特許第6780011号(P6780011)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許67800114−アミノインダン誘導体及び関連アミノインダンアミドの調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6780011
(24)【登録日】2020年10月16日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】4−アミノインダン誘導体及び関連アミノインダンアミドの調製方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 209/62 20060101AFI20201026BHJP
   C07C 211/60 20060101ALI20201026BHJP
   C07C 231/02 20060101ALI20201026BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20201026BHJP
【FI】
   C07C209/62
   C07C211/60
   C07C231/02
   !C07B61/00 300
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-553223(P2018-553223)
(86)(22)【出願日】2016年4月15日
(65)【公表番号】特表2019-511524(P2019-511524A)
(43)【公表日】2019年4月25日
(86)【国際出願番号】IB2016052169
(87)【国際公開番号】WO2017178868
(87)【国際公開日】20171019
【審査請求日】2019年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】513155471
【氏名又は名称】スティヒティング アイ−エフ プロダクト コラボレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100183379
【弁理士】
【氏名又は名称】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】ベッランディ パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ザナルディ ジャンパオロ
(72)【発明者】
【氏名】ダタール ラヴィンドラ ヴィッタル
(72)【発明者】
【氏名】デヴァラジャン チョカリンガム
(72)【発明者】
【氏名】ムラリ スワミナサン
(72)【発明者】
【氏名】スワミー ナラヤナ
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/109301(WO,A1)
【文献】 特表2015−519384(JP,A)
【文献】 特開平07−215921(JP,A)
【文献】 国際公開第86/002641(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/103811(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 209/00
C07C 211/00
C07C 231/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式 (I)
(I)
の4-アミノインダン誘導体、その塩及び鏡像体の調製方法であって、
下記の工程:
a)式(IV)
(IV)
の1,2-ジヒドロキノリンを水素化して式 (V)
(V)
の相当するテトラヒドロキノリンを得る工程、
b)式 (V)のテトラヒドロキノリンを式RC(O)LG のカルボン酸誘導体でアシル化して式 (VI)
(VI)
の相当するアシル誘導体化合物を得る工程、
c)式(VI)のアシル誘導体化合物を酸性条件下で転位して式 (VII)
(VII)
のアシルインダン化合物を得る工程、
d)式 (VII)のアシルインダン化合物のアシル基を加水分解して式 (I)の4-アミノインダン化合物を得る工程、
を含み、
前記式中、
−nが、0〜3の範囲内で選択される整数であり、
−Rが、C1-C6 アルキル基又はC6-C10アリール基から選択され、これらの基が、C1-C6 アルキル基、ハロゲン原子のうちの1つ以上で置換されていてもよく、
−LGが、(i) ヒドロキシ基、(ii)ハロゲン原子、(iii) C1-C6 アルキルスルホニルオキシ基、(iv)C6-C10アリールスルホニルオキシ基、(v) RaCOO 基(式中、RaはC1-C6 アルキル基である)から選択される脱離基であり、基(iii)-(v) が、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよく、
前記工程 (b)の終了時に得られる反応混合物に有機溶媒を添加し、次いで蒸留にかけて過剰の前記カルボン酸誘導体を除去し、前記式(VI)のアシル誘導体化合物を含むスラリーを生成し、
式(VI)のアシル誘導体化合物を含む前記スラリーを前記工程 (c)に供給する、
前記方法。
【請求項2】
前記水素化工程 (a)が、有機溶媒に溶解された前記式(IV)の1,2-ジヒドロキノリンを、水素化触媒の存在下でガス状水素と接触させて前記式 (V)のテトラヒドロキノリンを得ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有機溶媒が、極性溶媒である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記式RC(O)LG のカルボン酸誘導体が、塩化アセチル、無水酢酸又はこれらの混合物から選ばれる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
添加溶媒なしで前記工程 (b)を行う、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記工程 (c)が、前記式(VI)のアシル誘導体化合物を有機溶媒中で懸濁させ、こうして得られる懸濁液を有機酸又は無機酸と接触させて、付加塩の形態の前記式 (VII)のアシルインダン化合物を得ることを含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記懸濁液を硫酸又はオルトリン酸から選択される無機酸と接触させる、請求項に記載の方法。
【請求項8】
