特許第6779972号(P6779972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6779972呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症の処置のためのN−[(3−アミノ−3−オキセタニル)メチル]−2−(2,3−ジヒドロ−1,1−ジオキシド−1,4−ベンゾチアゼピン−4(5H)−イル)−6−メチル−4−キナゾリンアミンの結晶形
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6779972
(24)【登録日】2020年10月16日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症の処置のためのN−[(3−アミノ−3−オキセタニル)メチル]−2−(2,3−ジヒドロ−1,1−ジオキシド−1,4−ベンゾチアゼピン−4(5H)−イル)−6−メチル−4−キナゾリンアミンの結晶形
(51)【国際特許分類】
   C07D 417/14 20060101AFI20201026BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20201026BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20201026BHJP
   A61K 31/554 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
   C07D417/14CSP
   A61P31/14
   A61P11/00
   A61K31/554
【請求項の数】8
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-502002(P2018-502002)
(86)(22)【出願日】2016年7月12日
(65)【公表番号】特表2018-520188(P2018-520188A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】EP2016066482
(87)【国際公開番号】WO2017009316
(87)【国際公開日】20170119
【審査請求日】2019年6月13日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2015/084225
(32)【優先日】2015年7月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,ウエイ
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,リン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ウエイ
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−521709(JP,A)
【文献】 C.G.WERMUTH編,最新 創薬化学 下巻,株式会社 テクノミック,1999年,p.347-365
【文献】 STAHLY,P.,医薬品の塩選択,結晶多形のスクリーニングの重要性について,薬剤学,2006年,Vol.66,No.6,p.435-439
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00−519/00
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物(I)、
【化1】
またはその塩、溶媒和物、またはそれらの組み合わせの結晶形であって、結晶形が、8.41°±0.10°、19.21°±0.10°、20.49°±0.10°、20.83°±0.10°、21.69°±0.10°、21.99°±0.10°および22.13°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Cである、前記結晶形
【請求項2】
結晶形が、8.41°±0.10°、13.71°±0.10°、14.95°±0.10°、17.01°±0.10°、19.21°±0.10°、20.49°±0.10°、20.83°±0.10°、21.46°±0.10°、21.69°±0.10°、21.99°±0.10°、22.13°±0.10°、24.95°±0.10°、25.85°±0.10°、26.63°±0.10°および27.34°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Cである、請求項に記載の結晶形。
【請求項3】
請求項1または2に記載の結晶形と、医薬的に許容しうるキャリヤー、賦形剤、希釈剤、アジュバント、ビヒクルまたはそれらの組み合わせとを含む、医薬組成物。
【請求項4】
患者においてウイルス性疾患を処置または予防するための医薬品の製造のための、請求項1または2に記載の結晶形または請求項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項5】
ウイルス性疾患が、呼吸器合胞体ウイルス感染症、または呼吸器合胞体ウイルス感染症に起因する疾患である、請求項に記載の使用。
【請求項6】
呼吸器合胞体ウイルス感染症または呼吸器合胞体ウイルス感染症に起因する疾患の処置または予防のための医薬組成物であって、請求項1または2に定義した結晶形を含む、前記医薬組成物
【請求項7】
患者においてウイルス性疾患を処置または予防するための、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項8】
