(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記の化合物は昇華によって精製され得る。これらの化合物の物理的特性、および、関連する物質の物理的性質を以下の表にまとめる。
【0015】
上記の化合物はそれ自体で正孔輸送物質として使用され得るし、また、アクセプタ型の有機分子であるp−ドーパントとともに正孔輸送物質を含み得る。後者の場合、ドーパントは、物質が層を形成するために蒸着される場合にドーパントが層の厚さの約10〜40%となる量だけ存在しても良いが、例えば、物質が層を形成するために蒸着される場合にドーパントが層の厚さの約33%となる。ドーパントは、テトラシアノキノジメタン、もしくは、テトラフルオロテトラシアノキノジメタンを含んでも良く、また、ドーパントは、以下の一般式(i)〜(vii)に示すいずれの化合物を含んでも良い。
【0017】
ここで、式(i)〜(v)のいずれにおいても、R基は、同じであっても異なっていても良く、水素、置換および非置換の脂肪族基、置換および非置換の芳香環構造、置換および非置換の複素環構造、置換および非置換の多環構造、ハロゲン、ならびに、チオフェニル基から選択される。
【0018】
式(i)では、メチル基は、C
1〜C
4アルキル基、または、単環式アリール基、もしくは、多環式アリール基、または、ヘテロアリール基で置換され得、これらの基は、さらに、例えばアルキル基、アリール基もしくはアリールアミノ基、または、式(viii)もしくは(ix)などで置換され得る。
【0020】
ここで、上記の式のいずれでも、R
1〜R
4基は同じであっても異なっていても良く、水素、置換および非置換の脂肪族基、置換および非置換の芳香環構造、置換および非置換の複素環構造、置換および非置換の多環構造、ハロゲン、ならびに、チオフェニル基から選択される。
【0021】
このようなドーパントは、α−NPBもしくはβ−NPBである三級アミンを含んでも良い。
【0022】
上記の化合物は、第1の電極および第2の電極と、これらの電極の間にあり、上記の化合物、あるいは、上記のドープ物質を含む層とを有し、化合物もしくはその化合物の混合物が正孔輸送層を形成する光学発光ダイオード(OLED)に含まれても良い。このようなOLEDでは、発光層(emissive layer)は、蛍光発光体、りん光発光体、イオン蛍光性の(希土類元素をベースとした)発光体(ion fluorescent (rare earth based) emitter)、量子ドット、もしくは、熱活性蛍光(TADF)物質であっても良い。
【0023】
このようなデバイス中には、PEDOT:PSS、CuPC、ZnTpTP、2-TNATA、MoO
3、もしくは、以下の化合物を含む正孔注入層が備えられていても良い。
【0025】
アルミニウムキノラート、ジルコニウムキノラートなどの既知の電子輸送物質は、電子輸送層を提供しうる。使用され得る有機電子輸送物質には、1,3,5-トリス(N-フェニルベンゾイミダゾール-2-イル)ベンゼン(1,3,5-tris(N-phenylbenzimidizol-2-yl)benzene)、および、以下に示す化合物のいずれかが含まれる。
【0027】
電子注入層として、任意の既知の電子注入物質が使用され得るが、LiFが典型的に使用される。他に使用されうる物質は、BaF
2、CaF
2、CsF、MgF
2、および、KFを含む。電子注入層は、カソード上に、直接、蒸着され得る。また、電子注入層は以下の式の化合物を含み得る。
【0029】
ここで、R
1は、1〜5のアリール環(多環アリール、もしくは、アリール置換された多環アリールを含む)基、アラルキル環基もしくはヘテロアリール環基であり、これらは、1つ以上のC
1-C
4アルキル置換基もしくはC
1-C
4アルコキシ置換基で置換されていても良く、
R
2とR
3は、1〜5のアリール環(多環アリール、もしくは、アリール置換された多環アリールを含む)基、アラルキル環基もしくはヘテロアリール環基を形成し、これらは、1つ以上のC
1-C
4アルキル置換基もしくはC
1-C
