(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6780111
(24)【登録日】2020年10月16日
(45)【発行日】2020年11月4日
(54)【発明の名称】流体を気化する装置
(51)【国際特許分類】
F01N 3/08 20060101AFI20201026BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20201026BHJP
B01D 53/86 20060101ALI20201026BHJP
B01D 53/90 20060101ALI20201026BHJP
【FI】
F01N3/08 B
F01N3/24 L
B01D53/86 222
B01D53/90
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-528554(P2019-528554)
(86)(22)【出願日】2017年11月20日
(65)【公表番号】特表2020-513497(P2020-513497A)
(43)【公表日】2020年5月14日
(86)【国際出願番号】EP2017079713
(87)【国際公開番号】WO2018095838
(87)【国際公開日】20180531
【審査請求日】2019年5月27日
(31)【優先権主張番号】102016223578.8
(32)【優先日】2016年11月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519031896
【氏名又は名称】ヴィテスコ テクノロジーズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Vitesco Technologies GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー シュトック
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ ブリュック
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ヒアト
(72)【発明者】
【氏名】マーク ブルッガー
【審査官】
二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0152766(US,A1)
【文献】
実開平7−13424(JP,U)
【文献】
特開2009−243470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00− 3/08
F01N 9/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスが通流可能なケーシング(1)と、排ガスが通流可能な領域内に調量供給可能である流体を調量供給する噴射装置(4)と、前記ケーシング内に配置された気化装置とを備える、排ガスを浄化する装置において、
前記気化装置は、前記ケーシング(1)の主通流方向(2)に沿って延びる複数の面積エレメント(7)を有しており、前記主通流方向(2)に対して垂直に延びる方向に沿って、調量供給された前記流体を気化可能であり、前記気化装置は、加熱装置(6,10)によって電気的に加熱可能であり、
前記加熱装置(6)は、前記主通流方向(2)に沿って前記気化装置に前置された加熱ディスク(6)によって形成されていることを特徴とする、排ガスを浄化する装置。
【請求項2】
前記加熱装置(6)は、加熱導体として形成された抵抗加熱エレメントによって形成されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記加熱装置は、1つまたは複数のPTC加熱エレメント(10)によって形成されている、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記面積エレメントは、PTC加熱エレメント(10)によって形成されており、該PTC加熱エレメント(10)は、通流可能な支持エレメントから、前記ケーシング(1)の前記主通流方向(2)に沿って突出している、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記PTC加熱エレメント(10)には、排ガス耐性のフィルム(11)が巻かれている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記加熱装置は、支持エレメント上に印刷されている単数または複数の加熱導体を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記加熱ディスク(6)は、金属製のハニカム体によって形成されており、該ハニカム体が、複数の流れ通路(9)を有しており、該流れ通路(9)は、前記ケーシング(1)の前記主通流方向(2)に沿って延びており、前記面積エレメント(7)は、個別の流れ通路(9)内に挿入されており、前記ケーシング(1)の前記主通流方向(2)に沿って前記加熱ディスク(6)から突出している、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記加熱装置の前記面積エレメント(7)は、前記噴射装置(4)により調量供給可能な流体が前記主通流方向(2)に対してほぼ垂直に前記面積エレメント(7)に吹付け可能であるように、前記ケーシング(1)内に位置決めされている、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