ウイルス性疾患が、呼吸器合胞体ウイルス感染症または呼吸器合胞体ウイルス感染症に起因する疾患である、請求項7に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物(I)、
【0002】
【化1】
【0003】
(3−アミノ−オキセタン−3−イルメチル)−[2−(5,5−ジオキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−5ラムダ−チア−8−アザ−ベンゾシクロヘプテン−8−イル)−6−メチル−キナゾリン−4−イル]−アミン(N−[(3−アミノオキセタン−3−イル)メチル]−2−(1,1−ジオキシド−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−4(5H)−イル)−6−メチルキナゾリン−4−アミンともよばれる)の新規結晶形、および本明細書中に開示するその結晶形を含む医薬組成物に関し、これは、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症またはRSV感染症に起因する疾患に関連する患者におけるウイルス性疾患の処置または予防に用いることができる。
【背景技術】
【0004】
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、5才未満の子供における主要なウイルス由来の死因であり、小児の下気道感染症および乳児の入院の主要な原因である。高齢者および免疫力が低下した成人も高リスク集団である。今のところ、認可されたワクチンは市場に出ていない。RSVの阻害剤は、RSVによる感染症の定着および進行の制限、ならびにRSVの診断アッセイに有用である。
【0005】
(3−アミノ−オキセタン−3−イルメチル)−[2−(5,5−ジオキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−5ラムダ−チア−8−アザ−ベンゾシクロヘプテン−8−イル)−6−メチル−キナゾリン−4−イル]−アミン(化合物(I))は、国際公開WO2013020993号で有効な呼吸器合胞体ウイルス(RSV)阻害剤として開示された。化合物(I)は、N−[(3−アミノオキセタン−3−イル)メチル]−2−(1,1−ジオキシド−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン−4(5H)−イル)−6−メチルキナゾリン−4−アミンともよばれる。
【0006】
化合物(I)の形態Dは初期の研究段階で代謝可能な形態として見いだされたが、化合物(I)の形態Dは、その吸湿性により、さらなる薬剤開発には適していない。リスク軽減の処置として、包括的な研究が行われた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開WO2013020993号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本特許の目的の一つとして、いくつかの新規結晶形を合成および特徴付けし、化合物(I)の形態Dと比較して著しく改善した吸湿性が示された。それと同時に、良好な安定性および/または水溶解度を有する化合物(I)の新規結晶形の開発も、それぞれ本発明の目的の一つである。これらの新規結晶形により、化合物(I)の開発可能性は根本的に向上した。
【0009】
本開示は一般に、化合物(I)の新規結晶形、およびそれらの形態の作製方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、(3−アミノ−オキセタン−3−イルメチル)−[2−(5,5−ジオキソ−5,6,7,9−テトラヒドロ−5ラムダ−チア−8−アザ−ベンゾシクロヘプテン−8−イル)−6−メチル−キナゾリン−4−イル]−アミンの結晶形の多形体、塩、共結晶、および選択的生産の合成方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】形態AのX線粉末回折パターン
図2】形態AのDSCサーモグラム
図3】形態AのTGA図
図4】形態BのX線粉末回折パターン
図5】形態BのDSCサーモグラム
図6】形態BのTGA図
図7】形態CのX線粉末回折パターン
図8】形態CのDSCサーモグラム
図9】形態CのTGA図
図10】形態CのX線結晶構造
図11】形態DのX線粉末回折パターン
図12】形態DのDSCサーモグラム
図13】形態DのTGA図
図14】一酢酸塩形態EのX線粉末回折パターン
図15】一マレイン酸塩形態FのX線粉末回折パターン
図16】形態AのDVS等温線
図17】形態CのDVS等温線
図18】形態DのDVS等温線
図19】一酢酸塩形態EのDVS等温線
図20】一マレイン酸塩形態FのDVS等温線
【発明を実施するための形態】
【0012】
一観点において、化合物(I)の結晶形は、形態A、形態B、形態C、形態D、形態Eまたは形態F、またはそれらの組み合わせである。
他の態様において、化合物(I)の結晶形は、9.79°±0.10°、10.64°±0.10°、16.79°±0.10°、17.51°±0.10°、20.12°±0.10°、21.62°±0.10°および25.79°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Aである。
【0013】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、6.46°±0.10°、8.37°±0.10°、9.79°±0.10°、10.64°±0.10°、12.91°±0.10°、16.79°±0.10°、17.51°±0.10°、18.15°±0.10°、19.65°±0.10°、20.12°±0.10°、21.62°±0.10°、23.34°±0.10°および25.79°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Aである。
