加させることなしに容易に追加することができる意
味で、容易にスケーラブルにすることができる。また、より多数の無線アクセス技術、例
えば3GまたはWiFiオフロードが存在する場合、あるいは、RANの異なる部分、例
えばマクロセル及びピコ/スモールセルを分離されたままにしたい場合、このことは、ユ
ーザが、迅速で、正確で、論理的な結論を導出する能力に影響を与えずに実現することが
できる。
【0046】
なお、ARIM画面/チャートも、ネットワーク・パフォーマンス画面/チャートも、
数値指標及びパフォーマンス指標の出所は指定しない。このことは、あらゆる数値指標及
びパフォーマンス指標を、それを生成したデータ源とは無関係に、これらの画面/チャー
ト中に表示することができることを意味する。重要なことは、数値指標またはパフォーマ
ンス指標が、ワークフローのその段階で調査している問題と、統計的に、あるいは統計的
ではなく、本質的に相互に関係するか否かである。
【0047】
図3Eを参照すれば、ズーム画面300Eを提示することができる。一旦、問題の原因
となりやすい領域を識別すると、システムは、さらに掘り下げて、その領域内の副要素を
識別して、問題となる数値指標またはパフォーマンス指標に対するそれらのパフォーマン
スを調査する能力を提供することができる。このことを行う際に、システムはズーム画面
30Eを表示することができ、この画面は、各副要素のパフォーマンスを、基になる潜在
的問題の大きさを視覚的に、直接的に強調する方法で(例えば、面積で)重み付けした視
覚的表現とすることができる。この重み付け係数、例えば、各要素に関連する面積を決定
するアスペクト比を変更して、特定の必要性に適合させることができる。この画面300
Fより、ユーザは、迅速な見識を導出して、自分の注意をパフォーマンスが最悪の領域に
集中させることができる。ここでも、このことは、ユーザが、調査する必要のある複数の
問題の存在下で、自分の作業を優先順位付けする方法となり得る。
【0048】
図3Fを参照すれば、根本原因分析(RCA:root cause analysis)画面300Fを
提示することができる。さらに調査する領域を選択する際に、システムは概要チャートを
提供することができる。この画面300Gは、多数のパフォーマンス数値指標、及び時間
と共に変化する他の関係する情報を含むことができ、これらの情報は、一緒に観測すると
、主要で最も確率の高い問題の根本原因に集中した十分な見識を提供することができる。
特に、画面300Fは、失効したパフォーマンス指標に関連する失効原因についての詳細
を提供することができる。
【0049】
また、画面300Fは、長期にわたる多数の動作、及び長期にわたって調査する領域用
の主要リソースについての可視性を提供することができる。動作及びリソースは共に、ユ
ーザが、失効したパフォーマンス指標との相互関係を容易に検出することを可能にする方
法で提示することができる。表示される動作の集合は、表示されるリソースの挙動の原因
となるものとすることができ、従って、リソースの傾向、及び失効したパフォーマンス指
標自体の傾向との可能な相互関係を最も隠蔽しやすいものとすることができる。他の画面
について説明したように、この画面についても、表示される数値指標または情報は、あら
ゆるデータ源を出所とすることができ、そして、ユーザの特定の要求及び必要性を満足す
るように、容易に変更することができる。
【0050】
最終的に、この画面300Fに提示される情報及び知見は、主要な根本原因が見出され
て特徴化されるようなものとすることができる。上述したワークフローは、例えば、最初
から開始しなければならないことなしに、あらゆる時点で、ユーザが評価することができ
ることは明らかである。
【0051】
図4A〜3Hを参照すれば、追加的なカスタム画面300H及び300Iを提示するこ
とができる。GUI(graphical user interface:グラフィカル・ユーザ・インタフェー
ス)が、他の論理的で、直観的で、フレキシブルな方法での、データの調査を可能にする
ことができることは明らかである。例えば、ユーザは、調査中の態様または問題に関係す
る有益な見識を抽出することができ、そして、広範囲の寸法の集合から選定することによ
って、自分用にカスタマイズした画面を作成することができる。寸法を、その値のうちの
1つを選択することによって選択すると、その寸法がロックされ、残りの寸法は、地図を
含めて、選択されたデータの部分集合を反映するように更新することができる。地図上の
クラスタのうちの1つを選択する際にも、同じことが発生する。他の種々のカスタム化、
可視化、及び変形を提供することもできる。
【0052】
上述したように、ユーザは利用可能なKPIの集合から、表示用のKPIを選択するこ
とができる。同時に、ユーザは、1つ以上の数値指標またはKPIを選択して、比較のた