加水分解の前記工程 (d)が、前記式 (VII)のアシルインダン化合物を水と接触させることを含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記式 (VII)のアシルインダン化合物を含む前記スラリーを前記工程 (d)に供給する、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記付加塩の形態の前記式 (VII)のアシルインダン化合物をアルカリ性水溶液と接触させて前記式 (I)の4-アミノインダン誘導体を得る、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記有機溶媒が、脂肪族又は脂環式の炭化水素、塩素化炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、グリコール、エステル又はこれらの混合物から選択される、請求項1、2及び6のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記有機溶媒が、ヘキサン、ヘプタン、塩化メチレン、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、酢酸エチル、及びこれらの混合物から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記有機溶媒が、ヘプタン、ジクロロエタン、メタノール、トルエン及びこれらの混合物から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
式(II)
(II)
のアミノインダンアミドの調製方法であって、
請求項1に記載の方法を行うことにより少なくとも1つの式 (I)の4-アミノインダン誘導体を調製する工程、
−前記式 (I)の4-アミノインダン誘導体を少なくとも1つの式 AC(O)Xの化合物と縮合する工程、
を含み、
前記式中、
−Aが、C6-C10アリール基又はN、O、Sから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5個若しくは6個の原子を有する複素環を表し、これらの基が、1つ以上のR1基及びR2基により置換されていてもよく、
−R1が、C1-C6 アルキル基又はC1-C6 ハロアルキル基を表し、前記基が、R’、OR’ 、S(O)mR’ から選択される1つ以上の基で置換されていてもよく、又はR1が、C3-C6シクロアルキル基、C4-C9 シクロアルキルアルキル基、C2-C6 アルケニル基、C2-C6 アルキニル基、C6-C10アリール基、C7-C12アリールアルキル基、N、O、Sから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5個若しくは6個の原子を有する複素環を表し、これらの基が、ハロゲン原子、R’、OR’ 、NR’R’’ 、S(O)mR’ 、CONR’R’’、COR’、CO2R’ 、CN、NO2 から選択される1つ以上の基により置換されていてもよく、
−R2が、C1-C6 アルキル基又はC1-C6 ハロアルキル基を表し、前記基が、R’、OR’ 、S(O)mR’ から選択される1つ以上の基で置換されていてもよく、又はR2が、C3-C6 シクロアルキル基、C4-C9 シクロアルキルアルキル基、C6-C10アリール基、C7-C12アリールアルキル基を表し、これらの基が、ハロゲン原子、R’、OR’ 、S(O)mR’、NR’R’’、CONR’R’’、COR’、CO2R’ 、NO2 、CNから選択される1つ以上の基により置換されていてもよく、
−R’及びR’’が、水素原子、C1-C4 アルキル基、C1-C4 ハロアルキル基を表し、
−Xが、ヒドロキシル基、ハロゲン、C1-C6 アルコキシ基、C1-C6 アルキルスルホニルオキシ基、C6-C10アリールスルホニルオキシ基を表し、これらの基が、1つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよく、
−nが、0〜3の範囲内で選択される整数であり、
−mが、0〜2の範囲内で選択される整数である、
前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は式 (I)の4-アミノインダン誘導体の調製方法に関する。
【化1】
(I)
【0002】
また、本発明は上記方法により得られた式 (I)の4-アミノインダン誘導体中間体から出発する、殺菌活性を有する、式(II)のアミノインダンアミドの調製方法に関する。
【化2】
(II)
【背景技術】
【0003】
アミノインダンアミドだけでなく、これらの調製方法が従来技術、例えば、日本特許第1070479 号、同第1117864 号、同第1313402 号、同第2157266 号、同第2249966 号、同第3077381 号、同第62096471 号、欧州特許第199822号、同第256503号、同第276177号、同第280275号、同第569912号、米国特許第5093347 号、WO01/53259、WO2004/018438、WO2004/039789、WO2004/072023、WO2004/103975、WO2005/075452、WO2012/084812 及びWO2013/186325 に広く報告されていた。
特に、WO2013/186325 は化合物3-ジフルオロメチル-N-(7-フルオロ-1,1,3-トリメチル-4-インダニル)-1-メチル-4-ピラゾールカルボキサミドが4-フルオロアニリン及びアセトンから出発して4工程で調製し得ることを開示している。これらの2種の化合物は最初に一緒に縮合されて置換ジヒドロキノリンを生成し、次いでこれが水素化されて相当するテトラヒドロキノリンを得る。次いでそのテトラヒドロキノリンがピラゾールカルボン酸誘導体と反応させられ、得られる化合物が酸転位にかけられて相当するアミノインダンアミド誘導体を得る。その4工程調製が以下にスキーム1に報告される。
【0004】
スキーム 1
【化3】
【0005】
しかしながら、前記方法は満足ではない。何とならば、化学的観点から、テトラヒドロキノリン環中の二級アミンが実にアシル化し難く、それ故、過剰の塩基の添加の如き反応条件を強制し、しかも塩素化有機溶媒の使用が相当するアシルテトラヒドロキノリンを得るのに必要とされるからである。更に、この方法の全収率が比較的低く、ピラゾール酸塩化物誘導体(これは高価な物質である)のかなりの損失をもたらす。
また、4-アミノインダン誘導体がアミノインダンアミド誘導体を合成するのに主要な中間体として使用し得ることが知られている。このような合成の例が欧州特許第199822号に見られ、これは以下にスキーム2に報告されるように、アミノインダンアミド誘導体がピラゾールカルボン酸ハライドと4-アミノインダン誘導体の間の縮合反応により得られることを開示している。
【0006】
スキーム 2
【化4】
【0007】
しかしながら、欧州特許第199822号には、4-アミノインダン誘導体を調製するための合成経路について示されていない。
二三の従来技術の書類がこのような4-アミノインダン誘導体の調製方法を実際に記載している。
例えば、欧州特許第654464号はジアステレオ異性体に富む形態の4-アミノインダン 誘導体がスキーム3に報告されるように、4工程:i)ジヒドロキノリンとキラル中心(下記のスキーム中に* で示される)及び末端脱離基LGの両方を有するカルボン酸誘導体の間の縮合、ii) 相当するテトラヒドロキノリンを得るための接触水素化、iii)相当する4-アミノインダン誘導体を得るための強酸の添加、及びiv) アミド結合の加水分解で得られることを開示している。
【0008】
スキーム 3
【化5】
【0009】
しかしながら、4-アミノインダン誘導体の上記調製方法は工業上の観点から満足ではない。何とならば、それぞれの工程について異なる溶媒を使用することを必要とするからである(即ち、9頁の実施例1、経路N.1 においてテトラヒドロフラン、メタノール及び硫酸+水+酢酸)。それ故、付加的な操作が、例えば、残っている化学薬品又は溶媒によるその後の反応混合物の汚染を避けるためにいずれかの単一反応工程の終了時に行なわれるべきである。
