【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための発明に係る第一態様のタイヤ保持装置は、
両サイドウォールが鉛直方向に向いている状態のタイヤの上ビード部に嵌り込む上リムと、前記上リムの下側に配置され、前記タイヤの下ビード部に嵌り込んで、前記上リムとで前記タイヤを保持する下リムと、前記タイヤの上サイドウォールに接することが可能な上支持体と、前記タイヤの下サイドウォールに接して前記タイヤを支持する下支持体と、前記下リムに対して前記下支持体を相対的に鉛直方向に移動させる下支持体移動機構と、前記下支持体移動機構の動作を制御する制御器と、を備える。前記制御器は、前記上リムが前記タイヤの上ビード部から外れている一方で、前記下リムが前記タイヤの下ビード部に嵌り込んでおり、且つ前記上支持体が前記タイヤの上サイドウォールに接している状態で、前記下支持体を前記タイヤの下サイドウォールに接触させて、前記タイヤを前記下支持体と前記上支持体とで挟み込む挟み込み工程と、前記タイヤを前記下支持体と前記上支持体とで挟み込んでいる状態を継続しつつ、前記下支持体移動機構を駆動させて、前記下支持体に対して相対的に前記下リムを鉛直下方に移動させ、前記タイヤを前記下リムから引き剥がすタイヤ取外工程と、を実行する。
【0008】
当該タイヤ保持装置では、タイヤ取外工程において、タイヤが下支持体と上支持体とで挟まれた状態で、タイヤを下リムから引き剥がす。このため、タイヤを下リムから引き剥がす過程で、下支持体に対してタイヤがバウンドすることを抑えることができる。しかも、当該タイヤ保持装置では、タイヤが下支持体と上支持体とで挟まれた状態で、タイヤを下リムから引き剥がすため、この引き剥がす過程で、タイヤが水平方向に移動することも防ぐことができる。
【0009】
前記目的を達成するための発明に係る第二態様のタイヤ保持装置は、
前記第一態様のタイヤ保持装置において
、前記上リムに対して前記上支持体を相対的に鉛直方向に移動させる上支持体移動機
構を備える。前記制御器は、前記上リムと前記下リムとにより前記タイヤが保持されている状態から、前記
上支持体移動機構を駆動させて、前記上リムに対して相対的に前記上支持体を鉛直下方に移動させ、前記上支持体を前記タイヤの上サイドウォールに接触させ、前記上リムに対して相対的に前記タイヤを前記上支持体と共に鉛直下方に移動させて、前記タイヤを前記上リムから引き剥がす引き剥がし工程を、少なくとも前記タイヤ取外工程前に実行する。
【0010】
当該タイヤ保持装置では、引き剥がし工程において、タイヤが上支持体と下リムとで挟まれた状態で、タイヤを上リムから引き剥がす。このため、タイヤが安定した状態で、このタイヤを上リムから引き剥がすことができる。
【0011】
前記目的を達成するための発明に係る第三態様のタイヤ保持装置は、
両サイドウォールが鉛直方向に向いている状態のタイヤの上ビード部に嵌り込む上リムと、前記上リムの下側に配置され、前記タイヤの下ビード部に嵌り込んで、前記上リムとで前記タイヤを保持する下リムと、前記下リムに対して前記上リムを相対的に鉛直方向に移動させるリム移動機構と、前記タイヤの下サイドウォールに接して前記タイヤを支持する下支持体と、前記タイヤの上サイドウォールに接することが可能な上支持体と、前記上リムに対して前記上支持体を相対的に鉛直方向に移動させる上支持体移動機構とを有するタイヤストリッパと、前記リム移動機構及び前記タイヤストリッパのそれぞれの動作を制御する制御器と、を備える。前記制御器は、前記下リムが前記タイヤの下ビード部から外れている一方で、前記上リムが前記タイヤの上ビード部に嵌り込んでおり、且つ前記下支持体が前記タイヤの下サイドウォールに接している状態で、前記タイヤストリッパを駆動させて、前記上支持体を前記タイヤの上サイドウォールに接触させて、前記タイヤを前記上支持体と前記下支持体とで挟み込む挟み込み工程と、前記タイヤを前記下支持体と前記上支持体とで挟み込んでいる状態を継続しつつ、前記リム移動機構を駆動させて、前記上支持体に対して相対的に前記上リムを鉛直上方に移動させ、前記タイヤを前記上リムから引き剥がすタイヤ取外工程と、を実行する。
【0012】