【0014】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、図1に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Aである。
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、開始温度が225.3℃±3℃である吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する形態Aである。
【0015】
他の態様において、化合物(I)の結晶形は、10.21°±0.10°、11.93°±0.10°、13.22°±0.10°、14.35°±0.10°、18.56°±0.10°、20.79°±0.10°、23.24°±0.10°および25.15°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Bである。
【0016】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、10.21°±0.10°、11.93°±0.10°、13.22°±0.10°、14.35°±0.10°、15.02°±0.10°、16.31°±0.10°、17.66°±0.10°、18.56°±0.10°、20.06°±0.10°、20.79°±0.10°、21.42°±0.10°、23.24°±0.10°、25.15°±0.10°、26.21°±0.10°、26.74°±0.10°および29.44°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Bである。
【0017】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、図4に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Bである。
さらなる態様において、結晶形Bは化合物(I)の水和物である。
【0018】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、脱水温度が57.2℃±3℃で開始温度が256.3℃±3℃である吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する形態Bである。
【0019】
他の態様において、化合物(I)の結晶形は、8.41°±0.10°、19.21°±0.10°、20.49°±0.10°、20.83°±0.10°、21.69°±0.10°、21.99°±0.10°および22.13°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Cである。
【0020】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、8.41°±0.10°、13.71°±0.10°、14.95°±0.10°、17.01°±0.10°、19.21°±0.10°、20.49°±0.10°、20.83°±0.10°、21.46°±0.10°、21.69°±0.10°、21.99°±0.10°、22.13°±0.10°、24.95°±0.10°、25.85°±0.10°、26.63°±0.10°および27.34°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Cである。
【0021】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、図7に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Cである。
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、開始温度が256.6℃±3℃である吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する形態Cである。
【0022】
他の態様において、化合物(I)の結晶形は、7.79°±0.10°、10.18°±0.10°、11.15°±0.10°、12.40°±0.10°、18.68°±0.10°、20.43°±0.10°および24.83°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Dである。
【0023】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、7.79°±0.10°、10.18°±0.10°、11.15°±0.10°、12.40°±0.10°、12.90°±0.10°、18.68°±0.10°、19.73°±0.10°、20.16°±0.10°、20.43°±0.10°、21.16°±0.10°、23.14°±0.10°、23.93°±0.10°、24.83°±0.10°、25.71°±0.10°および27.11°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Dである。
【0024】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、図11に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Dである。