更に、アシルジヒドロキノリン及び相当するテトラヒドロキノリンが非極性溶媒、例えば、脂肪族炭化水素にかろうじて可溶性である。その結果、アシルジヒドロキノリンを相当するテトラヒドロキノリンに完全に変換するために、一層高い反応温度又は反応混合物の希釈が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それ故、アミノインダン誘導体、特にアミノインダンアミドを大規模で調製するための一層容易な方法を提供することが望ましく、これがコスト及び製造時間を低減するであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
驚くことに、欧州特許第654464号に開示された方法の水素化工程及び縮合工程を逆にすることにより、4-アミノインダン誘導体及び相当するアミノインダンアミドを一層簡単かつ一層コスト有効な方法で調製することが可能であることが今、見い出された。
それ故、本発明の第一の対象は下記の工程を含む式 (I)
【化6】
(I)
の4-アミノインダン誘導体、これらの塩及び鏡像体の調製方法であり、
【0012】
a)式(IV)
【化7】
(IV)
の1,2-ジヒドロキノリンを水素化して式(V)
【化8】
(V)
の相当するテトラヒドロキノリンを得、
【0013】
b)式 (V)のテトラヒドロキノリンを式RC(O)LG のカルボン酸誘導体でアシル化して式(VI)
【化9】
(VI)
のアシル誘導体化合物を得、
c)式(VI)のアシル誘導体化合物を酸性条件下で転位して式 (VII)
【化10】
(VII)
のアシルインダン化合物を得、
【0014】
d)式 (VII)のアシルインダン化合物のアシル基を加水分解して式 (I)の所望の4-アミノインダンを得る。
前記式中で、
−nは0から3までの範囲内で選ばれた整数であり、
−RはC1-C6 アルキル基、C6-C10アリール基であり、これらの基は必要により1個以上のC1-C6 アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
−LGは(i) ヒドロキシ基、(ii)ハロゲン原子、(iii) C1-C6 アルキルスルホニルオキシ基、(iv)C6-C10アリールスルホニルオキシ基、(v) RaCOO 基(式中、RaはC1-C6 アルキル基である)から選ばれた脱離基であり、基(iii)-(v) は必要により1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0015】
本発明の方法対象は先に示された少なくとも四つの工程を含み、これらは示された順序で行なわれる。
本記載に含まれる実験データにより証明されるように、本件出願人は欧州特許第654464 号に開示された方法の水素化及び縮合(アシル化)の工程を逆にすることにより、式 (I)の4-アミノインダン誘導体の全製造方法で唯一の型の有機溶媒(例えば、脂肪族炭化水素、例えば、ヘプタン)を使用することが可能になり、こうしてその方法を簡素化し、そのコスト及び製造時間を低減することを驚くことに見い出した。
更に、本発明の調製方法は式(VI)及び(VII) の中間体生成物をそれらのそれぞれの生成工程の終了時に単離及び/又は精製することを必要としないで工程(a) 〜(c) を行うことにより有利に行ない得る。
こうして、本発明は式 (I)の4-アミノインダン誘導体だけでなく、これらの式 (I)の4-アミノインダン誘導体から出発して典型的に調製される工業上及び商業上重要なその他の化合物、例えば、殺菌剤として使用し得る式(II)のアミノインダンアミドの調製のための一層コスト有効な経路を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
現在特許請求される方法によれば、工程 (a)で、式(IV)の1,2-ジヒドロキノリンが以下にスキーム4に報告されるように、最初に接触水素化にかけられる。
スキーム 4
【化11】
【0017】
式(IV)の化合物は市販されており、又は、例えば、Organic Synthesis, III 巻, 329 頁に記載されたように、調製し得る。
本発明の好ましい局面によれば、式 (III)のアニリン誘導体が以下にスキーム5に報告されるように、酸触媒の存在下でアセトンと縮合されて式(IV)の相当するジヒドロキノリンを得る。
スキーム 5
【化12】
【0018】
式 (III)のアニリン誘導体が式 (III)の出発アニリンに対して、1〜15モル当量、好ましくは3〜10モル当量、更に好ましくは4〜7モル当量を含む量の、アセトンと反応させられる。
好ましくは、アセトンが1〜15時間、更に好ましくは 2〜12時間、更に好ましくは 5〜10時間を含む時間中に式 (III) の前記アニリン誘導体に添加される。
こうして生成された混合物に、酸触媒、好ましくは有機酸、無機酸又はこれらの混合物から選ばれた酸触媒が添加される。
本発明の好適な酸触媒の非限定例は、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、テトラフルオロホウ酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸又はこれらの混合物である。
最も好ましい酸触媒はテトラフルオロホウ酸及びパラトルエンスルホン酸から選ばれる。
式 (III)のアニリン誘導体へのアセトンの添加中に、その反応混合物が80℃〜200 ℃、好ましくは100 ℃〜180 ℃、更に好ましくは125 ℃〜145 ℃を含む温度に保たれる。
【0019】
その反応が完結する時に、こうして得られた式(IV)のジヒドロキノリン誘導体が当業者に公知の方法に従って単離され、精製し得る。例えば、その反応混合物が塩基、例えば、無機塩基で処理されて、遊離酸性物質を除去し、それを水とわずかに混和性又は不混和性の有機溶媒と混合することにより抽出し得る。所望の1,2-ジヒドロキノリン生成物が、例えば、分別蒸留により回収し得る。
本発明の好ましい局面によれば、式 (III)の残留アニリン誘導体がまた分別蒸留により回収でき、その後の製造バッチで有利に再使用し得る。
本発明によれば、工程 (a)で、式(IV)の化合物が有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒に溶解され、金属触媒がその反応混合物に添加される。
前記触媒は好ましくは不均一触媒であり、更に好ましくはパラジウム/木炭、水酸化パラジウム/木炭、ラネーニッケル及び酸化白金から選ばれ、更に好ましくは金属触媒がパラジウム/木炭である。
本発明によれば、触媒使用量が式(IV)のジヒドロキノリンのモル量に対して、0.05〜0.7 %の間に含まれ、好ましくは0.1 〜0.6 %の間に含まれ、更に好ましくは使用量が約0.5 %である。
【0020】
水素化反応で使用し得る溶媒の非限定例は脂肪族又は脂環式炭化水素(例えば、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン)、塩素化炭化水素(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン)、アルコール及びグリコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル)又はこれらの混合物である。
