(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回折格子が、前記導光体の光進入縁部からの距離の関数として直線的に減少する、隣接する回折フィーチャ間のフィーチャ間隔を有する、回折フィーチャを含む、請求項1または2に記載の集光型バックライト。
前記導光体と前記アイボックスの間に位置する別の光バルブアレイをさらに備え、前記別の光バルブアレイが、前記回折により外へ結合された光をさらに変調して、前記アイボックス内にイメージを形成するように構成され、前記回折により外へ結合された光のさらなる変調が、ユーザに眼の順応のきっかけを与えるように構成されている、請求項10から12のいずれか一項に記載のニアアイディスプレイシステム。
前記別の光バルブアレイが、ユーザの眼に着用されるように構成された、ピクセル化されたコンタクトレンズを含み、前記ピクセル化されたコンタクトレンズは、ユーザの眼が前記アイボックス内部に位置するときに、ユーザの眼に進入する光の量を制御するように動作可能に構成された、個別の光バルブを有する、請求項13に記載のニアアイディスプレイシステム。
前記ニアアイディスプレイシステムを、ヘッドマウントディスプレイとして、ユーザの眼の前に位置決めするように構成された、ヘッドセットをさらに備え、前記ニアアイディスプレイシステムは、前記ヘッドセットによりユーザの眼を前記アイボックス内部に位置決めするように配置されており、前記ニアアイディスプレイシステムは、拡張現実システムおよび仮想現実システムのうちの一方である、請求項10から15のいずれか一項に記載のニアアイディスプレイシステム。
前記ニアアイディスプレイシステムは、前記導光体内部の前記導波光の伝播方向に直交する方向において、光透過性であり、また前記ニアアイディスプレイシステムは、物理的環境の視界に、形成されたイメージを重ね合わせるように構成された、拡張現実システムである、請求項16に記載のニアアイディスプレイシステム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特定の例および実施形態は、上記で参照された図に示された特徴に加えたその他の特徴、およびその代りであるその他の特徴の一方のその他の特徴を有してもよい。これら、およびその他の特徴を、上記で参照された図を参照して、以下に詳述する。
【0008】
本明細書に記載された原理による実施形態は、ニアアイディスプレイシステムへの応用と共に、集光型バックライトを提供する。様々な実施形態によれば、集光型バックライトは、光を導光体から回折により外へ結合する(diffractively couple light out of a light guide)ように構成された、回折格子を使用する。さらに、様々な実施形態によれば、回折格子は、回折により外へ結合された光(diffractively coupled-out light)をアイボックス(eyebox)中に集光するように構成されている。いくつかの実施形態においては、アイボックスは、所定の幅を有するが、その他の実施形態においては、アイボックスは、所定の幅と、所定の長さとを有してもよい。様々な実施形態によれば、集光型バックライトは、ニアアイディスプレイシステムに使用してもよい。特に、それに限定はされないが、拡張現実システムおよび仮想現実システムを含む、ニアアイディスプレイシステムは、いくつかの実施形態による、本明細書に記載された集光型バックライトを使用して、実現してもよい。
【0009】
本明細書においては、「回折格子」は、一般的には、回折格子に入射した光の回折をもたらすように配設された、複数のフィーチャ(すなわち、回折フィーチャ)として定義される。いくつかの例においては、複数のフィーチャを、周期的な偽周期的な方法で、配設しもよい。例えば、回折格子は、1次元(1D)アレイに配設された、複数のフィーチャ(例えば、材料表面における複数の溝または稜部(ridge))を含んでもよい。その他の例においては、回折格子は、フィーチャの2次元(2D)アレイとしてもよい。回折格子は、例えば、材料表面上の隆起(bump)の、または材料表面内の穴の、2Dアレイとしてもよい。
【0010】
それからして、本明細書における定義により、「回折格子」は、回折格子上に入射した光の回折をもたらす構造である。光が、導光体から回折格子上に入射する場合には、もたらされた回折または回折的な散乱が生じ、したがって、回折格子が回折により導光体の外へ光を結合する点において、「回折結合(diffractive coupling)」と呼ばれる。回折格子はまた、回折によって光を再指向させるか、またはその角度を(すなわち、回折角度で)変化させる。特に、回折の結果として、回折格子から出る光は、一般に、回折格子に入射する光(すなわち、入射光)の伝播方向と異なる伝播方向を有する。回折による光の伝播方向の変化を、本明細書においては「回折再指向(diffractive redirection)」と呼ぶ。それゆえに、回折格子は、回折格子に入射した光を回折的に再指向させる、回折フィーチャを含む構造であると理解してもよく、光が導光体から入射する場合には、回折格子は、導光体からその光を回折により外へ結合させることもできる。
【0011】
さらに、本明細書における定義により、回折格子のフィーチャは、「回折フィーチャ」と呼び、材料表面(すなわち、2つの材料の間の境界)における、その中の、およびその上の1種または2種以上としてもよい。表面は、例えば、導光体の表面としてもよい。回折フィーチャとしては、それには限定はされないが、表面における、その中の、またはその上の溝、稜部、穴および隆起の1種または2種以上を含む、光を回折する多様の構造のいずれかを挙げることができる。例えば、回折格子としては、材料表面内の複数の実質的に平行な溝を挙げることができる。別の例においては、回折格子として、材料表面から外に立ちあがる複数の平行な稜部を挙げることができる。回折フィーチャ(例えば、溝、稜部、穴、隆起、等)は、それに限定はされないが、正弦波輪郭、四辺形輪郭(例えば、バイナリ回折格子)、三角形輪郭、および鋸刃形輪郭(例えば、ブレーズド格子(blazed grating))の1種または2種以上を含む、回折をもたらす多様な横断面形状または輪郭のいずれかを有してもよい。
【0012】
本明細書において用いられるときには、「順応(accommodation)」の用語は、眼の屈折力(optical power)を変化させることによって、対象物またはイメージ要素に合焦させる過程を意味する。言い換えると、順応は、眼の合焦する能力である。本明細書においては、「順応範囲」またはそれと等しく「順応距離」は、対象物の明瞭な、または「焦点の合った」イメージを眼で見ることのできる、眼からの、対象物の最小距離として定義される。言い換えると、本明細書における定義によって、眼は、一般に、順応距離よりも眼に近い対象物に明瞭に焦点を合わせることができない。順応範囲は、個人ごとに変動することがあるが、本明細書においては、例えば、簡単にするために、約25センチメートル(cm)の最小の「正常」順応距離が仮定される。したがって、いわゆる「正常順応範囲」内での対象物に対して、対象物は、一般に、眼から約25cmより大きく位置していると理解される。さらに、本明細書における定義によって、ニアアイディスプレイは、ディスプレイの少なくとも一部分が、ニアアイディスプレイのユーザの眼から25cmよりも近くに位置する、ディスプレイである。
【0013】