めに表示させることができる。何千もの設定フィーチャ(特徴的表示)をさらに提供して
、ユーザが、表示されるKPI用の1つ以上の閾値、並びに、各KPI範囲に関連する色
の集合を規定することを可能にすることができる。これらの閾値及び色の集合は、一旦規
定されると、すべての分析ツールに適用することができる。
【0053】
一例では、ユーザが、データを表示すべき粒度を選択することができ、そして、分、時
間、日、及び週の中から選定することができる。図4Aを参照すれば、時間選択画面40
0Aを提供することができる。この画面では、例えば、時間スライダのフィーチャボタン
を用いて、ユーザは、データを分析すべき時間範囲を変更することができる。この時間ス
ライダは、所定の時間範囲、並びにカスタムの時間範囲選択の意味で、広範囲の選択肢の
集合を提供することができる。時間選択を与えるための他の種々の方法(例えば、手動入
力、ラジオボタン選択、等)を用意することもできる。こうしたチャートは、手動または
自動でリフレッシュすることができ、あるいは、1つ以上のデフォルト設定を用いてカス
タマイズする(例えば、残り15分目にセットされ、1分毎にスライドする)ことができ
ることは明らかである。
【0054】
図4Aに示すタイムチャート画面400Aは、表示中のKPI内の傾向、並びに表示中
のKPIと、比較のために選択した数値指標またはKPIとの可能な相互関係を見出すに
当たり、有用であり得る。このタイムチャートを用いる際に、選択した粒度が時間、日、
または週であれば、現在の時間、日付、または週にそれぞれ関係するデータを表示して、
現在の時間、日付、または週の終わりまで継続的に更新する。
【0055】
さらに、分布チャート(例えば、ドーナツ型チャート)は、選択したKPIについての
失効の分布を表示する能力をユーザに提供することができ、これにより、影響する原因の
大部分を即時に識別することができる。また、MOS、パケット損失、ジッタ、遅延につ
いて、分布チャートは、選択したKPIの分布を、設定可能な範囲の集合(例えば、MO
S<3,MOS≧3かつ<3.5、等)にわたって表示する能力を、ユーザに提供する。
【0056】
ユーザは、さらに、パイ型分布チャートをクリックすることによって、例えば、(例え
ばMOS、パケット損失、等についての)特定の理由コード、失効コード、KPI範囲を
クリックすることによって、問題を調査することができる。このことを行う際に、可視化
は、影響を受けたセッションのリストを、データ記録の形式で提示することができる。ユ
ーザは、対応するデータ記録をクリックすることによって、セッションのうちの1つを選
択して、綿密な分析を行う能力を持つことができる。このことを行う際に、セッション追
跡フィーチャを自動的に起動して、選択したセッションに関連するすべての関係情報を表
示することができる。エキスパート(専門家向け)フィーチャを用意して、ユーザがこの
チャートを(例えば、JPG、PNG、GIF、PDF、XML、HTML形式で)保存
、印刷、またはエクスポートすることを可能にすることができる。
【0057】
タイムチャート画面に加えて、表示用に選択したKPIは、他の種々の方法で表示する
ことができる。例えば、図4Bに、棒グラフ画面400Bを示し、図4Cに、表形式画面
400Cを示し、図4Dに、タイムパターンチャート画面400Dを示す。ここで、タイ
ムパターンチャート画面は、強力な調査能力を提供して、ユーザが、選択した時間プロフ
ァイル(24時間または7日)に基づいて、再発生する傾向を見出すことを可能にするこ
とができる。
【0058】
ツリーマップも、ユーザが、選択したKPIに関連する2つの関係要因を同時に調査す
ることを可能にするための視認用に利用可能であり得る。このようにして、ユーザは、調
査中の問題が、ある要因に主に関連するか否か、及び、この要因について、どの項目(例
えば、ノード、リンク、グループ、QCI、ARP、等)または値が、その問題との最高
の相互関係を示しているかを確かめることができる。ツリーマップは、表示される各項目
の量を導出するために使用すべき適切な数値指標を選択する能力を、ユーザに提供するこ
ともできる。選択した数値指標に応じて、ユーザが、観測した問題の大きさを複数の観点
から評価することができるので、この能力は特に重要である。この分析より、ユーザは、
パフォーマンスが最悪の項目を、所望の業務目的に合った方法で識別することができる。
【0059】
例えば、図4Eに、ツリーマップ画面400Eを示す。この画面では、ツリーマップの
うちの1つの寸法をロックして、分析を1つの項目(この場合、ARP=1)に集中させ
ることができる。このことを行う際に、画面中の他の全てのチャートを、相応に調整する
ことができる。図4Fに、他のツリーマップ画面400Fを示す。ここでは、両方のツリ
ーマップの寸法をロックして、分析を、項目の組合せ(この場合、ARP=1及びMME