これらの中で、好ましい溶媒は脂肪族炭化水素、例えば、ヘキサン及びヘプタン、塩素化炭化水素、例えば、塩化メチレン及びジクロロエタン、アルコール、例えば、メタノール、エタノール及びイソプロパノール、トルエン、酢酸エチルである。
ヘプタン、ジクロロエタン、メタノール及びトルエンが特に好ましい。
本発明の意味内で、“ヘプタン”という用語はn-ヘプタン又は異性体の混合物を表す。
当業者に公知であるように、工程a)の水素化反応は1バールより大きい圧力又は大気圧で行ない得る。
好ましくは、本発明の工程a)が大気圧で行なわれる。
工程a)が大気圧で行なわれる場合、触媒使用量が好ましくは約0.5 %であり、反応混合物が室温で1〜5時間を含む時間にわたって反応させられる。
工程a)が水素過圧下で行なわれる場合、前記過圧が好ましくは5〜9バールを含む。
工程a)が水素過圧下で行なわれる場合、触媒使用量が好ましくは0.1 〜0.6 %を含み、反応混合物が好ましくは35〜50℃を含む温度で好ましくは10〜18時間を含む時間にわたって反応させられる。
工程 (a)の終了時に、触媒が回収され、好ましくはその後の製造バッチに再使用される。
水素化工程a)で得られる式 (V)のテトラヒドロキノリンが当業者に公知の方法、例えば、溶媒濃縮により反応混合物から単離される。
好ましくは、式 (V)の単離された化合物が精製されず、それがその方法のその後の工程でそのまま使用される。
アシル化の工程b)は以下にスキーム6に報告されるように、式RC(O)LG のカルボン酸誘導体を式 (V)のテトラヒドロキノリンに添加することにより行なわれる。
【0021】
スキーム 6
【化13】
【0022】
式中、
−RはC1-C6 アルキル基、C6-C10アリール基であり、これらの基は必要により1個以上のC1-C6 アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよく、
−LGは(i) ヒドロキシル基、(ii)ハロゲン原子、(iii) C1-C6 アルキルスルホニルオキシ基、(iv)C6-C10アリールスルホニルオキシ基、(v) RaCOO 基(式中、RaはC1-C6 アルキル基である)から選ばれた脱離基であり、基(iii)-(v) は必要により1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。
好ましくは、カルボン酸誘導体が式 (V)の出発テトラヒドロキノリンのモル量に対して5〜30%、更に好ましくは10〜25%を含む量で添加される。
本発明の更に好ましい局面によれば、カルボン酸誘導体が塩化アセチル及び無水酢酸から選ばれ、更に好ましくはカルボン酸誘導体が無水酢酸である。
アシル化反応は有機溶媒中で、又は溶媒の不在下で行ない得る。本発明によれば、前記反応が添加される溶媒の不在下で行なわれることが好ましい。
工程c)で、反応混合物が80℃〜200 ℃を含み、好ましくは100 ℃〜150 ℃を含む温度、更に約130 ℃の温度に維持される。
無水酢酸が使用される場合、その変換が一旦完結すると、若干の水が添加されて酢酸への残留無水酢酸の分解を生じることが好ましい。
残留酢酸を完全に除去するために、水と不混和性の溶媒、好ましくは、脂肪族炭化水素、例えば、ヘキサン又はヘプタンが反応混合物に添加し得る。
本発明の好ましい局面によれば、酢酸が真空蒸留/ヘプタンとの共沸蒸留により反応混合物から除去される。
アシル化工程の終了時に得られる式(VI)のアシルテトラヒドロキノリン は当業者に公知の方法、例えば沈澱、結晶化等に従って精製し得る。
好ましくは、式(VI)の前記アシルテトラヒドロキノリンが有機溶媒による結晶化にかけられ、こうしてその溶媒とスラリーを生成する。有利には、本発明によれば、結晶化に使用される溶媒が残留酢酸を除去するのに使用される溶媒と同じ型のものである。
前記スラリー中に含まれる式(VI)のアシルテトラヒドロキノリンは単離されないことが好ましい。スラリーが次の工程にそのまま使用し得る。
続いて、式(VI)のアシルテトラヒドロキノリンが以下にスキーム7に報告されるように、酸性環境中で転位にかけられる。
【0023】
スキーム 7
【化14】
【0024】
式(VI)のアシルテトラヒドロキノリンの転位を可能にして式 (VII)の相当するインダン誘導体を得る酸性pH条件は式(VI)の化合物への有機酸又は無機酸の添加により得られる。
好ましくは、無機酸、更に好ましくはオルトリン酸及び硫酸から選ばれる無機酸が添加され、更に好ましくは無機酸が硫酸である。
前記無機酸又は有機酸は式(VI)のテトラヒドロキノリンに対して、3〜10モル当量、好ましくは4〜9モル当量、更に好ましくは6〜7モル当量を含む量で添加される。
本発明の更に好ましい局面によれば、酸の濃度が80%〜98%の間、更に好ましくは 90%〜97%の間に含まれる。
酸溶解は発熱性であるので、反応混合物の温度が制御されるべきである。
それ故、現在特許請求される方法によれば、反応混合物が好ましくは10℃〜60℃の間に含まれ、更に好ましくは室温 (25℃) 〜40℃の間に含まれる温度に保たれる。
好ましくは、反応混合物が式 (VII)の相当するインダン誘導体へのテトラヒドロキノリンの実質的に完全な変換を得るために、10時間〜30時間の間、更に好ましくは15〜25時間の間に含まれる時間、更に好ましくは約20時間の時間にわたって反応させられる。
有利には、工程c)の転位反応が一旦完結すると、式 (VII)のアシルインダンが単離されず、反応混合物が以下にスキーム8に報告されるように、次の加水分解工程d)でそのまま使用される。
【0025】
スキーム 8
【化15】
【0026】
工程d)で、式 (VII)のアシルインダンを含む工程c)の反応混合物が好ましくは30質量%〜70質量%の間、更に好ましくは40質量%〜60質量%の間に含まれ、更に好ましくは約50質量%の反応混合物中の酸濃度を得るように水で希釈される。
次いで反応混合物が好ましくは60℃〜還流温度の間、更に好ましくは95℃〜110 ℃の間に含まれる温度にされる。
選ばれた温度で二三時間後に、相当する4-アミノインダンが式(VIII)の酸付加塩として、生成される。
式(VIII)の前記塩は当業界で公知の方法、例えば、沈澱又は結晶化に従って単離され、精製し得る。
本発明の好ましい局面によれば、その塩が水を添加することにより沈澱でき、有機不純物が有機溶媒、好ましくは水と不混和性の溶媒、例えば、脂肪族炭化水素、更に好ましくはヘプタンを添加することにより除去し得る。
【0027】
続いて、4-アミノインダンの酸付加塩(VIII)が水中で懸濁され、塩基性溶液が遊離形態の式 (I)の所望の4-アミノインダンを得るように添加される。その塩基性溶液は式(VIII)の塩の量に対して好ましくは10%〜80%モル過剰の間に含まれ、更に好ましくは40%〜60%のモル過剰の間に含まれる量で添加される。
本発明に好適な塩基の非限定例は水酸化アルカリ金属、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、又はアルカリ金属炭酸塩である。