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、脱水温度が53.2℃±3℃で開始溶融温度が256.3℃±3℃である吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する形態Dである。
【0025】
他の態様において、化合物(I)の結晶形は、5.96°±0.10°、8.32°±0.10°、9.34°±0.10°、11.82°±0.10°、15.09°±0.10°、19.44°±0.10°および25.60°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Eである。
【0026】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、5.96°±0.10°、8.32°±0.10°、9.34°±0.10°、11.82°±0.10°、13.22°±0.10°、15.09°±0.10°、16.90°±0.10°、17.46°±0.10°、19.44°±0.10°、21.08°±0.10°、22.59°±0.10°、23.12°±0.10°、25.25°±0.10°、25.60°±0.10°および28.34°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Eである。
【0027】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、図14に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Eである。
さらなる態様において、結晶形Eは、化合物(I)の一酢酸塩である。
【0028】
他の態様において、化合物(I)の結晶形は、10.27°±0.10°、12.38°±0.10°、18.59°±0.10°、19.91°±0.10°、20.14°±0.10°、23.93°±0.10°および24.78°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Fである。
【0029】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、8.32°±0.10°、10.27°±0.10°、12.38°±0.10°、13.05°±0.10°、16.58°±0.10°、18.01°±0.10°、18.59°±0.10°、19.70°±0.10°、19.91°±0.10°、20.14°±0.10°、22.01°±0.10°、23.56°±0.10°、23.93°±0.10°、24.78°±0.10°および26.39°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Fである。
【0030】
さらなる態様において、化合物(I)の結晶形は、図15に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Fである。
さらなる態様において、結晶形Fは、化合物(I)の一マレイン酸塩である。
【0031】
他の観点において、本明細書中に開示する結晶形;および、医薬的に許容しうるキャリヤー、賦形剤、希釈剤、アジュバント、ビヒクルまたはそれらの組み合わせ;を含む医薬組成物を、本明細書中で提供する。
【0032】
他の観点において、患者においてウイルス性疾患を処置または予防するための医薬品の製造のための、本明細書中に開示する非晶質もしくは結晶形または医薬組成物の使用を、本明細書中で提供する。
【0033】
他の観点において、本明細書中に開示するウイルス性疾患は、呼吸器合胞体ウイルス感染症、または呼吸器合胞体ウイルス感染症に起因する疾患である。
他の観点において、本明細書中で、呼吸器合胞体ウイルス感染症または呼吸器合胞体ウイルス感染症に起因する疾患の処置または予防方法であって、該方法が、治療的に有効な量の本明細書中に開示する結晶形または医薬組成物を投与することを含む、前記方法を提供する。
略語
DSC 示差走査熱量測定
DVS 動的蒸気収着
Pos. 位置
Rel.Int. 相対強度
TGA 熱重量分析
XRPD X線粉末回折
SGF 疑似胃液
FaSSIF 絶食状態での疑似腸液
FeSSIF 食物供給状態での疑似腸液
【実施例】
【0034】
本発明は、以下の実施例を参照することにより、より十分に理解されるであろう。しかしながら、それらは、本発明の範囲を制限するものと解釈すべきではない。
化学的純度およびアッセイ試験に関するHPLC法
ここで、HPLC条件を表1−1に開示する。
【0035】
【表1】
【0036】
実施例1
化合物(I)の形態Aの調製
100mgの非晶質化合物(I)を秤量し、溶媒混合物(MeOH:HO(1:5))中に移した。その後、沈殿物を濾過により収集し、収集した固体を水で十分に洗浄し、減圧乾燥して、白色固体を形態Aとして得た。
【0037】
XRPDを用いて形態Aを分析した。XRPDパターンを図1に示す。XRPDパターンの主要ピークおよびそれらの相対強度を表1に示す。
実験条件:
XRPD:結晶形を分析するために、試料をゴニオメーターの試料ホルダーに取り付け、周囲条件で測定した。ステップサイズ0.05°で4〜40°の2シータ、ならびに40KVおよび40mAにおいてBruker D8 Advance X線粉末回折計で1秒/ステップの走査速度で、データを収集した。波長1.54ÅのCu放射線をデータ収集に用いた。
【0038】
DSC分析:TA示差走査熱量計Q2000を用いてDSC曲線を記録した。試料は、10℃/分の速度で25℃〜350℃に加熱した。