排ガスの温度および/または気化装置の温度を検出し、予め設定可能な最低温度に応じて、該設定可能な最低温度が到達された場合にようやく流体の調量供給を行うことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置を運転する方法。
【請求項10】
前記最低温度を下回った場合に、前記気化装置の、前記最低温度までの加熱、または前記最低温度を上回る加熱を達成するために、加熱装置を作動させる、請求項9記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガスを浄化する装置であって、排ガスが通流可能なケーシングと、流体を調量供給するための噴射装置とを備え、排ガスが通流可能な領域内に流体を調量供給可能であり、ケーシング内に配置されている気化装置をさらに備えている、排ガスを浄化する装置に関する。さらに本発明は、この装置を運転する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排ガス経路内では、内燃機関の排ガスのできるだけ包括的な後処理を達成するために種々異なる構成要素が使用される。これらの構成要素のうち、特にいわゆるSCRシステムが公知である。SCRシステムは、特にディーゼルエンジンにおける排ガス内の窒素酸化物の変換のために使用される。このためには、排ガス内の窒素酸化物の変換を引き起こして窒素と水とを形成するために、排ガス経路内に流体が噴射される。いわゆるSCRシステム(選択触媒還元)は、先行技術において多数の実施形態で公知である。好適には、流体として尿素水溶液が使用される。
【0003】
排ガスのこの変換を確実にするために、一般的には、尿素水溶液が排ガス経路内に噴射される。この場合、尿素溶液は、特に排ガス経路内の、排ガスによって加熱される構造体に吹き付けられる。この際に、ある程度の最低温度に達すると、尿素水溶液の気化が開始して、これによりアンモニアが放出される。このアンモニア自体は窒素酸化物と反応して窒素と水とを形成する。
【0004】
これまでに先行技術において公知であった排ガス装置内では、気化に役立つ構造体の加熱が、流れる排ガスからの熱対流によって行われている。したがって、加熱は排ガス温度に直接依存しており、これにより、特にコールドスタート時には、尿素水溶液の噴射は比較的に遅い時点でようやく開始することができる。場合によっては十分に高い排ガス温度をもたらさない低負荷領域においても、噴射は遅延して行われるか、または全く行われない。さらに、排ガス温度の低下時に、化学副反応が生じて、これにより、気化エレメントにおける、または排ガス経路内での堆積が概して発生してしまう。この堆積により、排ガス後処理システムの効率は悪化してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、排ガス経路内の、気化に役立つ構造体の最適化された加熱を可能にする排ガス後処理システムを提供することにある。この場合、特に流体の気化のために必要となる温度のより迅速な達成が確保されることが望ましい。さらに、本発明の課題は、この装置を運転するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
装置に関する課題は、請求項1に記載の特徴を有する装置によって解決される。
【0007】
本発明の実施例は、排ガスを浄化する装置であって、排ガスが通流可能なケーシングと、排ガスが通流可能な領域内に調量供給可能である流体を調量供給する噴射装置と、ケーシング内に配置された気化装置とを備え、気化装置は、ケーシングの主通流方向に沿って延びる複数の面積エレメントを有しており、主通流方向に対して垂直に延びる方向に沿って流体を調量供給可能であり、気化装置は、加熱装置によって電気的に加熱可能である、排ガスを浄化する装置に関する。
【0008】
排ガス内に含まれる窒素酸化物を変換する目的のために、好適には流体として尿素水溶液が使用される。尿素水溶液の気化により、排ガス経路内でアンモニアが形成され、アンモニアは、窒素酸化物と反応して窒素と水とを形成する。
【0009】
面積エレメントは、有利にはケーシングの主通流方向に沿って延びている。これは、排ガス経路内で面積エレメントにより生じる圧力損失をできるだけ小さく維持するために必要である。同時に、これは、公知の実施形態では専ら流れる排ガスからの熱移行によって行われる面積エレメントの加熱を困難にする。
【0010】
したがって、面積エレメントのできるだけ迅速な加熱を保証するために、有利な形式で実際の排ガス流とは関係なしに面積エレメントの加熱をもたらす付加的な加熱源を備えることが必要である。より迅速な加熱によって、排ガス後処理装置の運転のために必要である流体の気化を早期に開始することができ、これは、特に内燃機関のコールドスタート時に、より迅速で完全な排ガス後処理を可能にする。
【0011】
面積エレメントへの流体の直角な調量供給または吹付けは有利である。なぜならば、これにより流体は特に良好に分配され、できるだけ大きな反応面に接触するからである。これにより、気化が改善される。有利な構成では、面積エレメントは、これらの面積エレメントが、調量供給箇所から見て互いに直接に整合して位置していないように、配置されている。直接に整合していることにより、より離れて位置する面積エレメントが、調量供給箇所の近傍に配置された面積エレメントの陰に位置してしまう。
【0012】