本発明の特に好ましい塩基は水酸化アルカリ金属である。
塩基性溶液の添加後に、反応混合物が35℃〜70℃の間、好ましくは40℃〜60℃の間に含まれる温度、更に好ましくは約55℃の温度で反応させられる。
当業者に公知であるように、異なる技術が式 (I)の所望の生成物を単離するために使用でき、例えば、反応混合物がそれを水とわずかに混和性又は不混和性の有機溶媒、好ましくはヘプタンと混合することにより抽出でき、有機層が固体残渣を除去するように濾過し得る。
本発明によれば、工程 (d)の終了時に得られた式 (I)の4-アミノインダンを含む有機溶液が濃縮されないことが好ましく、有利には、式(II)のアミノインダンアミドの調製にそのまま使用し得る。
【0028】
本発明の更なる対象は式(II)
【化16】
(II)
のアミノインダンアミドの調製方法であり、
−上記方法の工程(a)-(d) を行うことにより式 (I)の少なくとも一種の4-アミノインダン誘導体を調製する工程、
−式 (I)の前記4-アミノインダン誘導体を式 AC(O)Xの少なくとも一種の化合物と縮合する工程を含み、
前記式中、
−AはC6-C10アリール基又はN、O、Sから選ばれた1個から3個までのヘテロ原子を含む5個又は6個の原子を有する複素環を表し、これらの基は必要により1個以上のR1基及びR2基により置換されていてもよく、
−R1はC1-C6 アルキル基又はC1-C6 ハロアルキル基を表し、前記基は必要によりR’、OR’ 、S(O)mR’ から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよく、又はR1はC3-C6シクロアルキル基、C4-C9 シクロアルキルアルキル基、C2-C6 アルケニル基、C2-C6 アルキニル基、C6-C10アリール基、C7-C12アリールアルキル基、N、O、Sから選ばれた1個から3個までのヘテロ原子を含む5個又は6個の原子を有する複素環を表し、これらの基は必要によりハロゲン原子、R’、OR’ 、NR’R’’ 、S(O)mR’ 、CONR’R’’、COR’、CO2R’ 、CN、NO2 から選ばれた1個以上の基により置換されていてもよく、
−R2はC1-C6 アルキル基又はC1-C6 ハロアルキル基を表し、前記基は必要によりR’、OR’ 、S(O)mR’ から選ばれた1個以上の基で置換されていてもよく、又はR2はC3-C6シクロアルキル基、C4-C9 シクロアルキルアルキル基、C6-C10アリール基、C7-C12アリールアルキル基を表し、これらの基は必要によりハロゲン原子、R’、OR’ 、S(O)mR’、NR’R’’、CONR’R’’、COR’、CO2R’ 、NO2 、CNから選ばれた1個以上の基により置換されていてもよく、
−R’及びR’’は水素原子、C1-C4 アルキル基、C1-C4 ハロアルキル基を表し、
−Xはヒドロキシル基、ハロゲン、C1-C6 アルコキシ基、C1-C6 アルキルスルホニルオキシ基、C6-C10アリールスルホニルオキシ基を表し、これらの基は必要により1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよく、
−nは0から3までの範囲内で選ばれた整数であり、
−mは0から2までの範囲内で選ばれた整数である。
【0029】
C1-C6 アルキル基の例はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルである。
C1-C6 ハロアルキル基の例はジクロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、クロロ−ジフルオロメチル、ジクロロエチル、トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、テトラフルオロプロピル、ペンタフルオロプロピル、ジクロロブチル、ジフルオロブチル、ジクロロペンチル、ジフルオロペンチル、ジクロロヘキシル、ジフルオロヘキシルである。
C3-C6 シクロアルキル基の例はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
C4-C9 シクロアルキルアルキル基の例はシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピルである。
C2-C6 アルケニル基の例はエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルである。
C2-C6 アルキニル基の例はエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルである。
C6-C10アリール基の例はフェニル、ナフチルである。
C7-C12アリールアルキル基の例はベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチル、フェニルヘキシル、ナフチルメチル、ナフチルエチルである。
N、O、Sから選ばれた1個から3個までのヘテロ原子を含む5個又は6個の原子を有する複素環の例はピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、チオフェニル、ピリジル、ピリミジニル、トリアジニルである。
5個又は6個の原子を有する窒素含有複素環の例はピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルである。
ハロゲン原子の例はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。
本発明の方法で調製し得る一般式(II)を有するアミノインダンアミドの中で、
−Aが下記の複素環A1-A5 の一つを表し、
【0030】
【化17】
【0031】
−R1がC1-C6 アルキル基、C1-C6 ハロアルキル基又はフェニル基(必要によりハロゲン原子、C1-C4 アルキル基、C1-C4 ハロアルキル基、C1-C4 アルコキシル基、C1-C4 ハロアルコキシル基で置換されていてもよい)を表し、
−R2がC1-C6 アルキル基、C1-C6 ハロアルキル基、又はフェニル基(必要によりハロゲン原子、C1-C4 アルキル基、C1-C4 ハロアルキル基、C1-C4 アルコキシル基、C1-C4 ハロアルコキシル基で置換されていてもよい)を表すものが好ましい。
−R1がC1-C6 アルキル基又はフェニル(必要によりハロゲン原子により置換されていてもよい)を表し、
−R2がメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又はフェニル(必要によりハロゲン原子により置換されていてもよい)を表す、式(II)を有する生成物が特に好ましい。
−AがA1を表し、
−R1がメチルを表し、
−R2がメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルを表す、一般式(II)を有する生成物が更に好ましい。
【0032】
本発明の好ましい局面によれば、式AC(O)X のカルボン酸誘導体が、好ましくは式(I)の4-アミノインダンの量に対して0.9 〜1.1 の間、更に好ましくは0.95〜1.05の間に含まれるモル比、更に好ましくは等モル量で工程 d)で得られた式 (I)の4-アミノインダンの溶液に添加される。