本明細書において、「アイボックス」とは、ディスプレイまたはその他の光学システム(例えば、レンズシステム)によって形成されたイメージを、その中で見ることのできる、空間の領域または容積として定義される。言い換えると、アイボックスは、ディスプレイシステムによって生成されたイメージを見るために、ユーザの眼を置くことのできる、空間内の場所を画定する。いくつかの実施形態においては、アイボックスは、空間の2次元領域(例えば、長さと幅を有するが、実質的に深さのない領域)を表わしてもよく、それに対してその他の実施形態においては、アイボックスは、空間の3次元領域(例えば、長さ、幅、および深さを有する領域)を含んでもよい。さらに、「ボックス」と呼んでいるが、アイボックスは、多角形または四角形の形状であるボックスに制限されない。例えば、アイボックスは、いくつかの実施形態においては、空間の円筒形領域を含んでもよい。
【0014】
本明細書において、σで表わされる「コリメーション係数(collimation factor)」は、光がコリメートされる度合として定義される。特に、コリメーション係数は、本明細書における定義により、コリメートされた光ビーム内部の光線の角度広がり(angular spread)を規定する。例えば、コリメーション係数σは、コリメートされた光のビームにおける光線の大多数が、特定の角度広がり範囲(例えば、コリメートされた光ビームの中心または主角度方向のまわりに+/−σ度)内にあることを指定できる。コリメートされた光ビームの光線は、角度についてガウス分布を有し、角度広がりは、いくつかの例によれば、コリメートされた光ビームのピーク強度の2分の1で決定される角度とすることができる。
【0015】
本明細書において使用される場合には、冠詞「a」は、特許技術における、その通常の意味、すなわち「1つまたは2つ以上」を有することが意図されている。例えば、「a grating(格子)」は、1つまたは2つ以上の格子を意味し、それゆえに、「the grating」は、本明細書においては「the grating(s)」を意味する。また、本明細書における「上端(top)」、「下端(bottom)」、「上部」、「下部」、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「第1」、「第2」、「左」または「右」への言及は、いずれも本明細書における限定を意味するものではない。本明細書にいては、「約」という用語は、値に付与されるときには、その値を生成するのに使用される機器の許容範囲内を一般に意味するが、例によっては、特に断らない限り、±10%、±5%、または±1%を意味する。さらに、本明細書において使用されるときには、「実質的に」という用語は、大部分、またはほとんど全部、または全部、あるいは、例えば、約51%から約100%の範囲内の量を意味する。さらに、本明細書における例は、説明目的だけのものであり、限定ではなく、考察の目的で提示されている。
【0016】
本明細書に記載された原理のいくつかの実施形態により、集光型バックライトが提供される。
図1Aは、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、一例の集光型バックライト100を示す側面図である。
図1Bは、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、一例の
図1Aの集光型バックライト100の一部分を示す横断面図である。
図1Cは、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、一例の
図1Aの集光型バックライト100の別の部分を示す横断面図である。
図1Dは、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、一例の
図1Aの集光型バックライト100を示す平面図である。図示されているように、集光型バックライト100は、集光型バックライト100から離れる方向に向けられる、本明細書においては「回折により外に結合された」光102と呼ばれる、光を供給または放出するように構成されている。さらに、集光型バックライト100は、供給または放出された光を、集光型バックライト100に隣接する(例えば、その上方の)所定の領域に集光するように構成されている。特に、回折により外へ結合された光102は、集光型バックライト100によって、以下にさらに詳細に説明するように、集光型バックライト100に隣接するアイボックス108中に集光してもよい。
【0017】
様々な実施形態によれば、
図1A〜1Dに示されている、集光型バックライト100は、導光体110を備える。導光体110は、いくつかの実施形態においては(例えば、本明細書に示されるように)、平板導光体110としてもよい。導光体110は、光を導波光104として案内するように構成されている(
図1Cを参照)。特に、導波光104は、様々な実施形態によれば、導光体110の長さに沿って、長手方向(例えば、図示のように、x方向)に伝播することができる。さらに、導波光104は、
図1Aおよび
図1Cに示されているように、一般に、導光体110の光進入縁部112から離れる方向に伝播させてもよい。
図1Aにおいて、導光体110内部で、光進入縁部112から離れる方向を指している矢印は、導波光104自体と、長手方向における、例えば導光体長さに沿った、導波光104の伝播の両方を示す。
【0018】
様々な実施形態によれば、導光体110は、全内部反射を使用して、またはそれに従って、導波光104を導くように構成されている。特に、導光体110は、光透過性の誘電材料の、延長された、実質的に平面状のシートまたはスラブで構成された、光学導波路としてもよい。平板状光導波路として、導光体110は、それに限定はされないが、シリカガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラスなどの様々な種類のガラスに加えて、それに限定はされないが、ポリ(メチルメタクリレート)またはアクリルガラス、およびポリカーボネートなどの、実質的に光透過性のプラスチックまたはポリマーを含む、ある数の異なる光透過性材料の任意の1種で構成してもよい。いくつかの実施形態においては、導光体110は、全内部反射をさらに促進するために、導光体110(図示せず)の表面の少なくとも一部分の上にクラッド層を含めてもよい。
【0019】
様々な実施形態において、光は、それの光進入縁部112に沿って、導光体110中に結合させてもよい。特に、光は、導波光104として導光体110内部を伝播するように、所定の角度で、注入または結合させてもよい。さらに、光は、所定の角度またはコリメーション係数σの範囲で結合されるか、またはそれを有してもよい。すなわち、導波光104は、コリメートされた光であり、コリメーション係数σの角度範囲、またはそれによって規定される角度範囲は、最終的に平板導光体110内部を導波光104として伝播する、結合光内の光線の角度分布を表わすことができる。様々な実施形態によれば、回折により外へ結合された光102は、コリメーション係数σと実質的に類似するか、またはそれよって少なくとも規定される角度範囲、あるいはその中で規定される角度範囲を含むことができる。例えば、
図1Aにおける回折により外へ結合された光102を表わす実線矢印に隣接する破線矢印は、回折により外へ結合された光102内の様々な光ビームまたは光線の角度範囲を示す。
【0020】
一例においては、コリメーション係数σは、約40度以下の角度広がりを表わす(すなわちσ<±40°)。その他の例において、コリメーション係数σは、約30度以下(すなわち、σ<±30°)、約20度以下(すなわち、σ<±20°)、約10度以下(すなわち、σ<±10°)、または約10度以下(すなわち、σ<±10°)の角度広がりを表わすことがある。さらに別の例においては、コリメーション係数σは、約5度未満(すなわち、σ<±5°)の角度広がりを表わし、式(1)について後述されるように、比較的小さいアイボックス108が得られる。いくつかの実施形態においては、導波光104は、所定のコリメーション係数σを有するのに加えて、(例えば、平板導光体110の臨界角度より小さい)非ゼロ伝播角度で伝播するように構成してもよい。