4アルコキシ置換基で置換されても良い。上記の式の化合物は、単体で用いられても良く、また、リチウムキノラートもしくはジルコニウムキノラートなどのキノラートのような、他の電子注入物質と組み合わせて用いられても良い。シッフ塩基は、好ましくは、電子注入層の少なくとも30重量%であり、より好ましくは、少なくとも50重量%である。
【0030】
以上で説明した式において、R
1は、ナフチル基、アントラセニル基、テトラセニル(tetracenyl)基、ペンタセニル(pentacenyl)基などの多環アリール、ペリレン化合物もしくはピレン化合物であっても良く、または、ビフェニル基等の鎖状に配置された5つ以下の芳香環を有しても良い。好ましくは、R
1は、フェニル基、もしくは、置換されたフェニル基である。R
2とR
3は、R
1と同じ基を形成しても良く、好ましくは、これらは、フェニル基、もしくは、置換されたフェニル基である。ここで、置換基が存在する場合、置換基は、メチル基、エチル基、プロピル基、もしくは、t-ブチル置換基を含むブチル基であっても良く、また、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、もしくは、t-ブトキシ置換基を含むブトキシ基であっても良い。特定の化合物には、以下のものが含まれる。
【0032】
多くの実施形態では、カソードとして、アルミニウム単体、または、アルミニウムとマグネシウムや銀などの元素との合金が使用されるが、いくつかの実施形態では、カルシウムなどの他のカソード材料も使用されうる。ある実施形態では、カソードは、電子注入層もしくは電子移動層により近接した、Li-Ag合金、Mg-Ag合金、もしくは、Al-Mg合金などの第1の合金層、ならびに、電子注入層もしくは電子移動層からより離れて位置する第2の純アルミニウム層を含んでも良い。グラフェンがカソードとして作用するセルも本発明の範囲内である。
【0033】
上記の化合物は、フラットパネルディスプレイ、ライティングパネル、有機光発電デバイス、静電潜像デバイス、有機薄膜トランジスタ、色素増感太陽電池デバイス、プリントデバイス(printed device)、量子ドットに基づくエレクトロルミネセンスデバイスの一部を形成するデバイスに含まれていても良い。このようなOLEDデバイスは、導電性、抵抗性、誘電性、圧電性、もしくは、焦電気性のフィルム、配線、または、グリッドにプリントを行う光源として使用されうる。
【0034】
本明細書に記載の化合物の一方もしくは両方を、量子ドットエレクトロルミネセンスデバイス(QLED)中の正孔輸送層に含めること、または、こうした正孔輸送層として使用することが可能であると考えられる。より具体的には、代表的なQLEDは米国特許出願2009/009057 (Lee et al.,)に記載されており、その文献には、QLEDは、基板、正孔注入電極、正孔輸送層、量子ドットルミネセンス層、電子輸送層、および、電子注入電極を含むと記載されている。正孔輸送層の材料として提案される物質は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)/ポリスチレンパラスルホン酸塩(polystyrene parasulfonate、PSS)、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリメタクリル酸、ポリ(9,9-オクチルフルオレン)、ポリ(スピロフルオレン)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス-3-メチルフェニル-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン(TPD)、N,N'-ジ(ナフタレン-1-イル)-N-N'-ジフェニルベンジジン、トリス(3-メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MATADA)、ポリ-9,9'-ジオクチルフルオレン-co-N-(4-ブチルフェニル)ジフェニルアミン(TFB)、フタロシアニン銅、ポリビニルカルバゾール(PVK)、および、これらの誘導体、ならびに、スターバースト物質を含む。量子ドットルミネセンス層は、II族〜VI族の化合物の半導体ナノ結晶(II-VI group compound semiconductor nanocrystal)、III族〜V族の化合物の半導体ナノ結晶、IV族〜VI族の化合物の半導体ナノ結晶、IV族の化合物の半導体ナノ結晶、および、これらの混合物、ならびに、ZnO、SiO