好ましくは、式AC(O)X の前記カルボン酸誘導体が酸塩化物であり、即ち、Xが塩素原子を表す。
酸誘導体の添加後に、反応混合物が60℃〜炭化水素溶媒の還流温度の間、好ましくは 95℃〜100 ℃の間に含まれる温度にされる。縮合工程の終了時に、反応混合物が冷却され、アルカリ性水溶液が残留酸性度を中和するために添加し得る。
縮合工程の終了時に生成された式(II)のアミノインダンアミドがその後に単離され、公知の技術に従って、例えば、沈澱及びその後の濾過及び固体生成物の洗浄によりおそらく精製される。最終アミノインダンアミド生成物が反応物質から濾過により単離し得るという事実は従来技術の調製方法に対して本発明の更なる利点に相当する。
以下の実施例は本発明の例示の目的のために提示され、本発明の記述的かつ非限定であると考えられるべきである。
実験部分
【実施例】
【0033】
実施例1
a) 6-フルオロ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン(IV)の調製
反応
窒素シール下の1リットルの丸底フラスコ中に、4-フルオロアニリン (III) (445 グラム, 4.0 モル) を、HBF4 (48%の水溶液, 56 グラム, 0.32 モル) 及びアセトン50 mLと一緒に仕込む。
そのフラスコに温度計及びガラス蒸留システム(粗大ガラスリングで充填された垂直のカラム、及び冷却器を含む)を取り付ける。有効な磁気撹拌を使用する。
そのフラスコを150-155 ℃の温度にセットされた、外部の浴中で加熱する。
内部温度が120 ℃に達し、縮合物が蒸留終了時に回収され始める時に、アセトンの添加を開始する。アセトンを非常に遅い蒸留速度を維持するようにPTFE管(反応物質の底部付近で終端する)によりほぼ150-175 mL/時間の一定の速度で供給する。反応の内部温度を間隔132 - 140℃に維持する。8-10時間の全時間をアセトン (1500 mL) の供給に使用し、その後に反応を140 ℃で更に20分間撹拌し、次いで反応物質を40℃より下に冷却する。
【0034】
蒸留
蒸留を同じ分別カラムを維持する、同じ反応容器中で行なう。反応物質を50℃で20-40ミリバールで予備蒸発にかけてアセトン及び水の除去を完結する。
真空を2.0 - 3.0 ミリバールの範囲で適用する。外部の浴の温度を次第に上昇させることによりフラスコを加熱し、170 ℃の最終温度に達し、その時に真空を1.0 ミリバールに上昇させることにより、生成物の回収を完結する。
4種の主な画分を分離する。
1.主としてフルオロアニリン (約98 %)から構成される、49-52°C (ヘッド温度) の留分
2.52-90 ℃の留分、小量の混合画分 (4 グラム)
3.生成物ジヒドロキノリンを構成する92-102℃の留分
4.フラスコ中の残渣: 冷却すると固化する暗色の稠密な物質 (タール) 。
質量及びモル収率に関する、フルオロアニリンの回収を含む、代表的な実験の結果は
−ジヒドロキノリン (約95%のGCA 純度の蒸留物質として): 340グラム, 約42%
−ジヒドロキノリン収率 (全体として入手し得る): 約43%
−回収された4-フルオロアニリン収率 (全体として入手し得る): 約42%
−消費された4-フルオロアニリンで計算された、ジヒドロキノリン収率: 約72%
であった。
蒸留された4-フルオロアニリン及び混合画分を連続バッチで循環させるために送る。
【0035】
b)6-フルオロ-2,2,4-トリメチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン (V)の調製
粗液体ジヒドロキノリン (IV) (96%の純度, 106グラム, 0.530 モル) をヘプタン400 mLに溶解し、1%の塩酸水溶液200 mLで抽出する。水層を捨て、有機溶液を1リットルの水素化オートクレーブに移す。触媒のパラジウム/カーボン (10%, 2.5 グラム) を仕込み、水素ガスを3バールの圧力で導入し、反応を30℃で2時間行なう。
触媒の濾過後に、溶媒を蒸留により完全に除去し、こうして純度98.5%を有する、粗テトラヒドロキノリン (V) 100.0 グラムを得る。
c)1-アセチル-6-フルオロ-2,2,4-トリメチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン(VI)の調製
窒素シール下の機械撹拌を備えた1リットルの丸底フラスコ中で、テトラヒドロキノリン (V) (98 %の純度, 100.0 グラム, 0.506モル) を無水酢酸 (60.0 グラム, 0.58 モル) と混合する。
その反応混合物を150 ℃の温度にセットされた、外部の浴中で加熱し、内部温度が134 〜138 ℃に達し、その温度に5時間維持する。更に過剰の無水酢酸 (1.0 g)を添加して完全な変換を得ることができる。
その反応混合物を約40℃に冷却し、水 (2.0 mL)を添加して過剰の無水酢酸を分解する。
その液体 (酢酸) を減圧 (60ミリバール次いで20ミリバール; 70-90 ℃の範囲の温度による) で反応容器から蒸留する。
その半固体の残渣を続いてヘプタン (300 mL)で吸収させ、酢酸を完全に除去するために、大気圧で98-124℃の内部温度で完全蒸留に再度かける。
95℃で完全な溶液を得るように、更に多いヘプタン (150 mL) を添加する。次いで微細な固体生成物の沈澱を生じるために、物質を撹拌しながら20℃に徐々に冷却する。
【0036】
d)7-フルオロ-1,1,3-トリメチルインダン-4-イルアミン硫酸塩(VIII)の調製
機械撹拌を備えた1リットルの丸底フラスコ中に、硫酸 (93%の濃度, 375 グラム, 3.50モル) を最初に仕込む。
工程cからのアセチル-テトラヒドロキノリン (VI) (119 グラム, 0.50モル) ヘプタン懸濁液を有効な撹拌により硫酸層に徐々に添加し、その間物質温度を15〜20℃に調節する。次いで得られる二相の懸濁液を20時間にわたって撹拌しながら34-36 ℃に維持する。
更に温度を1時間で48-50 ℃に上昇させて変換を完結させる。
その反応物質に水 (320 mL) を強い発熱でもって撹拌下で徐々に添加する (約50%のH2SO4 濃度を得るために) 。その反応物質を次第に加熱し、ヘプタンを蒸留して除き、有機層 (170 mL)及び若干の水を集める。
次いでその溶液を還流温度 (110-111 ℃, 内部温度) に加熱し、5時間維持する。
その反応物質を40℃に冷却し、機械撹拌を備えた2リットルの容器中で明らかな発熱でもって氷冷水 (1000グラム) に徐々に注ぐ (約20%のH2SO4 濃度を得るため) 。最終温度を20℃付近に調節し、インダンアミン硫酸塩(VIII)の得られるスラリーを濾過する。固体をフィルター上で水150 mL、続いてヘプタン (250 mL) で洗浄する。
濾過ケーキを充分な時間にわたってフィルター上で吸引し、次いで湿った固体 (約180 グラム) を塩アンブロッキング(un-blocking)に送る。
【0037】
e)7-フルオロ-1,1,3-トリメチルインダン-4-イルアミン (I)の調製