加熱装置が、加熱導体として形成された抵抗加熱エレメントによって形成されていると特に有利である。抵抗加熱エレメントによる加熱は、この抵抗加熱エレメントを簡単に実現することができ、加熱エレメントの形状付与が少ない制限しか受けないので有利である。抵抗加熱は、多様な使用分野において公知であり、したがって廉価かつ確実に実現することができる。抵抗加熱エレメントは、たとえばワイヤまたはハニカム体の形の通電導体によって形成されていてよい。面積エレメントは、加熱導体に対して電気絶縁されて配置されていてよく、これにより、面積エレメント自体は、抵抗加熱の効果により加熱されない。この場合、面積エレメントの加熱は、加熱導体自体からの対流によって行われ、流れる排ガスが、面積エレメントに沿って流れる前に、加熱導体によって加熱されることにより行われる。
【0013】
代替的に、面積エレメントは加熱エレメントに直接に導電性に結合されていてもよい。これにより、これらの面積エレメントは抵抗加熱の効果によって加熱される。
【0014】
加熱装置が、1つまたは複数のPTC加熱エレメントによって形成されている場合も有利である。PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)加熱エレメントは、先行技術において十分に公知である。PTC加熱エレメントは、電圧が印加されることにより、意図的に排ガスを加熱するために使用することができる。選択された材料および印加された電圧に依存して、PTCエレメントの予め規定された加熱を達成することができる。
【0015】
面積エレメントが、通流可能な支持エレメントからケーシングの主通流方向に沿って突出しているPTC加熱エレメントによって形成されている場合も有利である。PTC加熱エレメント自体による面積エレメントの形成は、これにより特にコンパクトな加熱装置を提供できるので有利である。さらに、特に加熱装置による圧力損失が最小化される一方で、それにもかかわらず比較的大きな加熱表面が流れる排ガスに接触する。流体が直接に面積エレメントに直角に調量供給されるので、面積エレメントの直接的な加熱によって流体の気化も排ガス流の温度とは関係なしに達成することができる。これは、流体の気化温度に到達するまでの加熱期間がこれにより実質的にPTC加熱エレメントの特性によって規定されており、排ガスの加熱とは無関係であるので特に有利である。
【0016】
さらに、PTC加熱エレメントには排ガス耐性のフィルムが巻かれていると有利である。これは、一方では排ガスの有害な影響をPTC加熱エレメントから遠ざけ、他方では流体、変換物または排ガスとPTC加熱エレメントとの不所望な化学反応を阻止するために有利である。
【0017】
さらに、加熱装置が主通流方向に沿って気化装置に前置された加熱ディスクによって形成されていると有利である。加熱ディスクは、一方では排ガスが比較的妨げられずにこの加熱ディスクを通って流れることができ、他方では容積に関連して、流れる排ガス流の加熱のための大きな表面積が形成されるので、有利である。有利には、このような加熱ディスクは、主通流方向に沿って伸びる複数の流れ通路を有するハニカム体として構成されている。
【0018】
加熱装置が、支持エレメント上に印刷されている単数または複数の加熱導体を有している場合も有利である。印刷された加熱導体は、加熱導体の延在形状を自由に構成可能であるという利点を提供する。
【0019】
さらに、加熱ディスクが、複数の流れ通路を有する金属製のハニカム体によって形成されていると有利である。流れ通路は、ケーシングの主通流方向に沿って延びており、この場合、面積エレメントは、個別の流れ通路内に挿入され、ケーシングの主通流方向に沿って加熱ディスクから突出している。
【0020】
このような構造は、この種の加熱ディスクを簡単に製造することができ、多様な構造形状で製造することができるので、有利である。流れ通路内への面エレンメントの挿入によって、面積エレメントを物理的なコンタクトによって直接に一緒に加熱することを達成することができる。加熱ディスクが抵抗加熱エレメントとして設計されていて、面積エレメントが加熱ディスクから電気絶縁されずに構成されている限り、これらの面積エレメントは同様に抵抗加熱の効果によって一緒に加熱される。電気絶縁が設けられている限り、熱は加熱ディスクによって加熱エレメントへと、材料接触によって直接に伝達される。
【0021】
さらに、噴射装置によって調量供給可能な流体が主通流方向に対してほぼ垂直に面積エレメントに吹付け可能であるように、加熱装置の面積エレメントがケーシング内に位置決めされていると有利である。これは、面積エレメントにおいてできるだけ大きな有効面積を形成し、これにより流体をできるだけ迅速かつできるだけ完全に気化することができるので、有利である。垂直方向の吹付けにより、流体が軸方向で排ガス流を通ってできるだけ遠くまで拡散され、これにより、気化するために面積エレメントから放射される熱をできるだけ多く受け取ることが達成される。90度よりも明らかに小さい角度での噴射は、面積エレメントによって気化される前に、より多くの流体が排ガス流によって連行されて、これにより排ガス後処理が悪化することになる。
【0022】
方法に関する課題は、請求項10に記載の特徴を有する方法によって解決される。
【0023】
本発明の実施例は、排ガスの温度および/または気化装置の温度を検出し、予め設定可能な最低温度に依存して、この予め設定可能な最低温度が到達された場合に初めて流体の調量供給が行われる方法に関する。これは、流体が低過ぎる温度、特に気化温度よりも低い温度で調量供給され、ひいては流体が液状の形で排ガス経路内に残ることを阻止するために有利である。
【0024】