2、Sn0
2、W0
3、Zr0
2、Hf0
2、Ta
20
5、BaTi0
3、BaZr0
3、A1
20
3、Y
20
3、ZrSi0
4、および、これらの混合物を含む金属酸化物からなるグループから選択された物質を含んでも良い。本発明にかかる化合物、もしくは、それらの混合物、および、任意選択で、アクセプタ型の有機分子であるp-ドーパントを、上述の化合物の代わりに正孔輸送層に含めても良く、上述の化合物に加えて正孔輸送層に含めても良く、また、上述の化合物との混合物として正孔輸送層に含めても良い。米国特許7569248 (Jang et al, Samsung)、米国特許8552416(Kin et al, L G Display Co.)、および、Kathirgamanathan, Electroluminescent Organic and Quantum Dot LEDs: The State of the Art, J. Display Technologies, 11, No. 5, 480-493も参照されたい。このようなQLEDデバイスはディスプレイパネルに含まれていても良く、照明に使用されても良い。
【0035】
本発明がどのように実施されうるかを、添付の実施例を参照しながら説明する。
【0036】
[実施例1(参考)]
<2,8-ジブロモジベンゾチオフェンの合成>
【0038】
ジベンゾチオフェン(15.0 g; 0.0814 mol)のクロロホルム(80ml)スラリーに、臭素(10.5 ml; 32.6 g; 0.18 mol)を含むクロロホルム(20ml)をゆっくりと加えた。赤茶色の反応混合物を、室温で24時間にわたって撹拌し、大気圧下での蒸留により、溶媒を除去した。ろ液がほとんど無色になるまで、残留物をメタノールで3回洗浄した。オフホワイトの固体を真空下、75℃で乾燥させた。収量は20.5g(74%)であった。生成物を昇華させて、分析的に純粋な無色の固体を得た。18.2g (89 %)。M.p 223℃(DSC、オンセット)、227℃(DSC、ピーク)(文献値226℃、TCI)。
【0039】
<2,8-ビス(1-チアントレニル)ジベンゾチオフェン(HTS−8)>
【0041】
60℃の2,8-ジブロモジベンゾチオフェン(1.0g; 2.9 mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(50ml)溶液に、1-チアントレンボロン酸(1.6g; 6.1mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.34 g; 0.29 mmol)を加え、さらに、炭酸カリウム(3.2 g; 23 mmol)の水溶液(20ml)を加えた。反応混合物の色はゆっくりと濃くなり、緑がかった色になった。混合物を磁気的に撹拌し、窒素下で20時間にわたって還流した。その後、冷却した反応混合物から、減圧下で溶媒を除去した。残留物をジクロロメタン(150ml)に溶解させて、水、次いでかん水で抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去すると、緑がかった残留物が得られた。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン−石油エーテル(40〜60℃)(4:1)の溶離液を用いて精製した。ジエチルエーテル−石油エーテル(40〜60℃)を用いた粉砕(trituration)により、粗生成物として、オフホワイトの固体(1.3g; 73 %)が得られた。粗生成物は300℃での昇華(1.6×10
-6バール)によりさらに精製され、ガラス状の固体0.48gが得られた。精製された生成物は、DSCでは融解ピークを示さなかった。精製された生成物のガラス転移温度Tgは133℃だった。
結果 : C, 70.10; H, 3.41; S, 26.53.
C
36H
20S
5の理論値:C, 70.55; H, 3.29; S, 26.16 %.