【0021】
図示されるように、集光型バックライト100は、回折格子120をさらに備える。様々な実施形態において、回折格子120は、導光体110に光学的に結合されている。例えば、回折格子120は、導光体110の表面の上、表面に、または表面に隣接して位置してもよい。表面は、例えば、導光体110の「上端」面(例えば、発光表面)と「下端」面の一方または両方としてもよい。
図1A〜1Dにおいて、回折格子120は、例示としてであって、限定としてではなく、導光体110の上端面に図示されている。
【0022】
様々な実施形態によれば、回折格子120は、導光体110内部から導波光104の一部分を回折により外へ結合させるように構成される。特に、導波光104の一部分は、回折により外へ結合された光102として、回折により外へ結合させてもよい。さらに、回折格子120は、回折により外へ結合された光を、導光体表面に隣接して位置しそこから(例えば、図示されているように、上端面の上方に)離間されたアイボックス108内に集光するように構成される。例えば、
図1Aは、回折により外へ結合された光102を、導光体表面からアイボックス108へ延びる光線または光ビームを表わす矢印として、図示している。導光体110の両縁部または両端からアイボックス108へ延びる破線で図示されているように、回折により外へ結合された光は、導光体110の表面に隣接して(すなわち、その上方に)位置する、アイボックス108を表わす空間の所定の、実質的に局所化された領域に集光してもよい。さらに、回折により外へ結合された光102は、様々な実施形態による、回折格子120の集光効果によって、導光体110とアイボックス108の間の領域(例えば、円錐形/角錐形領域または光伝搬円錐106)に実質的に閉じ込めることができる。
【0023】
図1Bの横断面図に示されている集光型バックライト100の一部分は、回折格子120の回折フィーチャを、z方向に突出する稜部124として描写している。さらに、稜部124は、図示のように、溝122によって互いに離隔されている。溝122と隣接する稜部124の組合せは、本明細書における「回折フィーチャ」と呼んでもよい。代替的に、稜部124と溝122それら自体は、回折フィーチャと呼んでもよい。溝122の幅はw
gで表わされ、稜部124の幅はw
rで表わされる。溝幅w
gと稜部幅w
rの合計を、本明細書においては「フィーチャ間隔」と定義して、図示のように、Λで表わす。「フィーチャ間隔」の代替的な定義は、(溝122によって離隔された)稜部124の隣接対、または(稜部124によって離隔された)溝122の隣接対の間の中心間距離としてもよい。いくつかの実施形態によれば(例えば、以下に説明する、
図1Dに示されるように)、溝122と稜部124の幅は、回折フィーチャの長さ(例えば、溝122および稜部124の長さ)に沿って実質的に一定である。さらに、いくつかの実施形態においては、回折フィーチャの長さに沿った、フィーチャ間隔Λは、例えば、
図1Dに示されるように、実質的に一定である。
【0024】
図1Cの横断面図は、集光型バックライト100の一部分、特に、光進入縁部112近くの導光体110を示す。そこに示されているように、光進入縁部112に沿って、導光体110中に結合された光は、導波光104として、様々な拡大矢印によって示される方向に伝播する。特に、導波光104の一部、104aは、全内部反射によって、導光体110内部に残留するように構成されている。導波光104の他の部分、104bは、
図1Cにさらに示されているように、回折格子120によって外へ結合されて回折により外へ結合された光102となってもよい。さらに、導波光方向は、以下に記載されるように、回折格子120の減少するフィーチャ間隔Λの全体方向である。
【0025】
例えば、
図1Cにおける拡大矢印は、全内部反射によって導光体110内に実質的に捕捉されたままとなる、所定のコリメーション係数σ内での導波光104aの光線の経路を表わすことができる。特に、光線の経路は、図示のように、導光体110の上端面と下端面の間で「はね返るか」または交互する。すなわち、対向する上端面と底面表面からの反射の様々な点において、導波光104aは、導光体110の臨界角度よりも小さい角度で対向する表面に当たることがある。それゆえに、導波光104aは、全内部反射によって導光体110内部に捕捉される。
【0026】
図1Cにおける別の拡大矢印は、回折格子120によって回折により外へ結合された光102として、例えば、回折により外へ結合された光102の光線として、導光体110から外へ結合された、所定のコリメーション係数σ内での導波光104の別の光線、104bの経路を表わすことができる。様々な実施形態によれば、回折格子120と相互作用する、導波光104bを、1次回折ビームとして、導光体110から回折により外へ結合させてもよい。すなわち、回折格子120は、第1の回折次数に従って導波光部分を回折により外へ結合させるように構成されている。様々な実施形態において、ゼロ次回折光ビームおよび高次回折光ビームを実質的に抑制してもよい。例えば、回折により外へ結合された光102は、導光体110の表面法線に対して、回折角度θで導光体110から回折により外へ結合される、1次の回折光を表わしてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態(図示せず)においては、回折格子120は、実質的に直線状である、回折フィーチャを有してもよい。実質的に直線状の回折フィーチャ(例えば、直線溝122および直線稜部124の両方)によって、実質的に1次元である、アイボックス108を得ることができる。すなわち、アイボックス108は、幅(例えば、長手方向)を有し、幅の方向と直交する方向にある、別の次元(例えば、長さ)をさらに有してもよい。その他の次元または長さは、実質的に無制限であっても、例えば、導光体110の同様の大きさによって、制限されてもよい。
【0028】
その他の実施形態において、回折格子120には、曲線状回折フィーチャ、または曲線を近似するように配設された回折フィーチャを含めることができる。
図1Dの平面図は、集光型バックライト100の導光体110の表面における回折格子120を示す。回折格子120の回折パターンは、回折格子120の回折フィーチャ、例えば、導光体110の表面における溝122と稜部124の一方または両方を表わす、交互する黒と白の帯として描写されている。さらに、
図1Dに示されるように、回折フィーチャは、例示としてであって、限定ではなく、曲線状回折フィーチャである。特に、
図1Dに示されるように、同心の黒と白の曲線は、導光体表面上の同心の曲線状回折フィーチャ(例えば、同心の曲線状稜部と同心の曲線状溝の両方)を表わす。同心の曲線状回折フィーチャは、導光体110の縁部を超えて位置する、曲率中心Cを有する。いくつかの実施形態において、回折格子120の曲線状回折フィーチャは、(すなわち、半円形の曲線状回折フィーチャであってもよい)半円によって表わされるのに対して、他の実施形態においては、別の実質的に非円形の曲線を、曲線状回折フィーチャを実現するために用いることができる。回折フィーチャの曲線は、回折により外へ結合された光を、アイボックス108の面内で2つの直交方向に集光するように構成してもよい。そうすれば、曲線状回折フィーチャは、2次元アイボックス108を提供するように構成することができる。様々な実施形態において、2次元アイボックス108は、導光体表面に平行な面内に位置してもよい(例えば、以下に記載の
図5Bを参照)。
【0029】
様々な実施形態によれば、回折格子120における回折フィーチャのフィーチャ間隔は、導光体長さに沿った、または導光体110内部の伝播方向における、距離の関数として変動してもよい。例えば、
図1Dの平面図に示されるように、回折格子120のフィーチャ間隔Λは、曲率中心Cからの距離が増加するにつれて、減少する。それと等しく、フィーチャ間隔Λは、