=MME19HE)に集中させることができる。このことを行う際に、画面中の他のすべ
てのチャートを自動的に再調整することができる。
【0060】
図5に、好適な実施形態による、パフォーマンスデータの可視化及び分析を提供する方
法のフローチャートを示す。本明細書に開示する方法を実行するための種々の方法が存在
するので、好適な方法500は、一例として提供する。図5に示す方法500は、種々の
システムのうち1つまたは組合せによって実行することができ、さもなければ機能させる
ことができる。方法500は、少なくとも、図1のアーキテクチャ100、図2のシステ
ム200によって実行することができ、例として、図3A〜3Fの画面300A〜300
F、及び図4A〜4Fの画面400A〜400Fと合わせることができ、そして、システ
ム100及び200の種々の要素は、図5の好適な方法を説明するに当たり参照すること
がある。図5に示す各ブロックは、好適な方法500において実行される1つ以上のプロ
セス、方法、またはサブルーチンを表す。コードを含む非一時的なコンピュータ可読媒体
を用意することもでき、このコードは、コンピュータによって実行されると、方法500
の動作を実行することができる。図5を参照すれば、好適な方法500は、ブロック50
2から開始することができる。
【0061】
ブロック504では、ユーザ・インタフェースをモバイル機器に用意することができる
。このユーザ・インタフェースは、ユーザが、移動体通信ネットワークに関連するネット
ワーク・パフォーマンスデータを見ることを可能にすることができる。移動体通信ネット
ワークは、LTE通信ネットワークまたは他のネットワークとすることができる。
【0062】
ブロック506では、ネットワーク・パフォーマンスを見るための1つ以上のユーザ選
択可能な選択肢を、モバイル機器においてユーザに提供することができる。ユーザ選択可
能な選択肢は、位置、日付、時刻、対象の領域、パフォーマンスの数値指標、サイズ、影
響、あるいは他の種々のパラメータを含むことができる。これらのパラメータは、ユーザ
がネットワーク・パフォーマンスデータを、より効率的に検索して見るために役立つ。
【0063】
モバイル機器は、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップまたはノート型コンピュ
ータ、タブレット・コンピュータ、無線電話機、パーソナル・デジタル・アシスタント(
PDA:personal digital assistant:個人用携帯端末)、マルチメディア機器、ビデオ
プレーヤ、腕時計または置時計、ゲーム機、ナビゲーション装置、テレビジョン、プリン
タ、自動車、フィットネス(健康)機器、及び医療機器のうち少なくとも1つを含むこと
ができる。
【0064】
ブロック508では、1つ以上のユーザ選択可能な選択肢に基づいて、ネットワーク・
パフォーマンスデータを動的にフィルタ処理する。上述したように、動的なフィルタ処理
は、ユーザが、移動体通信ネットワークの潜在的問題を、よりきめ細かく、かつより具体
的に調査することを可能にすることができる。例えば、図3A〜3F及び図4A〜4Fに
示して上述した対話型画面は、ユーザが、移動体通信ネットワークに関連するデータをフ
ィルタ処理して、ネットワーク問題の原因となる根本的問題点をより正確かつ効率的に発
見することができる方法のいくつかの例を提供することができる。
【0065】
ブロック510では、可視化をモバイル機器に表示することができる。可視化は、動的
にフィルタ処理されたネットワーク・パフォーマンスデータに基づくことができる。一部
の実施形態では、可視化が、移動体通信ネットワークに関連する潜在的問題を識別する1
つ以上の画面を提示して、ユーザが顧客体験保証を改善することを可能にすることができ
る。可視化は、上述した地図画面、スコープ(範囲)画面、ズーム画面、クラスタ(集団
)画面、ARIM画面、ネットワーク・パフォーマンス画面、RCA画面、またはカスタ
ム画面のうち少なくとも1つを含む。可視化は、以上で詳述したように、追加的な画面表
示の選択肢を提供することによって、ユーザが、識別した潜在的問題に関連する少なくと
も1つの根本原因を調査することを可能にすることもできる。これらの画面表示の選択肢
は、少なくとも1つの根本原因に関連する少なくとも1つのあり得る結論を提供すること
ができ、そして、チャート、グラフ、概要、報告、傾向、画像、または地図を含むことが
できる。
【0066】
ブロック412で、方法400を終了することができる。
【0067】
本明細書で説明するように、ポータル(入り口)となる分析性アプリケーションを提供
することは、顧客体験保証(CEA)へのより効果的な取り組みを提供することに役立つ
。モバイル(移動体の)ユーザが、より高速の4G/LTEネットワークに移行し続け、