当該タイヤ保持装置では、タイヤ取外工程において、タイヤが下支持体と上支持体とで挟まれた状態で、タイヤを上リムから引き剥がす。このため、タイヤを上リムから引き剥がす過程で、下支持体に対してタイヤがバウンドすることを抑えることができる。しかも、当該タイヤ保持装置では、タイヤが下支持体と上支持体とで挟まれた状態で、タイヤを上リムから引き剥がすため、この引き剥がす過程で、タイヤが水平方向に移動することも防ぐことができる。
【0013】
前記目的を達成するための発明に係る第四態様のタイヤ保持装置は、
前記第三態様のタイヤ保持装置において、前記下リムに対して前記下支持体を相対的に鉛直方向に移動させる下支持体移動機構を備える。前記制御器は、前記上リムと前記下リムとにより前記タイヤが保持されている状態から、前記下支持体移動機構を駆動させて、前記下リムに対して相対的に前記下支持体を鉛直上方に移動させ、前記下支持体を前記タイヤの下サイドウォールに接触させ、前記下リムに対して相対的に前記タイヤを前記下支持体と共に鉛直上方に移動させて、前記タイヤを前記下リムから引き剥がす引き剥がし工程を、少なくとも前記タイヤ取外工程前に実行する。
【0014】
当該タイヤ保持装置では、引き剥がし工程において、タイヤが下支持体と上リムとで挟まれた状態で、タイヤを下リムから引き剥がす。このため、タイヤが安定した状態で、このタイヤを下リムから引き剥がすことができる。
【0015】
前記目的を達成するための発明に係る第五態様のタイヤ保持装置は、
前記第二態様から前記第四態様のいずれかのタイヤ保持装置において、前記上支持体移動機構は、エアシリンダである。前記エアシリンダは、鉛直方向に延びるピストンロッドと、前記ピストンロッドの第一端が入り込み、前記ピストンロッドをエア圧で鉛直方向に進退させるシリンダケースとを有する。前記ピストンロッドの第二端に前記上支持体が固定されている。
【0016】
当該タイヤ保持装置では、シリンダケース内に適切な圧力のエアを供給しておけば、弾性体であるタイヤを上支持体で確実に押え付けることができる。よって、エアシリンダを上支持体移動機構として用いることにより、上支持体移動機構の制御が容易になる。
【0017】
前記目的を達成するための発明に係る第六態様のタイヤ保持装置は、
前記第五態様のタイヤ保持装置において、前記シリンダケース内のエア圧を調節するエア圧調節器を備える。前記制御器は、前記エア圧調節器により、前記タイヤ取外工程中の前記シリンダケース内のエア圧よりも、前記挟み込み工程中の前記シリンダケース内のエア圧を低圧にする。
【0018】
当該タイヤ保持装置では、シリンダケース内の圧力を調節することにより、挟み
込み工程中、タイヤに上支持体が強く押し付けられて、このタイヤの一部が大きく変形することを抑制することができる。
【0019】
前記目的を達成するための発明に係る第七態様のタイヤ保持装置は、
前記第一態様から前記第六態様のいずれかのタイヤ保持装置において、前記上リム及び前記下リムは、いずれも、鉛直方向に延びる軸線を中心として配置されている。前記上支持体は、前記軸線に対する径方向で互いに離れている第一上支持体と第二上支持体とを有する。前記下支持体は、前記軸線に対する径方向で互いに離れている第一下支持体と第二下支持体とを有する。さらに、前記第一上支持体と前記第二上支持体との間の径方向の距離を変える上支持体間隔変更機構と、前記第一下支持体と前記第二下支持体との間の径方向の距離を変える下支持体間隔変更機構と、を備える。
【0020】
当該タイヤ保持装置では、タイヤサイズが変わった場合でも、第一上支持体及び第二上支持体をタイヤの上サイドウォールに接触させることができると共に、第一下支持体及び第二下支持体をタイヤの下サイドウォールに接触させることができる。
【0021】
前記目的を達成するための発明に係る第八態様のタイヤ保持装置は、
前記第一態様から前記第七態様のいずれかのタイヤ保持装置において、前記下支持体は、両サイドウォールが鉛直方向に向いている状態の前記タイヤが載置され、水平方向にタイヤを搬送するコンベアである。
【0022】
前記目的を達成
するための発明に係る第九態様のタイヤ試験システムは、
前記第一態様から前記第八態様のいずれかのタイヤ保持装置と、前記上リムと前記下リムとで保持されている前記タイヤに対して各種計測を行うタイヤ計測器と、を備える。