TGA分析:熱重量分析はTA Q5000で操作した。試料は、10℃/分の速度で120℃〜400℃に加熱した。
【0039】
【表2】
【0040】
図2および図3に示すDSCおよびTGAの結果は、化合物(I)の形態Aが225.3℃の開始溶融温度を有することを示している。
実施例2
化合物(I)の水和物形態、形態Bの調製
実施例1で調製した形態Aを用いて室温において60時間で水中のスラリーを形成することにより形態Bを形成した後、固体を濾過により収集し、減圧乾燥した。形態Bを、図4に示すXRPDにより特性決定した。XRPDパターンの主要ピークおよびそれらの相対強度を表2に示す。
【0041】
実験条件:
XRPD:結晶形を分析するために、試料をゴニオメーターの試料ホルダーに取り付け、周囲条件で測定した。ステップサイズ0.05°で4〜40°の2シータ、ならびに40KVおよび40mAにおいてBruker D8 Advance X線粉末回折計で1秒/ステップの走査速度で、データを収集した。波長1.54ÅのCu放射線をデータ収集に用いた。
【0042】
DSC分析:TA示差走査熱量計Q2000を用いてDSC曲線を記録した。試料は、10℃/分の速度で25℃〜300℃に加熱した。
TGA分析:熱重量分析はTA Q5000で操作した。試料は、10℃/分の速度で25℃〜350℃に加熱した。
【0043】
【表3】
【0044】
図5および図6に示すDSCおよびTGAの結果は、化合物(I)の形態Bが57.2℃の脱水温度および256.3℃の開始溶融温度を有することを示している。
実施例3
化合物(I)の形態Cの調製
実施例1で調製した化合物(I)の形態Aを230℃に加熱し、減圧下、230℃で5分間保持した。固体を形態Cとして得、XRPD、DSCおよびTGAにより特性決定した。
【0045】
化合物(I)の形態CのXRPDパターンを図7に示す。XRPDパターンの主要ピークおよびそれらの相対強度を、以下の表3に示す。
実験条件:
XRPD:結晶形を分析するために、試料をゴニオメーターの試料ホルダーに取り付け、周囲条件で測定した。ステップサイズ0.05°で4〜40°の2シータ、ならびに40KVおよび40mAにおいてBruker D8 Advance X線粉末回折計で1秒/ステップの走査速度で、データを収集した。波長1.54ÅのCu放射線をデータ収集に用いた。
【0046】
DSC分析:TA示差走査熱量計Q2000を用いてDSC曲線を記録した。試料は、10℃/分の速度で25℃〜300℃に加熱した。
TGA分析:熱重量分析はTA Q5000で操作した。試料は、10℃/分の速度で25℃〜400℃に加熱した。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
図8および図9に示すDSCおよびTGAの結果は、化合物(I)の形態Cが256.6℃の開始溶融温度を有することを示している。
図10は、化合物(I)の形態CのX線構造を示している。単結晶X線強度データを、Bruker APEX−II CCD回折計(Cu−Kα放射線、λ=1.54178Å)を用いて293Kで収集した。結晶データおよび構造精密化を表4に示す。
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
実施例4
化合物(I)の形態Dの調製
実施例2で調製した化合物(I)の形態Bを60℃に加熱し、60℃で2時間保持した。固体を形態Dとして得、XRPD、DSCおよびTGAにより特性決定した。
【0053】
化合物(I)の形態DのXRPDパターンを図11に示す。XRPDパターンの主要ピークおよびそれらの相対強度を、表5に示す。
実験条件:
XRPD:結晶形を分析するために、試料をゴニオメーターの試料ホルダーに取り付け、周囲条件で測定した。ステップサイズ0.05°で4〜40°の2シータ、ならびに40KVおよび40mAにおいてBruker D8 Advance X線粉末回折計で1秒/ステップの走査速度で、データを収集した。波長1.54ÅのCu放射線をデータ収集に用いた。
【0054】
DSC分析:TA示差走査熱量計Q2000を用いてDSC曲線を記録した。試料は、10℃/分の速度で25℃〜300℃に加熱した。
TGA分析:熱重量分析はTA Q5000で操作した。試料は、10℃/分の速度で25℃〜350℃に加熱した。
【0055】
【表8】
【0056】
図12および図13に示すDSCおよびTGAの結果は、化合物(I)の形態Dが53.2℃の脱水温度および255.6℃の開始溶融温度を有することを示している。
実施例5
化合物(I)の一酢酸塩形態Eの調製
実施例3で調製した44mgの化合物(I)の形態Cを、440μLの酢酸エチルに溶解した。等モルの酢酸を先の反応混合物に加えた。該混合物を室温で一晩撹拌して、沈殿を生じさせた。XRPD分析のために固体を形態Eとして単離した。
【0057】
化合物(I)の一酢酸塩形態EのXRPDパターンを図14に示す。XRPDパターンの主要ピークおよびそれらの相対強度を、表6に示す。
実験条件:
XRPD:結晶形を分析するために、試料をゴニオメーターの試料ホルダーに取り付け、周囲条件で測定した。ステップサイズ0.05°で4〜40°の2シータ、ならびに40KVおよび40mAにおいてBruker D8 Advance X線粉末回折計で1秒/ステップの走査速度で、データを収集した。波長1.54ÅのCu放射線をデータ収集に用いた。
【0058】
【表9】
【0059】
実施例6
化合物(I)の一マレイン酸塩形態Fの調製
実施例3で調製した44mgの化合物(I)の形態Cを、440μLのエタノールに溶解した。等モルのマレイン酸を先の反応混合物に加えた。該混合物を室温で一晩撹拌して、沈殿を生じさせた。XRPD分析のために固体を形態Fとして単離した。