図1Dにおける導光体110の光進入縁部112からの距離の関数として減少しているのが示されている。曲率の中心から、または光進入縁部112からの距離は、例えば、半径Rに沿って測定してもよい。距離の関数としてのフィーチャ間隔Λ減少は、「チャープ(chirp)」と呼んでもよく、
図1Dに示された回折格子120は、例えば、「チャープ」回折格子としてもよい。さらに、フィーチャ間隔Λにおける減少は、いくつかの実施形態においては、距離の線形関数を表わしてもよい。その他の実施形態においては、フィーチャ間隔は、それに限定はされないが、距離の指数関数および距離の双曲線関数を含む、別の(すなわち、非線形の)距離の関数に応じて、減少してもよい。
【0030】
図2は、本明細書に記載される原理に一致する実施形態による一例において、距離の関数としての回折フィーチャ間隔のプロットを示す。図示のように、水平軸は、
図1Dにおける半径Rに沿った距離(例えば、曲率の中心Cからの半径方向距離)を表わし、例えば、水平軸上の「0」のラベルが付けられた点は、半径Rと導光体110の光進入縁部112との交叉を表わしてもよい。プロットにおける垂直軸は、回折格子回折フィーチャのフィーチャ間隔Λを表わす。曲線130、140および150は、回折フィーチャのフィーチャ間隔が、曲率の中心Cからの距離の増加につれて、減少する様子を表わしてもよい。曲線130は、曲率の中心Cからの距離の増加に伴う、フィーチャ間隔の指数的減少を表わす。曲線140は、曲率の中心Cから距離の増加の関数として、フィーチャ間隔における線形減少を表わす。曲線150は、曲率の中心Cからの距離の増加に伴う、フィーチャ間隔における双曲線状の減少を表わす。
【0031】
図1Dに示された例示回折格子において、ならびに本明細書に示された様々な他の例示において、回折フィーチャの横断面図は、説明を容易にするためであって、限定の意味ではなく、四辺形の溝および稜部によって表わされている。特に、様々な実施形態によれば、回折格子120の回折フィーチャは、それに限定はされないが、鋸刃形状、台形形状、または半球形状を含む、多様なその他の横断面形状を有してもよい。例えば、回折格子120の回折フィーチャは、台形横断面を有する稜部を有してもよい。
【0032】
様々な実施形態によれば、回折格子120は、それに限定はされないが、ウェットエッチング、イオンミリング(ion milling)、フォトリソグラフィ、インプリントリソグラフィ、異方性エッチング、プラズマエッチング、またはそれらの1種または2種以上の組合せを含む、多くの異なる微細加工技術(microfabrication technique)またはナノスケール加工技術の任意のものによって設けてもよい。例えば、
図1A〜1Dに示されるように、集光型バックライト100の回折格子120を、イオンミリングまたはプラズマエッチングを使用して、導光体110の光透過性の誘電材料のスラブの表面内に設けてもよい。別の実施形態において、集光型バックライト100の回折格子120は、誘電材料または金属の層を導光体110の表面上に堆積させることによって、設けてもよい。層の堆積に続いて、堆積された層のエッチングを行い、例えば、回折格子120を形成してもよい。さらに別の実施形態においては、回折格子120は、導光体110の表面に引き続いて付着される、材料層内に形成してもよい。
【0033】
図3Aは、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、一例の集光型バックライト100の一部分の横断面図を示す。特に、集光型バックライト100の図示された部分は、誘電材料のスラブから形成された導光体110(すなわち、平板導光体110)を含む。さらに、平板導光体110の表面(例えば、上端面)における回折格子120が図示されている。回折格子120は、図示のように、平板導光体110の上端面に設けられた稜部124を備える。
図3Aの実施形態によれば、稜部124は、例えば、
図3Aにおける斜線によって図示されるような、平板導光体110の誘電材料スラブの材料とは異なる材料(すなわち、誘電材料または金属)を含んでもよい。
図3Aにおける稜部124の異なる材料を、例えば、平板導光体110の上端面上にその材料を堆積させることによって設けてもよい。その他の実施形態において(例えば、
図1A〜1Cに図示されるように)、溝122および稜部124は、導光体110の材料、例えば、誘電材料のスラブを含んでもよい。
【0034】
その他の実施形態においては、回折格子120は、集光型バックライト100の導光体110の下端面に、または下端面内に設けてもよい。
図3Bは、本明細書に記載された原理と一致する、別の実施形態による、一例の集光型バックライト100の一部分を示す横断面図である。特に、
図3Bは、集光型バックライト100が、平板導光体110および回折格子120を備える、部分を図示する。しかしながら、
図3Bにおいて、回折格子120は、平板導光体110の誘電材料のスラブの下端面に設けられている。図示のように、材料の層126が、回折格子120の回折フィーチャ(例えば、平板導光体材料における溝122)を実質的に覆うとともに、溝122を実質的に充填している。様々な例によれば、材料層126は、それに限定はされないが、金属、反射性材料、または平板導光体110の屈折率よりも低い屈折率を有する、誘電材料を含んでもよい。
図3Bに示されている回折格子120は、例えば、反射モード回折格子を表わしてもよい。回折格子120が反射モード回折格子である場合には、回折により外へ結合された光102は、回折格子120を有する下端面の反対側の上端面を通り、導光体110から出るか、または放出されてもよい。
【0035】
図3Cは、本明細書に記載された原理と一致する別の実施形態による、一例の集光型バックライト100の一部分の横断面図を示す。
図3Cに示されるように、集光型バックライト部分は、下端面に回折格子120を有する、平板導光体110を備える。この実施形態において、溝122は、金属で、または平板導光体110の屈折率よりも低い屈折率を有する誘電材料で充填されている。さらに、反射性層128(例えば、金属層または、低屈折率誘電材料層)が、図示のように、平板導光体110の下端面を覆う。
【0036】
図1Aを再び参照すると、上述されて図示されたように、回折格子120のフィーチャ間隔は、集光型バックライト100から距離fに位置するアイボックス108に光を集光するように構成されている。例えば、距離fは、図示のように、導光体110の上端面から測定してもよい。様々な実施形態によれば、アイボックス108の近似の幅w
eyeboxは、距離fと、導光体110内部を伝播する光のコリメーション係数σとの積、またはそれと等価に、光が光進入縁部112に沿って導光体110に進入する、コリメーション係数σとの積によって与えられる。特に、アイボックス幅w
eyeboxは、式(1)により与えられる:
w
eyebox=f・σ (1)
いくつかの実施形態においては、長手方向(例えば、光伝播方向)におけるアイボックス幅w
eyeboxは、約25ミリメートル(25mm)未満としてもよい。25mmのアイボックス幅w
eyeboxは、例えば、集光型バックライト100または集光型バックライト100を使用するディスプレイのいずれかを見ているユーザの眼の平均幅にほぼ一致する。ある実施形態よれば、特に、集光型バックライト100を見るために、ユーザの眼がアイボックス108内部に位置するときには、ユーザの眼は、大きさがアイボックス108と実質的に同様にしてもよい。
【0037】
上記に考察されたように、集光型バックライト100によって供給される回折により外へ結合された光102は、アイボックス108内に実質的に集光するか、またはそれと等しく、円錐領域または