UV: λmax/nm (ε) (CH
2Cl
2);294(sh)(30,989)、263(97,473)および230(35,934)
UV: λmax/nm (薄膜); 303 と268;
バンドギャップ: 3.85 eV
FL: λmax/nm(ε) (CH
2Cl
2); 441 (励起波長: 350 nm),
λmax/nm(ε) (粉末) 439 (励起波長: 350 nm);
λmax/nm(ε) (薄膜), 434, (励起波長: 350 nm)
CV: 電解質(lOOmM-テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボラート)、被検物質(1 mM)、溶媒-ジクロロメタン:
HOMO:-6.06 eV および LUMO:-2.2 eV 薄膜の光吸収端から計算
TGA/℃(% 重量減少):486(5)および510(10)
【0042】
[実施例2]
<2-(4'-ジフェニルアミノ)フェニル-8-(1'-チアントレニル)-ジベンゾチオフェン (HTS−11)>
【0044】
2-ブロモ-8-(1-チアントレニル)ジベンゾチオフェン(4.0 g, 8.38 mmole)とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.485 g; 0.420 mmol)の混合物を1,2-ジメトキシエタン(50ml)中で、約50℃で10分間加熱した。その後、4-(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸(2.2 g; 7.54 mmol)を1,2-ジメトキシエタン(10ml)に溶かして加え、さらに、炭酸カリウム(5.8 g; 41.97 mmol)の水溶液(10ml)を加えた。得られた混合物を窒素下で20時間還流した。冷却した反応混合物から溶媒を除去し、残留物をジクロロメタンに溶解させて、水で洗浄した。有機層を再度かん水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を除去して、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、CH
2Cl
2−石油エーテル(40〜60℃)を用いて精製した。その生成物を含む溶離液をロータリーエバポレーターで蒸発させ、残留物をメタノール中で一晩にわたって磁気的に撹拌すると、蛍光を発する白色の固体3.3gが得られた(61%)。その生成物は355℃での昇華(2.0×10
-6Torr)によりさらに精製され、無色のガラス状の固体1.3gが得られた(昇華の収率は約40%)。精製された生成物は、DSCでは融解ピークを示さなかったが、Tgは124℃だった。
結果 : C 79.37, H 3.67, N 2.45, S 16.04 %,
以下の分析結果も得られた: C 77.52, H 4.13, N 1.89 および S 16.04 %
C
42H
27NS
3の理論値:C 78.59, H 4.24, N 2.18 および S 14.99 %.
UV:λ
max(CH
2Cl
2)/nm (ε/dm
3mol
-1cm
-1)
338 (25,536) 291 sh(30,643) および 261(72,321).
λ
max(薄膜)/nm: 336 sh, 291(sh) および 261 nm.
光学バンドギャップ: 3.26 eV
FL:λmax /nm(CH
2Cl
2)em: 413; ex/nm: 300;
λmax /nm(粉末)em: 419, ex/nm: 300;
λmax/nm(薄膜) em: 414, ex/nm: 300.
TGA/℃(% 重量減少): 461 (1%) および 509 (5)
【0045】
[実施例3]
<4-(1-チアントレニル)-ビス(トリフェニルアミン) (HTS−13)>
【0047】
(a)4,4'-ジブロモトリフェニルアミン(5.3g; 0.013mole)の2-メトキシエタノール(50ml)スラリーに、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.76g; 0.00066 mole)を加え、さらに、1-チアントレニルボロン酸(3.42g; 0.013 mole)を2-メトキシエタノール(30ml)に溶かしたものを加えた。その後、ナトリウムtert-ブトキシド(2.4g; 0.025 mole)を加え、次いで、2-メトキシエタノール(20ml)を加えた。得られた反応混合物を窒素下で20時間還流した。得られた溶液は、始めは均質になり、その後、混濁し、最後は深緑色になった。溶媒を減圧下でロータリーエバポレーターを用いて除去し、残留物をジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン溶液をかん水と水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ別した後の溶媒をロータリーエバポレーター内で蒸発させると、深緑色の固体が得られた。この固体を、カラムクロマトグラフィーにより、石油エーテル−ジクロロメタン(3:2)を用いて精製すると、無色の固体3.4gが得られた(48%)。