【0060】
化合物(I)の一マレイン酸塩形態FのXRPDパターンを図15に示す。XRPDパターンの主要ピークおよびそれらの相対強度を、表7に示す。
実験条件:
XRPD:結晶形を分析するために、試料をゴニオメーターの試料ホルダーに取り付け、周囲条件で測定した。ステップサイズ0.05°で4〜40°の2シータ、ならびに40KVおよび40mAにおいてBruker D8 Advance X線粉末回折計で1秒/ステップの走査速度で、データを収集した。波長1.54ÅのCu放射線をデータ収集に用いた。
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】
【0063】
実施例7
結晶形態の吸湿性
動的蒸気収着(DVS)を、SMS(Surface Measurement Systems Co.Ltd.)からのDVS intrinsicを用いて試験した。各結晶形態の化合物(I)20mgをアルミニウム試料皿に入れ、さまざまな湿度で試料の重量変化を記録した。DVS法のパラメーターを表16に準じて設定し、そのようなパラメーターに基づく機械によって該方法を実施した。
【0064】
さまざまな結晶形態の吸湿性の結果を表17に示す。吸湿性の結果によると、化合物(I)の形態A、C、EおよびFは、形態Dよりはるかに改善された吸湿性を示した。
【0065】
【表12】
【0066】
【表13】
【0067】
実施例8
結晶形態の化学的安定性
結晶形態C、EおよびFの化合物(I)40mgを、温度および湿度をそれぞれ50℃および40℃/75%RHに制御した安定性チャンバーで保管し、形態Bの化合物(I)40mgを105℃のオーブンに保管した。各時間点の後、試料をHPLCにより分析してそれらの化学的純度を確認し、最初の値と比較した。表18に示す結果によると、化合物(I)のすべての結晶形態は良好な化学的安定性特性を示した。
【0068】
【表14】
【0069】
実施例9
平衡水溶解度
SGF、FaSSIFおよびFeSSIFを包含するさまざまな生物関連媒体に10mgの化合物を懸濁させることにより、水溶解度を決定した。懸濁液を25℃で24時間平衡化した後、最終pHを測定した。その後、懸濁液を0.22μmのPVDFフィルターに通して2mLのHPLCバイアル中に濾過した。標準溶液を参照してHPLC(実施例10に記載)により定量を行った。選択した本発明の新規結晶形態の溶解度の結果を表19に示す。これは、0.1mg/mLを超える良好な水溶解度を示している。
【0070】
【表15】
発明の態様
[態様1]化合物(I)、
【化2】
またはその塩、溶媒和物、またはそれらの組み合わせの結晶形。
[態様2]形態が、形態A、形態B、形態C、形態D、形態Eまたは形態F;またはそれらの組み合わせである、態様1に記載の結晶形。
[態様3]結晶形が、9.79°±0.10°、10.64°±0.10°、16.79°±0.10°、17.51°±0.10°、20.12°±0.10°、21.62°±0.10°および25.79°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Aである、態様1または2に記載の結晶形。
[態様4]結晶形が、6.46°±0.10°、8.37°±0.10°、9.79°±0.10°、10.64°±0.10°、12.91°±0.10°、16.79°±0.10°、17.51°±0.10°、18.15°±0.10°、19.65°±0.10°、20.12°±0.10°、21.62°±0.10°、23.34°±0.10°および25.79°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Aである、態様3に記載の結晶形。
[態様5]結晶形が、図1に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Aである、態様3または4に記載の結晶形。
[態様6]結晶形が、10.21°±0.10°、11.93°±0.10°、13.22°±0.10°、14.35°±0.10°、18.56°±0.10°、20.79°±0.10°、23.24°±0.10°および25.15°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Bである、態様1または2に記載の結晶形。
[態様7]結晶形が、10.21°±0.10°、11.93°±0.10°、13.22°±0.10°、14.35°±0.10°、15.02°±0.10°、16.31°±0.10°、17.66°±0.10°、18.56°±0.10°、20.06°±0.10°、20.79°±0.10°、21.42°±0.10°、23.24°±0.10°、25.15°±0.10°、26.21°±0.10°、26.74°±0.10°および29.44°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Bである、態様6に記載の結晶形。
[態様8]結晶形が、図4に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Bである、態様6または7に記載の結晶形。
[態様9]結晶形Bが化合物(I)の水和物である、態様6〜8のいずれかに記載の結晶形。
[態様10]結晶形が、8.41°±0.10°、19.21°±0.10°、20.49°±0.10°、20.83°±0.10°、21.69°±0.10°、21.99°±0.10°および22.13°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Cである、態様1または2に記載の結晶形。