図1Aにおいて破線によって描写されている「光伝搬円錐」106内部に実質的に集光してもよい。回折により外へ結合された光102の集光の結果として、集光型バックライト100によって生成された光は、ユーザの眼がアイボックス108内部に位置しているときには、ユーザの眼に「焦点を合わせる」ことができる。例えば、典型的な人の眼の平均直径は、約25mmである。いくつかの実施形態においては、集光型バックライト100は、光をアイボックス108内に位置するユーザの眼の上に集光するために、約14ミリメートルから約27ミリメートルまで(14mm〜27mm)の範囲のアイボックス幅w
eyeboxを有するアイボックス108を提供するように構成してもよい。別の例においては、人の眼の虹彩は、直径が約10ミリメートルから約13ミリメートル(10mm〜13mm)の範囲であり、虹彩の平均直径は、約12ミリメートル(12mm)である。いくつかの例においては、集光型バックライト100は、回折により外へ結合された光102を、アイボックス108内部に位置するユーザの眼の虹彩の上に集光するために、約9ミリメートルから約14ミリメートル(9mm〜14mm)の範囲のアイボックス幅w
eyeboxを提供するように構成してもよい。さらに他の例において、人の瞳孔の平均直径は、明るい光の下での約1.5mmから薄暗い光の下での約8mmまでの範囲にあり、集光型バックライト100は、1.5ミリメートルから8ミリメートル(1.5mm〜8mm)の瞳孔範囲に一致させるために、約8ミリメートル(8mm)未満である、アイボックス幅w
eyeboxを有するアイボックス108を提供するように構成してもよい。
【0038】
なお、集光型バックライト100の回折格子120の作用によって、一般に、回折により外へ結合された光102は、光伝搬円錐106とアイボックス108とに閉じ込められることに留意されたい。それゆえに、様々な実施形態によれば、集光型バックライト100からの光は、ユーザの眼がアイボックス108の外側、または光伝搬円錐106の外側に位置するときには、ユーザの眼に進入することができない。したがって、集光型バックライト100、特に回折格子120は、例えば、アイボックス108の外側から、または光伝搬円錐106の外側から見たときに、実質的に黒く見える(すなわち、無発光である)。
【0039】
集光型バックライト100は、いくつかの実施形態によれば、アイボックス108が、集光型バックライト100に対して正常な順応距離よりも近く位置してもよい点において、「ニアアイ」バックライトと呼ぶことができる。特に、いくつかの実施形態において、「ニアアイバックライト」としての集光型バックライト100は、集光型バックライト100から約25センチメートル(25cm)未満である距離fに、アイボックス108を設けるように構成してもよい。その他の実施形態においては、距離fは、例えば、導光体110とアイボックス108の間に位置する光バルブアレイからの距離を、ほぼ、正常な順応距離未満とするとともに、回折により外へ結合された光102を変調して、アイボックス108において見られるイメージを(例えば、後述するように)形成するのに使用してもよい。様々な実施形態によると、集光型バックライト100は、回折により外へ結合された光102をアイボックス108内に集光するので、イメージを見ているユーザは、ユーザの眼がアイボックス108内部に位置するときには、焦点の合ったイメージを感知することができる。
【0040】
(例えば、
図1Aおよび
図1Dに示されている)いくつかの実施形態において、集光型バックライト100の回折格子120は、導光体110の光放出部分を実質的に覆うように構成された単一の回折格子としてもよい。その他の実施形態において、集光型バックライト100の回折格子120には、それぞれが導光体110の異なる領域に位置する、複数の回折格子セグメントを含めてもよい。いくつかの実施形態においては、回折格子セグメントは、(すなわち、空間、または回折フィーチャのない導光体110の区域によって)互いに離隔されていてもよい。様々な実施形態において、複数の回折格子セグメントは、協働して、回折により外へ結合された光102をアイボックス108中に集光するように構成される。
【0041】
図4Aは、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、一例の複数回折格子セグメント120’を有する、集光型バックライト100の側面図を示す。特に、
図4Aは、(以下の考察のために、個別にラベル付けされたセグメント120’a、120’b、120’cを有する)複数回折格子セグメント120’を備える回折格子120を示す。さらに、複数の回折格子セグメント120’は、図示のように、導光体110の表面において互いに離間されている。
図4Aの集光型バックライト100において、光は、内部反射角度回折σで、またはそれを有して、光進入縁部112に沿って導光体110中に結合されてもよい。複数の回折格子セグメント120’は、回折により外へ結合された光102として導光体110内に案内された光の一部分を回折により外へ結合させるように構成してもよい。さらに、複数の回折格子セグメント120’は、回折により外へ結合された光102を、導光体110から距離fにあるアイボックス108内に、協働して集光するように構成される。
【0042】
図4Bは、本明細書に記載された原理と一致する別の実施形態による例において、複数の回折格子セグメント120’を有する、集光型バックライト100の平面図を示す。
図4Bに示された集光型バックライト100は、例えば、
図4Aに示された集光型バックライト100に実質的に同様である。特に、
図4Bに示されるように、例えば、個別にラベル付けされた回折格子セグメント120’a、120’b、120’cを含む、回折格子セグメント120’は、y方向に導光体表面を横切るストリップを形成する。さらに、図示のように、回折格子セグメント120’を形成するストリップの隣接するストリップ間に間隔が設けられている。これらの間隔は、例えば、導光体表面の非パターン化領域または非エッチング領域を表わしてもよい。回折格子セグメント120’は、例えば、
図1Dに図示された回折格子120のセグメント化バージョンに実質的に同様である、単一の回折格子120を近似してもよい。
【0043】
図4Cは、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、一例の複数の回折格子セグメント120’を有する、集光型バックライト100の平面図を示す。特に、
図4Cに示されるように、回折格子セグメント120’は、x方向とy方向の両方に延びる間隔によって離隔された、領域(例えば、曲線状溝と曲線状稜部の一方または両方の四辺形領域)を含む。
図4Cに示された集光型バックライト100は、例えば、
図4Aに示された集光型バックライト100と、実質的に同様であってもよい。特に、
図4Cに示されているように、例えば、個別にラベル付けされたセグメント120’a、120’b、120’cを含む、回折格子セグメント120’は、x方向とy方向の両方に、導光体表面を横切る、2次元アレイを形成する。また、
図4Bに示されるように、
図4Cに示された回折格子セグメント120’は、例えば、
図1Dに示された回折格子120の別のセグメント化バージョンと実質的に同様である、単一の回折格子120を近似してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態においては、回折格子セグメント120’には、曲線状回折フィーチャを近似するように、導光体110上に配設された、実質的に直線状の回折フィーチャを含めてもよい。
図4Dは、本明細書に記載された原理と一致する別の実施形態による、一例の複数の回折格子セグメント120’を有する集光型バックライト100の平面図を示す。