【0048】
(b)4-ブロモ-4'-(1-チアントレニル)トリフェニルアミン(3.3g; 0.0061mole)をジメトキシエタン(40ml)に加え、約50℃で10分間加熱し、その後、(PPh
3)
4Pd(0.75 g; 0.00065 mole)を加え、さらに、トルエン(20ml)を加えた。透明な溶液が得られたが、10分以内に色が暗くなった。4-(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸(1.60 g; 0.0055 mole)をトルエン(20ml)に溶かして加え、さらに、炭酸カリウム(92.6 g; 0.018 mole)の水溶液(10ml)を加えた。反応混合物を磁気的に撹拌し、20時間還流した。ロータリーエバポレーターを用いて反応混合物から溶媒を除去し、残留物をジクロロメタンに溶解させて、2回水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を硫酸マグネシウムからろ別し、ロータリーエバポレーターで除去すると、粗生成物が得られた。粗生成物を、CH
2Cl
2−石油エーテル(40〜60℃)(1:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーで処理することで、粘度の高い液体が生成物として得られた。得られた生成物を冷却して、メタノールと少量の石油エーテル(40〜60℃)中で、磁気的に撹拌すると、非晶質の白色の固体が得られた。その固体をろ別し、真空下において80℃で乾燥すると、3.1gの生成物が得られた(72%)。生成物を280℃での昇華(4.8×10
-7Torr)によりさらに精製すると、ガラス状の固体1.3gが得られた(42%)。精製された化合物は、DSCでは融解ピークを示さなかったが、ガラス転移温度(Tg)は107℃だった。
結果: C 81.20, H 4.80, N 3.93, S 10.16 %.
C
48H
34N
2S
2の理論値, C 82.02, H 4.88, N 3.98 および S 9.12 %.
UV: λ
max(トルエン)/nm (ε/dm
3mol
-1cm
-1) 324.50 (36,506).
λ
max (薄膜)/nm: 324.50 および 265.50 nm
光学バンドギャップ: 3.1 eV
FL: λ
max/nm(トルエン)em: 394 および 410(sh); ex/nm: 320;
λ
max /nm(粉末)em: 427, ex/nm: 320;
λ
max /nm(薄膜) em: 428 および 410 (sh), ex/nm: 320.
TGA/℃(% 重量減少): 382 (5) および Td 498℃
【0049】
[実施例4]
<OLEDデバイスの効率>
正孔輸送層にα―NPB、HTS−8、HTS−11を用いたOLEDが製造された。層は以下の通りである(ここで、HILは正孔注入層を意味し、HTLは正孔輸送層を意味し、EMLは発光層を意味し、さらに、ELTは電子輸送層を意味する)。
アノード: ガラス上のITO
HIL : PEDOT:PSS 約40nm、スピンコーティング
HTL : NPB(50nm)、HTS−8(10〜22nm)、
もしくは、HTS−11(10〜30nm)
EML : TCTA:TPBi(3:7):Ir(ppy)2acac、10%ドープ
ETL : TPBi(30nm)
カソード:LiF(0.5nm)/Al(100nm)
【0050】
上記のリストにおいて、PEDOTはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を意味し、PSSはポリ(4-スチレンスルホン酸塩)を意味する。TCTAは、トリス(4-カルバゾイル-9-イルフェニルアミン)を意味する。さらに、TPBiは、1,3,5-トリス(N-フェニルベンゾイミダゾール-2-イル)ベンゼンを意味する。PEDOT:PSSはスピンコーティングされ、HTS−8もクロロベンゼンでスピンコーティングされる。様々なセルに対して得られたデバイスの性能は以下の通りである。
【0052】
これらのセルは緑色の発光を提供する。代表的なセルの効率は
図3に示すが、効率はHTS−11>HTS−8>α−NPBの順である。セルのエネルギー帯の図を
図4に示す。輝度に対する電流効率のプロットを
図5に示す。