[態様11]結晶形が、8.41°±0.10°、13.71°±0.10°、14.95°±0.10°、17.01°±0.10°、19.21°±0.10°、20.49°±0.10°、20.83°±0.10°、21.46°±0.10°、21.69°±0.10°、21.99°±0.10°、22.13°±0.10°、24.95°±0.10°、25.85°±0.10°、26.63°±0.10°および27.34°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Cである、態様10に記載の結晶形。
[態様12]結晶形が、図7に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Cである、態様10または11に記載の結晶形。
[態様13]結晶形が、7.79°±0.10°、10.18°±0.10°、11.15°±0.10°、12.40°±0.10°、18.68°±0.10°、20.43°±0.10°および24.83°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Dである、態様1または2に記載の結晶形。
[態様14]結晶形が、7.79°±0.10°、10.18°±0.10°、11.15°±0.10°、12.40°±0.10°、12.90°±0.10°、18.68°±0.10°、19.73°±0.10°、20.16°±0.10°、20.43°±0.10°、21.16°±0.10°、23.14°±0.10°、23.93°±0.10°、24.83°±0.10°、25.71°±0.10°および27.11°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Dである、態様13に記載の結晶形。
[態様15]結晶形が、図11に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Dである、態様13または14に記載の結晶形。
[態様16]結晶形が、5.96°±0.10°、8.32°±0.10°、9.34°±0.10°、11.82°±0.10°、15.09°±0.10°、19.44°±0.10°および25.60°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Eである、態様1または2に記載の結晶形。
[態様17]結晶形が、5.96°±0.10°、8.32°±0.10°、9.34°±0.10°、11.82°±0.10°、13.22°±0.10°、15.09°±0.10°、16.90°±0.10°、17.46°±0.10°、19.44°±0.10°、21.08°±0.10°、22.59°±0.10°、23.12°±0.10°、25.25°±0.10°、25.60°±0.10°および28.34°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Eである、態様16に記載の結晶形。
[態様18]結晶形が、図14に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Eである、態様16または17に記載の結晶形。
[態様19]結晶形Eが化合物(I)の一酢酸塩である、態様16〜18のいずれかに記載の結晶形。
[態様20]結晶形が、10.27°±0.10°、12.38°±0.10°、18.59°±0.10°、19.91°±0.10°、20.14°±0.10°、23.93°±0.10°および24.78°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Fである、態様1または2に記載の結晶形。
[態様21]結晶形が、8.32°±0.10°、10.27°±0.10°、12.38°±0.10°、13.05°±0.10°、16.58°±0.10°、18.01°±0.10°、18.59°±0.10°、19.70°±0.10°、19.91°±0.10°、20.14°±0.10°、22.01°±0.10°、23.56°±0.10°、23.93°±0.10°、24.78°±0.10°および26.39°±0.10°に2シータ度を表す特性ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Fである、態様20に記載の結晶形。
[態様22]結晶形が、図15に示すX線粉末回折(XRPD)パターンを示す形態Fである、態様20または21に記載の結晶形。
[態様23]結晶形Fが化合物(I)の一マレイン酸塩である、態様20〜22のいずれかに記載の結晶形。
[態様24]態様1〜23のいずれかに記載の非晶質または結晶形と、医薬的に許容しうるキャリヤー、賦形剤、希釈剤、アジュバント、ビヒクルまたはそれらの組み合わせとを含む、医薬組成物。
[態様25]患者においてウイルス性疾患を処置または予防するための医薬品の製造のための、態様1〜23のいずれかに記載の非晶質もしくは結晶形または態様24に記載の医薬組成物の使用。
[態様26]ウイルス性疾患が、呼吸器合胞体ウイルス感染症、または呼吸器合胞体ウイルス感染症に起因する疾患である、態様25に記載の使用。
[態様27]呼吸器合胞体ウイルス感染症または呼吸器合胞体ウイルス感染症に起因する疾患の処置または予防方法であって、該方法が、治療的に有効な量の態様1〜23のいずれかに定義した結晶形または態様24の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
[態様28]上記のような発明。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20