多様なアプリケーション及びモバイル機器からのより大量のデータを消費し続けると共に
、ネットワークの複雑性及びトラフィックが増加し続け、モバイル(移動体の)オペレー
タが、高レベルのサービス品質を維持し、急速に変化するネットワーク、サービス、及び
顧客の要求を満足させることを、より複雑にする。同時に、移動体の音声、データ、及び
映像サービスに対する、高品質でシームレスなネット―枠体験への顧客の期待も高まり続
けている。カスタマイズされた情報の検索及び可視化を用いて、モバイル・オペレータは
、自分のモバイル・ユーザに対して最大の影響を与える問題を、より積極的に識別して解
決することができる。実施形態のいくつかの重要な利点は次の通りである:
【0068】
顧客体験−モバイル・オペレータは、顧客に影響を与える問題を、4つの容易なステッ
プで、かつ、従来の保証解決策に比べてわずかな時間で、積極的に識別して解決すること
ができる。
【0069】
リアルタイムの見識−従来の保証システムは、データにアクセスしてデータを分析する
ために10〜15分を要するが、本明細書で説明した実施形態は、秒単位でデータを処理
して数値指標を提示することができる。
【0070】
深い可視性及びデータの貨幣価値化−フレキシブルでオープン(開放的)なプラットフ
ォームが、あらゆるデータ源からデータを収集して相互に関連付けることができ、深いネ
ットワーク可視性のための、リアルタイムで、関連性があり、かつ位置を意識した知見を
、あらゆるアプリケーションに伝えることができる。特定データへの高速で多面のアクセ
スは、モバイル・オペレータが、問題及び機会を積極的に識別して、新たな収益を上げる
サービスを生み出す能力を改善することもできる。
【0071】
改善されたコスト及びスケーラビリティ(拡大縮小性)−データの収集、記憶、及び分
析への新たな価値ベースの取り組みは、すべてのトラフィックを同等に取り扱い、収益の
上がる様式でトラフィックに合わせてスケーリングすることのできない従来の解決策に比
べて、オペレータが、トラフィックの増大に合わせてコストを制御することを可能にする
【0072】
その結果、本明細書で説明した実施形態は、4G/LTEネットワークのオペレータが
、ネットワーク全体にわたる多種多様なデータ源からの価値ベースのデータにアクセスし
て、これらのデータを分析することを可能にするオープンでリアルタイムの知見プラット
フォームと組み合わせると、保証と診断を統合したアプリケーションのポータル(入り口
)を提供することができる。
【0073】
本明細書の以上の部分では、種々の実施形態を、添付した図面を参照しながら説明して
きた。しかし、以下の特許請求の範囲に記載した、開示のより広い範囲から逸脱すること
なしに、種々の変形及び変更を加えるころができ、追加的な実施形態を実現することがで
きることは自明である。従って、本明細書及び図面は、限定的意味ではなく例示的な意味
で考慮すべきものである。
【0074】
なお、この点では、上述したように、本発明によりパフォーマンスデータの可視化及び
分析を提供することは、一般に、ある程度の入力データの処理及び出力データの生成を伴
う。こうした入力データ処理及び出力データ生成は、ハードウェアまたはソフトウェアで
実現することができる。例えば、特定の電子構成部品を、ネットワーク管理モジュール、
あるいは同様または関連する回路内に採用して、上述した本発明によるパフォーマンスデ
ータの可視化及び分析を提供することに関連する機能を実現することができる。その代わ
りに、命令に従って動作する1つ以上のプロセッサは、上述した本発明により潜在的なマ
ルウェア(悪意ソフトウェア)ドメイン名を識別することに関連する機能を実現すること
ができる。これに当てはまる場合、こうした命令を1つ以上のプロセッサ可読の記憶媒体
(例えば、磁気ディスクまたは他の記憶媒体)に記憶するか、1つ以上の搬送波中に埋め
込まれた1つ以上の信号を介して1つ以上のプロセッサに伝送することは、本発明の範囲
内である。
【0075】
本発明は、本明細書で説明した特定実施形態によって範囲を限定されるべきものではな
い。実際に、本明細書に開示したものに加えて、本発明の他の種々の実施形態及び変形例
は、以上の説明及び添付した図面より、通常の当業者にとって明らかである。従って、こ
うした他の実施形態及び変形例は、本発明の範囲内に入ることを意図している。さらに、
本明細書では、本発明を、特定目的での特定環境における特定の実現に関連して説明して
きたが、その有用性はこれらの実施形態に限定されず、本発明は、多数の環境において多
数の目的で有益に実現することができることは、通常の当業者の認める所である。従って
、以下に記載する特許請求の範囲は、本明細書で説明した本発明の全幅及び全範囲を考慮
して解釈すべきものである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5