図4Dに示されるように、回折格子セグメント120’の異なるセグメントは、異なるフィーチャ間隔と、回折格子120の曲線状回折フィーチャを(区分式曲線であるが)集合的に近似する、異なる回折格子方位とを有する。例えば、近似的な曲線状回折フィーチャは、組合せにより、
図1Dに示されるように回折格子120の曲線状回折フィーチャを実質的に近似することができる。さらに、
図4Dに示される集光型バックライト100は、例えば、
図4Aに示される集光型バックライト100と実質的に同様としてもよい。特に、
図4Dに示されるように、例えば、個々にラベル付けされたセグメント120’a、120’b、120’cを含む、回折格子セグメント120’は、x方向およびy方向の両方において導光体表面を横切る別の2次元アレイを形成する。
【0045】
本明細書に記載された原理と一致する他の実施形態によって、ニアアイディスプレイシステムが提供される。
図5Aは、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、一例のニアアイディスプレイシステム200の側面図を示す。
図5Bは、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、例における、ニアアイディスプレイシステム200の斜視図を示す。いくつかの実施形態において、ニアアイディスプレイシステム200は、上述の、集光型バックライト100と実質的に同様である、集光型バックライトを使用してもよい。特に、様々な実施形態によれば、ニアアイディスプレイシステム200は、回折により外へ結合された光202を供給して、回折により外へ結合された光202を、アイボックス208に向けて、その中に集光するように構成されている。さらに、ニアアイディスプレイシステム200は、回折により外へ結合された光202を変調して、アイボックス208内にイメージを形成するように構成されている。様々な実施形態によって、形成されたイメージは、アイボックス208内部でユーザが見ることが可能である。さらに、アイボックス208は、図示のように2次元アイボックスとしてもよい。
【0046】
図5Aおよび5Bに示されるように、ニアアイディスプレイシステム200は導光体210を備える。平板導光体210は、光を導くように構成され、いくつかの実施形態においては、平板導光体210としてもよい。いくつかの実施形態によれば、導光体210は、集光型バックライト100について上述した、導光体110と実質的に同様であってもよい。例えば、導光体110は、全内部反射によって光を導くように構成された、透過性材料のスラブからなっていてもよい。さらに、例えば、導光体210によって案内された光は、コリメーション係数σを有してもよい。
【0047】
図5A〜5Bに示されたニアアイディスプレイシステム200は、回折格子220をさらに含む。回折格子220は、導光体210に光学的に結合されている。さらに、回折格子220は、導光体内の導波光の一部分を回折により外へ結合させて、回折により外へ結合された光202をアイボックス208に向かって、その中に集光するように構成されている。様々な実施形態によると、アイボックス208は、導光体210の表面に隣接している。いくつかの実施形態によれば、回折格子220は、上述した集光型バックライト100の回折格子120と実質的に同様であってもよい。特に、回折格子220は、回折により外へ結合された光202を、外へ結合させるとともに、アイボックス208に向かって、その中に集光する、その両方に構成された複数の回折フィーチャを含む。さらに、アイボックス208は、
図5Aに示されるように、導光体表面から距離fだけ離れて位置している。いくつかの実施形態によれば、距離fは、ニアアイディスプレイシステム200のユーザの眼の正常な順応範囲(例えば、25cm)よりも小さい。さらに、回折格子220には、いくつかの実施形態においては、回折により外へ結合された光202を協働して集光するように構成された、複数の回折格子セグメントを含めてもよい。
【0048】
さらに、回折格子220は、導光体210の光進入縁部212からの距離が増大に伴って減少する、隣接する回折フィーチャ間のフィーチャ間隔を有する、回折フィーチャを有する。すなわち、いくつかの実施形態において、回折格子220は、上述の回折格子120のいくつかの実施形態と同様である、チャープ型回折格子としてもよい。いくつかの実施形態において、回折フィーチャ間隔は、距離の線形関数として減少するのに対して、他の実施形態においては、この減少は、距離の非線形関数を表わす。
【0049】
いくつかの実施形態において(例えば、
図5Bに示されるように)回折格子220は、曲線状回折フィーチャ222を含む。曲線状回折フィーチャ222(例えば、曲線状溝および曲線状稜部の一方または両方)は、回折により外へ結合された光202を2つの直交方向に集光して、2次元(2D)アイボックス208を提供するように構成してもよい。
図5Bは,導光体表面に平行な面内に位置する、2つの直交方向(すなわち、x方向およびy方向)を有する、例示的2Dアイボックス208を示す。さらに、回折により外へ結合された光202の光線を表わす矢印は、曲線状回折フィーチャ222によって提供されるように、2Dアイボックス208上に収束して、集光されるのが示されている。
【0050】
ニアアイディスプレイシステム200は、光バルブアレイ230をさらに備える。光バルブアレイ230は、導光体210とアイボックス208の間に位置している。光バルブアレイ230は、回折により外へ結合された光202を変調して、アイボックス208において、またはその中にイメージを形成するように構成されている。特に、光バルブアレイ230の個々の光バルブは、アイボックス208においてイメージを一緒に形成する、ピクセルを供給するように、独立して構成してもよい。いくつかの実施形態において、光バルブアレイ230からアイボックス208までの距離dは、正常な順応距離よりも小さい。すなわち、距離fと距離dの一方または両方が、
図5Aに示されるように、ニアアイディスプレイシステム200のユーザの眼の正常な順応距離(例えば、約25cm)よりも小さくしてもよい。
【0051】
様々な実施形態によれば、形成されたイメージは、アイボックス208内部で、ユーザが見ることができる。したがって、ユーザがアイボックス208内に眼を置いたときに、ユーザは、形成されたイメージを見ることができる。様々な実施形態によれば、形成されたイメージは、ユーザの眼がアイボックス208の外側にあるときには、見ることができない。さらに、回折により外へ結合された光202をアイボックス208内へ集光することによって、アイボックス208が、導光体210と光バルブアレイ230の一方または両方からの正常な順応距離よりも小さい位置にあるときでも、ユーザの眼による順応を促進して、形成されたイメージを、焦点が合った状態で見ることを可能にする。特に、イメージを形成するように光バルブアレイ230によって変調された、回折により外へ結合された光202がアイボックス208内に集光されるか、または「焦点を合わせられる」ので、様々な実施形態によれば、ユーザは、アイボックス208が、正常な順応距離よりも近いにもかかわらず、形成されたイメージを快適に見ることができる。
【0052】
様々な実施形態によれば、光バルブアレイ230には、それには限定されないが、液晶光バルブ、エレクトロウェッティング光バルブおよび電気泳動式光バルブを含む、多様な光バルブの実質的に任意のものを含めてもよい。さらに、