気化しなかった流体は、排ガス経路を損傷してしまうことがあり、最悪の場合には排ガスと一緒に排気管から漏れ出る。これにより、この溶液が環境に放出されてしまう。さらに、排ガス内の液状の成分が特定の運転状況において内燃機関の吸引器への経路に至って、これにより内燃機関自体における損傷をもたらしてしまう。
【0025】
さらに、最低温度を下回った場合に、気化装置の、最低温度までの加熱、または最低温度を上回る加熱を達成するために加熱装置を作動すると有利である。これは、流体の気化のために十分な温度が常に存在していることを確保するために有利である。さもなければ、十分な排ガス後処理を確保することができない。
【0026】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項および以下の図面の説明に記載されている。
【0027】
以下に、本発明を実施例に基づき図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】排ガス経路の断面図であり、排ガスの流れ方向で第1の触媒の背後に加熱装置と、流体を吹き付けることができる気化装置とが配置されている。
【
図2】複数の面積エレメントを備える加熱ディスクの斜視図であり、面積エレメントは、気化エレメントの部分であり、加熱ディスクから突出している。
【
図3】ピンとして構成された面積エレメントの詳細図であり、面積エレメントは、加熱ディスクを形成するハニカム体の流れ通路内に挿入されている。
【
図4】PTC加熱エレメントとして形成された加熱エレメントの断面図であり、加熱エレメントには保護フィルムが巻かれている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、ケーシング1の断面を示している。このケーシング1は、排ガス経路を形成する。このケーシング1を通って、主通流方向2に沿って排ガスが流れることができる。参照符号3により、可能な多数の触媒を代表して、1つの個別の触媒3が図示されている。この触媒3は、排ガスが通流可能である。
【0030】
主通流方向2に沿って、触媒3に後置されて加熱ディスク6が配置されている。この加熱ディスク6からは、主通流方向2に対して平行に複数の面積エレメント7が突出している。これらの面積エレメント7は、たとえばピンによって形成されていてよく、これらのピンは、たとえば加熱ディスクの流れ通路によって形成されている開口内に挿入されている。したがって、面積エレメント7は、加熱される表面積を拡大し、これにより、調量供給された流体の改善された、特により迅速な気化を達成することができる。
【0031】
尿素溶液は、ケーシング1の外壁に側方で配置されたインジェクタ4を介してケーシング1内に調量供給することができる。尿素溶液は、このインジェクタ4から円錐状5にケーシング1内に拡散して、好適には主通流方向2に対して直角に、主通流方向2に沿って延びる面積エレメント7に衝突する。
【0032】
面積エレメント7は、加熱ディスク6の加熱面積の拡大に役立つ。加熱ディスクに対する直接接触により、面積エレメント7は一緒に加熱される。
【0033】
図1に示した実施例では、加熱ディスク6が、スペーサエレメント8を介して触媒3に対して離間している。これは、1つの有利な実施形態を成すに過ぎない。代替的な構成では、加熱ディスクまたは一般に加熱装置が、別の形式でケーシング内に取り付けられていてよい。
【0034】
図2は、複数の面積エレメント7を備える加熱ディスク6の斜視図を示している。面積エレメント7は、この実施例では、円筒形のピンとして形成されていて、加熱ディスク6に沿って分配されている。加熱ディスク6は、蛇行して巻かれた金属エレメントによって形成されている。この金属エレメントは電気的に加熱することができる。面積エレメント7は、別の形状を有していてもよい。
【0035】
図3は、加熱ディスク6の複数の流れ通路9のうちの1つの流れ通路内に挿入されているピン7の詳細図を示している。加熱ディスク6は、ハニカム体のように、互いに重ね合わされた複数の平坦層および波形層から形成されている。この場合、流れ通路9は、平坦層と波形層との間に形成されている。
【0036】
好適には、ピン7は、これらのピン7が流れ通路9内にぴったりと嵌合して挿入することができるように構成されている。ピン7と加熱ディスク6との間の直接的な接触により、ピン7は直接に加熱ディスク7と一緒に加熱される。
【0037】
図4は、面積エレメント7を示している。この面積エレメント7は、好適にはPTC加熱エレメントによって形成されている。加熱エレメントのコアには、PTCエレメント10が配置されているか、または代替的な実施形態では、単純な加熱導体が配置されている。したがって、電圧を印加することにより、規定された加熱を達成することができる。
【0038】
図4に示した実施例では、加熱エレメント10には、フィルム11が巻かれている。このフィルム11は、たとえば加熱エレメント10を、傍らを流れる排ガスの腐食特性に対して保護するか、または尿素溶液の化学特性から保護する。
【0039】
このような加熱エレメント10は、上述の図面において図示されたような加熱ディスク内に、ピンの代わりに挿入することができる。しかし、それ自体が加熱可能ではない支持エレメントを使用して、加熱を完全に加熱エレメント10によって達成することも可能である。
【0040】
個別の実施例の種々異なる特徴は、互いに組み合わせることもできる。
図1から
図4に示した実施例は、特に制限をする性質を有しておらず、本発明の思想を明確にするために役立つ。