【0023】
前記目的を達成すための発明に係る第十態様のタイヤ保持装置の制御方法は、以下のタイヤ保持装置の制御方法である。
タイヤ保持装置は、両サイドウォールが鉛直方向に向いている状態のタイヤの上ビード部に嵌り込む上リムと、前記上リムの下側に配置され、前記タイヤの下ビード部に嵌り込んで、前記上リムとで前記タイヤを保持する下リムと、前記タイヤの上サイドウォールに接することが可能な上支持体と、前記タイヤの下サイドウォールに接して前記タイヤを支持する下支持体と、前記下リムに対して前記下支持体を相対的に鉛直方向に移動させる下支持体移動機構と、を備える。
当該制御方法では、前記上リムが前記タイヤの上ビード部から外れている一方で、前記下リムが前記タイヤの下ビード部に嵌り込んでおり、且つ前記上支持体が前記タイヤの上サイドウォールに接している状態で、前記下支持体を前記タイヤの下サイドウォールに接触させて、前記タイヤを前記下支持体と前記上支持体とで挟み込む挟み込み工程と、前記タイヤを前記下支持体と前記上支持体とで挟み込んでいる状態を継続しつつ、前記下支持体移動機構を駆動させて、前記下支持体に対して相対的に前記下リムを鉛直下方に移動させ、前記タイヤを前記下リムから引き剥がすタイヤ取外工程と、を実行する。
【0024】
前記目的を達成すための発明に係る第十一態様のタイヤ保持装置の制御方法は、
前記第十態様のタイヤ保持装置の制御方法において、前記タイヤ保持装置
は、前記上リムに対して前記上支持体を相対的に鉛直方向に移動させる上支持体移動機
構を備える。
当該制御方法では、前記上リムと前記下リムとにより前記タイヤが保持されている状態から、前記
上支持体移動機構を駆動させて、前記上リムに対して相対的に前記上支持体を鉛直下方に移動させ、前記上支持体を前記タイヤの上サイドウォールに接触させ、前記上リムに対して相対的に前記タイヤを前記上支持体と共に鉛直下方に移動させて、前記タイヤを前記上リムから引き剥がす引き剥がし工程を、少なくとも前記タイヤ取外工程前に実行する。
【0025】
前記目的を達成すための発明に係る第十二態様のタイヤ保持装置の制御方法は、以下のタイヤ保持装置の制御方法である。
タイヤ保持装置は、両サイドウォールが鉛直方向に向いている状態のタイヤの上ビード部に嵌り込む上リムと、前記上リムの下側に配置され、前記タイヤの下ビード部に嵌り込んで、前記上リムとで前記タイヤを保持する下リムと、前記下リムに対して前記上リムを相対的に鉛直方向に移動させるリム移動機構と、前記タイヤの下サイドウォールに接して前記タイヤを支持する下支持体と、前記タイヤの上サイドウォールに接することが可能な上支持体と、前記上リムに対して前記上支持体を相対的に鉛直方向に移動させる上支持体移動機構とを有するタイヤストリッパと、を備える。
当該制御方法では、前記下リムが前記タイヤの下ビード部から外れている一方で、前記上リムが前記タイヤの上ビード部に嵌り込んでおり、且つ前記下支持体が前記タイヤの下サイドウォールに接している状態で、前記タイヤストリッパを駆動させて、前記上支持体を前記タイヤの上サイドウォールに接触させて、前記タイヤを前記上支持体と前記下支持体とで挟み込む挟み込み工程と、前記タイヤを前記下支持体と前記上支持体とで挟み込んでいる状態を継続しつつ、前記リム移動機構を駆動させて、前記上支持体に対して相対的に前記上リムを鉛直上方に移動させ、前記タイヤを前記上リムから引き剥がすタイヤ取外工程と、を実行する。
【0026】
前記目的を達成すための発明に係る第十三態様のタイヤ保持装置の制御方法は、
前記第十二態様のタイヤ保持装置の制御方法において、前記タイヤ保持装置は、前記下リムに対して前記下支持体を相対的に鉛直方向に移動させる下支持体移動機構を備える。
当該制御方法では、前記上リムと前記下リムとにより前記タイヤが保持されている状態から、前記下支持体移動機構を駆動させて、前記下リムに対して相対的に前記下支持体を鉛直上方に移動させ、前記下支持体を前記タイヤの下サイドウォールに接触させ、前記下リムに対して相対的に前記タイヤを前記下支持体と共に鉛直上方に移動させて、前記タイヤを前記下リムから引き剥がす引き剥がし工程を、少なくとも前記タイヤ取外工程前に実行する。