固体インダンアミン硫酸塩 (合計量, 0.450 モル) を2リットルのフラスコ中のNaOH(28 グラム, 0.68 モル) を含む水溶液400 グラムに添加する。そのアルカリ性懸濁液にヘプタン (400 mL)を添加し、全体を55℃に加熱しながら撹拌する。完全な固体溶解後に、相を分離する。水層を55℃でヘプタン (300 mL)で再度抽出する。合わせた温かいヘプタン溶液 (540 グラム) をセライトの層で濾過して若干の未溶解物質を除去する。
若干の痕跡の水を共沸除去し、次の工程における使用に適した容積に達するために、ヘプタンの一部を減圧 (275 ミリバール, 57 ℃) で蒸留して除く。その溶液の最終質量は約460 グラムであり、インダンアミン (I) ほぼ89.0グラムを含む。
【0038】
実施例2
a)1-メチル-3-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボニルクロリド (A = A1、この場合、R1 = メチル、R2 = ジフルオロメチル) の調製
そのピラゾール酸塩化物を使用直前に3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸及び塩化チオニルから調製する。
アルカリ液スクラバーを備えた500-mL の丸底フラスコ中で、ピラゾール酸 (74.0 グラム, 0.42モル) をヘプタン (170 mL)中で懸濁させる。ジメチルホルムアミド (0.70 グラム, 0.009 モル) 及び塩化チオニル (55.0 グラム, 0.462 モル) を添加し、その二相混合物を撹拌し、42-45 ℃で加熱する。
ピラゾール酸の完全な変換 (2.5 時間) 後に、溶媒及び過剰の塩化チオニルを真空蒸留により完全に除去する。
液体ピラゾール酸塩化物を残渣 (約81.0グラム) として得る。
b)3-ジフルオロメチル-N-(7-フルオロ-1,1,3-トリメチル-4-インダニル)-1-メチル-4-ピラゾールカルボキサミド (II) (A = A1 、この場合、R1 = メチル, R2 = ジフルオロメチル)の調製
有効な機械撹拌機、還流冷却器及びアルカリ液スクラバーを備えた2リットルのガラス反応器を使用する。
50℃のインダンアミンヘプタン溶液 (I) (合計量, 460 グラム, 0.46モルのインダンアミン) に、工程a)で得られた液体ピラゾール酸塩化物を発熱反応及び沈澱の生成でもって50-70 ℃で約10分中に添加する。更に多いヘプタン (20 mL)をすすぎのために使用する。
その反応液を4時間の間に還流 (95-97 ℃の内部温度) して撹拌し、その後に反応が完結される。HCl の発生が3時間以内に停止する。
得られる反応懸濁液を30℃より下に冷却し、次いでNaOH水溶液 (215 mL, 2.5 %の濃度) を添加し、その混合物を少なくとも30分間撹拌し、その間その温度を22℃に調節する。
そのスラリーを平らな焼成ガラスフィルターで濾過し、再スラリー化及び撹拌後に固体を45℃で水 (250 mL)で洗浄する。
得られる固体を再度濾過し、フィルター上で水 (250 mL, 又は得られるpHが中性になるまで) 、続いてヘプタン (250 mL)で洗浄する。
1時間にわたってのフィルター上の吸引後に、湿った固体 (165 グラム) を55℃で真空オーブン中で乾燥させる。
所望の生成物を得る (約140 グラム、分析で98%) 。
ヘプタン母液は過剰のインダンアミンを含み、これを循環に送る。
【0039】
例3 (比較例)
a)6-フルオロ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの調製
【化18】
【0040】
工程1を実施例1、工程a)に従って行なう。加えて、得られる蒸留されたジヒドロキノリンを適当な溶媒に溶解し、残留4-フルオロアニリンを除去し、ほぼ98%の純度に達するために、塩酸の1%水溶液とともに撹拌する。前記溶媒を真空蒸留により除去し、その後に下記の工程を行なう。
b)1-アセチル-6-フルオロ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの調製
【化19】
【0041】
窒素シール下の機械撹拌を備えた1リットルの丸底フラスコ中で、ジヒドロキノリン (98 %の純度, 104.0 グラム, 0.533 モル) を無水酢酸 (65.0 グラム, 0.635 モル) と混合する。
その反応混合物を150 ℃の温度にセットされた、外部の浴中で加熱し、内部温度が138 ℃付近に達し、そこでそれを5時間維持して完全な変換を得る。
その反応混合物を約40℃に冷却し、水 (3.0 mL)を添加して過剰の無水酢酸を分解する。
その液体 (酢酸) を減圧 (60ミリバール次いで20ミリバール; 70-90 ℃の範囲の温度で) で反応容器から蒸留する。
油状残渣を続いてヘプタン (300 mL)で吸収させ、酢酸を完全に除去するために、大気圧で、内部温度96- 125℃で再度完全な蒸留にかける。
完全な溶液を得るように、更に多くのヘプタン (500 mL)を65℃で添加する。その物質を50℃付近の温度に保ち、下記の段階に移す。
【0042】
c)1-アセチル-6-フルオロ-2,2,4-トリメチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンの調製
【化20】
【0043】
その有機溶液を窒素雰囲気下で1リットルの水素化オートクレーブに移す。触媒のパラジウム/カーボン (10%, 2.5 グラム) を仕込み、水素ガスを3バールの圧力で導入し、反応を50℃で2時間行なう。
触媒の濾過後に、溶媒を真空蒸留により部分的に除去し、最終的に20℃に冷却し、こうして純度98%を有する粗アセチル-THQ 119 グラムを、ヘプタン懸濁液約240 グラムとして得る。
【0044】
d)7-フルオロ-1,1,3-トリメチルインダン-4-イルアミンの調製
【化21】
【0045】
機械撹拌を備えた1リットルの丸底フラスコ中に、硫酸 (93%の濃度, 375 グラム, 3.50 モル) を最初に仕込む。
工程3からのアセチル-THQ (119 グラム, 0.50 モル) ヘプタン懸濁液を有効な撹拌により硫酸に徐々に添加し、その間その物質温度を15〜20℃に調節する。次いで得られる二相懸濁液を20時間の間に撹拌しながら34-36 ℃に維持する。
更に1時間で温度を48-50 ℃に上昇させて変換を完結させる。
その反応物質に水 (320 mL) を撹拌下で強い発熱でもって徐々に添加する(約50%のH2SO4 濃度を得るため) 。その反応物質を次第に加熱し、ヘプタンを蒸留して除き、有機層 (170 mL)及び若干の水を集める。
次いでその溶液を還流 (110-111 ℃, 内部温度) まで加熱し、5時間維持する。
その反応物質を40℃に冷却し、機械撹拌を備えた2リットルの容器中で明らかな発熱でもって氷冷水 (1000グラム) に徐々にそそぐ。最終温度を20℃付近に調節し、得られるインダンアミン硫酸塩のスラリーを濾過する。固体をフィルター上で水150 mL、続いてヘプタン (250 mL)で洗浄する。
次いで湿った濾過ケーキを2リットルのフラスコ中のNaOH (28 グラム, 0.68 モル)を含む水溶液400 グラムに添加する。そのアルカリ性懸濁液にヘプタン (400 mL) を添加し、全体を55℃に加熱しながら撹拌する。完全な固体溶解後に、相を分離する。水層を55℃でヘプタン (300 mL) で再度抽出する。合わせた温かいヘプタン溶液 (540 グラム) をセライトの層で濾過して若干の未溶解物質を除去する。