図5Aおよび5Bに示されるように、光バルブアレイ230は、回折により外へ結合された光202によって形成された光伝搬円錐(または角錐)と交叉するように、導光体210に実質的に平行に配向させてもよい。例えば、光バルブアレイ230には、それぞれが、光バルブを通過する光の量を変調することによってピクセルとして個別に動作させることのできる、液晶光バルブのアレイを含めてもよい。いくつかの実施形態においては、光バルブは、有色光バルブとしてもよい(すなわち、光バルブはカラーフィルタを含んでもよい)。例えば、光バルブアレイ230に、複数の赤色光バルブ、複数の緑色光バルブ、および複数の青色光バルブを含めてもよい。光バルブアレイ230の赤色、緑色、および青色の光バルブは合わせて、例えば、回折により外へ結合された光202を変調することによって、赤−緑−青(RGB)ベースの「フルカラー」で形成されたイメージを提供することができる。特に、光バルブアレイ230の光バルブの個別のそれぞれを通過する回折により外へ結合された光202を選択的に変調して、ユーザの眼がアイボックス208内に位置するときに、観察者の眼の瞳孔上に集光される、フルカラーまたは白黒のイメージを生成してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において(例えば、
図5Bに示されるように)、ニアアイディスプレイシステム200は、導光体210に光学的に結合された光源240をさらに備える。例えば、光源240は、
図5Bに示されるように、光進入縁部212に沿った導光体210に光学的に結合させてもよい。光源240は、様々な実施形態によれば、光242を生成して、コリメーション係数σを有する導波光として、導光体210中に注入するように構成される。光源240としては、それに限定はされないが、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、ポリマーLED、プラズマベース光エミッタ、蛍光ランプ、または白熱ランプなどの、光エミッタが挙げられる。様々な実施形態によれば、光源240による光出力には、単色光または多色光を含めてもよい。例えば、光は、光の単一色(例えば、赤色光、緑色光、または青色光)、光の複数色、または実質的に白色光である光を含めてもよい。
図5A〜
図5Bに示されるように、光源240からの光242は、光進入縁部212に沿って、導光体210中に結合されて、光進入縁部212から実質的に離れる、導光体210内部の方向204に伝播する。言い換えると、様々な実施形態によれば、光242は導光体210中に結合され、その結果として、導光体210内部で、回折格子220の回折フィーチャのフィーチャ間隔が減少する全体的方向に、光242が伝播する。
【0054】
いくつかの実施形態において、ニアアイディスプレイシステム200には、
図5A〜5Bについて上述した光バルブアレイ230に加えて、別の(例えば、第2の)光バルブアレイを含めてもよい。
図6は、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、一例の2つの光バルブアレイを有するニアアイディスプレイシステムの側面図を示す。
図6に示されるように、光バルブアレイ230(すなわち、第1の光バルブアレイ230)に加えて、ニアアイディスプレイシステム200は、導光体210とアイボックス208の間に位置する、別の光バルブアレイ250(すなわち、第2の光バルブアレイ250)を含む。特に、他方の光バルブアレイ250は、例示としてであって、限定ではなく
図6に示されるように、光バルブアレイ230とアイボックス208の間に位置している。
図6に示されるように、例えば、他方の光バルブアレイ250は、アイボックス208から距離d
2にあってもよく、これに対して光バルブアレイ230は、アイボックス208から距離d
1にあってもよい(例えば、d
2<d
1)。いくつかの実施形態において、他方の光バルブアレイ250は、光バルブアレイ230と実質的に同様にしてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、他方の光バルブアレイ250は、光バルブアレイ230よりも、低い光バルブ密度、または低い変調分解能を有してもよい。
【0055】
様々な実施形態によれば、他方の光バルブアレイ250は、回折により外へ結合された光202をさらに変調してアイボックス208内にイメージを形成するように構成してもよい。すなわち、他方の光バルブアレイ250は、光バルブアレイ230によっても変調される、回折により外へ結合された光202をさらに変調してもよい。それゆえに、形成されたイメージには、両方の光バルブアレイ230、250からの変調された光を含めてもよい。いくつかの実施形態において、回折により外へ結合された光202のさらなる変調は、ユーザに眼の
順応のきっかけ(accommodation cues)を与えるように構成される。例えば、2つの光バルブアレイ230、250のそれぞれにおける光バルブは、アイボックス208内に位置するユーザの眼の瞳孔に進入する光の明るさを変調するように独立に制御してもよい。結果として、2つの光バルブアレイ230、250の組合せは、形成されたイメージ上に表示された対象物がユーザの眼により近く、または遠く離れて見えるように意図されるかどうかに応じて、異なる量のボケを有するように、形成されたイメージ内部で対象物を協働して表示することによって、眼の順応をもたらすのに使用してもよい。
【0056】
その他の実施形態においては、他方の光バルブアレイ250は、専用の光バルブアレイとしてもよい。
図7は、本明細書に記載された原理と一致する別の実施形態による、一例
の2つの光バルブアレイを有するニアアイディスプレイシステム200の側面図を示す。特に、
図7は、ユーザの眼に着用されるように構成された、ピクセル化されたコンタクトレンズを含む、専用の光バルブアレイとして、他方の光バルブアレイ250を示す。様々な実施形態によれば、ピクセル化されたコンタクトレンズは、ユーザの眼がアイボックス208内部に位置するときに、ユーザの眼に進入する光の量を制御するように動作可能に構成された、個別の光バルブ(またはピクセル)を有してもよい。個々の光バルブを使用してユーザの眼に進入する光の量を制御することによって、例えば、
順応のきっかけをユーザに提供してもよい。
【0057】
例えば、他方の光バルブアレイ250を含む、ピクセル化されたコンタクトレンズは、残りの光バルブは「オフ」にされている(すなわち、不透明にされる)間に、一時に1つだけの光バルブを「オン」にする(すなわち、透明にされる)ことによって動作される、瞳孔区域当たり約2つから約9つの光バルブ(すなわち、約2〜9ピクセル)のアレイを備えてもよい。ピクセル化されたコンタクトレンズは、例えば、独立に制御される光バルブを備える、「生体工学的(bionic)」レンズとしてもよい。いくつかの実施形態においては、他方の光バルブアレイ250を含む、ピクセル化されたコンタクトレンズは、液晶光バルブを使用して、ピクセル化されたコンタクトレンズを通過して、ユーザの眼に進入する光の量を変調してもよい。いくつかの例においては、光バルブアレイ230の光バルブ、および他方の光バルブアレイ250のピクセル化されたコンタクトレンズにおける光バルブを独立に変調して、変調された回折により外へ結合された光202がユーザの眼に進入する方向を制御してもよい。この方向を制御することは、ユーザの眼に、眼の
順応のきっかけを与えてもよい。例えば、一時に1つの光バルブだけを「オン」に切り換えることによって、ユーザの眼の瞳孔に進入する光の方向が変化させることができる。この変化によって、異なる形成されたイメージを、ユーザの眼の網膜上の異なる場所に表示させることが可能になる。結果として、ユーザの眼の合焦応答をトリガリングして、ユーザの眼から異なる距離にある対象物の効果(すなわち順応応答)を生成してもよい。
【0058】
本明細書に記載された原理の様々な実施形態によれば、上述のニアアイディスプレイシステム200を、ヘッドマウントディスプレイに組み込んで、仮想現実(VR)イメージと拡張現実(AR)イメージの一方または両方をユーザに提供してもよい。したがって、ニアアイディスプレイシステム200は、拡張現実(AR)システムおよび仮想現実(VR)システムの一方としてもよい。
【0059】
図8は、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、一例のヘッドマウントディスプレイ(HMD)として構成されたニアアイディスプレイシステムの斜視図を示す。
図8に示されるように、ニアアイディスプレイシステム200は、ニアアイディスプレイシステム200を、HMDとしてユーザの眼の前方に位置決めするように構成された、ヘッドセット260をさらに含む。特に、ヘッドセット260は、ユーザの眼の前方、例えば、ユーザの眼の視野内に、導光体210、回折格子220および光バルブアレイ230を含む、光学アセンブリ200’を保持または位置決めするように構成されている。さらに、様々な実施形態によれば、ヘッドセット260は、アイボックスを、ユーザの眼に(例えば、ユーザの眼の虹彩に)位置決めするように構成されている。例えば、ヘッドセット260には、
図8に示されるような、一対の眼鏡のフレームに類似する、フレームを含めてもよい。ニアアイディスプレイシステム200の光学アセンブリ200’は、例えば、1対の眼鏡のレンズの代わりに、ヘッドセットフレームに装着してもよい。
図8において、光学アセンブリ200’は、レンズの一方の代わりに位置しており、別のレンズは図示されていない。いくつかの例においては、他方のレンズは含まれない。その他の例においては、他方のレンズは、標準眼鏡レンズとしてもよい。
【0060】
いくつかの例においては、光学アセンブリ200’は、導光体表面に直交する方向に、実質的に光透過性としてもよい。光透過性の光学アセンブリ200’は、形成されたイメージを、アイボックスを超えた物理的環境の視界上に重ね合わせられたイメージとして、アイボックス内に供給してもよい。特に、ニアアイディスプレイシステム200は、アイボックス内部に提供される形成されたイメージを用いて、物理的環境の視界を拡張するように構成してもよい。この構成において、ニアアイディスプレイシステム200は、例えば、ARシステムのARディスプレイとして働くことができる。
【0061】
図9は、本明細書に記載された原理と一致する別の実施形態による、一例のヘッドマウントディスプレイ(HMD)として構成されたニアアイディスプレイシステム200の斜視図を示す。
図9に示されるように、ヘッドセット260は、一対の光学アセンブリ200’を収容するように構成してもよい。特に、この対のそれぞれの光学アセンブリ200’は、ユーザの異なる眼の前方に、例えば、それぞれの眼の前方に1つ位置決めしてもよい。
図9に示されたヘッドセット260は、例えば、一対のゴッグルに類似させてもよい。光学アセンブリ200’の対を用いて、ニアアイディスプレイシステム200は、ユーザに対する3次元イメージを模擬する、形成されたイメージの立体的な対を提供してもよい。さらに、
図9に示されている、ニアアイディスプレイシステム200は、例えば、光学アセンブリ200’を超えた環境の視界を実質的に遮ることによって、VRシステムのVRディスプレイとして働くことができる。特に、ニアアイディスプレイシステム200は、例えば、ユーザの眼の視野を妨げることによって、アイボックスのそれぞれにおいて、形成されたイメージで、物理的環境の視界(すなわち、「実世界」視界)に取って代わるか、または少なくとも実質的に取って代わるように構成してもよい。物理的環境視界に取って代わることによって、ユーザには、物理的環境視界の代わりに、ニアアイディスプレイシステム200によって提供される仮想現実視界(例えば、形成されたイメージ)が与えられる。
【0062】
本明細書に記載された原理のその他の実施形態によって、ニアアイディスプレイ動作の方法が提供される。
図10は、本明細書に記載された原理と一致する実施形態による、一例のニアアイディスプレイ動作の方法300のフローチャートを示す。図示のように、ニアアイディスプレイ動作の方法300は、導波光として導光体(例えば、平板導光体)内の光を、導く310ステップを含む。いくつかの例においては、導波光は、導光体の長さに沿って案内310してもよい。例えば、光は、長手方向に案内してもよい。いくつかの実施形態においては、導光体は、集光型バックライト100について上述した導光体110と実質的に同様としてもよい。例えば、導光体は、全内部反射を使用して光を導く310ように構成された、光透過性の材料のスラブからなる、平板導光体としてもよい。さらに、導波光は、導光体110について上述したコリメーション係数σと実質的に同様である、所定のコリメーション係数を有する。
【0063】
図10に示されるように、ニアアイディスプレイ動作の方法300は、導波光の一部分を回折により外へ結合させて、アイボックス中に向けるために、回折格子を使用する、導光体に隣接して位置する、アイボックス内に光を集光する320ステップをさらに含む。光を集光する320ステップに使用される回折格子は、いくつかの例においては、導光体の表面に位置してもよい。さらに、光がその中に集光される320、アイボックスは、導光体表面に隣接して位置してもよい。特に、いくつかの例においては、アイボックスは、ユーザの眼の正常な順応距離よりも小さい、導光体表面からの距離に位置している。光を集光する320ステップに使用される回折格子は、上述された集光型バックライト100の回折格子120と実質的に同様であってもよい。特に、回折格子は、導光体の光進入縁部からの距離が増加するにつれて減少するフィーチャ間隔を有する回折フィーチャを含む、チャープ型回折格子としてもよい。さらに、回折格子には、曲線状の回折フィーチャを含めてもよい。曲線状の回折フィーチャは、例えば、回折により外へ結合された光を2つの直交方向に集光して、2次元(2D)アイボックスを提供するように、構成してもよい。さらに、いくつかの実施形態においては、アイボックスは、上述したアイボックス108と実質的に同様にしてもよい。
【0064】
図10に示された、ニアアイディスプレイ動作の方法は、光バルブアレイを使用して、集光された光を変調する330ステップをさらに含む。光バルブアレイは、導光体と、アイボックスの間に位置している。集光された光を変調するステップ330は、アイボックス内部にイメージを形成する。いくつかの実施形態によれば、変調する330ステップに使用される、光バルブアレイは、ニアアイディスプレイシステム200について上述された光バルブアレイ230と実質的に同様であってもよい。特に、いくつかの例においては、回折により外へ結合された光を変調する330ステップに、単一の光バルブアレイを使用してもよい。その他の実施形態においては、一対の光バルブアレイを、回折により外へ結合された光を変調する330ステップに使用してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態(
図10に図示せず)において、ニアアイディスプレイ動作の方法は、例えば、光源を使用して、導波光として、光進入縁部において導光体中に、光を光学的に結合するステップをさらに含めてもよい。いくつかの実施形態において、光源は、上述のニアアイディスプレイシステム200の光源240と実質的に同様にしてもよい。特に、いくつかの実施形態によれば、光を導光体中に光学的に結合するステップには、上述のように、所定のコリメーション係数で、導波光を供給するステップを含めてもよい。
【0066】
以上、アイボックス内に集光される回折により外へ結合された光を供給する、集光型バックライト、ニアアイディスプレイシステム、およびニアアイディスプレイ動作の方法の、例および実施形態について記述した。上記の例は、本明細書に記載された原理を表わす、多数の具体的な例の一部を単に説明するものである。明らかに、当業者は、添付の特許請求の範囲で定義された範囲から逸脱することなく、多数のその他の配設を容易に考案することができる。