ヘプタンを減圧で完全に蒸留して除く特に、99%より上の純度を有する、インダンアミン遊離塩基約89.0グラムから構成される、暗色の固体残渣を得る。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕式 (I)
(I)
の4-アミノインダン誘導体、その塩及び鏡像体の調製方法であって、
下記の工程:
a)式(IV)
(IV)
の1,2-ジヒドロキノリンを水素化して式 (V)
(V)
の相当するテトラヒドロキノリンを得る工程、
b)式 (V)のテトラヒドロキノリンを式RC(O)LG のカルボン酸誘導体でアシル化して式 (VI)
(VI)
の相当するアシル誘導体化合物を得る工程、
c)式(VI)のアシル誘導体化合物を酸性条件下で転位して式 (VII)
(VII)
のアシルインダン化合物を得る工程、
d)式 (VII)のアシルインダン化合物のアシル基を加水分解して式 (I)の4-アミノインダン化合物を得る工程、
を含み、
前記式中、
−nが、0〜3の範囲内で選択される整数であり、
−Rが、C1-C6 アルキル基又はC6-C10アリール基から選択され、これらの基が、C1-C6 アルキル基、ハロゲン原子のうちの1つ以上で置換されていてもよく、
−LGが、(i) ヒドロキシ基、(ii)ハロゲン原子、(iii) C1-C6 アルキルスルホニルオキシ基、(iv)C6-C10アリールスルホニルオキシ基、(v) RaCOO 基(式中、RaはC1-C6 アルキル基である)から選択される脱離基であり、基(iii)-(v) が、1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい、
前記方法。
〔2〕前記水素化工程 (a)が、有機溶媒、好ましくは極性溶媒に溶解された前記式(IV)の1,2-ジヒドロキノリンを、水素化触媒の存在下でガス状水素と接触させて前記式 (V)のテトラヒドロキノリンを得ることを含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記式RC(O)LG のカルボン酸誘導体が、好ましくは塩化アセチル、無水酢酸又はこれらの混合物から選ばれる、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕添加溶媒なしで前記工程 (b)を行う、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕前記工程 (b)の終了時に得られる反応混合物に有機溶媒を添加し、次いで蒸留にかけて過剰の前記カルボン酸誘導体を除去し、前記式(VI)のアシル誘導体化合物を含むスラリーを生成する、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕式(VI)のアシル誘導体化合物を含む前記スラリーを前記工程 (c)に供給する、前記〔1〕〜〔5〕に記載の方法。
〔7〕前記工程 (c)が、前記式(VI)のアシル誘導体化合物を有機溶媒中で懸濁させ、こうして得られる懸濁液を有機酸又は無機酸(好ましくは硫酸又はオルトリン酸から選択される)と接触させて、付加塩の形態の前記式 (VII)のアシルインダン化合物を得ることを含む、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の方法。
〔8〕加水分解の前記工程 (d)が、前記式 (VII)のアシルインダン化合物を水と接触させることを含む、前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の方法。
〔9〕前記式 (VII)のアシルインダン化合物を含む前記スラリーを前記工程 (d)に供給する、前記〔7〕に記載の方法。
〔10〕前記付加塩の形態の前記式 (VII)のアシルインダン化合物をアルカリ性水溶液と接触させて前記式 (I)の4-アミノインダン誘導体を得る、前記〔7〕に記載の方法。
〔11〕前記有機溶媒が、脂肪族又は脂環式の炭化水素、塩素化炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、グリコール、エステル又はこれらの混合物から選択される、前記〔2〕、〔5〕及び〔7〕のいずれかに記載の方法。
〔12〕前記有機溶媒が、ヘキサン、ヘプタン、塩化メチレン、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、酢酸エチル、及びこれらの混合物から、好ましくはヘプタン、ジクロロエタン、メタノール、トルエン及びこれらの混合物から選択される、前記〔11〕に記載の方法。
〔13〕式(II)
(II)
のアミノインダンアミドの調製方法であって、
−上記方法の工程(a)-(d) を行うことにより少なくとも1つの式 (I)の4-アミノインダン誘導体を調製する工程、
−前記式 (I)の4-アミノインダン誘導体を少なくとも1つの式 AC(O)Xの化合物と縮合する工程、
を含み、
前記式中、
−Aが、C6-C10アリール基又はN、O、Sから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5個若しくは6個の原子を有する複素環を表し、これらの基が、1つ以上のR1基及びR2基により置換されていてもよく、
−R1が、C1-C6 アルキル基又はC1-C6 ハロアルキル基を表し、前記基が、R’、OR’ 、S(O)mR’ から選択される1つ以上の基で置換されていてもよく、又はR1が、C3-C6シクロアルキル基、C4-C9 シクロアルキルアルキル基、C2-C6 アルケニル基、C2-C6 アルキニル基、C6-C10アリール基、C7-C12アリールアルキル基、N、O、Sから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5個若しくは6個の原子を有する複素環を表し、これらの基が、ハロゲン原子、R’、OR’ 、NR’R’’ 、S(O)mR’ 、CONR’R’’、COR’、CO2R’ 、CN、NO2 から選択される1つ以上の基により置換されていてもよく、
−R2が、C1-C6 アルキル基又はC1-C6 ハロアルキル基を表し、前記基が、R’、OR’ 、S(O)mR’ から選択される1つ以上の基で置換されていてもよく、又はR2が、C3-C6 シクロアルキル基、C4-C9 シクロアルキルアルキル基、C6-C10アリール基、C7-C12アリールアルキル基を表し、これらの基が、ハロゲン原子、R’、OR’ 、S(O)mR’、NR’R’’、CONR’R’’、COR’、CO2R’ 、NO2 、CNから選択される1つ以上の基により置換されていてもよく、
−R’及びR’’が、水素原子、C1-C4 アルキル基、C1-C4 ハロアルキル基を表し、
−Xが、ヒドロキシル基、ハロゲン、C1-C6 アルコキシ基、C1-C6 アルキルスルホニルオキシ基、C6-C10アリールスルホニルオキシ基を表し、これらの基が、1つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよく、
−nが、0〜3の範囲内で選択される整数であり、
−mが、0〜2の範囲内で選択される整数である、
前記方法。